JP2004031154A - キースイッチ及びキースイッチ用ダイヤフラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ドーム形状に形成され、基板の上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、これを押すためのアクチュエータとを有するキースイッチにおいて、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記アクチュエータとの相対位置がずれていても、良好なクリック感を得ることができるキースイッチを提供する。
【解決手段】ドーム形状に形成され、基板7上の端子と接触・離脱可能である接点を凹側ほぼ中央部に設け、常態においては、上記接点が上記端子から離反した状態になるように、基板7上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラム9と、この凸側ほぼ中央部で円周方向に不動状態で載置され、キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成されたプランジャ17と、プランジャ17を介して上記キースイッチ用ダイヤフラム9を押すためのアクチュエータ13とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ドーム形状に形成され、基板7上の端子と接触・離脱可能である接点を凹側ほぼ中央部に設け、常態においては、上記接点が上記端子から離反した状態になるように、基板7上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラム9と、この凸側ほぼ中央部で円周方向に不動状態で載置され、キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成されたプランジャ17と、プランジャ17を介して上記キースイッチ用ダイヤフラム9を押すためのアクチュエータ13とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キースッチおよびこのキースイッチ(平面スイッチ)用のダイヤフラムに係り、特に、上記キースイッチ用ダイヤフラムを構成するドーム形状部の凸側ほぼ中央部に、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別の部材で構成されたプランジャを設けたキースイッチおよびこのキースイッチ用ダイヤフラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のキースイッチ100の概略構成を示す断面図であり、図8は、図7におけるVIIIA−VIIIB矢視であり、キースイッチ100の概略構成を示す平面図である。
【0003】
キースイッチ100は、たとえば携帯電話の押しボタンに使用されているキースイッチであり、環状の端子3と、環状の端子3のほぼ中央部に環状の端子3と隔離して配置された端子5とが、一方の面に設けられている基板7と、可撓性と導電性とを具備する薄板、たとえば薄い金属板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成されたキースイッチ用ダイヤフラム102とを有する。
【0004】
また、従来のキースイッチ100は、キースイッチ用ダイヤフラム102と基板7とに、粘着部を接してキースイッチ用ダイヤフラム102とこの周縁部の基板7とを覆い、キースイッチ用ダイヤフラム102が基板7の上記一方の面に沿う方向に不動状態となりずれないように、キースイッチ用ダイヤフラム102を保持する保持フィルム11を有する。
【0005】
また、従来のキースイッチ100は、基板7の上記一方の面側に設けられ、基板7の上記一方の面とほぼ垂直な方向であるキースイッチ用ダイヤフラム102の押し下げ方向(矢印AR71の方向)に対してほぼ垂直な平面状の押圧部13Aであって、キースイッチ用ダイヤフラム102を押し下げるための押圧部13Aと、この押圧部13Aに対向する側にたとえば指で押される被押圧部とを具備し、たとえばゴム等の弾性体で構成され、キーパッドKPの一部を構成するアクチュエータ(打鍵棒)13とを有する。
【0006】
ここで、上記キースイッチ用ダイヤフラム102は、上記凸状の中央部が基板7から離反するように、基板7に載置され、キースイッチ用ダイヤフラム102の周縁部は接点102Aを形成し、この接点は、基板7に設けられている環状の端子3に常時接触している。
【0007】
また、上記キースイッチ用ダイヤフラム102は、基板7の端子5に接触・離脱可能である接点102Bを、キースイッチ用ダイヤフラム102の凹側ほぼ中央に備え、常態(キースイッチ100が押し下げられていない状態)においては、上記接点102Bが端子5から離反した状態になるように、基板7の上記一方の面に載置されている。
【0008】
上記保持フィルム11には、貫通孔15が設けられ、この貫通孔15は、上記基板7に載置されているキースイッチ用ダイヤフラム102の周縁部近傍に設けられている。なお貫通孔15は、基板7とキースイッチ用ダイヤフラム102とで囲繞された空間内の空気のエアーチャネルを構成する。
【0009】
すなわち、アクチュエータ13を介してキースイッチ用ダイヤフラム102が押し下げられたときに、上記囲繞された空間内の空気が貫通孔15を通って、上記囲繞された空間の外に放出され、キースイッチ用ダイヤフラム102の押し下げを解除したときに、貫通孔15を通って、上記囲繞された空間の外から上記囲繞された空間内に空気が流れこむことによって、上記囲繞された空間内の気圧がほぼ一定圧(たとえば大気圧)に保たれる。
【0010】
キースイッチ100を、たとえば指で矢印AR71の方向に押し下げると、アクチュエータ13が移動し、アクチュエータ13の押圧部13Aが保持フィルム11と接する。そして、キースイッチ100をさらに押し下げると、アクチュエータ13に押されてキースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部の凸状部がへこむように弾性変形し、キースイッチ用ダイヤフラム102の接点102Bが、たとえば図8に斜線で示した部分で、端子5と接触し、端子3と端子5とがキースイッチ用ダイヤフラム102を介して互いに電気的に接続される。
【0011】
上記押し下げの際、上記キースイッチ用ダイヤフラム102の弾性変形によって、良好なクリック感を得ることができる。ここでクリック感とは、たとえば、キースイッチ100を押し下げた場合の反発力の変化で示され、良好なクリック感を得るためには、上記反発力の変化量が適切な値であることが必要がある。
【0012】
続いて、キースイッチ100の上記押し下げを解除すると、アクチュエータ13と、弾性変形していたキースイッチ用ダイヤフラム102とが、キースイッチ100を押し下げる前の状態(図7に示す状態)に復帰し、接点102Bが端子5から離反する。
【0013】
なお、図8では、保持フィルム11の表示を省略してある。
【0014】
また、キースイッチ100において、端子3と端子5との代わりに、端子5が設けられていた位置に、例えば形状が櫛歯形状のものを互いの歯部が離反した状態で互いの歯が入り込むように組み合わせた櫛歯状端子を設け、キースイッチ用ダイヤフラム102を押し下げたときに、キースイッチ用ダイヤフラム102の接点102Bが上記櫛歯状端子と接触し、上記櫛歯状端子を構成する各端子間を互いに電気的に接触するように構成することもある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す状態では、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心と、キースイッチ用ダイヤフラム102の中心とが、互いにほぼ一致しているので、アクチュエータ13を押し下げたとき、キースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部が押圧部13Aで押されてキースイッチ用ダイヤフラム102が弾性変形し、良好なクリック感を得ることができる。
【0016】
ところが、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とが、すなわち、キースイッチ100の押し下げ方向における押圧部13Aの中心軸CL91(図9参照)と、キースイッチ100の押し下げ方向におけるキースイッチ用ダイヤフラム102の中心軸CL92(図9参照)とが、キースイッチ100の組み立て誤差等の要因で、一致せず互いがずれる場合がある。
【0017】
なお、図9は、上述のように、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げた概略の状態を示す断面図である。
【0018】
このように、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げると、たとえばアクチュエータ13の押圧部13Aの周縁部13Bで、キースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部ではない部分が押され、良好クリック感が損なわれる場合があるという問題がある。
【0019】
また、図9に示す状態では、キースイッチ用ダイヤフラム102の中心ではなく、中心よりもややはずれた部分が、基板7に接触し、この接触している箇所に基板の端子が存在しないおそれがあり、キースイッチを押し下げた場合、接点の接触不良が発生する場合があるという問題がある。
