JP2004031254A - 組電池の容量調整装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な放電容量を決定して組電池の容量調整を行い、各セルの充電容量SOCを十分に均一にする。
【解決手段】複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、各並列回路の電圧を検出してセルの充電容量SOC−開放電圧V特性から各並列回路の検出電圧Vに対応する充電容量SOCを検索し、各並列回路の充電容量SOCの内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列回路の充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列回路の放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数f”(SOC)を求め、各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数d2V/dSOC2に基づいて各並列回路の放電容量を補正し、各並列回路の補正後の放電容量にしたがって各並列回路の充電容量を調節する。
【選択図】 図5
【解決手段】複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、各並列回路の電圧を検出してセルの充電容量SOC−開放電圧V特性から各並列回路の検出電圧Vに対応する充電容量SOCを検索し、各並列回路の充電容量SOCの内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列回路の充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列回路の放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数f”(SOC)を求め、各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数d2V/dSOC2に基づいて各並列回路の放電容量を補正し、各並列回路の補正後の放電容量にしたがって各並列回路の充電容量を調節する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。この種の容量調整方法では、セルの開放電圧に基づいて放電容量と容量調整時間(放電時間)、すなわち容量調整条件を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の組電池の容量調整方法では、組電池の充電容量SOC(または充電状態;State Of Charge)とは無関係に容量調整条件を決定しているので、充電容量SOCによっては容量調整条件の誤差が大きくなり、各セルの充電容量SOCを充分に均一にできないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、正確な放電容量を決定して組電池の容量調整を行い、各セルの充電容量SOCを十分に均一にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、各並列回路の電圧を検出してセルの充電容量−開放電圧特性から各並列回路の検出電圧に対応する充電容量を検索し、各並列回路の充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列回路の充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列回路の放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数に基づいて各並列回路の放電容量を補正し、各並列回路の補正後の放電容量にしたがって各並列回路の充電容量を調節する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、セルの充電容量−開放電圧特性から並列回路の検出電圧に対応する充電容量として求めた各並列回路の充電容量と、各並列回路の実際の充電容量との誤差を抑制して正確な放電容量を算出することができ、組電池の各並列回路の充電容量を均一にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置および方法を、電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両やエンジン車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0008】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して4組の並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこれら4組の並列ブロック1a〜1dを直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0009】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して4組の並列ブロックを構成し、これら4組の並列ブロックを直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、並列ブロック内のセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては、並列ブロック単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、並列ブロック単位で容量調整を行う。
【0010】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10へ接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0011】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dに2個ずつ並列接続されたセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0012】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1とその負荷(モーター9および補機システム10)との間の接続と開放を行う。
【0013】
電圧センサー11はメインバッテリー1の両端電圧(以下、総電圧という)を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はメインバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路(オン)する。警告灯14は、電気自動車に何らかの異常が発生したときに点灯して乗員に異常発生を報知する。
【0014】
