JP2004031191A - 組電池の容量調整装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のセルが直並列に接続された組電池における各セルの容量を常に均一にする。
【解決手段】組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直す。また、組電池が充電装置により充電されているときは、組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、充電装置の充電電流を0にするとともに、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置による充電を再開する。
【選択図】 図9
【解決手段】組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直す。また、組電池が充電装置により充電されているときは、組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、充電装置の充電電流を0にするとともに、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置による充電を再開する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。この種の容量調整方法では、セルの開放電圧に基づいて放電容量と容量調整時間(放電時間)、すなわち容量調整条件を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の組電池の容量調整方法では、組電池の充電容量SOC(State Of Charge;充電状態ともいう)とは無関係に、組電池の使用開始時または充電開始時の各セルの開放電圧に基づいて容量調整条件を決定しているので、充電容量SOCによっては容量調整条件の誤差が大きくなり、各セルの容量を常に、かつ充分に均一にできないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、複数のセルが直並列に接続された組電池における各セルの容量を常に均一にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のセルを直列に接続した組電池、または複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池において、各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して各セルまたは各並列ブロックセルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を調整する組電池の容量調整装置および方法において、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直す。また、組電池が充電装置により充電されているときは、組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、充電装置の充電電流を0にするとともに、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置による充電を再開する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置および方法を、電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両やエンジン車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0008】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して4組の並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこれら4組の並列ブロック1a〜1dを直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0009】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して4組の並列ブロックを構成し、これら4組の並列ブロックを直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、並列ブロック内のセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。本願発明は、例えば並列接続数が1で直列接続数がn(≧2)の組電池、すなわち複数のセルが単に直列に接続された組電池に対しても適用することができる。複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては、並列ブロック単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、並列ブロック単位で容量調整を行う。一方、複数のセルが単に直列に接続された組電池では、セル単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、セル単位で容量調整を行う。
【0010】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10へ接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0011】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dに2個ずつ並列接続されたセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0012】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1とその負荷(モーター9および補機システム10)との間の接続と開放を行う。
【0013】
電圧センサー11はメインバッテリー1の両端電圧(以下、総電圧という)を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はメインバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路(オン)する。警告灯14は、電気自動車に何らかの異常が発生したときに点灯して乗員に異常発生を報知する。
【0014】
一実施の形態の電気自動車のメインバッテリー1を充電する場合は、図2に示すように、充電装置15が車両の端子16、17へ接続され、充電装置15からメインバッテリー1へ充電電流を流してメインバッテリー1が充電される。このとき、充電装置15の制御ケーブル18が車両の端子19へ接続され、充電装置15と車両側のバッテリーコントローラー3とが通信を行い、充電開始と終了指令、充電電流指令などの情報の授受を行う。
【0015】
なお、ハイブリッド車両では、通常、エンジンにより発電機を駆動して発電し、この発電電力でメインバッテリーの充電を行うのため、特別な場合の除き、充電装置を車両に接続してメインバッテリーの充電を行うことはない。
【0016】
図3は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路25が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路26〜28が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路25〜28は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量SOC(State Of Charge)を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路25〜28のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0017】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOCが減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間(容量調整時間)とに基づいて決定する。
【0018】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0019】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0020】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について簡単に説明する。並列に接続された2個のセルの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルの容量が、容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルへ徐々に移動し、2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度が速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0021】