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドーム形状に形成され、基板の上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、このキースイッチ用ダイヤフラムを押すための平面状の押圧部を具備するアクチュエータとを有するキースイッチにおいて、上記キースイッチを押した場合、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記アクチュエータとの相対位置がずれて上記キースイッチが形成されていても、良好なクリック感を得ることができ、また、接触不良を回避することができるキースイッチおよびこのキースイッチに使用されるキースイッチ用ダイヤフラムを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、第1の端子と、この第1の端子と離反して配置された第2の端子とが、一方の面に設けられている基板と、可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、上記各端子の少なくとも一方と接触・離脱可能である接点が凹側ほぼ中央部に設けられ、常態においては、上記接点が上記両端子から離反した状態になるように、上記基板の上記一方の面上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動状態で、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャと、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記基板とに接して上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記キースイッチ用ダイヤフラムの周縁部の上記基板とを覆い、上記キースイッチ用ダイヤフラムが上記基板の上記一方の面に沿う方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムを保持している保持フィルムと、上記基板の上記一方の面側に設けられ、上記基板の上記一方の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部であって、上記プランジャを介して上記キースイッチ用ダイヤフラムを押すための押圧部を具備するキーパッドのアクチュエータとを有するキースイッチである。
【0022】
請求項2に記載の本発明は、可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、凸側が基板と離反するように上記基板上に載置されて使用されるキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャを備えると共に、上記基板の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部を備えるキーパッドのアクチュエータの上記押圧部により、上記プランジャを介して、押されるように構成されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0023】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは球状体であり、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な貫通孔によって載置され、または、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な凹みによって載置されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0024】
請求項4に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、互いの直径が異なる2つの円柱形状体をこれらの各円柱の中心軸が一致するように軸方向につないだ形状であり、上記各円柱のうちの小さいほうの円柱が、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた貫通孔に挿入されたことによって、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0025】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、接着剤によって上記キースイッチ用ダイヤフラムに固定されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0026】
請求項6に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、合成樹脂で構成され、印刷またはポッティングによって、上記ダイヤフラムに設けられたキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキースイッチ1の概略構成を示す断面図である。
【0028】
なお、図1では、キースイッチ100と同様に基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11との表示を省略してある。
【0029】
キースッチ1は、キースイッチ1を構成しているキースイッチ用ダイヤフラム9が、従来のキースイッチ100とは異なり、その他は、キースイッチ100とほぼ同様に構成されている。
【0030】
キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9は、このキースイッチ用ダイヤフラム9の凸側ほぼ中央部でこのキースイッチ用ダイヤフラム9に接し、上記キースイッチ用ダイヤフラム9の円周方向に移動できないように(不動状態で)、上記キースイッチ用ダイヤフラム9に載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成されたプランジャ17を備えている点が、キースイッチ100のキースイッチ用ダイヤフラム102とは異なる。
【0031】
ここで、上記プランジャ17は、接着剤によって上記キースイッチ用ダイヤフラム9に固定されている。なお、プランジャ17は、キースイッチ1が矢印AR11の方向に押し下げられたときに、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押圧される平面状の被押圧部17Aを具備し、この被押圧部17Aの上記平面状部は、上記押し下げ方向(矢印AR11の方向)に対してほぼ直角になっている。すなわち、上記被押圧部17Aの平面状部は、アクチュエータ13の平面状の押圧部13Aのに対してほぼ平行になっている。
【0032】
なお、プランジャ17は、金属または合成樹脂で構成されている。合成樹脂で構成することにより、金属で構成した場合よりも、キースイッチ1を軽量化することができる。
【0033】
また、プランジャ17を合成樹脂で構成し、接着剤でキースイッチ用ダイヤフラム9に固定する代わりに、印刷またはポッティングによって、プランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9に固定してもよい。
【0034】
ここでポッティングとは、たとえば、熱硬化性樹脂をキースイッチ用ダイヤフラム9に滴下、積層し、加熱することによって、プランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9に形成することである。
【0035】
キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム9の中心とがずれていても、すなわち、キースイッチ1の押し下げ方向における押圧部13Aの中心軸CL11と、キースイッチ1の押し下げ方向におけるキースイッチ用ダイヤフラム9の中心軸CL12とが、図1に示すように互いがずれていても、キースイッチ1を押し下げた場合、アクチュエータ13の押圧部13Aとプランジャ17の被押圧部17Aとが互いに接触し、プランジャ17を介してキースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ頂上部が押し下げられるように、キースイッチ用ダイヤフラム9が弾性変形するので、良好なクリック感を得ることができる。
【0036】
また、キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、キースイッチ1を押し下げた場合、キースイッチ用ダイヤフラム9の凹側ほぼ中央部が基板7に面接触するので、上記中央部に対応する位置で基板7に設けられている端子と上記中央部とが接触し、キースイッチ1を押し下げた場合の接触不良を回避することができる。
【0037】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム9の中心との上記ずれが発生しても、キースイッチ1のサイズが小さくするために、アクチュエータ13やこの押圧部13Aのサイズやキースイッチ用ダイヤフラム9やプランジャ17のサイズを小さくすることができる。すなわち、上記押圧部13Aやキースイッチ用ダイヤフラム9やプランジャ17のサイズに対する上記ずれの割合が大きくなっても、上記押圧部13Aが上記キースイッチ用ダイヤフラム9の頂上部を押すことができるので、キースイッチ1を押し下げたときに良好なクリック感を得ることができ、またキースイッチ1の接触不良を回避することができる。
【0038】
