JP2004031204A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内面に蛍光体被膜4が形成された円筒状のガラス管バルブ1と、このガラス管バルブ1の両端部に封装された電極3,3と、上記ガラス管バルブ1内に封入された放電媒体と、上記ガラス管バルブ1の外周面に巻装され、バルブ1の横断面において外周面から長円形状の光出力を呈するよう光拡散模様6が形成された透明の熱収縮性合成樹脂膜5とを備えている蛍光ランプLおよびこの蛍光ランプLを用い照明器具Dである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示用照明器具等に用いられる蛍光ランプおよびこの蛍光ランプが装着された照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光ランプは、点灯回路装置を必要とするが、電球に比べ小電力、高効率でしかも一般的には線状(特殊なものでは面状)に発光する光源をなすところから広い範囲にほぼ均一な明るさの光照射が得られので、家庭、商店、事務所、交通機関や工場等での照明用や表示用あるいは液晶装置たとえばパソコンやテレビのバックライト用等として多用されている。
【0003】
そして、たとえば商品広告用のウインド形の表示器具は、基体の一面側または対向して設けられた一対のアクリル等からなる乳白色や着色した透光性の不透明板に広告表示が記された表示板で形成した筐体の内部に、バックライトとして直管形の蛍光ランプを備えていて、蛍光ランプの発光により表示板の広告表示を行なわせるようにしている。
【0004】
この器具内の蛍光ランプ点灯時、表示板に記した表示がランプからの透光および遮光により現れ所定の表示をなすが、たとえば直管形の蛍光ランプの場合は対向する表示板に他の部分より明るい直線状部分が見えてしまい、表示面の明るさが一様とならなかった。特に複数本の直管形の蛍光ランプを並列配置した場合は、表示面の発光むらが目立った。これは発光するランプ部分が高輝度であるところから、ランプ軸に沿って明るい直線状となって現れるためである。これが円環形ランプの場合は、円環状の明るい部分が現れる。
【0005】
そして、この現象は、近時、表示器具の薄形・軽量化がはかられるにしたがい蛍光ランプも高効率・細径化がすすめられるため、ランプと表示板との間隔が狭まり接近するとその発生が顕著となる。
【0006】
この表示板表面の明るさの不均一を防ぐ手段として、表示板とランプとの間に光拡散板を介在させたり表示板自体の板厚を厚くすることもあるが、拡散板や表示板による光損失が大きく表示面全体が暗くなる不具合がある。
【0007】
また、たとえば実開昭64−4054号公報には、蛍光ランプ外周面の長手方向の中央部が高密度で端部に向かうにしたがい低密度とした不透明導電材料からなる光拡散用フィルタを設けたランプが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この場合の光拡散用フィルタは、ランプ管壁に拡散パターンを直接に印刷または拡散パターンを印刷したフィルムの張り付けによって形成されるが、前者の直接印刷するものでは印刷体の乾燥、焼成時にランプが高温に晒されるので好ましくなく、また、後者のフィルムを張り付けるものは経時すると剥がれる等の不具合を生じる虞があった。
【0009】
この剥がれを防ぐため、この種ランプで行われているガラス管バルブ破損時にガラス片の飛散を防止する透光性熱収縮性合成樹脂材料からなるフィルムで覆い補強することも考えられるが、二重被覆は作業が複雑で材料も多く要することからコストアップを招く不具合がある。
【0010】
そして、従来の上記ウインド形の表示器具等で表裏両面に表示板を設けた構成のものでも、上述したと同様に表示面のランプに近い部分に明るい線状の陰影が生じていた。
【0011】
そして、近時、上記広告用の照明器具等においては、表示面の明るさの均斉度を向上して視感度を高めることが強く要望されており、本発明者等はランプを含む照明器具の改善について種々究明を行った。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ガラス管バルブの細径化等により高出力化されても、所定方向への光度(配光分布)の抑制がはかれる蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用い表示面の明るさの均斉度を向上できる表示用等の薄形化した照明器具を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0014】