次に、セルの充電容量SOC(State Of Charge;残存容量または充電状態ともいう)に対する開放電圧Voの特性について説明する。図4は、リチウムイオン電池の充電容量SOC[%]に対する開放電圧Vo[v]の特性を示す。セルの開放電圧Voは充電容量SOCに応じて変化し、充電容量SOCがおよそ30%以下の範囲とおよそ95%以上の範囲では、充電容量SOC−開放電圧Vo特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|(または|ΔVo/ΔAh|)が大きく、およそ充電容量SOCが30〜95%の範囲では、充電容量SOC−開放電圧Vo特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|は小さい。
【0022】
従来の組電池の容量調整方法では、セルの充電容量SOCに無関係に、組電池無負荷時のセル開放電圧の分布状況に基づいて放電容量と容量調整時間を決定していた。さらに具体的に説明すると、電気自動車起動時(メインスイッチオン時)の組電池無負荷状態におけるセルごとの開放電圧を測定し、それらの平均値と各セルの開放電圧との偏差に応じた放電容量を決定し、その放電容量分を放電させる構成となっていた。また、容量調整時間(放電時間)は、放電容量とセルごとの開放電圧偏差に応じて決定していた。
【0023】
ところが、このような従来の容量調整条件の決定方法では、充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池を用いると、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残ってしまう。例えば図4に示す充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きいリチウムイオン電池では、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が一定ではないため、セル開放電圧分布のバラツキが同じであっても放電容量が異なることがあり、したがって、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残る。
【0024】
また、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が小さい範囲において容量調整条件を決定すると、わずかなセル開放電圧Voの測定誤差が大きな充電容量SOCの変化量になるため、セルごとの放電容量に過不足が生じやすい。
【0025】
そこで、この一実施の形態では、組電池の使用開始時または充電開始時の各セルの開放電圧に基づいて容量調整条件を決定するのではなく、組電池の使用中または充電中に常に容量調整条件を更新することによって、従来の容量調整条件の決定方法の上述した問題を解決する。
【0026】
まず、メインバッテリー1の使用中には、▲1▼メインバッテリー1に流れる電流(放電電流または充電電流)が所定値以下で、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態が所定時間Xsec継続し、かつ、▲2▼前回、容量調整条件を更新したときの充電容量SOC[%]から所定量±Y%以上、充電容量SOCが変化した場合に、容量調整条件を演算し更新する。
【0027】
なお、メインバッテリー1の使用中とは、メインリレー7がオン(閉路)してメインバッテリー1が負荷(モーター9および補機システム10)に接続されている状態であり、いつでもメインバッテリー1の放電により負荷を駆動したり、モーター9からの回生電力によりメインバッテリー1の充電が可能な状態である。つまり、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態である。
【0028】
次に、メインバッテリー1の充電中には、前回、容量調整条件を更新したときの充電容量SOC[%]から所定量Y%変化したら充電を中断して無負荷状態にし、容量調整条件を演算し更新する。
【0029】
容量調整条件を更新するための上記▲1▼の条件における所定時間Xsecには、一定時間を設定する方法があるが、この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルの容量自己調整時間を推定し、その推定時間を設定する。並列接続セルの容量自己調整時間中は、並列接続セルの正確な無負荷電圧を検出することができないので、容量自己調整時間が経過するまで待つことによって、正確な無負荷時のセル電圧を検出することができる。
【0030】
ここで、並列接続セルの容量自己調整時間の推定方法について説明する。並列に接続されたセル間の容量自己調整時間は、セルの劣化状態の差とSOCに依存する。そこで、出力(内部抵抗)劣化係数Γ(ガンマ)と容量劣化係数Β(ベータ)という二つの係数を算出して並列接続セルの劣化状態の差を求める。
【0031】
まず、並列接続セルの出力(内部抵抗)劣化係数Γ(ガンマ)の算出方法を説明する。セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの電圧Vn(n=1〜4)をサンプリングするとともに、電流センサー6によりメインバッテリー1に流れる電流Iをサンプリングする。そして、各並列ブロック1a〜1dごとに、サンプリング結果を図5に示すように電圧V−電流Iグラフにプロットする。例えばリチウムイオン電池では充放電時の内部抵抗がほぼ一致し、かつV−I特性の直線性がよいので、サンプリング結果のV−I特性を直線回帰することができ、さらに回帰直線を充電側および放電側に延長することができる。
【0032】
図5において、回帰直線のV軸切片Eon(n=1〜4)は電池の開放電圧を表わし、回帰直線の傾きは並列接続セルの内部抵抗Rn(n=1〜4)を表わす。回帰直線は、
【数1】
Vn=Eon−I・Rn
と表わすことができる。回帰直線と充電時の許容最大電圧Vmaxとの交点Aの電流ICmaxは充電許容値を与え、交点Aでは次式が成立する。
【数2】
Vmax=Eon−ICmax・Rn
同様に、回帰直線と放電時の放電終止電圧Vminとの交点Bの電流IDmaxは放電許容値を与え、交点Bでは次式が成立する。
【数3】
Vmin=Eon−IDmax・Rn
【0033】
各並列ブロック1a〜1dの最大充電電力PCn(n=1〜4)は、上記数式2により、
【数4】
PCn=Vmax・ICmax=Vmax・(Eon−Vmax)/Rn
また、各並列ブロック1a〜1dの最大放電電力PDnは、数式3により、
【数5】
PDn=Vmin・IDmax=Vmin・(Eon−Vmin)/Rn
となる。
【0034】
ここで、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの内部抵抗Rnは、2個の並列接続セル2の合成抵抗値であり、それぞれのセル2の内部抵抗値ではない。
【0035】
次に、内部抵抗が最大のセルの抵抗値を算出する。並列ブロック内に内部抵抗の大きなセルが含まれていると、並列ブロックの並列接続セルの合成抵抗値も大きくなり、図5に示すセルのV−I特性から明らかなように、IDmaxが小さくなって最大放電電力PDも小さくなる。したがって、内部抵抗が最大のセルは、最大放電電力PDnが最小の並列ブロックに含まれていることになる。今、並列ブロック1aの最大放電電力PDnが最小であり、並列ブロック1aの並列接続セルの内の1個のみが、劣化により内部抵抗が大きいと仮定する。
【0036】
次式により、並列ブロック1a内の内部抵抗が大きいセルの抵抗値を演算する。
【数6】
max{Rn}=(Rmax・Rave(n−1))/{Rmax+(n−1)Rave}
数式6において、max{Rn}は最大放電電力PDnが最小の並列ブロック1aの合成抵抗値、Rmaxはその並列ブロック1aに含まれる内部抵抗が最大のセルの抵抗値である。また、Raveは、最大放電電力PDnが最小の並列ブロック1a以外の並列ブロック1b〜1dに含まれるセルの内部抵抗平均値であり、それらの並列ブロック1b〜1dの合成抵抗平均値をRave’としたとき、
【数7】
Rave’=(Raven)/(n・Rave)
により求める。
【0037】
以上の演算結果に基づいて、出力(内部抵抗)劣化係数Γ[%]を次式により求める。
【数8】
Γ=(Rmax/Rave)・100
【0038】
次に、並列接続セルの容量劣化係数Β(ベータ)の算出方法を説明する。メインバッテリー1の放電を行い、電流センサー6により放電電流を測定しながらタイマー3cにより放電時間を計時し、実際の放電容量ΔAhを放電電流の時間積算により求める。同時に放電容量ΔAhの放電開始前と放電終了後において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧Vo1n(放電開始前)とVo2(放電開始後)(n=1〜4)を求める。