さらに、キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、プランジャ17を、キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成しているので、キースイッチ用ダイヤフラム9の成形時に、たとえばプレスによってプランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9と同時かつ一体的に形成した場合に比べ、すなわち、キースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ中央部に、このキースイッチ用ダイヤフラム9の凸側に突出するプランジャ(突起)を、キースイッチ用ダイヤフラム9を構成する部材と同じ部材でキースイッチ用ダイヤフラム9に対して一体的に設けた場合に比べ、キースイッチ用ダイヤフラム9におけるプランジャ17近傍の残留応力を減少することができ、キースイッチ用ダイヤフラム9の繰り返し使用(押し下げと押し下げ解除を繰り返し行う使用)によるキースイッチ用ダイヤフラム9の疲労破壊が発生しにくくなる。
【0039】
なお、プレスによって一体的に形成された上記突起(プランジャ)を、キースイッチ用ダイヤフラムの大きさに対して小さくし、キースイッチ用ダイヤフラムのドーム状部(ドーム形状に形成された部分)をできるだけ広くし、この広くとった上記ドーム状部を弾性変形させることによって、キースイッチ用ダイヤフラムを押し下げたときの良好なクリック感を得ることができるようにすると、上記突起(プランジャ)の近傍では、キースイッチ用ダイヤフラムを構成している部材が急激に変形し、上記突起近傍の残留応力が大きくなり、この部分にたとえばクラックが発生し、不良品が形成されるおそれが大きくなり、また、クラックが発生しなくても、キースイッチ用ダイヤフラムの繰り返し使用(押し下げと押し下げ解除を繰り返し行う使用)によるキースイッチ用ダイヤフラムの疲労破壊が、一層発生しやすくなる。
【0040】
しかし、キースイッチ用ダイヤフラム9では、キースイッチ用ダイヤフラム9を押し下げたときの良好なクリック感を得るためにプランジャ17を小さくしても、上述のように、プランジャ17とキースイッチ用ダイヤフラム9とを別個の部材で構成しているので、キースイッチ用ダイヤフラム9におけるプランジャ17近傍の残留応力を減少させることができ、キースイッチ用ダイヤフラム9の疲労破壊を防ぐことができる。さらに、プランジャ17とキースイッチ用ダイヤフラム9とを別個の部材で構成しているので、プランジャ17を小さくすることが容易である。
【0041】
また、キースイッチ1においては、アクチュエータ13の押圧部13Aの面積が、プランジャ17の被押圧部17Aの面積よりも大きく構成されていること、たとえば、押圧部13Aの形状、被押圧部17Aの形状が共に円形状である場合には、押圧部13Aの直径が、被押圧部17A直径よりも大きく構成されていることが望ましい。
【0042】
このように構成されていることにより、アクチュエータ13の設置位置がキースイッチ用ダイヤフラム9に対して僅かにずれても、キースイッチ1が押し下げられた場合、被押圧部17Aの全面を押圧部13Aで押すことができ、キースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ頂上部が押し下げられるように、キースイッチ用ダイヤフラム9が弾性変形することができる。
【0043】
しかも、キースイッチ1が押し下げられた場合、弾性変形するキースイッチ用ダイヤフラム9と、プランジャ17との接触面積を小さくでき、キースイッチ用ダイヤフラム9の頂上部が変形しやすくなり、また、キースイッチ1の繰り返しの使用によっても、プランジャ17がキースイッチ用ダイヤフラム9から剥離しにくくなる。
【0044】
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るキースイッチ1Aの概略構成を示す断面図である。
【0045】
なお、図2では、図1と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11との表示を省略し、さらに、アクチュエータ13の表示も省略してある。
【0046】
キースイッチ1Aは、プランジャ21の形態と、このプランジャ21を載置するためのキースイッチ用ダイヤフラム19の形態とが、キースイッチ1のプランジャ17、キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9とは異なり、その他はキースイッチ1とほぼ同様に構成されている。
【0047】
すなわち、プランジャ21は球状体であり、キースイッチ用ダイヤフラム19は、ほぼ中央部に貫通孔19Aを具備している点が、キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9とは異なる。キースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に設けられたプランジャを載置可能なたとえば円形状の貫通孔19Aによって、プランジャ2がキースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に載置されている。そして、プランジャ21は、キースイッチ用ダイヤフラム19の円周方向に移動できないように、すなわち不動状態になっている。
【0048】
上述のように構成され、キースイッチ1とほぼ同様に動作することにより、キースイッチ1Aはキースイッチ1とほぼ同様の効果を奏する。
【0049】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aと接触するプランジャ21の部分が平面ではなく球面なので、キースイッチ1Aのたとえば組み立て誤差により、キースイッチ1Aの押し下げ方向に対して、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Aを押し下げた場合、押圧部13Aとプランジャ21とが点接触し、キースイッチ用ダイヤフラム19の頂上部がキースイッチ1Aの押し下げ方向に弾性変形するので、押し下げたときの良好なクリック感を維持でき、また、押し下げたときのスイッチ1Aの接触不良を回避することができる。
【0050】
また、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aによって、プランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に載置されており、プランジャ21が接着等によってキースイッチ用ダイヤフラム19に一体的に固定されているわけではないので、キースイッチ用ダイヤフラム19を押し下げた場合、キースイッチ用ダイヤフラム19がプランジャ21の剛性の影響を受けずに変形可能であり、したがって、良好なクリック感を得ることができる。
【0051】
なお、球状体上のプランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19から離脱することを防ぐすために、図示しない保持フィルム11が、基板7、キースイッチ用ダイヤフラム19と共に、プランジャ21を覆うようにすることが望ましい。
【0052】
また、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aの直径は、プランジャ21の直径よりも小さく構成され、さらに、キースイッチ1Aを押し下げた場合、プランジャ21が基板7上の端子(図示せず)に接触しないようにするために、プランジャ21の図2における下端部は、キースイッチ用ダイヤフラム19の凹側、すなわち、貫通孔19Aとキースイッチ用ダイヤフラム19の凹側面との交差面よりも突出していないようにすることが望ましい。
【0053】
さらに、プランジャ21を金属ではなく、合成樹脂やセラミックスで形成すれば、キースイッチ1Aを軽量化することができる。
【0054】
また、キースイッチ1Aでは、プランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19に設けられている貫通孔19Aを塞いでいるので、キースイッチ1Aの使用時において、基板7とキースイッチ用ダイヤフラム19とで囲繞された空間への塵埃等の侵入を防ぐことができる。
【0055】
[第3の実施の形態]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るキースイッチ1Bの概略構成を示す断面図である。
【0056】
なお、図3では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0057】
キースイッチ1Bは、プランジャ21を載置するために、キースイッチ用ダイヤフラム23の形態が、キースイッチ1Aのキースイッチ用ダイヤフラム19とは異なり、その他はキースイッチ1Aとほぼ同様に構成されている。
【0058】
すなわち、キースイッチ1Bのキースイッチ用ダイヤフラム23は、貫通孔19Aの代わりに、球体状のプランジャ21を載置可能な凹み23Aを中央部に具備している。
【0059】
この凹み23Aは、球面の一部を用いて構成され、この曲率半径は、球体状のプランジャ21の半径と同じか、球体状のプランジャ21の半径よりも僅かに大きく構成されている。
【0060】
キースイッチ1Bは、キースイッチ1Aとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Aとほぼ同様の効果を奏する。
【0061】
また、キースイッチ1Bのキースイッチ用ダイヤフラム23には、キースイッチ1Aのキースイッチ用ダイヤフラム19が備えているような貫通孔が設けられていないので、キースイッチ1Bを押し下げた場合、上記貫通孔の周縁に発生する集中応力が発生せず、キースイッチ用ダイヤフラム23の耐久性を向上させることができる。