図2は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路25が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路26〜28が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路25〜28は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量SOC(State Of Charge)を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路25〜28のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0015】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOCが減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間(容量調整時間)とに基づいて決定する。
【0016】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0017】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0018】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について簡単に説明する。並列に接続された2個のセルの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルの容量が、容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルへ徐々に移動し、2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度が速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0019】
次に、セルの充電容量SOC(State Of Charge;残存容量または充電状態ともいう)に対する開放電圧Voの特性について説明する。図3は、リチウムイオン電池の充電容量SOC[%]に対する開放電圧V[v]の特性を示す。セルの開放電圧Vは充電容量SOCに応じて変化し、充電容量SOCに対する開放電圧Vの変化がほぼ直線で近似できる領域1および3と、その中間の充電容量SOC−開放電圧Vの傾き|ΔV/ΔSOC|(または|ΔV/ΔAh|)が変化する領域2とに分けられる。
【0020】
従来の組電池の容量調整方法では、セルの充電容量SOCに無関係に、組電池無負荷時のセル開放電圧の分布状況に基づいて放電容量と放電時間(容量調整時間)を決定していた。さらに具体的に説明すると、電気自動車起動時(メインスイッチオン時)の組電池無負荷状態におけるセルごとの開放電圧を測定し、それらの平均値と各セルの開放電圧との偏差に応じた放電容量を決定し、その放電容量分を放電させる構成となっていた。また、放電時間は、放電容量とセルごとの開放電圧偏差に応じて決定していた。
【0021】
ところが、このような従来の容量調整条件の決定方法では、充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池を用いると、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残ってしまう。例えば図3に示す充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きいリチウムイオン電池では、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が一定ではないため、セル開放電圧分布のバラツキが同じであっても放電容量が異なることがあり、したがって、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残る。
【0022】
また、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が小さい範囲において容量調整条件を決定すると、わずかなセル開放電圧Voの測定誤差が大きな充電容量SOCの変化量になるため、セルごとの放電容量に過不足が生じやすい。
【0023】
この問題をさらに詳しく説明する。各並列ブロックのセル電圧は、各並列ブロック内の並列接続セルの電圧平均値である。同様に、各並列ブロックの充電容量SOCは、各並列ブロック内の並列接続セルの充電容量SOCの平均値である。並列ブロック内の並列接続セルのすべてが図3に示す領域1または領域3の範囲にあれば、充電容量SOCに対するセル電圧Vの変化率がほぼ一定であるから、並列接続セルのセル電圧平均値に対応する充電容量SOCと、実際の並列接続セルの充電容量SOCの平均値とがほぼ等しくなる。
【0024】
しかし、並列に接続された複数のセルが異なるSOC領域にまたがって存在するか、あるいは領域2の範囲にある場合には、充電容量SOCに対するセル電圧Vの変化率が変化するので、並列接続セルのセル電圧平均値に対応する充電容量SOCと、実際の並列接続セルの充電容量SOCの平均値とが異なる値になる。
【0025】
この問題を、2個のセルが並列に接続された並列ブロックXとYとが直列に接続された組電池を例に上げて説明する。図4に示すように、並列ブロックXの並列接続セルの充電容量SOCをx1、x2とし、並列ブロックYの並列接続セルの充電容量SOCをy1、y2とすると、各並列ブロックX、Yの並列接続セルの充電容量SOCの平均値SOCX、SOCYは、
【数1】
SOCX=(x1+x2)/2,
SOCY=(y1+y2)/2
である。
【0026】
一方、各並列ブロックX、Yの並列接続セルのセル電圧をVx1、Vx2、vy1、Vy2とすると、各並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyは、
【数2】
Vx=(Vx1+Vx2)/2,
Vy=(Vy1+Vy2)/2
セルの充電容量SOC−開放電圧V特性において、並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyに対応する充電容量SOCを求め、それらをSOCX’、SOCY’とする。図4から明らかなように、
【数3】
SOCX≠SOCX’,
SOCY≠SOCY’
となり、いずれも真の充電容量SOCより小さくなる。これは、並列接続セルのセル電圧分布が、充電容量SOC−開放電圧V特性上の電圧変化率の異なる複数のSOC領域にまたがっているためである。
【0027】
並列ブロックYの充電容量が並列ブロックXの充電容量よりも大きいから、容量調整により放電されるべき放電容量はΔSOC(=SOCY−SOCX)である。一方、セルの充電容量SOC−開放電圧V特性上の各並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyに対応する充電容量SOCX’、SOCY’から放電容量を求めると、ΔSOC’(=SOCY’−SOCX’)になる。図4から明らかなように、セル電圧検出結果から得られた放電容量ΔSOC’は正しい放電容量ΔSOCよりも多い。これは、並列ブロックXの並列接続セルの電圧分布が電圧変化率の異なる3領域にまたがっているのに対し、並列ブロックYの並列接続セルの電圧分布は2領域にまたがっているから、並列ブロックXの方が放電容量の演算誤差が大きくなるためである。