【0039】
図6に示すメインバッテリー1のセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップから、各並列ブロック1a〜1dの放電前後のセル電圧Vo1n、Vo2nに対応する充電容量SOC1n、SOC2nを表引き演算し、放電容量ΔSOCn(=SOC1n−SOC2n)を算出する。
【0040】
次に、各並列ブロック1a〜1dごとに、特性マップから演算により求めた放電容量ΔSOCnに対する実際の放電容量ΔAhの比Kn(n=1〜4)を求める。
【数9】
Kn=ΔAh/ΔSOCn
並列ブロック1a〜1dの中で、容量劣化が大きいほど放電前後の電圧差ΔVon(=Vo1n−Vo2n)が大きくなり、したがって放電容量ΔSOCnが大きくなる。つまり、容量劣化が大きい並列ブロックセルほど比Knが小さくなるから、比Knが最小の並列ブロックセルが最大の容量劣化ブロック(この一実施の形態では並列ブロック1a)である。
【0041】
以上の演算結果に基づいて、容量劣化係数Βを次式により求める。
【数10】
Β={Kave−(Kave−Kmin)・n}/Kave
数式10において、Kaveは比Kn(n=1〜4)の平均値、Kminは比Kn(n=1〜4)の内の最小値である。
【0042】
次に、算出した出力(内部抵抗)劣化係数Γと容量劣化係数Βに基づいて、最大容量劣化ブロック1aのセルと他の並列接続ブロック1b〜1dのセルの出力特性を作成する。図7にこれらの並列ブロックセルの出力特性を示す。図において、▲1▼は最大容量劣化ブロック1aの並列接続セルの出力特性を示し、▲2▼は他の並列ブロック1b〜1dの並列接続セルの平均出力特性を示す。これらの特性曲線から現在の充電容量SOC=X[%]における劣化ブロックセルの出力P1と他のブロックセルの出力P2との比ηを求める。
【数11】
η=P1/P2
【0043】
一方、劣化ブロックセルと他のブロックセルとの出力比ηに対する容量自己調整時間Z[sec]を予め設定し、図8に示すようなデータテーブルとしてメモリ3bに記憶しておく。そして、このデータテーブルから、数式11により算出した出力比ηに対する容量自己調整時間Z[sec]を補間演算により求め、容量調整条件を更新するときのメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間X[sec]とする。
【0044】
容量調整条件を更新するときに、メインバッテリー1の無負荷状態が少なくともX[sec]継続したら、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルどうしの容量自己調整が完了していると考えられ、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を計測しても正確な値を検出することができ、したがって正確なセル電圧の計測結果に基づいて正確な容量調整条件を演算することができる。
【0045】
図9は走行時容量調整プログラムを示すフローチャートである。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)するとこの走行時容量調整プログラムを繰り返し実行する。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。なお、バッテリーコントローラー3は、メインスイッチ13がオフされると容量調整処理を停止してこの走行時容量調整プログラムの実行を終了する。
【0046】
ステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。続くステップ2では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を演算し、演算結果の容量調整条件にしたがって容量調整を開始する。
【0047】
この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、セル電圧が最も低い並列ブロックの充電容量SOCを目標容量とし、他の並列ブロックの充電容量SOCと目標容量との差を他の並列ブロックの放電容量とする。また、放電時間(容量調整時間)は、容量調整部3eの各放電回路25〜28の抵抗器R1〜R4で決まる放電電流Idで、最大の放電容量の並列ブロックセルを放電した場合の所要時間として決定する。次に、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間とに基づいて、各放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。そして、決定したデューティーにしたがって放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、容量調整を開始する。
【0048】
ステップ3において、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を決定したときの各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCに基づいて、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、演算結果をメモリ3bに記憶する。
【0049】
ステップ4で、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。そして、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、メモリ3bに記憶されている前回の容量調整条件決定時の充電容量SOCと比較する。
【0050】
充電容量SOCが±Y[%]以上変化していたらステップ5へ進み、上述した手順にしたがって容量自己調整時間Z[sec]を演算する。なお、この容量自己調整時間Z[sec]の演算は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池の場合にのみ実施し、複数のセルを単に直列に接続しただけの組電池に対しては実施しない。
【0051】
ステップ6において、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態が所定時間X[sec]継続したかどうかを確認する。なお、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態とは、電流センサー6により検出された充放電電流|I|が0[A]近傍の所定値Io以下の状態である。
【0052】
また、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては所定時間Xに容量自己調整時間Zを設定する。一方、複数のセルを単に直列に接続しただけの組電池に対しては、所定時間Xに、メインバッテリー1が無負荷状態にあると判断できる最少限の一定時間を設定する。
【0053】
メインバッテリー1の無負荷状態が所定時間X[sec]継続したらステップ1へ戻り、上述した処理を繰り返して容量調整条件を演算し、更新する。
【0054】
このように、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池(メインバッテリー1)において、各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して各並列ブロックセルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを調整する際に、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間X以上継続し、かつ組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCが前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCから所定量Y以上変化した場合に、組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して容量調整条件を設定し直すようにしたので、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0055】
図10は、充電時容量調整プログラムを示すフローチャートである。バッテリーコントローラー3は、充電装置15によるメインバッテリー1の充電が開始されるとこの充電時容量調整プログラムを繰り返し実行する。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。なお、バッテリーコントローラー3は、充電装置15によるメインバッテリー1の充電が終了すると、容量調整処理を停止してこの充電時容量調整プログラムの実行を終了する。
【0056】
ステップ11において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。続くステップ12では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を演算し、演算結果の容量調整条件にしたがって容量調整を開始する。