【0062】
[第4の実施の形態]
図4は、本発明の第4の実施の形態に係るキースイッチ1Cの概略構成を示す断面図である。
【0063】
なお、図4では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0064】
キースイッチ1Cは、プランジャ25の形態が、キースイッチ1Aとは異なり、その他の点はキースイッチ1Aとほぼ同様に構成されている。
【0065】
すなわち、キースイッチ1Cのプランジャ25は、互いの直径が異なる2つの円柱形状体25A、25Bをこれらの各円柱の中心軸が一致するように軸方向につないだ形状であり、上記各円柱のうちの小さいほうの円柱が、キースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に設けられた貫通孔19Aに挿入されたことによって、プランジャ25がキースイッチ用ダイヤフラム19に載置されている。
【0066】
なお、貫通孔19Aの直径は、直径が小さいほうの円柱状体25Aの直径よりもわずかに大きく構成されている。
【0067】
キースイッチ1Cは、キースイッチ1Aとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Aとほぼ同様の効果を奏する。
【0068】
また、キースイッチ1Cによれば、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aの周縁が、プランジャ25の大きいほうの円柱状体25Bの一端面と面接触しているので、キースイッチ1Cを押し下げた場合に発生するキースイッチ用ダイヤフラム19とプランジャ25との間の面圧を、キースイッチ1Aの場合よりも小さくすることができ、キースイッチ1Cを繰り返して使用してもキースイッチ用ダイヤフラム19やプランジャ25が破損しにくくなる。
【0069】
[第5の実施の形態]
図5は、本発明の第5の実施の形態に係るキースイッチ1Dの概略構成を示す断面図である。
【0070】
なお、図5では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0071】
キースイッチ1Dでは、プランジャ27の形態がキースイッチ1Cのプランジャ25とは異なり、その他の点は、キースイッチ1Cとほぼ同様に構成されている。すなわち、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ27の被押圧部27C形態が、押圧部13A方向に突出した球面の一部で構成されている点が、キースイッチ1Cのプランジャ25とは異なる。
【0072】
キースイッチ1Dは、キースイッチ1Cとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Cとほぼ同様の効果を奏する。
【0073】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ27の形態が球面になっているので、キースイッチ1Aと同様に、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Dを押し下げた場合に良好なクリック感を維持でき、また、キースイッチ1Dを押し下げたときの接触不良を回避することができる。
【0074】
[第6の実施の形態]
図6は、本発明に第6の実施の形態に係るキースイッチ1Eの概略構成を示す断面図である。
【0075】
なお、図6では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0076】
キースイッチ1Eでは、プランジャ29の形態がキースイッチ1のプランジャ17とは異なり、その他の点は、キースイッチ1とほぼ同様に構成されている。すなわち、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ29の形態が、押圧部13A方向に突出した球面の一部で構成されている点が、キースイッチ1のプランジャ17とは異なる。
【0077】
キースイッチ1Eは、キースイッチ1とほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1とほぼ同様の効果を奏する。
【0078】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ29の形態が球面になっているので、キースイッチ1Aと同様に、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Eを押し下げた場合に良好なクリック感を維持でき、また、キースイッチ1Eを押し下げたときの接触不良を回避することができる。
【0079】
さらに、上記各実施の形態においては、各キースイッチ用ダイヤフラム9、19、23と各プランジャ17、21、25、27、29とが別部材で構成され、接着、印刷、ポッティング、または単なる載置によって、各プランジャ17、21、25、27、29が各キースイッチ用ダイヤフラム9、19、23に支持されているので、プレス成形でキースイッチ用ダイヤフラムとプランジャとを一体的に形成するときよりも各キースイッチ用ダイヤフラムの形態が単純である。
【0080】
したがって、各キースイッチ用ダイヤフラムを小型化(たとえば径を5mmから4mmに小型化)し、しかも、押し下げのクリック感を維持するために、たとえば各キースイッチ用ダイヤフラムのドームの高さを高くしても、各キースイッチ用ダイヤフラムを容易に、しかも製作時の残留応力を低く押えて、製作することができる。
【0081】
また、第1の実施の形態に係るキースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9のプランジャ17や第6の実施の形態に係るキースイッチ1Eのキースイッチ用ダイヤフラム9のプランジャ29を合成樹脂で構成し、印刷またはポッティングによってキースイッチ用ダイヤフラム9に固定すれば、キースイッチ用ダイヤフラム9の径が小さくなっても、キースイッチ用ダイヤフラムへのプランジャの固定を容易にすることができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、ドーム形状に形成され、基板の上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、このキースイッチ用ダイヤフラムを押すための平面状の押圧部を具備するアクチュエータとを有するキースイッチにおいて、上記キースイッチを押した場合、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記アクチュエータとの相対位置がずれて上記キースイッチが形成されていても、良好なクリック感を得ることができ、また、接触不良を回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図7】従来のキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図8】図7におけるVIIIA−VIIIB矢視であり、従来のキースイッチの概略構成を示す平面図である。
【図9】アクチュエータの押圧部の中心とキースイッチ用ダイヤフラムの中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げた概略の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 キースイッチ
3、5 端子
7 基板
9、19、23 キースイッチ用ダイヤフラム
11 保持フィルム
13 アクチュエータ
13A 押圧部
17、21、25、27、29 プランジャ
17A 被押圧部
19A 貫通孔
23A 凹み
KP キーパッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、キースッチおよびこのキースイッチ(平面スイッチ)用のダイヤフラムに係り、特に、上記キースイッチ用ダイヤフラムを構成するドーム形状部の凸側ほぼ中央部に、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別の部材で構成されたプランジャを設けたキースイッチおよびこのキースイッチ用ダイヤフラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のキースイッチ100の概略構成を示す断面図であり、図8は、図7におけるVIIIA−VIIIB矢視であり、キースイッチ100の概略構成を示す平面図である。
【0003】
キースイッチ100は、たとえば携帯電話の押しボタンに使用されているキースイッチであり、環状の端子3と、環状の端子3のほぼ中央部に環状の端子3と隔離して配置された端子5とが、一方の面に設けられている基板7と、可撓性と導電性とを具備する薄板、たとえば薄い金属板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成されたキースイッチ用ダイヤフラム102とを有する。
【0004】
また、従来のキースイッチ100は、キースイッチ用ダイヤフラム102と基板7とに、粘着部を接してキースイッチ用ダイヤフラム102とこの周縁部の基板7とを覆い、キースイッチ用ダイヤフラム102が基板7の上記一方の面に沿う方向に不動状態となりずれないように、キースイッチ用ダイヤフラム102を保持する保持フィルム11を有する。
【0005】
