JP2004031449A - 搬送トレーおよび基板処理装置 - Google Patents

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Mitsuhiro Yuasa
湯浅 光博
Koji Honma
本間 孝治
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Abstract

【課題】ウェハ搬送時にウェハの反りを生じることなく、安定な搬送を実現し、かつ処理するウェハサイズの変更の要求があった場合に速やかに対応する。
【解決手段】本発明では、被処理基板であるウェハを静電吸着機構を具備した搬送トレーに載置して搬送することにより、ウェハの反りとそれに伴う破損の問題を解決して安定な搬送と基板処理が可能となった。
また、200mmウェハと300mmウェハ用のそれぞれの搬送トレーに対して、基板処理装置側に対する互換性を持たせ、制御装置によってウェハのサイズによってトレーの選択を自動的に行うシステムを構築することにより、生産性を向上させることが可能となった。
【選択図】     図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
被処理基板を載置してウェハを搬送する搬送トレーおよび搬送トレーを搬入して被処理基板を処理する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェハは大口径化、薄膜化が急速に進んできている。半導体生産ラインでは未だ200mmウェハと300mmウェハが混在しているが、主流は既に300mmウェハにシフトしている。また、各種携帯用機器などの市場の拡大や積層型半導体の開発の要求から半導体素子の薄膜化が急務であり、従来は200〜300μm程度であったものが最近では50μm程度の素子が登場してきており、さらに薄膜化が検討されている。
【0003】
このような半導体素子の製造工程において、被処理基板であるウェハを搬送する手段としては搬送アームの上にウェハを載置して搬送する方法が一般的であった。しかし、特にウェハを薄くするバックグラインド工程後の薄いウェハに関しては、以下の問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような大口径・薄膜化したウェハを、たとえばバックサイドエッチングの工程を行う際には、従来方法で搬送するとウェハに反りが発生しやすく、搬送中にウェハを破損しやすい問題があった。そこで前記破損の問題を解決するために搬送アームの保持部に真空吸着機構を利用してウェハを真空吸着して搬送するベルヌイチャックが提案されている。(例えば特開平8−55896号公報参照)。しかし、真空の基板処理容器にウェハを搬入する際には真空吸着機構は使えないため、1処理毎に基板処理容器を大気開放する必要が生じ、生産性が著しく低下してしまう問題があった。
【0005】
また、現状では200mmウェハと300mmウェハという大きさの異なるウェハが生産ラインで混在しているため、基板処理装置および搬送系などの生産設備を、ウェハの大きさごとに変更しなければならず、コストがかかっていた。
【0006】
そこで、本発明では、被処理基板であるウェハを静電吸着機構を具備した搬送トレーに載置して搬送することにより、ウェハの反りとそれに伴う破損の問題を解決することを目的としている。
【0007】
また、200mmウェハと300mmウェハ用のそれぞれの搬送トレーに、基板処理装置側に対する互換性を持たせることで、基板処理装置を200mmウェハと300mmウェハの双方の処理に用いることが可能となり、製造設備のコストが削減できる。更に制御装置によってウェハのサイズによってトレーの選択を自動的に行うシステムを構築することにより、更に生産性を向上させることが可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、次に述べる各手段を講じることにより解決することができる請求項1の発明は、
被処理基板を搬送トレー本体に載置して搬送されると共に、基板処理装置の固定機構によって前記基板処理装置の載置部に固定される搬送トレーにおいて、前記搬送トレー本体上端面に前記固定機構を構成する固定具が係合する窪み部分を設けたことを特徴とする搬送トレーである
請求項2の発明は、
請求項1記載の搬送トレーにおいて、