【0057】
この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、セル電圧が最も低い並列ブロックの充電容量SOCを目標容量とし、他の並列ブロックの充電容量SOCと目標容量との差を他の並列ブロックの放電容量とする。また、放電時間(容量調整時間)は、容量調整部3eの各放電回路25〜28の抵抗器R1〜R4で決まる放電電流Idで、最大の放電容量の並列ブロックセルを放電した場合の所要時間として決定する。次に、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間とに基づいて、各放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。そして、決定したデューティーにしたがって放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、容量調整を開始する。
【0058】
ステップ13において、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を決定したときの各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCに基づいて、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、演算結果をメモリ3bに記憶する。
【0059】
ステップ14で、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。そして、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、メモリ3bに記憶されている前回の容量調整条件決定時の充電容量SOCと比較する。
【0060】
充電容量SOCがY[%]以上変化していたらステップ15へ進み、充電装置15へ0[A]の充電電流指令を送り、充電電流を0にする。その後、ステップ11へ戻り、上述した処理を繰り返して容量調整条件を演算し、更新する。
【0061】
このように、組電池(メインバッテリー1)が充電装置15により充電されているときは、組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCが前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCから所定量Y以上変化した場合に、充電装置15の充電電流を0にするとともに、組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置15による充電を再開するようにしたので、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0062】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、メインバッテリー1が組電池を、セル電圧検出部3dが容量検出手段を、CPU3aが調整条件設定手段、制御手段および時間推定手段を、容量調整部3eが容量調整手段を、電流センサー6およびCPU3aが無負荷状態検出手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図1に続く、一実施の形態の構成を示す図である。
【図3】容量調整部の詳細を示す図である。
【図4】リチウムイオン電池の充電容量SOCに対するセル開放電圧の特性を示す図である。
【図5】電池の電圧−電流特性例を示す図である。
【図6】セルの充電容量SOCに対する開放電圧のマップ例を示す図である。
【図7】並列ブロックセルの出力特性を示す図である。
【図8】劣化ブロックセルと平均ブロックセルとの出力比に対する容量自己調整時間のデータテーブル例を示す図である。
【図9】一実施の形態の走行時容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図10】一実施の形態の充電時容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
14 警告灯
15 充電装置
16、17、19 端子
18 制御ケーブル
25〜28 放電回路
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセル(単電池)が直並列に接続された組電池の容量調整装置および容量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセルを直列に接続した組電池における容量調整方法が知られている(例えば特開2000−040530号公報参照)。この種の容量調整方法では、セルの開放電圧に基づいて放電容量と容量調整時間(放電時間)、すなわち容量調整条件を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の組電池の容量調整方法では、組電池の充電容量SOC(State Of Charge;充電状態ともいう)とは無関係に、組電池の使用開始時または充電開始時の各セルの開放電圧に基づいて容量調整条件を決定しているので、充電容量SOCによっては容量調整条件の誤差が大きくなり、各セルの容量を常に、かつ充分に均一にできないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、複数のセルが直並列に接続された組電池における各セルの容量を常に均一にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のセルを直列に接続した組電池、または複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池において、各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して各セルまたは各並列ブロックセルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を調整する組電池の容量調整装置および方法において、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直す。また、組電池が充電装置により充電されているときは、組電池の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルまたは全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、充電装置の充電電流を0にするとともに、組電池の各セルまたは各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置による充電を再開する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願発明の組電池の容量調整装置および方法を、電気自動車(EV)のバッテリーに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明の組電池の容量調整装置および方法は電気自動車のバッテリーに限定されず、ハイブリッド車両やエンジン車両のバッテリーや、車両以外の多くの装置に用いられるバッテリーに応用することができる。
【0008】
図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態の組電池1は、一般にセルと呼ばれる単電池2を2個ずつ並列に接続して4組の並列ブロック1a〜1dを構成し、さらにこれら4組の並列ブロック1a〜1dを直列に接続したものである。この一実施の形態では、バッテリーコントローラー3および車両コントローラー4へ制御電源を供給する補助バッテリー5と区別するため、組電池1をメインバッテリーと呼ぶ。
【0009】
なお、この一実施の形態では2個のセルを並列に接続して4組の並列ブロックを構成し、これら4組の並列ブロックを直列に接続した組電池を例に上げて説明するが、並列ブロック内のセルの並列接続数と並列ブロックの直列接続数はこの一実施の形態の数量に限定されない。本願発明は、例えば並列接続数が1で直列接続数がn(≧2)の組電池、すなわち複数のセルが単に直列に接続された組電池に対しても適用することができる。複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては、並列ブロック単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、並列ブロック単位で容量調整を行う。一方、複数のセルが単に直列に接続された組電池では、セル単位でセル開放電圧Voおよび充電容量SOCを検出し、セル単位で容量調整を行う。
【0010】
このメインバッテリー1は電流センサー6とメインリレー7を介してインバーター8と補機システム10へ接続され、インバーター8と補機システム10へ直流電力を供給する。インバーター8は、メインバッテリー1の直流電力を交流電力に変換して走行駆動用交流モーター9に印加し、モーター9を駆動して車両を走行させる。インバーター8はまた、車両の制動時にモーター9で発生した交流回生電力を直流電力に変換し、メインバッテリー1を充電する。
