JP2004031713A - 電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法およびこれを用いた電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法およびこれを用いた電気二重層コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】活性炭の有する細孔構造を収縮させることなく、不純物や官能基を除去する電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法および静電容量の高くなおかつ耐久性のある電気二重層コンデンサを提供する。
【解決手段】電気二重層コンデンサ用活性炭を、領域XおよびYの温度および圧力条件で、すなわち300℃以上温度でかつ23〜30MPaの圧力下の超臨界またはその近傍で水にて洗浄して得られた活性炭を電気二重層コンデンサの電極として使用する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法およびこれを用いた電気二重層コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、電気二重層キャパシタとも呼ばれ、そしてファラッド級の大容量を有し、充放電サイクル特性にも優れ、かつ急速充電が可能であることから、電子機器のバックアップ電源、車載のバッテリ(エネルギバッファ)などの用途に使用されている。
【0003】
電気二重層コンデンサの概略を図5を用いて説明する。
図5は、電気二重層コンデンサの基本構成を示す断面図である。
図5に示す電気二重層コンデンサ101は、容器102と、その容器102内にセパレータ103を挟んで配置される1対の炭素電極(分極性電極)104、104と一対の集電体(部材)105、105とが収納された構成を有しており、そして容器内102は、イオン導電性の電解液が導入されている。電気二重層コンデンサ101は、固体である炭素電極104、104と液体である電解液との界面で発生し、分子レベルの距離を隔てて存在する電荷(図中、+および−で示す)を通常のコンデンサにおける誘電体として用いたコンデンサである。
【0004】
電気二重層コンデンサに使用される電解液は、大別して希硫酸に電解質を添加したいわゆる水溶系の電解液と有機溶剤に電解質を添加したいわゆる有機系電解液に大別され、目的に応じて選択される。すなわち、水溶系電解液を使用した電気二重層コンデンサは、内部抵抗が低くパワー密度の点で有利であり、また電圧仕様が自由に設定できる。一方、有機系電解液は、単セル当たりの耐電圧を高くすることが可能であるのでエネルギ密度の点で有利であり、またアルミニウム等の安価で軽量な金属やステンレス等の金属を容器として使用できる。
【0005】
一般に、静電容量の大きい電気二重層コンデンサを得る目的で電極に比表面積の大きい活性炭や活性炭繊維を使用している。すなわち、活性炭の比表面積が増大するほど、活性炭内部の細孔が増加するため、電解質イオンの吸着量が増え、静電容量は大きくなると言われている。通常、比表面積数千m/g以上の活性炭が電極に用いられている。このように比表面積が大きい活性炭を用いることで、数百ないし数千ファラドという大容量を得ることが可能と言われている。
【0006】
また、活性炭重量当たりの容量と活性炭比表面積とはほぼ直線的な比例関係にあるが、電極単位体積当たりの容量は、活性炭の比表面積が2000〜2500m/gの範囲で最大になり、それ以上では低下することが示されている(DENKI KAGAKU,59,p.607)。これは、活性炭の比表面積が増加すると活性炭の細孔容積が増大し、電極の見かけ密度が低下するためである。活性炭の高比表面積化と高静電容量とは密接に関係すると考えられているが、高比表面積化すると、細孔の増加によって活性炭の嵩密度が小さくなってしまい、単位体積当たりの静電容量が小さくなってしまう。
【0007】
このような単位体積当たりの静電容量を増加させるという観点から、易黒鉛化材料(graphitizing carbon)を使用した電極が開発されている。特に、近年いわゆるメソフェーズピッチ系炭素質物をアルカリ賦活して得られた活性炭(メソフェーズ炭)は、電気二重層コンデンサの分極性電極に使用されている。メソフェーズ炭とは、ピッチ等を原料(易黒鉛化材料)として作られる炭素繊維の1種である。ピッチは、光学的に等方性であるが、これを加熱していくと、ピッチ分子がある規則性をもって配向し、光学的異方性を示す部分(光学的異方性小球体)が生成し、それが成長するとともに合体して、最終的にはすべてが光学的に異方性で、流れ模様を示すコークスに変化する。この光学的異方性を示す部分をメソフェーズという。メソフェーズ炭素繊維とは、メソフェーズをある程度発生させたピッチをメルトブロー法等で紡糸して作られる炭素繊維である。