前記基板処理装置に前記固定具によって固定された際に、前記固定具と前記搬送トレー本体の前記上端面が面一になるよう構成したことを特徴とする搬送トレーである。
【0009】
請求項3の発明は、
請求項1または2記載の搬送トレーにおいて、
前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、前記被処理基板と前記搬送トレー本体との間に前記被処理基板冷却のためのガスを導入する貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレーである。
【0010】
請求項4の発明は、
請求項1乃至3いずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、ガスを導入して加圧状態にすることにより前記搬送トレー本体に載置された前記被処理基板に対して前記搬送トレー本体から離れる方向の力を加える貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレーである。
【0011】
請求項5の発明は、
請求項1乃至4のいずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、被処理基板を突き上げるための突き上げピンを挿通可能な構成とされた貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレーである。
【0012】
請求項6の発明は、
請求項1乃至5のいずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
絶縁膜を有した被処理基板を静電吸着する静電吸着機構をさらに設け、
該静電吸着機構の電圧印加部が前記搬送トレー本体の被処理基板載置面に露出した構成としたことを特徴とする搬送トレーである。
【0013】
請求項7の発明は、
被処理基板を搬送する第1の搬送系と、
前記被処理基板を載置した搬送トレーを搬送する第2の搬送系と、
前記搬送トレーを保持するトレーストッカと、
前記搬送トレーに載置された前記被処理基板を処理する基板処理容器を有する基板処理装置において、
第1の搬送トレーと前記第1の搬送トレーと異なる第2の搬送トレーを保持するトレーストッカを設けたことを特徴とする基板処理装置である。
【0014】
請求項8の発明は、
請求項6記載の搬送トレーにおいて、
前記絶縁膜は被処理基板に貼付された表面保護テープであることを特徴とする搬送トレーである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は被処理基板である200mmウェハを載置する200mm用搬送トレー10の断面図である。前記200mm用搬送トレー上には被処理基板である200mmウェハW1が載置される。前記200mm用搬送トレーは略円板状であり、円板の外周部に11で示す段差形状が設けられており、前記段差からみてトレー上部10a(直径Da)とトレー下部10b(直径Db)から成る。これは後ほど図5で説明するが、基板処理装置に前記搬送トレーが搬送された後、トレー押し付けリング(後述)で基板処理装置のトレー載置部に押し付けられるためのトレー押し付けリングの受けのための段差形状で、トレー押し付けリングが、段差形状の上面11aに係合する。
【0016】
前記200mm用搬送トレー10は前記ウェハW1を静電吸着するための誘電層を形成する例えば窒化アルミニウム10cで形成されており、高電圧を印加するための電極12a,12bを含み、前記12a,12bに高電圧を印加するためのコンタクトポイント1a,1bから高電圧が印加され、ウェハW1は前記トレーに静電吸着される。また、前記電極1aの外側端部から1bの外側端部の距離をD1とする。
【0017】
また、13a,13b,および13cは、前記搬送トレーを貫く貫通穴であり、前記搬送トレーの中心に13aを配し、外側に13bおよび13cを配する。13bと13cの距離をD2とする。この前記貫通穴13a〜13cは以下の3つの用途で用いられる。A)穴の下部から例えばHeなどのウェハ冷却のためのガスが供給され、前記搬送トレー10の上面と前記ウェハW1の隙間に導入されることで前記ウェハWが冷却される。B)ウェハ脱着の際に貫通穴の下部から例えばHeなどのガスを供給し、貫通穴の中を加圧することで、搬送トレーからのウェハの剥離を容易にする。C)ウェハ剥離の際に、ウェハ突き上げピン(図示せず)を穴下部から挿入して前記ウェハを突き上げることにより、ウェハを前記搬送トレーから剥離する。