【0011】
バッテリーコントローラー3はCPU3a、メモリ3b、タイマー3c、セル電圧検出部3d、容量調整部3eなどから構成され、メインバッテリー1の充放電と容量調整を制御する。セル電圧検出部3dは、メインバッテリー1の各並列ブロック1a〜1dに2個ずつ並列接続されたセル2の平均端子電圧を検出する。容量調整部3eは、セル電圧検出部3dで検出された各並列ブロック1a〜1dのセル平均端子電圧に基づいて並列セルブロック間の容量バラツキを補正する。この容量調整部3eの詳細については後述する。
【0012】
車両コントローラー4は、インバーター8と補機システム10を制御して車両の走行と補機の作動を制御する。なお、補機システム10には空調装置、灯火類、ワイパーなどが含まれる。電流センサー6は、バッテリー1からインバーター8へ流れる放電電流と、インバーター8からバッテリー1へ流れる充電電流とを検出し、CPU3aへ出力する。メインリレー7はCPU3aにより開閉され、メインバッテリー1とその負荷(モーター9および補機システム10)との間の接続と開放を行う。
【0013】
電圧センサー11はメインバッテリー1の両端電圧(以下、総電圧という)を検出し、CPU3aへ出力する。また、温度センサー12はメインバッテリー1の温度を検出し、CPU3aへ出力する。メインスイッチ13は、エンジンを走行駆動源とする従来の自動車のイグニッションスイッチに相当するものであり、電気自動車のメインキーが走行位置に設定されると閉路(オン)する。警告灯14は、電気自動車に何らかの異常が発生したときに点灯して乗員に異常発生を報知する。
【0014】
一実施の形態の電気自動車のメインバッテリー1を充電する場合は、図2に示すように、充電装置15が車両の端子16、17へ接続され、充電装置15からメインバッテリー1へ充電電流を流してメインバッテリー1が充電される。このとき、充電装置15の制御ケーブル18が車両の端子19へ接続され、充電装置15と車両側のバッテリーコントローラー3とが通信を行い、充電開始と終了指令、充電電流指令などの情報の授受を行う。
【0015】
なお、ハイブリッド車両では、通常、エンジンにより発電機を駆動して発電し、この発電電力でメインバッテリーの充電を行うのため、特別な場合の除き、充電装置を車両に接続してメインバッテリーの充電を行うことはない。
【0016】
図3は容量調整部3eの詳細を示す。メインバッテリー1の並列ブロック1aには、抵抗器R1とトランジスターTr1の直列回路25が並列に接続される。同様に、並列ブロック1b〜1dにもそれぞれ、抵抗器R2〜R4とトランジスターTr2〜Tr4の直列回路26〜28が並列に接続される。この抵抗器R1〜R4とトランジスターTr1〜Tr4の直列回路25〜28は、各並列ブロック1a〜1d内のセル2の充電容量SOC(State Of Charge)を放電するための回路であり、抵抗器R1〜R4は放電抵抗、トランジスターTr1〜Tr4は放電と停止を行うスイッチである。なお、この一実施の形態では放電回路25〜28のスイッチにトランジスターTr1〜Tr4を用いた例を示すが、トランジスター以外のFETなどの半導体スイッチング素子や、リレーなどを用いてもよい。
【0017】
CPU3aは、各並列ブロック1a〜1dに接続される各トランジスターTr1〜Tr4のベースへ信号を送り、トランジスターTr1〜Tr4ごとにオン(導通)とオフ(非導通)を制御する。トランジスターTr1〜Tr4がオンすると、各並列ブロック1a〜1dのセル2の充電電力が抵抗器R1〜R4を介して放電し、放電分だけ充電容量SOCが減少する。CPU3aは、各トランジスターTr1〜Tr4のオンとオフを繰り返してデューティー制御を行う。このデューティーは、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間(容量調整時間)とに基づいて決定する。
【0018】
各トランジスターTr1〜Tr4のコレクターとエミッター間にはそれぞれ、電圧センサー21〜24が接続される。トランジスターTr1〜Tr4がオンするとコレクター〜エミッター間電圧がほぼ0Vになり、オフするとコレクター〜エミッター間電圧が並列ブロック1a〜1dのセル両端電圧になる。CPU3aは、電圧センサー21〜24によりトランジスターTr1〜Tr4のコレクター〜エミッター間電圧をモニターし、各トランジスターTr1〜Tr4の動作状況、つまり各並列ブロック1a〜1dの容量調整状況を確認する。
【0019】
容量調整部3eは、メインバッテリー1の並列ブロック1a〜1d単位で容量調整を行い、いずれかの並列ブロックが過充電状態または過放電状態になってメインバッテリー1の容量を十分に利用できなくなるのを防止する。しかし、容量調整部3eでは各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどおしの容量バラツキを調整することはできない。各並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルどうしの容量バラツキは、容量自己調整により解消される。
【0020】
ここで、各並列ブロック内の並列に接続されたセルどうしの容量自己調整について簡単に説明する。並列に接続された2個のセルの間に容量のバラツキがあると、容量が高い側すなわち端子電圧が高い側のセルの容量が、容量の低い側すなわち端子電圧が低い側のセルへ徐々に移動し、2個の並列セルは等容量になろうとする性質がある。この性質は容量自己調整と呼ばれ、容量差(セル開放電圧の差)が大きいほど等容量に近い状態になるまでの容量の変化速度が速く、容量差が小さくなって等容量に近い状態になると容量変化速度は遅くなる。
【0021】
次に、セルの充電容量SOC(State Of Charge;残存容量または充電状態ともいう)に対する開放電圧Voの特性について説明する。図4は、リチウムイオン電池の充電容量SOC[%]に対する開放電圧Vo[v]の特性を示す。セルの開放電圧Voは充電容量SOCに応じて変化し、充電容量SOCがおよそ30%以下の範囲とおよそ95%以上の範囲では、充電容量SOC−開放電圧Vo特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|(または|ΔVo/ΔAh|)が大きく、およそ充電容量SOCが30〜95%の範囲では、充電容量SOC−開放電圧Vo特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|は小さい。
【0022】
従来の組電池の容量調整方法では、セルの充電容量SOCに無関係に、組電池無負荷時のセル開放電圧の分布状況に基づいて放電容量と容量調整時間を決定していた。さらに具体的に説明すると、電気自動車起動時(メインスイッチオン時)の組電池無負荷状態におけるセルごとの開放電圧を測定し、それらの平均値と各セルの開放電圧との偏差に応じた放電容量を決定し、その放電容量分を放電させる構成となっていた。また、容量調整時間(放電時間)は、放電容量とセルごとの開放電圧偏差に応じて決定していた。
【0023】
ところが、このような従来の容量調整条件の決定方法では、充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きい電池を用いると、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残ってしまう。例えば図4に示す充電容量−開放電圧特性の非線形性が大きいリチウムイオン電池では、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が一定ではないため、セル開放電圧分布のバラツキが同じであっても放電容量が異なることがあり、したがって、容量調整後の全セルの充電容量SOCが均一にならず、容量差が残る。
【0024】
また、充電容量−開放電圧特性の傾き|ΔVo/ΔSOC|が小さい範囲において容量調整条件を決定すると、わずかなセル開放電圧Voの測定誤差が大きな充電容量SOCの変化量になるため、セルごとの放電容量に過不足が生じやすい。
【0025】
そこで、この一実施の形態では、組電池の使用開始時または充電開始時の各セルの開放電圧に基づいて容量調整条件を決定するのではなく、組電池の使用中または充電中に常に容量調整条件を更新することによって、従来の容量調整条件の決定方法の上述した問題を解決する。
【0026】
まず、メインバッテリー1の使用中には、▲1▼メインバッテリー1に流れる電流(放電電流または充電電流)が所定値以下で、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態が所定時間Xsec継続し、かつ、▲2▼前回、容量調整条件を更新したときの充電容量SOC[%]から所定量±Y%以上、充電容量SOCが変化した場合に、容量調整条件を演算し更新する。
【0027】