【0008】
メソフェーズ炭は、光学的異方性を示し、比較的高い配向度をもつ。また、空気による酸化(不融化処理)によっても基本的な配向は乱されることなく、しかも、炭素化処理および高温加熱処理によって配向が顕著に改善される。また、メソフェーズ炭素繊維は黒鉛化度が高い。このように構成することによって、単位体積当たりの静電容量が大きい分極性電極に使用することが可能となる。
【0009】
例えば、特開平5−258996号公報には、ピッチを原料として溶融紡糸し、熱処理して得た炭素質繊維をアルカリ金属水酸化物の水溶液で賦活し、粉砕した、メソフェーズ炭を用いた電気二重層コンデンサ用電極が開示されている。また、特開平9−275042号公報には、このような静電容量の大きい分極性電極として、塩化ビニル系樹脂を焼成してアルカリ賦活した活性炭が記載されている。
【0010】
このように構成された電気二重層コンデンサは、所定の充放電サイクルを繰り返して使用しているが、繰り返しの使用により電極を構成する活性炭中に存在する有機残渣等の不純物やOH基等の官能基の影響により、電極が劣化してしまう。そのため、従来、電気二重層コンデンサの電極として使用する活性炭を不活性雰囲気下あるいは還元雰囲気下で600℃以上の温度で熱処理を行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法で製造された活性炭は、600℃以上の高温で熱処理するために、活性炭の有する細孔構造が収縮し、その結果静電容量が低下してしまうことがあった。
またメソフェーズ炭等の黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性炭は、アルカリにて賦活した後、イオン交換水(約90℃)にて洗浄し塩酸にて中和し、そしてイオン交換水(約90℃)にて洗浄するサイクルを数回繰り返すことによって洗浄していた。
しかしながら、このような洗浄方法で処理を行った活性炭は、電気二重層コンデンサの電極として使用した際に、比較的良好な初期特性を有するが、長時間使用すると経時的劣化してしまう。
【0012】
しがたって、本発明の課題は、活性炭の有する細孔構造を収縮させることなく、不純物や官能基を除去する電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法を提供することである。
本発明の別の課題は、静電容量が高くなおかつ耐久性のある電気二重層コンデンサを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、超臨界またはその近傍の所定温度および圧力条件下で電気二重層コンデンサ用活性炭を洗浄することによって上記課題を解決することが可能であることを見出して、本発明を創作するに至った。
すなわち、本発明の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法は、電気二重層コンデンサ用活性炭を300℃以上、好ましくは300〜450℃の温度でかつ23〜30MPaの圧力下で水にて洗浄する段階を含むことを特徴とするものである(請求項1および請求項2)。
このように構成することによって、電気二重層コンデンサ用活性炭の細孔に存在する不純物や官能基を、細孔を収縮させることなしに効果的に除去可能となる。したがって、本発明によると高い静電容量で耐久性のある電気二重層コンデンサ用活性炭を製造することが可能となる。
【0014】
本発明の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法において使用する活性炭が易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性炭であることを特徴とするものである(請求項3)。
メソフェーズ炭に代表される易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性炭は、比表面積が大きく静電容量の大きい材料である。本発明はこのような活性炭を原料として電気二重層コンデンサ用活性炭を製造することができる。
本発明はまた、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法により製造された電気二重層コンデンサ用活性炭である(請求項4)。
このように構成することによって、初期特性が高くかつ耐久性のある電気二重層コンデンサ用活性炭が得られる。
【0015】