長円形状の光度分布とは、配光分布とも呼ばれているランプを横断面して見た外周から発した光出力(光度や照度等)を等高線で表したものをいう。なお、上記光度分布が長円形状とは、楕円形状等を含む。
【0015】
ガラス管バルブは、その材質がソーダライムガラスや鉛ガラス等の軟質ガラスまたは石英ガラスやホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス等の硬質ガラスを用いることができ、その形状は直管状または円環状、U字状やW字状等に屈曲あるいは直管状のものを複数本接続して屈曲状としたもの等でもよい。また、ガラス管バルブの横断面は真円状や長円状等の円筒状で、その外径は8〜38mm程度、長さが150〜2400mm程度のものに適用できる。
【0016】
また、電極は、バルブの内部に設けられるコイル状フィラメントにエミッタ物質が塗布された熱陰極形の電極や冷陰極またはバルブの外面に形成される透明な外部電極を備えている。
【0017】
また、バルブ内に封入する放電媒体としては、アルゴン、クリプトン、キセノンやネオン等の希ガスを一種以上あるいはこれら希ガスに液状水銀、水銀と他の金属との合金からなるアマルガムやペレット等あるいは板状体に水銀合金を形成したGEMEDIS(商品名)等を用いることができ、その封入量はバルブの大きさやランプ特性に合わせ適宜決めればよい。
【0018】
また、ガラス管バルブの外周面に管軸に沿って形成される光拡散模様は、1条であっても正対する一対であってもよい。
【0019】
また、ガラス管バルブに巻装する透明の熱収縮性合成樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類やシリコン、テフロン(登録商標)等があり、この材料を用いフィルムとすることができる。このフィルムは熱収縮率および巻装するバルブの外径等を勘案してチューブ状に形成しておくと、光拡散模様設定位置の精度向上および作業性を高めることができる。
【0020】
さらに、本発明の蛍光ランプは、ガラス管バルブの内表面に透明導電被膜が形成してあったり、バルブの外表面にシリコーン被膜またはバルブ軸に沿って帯状の導電体が形成してあるラピッドスタート形のランプに適用してもよい。
【0021】
本発明の請求項1に記載の蛍光ランプは、内面に蛍光体被膜が形成された円筒状のガラス管バルブと、このガラス管バルブの両端部に封装された電極と、上記ガラス管バルブ内に封入された放電媒体と、上記ガラス管バルブの外周面に巻装され、バルブの横断面において外周面から長円形状の光度分布を呈するよう光拡散模様が形成された透明の熱収縮性合成樹脂膜とを具備していることを特徴とする。
【0022】
上記のような長円形状をした光度(配光)分布を呈する蛍光ランプは、ランプの周囲に不均衡な光度(配光)分布を必要とする、たとえば直下への光出力を低減した間接的な照明を行う光源として適する。
【0023】
本発明の請求項2に記載の蛍光ランプは、上記長円形状の光度分布が、光拡散模様を形成していない部位の最大光度を100%とした場合、最小部位の光度が60〜80%であることを特徴とする。
【0024】
光拡散模様を正対する位置に形成することにより得られる上記長円形状の光度(配光)分布とは、光拡散模様を形成していない部位の最大光度(光出力)に対する光拡散模様を形成してある部位の最小光度(光出力)を指し、その最大光度(光出力)を100%とした場合、最小部位の光度(光出力)が60〜80%であればよい。
【0025】
この最小部位の光度(光出力)が80%を超えた場合は、ランプ点灯時の横断面方向に向かう光出力の明暗差は小さいが、表示器具に装着したときランプに接近した表示面部分の明るさ(輝度)が他の部分より明るくなる不具合がある。また、最小部位の光度(光出力)が60%未満の場合は、明暗差が大き過ぎ視覚上好ましくなく表示器具に装着したとき表示面の明るさ(輝度)が低下する。
【0026】
