JP2004030360A - Webサービスの提供システムおよび提供支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】Webブラウザ機能をもった端末装置で、Webサービスを利用する。
【解決手段】端末装置110から、サーバ120をアクセスし、Webページ上で所定のキーワードを入力すると、これに属性を示すタグが付加され、UDDIサーバ130へと送信される。UDDIディレクトリ検索により、利用者の希望に合致した特定のWebサービスが抽出され、関連情報が代理サーバ装置140へ送られる。代理サーバ装置140は、WSDL文書に記載されたプロトコルに基いて、専用APIを作成した上で、当該特定のWebサービスを提供するサーバ装置150へ、端末装置110に代わってサービス要求を送る。その結果行われたサービスの提供について、代理サーバ装置140から端末装置110へ、電子メールによるサービスの報告が行われる。代理サーバ装置140は、サーバ装置160内の個人情報に基いて、サービスの要求を行う。
【選択図】 図4
【解決手段】端末装置110から、サーバ120をアクセスし、Webページ上で所定のキーワードを入力すると、これに属性を示すタグが付加され、UDDIサーバ130へと送信される。UDDIディレクトリ検索により、利用者の希望に合致した特定のWebサービスが抽出され、関連情報が代理サーバ装置140へ送られる。代理サーバ装置140は、WSDL文書に記載されたプロトコルに基いて、専用APIを作成した上で、当該特定のWebサービスを提供するサーバ装置150へ、端末装置110に代わってサービス要求を送る。その結果行われたサービスの提供について、代理サーバ装置140から端末装置110へ、電子メールによるサービスの報告が行われる。代理サーバ装置140は、サーバ装置160内の個人情報に基いて、サービスの要求を行う。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、「Webサービス」を提供し、もしくは提供を支援するシステムに関し、特に、インターネット上で、サービス提供業者から利用者に対して、「Webサービス」を提供したり、提供支援を行うためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット上で種々の情報を提供する最も一般的な方法は、Webページを用いた方法であり、現在、多数のサイトに膨大な数のWebページが公開されている。また、このような膨大なWebページを検索するための検索サイトも多数運営されており、一般ユーザに対して、いわゆるポータルサイトとしての役目を果たしている。インターネット上で公開されたWebページを閲覧するためのWebブラウザソフトウエアは、現在市販されているほとんどのパソコンに標準で装備されており、また、携帯電話やPDA機器などにも装備されつつあり、ユーザは、このようなパソコンや携帯電話を端末装置として利用することにより、容易にWebページにアクセスすることが可能である。また、基本的なWebページは、HTML形式のデータによって用意することができ、個人レベルでも比較的容易にWebページの開設を行うことができる。
【0003】
しかしながら、Webページを公開する手法による情報提供は、あくまでも、HTML形式の文書およびこれに付随する画像・動画・音声などの情報提供にすぎないため、ユーザに対して提供できるサービスには限界がある。また、上述したポータルサイトを用いた検索も、基本的には、所定のキーワードとして与えられた文字列データの一致判定処理に基く検索であるため、必ずしも効率的な検索が実行されるとは限らない。このため、検索結果として提示された多数のサイトの中から、自分に必要なサービスを提供しているWebページを試行錯誤で探す作業が必要になる。
【0004】
このようなWebページによる情報提供の技術的な制約に鑑み、ユーザの要求に応じたサービスを的確に提供する手法として、近年、米国マイクロソフト社などの主導により、「Webサービス」と呼ばれるサービスが提案され、一部で実用化されている。この「Webサービス」では、XML形式のデータをやり取りすることにより、ユーザに対して所望のサービスの提供が行われる。XML形式のデータには、任意のタグを定義することができるため、何らかのキーワードを用いた検索を行う場合でも、単なる文字列データの一致判定処理だけでなく、単語としての意味を考慮した検索処理が可能になる。また、サービス提供者とユーザとの間では、固有のプロトコルを用いた通信を行うことが前提であるため、一般的なWebページによる情報提供に比べて、より自由度の高いサービスの提供が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、「Webサービス」では、自由度の高いサービスの提供が可能になるというメリットが得られるものの、現在のところ、一部の企業間で利用されている程度であり、一般ユーザまで広く普及するには至っていない。その最も大きな問題は、事前に、ユーザ側で特別な準備が必要になる点である。上述したように、Webページの閲覧は、多くのパソコンや携帯電話に標準装備されているWebブラウザを利用して行うことができるため、インターネットへの接続環境を提供するプロバイダとの契約さえ行えば、パソコンや携帯電話を使って自由に任意のWebページへのアクセスが可能になる。ところが、「Webサービス」を利用するためには、一般的なWebブラウザ機能だけでは不十分であり、ユーザのパソコンや携帯電話などの端末装置に、XML形式のデータを取り扱う専用のソフトウエアや、「Webサービス」を提供する業者が用いる固有のプロトコルを用いた通信を行う専用のソフトウエアを組み込む必要がある。一般ユーザに、このような事前準備を強いることは好ましくなく、現時点では、「Webサービス」の普及を阻む重大な要因となっている。