本発明は、容器と、前記容器内にセパレータを挟んで設けられた活性炭から構成された電極と、前記容器内に注入された電解液とから構成された電気二重層コンデンサであって、活性炭が請求項4に記載の活性炭であることを特徴とするものである(請求項5)。
このように構成することによって、耐久性が高くかつ静電容量の大きい電気二重層コンデンサを提供することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1は、電気二重層コンデンサの一例を示す図面である。
図1に示す電気二重層コンデンサ1は、コイン型の電気二重層コンデンサであって、ケース2と蓋体3とから構成された容器内にはセパレータ6を介して正極4および負極5が充填され、そして正極4および負極5の周囲には電解液7が注入された構成を有している。
電気二重層コンデンサのケース2および蓋体3は、例えばステンレスで構成されている。また、電気二重層コンデンサの電極(正極4および負極5)は、後述する本発明の活性炭と黒鉛等の導電性フィラおよび結着剤との混合物が使用されている。
【0017】
セパレータとして、正極4および負極5とを分離する当該技術分野に公知の材料、例えばポリテトラフルオロエチレエン(PTFE)等を使用することができる。
なお、本発明において電気二重層コンデンサに使用可能な電解液7は、従来使用されている電解液、例えば過塩素酸、六フッ化リン酸、四フッ化ホウ酸、トリフルオロアルキルスルホン酸のテトラアルキルアンモニウム塩またはアミン塩およびテトラフルオロアルキルスルホン酸のテトラアルキルアンモニウム塩またはアミン塩等から適宜選択して使用することができる。
【0018】
このような、電解質は、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ニトロエタン等の極性溶剤に溶解された電解液として使用される。
【0019】
本発明において使用される活性炭は、電気二重層コンデンサに使用可能であれば特に限定されるものではなく、当該技術分野に公知の活性炭から適宜選択することができる。
例えば、通常の活性炭に加えてコークス、メソカーボン小球体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等の易黒鉛化炭素質を、焼成温度を制御して炭化した後、アルカリ賦活して得られる活性炭を本発明の電気二重層コンデンサ用活性炭として使用することができる。このような活性炭は静電容量が大きいので好ましい。
【0020】
すなわち、例えばコークス、メソカーボン小球体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等の易黒鉛化炭素質を、焼成温度を制御して炭化した後、アルカリ賦活して得られる活性炭は高い静電容量を有する。このような技術は、従来種々の文献に記載されている(例えば、前述の公報に加えて、特公平5−17669号公報、特公平4−24831号公報、特許2621294号公報、特開平4−188559号公報(メソフェーズ小球体)、特開平6−243867号公報(玉葱状構造)、特開平5−94838号公報(複相炭素繊維)を参照のこと)。本発明において、電極としてこのような静電容量を大きくすることが可能である材料を使用することができる。なお、例えば特開平6−123050号公報に記載のような、ポリアクリロニトリル繊維、塩化ビニリデン繊維、セルローズ繊維、フエノール繊維等の難黒鉛化繊維と石油コークス、石炭ピッチ等の易黒鉛化炭素繊維とを含む電極も本発明において使用することが可能である。
【0021】
より具体的には、易黒鉛化材料、例えばピッチ系、アクリロニトリル系、特開平9−275042号公報に記載の塩化ビニル系の材料を炭化した後、アルカリ賦活して得られた活性炭、特にメソフェーズピッチ系炭素質物をアルカリ賦活して得られた活性炭は、静電容量が高いが、通常の活性炭に比べて、電極に使用した場合膨張し易い傾向にある。また、メソフェーズピッチは、配向性が高いので、均一な賦活反応が起こりやすく、かつ、細孔が均一に形成される。電解質イオンのイオン径によって最適な細孔径があるが、メソフェーズピッチ系炭素質物をアルカリ賦活して得られた活性炭は、最適な径の細孔が多く、しかも、均一に分布している。そのために、これを電極に用いた電気二重層コンデンサは、一般に使用されている活性炭を電極に用いた電気二重層コンデンサよりも、静電容量、特に単位体積当たりの静電容量が高くなる。
【0022】
このような活性炭は、その細孔表面に存在するOH基等の官能基、細孔中に存在する残留有機成分等の不純物が存在している。
これらの官能基や不純物は充放電を繰り返すと、細孔の目詰まりの原因となるので、電気二重層コンデンサを製造する前に除去処理する必要がある。