【0018】
また、これらA乃至Cの機能を持つ貫通穴は前記搬送トレーに任意の個数設置することができ、かつこれらA〜Cの機能の一つ以上三つ以下の任意の個数の機能を持たせることが可能である。
【0019】
図2は被処理基板である300mmウェハを載置する300mm用搬送トレー20の断面図である。前記300mm用搬送トレー上には被処理基板である300mmウェハW2が載置される。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0020】
図2を参照するに、前記300mm用搬送トレー20の外縁形状を規定する、Da,Db,10a,10b,11および11aは前記200mm用搬送トレー10と同一である。また、高電圧を印加するコンタクトポイント1a、1bも同一であり、高電圧の印加方法も同一で行うことができる。このため、前記200mm用搬送トレー10と、前記300mm用搬送トレー20は、同一の基板処理装置に載置して基板処理を行うことができ、基板処理装置を共用できるメリットがあり、半導体製造コスト低減に効果が大きい。
【0021】
また、中心部の貫通穴13aは、前記200mm用搬送トレーと前記300mm用搬送トレーの場合で同一であるが、端部の貫通穴23b,23cは前記13b,13cに比較して中心部から遠い方向に設置してあり、前記D2に比較して23b,23cの距離を示すD3は大きくなっている。これはウェハの冷却を考えた場合、ウェハの周辺部が効率よく冷却されて、冷却の均一性が向上するように、300mmウェハの場合はHeなどのガス冷却のための貫通穴を、ウェハ周辺に近い部分に設置したためである。Heなどによるガス冷却の導入方法は、後ほど図5にて説明する。
【0022】
また、前記300mm用搬送トレー20の場合は、高電圧を印加する電極22aの外側端部から高電圧を印加する電極22bの外側端部までの距離D3が、前記200mm用搬送トレー10の前記D1より大きくなっている。これは、300mmウェハを、ウェハ周辺部まで確実に静電吸着し、ウェハの反りによる影響がでることのないようにするためである。
【0023】
図3は、図1の前記200mm用搬送トレー10の変更例の搬送トレー30である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0024】
図3を参照するに、高電圧を印加する電極32a,32bが搬送トレーの上部表面にむき出しになっている。これは、前記搬送トレー10の場合に前記電極12aおよび12bが誘電層10cで覆われている場合と異なっている。これは、静電吸着のために必要な誘電層として、前記搬送トレー30の上部に載置される被処理基板であるウェハW1に積層された絶縁膜Waを用いるためである。絶縁層Waに関してはCVD膜(化学気相成長膜)、もしくはSOD(スピンオンコートによる塗布絶縁膜)でもよい。
【0025】
また、半導体製造工程において、ウェハ裏面を研削してウェハを薄くする処理(バックグラインド処理)をする際に、ウェハ表面に形成された半導体素子を保護するために保護テープを用いることがあるが、前記絶縁層としてこの前記保護テープを用いることも可能である。
【0026】
図4は、前記300mm用搬送トレー20の変更例である搬送トレー40の例である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0027】
図4を参照するに図3の場合と同様に、高電圧を印加するための電極42a,42bが、前記図3の場合と同様に10aの誘電層で覆われずに、搬送トレーの上部表面にむき出しになっている。
【0028】
前記図3のWaの場合と同様に、絶縁層Wbに関して、CVD膜(化学気相成長膜)、SOD(スピンオンコートによる塗布絶縁)、もしくは前記した保護テープを用いることが可能である。
【0029】
次に、前記200mm用搬送トレー10が基板処理容器に搬送されて基板処理容器に載置された例を、図5に示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0030】