【0028】
図5(a)は、図3に示すセルの充電容量SOC−開放電圧V特性を、横軸(X軸)の正方向がSOCの増加方向になるように表した図である。ここで、セルの充電容量SOC−開放電圧V特性が関数V=f(SOC)で表されるとする。図5(b)は、(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性の充電容量SOCに対する電圧変化率(微分係数)dV/dSOCを表したグラフであり、SOC−V特性関数f(SOC)の導関数f’(SOC)である。また、図5(c)は、(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性の充電容量SOCに対する電圧変化率dV/dSOCの変化率d2V/dSOC2(第二階微分係数)を表したグラフであり、(a)に示すSOC−V特性関数f(SOC)の第二階導関数f”(SOC)である。
【0029】
図4で説明した放電容量の演算誤差は、図5から明らかなように、セルの充電容量SOCが、充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)が大きい領域(図3の領域2)にあるほど大きく、また、二つの並列ブロックの充電容量SOC平均値に対する充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)の差が大きいほど大きい。
【0030】
そこでこの一実施の形態では、放電容量の演算に、充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)に相関のある係数を導入することによって、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池における、並列ブロック単位での容量調整の精度を向上させることができる。
【0031】
この一実施の形態の放電容量の演算手順を説明する。まず、各並列ブロック1a〜1dの電圧(並列接続セルの電圧の平均値)Vn(nは並列ブロック1a〜1dの識別番号で、この一実施の形態ではn=1,2,3,4)を検出し、図5(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性から電圧Vnに対応する各並列ブロック1a〜1dの充電容量(並列接続セルの充電容量SOCの平均値)SOCn(n=1〜4)を求める。そして、最も電圧Vnが低い並列ブロックの充電容量SOCminを容量調整目標値とし、他の並列ブロックの充電容量SOCとの偏差に基づいて各並列ブロックの放電容量ΔSOCnを求める。
【0032】
図5(b)は、図5(a)に示す充電容量SOCに対する開放電圧Vの特性曲線の微分係数(電圧変化率)dV/dSOCを、充電容量SOCに対して表した特性図である。この図5(b)に示す充電容量SOCに対する微分係数dV/dSOCの特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する電圧変化率dVn/dSOCnを求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率を(dVmin/dSOC)とする。
【0033】
図5(c)は、図5(a)に示す充電容量SOCに対する開放電圧Vの特性曲線の第二階微分係数(電圧変化率の変化率)d2V/dSOC2を、充電容量SOCに対して表した特性図である。この図5(c)に示す充電容量SOCに対する第二階微分係数d2V/dSOC2の特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する第二階微分係数d2Vn/dSOCn2を求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの第二階微分係数を(d2Vmin/dSOC2)とする。
【0034】
そして、各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を次式により算出する。
【数4】
ΔSOC’n=〔ΔSOCn−{(d2Vn/dSOCn2)−(d2Vmin/dSOC2)}・K〕・N・C (ただし、(dVn/dSOCn)−(dVmin/dSOC)<0の場合)
【数5】
ΔSOC’n=〔ΔSOCn+{(d2Vn/dSOCn2)−(d2Vmin/dSOC2)}・K〕・N・C (ただし、(dVn/dSOCn)−(dVmin/dSOC)≧0の場合)
数式4、5において、Kは定数、Nは各並列ブロック1a〜1dのセルの並列接続数、Cはセル(単電池)の容量である。
【0035】
なお、図3および図5(a)に示すリチウムイオン電池の充電容量SOC−開放電圧V特性では、充電容量SOCが増加するほど電圧変化率(dV/dSOC)が低下する例を示したが、リチウムイオン電池は厳密には充電容量SOCがおよそ95%以上になると、電圧変化率(dV/dSOC)が増加に転ずる。したがって、充電容量SOCの増加に対して電圧変化率(dV/dSOC)が低下するSOC範囲では、数式4により最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を算出し、充電容量SOCの増加に対して電圧変化率(dV/dSOC)が増加するSOC範囲では、数式5により最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を算出する。
【0036】
図6〜図7は、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)して電気自動車が起動されたとき、あるいは充電装置(不図示)によりメインバッテリー1の充電が開始されたときに、この容量調整プログラムの実行を開始する。
【0037】
なお、この一実施の形態では、複数のセルを並列に接続した並列ブロックセルを複数組直列に接続した組電池を電気自動車のメインバッテリーとして用いた例を説明しているので、電気自動車の起動または充電開始から容量調整プログラムの実行を開始するようにしているが、組電池を他の用途に用いる場合には、組電池がその負荷または充電装置に接続されて充放電が可能な状態になったらこの容量調整プログラムの実行を開始すればよい。
【0038】
ステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの電圧(並列接続セルの電圧の平均値)Vnを検出する。なお、この電圧検出は、メインリレー7の投入前のメインバッテリー1が開放状態にあるとき、あるいはメインリレー7の投入後の充放電電流が0もしくは0に近い状態、すなわちメインバッテリー1が無負荷状態にあるときの電圧を検出するのが望ましい。セルの開放状態または無負荷状態におけるセル電圧は、セルが最も安定な状態にあるときの電圧であり、そのようなセル電圧を用いることによって正確な充電容量SOCを求めることができる。