なお、メインバッテリー1の使用中とは、メインリレー7がオン(閉路)してメインバッテリー1が負荷(モーター9および補機システム10)に接続されている状態であり、いつでもメインバッテリー1の放電により負荷を駆動したり、モーター9からの回生電力によりメインバッテリー1の充電が可能な状態である。つまり、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態である。
【0028】
次に、メインバッテリー1の充電中には、前回、容量調整条件を更新したときの充電容量SOC[%]から所定量Y%変化したら充電を中断して無負荷状態にし、容量調整条件を演算し更新する。
【0029】
容量調整条件を更新するための上記▲1▼の条件における所定時間Xsecには、一定時間を設定する方法があるが、この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1d内の並列接続セルの容量自己調整時間を推定し、その推定時間を設定する。並列接続セルの容量自己調整時間中は、並列接続セルの正確な無負荷電圧を検出することができないので、容量自己調整時間が経過するまで待つことによって、正確な無負荷時のセル電圧を検出することができる。
【0030】
ここで、並列接続セルの容量自己調整時間の推定方法について説明する。並列に接続されたセル間の容量自己調整時間は、セルの劣化状態の差とSOCに依存する。そこで、出力(内部抵抗)劣化係数Γ(ガンマ)と容量劣化係数Β(ベータ)という二つの係数を算出して並列接続セルの劣化状態の差を求める。
【0031】
まず、並列接続セルの出力(内部抵抗)劣化係数Γ(ガンマ)の算出方法を説明する。セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの電圧Vn(n=1〜4)をサンプリングするとともに、電流センサー6によりメインバッテリー1に流れる電流Iをサンプリングする。そして、各並列ブロック1a〜1dごとに、サンプリング結果を図5に示すように電圧V−電流Iグラフにプロットする。例えばリチウムイオン電池では充放電時の内部抵抗がほぼ一致し、かつV−I特性の直線性がよいので、サンプリング結果のV−I特性を直線回帰することができ、さらに回帰直線を充電側および放電側に延長することができる。
【0032】
図5において、回帰直線のV軸切片Eon(n=1〜4)は電池の開放電圧を表わし、回帰直線の傾きは並列接続セルの内部抵抗Rn(n=1〜4)を表わす。回帰直線は、
【数1】
Vn=Eon−I・Rn
と表わすことができる。回帰直線と充電時の許容最大電圧Vmaxとの交点Aの電流ICmaxは充電許容値を与え、交点Aでは次式が成立する。
【数2】
Vmax=Eon−ICmax・Rn
同様に、回帰直線と放電時の放電終止電圧Vminとの交点Bの電流IDmaxは放電許容値を与え、交点Bでは次式が成立する。
【数3】
Vmin=Eon−IDmax・Rn
【0033】
各並列ブロック1a〜1dの最大充電電力PCn(n=1〜4)は、上記数式2により、
【数4】
PCn=Vmax・ICmax=Vmax・(Eon−Vmax)/Rn
また、各並列ブロック1a〜1dの最大放電電力PDnは、数式3により、
【数5】
PDn=Vmin・IDmax=Vmin・(Eon−Vmin)/Rn
となる。
【0034】
ここで、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの内部抵抗Rnは、2個の並列接続セル2の合成抵抗値であり、それぞれのセル2の内部抵抗値ではない。
【0035】
次に、内部抵抗が最大のセルの抵抗値を算出する。並列ブロック内に内部抵抗の大きなセルが含まれていると、並列ブロックの並列接続セルの合成抵抗値も大きくなり、図5に示すセルのV−I特性から明らかなように、IDmaxが小さくなって最大放電電力PDも小さくなる。したがって、内部抵抗が最大のセルは、最大放電電力PDnが最小の並列ブロックに含まれていることになる。今、並列ブロック1aの最大放電電力PDnが最小であり、並列ブロック1aの並列接続セルの内の1個のみが、劣化により内部抵抗が大きいと仮定する。
【0036】
次式により、並列ブロック1a内の内部抵抗が大きいセルの抵抗値を演算する。
【数6】
max{Rn}=(Rmax・Rave(n−1))/{Rmax+(n−1)Rave}
数式6において、max{Rn}は最大放電電力PDnが最小の並列ブロック1aの合成抵抗値、Rmaxはその並列ブロック1aに含まれる内部抵抗が最大のセルの抵抗値である。また、Raveは、最大放電電力PDnが最小の並列ブロック1a以外の並列ブロック1b〜1dに含まれるセルの内部抵抗平均値であり、それらの並列ブロック1b〜1dの合成抵抗平均値をRave’としたとき、
【数7】
Rave’=(Raven)/(n・Rave)
により求める。
【0037】
以上の演算結果に基づいて、出力(内部抵抗)劣化係数Γ[%]を次式により求める。
【数8】
Γ=(Rmax/Rave)・100
【0038】
次に、並列接続セルの容量劣化係数Β(ベータ)の算出方法を説明する。メインバッテリー1の放電を行い、電流センサー6により放電電流を測定しながらタイマー3cにより放電時間を計時し、実際の放電容量ΔAhを放電電流の時間積算により求める。同時に放電容量ΔAhの放電開始前と放電終了後において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧Vo1n(放電開始前)とVo2(放電開始後)(n=1〜4)を求める。
【0039】
図6に示すメインバッテリー1のセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップから、各並列ブロック1a〜1dの放電前後のセル電圧Vo1n、Vo2nに対応する充電容量SOC1n、SOC2nを表引き演算し、放電容量ΔSOCn(=SOC1n−SOC2n)を算出する。
【0040】
次に、各並列ブロック1a〜1dごとに、特性マップから演算により求めた放電容量ΔSOCnに対する実際の放電容量ΔAhの比Kn(n=1〜4)を求める。
【数9】
Kn=ΔAh/ΔSOCn
並列ブロック1a〜1dの中で、容量劣化が大きいほど放電前後の電圧差ΔVon(=Vo1n−Vo2n)が大きくなり、したがって放電容量ΔSOCnが大きくなる。つまり、容量劣化が大きい並列ブロックセルほど比Knが小さくなるから、比Knが最小の並列ブロックセルが最大の容量劣化ブロック(この一実施の形態では並列ブロック1a)である。
【0041】
以上の演算結果に基づいて、容量劣化係数Βを次式により求める。
【数10】
Β={Kave−(Kave−Kmin)・n}/Kave
数式10において、Kaveは比Kn(n=1〜4)の平均値、Kminは比Kn(n=1〜4)の内の最小値である。
【0042】
次に、算出した出力(内部抵抗)劣化係数Γと容量劣化係数Βに基づいて、最大容量劣化ブロック1aのセルと他の並列接続ブロック1b〜1dのセルの出力特性を作成する。図7にこれらの並列ブロックセルの出力特性を示す。図において、▲1▼は最大容量劣化ブロック1aの並列接続セルの出力特性を示し、▲2▼は他の並列ブロック1b〜1dの並列接続セルの平均出力特性を示す。これらの特性曲線から現在の充電容量SOC=X[%]における劣化ブロックセルの出力P1と他のブロックセルの出力P2との比ηを求める。
【数11】
η=P1/P2
【0043】
一方、劣化ブロックセルと他のブロックセルとの出力比ηに対する容量自己調整時間Z[sec]を予め設定し、図8に示すようなデータテーブルとしてメモリ3bに記憶しておく。そして、このデータテーブルから、数式11により算出した出力比ηに対する容量自己調整時間Z[sec]を補間演算により求め、容量調整条件を更新するときのメインバッテリー1の無負荷状態の継続時間X[sec]とする。
【0044】
容量調整条件を更新するときに、メインバッテリー1の無負荷状態が少なくともX[sec]継続したら、各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルどうしの容量自己調整が完了していると考えられ、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を計測しても正確な値を検出することができ、したがって正確なセル電圧の計測結果に基づいて正確な容量調整条件を演算することができる。
【0045】
図9は走行時容量調整プログラムを示すフローチャートである。バッテリーコントローラー3のCPU3aは、メインスイッチ13がオン(閉路)するとこの走行時容量調整プログラムを繰り返し実行する。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。なお、バッテリーコントローラー3は、メインスイッチ13がオフされると容量調整処理を停止してこの走行時容量調整プログラムの実行を終了する。
【0046】
ステップ1において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。続くステップ2では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を演算し、演算結果の容量調整条件にしたがって容量調整を開始する。
