JP2005093777A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、電解液を含浸させたイオン透過性のセパレータを挟んで、集電層と特定の活物質層とから成る分極性電極の一対を対向させた電気二重層キャパシタにおいて、耐電圧が高く、エネルギー密度が大きく、耐久性に優れた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 イオン透過性のセパレータを挟んで、集電体と炭素材とからなる炭素材電極の一対を対向させ充放電させる電気二重層キャパシタであって、正極は活性炭を主体とした活物質と集電体とが一体化してなり、負極はリチウムを吸蔵、脱離しうる活物質と集電体とが一体化してなることを特徴とする電気二重層キャパシタに関する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話の電源や、自動車用補助電源、パーソナルコンピュータや各種メモリーのバックアップ用電源などに用いる電気二重層キャパシタに関する。
この種の電気二重層キャパシタとしては、特許文献1に開示されているものがあった。この従来例によれば、活性炭層を、メソカーボンマイクロビーズを賦活処理した光学的異方性多孔質炭素微小球体を素材とした成型体で構成している。ところが、得られる静電容量が 1.25 F(コイン型キャパシタ)以下と小さいものであった。
そこで、静電容量を増加するものとして、特許文献2の電気二重層キャパシタが提案されている。この特許文献2では、分極性電極を構成する炭素材料を、原料を炭素化し、黒鉛類似の微結晶炭素を成長させる第1の熱処理工程と、アルカリ金属の蒸気が発生する温度以上で熱処理する第2の熱処理工程とを経て電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を作製している。その電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を組み立てた後に、最初に 4 Vの電圧を分極性電極間に印加することによって、炭素材料の微結晶炭素の層間に有機電解液における溶質のイオンを強制的に挿入させて静電容量を発現させるようにしている。これにより、比表面積を小さくして電極密度を高くするとともに、 4 Vの電圧を印加することにより、 22 〜 35 F/ccの静電容量を得ている。
しかしながら、特許文献2のものでは、4 Vの高い電圧を印加してイオンを微結晶炭素の層間に挿入、放出することにより、高い静電容量を得るものであるために、充放電に伴って炭素層に膨張・収縮が生じ、充放電のサイクル特性が低下して耐久性が低く、寿命が短い欠点があると考えられる。また、静電容量、エネルギー密度、充放電効率等の点においてもさらなる改善の余地がある。
特許第2634658号公報 特開2000-77273公報
本発明は、電解液を含浸させたイオン透過性のセパレータを挟んで、集電層と特定の活物質層とから成る分極性電極の一対を対向させた電気二重層キャパシタにおいて、耐電圧が高く、エネルギー密度が大きく、耐久性に優れた電気二重層キャパシタを得ることを目的とする。
また、本発明は、特定の活物質を用いることにより、電極を高密度で充填して電気二重層キャパシタの静電容量を大きくし、しかも安価に該キャパシタを製造できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、正極及び負極活物質表面を特定の被覆形成用材料で被覆することにより、比表面積及び細孔直径の制御を行い、充放電効率や容量の向上を図ることを目的とする。
さらに、本発明は、リチウムイオンを負極、或いは正極及び負極に吸蔵させ、Li/Li+に対する電圧をコントロールすることにより、電解液であるポリプロピレンカーボネート等が分解せずに、電気二重層キャパシタの耐電圧を向上させ、結果として、高容量の電気二重層キャパシタを得ることを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、電極に特定の炭素材を採用することにより課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の電気二重層キャパシタを提供する。
項1 イオン透過性のセパレータを挟んで、集電体と炭素材とからなる炭素材電極の一対を対向させ充放電させる電気二重層キャパシタであって、正極は活性炭を主体とした活物質と集電体とが一体化してなり、負極はリチウムを吸蔵、脱離しうる活物質と集電体とが一体化してなることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
項2 正極活物質の表面の一部又は全部が、被覆形成用炭素材料により被覆されていることを特徴とする項1に記載の電気二重層キャパシタ。