また、従来のキースイッチ100は、基板7の上記一方の面側に設けられ、基板7の上記一方の面とほぼ垂直な方向であるキースイッチ用ダイヤフラム102の押し下げ方向(矢印AR71の方向)に対してほぼ垂直な平面状の押圧部13Aであって、キースイッチ用ダイヤフラム102を押し下げるための押圧部13Aと、この押圧部13Aに対向する側にたとえば指で押される被押圧部とを具備し、たとえばゴム等の弾性体で構成され、キーパッドKPの一部を構成するアクチュエータ(打鍵棒)13とを有する。
【0006】
ここで、上記キースイッチ用ダイヤフラム102は、上記凸状の中央部が基板7から離反するように、基板7に載置され、キースイッチ用ダイヤフラム102の周縁部は接点102Aを形成し、この接点は、基板7に設けられている環状の端子3に常時接触している。
【0007】
また、上記キースイッチ用ダイヤフラム102は、基板7の端子5に接触・離脱可能である接点102Bを、キースイッチ用ダイヤフラム102の凹側ほぼ中央に備え、常態(キースイッチ100が押し下げられていない状態)においては、上記接点102Bが端子5から離反した状態になるように、基板7の上記一方の面に載置されている。
【0008】
上記保持フィルム11には、貫通孔15が設けられ、この貫通孔15は、上記基板7に載置されているキースイッチ用ダイヤフラム102の周縁部近傍に設けられている。なお貫通孔15は、基板7とキースイッチ用ダイヤフラム102とで囲繞された空間内の空気のエアーチャネルを構成する。
【0009】
すなわち、アクチュエータ13を介してキースイッチ用ダイヤフラム102が押し下げられたときに、上記囲繞された空間内の空気が貫通孔15を通って、上記囲繞された空間の外に放出され、キースイッチ用ダイヤフラム102の押し下げを解除したときに、貫通孔15を通って、上記囲繞された空間の外から上記囲繞された空間内に空気が流れこむことによって、上記囲繞された空間内の気圧がほぼ一定圧(たとえば大気圧)に保たれる。
【0010】
キースイッチ100を、たとえば指で矢印AR71の方向に押し下げると、アクチュエータ13が移動し、アクチュエータ13の押圧部13Aが保持フィルム11と接する。そして、キースイッチ100をさらに押し下げると、アクチュエータ13に押されてキースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部の凸状部がへこむように弾性変形し、キースイッチ用ダイヤフラム102の接点102Bが、たとえば図8に斜線で示した部分で、端子5と接触し、端子3と端子5とがキースイッチ用ダイヤフラム102を介して互いに電気的に接続される。
【0011】
上記押し下げの際、上記キースイッチ用ダイヤフラム102の弾性変形によって、良好なクリック感を得ることができる。ここでクリック感とは、たとえば、キースイッチ100を押し下げた場合の反発力の変化で示され、良好なクリック感を得るためには、上記反発力の変化量が適切な値であることが必要がある。
【0012】
続いて、キースイッチ100の上記押し下げを解除すると、アクチュエータ13と、弾性変形していたキースイッチ用ダイヤフラム102とが、キースイッチ100を押し下げる前の状態(図7に示す状態)に復帰し、接点102Bが端子5から離反する。
【0013】
なお、図8では、保持フィルム11の表示を省略してある。
【0014】
また、キースイッチ100において、端子3と端子5との代わりに、端子5が設けられていた位置に、例えば形状が櫛歯形状のものを互いの歯部が離反した状態で互いの歯が入り込むように組み合わせた櫛歯状端子を設け、キースイッチ用ダイヤフラム102を押し下げたときに、キースイッチ用ダイヤフラム102の接点102Bが上記櫛歯状端子と接触し、上記櫛歯状端子を構成する各端子間を互いに電気的に接触するように構成することもある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す状態では、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心と、キースイッチ用ダイヤフラム102の中心とが、互いにほぼ一致しているので、アクチュエータ13を押し下げたとき、キースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部が押圧部13Aで押されてキースイッチ用ダイヤフラム102が弾性変形し、良好なクリック感を得ることができる。
【0016】
ところが、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とが、すなわち、キースイッチ100の押し下げ方向における押圧部13Aの中心軸CL91(図9参照)と、キースイッチ100の押し下げ方向におけるキースイッチ用ダイヤフラム102の中心軸CL92(図9参照)とが、キースイッチ100の組み立て誤差等の要因で、一致せず互いがずれる場合がある。
【0017】
なお、図9は、上述のように、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げた概略の状態を示す断面図である。
【0018】
このように、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム102の中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げると、たとえばアクチュエータ13の押圧部13Aの周縁部13Bで、キースイッチ用ダイヤフラム102の頂上部ではない部分が押され、良好クリック感が損なわれる場合があるという問題がある。
【0019】
また、図9に示す状態では、キースイッチ用ダイヤフラム102の中心ではなく、中心よりもややはずれた部分が、基板7に接触し、この接触している箇所に基板の端子が存在しないおそれがあり、キースイッチを押し下げた場合、接点の接触不良が発生する場合があるという問題がある。
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドーム形状に形成され、基板の上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、このキースイッチ用ダイヤフラムを押すための平面状の押圧部を具備するアクチュエータとを有するキースイッチにおいて、上記キースイッチを押した場合、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記アクチュエータとの相対位置がずれて上記キースイッチが形成されていても、良好なクリック感を得ることができ、また、接触不良を回避することができるキースイッチおよびこのキースイッチに使用されるキースイッチ用ダイヤフラムを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、第1の端子と、この第1の端子と離反して配置された第2の端子とが、一方の面に設けられている基板と、可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、上記各端子の少なくとも一方と接触・離脱可能である接点が凹側ほぼ中央部に設けられ、常態においては、上記接点が上記両端子から離反した状態になるように、上記基板の上記一方の面上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動状態で、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャと、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記基板とに接して上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記キースイッチ用ダイヤフラムの周縁部の上記基板とを覆い、上記キースイッチ用ダイヤフラムが上記基板の上記一方の面に沿う方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムを保持している保持フィルムと、上記基板の上記一方の面側に設けられ、上記基板の上記一方の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部であって、上記プランジャを介して上記キースイッチ用ダイヤフラムを押すための押圧部を具備するキーパッドのアクチュエータとを有するキースイッチである。
【0022】
請求項2に記載の本発明は、可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、凸側が基板と離反するように上記基板上に載置されて使用されるキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャを備えると共に、上記基板の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部を備えるキーパッドのアクチュエータの上記押圧部により、上記プランジャを介して、押されるように構成されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0023】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは球状体であり、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な貫通孔によって載置され、または、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な凹みによって載置されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0024】