そして、最小部位の光度(光出力)は60〜80%であればよいが、表示器具における間隔等のばらつき等を考慮すると実用上は65〜75%程度が好ましかった。
【0027】
本発明の請求項3に記載の蛍光ランプは、内面に蛍光体被膜が形成された円筒状のガラス管バルブと、このガラス管バルブの両端部に封装された電極と、上記ガラス管バルブ内に封入された放電媒体と、上記ガラス管バルブ外周面に巻装され、管軸に沿って中央部が高密度で、中央部から離れるに従い徐々に低密度で遮光するよう光拡散模様が形成された透明の熱収縮性合成樹脂膜とを具備していることを特徴とする。
【0028】
熱収縮性合成樹脂膜に形成する光拡散模様は、ガラス管バルブ外面の管軸に沿って連続したほぼ同じパターンで、中央部が高密度で、中央部から離れる直交方向に向うに従い徐々に低密度で遮光するよう設定されている。
【0029】
上記光拡散模様は、たとえば同じ大きさの暗点からなるドットを中央部には多く(密に)、中央部から離れるに従い徐々に少なく(疎に)していったり、または中央部には大きな暗点からなるドットを、中央部から離れるに従い徐々にドットを小さくしていったり、あるいはある幅を有する連続線を中央部に多く存在するよう蛇行させたりする等のパターンにより形成できる。
【0030】
また、光拡散模様の熱収縮性合成樹脂膜への形成は、熱収縮前のチューブ状の合成樹脂フィルムに銀色等の暗色を印刷等の手段で行うことができる。また、この光拡散模様は、フィルム上に白色等の明色の下地層を印刷しておき、この下地層上にこの下地層の模様より少し小さめの銀色等の暗色模様を上地層として印刷形成するか、あるいはほぼ同じ大きさの暗色模様を下地層と少しずらし印刷形成するとよい。
【0031】
このように大きさを異ならせたりずらして上下層を形成することにより、明色の下地層でも光出力をある程度低下させるとともに光を拡散させることにより暗色層のみで形成した場合に比べ、表示面における明暗(輝度)差を小さくできる。
【0032】
本発明の請求項4に記載の蛍光ランプは、上記光拡散模様が、ガラス管バルブの管軸に沿って正対する部位に一対形成されていることを特徴とする。
【0033】
熱収縮性合成樹脂膜に形成する光拡散模様は、ガラス管バルブ外面の管軸に沿って1条でもよいが、この発明ではガラス管バルブ外面の管軸に沿って正対した位置に一対、管軸に沿って連続したほぼ同じパターンで、中央部が高密度で、中央部から離れるに従い徐々に低密度で遮光するよう設定されている。なお、ここでいう正対位置とは、正確に180度離れた位置が望ましいが±数度ずれることは許容される。
【0034】
また、光拡散模様の形成位置は、ガラス管バルブの横断面形状が真円形の場合は中心を通る上下や左右の対称位置でよいが、長円形の場合は中心を通る短径側(最小径部)の上下の対称位置が器具の薄形等を考慮すると最もよい。
【0035】
本発明の請求項5に記載の蛍光ランプは、上記ガラス管バルブの端部には一対の端子ピンを備えた口金が、この一対の端子ピンを結ぶ線上に光拡散模の中心が在るかまたは90°ずれた直交する位置に在るよう接合されていることを特徴とする。
【0036】
本発明の蛍光ランプは、ランプの支持と通電を司る口金(ホルダも含む)の有無は問はないが、2ピンタイプの口金を用いるランプでは、正対する光拡散模様と口金の一対の端子ピンとの対応位置を規制しておくことにより、照明器具へのランプの装着時に光拡散模様と表示板とが正対して、表示板に明るさのむらがない品質のよい表示を行うことができる。
【0037】
本発明の請求項6に記載の照明器具は、表示が形成された表示板と、この表示板側に光拡散模様を形成した部位を対面して配設させた上記請求項1ないし5のいずれか一に記載の1本ないし複数本の蛍光ランプと、この蛍光ランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴とする。
【0038】
上記請求項1ないし5のいずれか一に記載の蛍光ランプを用い、ランプの光拡散模様を形成した遮光密度が高い部位を表示板と対面させているので、両者が接近しても表示板にランプの陰影が生じることを抑制できる。
【0039】
また、対向して一対の表示板を設けた器具の場合は、バルブに正対して光拡散模様を形成したランプを、両光拡散模様が両表示板と対面するよう表示板間に配設すればよい。
【0040】