項3 負極活物質が、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を賦活処理した活物質である項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
項4 負極活物質が、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を炭素化した後アルカリ賦活処理した活物質である項3に記載の電気二重層キャパシタ。
項5 負極活物質における黒鉛を除く光学的異方性炭素質物が、メソカーボンマイクロビーズである項1〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
項6 負極活物質における黒鉛を除く光学的異方性炭素質物が、生コークス、メソフェーズピッチ、及びバルクメソフェーズからなる群から選ばれる少なくとも1種である項1〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
項7 負極の活物質が球状粒子である項1〜6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
項8 負極活物質の表面の一部又は全部が、被覆形成用炭素材料及び/又は被覆形成用珪素材料により被覆されていることを特徴とする項1〜7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
項9 負極活物質にリチウムイオンを化学的又は電気化学的に吸蔵させたことを特徴とする項1〜8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
項10 正極及び負極の活物質にリチウムイオンを化学的又は電気化学的に吸蔵させたことを特徴とする項1〜9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。

以下、本発明の電気二重層キャパシタについて詳述する。
本発明の電気二重層キャパシタは、イオン透過性のセパレータを挟んで、集電体と炭素材とからなる炭素材電極の一対を対向させ充放電させる電気二重層キャパシタであって、正極は活性炭を主体とした活物質と集電体とが一体化してなり、負極はリチウムを吸蔵、脱離しうる活物質と集電体とが一体化してなることを特徴とする。
なお、活物質と集電体とが一体化するとは、活物質と集電体とが積層するなどして接触し1つの電極を形成している状態を意味する。
セパレータ
セパレータの構成は、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができる。また、セパレータの材質も、特に限定されるものではないが、例えば、電解コンデンサー紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料等が挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じ適宜決定される。中でも、電解コンデンサー紙が好ましい。また、セパレータは十分に乾燥したものが好ましい。
集電体
集電体としては、例えば、ステンレスメッシュ、アルミニウム等が挙げられるが、中でもアルミニウム箔のものが好ましい。集電体の厚さは、例えば、0.02〜0.5mm程度であればよい。
電解液
電解液としては、例えば、公知のアンモニウム塩及び/又はリチウム塩を含む非水系電解質を使用することができる。具体的には、トリエチルメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート(Et3MeNBF4)、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレート(Et4NBF4)、リチウム・ヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)、リチウム・テトラフルオロボレート(LiBF4)、等のアンモニウム塩及び/又はリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、或いはこれら2種以上の混合溶媒等の有機溶媒に溶解したもの等が例示される。また、電解液の濃度は特に限定されるものではないが、一般的に0.5mol/lから2mol/lが実用的である。該電解液は当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。
正極
正極は、活性炭を主体とした活物質と集電体とが一体化してなる電極である。正極の活性炭は比表面積が 300 〜 2000 m2/gであるのがよく、400〜1000m2/gであるのがより好ましい。300 m2/g以下の場合、活性炭単位重量当たりの電解液中の陰イオンを吸脱着量が少なく、結果として静電容量が小さくなり、エネルギー密度は小さくなる。 2000 m2/g以上であれば、電解液中の陰イオンの吸脱着量は多くなるが、電極密度が小さくなり、結果として静電容量は小さくなり、エネルギー密度は小さくなる。