【0039】
続くステップ2で、図5(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性から電圧Vnに対応する各並列ブロック1a〜1dの充電容量(並列接続セルの充電容量の平均値)SOCn(n=1〜4)を求める。ステップ3では、最も電圧Vnが低い並列ブロックの充電容量SOCminを容量調整目標値とし、他の並列ブロックの充電容量SOCとの偏差を求めて各並列ブロックの放電容量(並列接続セルの放電容量の平均値)ΔSOCnを演算する。
【0040】
ステップ4において、図5(b)に示す充電容量SOCに対する微分係数(電圧変化率)dV/dSOCの特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する電圧変化率dVn/dSOCnを求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率を(dVmin/dSOC)とする。
【0041】
続くステップ5では、図5(c)に示す充電容量SOCに対する第二階微分係数(電圧変化率の変化率)d2V/dSOC2の特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する第二階微分係数d2Vn/dSOCn2を求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの第二階微分係数を(d2Vmin/dSOC2)とする。
【0042】
ステップ6で、各並列ブロック1a〜1dの電圧変化率(dVn/dSOCn)と、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率(dVmin/dSOC)との差が0または正か否かを判定する。差が0または正の場合はステップ7へ進み、上記数式5により各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’nを求める。一方、差が負の場合はステップ8へ進み、上記数式4により各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’nを求める。
【0043】
ステップ9において、放電時間(容量調整時間)を決定する。容量調整部3eの各放電回路25〜28の放電抵抗器R1〜R4は同一の抵抗値としており、各並列ブロック1a〜1dの電圧、すなわちセル電圧が等しければ各放電回路25〜28には同一の放電電流が流れる。この放電電流をIdとすると、放電抵抗器R1〜R4の抵抗値は所定のセル電圧のときに放電電流Idが流れる抵抗値とする。放電時間(容量調整時間)は、並列ブロック1a〜1dの内の最大放電容量の並列ブロックが最小充電容量になるまで放電電流Idを流して放電する時間として求める。
【0044】
ステップ10で、各並列ブロック1a〜1dの最終放電電気量ΔSOC’nを放電時間の間に放電するための、各並列ブロック1a〜1dの放電回路25〜28のデューティーを演算する。ステップ11で、算出した各並列部ブロック1a〜1dのデューティーにしたがって各並列ブロック1a〜1dに対応する放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、並列ブロック単位での容量調整を開始する。このとき、タイマー3cによる放電時間の計時を開始する。ステップ12でタイマー3cの計時時間を確認し、容量調整時間Tdが経過したらステップ13へ進み、容量調整部3eによる容量調整を終了する。
【0045】
このように、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対し、各並列ブロックの電圧を検出してセルの充電容量−開放電圧特性から各並列ブロックの検出電圧に対応する充電容量を検索し、各並列ブロックの充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列ブロックの充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列ブロックの放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、各並列ブロックの充電容量に対する第二階微分係数に基づいて各並列ブロックの放電容量を補正し、各並列ブロックの補正後の放電容量にしたがって各並列ブロックの充電容量を調節するようにしたので、セルの充電容量−開放電圧特性から並列回路の検出電圧に対応する充電容量として求めた各並列回路の充電容量と、各並列回路の実際の充電容量との誤差を抑制して正確な放電容量を算出することができ、組電池の各並列回路の充電容量を均一にすることができる。
【0046】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、セル電圧検出部3dが電圧検出手段および充電容量検索手段を、CPU3aが放電容量演算手段および放電容量補正手段を、容量調整部3eが充電容量調節手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0047】
なお、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数における各並列ブロックの充電容量の平均値、すなわち組電池としての充電容量に対する第二階微分係数が所定値以上の場合は、演算結果の放電容量に演算誤差が含まれる可能性があり、この場合には容量調整を実施しないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】容量調整部の詳細を示す図である。
【図3】リチウムイオン電池の充電容量SOC−開放電圧V特性を示す図である。
【図4】充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池における容量調整誤差を説明するための図である。
【図5】セルの充電容量−開放電圧特性とその導関数および第二階導関数を示す図である。
【図6】一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図7】図6に続く、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
14 警告灯
25〜28 放電回路