【0006】
そこで本発明は、Webページの閲覧機能をもった端末装置を利用して、「Webサービス」を提供することが可能なWebサービスの提供システムおよび提供支援システムを実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、ネットワークを利用して、サービス提供業者から利用者に対して、Webサービスを提供するためのWebサービスの提供システムにおいて、
個々の利用者によって操作され、Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、
この利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、
この複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報をキーワードおよび利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
この情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、情報検索用サーバ装置から出力されたキーワードを用いて、構築した通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、構築した通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を設けるようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、の間で行われるWebサービスの提供を支援するためのシステムにおいて、
利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報をキーワードおよび利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、情報検索用サーバ装置から出力されたキーワードを用いて、構築された通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、構築された通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を設けるようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係るシステムにおいて、
個々の利用者の個人情報を格納するための個人情報用サーバ装置を更に設け、
キーワード入力用サーバ装置が、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、当該利用者の個人情報を収集し、これを個人情報用サーバ装置に格納する機能を有し、
代理サーバ装置が、個人情報用サーバ装置を参照することにより、情報検索用サーバ装置から出力される利用者特定情報によって特定される利用者についての個人情報を入手し、当該個人情報を参照してサービスの要求を行うようにしたものである。
【0010】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、自発的に、個人情報用サーバ装置内の個人情報を参照することにより得られたキーワードにより情報検索用サーバ装置に検索を実行させ、その結果に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置に対して特定の利用者の嗜好に合致したサービスの要求を行い、受けたサービスの結果を特定の利用者に報告する自発的サービス提供機能を更に備えるようにしたものである。
【0011】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係るシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置が、それぞれ所定の属性が定義された入力欄をもったWebページを提示する機能を有し、個々の入力欄に入力された情報を当該入力欄に定義された属性をもったキーワードとして取り扱うことにより、属性をもったキーワードの発生処理を行うようにしたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法に関する情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、このプロトコルを示すデータに基づいて、このプロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有するようにしたものである。
【0013】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法を示す情報の入手先を示す情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを入手可能なアドレスを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、アドレスを示すデータに基づいて、プロトコルを示すデータを入手した上で、入手したデータに基づいて、プロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有するようにしたものである。