【0023】
本発明においては、これらの官能基や不純物を除去するために、図2に示す超臨界領域またはその近傍の領域の水で活性炭の洗浄を行う。これらの洗浄条件は、本発明者等の繰り返しの実験の結果に基づいて決定されたものである。
すなわち、本発明は、一定の温度で圧力を変化させて活性炭を水で洗浄した結果、良好な洗浄効果を示す領域を洗浄領域として設定したものである。すなわち、図2に示す通り、圧力23〜30MPaにおいて300℃以上、好ましくは300℃〜450℃の温度の水で活性炭を数分間、例えば1〜10分間、好ましくは5分程度洗浄する。
【0024】
すなわち、図2に示す超臨界領域(図中Y)に加えて、超臨界の近傍領域(図中X)(いわゆる亜臨界領域)でも充分な洗浄効果を得ることができる。
本発明において、このような所定条件での水による活性炭の洗浄は、温度制御可能な耐圧容器内で行われる。
このようにして、本発明において出発原料である活性炭を所定の温度および所定の圧力条件下に水で洗浄することによって、細孔を収縮することなしに、すなわち静電容量を減少することなしに細孔中の官能基および不純物を除去することが可能となる。
そして、得られた活性炭は、電気二重層コンデンサの電極として長期間、高い静電容量で使用することが可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
メソフェーズピッチ系炭素質物を水酸化カリウムにより賦活し、イオン交換水(約90℃)にて洗浄し塩酸にて中和し、そしてイオン交換水(約90℃)にて洗浄するサイクルを数回繰り返して得られた活性炭(以下、メソフェーズ−ピッチ活性炭と言う)1.00gを20ccの耐圧容器に入れ、この容器にイオン交換水を入れて300℃で5分間、容器内圧力23MPaで熱処理を行った。
熱処理したメソフェーズ−ピッチ活性炭を濾別し、乾燥し、そして乾燥したメソフェーズ−ピッチ活性炭を黒鉛(導電性フィラ)およびテフロン(登録商標)(結着剤)と質量比90:5:5の割合で混練した。次いで、混合物を圧延して厚さ150μmのシート状電極を作製した。得られた電極を直径20mmに切り出して本発明の電極とした。得られた電極および厚さ75μmのポリテトラフルオロエチレエン(PTFE)製のセパレータを用いて、図1に示すコイン型コンデンサ1を作製した。なお、電解液としてトリエチルメチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液(1.5モル/L)を使用した。
【0026】
[実施例2]
メソフェーズ−ピッチ活性炭を温度375℃、圧力23MPaで5分間熱処理した以外は実施例1と同様にして、コイン型コンデンサ2を作製した。
[実施例3]
メソフェーズ−ピッチ活性炭を温度385℃、圧力30MPaで5分間熱処理した以外は実施例1と同様にして、コイン型コンデンサ3を作製した。
【0027】
[比較例1]
熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、比較用コイン型コンデンサ1を作製した。
[比較例2]
実施例1で用いたメソフェーズ−ピッチ活性炭を窒素雰囲気下に300℃で3時間熱処理した以外は実施例1と同様にして、比較用コイン型コンデンサ2を作製した。
[比較例3]
実施例1で用いたメソフェーズ−ピッチ活性炭を窒素雰囲気下に385℃で3時間熱処理した以外は実施例1と同様にして、比較用コイン型コンデンサ3を作製した。
【0028】
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた本発明のコイン型コンデンサ1〜3および比較用コイン型コンデンサ1〜3について、初期状態の抵抗率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。また、本発明のコイン型コンデンサ1〜3および比較用コイン型コンデンサ1〜3を45℃の雰囲気下に2.7Vの電圧で1000時間連続的に電圧印加を行った後、同様にしてこれらのコイン型コンデンサの抵抗率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。さらに、2.7Vの電圧で1000時間連続的に電圧印加を行った際の経過時間と内部抵抗上昇率(%)との関係を図3に示し、2.7Vの電圧で1000時間連続的に電圧印加を行った際の経過時間と静電容量劣化率(%)との関係を図4示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004031713
【0030】
【表2】
Figure 2004031713