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。この種の容量調整方法では、セルの開放電圧に基づいて放電容量と容量調整時間(放電時間)、すなわち容量調整条件を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の組電池の容量調整方法では、組電池の充電容量SOC(または充電状態;State Of Charge)とは無関係に容量調整条件を決定しているので、充電容量SOCによっては容量調整条件の誤差が大きくなり、各セルの充電容量SOCを充分に均一にできないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、正確な放電容量を決定して組電池の容量調整を行い、各セルの充電容量SOCを十分に均一にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、各並列回路の電圧を検出してセルの充電容量−開放電圧特性から各並列回路の検出電圧に対応する充電容量を検索し、各並列回路の充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列回路の充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列回路の放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数に基づいて各並列回路の放電容量を補正し、各並列回路の補正後の放電容量にしたがって各並列回路の充電容量を調節する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池に対して、セルの充電容量−開放電圧特性から並列回路の検出電圧に対応する充電容量として求めた各並列回路の充電容量と、各並列回路の実際の充電容量との誤差を抑制して正確な放電容量を算出することができ、組電池の各並列回路の充電容量を均一にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置および方法を、電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両やエンジン車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0008】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して4組の並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこれら4組の並列ブロック1a〜1dを直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0009】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して4組の並列ブロックを構成し、これら4組の並列ブロックを直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、並列ブロック内のセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては、並列ブロック単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、並列ブロック単位で容量調整を行う。
【0010】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10へ接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0011】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dに2個ずつ並列接続されたセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0012】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1とその負荷(モーター9および補機システム10)との間の接続と開放を行う。
【0013】
電圧センサー11はメインバッテリー1の両端電圧(以下、総電圧という)を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はメインバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路(オン)する。警告灯14は、電気自動車に何らかの異常が発生したときに点灯して乗員に異常発生を報知する。
【0014】
図2は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路25が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路26〜28が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路25〜28は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量SOC(State Of Charge)を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路25〜28のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0015】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOCが減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間(容量調整時間)とに基づいて決定する。
【0016】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0017】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0018】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について簡単に説明する。並列に接続された2個のセルの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルの容量が、容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルへ徐々に移動し、2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度が速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0019】
次に、セルの充電容量SOC(State Of Charge;残存容量または充電状態ともいう)に対する開放電圧Voの特性について説明する。図3は、リチウムイオン電池の充電容量SOC[%]に対する開放電圧V[v]の特性を示す。セルの開放電圧Vは充電容量SOCに応じて変化し、充電容量SOCに対する開放電圧Vの変化がほぼ直線で近似できる領域1および3と、その中間の充電容量SOC−開放電圧Vの傾き|ΔV/ΔSOC|(または|ΔV/ΔAh|)が変化する領域2とに分けられる。
【0020】
従来の組電池の容量調整方法では、セルの充電容量SOCに無関係に、組電池無負荷時のセル開放電圧の分布状況に基づいて放電容量と放電時間(容量調整時間)を決定していた。さらに具体的に説明すると、電気自動車起動時(メインスイッチオン時)の組電池無負荷状態におけるセルごとの開放電圧を測定し、それらの平均値と各セルの開放電圧との偏差に応じた放電容量を決定し、その放電容量分を放電させる構成となっていた。また、放電時間は、放電容量とセルごとの開放電圧偏差に応じて決定していた。