請求項4に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、互いの直径が異なる2つの円柱形状体をこれらの各円柱の中心軸が一致するように軸方向につないだ形状であり、上記各円柱のうちの小さいほうの円柱が、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた貫通孔に挿入されたことによって、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0025】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、接着剤によって上記キースイッチ用ダイヤフラムに固定されているキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0026】
請求項6に記載の本発明は、請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、上記プランジャは、合成樹脂で構成され、印刷またはポッティングによって、上記ダイヤフラムに設けられたキースイッチ用ダイヤフラムである。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキースイッチ1の概略構成を示す断面図である。
【0028】
なお、図1では、キースイッチ100と同様に基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11との表示を省略してある。
【0029】
キースッチ1は、キースイッチ1を構成しているキースイッチ用ダイヤフラム9が、従来のキースイッチ100とは異なり、その他は、キースイッチ100とほぼ同様に構成されている。
【0030】
キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9は、このキースイッチ用ダイヤフラム9の凸側ほぼ中央部でこのキースイッチ用ダイヤフラム9に接し、上記キースイッチ用ダイヤフラム9の円周方向に移動できないように(不動状態で)、上記キースイッチ用ダイヤフラム9に載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成されたプランジャ17を備えている点が、キースイッチ100のキースイッチ用ダイヤフラム102とは異なる。
【0031】
ここで、上記プランジャ17は、接着剤によって上記キースイッチ用ダイヤフラム9に固定されている。なお、プランジャ17は、キースイッチ1が矢印AR11の方向に押し下げられたときに、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押圧される平面状の被押圧部17Aを具備し、この被押圧部17Aの上記平面状部は、上記押し下げ方向(矢印AR11の方向)に対してほぼ直角になっている。すなわち、上記被押圧部17Aの平面状部は、アクチュエータ13の平面状の押圧部13Aのに対してほぼ平行になっている。
【0032】
なお、プランジャ17は、金属または合成樹脂で構成されている。合成樹脂で構成することにより、金属で構成した場合よりも、キースイッチ1を軽量化することができる。
【0033】
また、プランジャ17を合成樹脂で構成し、接着剤でキースイッチ用ダイヤフラム9に固定する代わりに、印刷またはポッティングによって、プランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9に固定してもよい。
【0034】
ここでポッティングとは、たとえば、熱硬化性樹脂をキースイッチ用ダイヤフラム9に滴下、積層し、加熱することによって、プランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9に形成することである。
【0035】
キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム9の中心とがずれていても、すなわち、キースイッチ1の押し下げ方向における押圧部13Aの中心軸CL11と、キースイッチ1の押し下げ方向におけるキースイッチ用ダイヤフラム9の中心軸CL12とが、図1に示すように互いがずれていても、キースイッチ1を押し下げた場合、アクチュエータ13の押圧部13Aとプランジャ17の被押圧部17Aとが互いに接触し、プランジャ17を介してキースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ頂上部が押し下げられるように、キースイッチ用ダイヤフラム9が弾性変形するので、良好なクリック感を得ることができる。
【0036】
また、キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、キースイッチ1を押し下げた場合、キースイッチ用ダイヤフラム9の凹側ほぼ中央部が基板7に面接触するので、上記中央部に対応する位置で基板7に設けられている端子と上記中央部とが接触し、キースイッチ1を押し下げた場合の接触不良を回避することができる。
【0037】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aの中心とキースイッチ用ダイヤフラム9の中心との上記ずれが発生しても、キースイッチ1のサイズが小さくするために、アクチュエータ13やこの押圧部13Aのサイズやキースイッチ用ダイヤフラム9やプランジャ17のサイズを小さくすることができる。すなわち、上記押圧部13Aやキースイッチ用ダイヤフラム9やプランジャ17のサイズに対する上記ずれの割合が大きくなっても、上記押圧部13Aが上記キースイッチ用ダイヤフラム9の頂上部を押すことができるので、キースイッチ1を押し下げたときに良好なクリック感を得ることができ、またキースイッチ1の接触不良を回避することができる。
【0038】
さらに、キースイッチ1やキースイッチ用ダイヤフラム9によれば、プランジャ17を、キースイッチ用ダイヤフラム9とは別個の部材で構成しているので、キースイッチ用ダイヤフラム9の成形時に、たとえばプレスによってプランジャ17をキースイッチ用ダイヤフラム9と同時かつ一体的に形成した場合に比べ、すなわち、キースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ中央部に、このキースイッチ用ダイヤフラム9の凸側に突出するプランジャ(突起)を、キースイッチ用ダイヤフラム9を構成する部材と同じ部材でキースイッチ用ダイヤフラム9に対して一体的に設けた場合に比べ、キースイッチ用ダイヤフラム9におけるプランジャ17近傍の残留応力を減少することができ、キースイッチ用ダイヤフラム9の繰り返し使用(押し下げと押し下げ解除を繰り返し行う使用)によるキースイッチ用ダイヤフラム9の疲労破壊が発生しにくくなる。
【0039】
なお、プレスによって一体的に形成された上記突起(プランジャ)を、キースイッチ用ダイヤフラムの大きさに対して小さくし、キースイッチ用ダイヤフラムのドーム状部(ドーム形状に形成された部分)をできるだけ広くし、この広くとった上記ドーム状部を弾性変形させることによって、キースイッチ用ダイヤフラムを押し下げたときの良好なクリック感を得ることができるようにすると、上記突起(プランジャ)の近傍では、キースイッチ用ダイヤフラムを構成している部材が急激に変形し、上記突起近傍の残留応力が大きくなり、この部分にたとえばクラックが発生し、不良品が形成されるおそれが大きくなり、また、クラックが発生しなくても、キースイッチ用ダイヤフラムの繰り返し使用(押し下げと押し下げ解除を繰り返し行う使用)によるキースイッチ用ダイヤフラムの疲労破壊が、一層発生しやすくなる。
【0040】
しかし、キースイッチ用ダイヤフラム9では、キースイッチ用ダイヤフラム9を押し下げたときの良好なクリック感を得るためにプランジャ17を小さくしても、上述のように、プランジャ17とキースイッチ用ダイヤフラム9とを別個の部材で構成しているので、キースイッチ用ダイヤフラム9におけるプランジャ17近傍の残留応力を減少させることができ、キースイッチ用ダイヤフラム9の疲労破壊を防ぐことができる。さらに、プランジャ17とキースイッチ用ダイヤフラム9とを別個の部材で構成しているので、プランジャ17を小さくすることが容易である。
【0041】
また、キースイッチ1においては、アクチュエータ13の押圧部13Aの面積が、プランジャ17の被押圧部17Aの面積よりも大きく構成されていること、たとえば、押圧部13Aの形状、被押圧部17Aの形状が共に円形状である場合には、押圧部13Aの直径が、被押圧部17A直径よりも大きく構成されていることが望ましい。
【0042】
このように構成されていることにより、アクチュエータ13の設置位置がキースイッチ用ダイヤフラム9に対して僅かにずれても、キースイッチ1が押し下げられた場合、被押圧部17Aの全面を押圧部13Aで押すことができ、キースイッチ用ダイヤフラム9のほぼ頂上部が押し下げられるように、キースイッチ用ダイヤフラム9が弾性変形することができる。
【0043】
しかも、キースイッチ1が押し下げられた場合、弾性変形するキースイッチ用ダイヤフラム9と、プランジャ17との接触面積を小さくでき、キースイッチ用ダイヤフラム9の頂上部が変形しやすくなり、また、キースイッチ1の繰り返しの使用によっても、プランジャ17がキースイッチ用ダイヤフラム9から剥離しにくくなる。
【0044】
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るキースイッチ1Aの概略構成を示す断面図である。
【0045】
なお、図2では、図1と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11との表示を省略し、さらに、アクチュエータ13の表示も省略してある。
【0046】