表示板は、乳白色、発泡や蝕刻により光拡散手段が形成されたりまたは着色された、ポリカーボネイト(PC)やアクリル等の合成樹脂材料あるいはガラス材料で成形したものも用いることができ、また、表示板に光触媒処理を施しておけば、汚れ防止や防臭効果をはかることができメンテナンスが容易になる。
【0041】
用途としては、商品広告用や行先表示用等の対向する2面の乳白色や着色した透光性の不透明板に広告表示が記された表示板等の光源として適する。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる蛍光ランプの実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1は蛍光ランプLの中間部の一部を切欠し、一方の端部を断面して示す正面図、図2の(a)図は図1中の矢視a−a線に沿って切断した部分を示す横断面図、同(b)図は図1の側面図、図3(a)〜(d)はバルブの外周面に巻装される熱収縮性合成樹脂膜に形成した光拡散模様の種々の実施の形態を示す要部の拡大図である。
【0043】
図中、1はソーダライム等の軟質ガラスからなる直管状の横断面が真円形をしたガラス管バルブで、このバルブ1の両端にはステム2(一方側のみ図示。)を封着した封止部11(一方側のみ図示。)が形成されている。このステム2に植設した内部リード線21,21には、コイル状のフィラメントからなる電極3(一方側のみ図示。)が接続されている。
【0044】
また、このバルブ1の内壁面には蛍光体被膜が形成してあるとともに内部には放電媒体としてペレット状の水銀Hg−亜鉛Zn合金およびアルゴンArやキセノンXe等の希ガスが単独または混合して封入されている。
【0045】
また、5はバルブ1の外周面に巻装されたポリエチレンテレフタレート等からなる透明な熱収縮性合成樹脂膜で、この膜5の外面または内面、ここでは外面のバルブ1上下の正対した対称部位に管軸に沿って遮光作用をする光拡散模様6,6が形成してある。
【0046】
この光拡散模様6,6は図3の(a)図に拡大して示すように、熱収縮性合成樹脂膜5上に管軸と直交方向の中央が大径で中央部から離れるに従い徐々に径を小さくしていったドット(点)6a,…,6bが形成してある。
【0047】
このドット(点)6a,…,6bは図4に拡大してその縦断面を拡大して示すように二酸化チタン等の白色塗料で形成した点状の白色層61と、この白色膜61上に白色層62とほぼ同径のアルミニウム等の銀色塗料で形成した暗色層62からなる。
【0048】
すなわち、光拡散模様6,6は管軸と直交方向の中央部は暗色層62,…による遮光面積が大きい高密度で、また、中央部から離れるに従い暗色層62,…による遮光面積が徐々に小さく低密度で遮光するよう形成されている。
【0049】
そして、上記透明な熱収縮性合成樹脂膜5の形成は、たとえば上記光拡散模様6,6が印刷された熱収縮性合成樹脂フィルムをチューブ状に形成し、このチューブをバルブ1に被せ、加熱することによって合成樹脂フィルムを収縮させバルブ1の外周面に緊密に被着させてある。もちろん、このとき合成樹脂フィルムの収縮率およびバルブ1の外径に合せ、予めチューブ寸法および光拡散模様6,6の設定がなされている。
【0050】
また、上記バルブ1両端の封止部11には接着剤79を介しアルミニウム等で形成した有底円筒状のシェル部71を形成したG5型の口金7が接合され、口金7の一対の端子ピン72,72には封止部11から導出した外部リード線(図示しない。)が接続されている。なお、このときバルブ1端部の口金7は、図2の(b)図に示すように正対する光拡散模様6,6の中心を結ぶb−b線上に一対の端子ピン72,72が在るかまたは図示しない90°ずれた直交する位置にあるよう接合されている。
【0051】
そして、上記構成の蛍光ランプLは、図示しない安定器を有する点灯回路装置に接続したソケットに口金7,7部を装着し、点灯回路装置を介して電極3,3に通電し、電極3,3間に放電を生起させ、この放電によりバルブ1内の水銀蒸気を電離および励起して紫外線を発生させて蛍光体被膜4で可視光に変化し、この可視光をバルブ1外に放射する、すなわち、点灯させる。
【0052】
上記蛍光ランプLの主要構成は、たとえば定格ランプ電力26W、ガラス管バルブ1の外径が約15.5mm、長さが約985mmで、バルブ1内面には3波長昼光色の蛍光体被膜4を形成し、希ガスとしてアルゴンArを約333Pa(パスカル)封入してある。