【0021】
ところが、このような従来の容量調整条件の決定方法では、充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池を用いると、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残ってしまう。例えば図3に示す充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きいリチウムイオン電池では、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が一定ではないため、セル開放電圧分布のバラツキが同じであっても放電容量が異なることがあり、したがって、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残る。
【0022】
また、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が小さい範囲において容量調整条件を決定すると、わずかなセル開放電圧Voの測定誤差が大きな充電容量SOCの変化量になるため、セルごとの放電容量に過不足が生じやすい。
【0023】
この問題をさらに詳しく説明する。各並列ブロックのセル電圧は、各並列ブロック内の並列接続セルの電圧平均値である。同様に、各並列ブロックの充電容量SOCは、各並列ブロック内の並列接続セルの充電容量SOCの平均値である。並列ブロック内の並列接続セルのすべてが図3に示す領域1または領域3の範囲にあれば、充電容量SOCに対するセル電圧Vの変化率がほぼ一定であるから、並列接続セルのセル電圧平均値に対応する充電容量SOCと、実際の並列接続セルの充電容量SOCの平均値とがほぼ等しくなる。
【0024】
しかし、並列に接続された複数のセルが異なるSOC領域にまたがって存在するか、あるいは領域2の範囲にある場合には、充電容量SOCに対するセル電圧Vの変化率が変化するので、並列接続セルのセル電圧平均値に対応する充電容量SOCと、実際の並列接続セルの充電容量SOCの平均値とが異なる値になる。
【0025】
この問題を、2個のセルが並列に接続された並列ブロックXとYとが直列に接続された組電池を例に上げて説明する。図4に示すように、並列ブロックXの並列接続セルの充電容量SOCをx1、x2とし、並列ブロックYの並列接続セルの充電容量SOCをy1、y2とすると、各並列ブロックX、Yの並列接続セルの充電容量SOCの平均値SOCX、SOCYは、
【数1】
SOCX=(x1+x2)/2,
SOCY=(y1+y2)/2
である。
【0026】
一方、各並列ブロックX、Yの並列接続セルのセル電圧をVx1、Vx2、vy1、Vy2とすると、各並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyは、
【数2】
Vx=(Vx1+Vx2)/2,
Vy=(Vy1+Vy2)/2
セルの充電容量SOC−開放電圧V特性において、並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyに対応する充電容量SOCを求め、それらをSOCX’、SOCY’とする。図4から明らかなように、
【数3】
SOCX≠SOCX’,
SOCY≠SOCY’
となり、いずれも真の充電容量SOCより小さくなる。これは、並列接続セルのセル電圧分布が、充電容量SOC−開放電圧V特性上の電圧変化率の異なる複数のSOC領域にまたがっているためである。
【0027】
並列ブロックYの充電容量が並列ブロックXの充電容量よりも大きいから、容量調整により放電されるべき放電容量はΔSOC(=SOCY−SOCX)である。一方、セルの充電容量SOC−開放電圧V特性上の各並列ブロックX、Yのセル電圧平均値Vx、Vyに対応する充電容量SOCX’、SOCY’から放電容量を求めると、ΔSOC’(=SOCY’−SOCX’)になる。図4から明らかなように、セル電圧検出結果から得られた放電容量ΔSOC’は正しい放電容量ΔSOCよりも多い。これは、並列ブロックXの並列接続セルの電圧分布が電圧変化率の異なる3領域にまたがっているのに対し、並列ブロックYの並列接続セルの電圧分布は2領域にまたがっているから、並列ブロックXの方が放電容量の演算誤差が大きくなるためである。
【0028】
図5(a)は、図3に示すセルの充電容量SOC−開放電圧V特性を、横軸(X軸)の正方向がSOCの増加方向になるように表した図である。ここで、セルの充電容量SOC−開放電圧V特性が関数V=f(SOC)で表されるとする。図5(b)は、(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性の充電容量SOCに対する電圧変化率(微分係数)dV/dSOCを表したグラフであり、SOC−V特性関数f(SOC)の導関数f’(SOC)である。また、図5(c)は、(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性の充電容量SOCに対する電圧変化率dV/dSOCの変化率d2V/dSOC2(第二階微分係数)を表したグラフであり、(a)に示すSOC−V特性関数f(SOC)の第二階導関数f”(SOC)である。
【0029】
図4で説明した放電容量の演算誤差は、図5から明らかなように、セルの充電容量SOCが、充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)が大きい領域(図3の領域2)にあるほど大きく、また、二つの並列ブロックの充電容量SOC平均値に対する充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)の差が大きいほど大きい。
【0030】
そこでこの一実施の形態では、放電容量の演算に、充電容量SOC−開放電圧V特性の第二階微分係数d2V/dSOC2(電圧変化率の変化率)に相関のある係数を導入することによって、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池における、並列ブロック単位での容量調整の精度を向上させることができる。
【0031】
この一実施の形態の放電容量の演算手順を説明する。まず、各並列ブロック1a〜1dの電圧(並列接続セルの電圧の平均値)Vn(nは並列ブロック1a〜1dの識別番号で、この一実施の形態ではn=1,2,3,4)を検出し、図5(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性から電圧Vnに対応する各並列ブロック1a〜1dの充電容量(並列接続セルの充電容量SOCの平均値)SOCn(n=1〜4)を求める。そして、最も電圧Vnが低い並列ブロックの充電容量SOCminを容量調整目標値とし、他の並列ブロックの充電容量SOCとの偏差に基づいて各並列ブロックの放電容量ΔSOCnを求める。
【0032】