図5は、前記200mm用搬送トレー10が、基板処理容器50に載置されたときの断面図である。前記基板処理容器50は、容器壁50aと処理ガス導入部50bおよび真空排気部50cを有し、容器内を前記50cで真空排気し、前記50bによって処理ガスを導入して基板処理を行う。前記ウェハW1を上部に載置した前記200mm用搬送トレー10が、前記基板処理容器50に搬入されると、処理容器中心部に凸状に形成された搬送トレー載置部51の上面51aに載置される。次に、上下機構(図示せず)を付した支持部52aによって上下に可動するリング状のトレー押さえリング52が、下に可動して前記52の下部面と前記11aが係合し、さらに所定の力で押し付けられることによって、前記搬送トレー10は前記搬送トレー載置部上面51aに押し付けられて載置される。
【0031】
この前記したように搬送トレーが押し付けられた状態で、前記トレー押さえリング52の上面と、前記搬送トレーの上面は略同一平面状にある。その結果、基板処理時に処理ガスを導入した際、ウェハ周囲でガス流れが前記トレー押さえリング52および前記段差形状11は、基板処理に悪影響を及ぼすことなく前記搬送トレー10を前記基板載置部51に載置することができる。
【0032】
また、前記トレー載置部51aには直流電源55に接続された電源接続54a,54bがあり、前記搬送トレー載置部上面には前記コンタクトポイント1a,1bと接触して前記電極12a,12bに高電圧を印加するための、コンタクトポイント受け54a,54bがある。前記1aと54aの間、および1bと54bの間には電気的な接触抵抗が存在する。しかし、前記トレー押さえリング52によって前記搬送トレー10が所定の力で下向きに押し付けられることにより、前記コンタクトポイント1aが前記コンタクトポイント受け54aに、また前記コンタクトポイント1bが前記コンタクトポイント受け54bに押し付けられ、接触面積が増大することで前記接触抵抗が低減し、かつ安定する。その結果、前記電極12aおよび12bに効率よくかつ安定に高電圧を印加することが可能になる。
【0033】
また、前記電源接続54a,54bから高周波電力も投入可能であり、高周波電源56との接続例を示す。高周波を用いる場合は前記1aと54aの間、および1bと54bの間の接触抵抗によるロスが直流の場合より大きいため、前記したようにトレー押さえリング52によって電源供給部の接触抵抗を低下させてかつ安定に電力を供給する構造は有効である。
【0034】
また、同様に前記トレー押さえリング52によって前記搬送トレー10が下向きに押さえられることによって前記搬送トレー10の下面と、前記搬送トレー載置部上面51aの接触面積が増大し、かつ接触面積が安定する。そのために前記51aと前記10下面との熱抵抗が小さくかつ安定になる。そのため、例えば前記搬送トレー載置部51を冷却した場合に、前記搬送トレー10が、効率よくかつ安定に冷却されることになる。前記搬送トレー上部に載置されたウェハW1は、前記搬送トレー10を通じて冷却されるため、前記ウェハW1は効率よく、かつ安定に冷却されることが可能となる。
【0035】
また、前記搬送トレー載置部には、ガス供給穴53a、53b,53c,53d,53eが設けられている。前記ガス供給穴53a〜53eは、前記基板処理容器50の外部で、たとえばHeなどの冷却ガス供給系(図示せず)と接続されている。前記搬送トレー10が前記トレー載置部51に載置されることによって前記53a,53bおよび53cはそれぞれ前記13a,13bおよび13cに接続され、前記ウェハW1の裏面に、たとえばHeなどの冷却ガスを導入して前記W1を冷却することができる。なお、この場合前記53d,53eは前記搬送トレー10の下部面で塞ぎ、使用しない。
【0036】
前記処理容器に前記300mm用搬送トレー20を搬入した場合も、前記した200mm用搬送トレーと同様に基板処理を行うことが可能である。その場合前記53a,53dおよび53eはそれぞれ前記13a,23bおよび23cに接続され、前記ウェハW1の裏面に、たとえばHeなどの冷却ガスを導入して前記W1を冷却することができる。なお、この場合前記53b,53cは前記搬送トレー20の下部面で塞ぎ、使用しない。
基板処理工程終了後は、前記トレー押さえリング52が上下機構(図示せず)を付した前記支持部52aによって上昇し、前記200mm用搬送トレー10は、処理済の前記ウェハW1を載置したまま前記基板処理容器50の外へ搬出される。
【0037】
次に、前記基板処理容器50に処理基板を搬入・搬出する例を示す。
【0038】
図6は前記基板処理容器50を含む、基板処理装置60である。前記基板処理装置60は、前記基板処理容器50、ウェハ受け渡しエリアA、搬送アームB1を含む搬送エリアB、ウェハ脱着アリアC、搬送アームD1を含む搬送エリアD、200mm用搬送トレーストックエリアE1,300mm用搬送トレーストックエリアE2を含むトレーストックエリアEおよび制御装置60aからなる。