これにより、本発明の電気二重層キャパシタは、従来よりも高い静電容量を得ることができるとともにサイクル特性に優れている。
負極
具体的には、リチウムを吸蔵、脱離することができ、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を賦活処理した活物質と集電体とを一体化してなるものである。より具体的には、リチウムを吸蔵、脱離することができ、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を炭素化した後にアルカリ賦活処理した活物質と集電体とを一体化してなる分極性電極であることが好ましい。
黒鉛を除く光学的異方性炭素質物としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズが挙げられる。メソカーボンマイクロビーズについて、以下説明する。ピッチを原料とするニードルコークス、炭素繊維の開発に際し、石油系および石炭系のピッチを加熱していく過程において、ピッチ中に炭素六員環網面が平行に積層した球晶が発現する。この球晶は、マトリックスピッチとは異なる相を形成しており、アンチソルベルト法、遠心分離法等により単離されている。この単離された球晶のことをメソカーボンマイクロビーズと指称し、1 〜 85 μmの微小球体で、光学的異方性の結晶性組織を有している。
この球状のメソカーボンマイクロビーズからなる活物質は、かさ密度が高く球形であることから高密度で充填できる。その結果、電極密度を高くすることができ静電容量を大きくでき、同一の静電容量を得るうえで一層電気二重層キャパシタを小型化できる。
また、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物の他の例としては、生コークス、メソフェーズピッチ、バルクメソフェーズ等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を用いることができる。また、メソカーボンマイクロビーズとの併用も可能である。メソフェーズピッチやバルクメソフェーズは、ピッチを原料とするニードルコークス、炭素繊維の開発に際し、石油系および石炭系のピッチの加熱処理により得られるものである。また、生コークス、メソフェーズピッチ、バルクメソフェーズのいずれにおいても、それらを破砕処理して粒状にして用いる。この場合、光学的異方性炭素質物からなる負極活物質のかさ密度が高く、電極を高密度で充填して静電容量を大にでき、またメソカーボンマイクロビーズに比べても安価に製造できる。
本発明の電気二重層キャパシタの負極活物質は、球状粒子で構成される。球状粒子の平均粒径は、通常、1〜100μm程度のものが用いられる。球状粒子としては、特に限定されないがメソカーボンマイクロビーズや、生コークス、メソフェーズピッチ、バルクメソフェーズなどの光学的異方性炭素質物を、回転テーブル上で転動させるなどの球状化処理によって得ることができる。この球状粒子の炭素質物を炭素化、賦活化して得られる球状粒子の活物質を用いると、高密度で充填することができるため電極密度を高くすることができる。したがって、電極密度を高くできて静電容量を大にでき、同一の静電容量を得るうえで一層電気二重層キャパシタを小型化できる。
なお、炭素化の方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、ヘリウムガスや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で、上記光学的異方性炭素質物を600〜1000℃程度で熱処理を行う等の方法が挙げられる。
アルカリ賦活処理としては、公知の処理方法を採用することができる。例えば、炭素化した炭化物を水酸化ナトリウム(NaOH)粉末や水酸化カリウム(KOH)粉末などと混合し、ヘリウムガスや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で 600 〜 900℃で熱処理を行い、炭化物をナトリウム(Na)蒸気やカリウム(K)蒸気などの中に曝露するようにする。静電容量の面から水酸化ナトリウム(NaOH)粉末を用いるのが好ましい。
処理された活物質は比表面積が100 〜 600 m2/gであるのがよく、100〜400 m2/gであるのがより好ましい。100 m2/g以下の場合、活性炭単位重量当たりの電解液中の陰イオンの吸脱着量が少なく、結果として静電容量が小さくなり、エネルギー密度は小さくなる。 600 m2/g以上であれば、電解液中の陰イオンの吸脱着量は多くなるが、電極密度が小さくなり、結果として静電容量は小さくなり、エネルギー密度は小さくなる。