図5(b)は、図5(a)に示す充電容量SOCに対する開放電圧Vの特性曲線の微分係数(電圧変化率)dV/dSOCを、充電容量SOCに対して表した特性図である。この図5(b)に示す充電容量SOCに対する微分係数dV/dSOCの特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する電圧変化率dVn/dSOCnを求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率を(dVmin/dSOC)とする。
【0033】
図5(c)は、図5(a)に示す充電容量SOCに対する開放電圧Vの特性曲線の第二階微分係数(電圧変化率の変化率)d2V/dSOC2を、充電容量SOCに対して表した特性図である。この図5(c)に示す充電容量SOCに対する第二階微分係数d2V/dSOC2の特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する第二階微分係数d2Vn/dSOCn2を求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの第二階微分係数を(d2Vmin/dSOC2)とする。
【0034】
そして、各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を次式により算出する。
【数4】
ΔSOC’n=〔ΔSOCn−{(d2Vn/dSOCn2)−(d2Vmin/dSOC2)}・K〕・N・C (ただし、(dVn/dSOCn)−(dVmin/dSOC)<0の場合)
【数5】
ΔSOC’n=〔ΔSOCn+{(d2Vn/dSOCn2)−(d2Vmin/dSOC2)}・K〕・N・C (ただし、(dVn/dSOCn)−(dVmin/dSOC)≧0の場合)
数式4、5において、Kは定数、Nは各並列ブロック1a〜1dのセルの並列接続数、Cはセル(単電池)の容量である。
【0035】
なお、図3および図5(a)に示すリチウムイオン電池の充電容量SOC−開放電圧V特性では、充電容量SOCが増加するほど電圧変化率(dV/dSOC)が低下する例を示したが、リチウムイオン電池は厳密には充電容量SOCがおよそ95%以上になると、電圧変化率(dV/dSOC)が増加に転ずる。したがって、充電容量SOCの増加に対して電圧変化率(dV/dSOC)が低下するSOC範囲では、数式4により最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を算出し、充電容量SOCの増加に対して電圧変化率(dV/dSOC)が増加するSOC範囲では、数式5により最終的な放電電気量ΔSOC’n[Ah]を算出する。
【0036】
図6〜図7は、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)して電気自動車が起動されたとき、あるいは充電装置(不図示)によりメインバッテリー1の充電が開始されたときに、この容量調整プログラムの実行を開始する。
【0037】
なお、この一実施の形態では、複数のセルを並列に接続した並列ブロックセルを複数組直列に接続した組電池を電気自動車のメインバッテリーとして用いた例を説明しているので、電気自動車の起動または充電開始から容量調整プログラムの実行を開始するようにしているが、組電池を他の用途に用いる場合には、組電池がその負荷または充電装置に接続されて充放電が可能な状態になったらこの容量調整プログラムの実行を開始すればよい。
【0038】
ステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの電圧(並列接続セルの電圧の平均値)Vnを検出する。なお、この電圧検出は、メインリレー7の投入前のメインバッテリー1が開放状態にあるとき、あるいはメインリレー7の投入後の充放電電流が0もしくは0に近い状態、すなわちメインバッテリー1が無負荷状態にあるときの電圧を検出するのが望ましい。セルの開放状態または無負荷状態におけるセル電圧は、セルが最も安定な状態にあるときの電圧であり、そのようなセル電圧を用いることによって正確な充電容量SOCを求めることができる。
【0039】
続くステップ2で、図5(a)に示す充電容量SOC−開放電圧V特性から電圧Vnに対応する各並列ブロック1a〜1dの充電容量(並列接続セルの充電容量の平均値)SOCn(n=1〜4)を求める。ステップ3では、最も電圧Vnが低い並列ブロックの充電容量SOCminを容量調整目標値とし、他の並列ブロックの充電容量SOCとの偏差を求めて各並列ブロックの放電容量(並列接続セルの放電容量の平均値)ΔSOCnを演算する。
【0040】
ステップ4において、図5(b)に示す充電容量SOCに対する微分係数(電圧変化率)dV/dSOCの特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する電圧変化率dVn/dSOCnを求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率を(dVmin/dSOC)とする。
【0041】
続くステップ5では、図5(c)に示す充電容量SOCに対する第二階微分係数(電圧変化率の変化率)d2V/dSOC2の特性から、各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCnに対する第二階微分係数d2Vn/dSOCn2を求める。ここで、最も電圧Vnが低い並列ブロックの第二階微分係数を(d2Vmin/dSOC2)とする。
【0042】
ステップ6で、各並列ブロック1a〜1dの電圧変化率(dVn/dSOCn)と、最も電圧Vnが低い並列ブロックの電圧変化率(dVmin/dSOC)との差が0または正か否かを判定する。差が0または正の場合はステップ7へ進み、上記数式5により各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’nを求める。一方、差が負の場合はステップ8へ進み、上記数式4により各並列ブロック1a〜1dの最終的な放電電気量ΔSOC’nを求める。
【0043】
ステップ9において、放電時間(容量調整時間)を決定する。容量調整部3eの各放電回路25〜28の放電抵抗器R1〜R4は同一の抵抗値としており、各並列ブロック1a〜1dの電圧、すなわちセル電圧が等しければ各放電回路25〜28には同一の放電電流が流れる。この放電電流をIdとすると、放電抵抗器R1〜R4の抵抗値は所定のセル電圧のときに放電電流Idが流れる抵抗値とする。放電時間(容量調整時間)は、並列ブロック1a〜1dの内の最大放電容量の並列ブロックが最小充電容量になるまで放電電流Idを流して放電する時間として求める。
【0044】
ステップ10で、各並列ブロック1a〜1dの最終放電電気量ΔSOC’nを放電時間の間に放電するための、各並列ブロック1a〜1dの放電回路25〜28のデューティーを演算する。ステップ11で、算出した各並列部ブロック1a〜1dのデューティーにしたがって各並列ブロック1a〜1dに対応する放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、並列ブロック単位での容量調整を開始する。このとき、タイマー3cによる放電時間の計時を開始する。ステップ12でタイマー3cの計時時間を確認し、容量調整時間Tdが経過したらステップ13へ進み、容量調整部3eによる容量調整を終了する。