【0039】
前記ウェハ受け渡しエリアAでは、搬送されてきた未処理のウェハを前記搬送アームB1にて受け取る、または処理の終わったウェハを前記搬送アームB1にて後工程に渡す作業を行う。
【0040】
前記搬送エリアBでは、処理前のウェハに関しては、前記搬送アームB1によってウェハ受け渡しエリアAからウェハ脱着エリアCに搬送して、エリアCに載置されている200mmまたは300mm用搬送トレー上に載置する作業を行う。処理済みのウェハに関しては、ウェハ脱着エリアCにて搬送トレーから後述の方法で剥離された処理済ウェハを、前記受け渡しエリアAに搬送する作業を行う。
【0041】
ウェハ脱着エリアCでは、処理終了後の200mmまたは300mm用搬送トレーの上に載置されたウェハを、搬送トレーから剥離する作業が行われる。剥離の際は前記貫通穴13a,13b,13cまたは13a,13d,13eより脱着エリア下部に設置されたガス供給部(図示せず)から、例えばHeガスを導入され、貫通穴内を加圧して脱着が容易になるようにし、更に脱着エリア下部に設置された突き上げピン(図示せず)が、貫通穴を通してウェハを突き上げることによってウェハが搬送トレーより剥離される。
【0042】
次に、搬送エリアDでは、処理前のウェハに関しては、ウェハが載置された200mmまたは300mm用搬送トレーを前記搬送アームD1によって前記処理容器50に搬送する作業を行う。また処理済のウェハに関しては前記処理容器50からウェハを載置した200mmまたは300mm用搬送トレーをウェハ脱着エリアCに搬送する作業を行う。
【0043】
また、さらに搬送エリアDでは、後に図7〜9で説明するように必要に応じて200mmまたは300mm用の搬送トレーを、トレーストックエリアEから前記ウェハ脱着エリアCまで搬送する。もしくはウェハ脱着エリアから前記200mmもしくは300mm用搬送トレーを前記トレーストックエリアEに搬送する作業を行う。
【0044】
トレーストックエリアEには、200mm用搬送トレーストックエリアE1,300mm用搬送トレーストックエリアE2があり、それぞれ前記200mm用搬送トレー、300mm用搬送トレーが載置してある。
【0045】
また、これら一連の動作は制御装置60aによって制御されている。
【0046】
このように、ウェハを搬送トレーに載置して搬送し、基板処理容器に搬入して基板処理を行うことにより、薄膜ウェハを搬送する際の、ウェハの反りによる破損が生じることなく、安定した基板処理が可能となる。
【0047】
次に、前記基板処理装置60を使って、実際に基板処理を行う際の流れを、図7のフローチャートに示す。
[第1実施例]
図7は、前記基板処理装置60を用いて行われる200mmウェハを処理する工程を示すフローチャートである。
【0048】
図7を参照するに、まず工程10(図中ではS10と表記している。以下同様に工程をSと表記する)において、搬送アームD1によって、200mm搬送用トレーが、前記搬送トレーストッカエリアEの200mm用搬送トレーストックエリアE1からウェハ脱着エリアCに搬送される。
【0049】
次に工程11において、搬送アームB1によって未処理の200mmウェハがウェハ受け渡しエリアAで受け取られ、ウェハ脱着エリアCに搬送されて、前記工程10にて搬送済みの200mm用搬送トレーの上に載置される。
【0050】
次に工程12において搬送アームD1によって、未処理ウェハを載置した200mm用搬送トレーがウェハ脱着エリアCから処理容器50に搬送される。
【0051】
工程13においては処理容器50において、200mm用搬送トレー上の200mmウェハの処理が行われる。
【0052】
次に工程14において、搬送アームD1によって、処理済ウェハを載置した200mm用搬送トレーが処理容器50からウェハ脱着エリアCに搬送される。
【0053】
次に工程15においてウェハ脱着エリアCにおいて、200mm用搬送トレーからウェハが剥離される。この際、前記したように、脱着の際は搬送トレーの前記貫通穴13a,13b,13cより脱着エリア下部に設置されたガス供給部(図示せず)から、例えばHeガスが導入され、貫通穴内を加圧して脱着が容易になるようにし、更に脱着エリア下部に設置された上下駆動が可能な突き上げピン(図示せず)が、貫通穴を通してウェハを突き上げることによってウェハが前記搬送トレーより剥離される。
【0054】