【0014】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第7の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、同一のサービス提供業者用サーバ装置もしくは異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置に対して、複数の異なるサービスの要求を行い、これら複数の要求に応じて提供された個々のサービスの結果を合成し、合成されたサービスの結果を利用者用端末装置に対して報告する機能を有するようにしたものである。
【0015】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、複数のサービスの提供結果に整合性が得られるような調整を行う機能を有するようにしたものである。
【0016】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1〜第9の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、電子メールを利用して利用者用端末装置に報告するようにしたものである。
【0017】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第9の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、キーワード入力用サーバ装置が提示するWebページを利用して利用者用端末装置に報告するようにしたものである。
【0018】
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第11の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、直接的にもしくは代理サーバ装置を介して間接的に、複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスに関する情報を自発的に収集し、これを登録するようにしたものである。
【0019】
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜第12の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置として、UDDIディレクトリサーバを用い、サービスの利用方法を示す情報として、WSDL文書のデータを用いるようにしたものである。
【0020】
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第13の態様に係るシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置、情報検索用サーバ装置、代理サーバ装置、サービス提供業者用サーバ装置の4者間における通信として、SOAP通信を利用するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基いて説明する。
【0022】
<<< §1.従来の一般的なサービス >>>
ここでは、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムの説明を行う前に、従来の一般的な検索ポータルサイトのサービスと、従来の一般的なWebサービスの概要を簡単に説明しておく。
【0023】
図1は、従来の一般的な検索ポータルサイトのサービスを提供するシステムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置10、情報検索用サーバ装置20、サービス提供業者用サーバ装置30である。ここで、利用者用端末装置10は、この例の場合、Webブラウザ機能付パソコンによって構成されており、情報検索用サーバ装置20およびサービス提供業者用サーバ装置30は、Webサーバなどのサーバ群から構成されている。なお、図では、利用者用端末装置10およびサービス提供業者用サーバ装置30のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、複数の利用者用端末装置10によって情報検索用サーバ装置20が利用され、また、情報検索用サーバ装置20が複数のサービス提供業者用サーバ装置30から情報収集することを示すための便宜である。もっとも、実際には、情報検索用サーバ装置20は、膨大な数の利用者用端末装置10によって利用されることになり、また、膨大な数のサービス提供業者用サーバ装置30が開設したサイト内の膨大な数のWebページから情報収集することになる。
【0024】