【0031】
表1に示す通り、初期状態において、本発明のコイン型コンデンサ1〜3は、窒素雰囲気下で熱処理した比較用コイン型コンデンサ2および3と比較して、抵抗率が低く、また静電容量が大きいという良好な初期特性を有している。
また、表1に示す通り、熱処理しない比較用コイン型コンデンサ1は、比較的良好な初期特性を有するが、表2および図3〜4に示す通り、1000時間連続電圧印加後の性能は不良となっている。同様に、表2および図3〜4に示す通り、比較用コイン型コンデンサ2〜3についても、1000時間連続電圧印加後の性能が不良となっている。
【0032】
これに対して、表2に示す通り、本発明のコイン型コンデンサ1〜3は、比較用コイン型コンデンサ1〜3と比較して抵抗率が低く、なおかつ静電容量の高い状態を保っている。
また、図3から本発明のコイン型コンデンサ1〜3は、比較用コイン型コンデンサ1〜3と比較して内部抵抗率の上昇が緩やかであり、また図4から本発明のコイン型コンデンサ1〜3は、比較用コイン型コンデンサ1〜3と比較して静電容量の劣化率も緩やかであることが判る。
このことから、本発明のコイン型コンデンサ1〜3は、初期状態で高い性能を有するのみならず、これらの性能を長期間維持できることが判る。
【0033】
以上、主としてメソフェーズ−ピッチ活性炭を電極としたコイン型コンデンサについて説明したが、本発明はこのような特定の実施の形態に限定されるものではない。例えば、電極として、その他の活性炭、例えば椰子殼炭等を原料とすることも可能であり、またコイン型以外にも円筒型のコンデンサとすることも本発明の範囲内である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以下の優れた効果を奏する。
請求項1および請求項2によると、電気二重層コンデンサ用活性炭の細孔に存在する不純物や官能基を細孔を収縮させることなしに効果的に除去可能となる。したがって、高い静電容量で耐久性のある電気二重層コンデンサ用活性炭を製造することが可能となる。
請求項3によると、比表面積が大きく静電容量の大きい材料であるメソフェーズ炭に代表される易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性炭を原料として電気二重層コンデンサ用活性炭を製造することができる。
請求項4によると、初期特性が高くかつ耐久性のある電気二重層コンデンサ用活性炭が得られる。
請求項5によると耐久性が高くかつ静電容量の大きい電気二重層コンデンサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気二重層コンデンサの一例を示す図面である。
【図2】本発明における活性炭を熱処理する際の温度および圧力領域を示すグラフである。
【図3】1000時間連続的に電圧印加を行った際の経過時間と内部抵抗上昇率(%)との関係を示すグラフである。
【図4】1000時間連続的に電圧印加を行った際の経過時間と静電容量劣化率(%)との関係を示すグラフである。
【図5】電気二重層コンデンサを模式的に示す図面である。
【符号の説明】
1  電気二重層コンデンサ
2  ケース
3  蓋体
4  正極
5  負極
6  セパレータ

Claims (5)

  1. 電気二重層コンデンサ用活性炭を300℃以上の温度でかつ23〜30MPaの圧力下の超臨界またはその近傍で水にて洗浄する段階を含むことを特徴とする電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法。
  2. 水による洗浄を300〜450℃の温度でかつ23〜30MPaの圧力下で行うことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法。
  3. 使用する活性炭が易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性炭であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気二重層コンデンサ用活性炭の製造方法により製造された電気二重層コンデンサ用活性炭。
  5. 容器と、
    前記容器内にセパレータを挟んで設けられた活性炭から構成された電極と、
    前記容器内に注入された電解液と
    から構成された電気二重層コンデンサであって、
    前記活性炭が請求項4に記載の活性炭であることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
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