次に工程16において、搬送アームB1によって処理済ウェハがウェハ脱着エリアCからウェハ受け渡しエリアAに搬送され、次の工程に渡される。
【0055】
また、前記工程16終了後、工程11に戻って工程11〜16を繰り返すことによって、ウェハの処理が連続的に行われる。
[第2実施例]
次に、300mmウェハを処理する場合の工程に関して、図8にフローチャートを示す。
【0056】
まず工程20において、搬送アームD1によって、300mm搬送用トレーが、前記搬送トレーストッカエリアEの300mm用搬送トレーストックエリアE2からウェハ脱着エリアCに搬送される。
【0057】
次に工程21において、搬送アームB1によって未処理の200mmウェハがウェハ受け渡しエリアAで受け取られ、ウェハ脱着エリアCに搬送されて、前記工程20にて搬送済みの300mm用搬送トレーの上に載置される。
【0058】
次に工程22において搬送アームD1によって、未処理ウェハを載置した300mm用搬送トレーがウェハ脱着エリアCから処理容器50に搬送される。
【0059】
工程23においては処理容器50において、300mm用搬送トレー上の300mmウェハの処理が行われる。
【0060】
次に工程24において、搬送アームD1によって、処理済ウェハを載置した300mm用搬送トレーが処理容器50からウェハ脱着エリアCに搬送される。
【0061】
次に工程25においてウェハ脱着エリアCにおいて、300mm用搬送トレーからウェハが剥離される。この際、前記したように、脱着の際は搬送トレーの前記貫通穴13a,13d,13eより脱着エリア下部に設置されたガス供給部(図示せず)から、例えばHeガスが導入され、貫通穴内を加圧して脱着が容易になるようにし、更に脱着エリア下部に設置された上下駆動が可能な突き上げピン(図示せず)が、貫通穴を通してウェハを突き上げることによってウェハが前記搬送トレーより剥離される。
【0062】
次に工程26において、搬送アームB1によって処理済ウェハがウェハ脱着エリアCからウェハ受け渡しエリアAに搬送され、次の工程に渡される。
【0063】
また、前記工程26終了後、工程1bに戻って工程21〜26を繰り返すことによって、ウェハの処理が連続的に行われる。
[第3実施例]
次に第3の実施例として、200mmのウェハを連続処理中に制御装置が処理すべきウェハサイズを200mmから300mmに変更する指令の信号を受け取り、処理の途中から200mmウェハを処理する工程から300mmウェハを処理する工程に移行する際のフローチャートの例を図9に示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0064】
まず工程10からスタートした200mmウェハ処理工程において、工程13の基板処理中に、制御装置60aがウェハサイズ変更の信号を受け取ったものとする。処理工程は工程15までは、図7の場合と同様に進行する。工程16において、前記搬送アームB1が処理済ウェハをウェハ脱着エリアCから搬送すると同時に、工程17がスタートし、搬送アームD1によって200mm用搬送トレーがウェハ脱着エリアCから、トレーストッカエリアEの200mm用搬送トレーストッカエリアE1に搬送される。その後、300mmウェハ処理工程に移行して、前記した図8における工程20が行われ、その後工程21,22と進行し、図8で示した300mmウェハ処理工程と同様のフローチャートで示される処理工程となる。
【0065】
このように、本発明の基板処理装置では、ウェハサイズ変更の信号を制御装置がうけとると、自動的にウェハサイズに対応した搬送トレーを選択することができる。その結果、ウェハサイズ変更の要求に速やかに対応することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
【0066】
【発明の効果】
本発明では、被処理基板であるウェハを静電吸着機構を具備した搬送トレーに載置して搬送することにより、ウェハの反りとそれに伴う破損の問題を解決して安定な搬送と基板処理が可能となった。
【0067】
また、200mmウェハと300mmウェハ用のそれぞれの搬送トレーに対して、基板処理装置側に対する互換性を持たせた。その結果、同一の基板処理装置で200mmウェハと300mmウェハの処理を行うことが可能となり、製造設備のコスト削減が可能となった。また、更に制御装置によってウェハのサイズによってトレーの選択を自動的に行うシステムを構築することにより、生産性を向上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による200mmウェハ用搬送トレーの断面図である。