活物質の被覆形成
本発明の電気二重層キャパシタでは、正極及び/又は負極活物質の表面の一部又は全部が、被覆形成用炭素材料及び/又は被覆形成用珪素材料により被覆されているのが好適である。アルカリ賦活処理物表面を被覆形成用炭素材料で被覆することは、比表面積および細孔直径の制御に効果がある上に、表面上のリチウムとの副反応サイトを被覆することによりリチウムの充放電効率を高める。また、アルカリ賦活処理物表面を被覆形成用炭素材料及び被覆形成用珪素材料で被覆することは、負極でのリチウムの充放電容量向上に効果がある。
被覆材料としては、炭素化可能な材料であれば特に制限されず、例えば、樹脂類(フェノール樹脂、フラン樹脂、アクリロニトリル系樹脂など)、瀝青質物質(タール、ピッチなど)などが例示できる。瀝青質物質は石油又は石炭に由来してもよく、等方性又は異方性(例えば、等方性ピッチ、異方性ピッチなど)であってもよい。また、被覆材料の軽質分は予め除去されていてもよい。その他、合成ピッチ(ポリアセン、ナフタレンピッチなど)でもよい。これらの被覆材料は、単独で又は2種類以上の組み合わせで使用できる。これらの被覆材料のうち、通常、ピッチ、タールが使用される。
被覆方法としては、活物質を上記被覆材料の共存下に熱処理することにより被覆するか、上記被覆材料を有機溶媒に溶解し活物質表面にコーティング、必要により洗浄した後熱処理することにより被覆する。あるいは、トルエン、キシレンなどの炭化水素を含む不活性雰囲気中で活物質を熱処理することにより達成できる。熱処理温度は、400℃〜2000℃程度の温度で、好ましくは500℃〜1300℃で加熱することが好ましい。熱処理雰囲気は、還元雰囲気、不活性雰囲気、真空、常圧、加圧でも構わない。被覆前に密着性を向上させるため、酸化することも可能である。活物質表面を被覆する炭素材料の量は、比表面積、細孔直径などに応じて決定すればよく特に限定されないが、活物質:被覆材料=9:1〜1:9程度である。
被覆形成用珪素材料による活物質表面の被覆は、被覆形成用炭素材料による被覆と同様に、炭素被覆材料にシリコン粒子(平均粒径0.01μm〜10μm程度)を分散させ同様の方法で被覆できる。被覆層は、シリコン粒子表面の露出を防止できる限り、単層構造であってもよいが、被覆形成用珪素材料と被覆形成用炭素材料による被覆の上に更に炭素被覆を形成した複数の被覆でも構わない。被覆層中の珪素の割合は、0%〜90%程度である。
電極活物質へのリチウムイオンの吸蔵
本発明の電気二重層キャパシタは、負極活物質にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵させておくことが好ましい。
負極にリチウムイオンが吸蔵された電極を用いることにより、両極が分極性電極の場合と比べ、静電容量は2倍になり、負極の電位(対Li/Li+)は金属リチウムに近づき 0 V(対Li/Li+)近辺となる。正極の活物質は炭素の自然電位(対Li/Li+)は充電前は 3 V(対Li/Li+)となる。 4 Vの電圧になるまで充電し、その後、 2 V(対Li/Li+)まで放電したときのエネルギーは 1/2・C・V2で表され、この場合、エネルギー(J)= 1/2・C・((4)2-(2)2) = 6Cとなる。
一方、負極活物質にリチウムイオンが吸蔵されていない通常の2.2 Vの電気二重層キャパシタでは、例えば、エネルギー(J)= 1/2・C・((2.2)2−02) = 2.42Cとなる。そのため、負極活物質にリチウムイオンを吸蔵させたキャパシタの放電エネルギー量は、負極活物質にリチウムイオンが吸蔵されていないものより2倍以上大きくなる。
また、正極のみが分極性電極のキャパシタの場合は、従来の両極が分極性電極の場合のキャパシタの2倍の静電容量となる。
また、本発明の電気二重層キャパシタは、負極及び正極活物質にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵させておくことが好ましい。
正極は通常、炭素の自然電位(対Li/Li+)は充電前、 3 V(対Li/Li+)となる。しかし、正極にもリチウムイオンを吸蔵させることにより、電位を 1.5 〜 2.0 Vに下げることができる。そうすることにより、たとえば、 1.5 Vから 4.0 Vでの充放電が電気化学的反応を伴わずに可能となる。4 Vの電圧になるまで充電し、その後、 1.5 V(対Li/Li+)まで放電したときのエネルギーは1/2・C・V2で表され、この場合、エネルギー(J)= 1/2・C・((4)2-(1.5)2) = 6.87Cとなる。
本発明の電気二重層キャパシタ