【0053】
そして、上記蛍光ランプLの定格点灯時の、全光束は約2470lm(ルーメン)で、バルブ1の横断面からみた光度(配光)分布は図5に示すように、光拡散模様6,6を形成していない左右の各中央部0−0からを100%(光度が約265cd(カンデラ))とした場合、光拡散模様6,6を高密度で形成した上下の各中央部0−0からは約70%(光度が約185cd)で、その光度(配光)分布特性曲線は長円形状をしている。
【0054】
このような長円形状をした配光分布を呈する蛍光ランプLは、所定方向に指向して所望の発光強度が得られ、ランプLの周囲に不均衡なたとえば光拡散模様6,6側を上下として点灯した場合は、真上および真下への光出力が低下した間接的な照明効果が得られる。
【0055】
また、光拡散模様6,6を透明な熱収縮性合成樹脂膜5に形成してあるので、バルブ1の外周面に緊密に被着し剥離が生じないとともにバルブ1が他の部材と衝突したとき合成樹脂膜5により防護され、万一バルブ1にクラック等を生じた場合にガラス片の飛散を防ぐことができる付随的な作用効果を奏する。
【0056】
また、熱収縮性合成樹脂膜5はその形成作業が容易で、合成樹脂フィルムの収縮率やバルブ1外径等を把握しておくことにより光拡散模様6,6の設置位置を高い精度で行える。
【0057】
そして、上記構成の蛍光ランプLにおいて、最大光度(光出力)部位に対して、最小部位の光度(光出力)が80%を超えた場合は、ランプ点灯時の横断面方向に向かう光出力の明暗差は小さいが、表示器具に装着したときランプに接近した表示面部分の明るさ(輝度)が他の部分より明るくなる不具合がある。また、最小部位の光度(光出力)が60%未満の場合は、明暗差が大き過ぎ視覚上好ましくなく表示器具に装着したとき表示面の明るさ(輝度)が低下する不具合があった。
【0058】
なお、本発明では、透明な熱収縮性合成樹脂膜に形成した光拡散模様6,6は上記実施の形態のものに限らず、図3(b)〜(d)に示すようなものであってもよい。
【0059】
すなわち、図3の(b)図に示すものは光拡散模様6を、ほぼ同じ大きさの暗点からなるドット6c,…を中央部には多く、中心c−cから離れるに従い徐々に少なく形成してある。また、図3の(c)図に示すものは、ある幅を有する連続線6dを中央部に多く存在するよう中心c−cに沿い蛇行させて光拡散模様6が形成してある。さらに、図3の(d)図に示すものは、中央部の菱形のドット6e,…を囲んで大きい菱形枠6f,…が形成してあり、上記のように遮光を中央部が密に、中央部から離れるに従い徐々に疎に形成してあればよい。
【0060】
また、図6は店頭や鉄道駅のホーム等に設けられた広告や案内を対向する2方向に表示する照明器具Dを示し、(a)図は正面図、(b)図は(a)図において矢視d−d線に沿って切断した部分の断面図である。
【0061】
この照明器具Dは、四角枠状の基体82の両側にアクリル等の材料で形成した乳白色や着色した透光性の不透明板からなる表示板83,83が取付けられ、これらで筐体81を構成している。また、上記各表示板83,83には広告表示84が記されている。
【0062】
そして、上記筐体81内の左右には所定の間隔を隔てて複数個のソケット85,…が設けられ、これらソケット85,…に上記蛍光ランプL,…が並列して装着され支持と電気的接続がなされている。このとき各蛍光ランプL,…は、光拡散模様6,6を形成した側が両表示板83,83と対面するよう配設させてある。
【0063】
また、図中86,…は筐体81内に設けられた安定器等を有するランプの点灯回路装置、87,87は筐体81を梁や天井面から吊下する支持部材である。
【0064】
この照明器具Dは、点灯回路装置86,…を介し通電して各蛍光ランプL,…を点灯すると、各ランプL,…は光拡散模様6,6を形成した光度(光出力)を制限した側を表示板83,83と最も接近させているため、両表示板83,83にはランプL,…の陰影が殆ど映らないか、映っても僅かであって全体がほぼ一様な明るさとなり、見栄えがよい品質の向上した表示が行える。
【0065】