【図2】本発明による300mmウェハ用搬送トレーの断面図である。
【図3】200mmウェハ用搬送トレーの変更例である。
【図4】300mmウェハ用搬送トレーの変更例である。
【図5】本発明による搬送トレーを基板処理容器に載置した例である。
【図6】本発明による基板処理装置の構成例である。
【図7】本発明の基板処理装置による200mmウェハの処理フリーチャートである。
【図8】本発明の基板処理装置による300mmウェハの処理フローチャートである。
【図9】本発明の基板処理装置において、処理工程中に処理されるウェハサイズを変更する場合のウェハの処理フローチャートである。
【符号の説明】
W1,W2 ウェハ
Wa,Wb 誘電層
10,20,30,40 搬送トレー
10a 搬送トレー上部
10b 搬送トレー下部
10c 搬送トレー誘電層形成材質
11 段差形状
11a 段差形状上部面
12a,12b,22a、22b,32a,32b,42a,42b 高電圧印加電極
1a,1b コンタクトポイント
13a,13b,13c,13d,13e 貫通穴
Da 搬送トレー下部直径
Db 搬送トレー下部直径
D1,D3 高電圧印加電極外縁部距離
D2,D4 貫通穴距離
52 搬送トレー押さえリング
52a 支持部
53a、53b,53c,53d,53e ガス供給穴
54a,54b コンタクトポイント受け
55 直流電源
56 高周波電源
60 基板処理装置
60a 制御装置

Claims (8)

  1. 被処理基板を搬送トレー本体に載置して搬送されると共に、基板処理装置の固定機構によって前記基板処理装置の載置部に固定される搬送トレーにおいて、前記搬送トレー本体上端面に前記固定機構を構成する固定具が係合する窪み部分を設けたことを特徴とする搬送トレー。
  2. 請求項1記載の搬送トレーにおいて、
    前記基板処理装置に前記固定具によって固定された際に、前記固定具と前記搬送トレー本体の前記上端面が面一になるよう構成したことを特徴とする搬送トレー。
  3. 請求項1または2記載の搬送トレーにおいて、
    前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、前記被処理基板と前記搬送トレー本体との間に前記被処理基板冷却のためのガスを導入する貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレー。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
    前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、ガスを導入して加圧状態にすることにより前記搬送トレー本体に載置された前記被処理基板に対して前記搬送トレー本体から離れる方向の力を加える貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
    前記搬送トレー本体を貫通するよう形成されており、被処理基板を突き上げるための突き上げピンを挿通可能な構成とされた貫通穴を設けたことを特徴とする搬送トレー。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の搬送トレーにおいて、
    絶縁膜を有した被処理基板を静電吸着する静電吸着機構をさらに設け、
    該静電吸着機構の電圧印加部が前記搬送トレー本体の被処理基板載置面に露出した構成としたことを特徴とする搬送トレー。
  7. 被処理基板を搬送する第1の搬送系と、
    前記被処理基板を載置した搬送トレーを搬送する第2の搬送系と、
    前記搬送トレーを保持するトレーストッカと、
    前記搬送トレーに載置された前記被処理基板を処理する基板処理容器を有する基板処理装置において、
    第1の搬送トレーと前記第1の搬送トレーと異なる第2の搬送トレーを保持するトレーストッカを設けたことを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項6記載の搬送トレーにおいて、
    前記絶縁膜は被処理基板に貼付された表面保護テープであることを特徴とする搬送トレー。
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