【0045】
このように、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池に対し、各並列ブロックの電圧を検出してセルの充電容量−開放電圧特性から各並列ブロックの検出電圧に対応する充電容量を検索し、各並列ブロックの充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、各並列ブロックの充電容量と容量調整目標値との偏差に基づいて各並列ブロックの放電容量を演算するとともに、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、各並列ブロックの充電容量に対する第二階微分係数に基づいて各並列ブロックの放電容量を補正し、各並列ブロックの補正後の放電容量にしたがって各並列ブロックの充電容量を調節するようにしたので、セルの充電容量−開放電圧特性から並列回路の検出電圧に対応する充電容量として求めた各並列回路の充電容量と、各並列回路の実際の充電容量との誤差を抑制して正確な放電容量を算出することができ、組電池の各並列回路の充電容量を均一にすることができる。
【0046】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、セル電圧検出部3dが電圧検出手段および充電容量検索手段を、CPU3aが放電容量演算手段および放電容量補正手段を、容量調整部3eが充電容量調節手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0047】
なお、セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数における各並列ブロックの充電容量の平均値、すなわち組電池としての充電容量に対する第二階微分係数が所定値以上の場合は、演算結果の放電容量に演算誤差が含まれる可能性があり、この場合には容量調整を実施しないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】容量調整部の詳細を示す図である。
【図3】リチウムイオン電池の充電容量SOC−開放電圧V特性を示す図である。
【図4】充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池における容量調整誤差を説明するための図である。
【図5】セルの充電容量−開放電圧特性とその導関数および第二階導関数を示す図である。
【図6】一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図7】図6に続く、一実施の形態の容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
14 警告灯
25〜28 放電回路
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
Claims (6)
- 複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池と、
前記組電池の各並列回路の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記セルの充電容量−開放電圧特性に基づいて前記各並列回路の検出電圧に対応する充電容量を検索する充電容量検索手段と、
前記各並列回路の充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、前記各並列回路の充電容量と前記容量調整目標値との偏差に基づいて前記各並列回路の放電容量を演算する放電容量演算手段と、
前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、前記各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数に基づいて前記各並列回路の放電容量を補正する放電容量補正手段と、
前記各並列回路の前記補正後の放電容量にしたがって前記各並列回路の充電容量を調節する充電容量調節手段とを備えることを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1に記載の組電池の容量調整装置において、
前記放電容量補正手段は、前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数の、前記各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数と、前記容量調整目標値に対する第二階微分係数との差に比例した補正量を算出し、この補正量により前記各並列回路の放電容量を補正することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1または請求項2に記載の組電池の容量調整装置において、
前記容量調節手段は、前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数における前記各並列回路の充電容量平均値に対する第二階微分係数が所定値以上の場合は、容量調整を実施しないことを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 複数のセルを並列に接続した並列回路を複数組直列に接続した組電池の容量調整方法であって、
前記各並列回路の電圧を検出して前記セルの充電容量−開放電圧特性から前記各並列回路の検出電圧に対応する充電容量を検索し、前記各並列回路の充電容量の内の最小充電容量を容量調整目標値とし、前記各並列回路の充電容量と前記容量調整目標値との偏差に基づいて前記各並列回路の放電容量を演算するとともに、前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数を求め、前記各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数に基づいて前記各並列回路の放電容量を補正し、前記各並列回路の前記補正後の放電容量にしたがって前記各並列回路の充電容量を調節することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項4に記載の組電池の容量調整方法において、前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数における、前記各並列回路の充電容量に対する第二階微分係数と、前記容量調整目標値に対する第二階微分係数との差に比例した補正量を算出し、この補正量により前記各並列回路の放電容量を補正することを特徴とする組電池の容量調整方法。
- 請求項4または請求項5に記載の組電池の容量調整方法において、
前記セルの充電容量−開放電圧特性曲線の第二階導関数における前記各並列回路の充電容量平均値に対する第二階微分係数が所定値以上の場合は、容量調整を実施しないことを特徴とする組電池の容量調整方法。
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