サービス提供業者用サーバ装置30は、Webページを公開するサイトを運営するためのWebサーバを中心とするサーバ群であり、個々のWebページを構成するHTML形式の文書ファイルや、画像・動画・音声ファイルなどが格納されている。図では、複数のサービス提供業者用サーバ装置30が重なったブロックとして1か所に示されているが、実際には、個々のサービス提供業者用サーバ装置30は、インターネット上の随所に散らばって存在する。もちろん、サービス提供業者用サーバ装置30によって公開されるWebページには、個人レベルで公開したWebページも含まれている。情報検索用サーバ装置20は、インターネットを介して、これら散在するサービス提供業者用サーバ装置30から情報収集を行うことになる。こうして収集された情報は、情報検索用サーバ装置20内に登録される。ここに登録される情報は、基本的には、キーワードとURLとの対応関係を示すデータである。たとえば、ある1つのサービス提供業者用サーバ装置30が、「草津温泉」に関するWebページを公開していた場合、「草津温泉」なるキーワードと当該WebページのURLとが対応することを示すデータが、情報検索用サーバ装置20内に登録されることになる。
【0025】
こうして、情報検索用サーバ装置20は、常に、インターネット上で公開されている膨大なWebページの内容について情報収集を行い、情報登録を行う処理を実行する。その結果、情報検索用サーバ装置20内には、キーワードとURLとの対応関係を示す膨大なデータベースが蓄積されることになり、情報検索機能を備えたポータルサイトとしての役目を果たすことになる。
【0026】
さて、ユーザがこのポータルサイトを利用して、「草津温泉」に関する情報検索を行う場合を考える。この場合、ユーザは、利用者用端末装置10のWebブラウザ機能を利用して、情報検索用サーバ装置20が提供するポータルサイトのURLをアクセスし、このポータルサイトの検索用Webページに、「草津温泉」なるキーワードを入力する。すると、情報検索用サーバ装置20内のデータベースに対して、「草津温泉」なるキーワードについての検索が行われ、ヒットしたURLの一覧リストが利用者用端末装置10へと返される。ユーザが、こうしてWebブラウザの画面上に表示されたURLの一覧リストから所望のURLをクリックして指定すると、Webブラウザは、指定されたURLへのアクセスを行い、特定のサービス提供業者用サーバ装置30の特定のWebページへのアクセスが行われることになる。こうして、利用者用端末装置10のWebブラウザ上には、当該Webページ上のWeb情報が表示され、ユーザは、「草津温泉」に関する所望の情報を閲覧することができるようになる。
【0027】
このように、ユーザが、所定のポータルサイト(情報検索用サーバ装置20)にアクセスしてキーワードによる検索を行い、検索結果としてURLを取得し、取得したURLへ直接アクセスを行い、Webページの閲覧を行う、という情報検索の方法は、現在、インターネット上で最も普及している検索方法である。このような検索方法の利点は、汎用のWebブラウザソフトウエアを備えた利用者用端末装置10を用いて、容易に利用することができる、という点である。ユーザは、一般的なパソコンや携帯電話など、インターネットにアクセス可能な標準的な端末装置を用意するだけで、ポータルサイトによる検索サービスを利用することができ、所望の情報が掲載されたWebページを閲覧することができる。
【0028】
しかしながら、図1における利用者用端末装置10とサービス提供業者用サーバ装置30との間の通信は、主としてHTTP等のプロトコルに限定され、基本的には、サービス提供業者用サーバ装置30から利用者用端末装置10に対して、HTML形式の文書およびこれに付随する画像・動画・音声などの情報提供を行うサービスが主体となる。また、ポータルサイトとしての役割を果たす情報検索用サーバ装置20における検索も、単なる文字列の一致判定に基く検索処理であり、必ずしも効率的な検索が実行されるとは限らない。たとえば、ユーザが、「草津温泉」なるキーワードを用いた検索を行ったとしても、情報検索用サーバ装置20は、「ユーザが草津温泉への旅行を計画しているのか」、「草津温泉の風景写真を入手したいと思っているのか」、「草津温泉の歴史を知りたいと思っているのか」を認識することはできない。したがって、検索結果としてヒットするURLは、とにかく「草津温泉」なる文字列がキーワードとして含まれているWebページのURLということになる。このため、ユーザは、検索結果として提示された多数のWebページの中から、自分に必要な情報を掲載しているWebページを試行錯誤で探す作業が必要になる。
【0029】
そこで、ユーザの要求に応じたサービスを適格に提供する手法として、「Webサービス」と呼ばれるサービス手法が提案されている。図2は、従来の一般的なWebサービスを提供するシステムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置40、情報検索用サーバ装置50、サービス提供業者用サーバ装置60である。図では、利用者用端末装置40およびサービス提供業者用サーバ装置60のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、複数の利用者用端末装置40によって情報検索用サーバ装置50が利用され、また、情報検索用サーバ装置50が複数のサービス提供業者用サーバ装置60から情報収集することを示すための便宜である。
【0030】
従来のWebサービス提供システムでは、基本的に、XML(eXtensible Markup Language)形式でデータ交換を行い、データ・アクセス・プロトコルとしては、米国マイクロソフト社などが中心となって開発したSOAP(Simple Object Access Protocol )を使用することが前提となっている。このため、図示のとおり、利用者用端末装置40、情報検索用サーバ装置50、サービス提供業者用サーバ装置60の三者間における通信は、すべてSOAPを使用した通信が行われることになり、これら各構成要素は、いずれもSOAP通信を行う機能を有している。したがって、ユーザが操作する利用者用端末装置40としては、市販のパソコンや携帯電話をそのまま利用することはできず、Webサービスを利用するための専用のソフトウエアを組み込んだ端末装置を用いる必要がある。