キースイッチ1Aは、プランジャ21の形態と、このプランジャ21を載置するためのキースイッチ用ダイヤフラム19の形態とが、キースイッチ1のプランジャ17、キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9とは異なり、その他はキースイッチ1とほぼ同様に構成されている。
【0047】
すなわち、プランジャ21は球状体であり、キースイッチ用ダイヤフラム19は、ほぼ中央部に貫通孔19Aを具備している点が、キースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9とは異なる。キースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に設けられたプランジャを載置可能なたとえば円形状の貫通孔19Aによって、プランジャ2がキースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に載置されている。そして、プランジャ21は、キースイッチ用ダイヤフラム19の円周方向に移動できないように、すなわち不動状態になっている。
【0048】
上述のように構成され、キースイッチ1とほぼ同様に動作することにより、キースイッチ1Aはキースイッチ1とほぼ同様の効果を奏する。
【0049】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aと接触するプランジャ21の部分が平面ではなく球面なので、キースイッチ1Aのたとえば組み立て誤差により、キースイッチ1Aの押し下げ方向に対して、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Aを押し下げた場合、押圧部13Aとプランジャ21とが点接触し、キースイッチ用ダイヤフラム19の頂上部がキースイッチ1Aの押し下げ方向に弾性変形するので、押し下げたときの良好なクリック感を維持でき、また、押し下げたときのスイッチ1Aの接触不良を回避することができる。
【0050】
また、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aによって、プランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に載置されており、プランジャ21が接着等によってキースイッチ用ダイヤフラム19に一体的に固定されているわけではないので、キースイッチ用ダイヤフラム19を押し下げた場合、キースイッチ用ダイヤフラム19がプランジャ21の剛性の影響を受けずに変形可能であり、したがって、良好なクリック感を得ることができる。
【0051】
なお、球状体上のプランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19から離脱することを防ぐすために、図示しない保持フィルム11が、基板7、キースイッチ用ダイヤフラム19と共に、プランジャ21を覆うようにすることが望ましい。
【0052】
また、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aの直径は、プランジャ21の直径よりも小さく構成され、さらに、キースイッチ1Aを押し下げた場合、プランジャ21が基板7上の端子(図示せず)に接触しないようにするために、プランジャ21の図2における下端部は、キースイッチ用ダイヤフラム19の凹側、すなわち、貫通孔19Aとキースイッチ用ダイヤフラム19の凹側面との交差面よりも突出していないようにすることが望ましい。
【0053】
さらに、プランジャ21を金属ではなく、合成樹脂やセラミックスで形成すれば、キースイッチ1Aを軽量化することができる。
【0054】
また、キースイッチ1Aでは、プランジャ21がキースイッチ用ダイヤフラム19に設けられている貫通孔19Aを塞いでいるので、キースイッチ1Aの使用時において、基板7とキースイッチ用ダイヤフラム19とで囲繞された空間への塵埃等の侵入を防ぐことができる。
【0055】
[第3の実施の形態]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るキースイッチ1Bの概略構成を示す断面図である。
【0056】
なお、図3では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0057】
キースイッチ1Bは、プランジャ21を載置するために、キースイッチ用ダイヤフラム23の形態が、キースイッチ1Aのキースイッチ用ダイヤフラム19とは異なり、その他はキースイッチ1Aとほぼ同様に構成されている。
【0058】
すなわち、キースイッチ1Bのキースイッチ用ダイヤフラム23は、貫通孔19Aの代わりに、球体状のプランジャ21を載置可能な凹み23Aを中央部に具備している。
【0059】
この凹み23Aは、球面の一部を用いて構成され、この曲率半径は、球体状のプランジャ21の半径と同じか、球体状のプランジャ21の半径よりも僅かに大きく構成されている。
【0060】
キースイッチ1Bは、キースイッチ1Aとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Aとほぼ同様の効果を奏する。
【0061】
また、キースイッチ1Bのキースイッチ用ダイヤフラム23には、キースイッチ1Aのキースイッチ用ダイヤフラム19が備えているような貫通孔が設けられていないので、キースイッチ1Bを押し下げた場合、上記貫通孔の周縁に発生する集中応力が発生せず、キースイッチ用ダイヤフラム23の耐久性を向上させることができる。
【0062】
[第4の実施の形態]
図4は、本発明の第4の実施の形態に係るキースイッチ1Cの概略構成を示す断面図である。
【0063】
なお、図4では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0064】
キースイッチ1Cは、プランジャ25の形態が、キースイッチ1Aとは異なり、その他の点はキースイッチ1Aとほぼ同様に構成されている。
【0065】
すなわち、キースイッチ1Cのプランジャ25は、互いの直径が異なる2つの円柱形状体25A、25Bをこれらの各円柱の中心軸が一致するように軸方向につないだ形状であり、上記各円柱のうちの小さいほうの円柱が、キースイッチ用ダイヤフラム19のほぼ中央部に設けられた貫通孔19Aに挿入されたことによって、プランジャ25がキースイッチ用ダイヤフラム19に載置されている。
【0066】
なお、貫通孔19Aの直径は、直径が小さいほうの円柱状体25Aの直径よりもわずかに大きく構成されている。
【0067】
キースイッチ1Cは、キースイッチ1Aとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Aとほぼ同様の効果を奏する。
【0068】
また、キースイッチ1Cによれば、キースイッチ用ダイヤフラム19の貫通孔19Aの周縁が、プランジャ25の大きいほうの円柱状体25Bの一端面と面接触しているので、キースイッチ1Cを押し下げた場合に発生するキースイッチ用ダイヤフラム19とプランジャ25との間の面圧を、キースイッチ1Aの場合よりも小さくすることができ、キースイッチ1Cを繰り返して使用してもキースイッチ用ダイヤフラム19やプランジャ25が破損しにくくなる。
【0069】
[第5の実施の形態]
図5は、本発明の第5の実施の形態に係るキースイッチ1Dの概略構成を示す断面図である。
【0070】
なお、図5では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0071】
キースイッチ1Dでは、プランジャ27の形態がキースイッチ1Cのプランジャ25とは異なり、その他の点は、キースイッチ1Cとほぼ同様に構成されている。すなわち、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ27の被押圧部27C形態が、押圧部13A方向に突出した球面の一部で構成されている点が、キースイッチ1Cのプランジャ25とは異なる。
【0072】
キースイッチ1Dは、キースイッチ1Cとほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1Cとほぼ同様の効果を奏する。
【0073】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ27の形態が球面になっているので、キースイッチ1Aと同様に、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Dを押し下げた場合に良好なクリック感を維持でき、また、キースイッチ1Dを押し下げたときの接触不良を回避することができる。
【0074】
[第6の実施の形態]
図6は、本発明に第6の実施の形態に係るキースイッチ1Eの概略構成を示す断面図である。
【0075】
なお、図6では、図2と同様に、基板7に設けられている各端子3、5と、保持フィルム11と、アクチュエータ13との表示を省略してある。
【0076】
キースイッチ1Eでは、プランジャ29の形態がキースイッチ1のプランジャ17とは異なり、その他の点は、キースイッチ1とほぼ同様に構成されている。すなわち、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ29の形態が、押圧部13A方向に突出した球面の一部で構成されている点が、キースイッチ1のプランジャ17とは異なる。
【0077】
キースイッチ1Eは、キースイッチ1とほぼ同様に構成され動作するので、キースイッチ1とほぼ同様の効果を奏する。
【0078】