上述した電極、セパレータ、電解液を、例えば、ドライボックス中で組み立てることにより本発明の電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明の電気二重層キャパシタについて、その一実施態様を示す図1に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電気二重層キャパシタの実施例の一例としてのコイン型電気二重層キャパシタを示す断面図である。該キャパシタは、電解液を含浸させたイオン透過性のセパレータ1を挟んで、集電体としての正極集電層2と正極活物質層3とを積層してなる正極4、及び負極集電層2’と負極活物質層3’とを積層してなる負極4’の一対が対向して設けられている。
正極4及び負極4’それぞれには、ステンレススチール製の正極ケース5及び負極ケース6がスポット溶接されるとともに、両ケース5、6間にガスケットリング7が介装されて正極、負極を絶縁した状態で封口ケーシングされ、コイン型電気二重層キャパシタAが構成されている。
本発明の電気二重層キャパシタとして図1のコイン型キャパシタが例示されるが、他に、円筒型、角型等の種々の公知の形状のものが用いられる。
本発明の電気二重層キャパシタは、耐電圧が高く、エネルギー密度が大きく、そして耐久性に優れている。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするところをさらに明確にするが、これにより本発明が限定されるものではない。
実施例1
市販のピッチ系活性炭(粒径 10 μm;比表面積 2000 m2/g)を正極に用いた。上記活性炭粉末 8 gと、導電材料としてのケッチェンブラック 1 gと、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 1 gを混練、圧延して厚み 0.5 mmのシート状にした。得られたシートのかさ密度は 0.55 g/cm3であった。このシートを 200 ℃で2時間真空乾燥後、厚さ 20 μmのアルミニウム箔に導電性接着剤を用いて接着して正極とした。
負極には以下の材料を調整した。粒径が 25 μmのメソカーボンマイクロビーズ 1 kgを窒素雰囲気中で、 800 ℃、2時間加熱して炭素化処理を行い、室温まで冷却した。そのメソカーボンマイクロビーズの炭化物と水酸化ナトリウム(NaOH)粉末とを重量比 1 : 2.5で混合し、ヘリウム雰囲気中で、 600 ℃、1時間加熱し、炭化物をナトリウム蒸気中に暴露してアルカリ賦活処理した。
室温まで冷却した後、この炭素粉末を硝酸水溶液中で中和してから水洗処理し、付着しているアルカリ分を除去した後に乾燥させた。この炭素粉末の比表面積をN2 BET法で測定したところ、 379 m2/gであった。また、この実施例1のものは、収率が 75 %で細孔容積が 0.235 ml/gであった。
上記炭素粉末 8 gと、導電材料としてのケッチェンブラック 1 gと、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 1 gを混練、圧延して厚み 0.5 mmのシート状にした。得られたシートのかさ密度は 1.1 g/cm3であった。このシートを 200 ℃で2時間真空乾燥後、厚さ 30 μmの胴箔に導電性接着剤を用いて接着し、負極を得た。
正極、負極それぞれを直径 16 mmで打ち抜いたものを電極とし、その正負極電極とセパレータとを組み合わせ、有機電解液(1 M-Li・BF4/プロピレンカーボネート)を含浸させて電気二重層キャパシタを作製した。この組み立ては、露点 -80℃以下のアルゴン雰囲気が保持できるグローブボックス中で行った。また、負極には負極材料を作用極、リチウム金属を対極とし予め、リチウムを吸蔵しておいた。
次いで、得られた電気二重層キャパシタに対し、 4.2 Vまで電圧を印加し、 10 mAの充電電流、 5 mAの放電電流で充放電を行い、 2.2 Vまで放電し、静電容量とエネルギー密度を測定したところ、 4.5 F、 28.8 Jであった。
実施例2
アルカリ賦活処理時の温度を 700℃とした以外は、第1実施例と同様に製作した。この実施例2のものでは、比表面積が 467 m2/gであり、収率が 56 %で細孔容積が 0.294 ml/gであった。得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度は 4.8 F、30.7 Jであった。
実施例3
アルカリ賦活処理時の温度を 800℃とした以外は、第1実施例と同様に製作した。この実施例3のものでは、比表面積が 184 m2/gであり、収率が 52 %で細孔容積が 0.129 ml/gであった。得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度はそれぞれは、 4.1 F、26.2 Jであった。
実施例4