もちろん、照明器具は、筐体81内に1本の蛍光ランプLを用いたものでも両側表示板83,83の明るさのむらを低減できるが、上記実施の形態のように複数本の蛍光ランプL,…を、隣接するランプL,…の軸間間隔を15mmで並列させた場合、ランプL,…と表示板83との離間間隔を15mm程度にまで近ずけても両表示板83,83に明るさのむらは目立たなかった。
【0066】
すなわち、本発明によれば奥行き(厚さ)を50mm程度と薄形(小形)化しても支障のない両面発光する照明器具Dを提供できる。
【0067】
また、上述したように正対する光拡散模様6,6と口金7の一対の端子ピン72,72との対応位置を規制しておくことにより、照明器具DへのランプL,…の装着時に光拡散模様6,6と両表示板83,83とが正対して、両表示板83,83に明るさのむらがない品質のよい表示が行える。
【0068】
なお、本発明の上記実施の形態では、たとえばガラス管バルブに光拡散模様を正対して一対形成したものについて述べたが、光拡散模様は一対に限らずバルブに一条形成したランプであってもよい。また、表示板等も一面側にのみ表示や発光を行うものでもよく、その場合は光拡散模様を一条形成したランプでも一対形成したランプでも使用が可能である。
【0069】
また、本発明に係わる照明器具は上記表示用の実施の形態に限らず、ランプをグローブ等の制光体で覆う照明用等の種々の器具への実施が可能であり、器具構造や材料は限定されない。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、長円形状をなす光度(配光)分布を呈する、所定方向に指向して所望の光出力が得られる。また、光拡散模様を透明な熱収縮性合成樹脂膜に形成してあるので、バルブの外周面に緊密に被着し剥離が生じないとともに合成樹脂膜がバルブの保護とガラス片の防飛効果を奏する等種々の利点を有する蛍光ランプを提供できる。
【0071】
請求項2に記載の発明によれば、最大光度(光出力)部位に対する最小光度(光出力)部位の光出力を規制することにより、適度の明暗差が得られる蛍光ランプを提供できる。
【0072】
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1に記載した効果を奏するとともに管軸に沿うバルブの正対する部位に光拡散模様を形成した透明の熱収縮性合成樹脂膜を巻装したことにより、その形成作業が容易で、光拡散模様の設置位置を高い精度で行える等の利点を有する蛍光ランプを提供できる。
【0073】
請求項4に記載の発明によれば、1本のランプで2方向へ指向して所定配光の光放出が行えるので、両面表示の照明器具に適用して器具の薄形化等、上記請求項1ないし3に記載したと同様な効果を奏する。
【0074】
請求項5に記載の発明によれば、2ピンタイプの口金を用いるランプでは、正対する光拡散模様と口金の一対の端子ピンとの対応位置を規制しておくことにより、照明器具へのランプの装着時に光拡散模様と表示面とが正対して、表示面に明るさのむらがない品質のよい表示を行うことができる。
【0075】
請求項6に記載の発明によれば、表示面等に指向して光拡散模様を形成した上記請求項1ないし5に記載の効果を奏するランプを対向配設備しているので、遮光密度が高く両者が接近しても表示面等にランプの陰影が生じることを抑制して、表示面等の明るさの均斉度を向上できる。また、表示面等が一面または対向した両面に設けられているものにも対応ができる。
【0076】
また、表示面等とランプとの両者を接近できるので薄形化した照明器具、たとえば奥行き(厚さ)を50mm程度と薄形(小形)化しても支障のない両面発光の照明器具を提供できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる直管形蛍光ランプの実施の形態を示す、一部切欠断面正面図である。
【図2】(a)図は、図1中の矢視a−a線に沿って切断した部分の横断面図、(b)図は、図1の側面図である。
【図3】(a)図〜(d)図は本発明に係わるバルブの外周面に巻装される熱収縮性合成樹脂膜に形成した光拡散模様の種々の実施の形態を示す要部の拡大図である。
【図4】光拡散模様をなすドット(点)を拡大して示す縦断面図である。
【図5】本発明に係わる蛍光ランプのバルブの横断面における光度(配光)分布特性曲線である。
【図6】本発明に係わる照明器具の実施の形態を示し、(a)図は正面図、(b)図は(a)図において矢視d−d線に沿って切断した部分の断面図である。