また、アクチュエータ13の押圧部13Aによって押される部分におけるプランジャ29の形態が球面になっているので、キースイッチ1Aと同様に、押圧部13Aの平面状部が垂直ではなく僅かに傾いていても、キースイッチ1Eを押し下げた場合に良好なクリック感を維持でき、また、キースイッチ1Eを押し下げたときの接触不良を回避することができる。
【0079】
さらに、上記各実施の形態においては、各キースイッチ用ダイヤフラム9、19、23と各プランジャ17、21、25、27、29とが別部材で構成され、接着、印刷、ポッティング、または単なる載置によって、各プランジャ17、21、25、27、29が各キースイッチ用ダイヤフラム9、19、23に支持されているので、プレス成形でキースイッチ用ダイヤフラムとプランジャとを一体的に形成するときよりも各キースイッチ用ダイヤフラムの形態が単純である。
【0080】
したがって、各キースイッチ用ダイヤフラムを小型化(たとえば径を5mmから4mmに小型化)し、しかも、押し下げのクリック感を維持するために、たとえば各キースイッチ用ダイヤフラムのドームの高さを高くしても、各キースイッチ用ダイヤフラムを容易に、しかも製作時の残留応力を低く押えて、製作することができる。
【0081】
また、第1の実施の形態に係るキースイッチ1のキースイッチ用ダイヤフラム9のプランジャ17や第6の実施の形態に係るキースイッチ1Eのキースイッチ用ダイヤフラム9のプランジャ29を合成樹脂で構成し、印刷またはポッティングによってキースイッチ用ダイヤフラム9に固定すれば、キースイッチ用ダイヤフラム9の径が小さくなっても、キースイッチ用ダイヤフラムへのプランジャの固定を容易にすることができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、ドーム形状に形成され、基板の上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと、このキースイッチ用ダイヤフラムを押すための平面状の押圧部を具備するアクチュエータとを有するキースイッチにおいて、上記キースイッチを押した場合、上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記アクチュエータとの相対位置がずれて上記キースイッチが形成されていても、良好なクリック感を得ることができ、また、接触不良を回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係るキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図7】従来のキースイッチの概略構成を示す断面図である。
【図8】図7におけるVIIIA−VIIIB矢視であり、従来のキースイッチの概略構成を示す平面図である。
【図9】アクチュエータの押圧部の中心とキースイッチ用ダイヤフラムの中心とがずれて組み立てられたキースイッチを押し下げた概略の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 キースイッチ
3、5 端子
7 基板
9、19、23 キースイッチ用ダイヤフラム
11 保持フィルム
13 アクチュエータ
13A 押圧部
17、21、25、27、29 プランジャ
17A 被押圧部
19A 貫通孔
23A 凹み
KP キーパッド
Claims (6)
- 第1の端子と、この第1の端子と離反して配置された第2の端子とが、一方の面に設けられている基板と;
可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、上記各端子の少なくとも一方と接触・離脱可能である接点が凹側ほぼ中央部に設けられ、常態においては、上記接点が上記両端子から離反した状態になるように、上記基板の上記一方の面上に載置されているキースイッチ用ダイヤフラムと;
上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動状態で、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャと;
上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記基板とに接して上記キースイッチ用ダイヤフラムと上記キースイッチ用ダイヤフラムの周縁部の上記基板とを覆い、上記キースイッチ用ダイヤフラムが上記基板の上記一方の面に沿う方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムを保持している保持フィルムと;
上記基板の上記一方の面側に設けられ、上記基板の上記一方の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部であって、上記プランジャを介して上記キースイッチ用ダイヤフラムを押すための押圧部を具備するキーパッドのアクチュエータと;
を有することを特徴とするキースイッチ。 - 可撓性と導電性とを具備する薄板より、円盤状の中央部が凸状となるように湾曲してドーム形状に形成され、凸側が基板と離反するように上記基板上に載置されて使用されるキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、
上記キースイッチ用ダイヤフラムの凸側ほぼ中央部で上記キースイッチ用ダイヤフラムに接し、上記キースイッチ用ダイヤフラムの円周方向に不動な状態であるように、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置され、上記キースイッチ用ダイヤフラムとは別個の部材で構成されたプランジャを備えると共に、
上記基板の面とほぼ垂直な方向である上記キースイッチ用ダイヤフラムの押し方向に対してほぼ垂直な平面状の押圧部を備えるキーパッドのアクチュエータの上記押圧部により、上記プランジャを介して、押されるように構成されていることを特徴とするキースイッチ用ダイヤフラム。 - 請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、
上記プランジャは球状体であり、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な貫通孔によって載置され、または、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた上記プランジャを載置可能な凹みによって載置されていることを特徴とするキースイッチ用ダイヤフラム。 - 請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、
上記プランジャは、互いの直径が異なる2つの円柱形状体をこれらの各円柱の中心軸が一致するように軸方向につないだ形状であり、上記各円柱のうちの小さいほうの円柱が、上記キースイッチ用ダイヤフラムのほぼ中央部に設けられた貫通孔に挿入されたことによって、上記キースイッチ用ダイヤフラムに載置されていることを特徴とするキースイッチ用ダイヤフラム。 - 請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、
上記プランジャは、接着剤によって上記キースイッチ用ダイヤフラムに固定されていることを特徴とするキースイッチ用ダイヤフラム。 - 請求項2に記載のキースイッチ用ダイヤフラムにおいて、
上記プランジャは、合成樹脂で構成され、印刷またはポッティングによって、上記ダイヤフラムに設けられたことを特徴とするキースイッチ用ダイヤフラム。
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---|---|---|---|
JP2002186545A JP2004031154A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | キースイッチ及びキースイッチ用ダイヤフラム |
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JP2002186545A Pending JP2004031154A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | キースイッチ及びキースイッチ用ダイヤフラム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7301113B2 (en) | 2004-11-08 | 2007-11-27 | Fujikura Ltd. | Diaphragm for use in switch, method for manufacturing thereof, membrane switch, and input device |
JP2010250993A (ja) * | 2009-04-13 | 2010-11-04 | Alps Electric Co Ltd | スイッチ用可動接点、可動接点付きシートおよびスイッチ装置 |
EP2509088A1 (en) * | 2011-04-08 | 2012-10-10 | Delphi Technologies, Inc. | Snap key |
JP2016189281A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | ミツミ電機株式会社 | プッシュスイッチ |
-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186545A patent/JP2004031154A/ja active Pending
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