【0047】
この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、セル電圧が最も低い並列ブロックの充電容量SOCを目標容量とし、他の並列ブロックの充電容量SOCと目標容量との差を他の並列ブロックの放電容量とする。また、放電時間(容量調整時間)は、容量調整部3eの各放電回路25〜28の抵抗器R1〜R4で決まる放電電流Idで、最大の放電容量の並列ブロックセルを放電した場合の所要時間として決定する。次に、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間とに基づいて、各放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。そして、決定したデューティーにしたがって放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、容量調整を開始する。
【0048】
ステップ3において、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を決定したときの各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCに基づいて、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、演算結果をメモリ3bに記憶する。
【0049】
ステップ4で、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。そして、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、メモリ3bに記憶されている前回の容量調整条件決定時の充電容量SOCと比較する。
【0050】
充電容量SOCが±Y[%]以上変化していたらステップ5へ進み、上述した手順にしたがって容量自己調整時間Z[sec]を演算する。なお、この容量自己調整時間Z[sec]の演算は、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池の場合にのみ実施し、複数のセルを単に直列に接続しただけの組電池に対しては実施しない。
【0051】
ステップ6において、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態が所定時間X[sec]継続したかどうかを確認する。なお、メインバッテリー1が無負荷状態(開放状態)にあると見なせる状態とは、電流センサー6により検出された充放電電流|I|が0[A]近傍の所定値Io以下の状態である。
【0052】
また、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数ブロック直列に接続した組電池に対しては所定時間Xに容量自己調整時間Zを設定する。一方、複数のセルを単に直列に接続しただけの組電池に対しては、所定時間Xに、メインバッテリー1が無負荷状態にあると判断できる最少限の一定時間を設定する。
【0053】
メインバッテリー1の無負荷状態が所定時間X[sec]継続したらステップ1へ戻り、上述した処理を繰り返して容量調整条件を演算し、更新する。
【0054】
このように、複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池(メインバッテリー1)において、各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して各並列ブロックセルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを調整する際に、組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、組電池の無負荷状態が所定時間X以上継続し、かつ組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCが前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCから所定量Y以上変化した場合に、組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して容量調整条件を設定し直すようにしたので、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0055】
図10は、充電時容量調整プログラムを示すフローチャートである。バッテリーコントローラー3は、充電装置15によるメインバッテリー1の充電が開始されるとこの充電時容量調整プログラムを繰り返し実行する。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。なお、バッテリーコントローラー3は、充電装置15によるメインバッテリー1の充電が終了すると、容量調整処理を停止してこの充電時容量調整プログラムの実行を終了する。
【0056】
ステップ11において、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dの並列接続セルの電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。続くステップ12では、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を演算し、演算結果の容量調整条件にしたがって容量調整を開始する。
【0057】
この一実施の形態では、並列ブロック1a〜1dの中で、セル電圧が最も低い並列ブロックの充電容量SOCを目標容量とし、他の並列ブロックの充電容量SOCと目標容量との差を他の並列ブロックの放電容量とする。また、放電時間(容量調整時間)は、容量調整部3eの各放電回路25〜28の抵抗器R1〜R4で決まる放電電流Idで、最大の放電容量の並列ブロックセルを放電した場合の所要時間として決定する。次に、各並列ブロック1a〜1dの放電容量と放電時間とに基づいて、各放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をオン、オフするデューティーを決定する。そして、決定したデューティーにしたがって放電回路25〜28のトランジスターTr1〜Tr4をデューティー駆動し、容量調整を開始する。
【0058】
ステップ13において、各並列ブロック1a〜1dの容量調整条件を決定したときの各並列ブロック1a〜1dの充電容量SOCに基づいて、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、演算結果をメモリ3bに記憶する。
【0059】
ステップ14で、セル電圧検出部3dにより各並列ブロック1a〜1dのセル電圧を検出し、メモリ3bに記憶されているセル2の充電容量SOC−セル開放電圧Vo特性マップ(図6参照)から、各並列ブロック1a〜1dのセル電圧に対応する充電容量SOCを表引き演算する。そして、メインバッテリー1としての平均充電容量SOCを演算し、メモリ3bに記憶されている前回の容量調整条件決定時の充電容量SOCと比較する。
【0060】
充電容量SOCがY[%]以上変化していたらステップ15へ進み、充電装置15へ0[A]の充電電流指令を送り、充電電流を0にする。その後、ステップ11へ戻り、上述した処理を繰り返して容量調整条件を演算し、更新する。
【0061】
このように、組電池(メインバッテリー1)が充電装置15により充電されているときは、組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCが前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量SOCから所定量Y以上変化した場合に、充電装置15の充電電流を0にするとともに、組電池の各並列ブロックセルの充電容量SOCを検出して容量調整条件を設定し直した後、充電装置15による充電を再開するようにしたので、複数のセルが直並列に接続された組電池において、各セルの容量を常に均一な状態に保つことができる。
【0062】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、メインバッテリー1が組電池を、セル電圧検出部3dが容量検出手段を、CPU3aが調整条件設定手段、制御手段および時間推定手段を、容量調整部3eが容量調整手段を、電流センサー6およびCPU3aが無負荷状態検出手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図1に続く、一実施の形態の構成を示す図である。
【図3】容量調整部の詳細を示す図である。
【図4】リチウムイオン電池の充電容量SOCに対するセル開放電圧の特性を示す図である。
【図5】電池の電圧−電流特性例を示す図である。
【図6】セルの充電容量SOCに対する開放電圧のマップ例を示す図である。
【図7】並列ブロックセルの出力特性を示す図である。
【図8】劣化ブロックセルと平均ブロックセルとの出力比に対する容量自己調整時間のデータテーブル例を示す図である。