【符号の説明】
L:蛍光ランプ
1:ガラス管バルブ
3:電極
4:蛍光体被膜
5:透明な熱収縮性合成樹脂膜
6:光拡散模様
D:照明器具
83:表示板
84:表示
86:点灯回路装置
Claims (6)
- 内面に蛍光体被膜が形成された円筒状のガラス管バルブと、
このガラス管バルブの両端部に封装された電極と、
上記ガラス管バルブ内に封入された放電媒体と、
上記ガラス管バルブの外周面に巻装され、バルブの横断面において外周面から長円形状の光度分布を呈するよう光拡散模様が形成された透明の熱収縮性合成樹脂膜と、
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 上記長円形状の光度分布が、光拡散模様を形成していない部位の最大光度を100%とした場合、最小部位の光度が60〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 内面に蛍光体被膜が形成された円筒状のガラス管バルブと、
このガラス管バルブの両端部に封装された電極と、
上記ガラス管バルブ内に封入された放電媒体と、
上記ガラス管バルブ外周面に巻装され、管軸に沿って中央部が高密度で、中央部から離れるに従い徐々に低密度で遮光するよう光拡散模様が形成された透明の熱収縮性合成樹脂膜と、
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 上記光拡散模様が、ガラス管バルブの管軸に沿って正対する部位に一対形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
- ガラス管バルブの端部には一対の端子ピンを備えた口金が、この一対の端子ピンを結ぶ線上に光拡散模の中心が在るかまたは90°ずれた直交する位置に在るよう接合されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
- 表示が形成された表示板と、
この表示板側に光拡散模様を形成した部位を対面して配設させた上記請求項1ないし5のいずれか一に記載の1本ないし複数本の蛍光ランプと、
この蛍光ランプの点灯回路装置と、
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002187713A JP2004031204A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 蛍光ランプおよび照明器具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002187713A JP2004031204A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 蛍光ランプおよび照明器具 |
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JP2004031204A true JP2004031204A (ja) | 2004-01-29 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012182117A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-09-20 | Advan Lighting:Kk | 管型照明器具、管型照明器具用筐体及び両面内照式看板装置 |
CN107331319A (zh) * | 2017-07-27 | 2017-11-07 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 灯箱布组件及灯箱 |
CN107795868A (zh) * | 2016-08-31 | 2018-03-13 | 广东德豪润达照明电气有限公司 | Led灯具及制备方法 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187713A patent/JP2004031204A/ja active Pending
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