アルカリ賦活処理時の温度を 900 ℃とした以外は、第1実施例と同様に製作した。この実施例4のものでは、比表面積が 154 m2/gであり、収率が 51 %で細孔容積が 0.180 ml/gであった。得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度はそれぞれは、 3.5 F、22.4 Jであった。
実施例5
アルカリ賦活処理時の温度を 700 ℃とし、正極にも負極と同様リチウムイオンを吸蔵させ、放電終止電圧を 1.5 Vとした以外、第1実施例と同様に製作した。この実施例5のものでは、得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度は 4.7 F、 36.2 Jであった。
実施例6
正極にも負極ともに等方性ピッチ(軟化点280℃)で熱処理被覆し20重量%程度表面を被覆した以外は、第5実施例と同様に製作した。この実施例6のものでは、得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度は 5.0 F、 38.5 Jであった。
実施例7
正極は等方性ピッチ(軟化点280℃)で熱処理被覆し20重量%程度表面を被覆し、負極は等方性ピッチとシリコン粒子で熱処理被覆した上に、更に等方性ピッチで熱処理被覆した以外は、第5実施例と同様に製作した。被覆量は、約20重量%で、被覆層中の珪素含有量は30重量%である。この実施例7のものでは、得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度は 5.1 F、 39.2 Jであった。
比較例1
負極活物質に正極の活性炭を用いた以外、第1実施例と同様に製作した。得られた電気二重層キャパシタの静電容量とエネルギー密度はそれぞれ 2.8 F、17.9 Jであった。
比較例2
負極にリチウムを吸蔵しなかったこと以外、第1実施例と同様に製作した。印加電圧が 3.8 Vを超えると電気二重層キャパシタは膨張しはじめた。電解液の分解が生じたものと考えられる。
本発明の電気二重層キャパシタの一実施形態であるコイン型電気二重層キャパシタの断面図である。
符号の説明
1 セパレータ
2 正極集電層
2’負極集電層
3 正極活物質層
3’負極活物質層
4 正極
4’負極
5 正極ケース
6 負極ケース
7 ガスケットリング
A コイン型電気二重層キャパシタ

Claims (10)

  1. イオン透過性のセパレータを挟んで、集電体と炭素材とからなる炭素材電極の一対を対向させ充放電させる電気二重層キャパシタであって、正極は活性炭を主体とした活物質と集電体とが一体化してなり、負極はリチウムを吸蔵、脱離しうる活物質と集電体とが一体化してなることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 正極活物質の表面の一部又は全部が、被覆形成用炭素材料により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 負極活物質が、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を賦活処理した活物質である請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 負極活物質が、黒鉛を除く光学的異方性炭素質物を炭素化した後アルカリ賦活処理した活物質である請求項3に記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 負極活物質における黒鉛を除く光学的異方性炭素質物が、メソカーボンマイクロビーズである請求項1〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 負極活物質における黒鉛を除く光学的異方性炭素質物が、生コークス、メソフェーズピッチ、及びバルクメソフェーズからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  7. 負極の活物質が球状粒子である請求項1〜6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  8. 負極活物質の表面の一部又は全部が、被覆形成用炭素材料及び/又は被覆形成用珪素材料により被覆されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  9. 負極活物質にリチウムイオンを化学的又は電気化学的に吸蔵させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  10. 正極及び負極の活物質にリチウムイオンを化学的又は電気化学的に吸蔵させたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
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