【図9】一実施の形態の走行時容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【図10】一実施の形態の充電時容量調整プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインバッテリー
1a〜1d 並列ブロック
2 セル
3 バッテリーコントローラー
3a CPU
3b メモリ
3c タイマー
3d セル電圧検出部
3e 容量調整部
4 車両コントローラー
5 補助バッテリー
6 電流センサー
7 メインリレー
8 インバーター
9 モーター
10 補機システム
11,21〜24 電圧センサー
12 温度センサー
13 メインスイッチ
14 警告灯
15 充電装置
16、17、19 端子
18 制御ケーブル
25〜28 放電回路
R1〜R4 放電抵抗
Tr1〜Tr2 トランジスター
Claims (10)
- 複数のセルを直列に接続した組電池と、
前記組電池の各セルの充電容量を検出する容量検出手段と、
前記組電池の各セルの充電容量に基づいて各セルの容量調整条件を設定する調整条件設定手段と、
前記容量調整条件にしたがって前記組電池の各セルの充電容量を調整する容量調整手段とを備えた組電池の容量調整装置において、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の容量調整を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、前記組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ前記組電池の全セルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記容量検出手段により各セルの充電容量を検出して前記調整条件設定手段により容量調整条件を設定し直すことを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項1に記載の組電池の容量調整装置において、
前記制御手段は、前記組電池が充電装置により充電されているときは、前記組電池の全セルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記充電装置の充電電流を0にするとともに、前記容量検出手段により各セルの充電容量を検出して前記調整条件設定手段により容量調整条件を設定し直した後、前記充電装置による充電を再開することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 複数のセルを直列に接続した組電池の各セルの充電容量を検出して各セルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって前記組電池の各セルの充電容量を調整する組電池の容量調整方法において、
前記組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、前記組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ前記組電池の全セルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記組電池の各セルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直すことを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項3に記載の組電池の容量調整方法において、
前記組電池が充電装置により充電されているときは、前記組電池の全セルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記充電装置の充電電流を0にするとともに、前記組電池の各セルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、前記充電装置による充電を再開することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池と、
前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量を検出する容量検出手段と、
前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量に基づいて各並列ブロックセルの容量調整条件を設定する調整条件設定手段と、
前記容量調整条件にしたがって前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量を調整する容量調整手段とを備えた組電池の容量調整装置であって、
前記組電池の無負荷状態を検出する無負荷状態検出手段と、
前記組電池の容量調整を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、前記組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ前記組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記容量検出手段により各並列ブロックセルの充電容量を検出して前記調整条件設定手段により容量調整条件を設定し直すことを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項5に記載の組電池の容量調整装置において、
前記組電池の全並列ブロックにおける並列接続セルの最大容量自己調整時間を推定する時間推定手段を備え、
前記所定時間に前記最大容量自己調整時間の推定値を設定することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 請求項5または請求項6に記載の組電池の容量調整装置において、
前記制御手段は、前記組電池が充電装置により充電されているときは、前記組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全セルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記充電装置の充電電流を0にするとともに、前記容量検出手段により各並列ブロックセルの充電容量を検出して前記調整条件設定手段により容量調整条件を設定し直した後、前記充電装置による充電を再開することを特徴とする組電池の容量調整装置。 - 複数のセルを並列に接続した並列ブロックを複数組直列に接続した組電池の各並列ブロックセルの充電容量を検出して各並列ブロックセルの容量調整条件を設定し、容量調整条件にしたがって前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量を調整する組電池の容量調整方法であって、
前記組電池が負荷に接続されて充放電が可能な状態にあるときは、前記組電池の無負荷状態が所定時間以上継続し、かつ前記組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直すことを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項8に記載の組電池の容量調整方法において、
前記組電池の全並列ブロックにおける並列接続セルの最大容量自己調整時間を推定し、前記所定時間に前記最大容量自己調整時間の推定値を設定することを特徴とする組電池の容量調整方法。 - 請求項8または請求項9に記載の組電池の容量調整方法において、
前記組電池が充電装置により充電されているときは、前記組電池の全並列ブロックセルの平均充電容量が前回の容量調整条件設定時の全並列ブロックセルの平均充電容量から所定量以上変化した場合に、前記充電装置の充電電流を0にするとともに、前記組電池の各並列ブロックセルの充電容量を検出して容量調整条件を設定し直した後、前記充電装置による充電を再開することを特徴とする組電池の容量調整方法。
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JP2002187438A JP2004031191A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 組電池の容量調整装置および方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008508685A (ja) * | 2004-07-28 | 2008-03-21 | エナーデル、インク | マルチセルリチウム電池システムのセル平衡化の方法及び装置 |
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-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187438A patent/JP2004031191A/ja active Pending
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