【0031】
情報検索用サーバ装置50は、図1のシステムでポータルサイトとしての役目を果たした情報検索用サーバ装置20と同様に、ユーザの希望に応じて情報検索を行う機能を有しているが、その検索処理は、単なるキーワード検索ではなく、所定の属性が付されたキーワードによる検索処理になる。たとえば、同じ「草津温泉」なるキーワードであっても、このキーワードにそれぞれ所定の属性を付加することにより、「草津温泉(旅先)」、「草津温泉(写真画像)」、「草津温泉(歴史)」のような区別をつけることが可能になる(いずれも、括弧内の情報が属性になる)。したがって、情報検索用サーバ装置50は、個々のキーワードを構成する単語の意味を考慮して適切な検索を行うことが可能になる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉への旅行」に関する情報検索を行い、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉の写真画像」に関する情報検索を行い、「草津温泉(歴史)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉の歴史」に関する情報検索を行うことができる。XML形式のデータは、個々のデータに任意のタグを定義することができるので、このタグの情報として所定の属性を示す情報を付加することが可能になる。
【0032】
情報検索用サーバ装置50を利用して、自己の提供するサービスの内容および利用方法を広めたいと欲するサービス提供業者は、予めSOAP通信を利用して情報検索用サーバ装置50にアクセスし、所定の様式に従って所定の情報を登録しておくようにする。ここで登録される情報は、単に、キーワードとURLとの対応を示す情報ではなく、具体的なサービスの内容を示す情報と、当該サービスの利用方法を示す情報になる。たとえば、草津○○旅館なる事業者が、サービス提供業者用サーバ装置60を利用して、一泊旅行の予約を行うサービスを提供していたとしよう。この場合、「草津温泉の草津○○旅館なる事業者が、一泊旅行予約サービスを提供している」旨の情報がサービスの内容を示す情報として、情報検索用サーバ装置50内のデータベースに登録される。また、「この一泊旅行予約サービスを利用するには、どのようなプロトコルで、どのようなデータをやりとりすればよいか」を示す情報がサービスの利用方法を示す情報として、情報検索用サーバ装置50内のデータベースに登録される。
【0033】
実際には、サービスの利用方法を示す情報は、WSDL(Web Service Description Language)なる言語で記述され、サービス提供業者用サーバ装置60内に文書データとして用意される。そして、情報検索用サーバ装置50には、このWSDL文書の所在(入手先)を示すURLなどが登録されることになる。このWSDLなる言語で記述されたデータの実体は、XML形式のデータであり、タグを利用して、1つ1つのデータに何らかの属性(意味)を定義してなる文書である。結局、情報検索用サーバ装置50には、「サービス提供業者用サーバ装置60が提供するサービスの内容を示す情報(XML形式のデータ)」と、「その利用方法を示す情報(WSDL文書:やはりXML形式のデータ)の入手先を示す情報」とが格納されることになる。このように、インターネット上に分散して存在するWebサービスを登録し、検索の用に供するディレクトリは、一般に、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)ディレクトリと呼ばれている。このUDDIディレクトリを参照することにより、ユーザが求めているサービスを提供してくれる未知のWebサービスを、広くインターネットから検索し、これを利用することができるようになる。ここでは、情報検索用サーバ装置50は、UDDIディレクトリを提供するUDDIディレクトリサーバとして機能していることになる。
【0034】
さて、上述したように、草津○○旅館なる事業者が、サービス提供業者用サーバ装置60を利用して、一泊旅行の予約を行うサービスを提供していた場合、ユーザは、次のような方法で、このサービスを利用し、一泊旅行の予約を行うことができるようになる。まず、ユーザは、利用者用端末装置40の専用ソフトウエア(情報検索用サーバ装置50との間でSOAP通信を行うためのソフトウエア)を利用して、情報検索用サーバ装置50にアクセスし、UDDIディレクトリに対する検索を行う。すなわち、属性付キーワードをXML形式のデータとして情報検索用サーバ装置50に与え、検索を行わせることになる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを情報検索用サーバ装置50に与えたとすると、UDDIディレクトリを利用して、当該属性付キーワードに合致するサービスの内容が検索されることになり、草津○○旅館が提供する「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスなどがヒットすることになる。
【0035】
情報検索用サーバ装置50は、検索によりヒットしたWebサービスの内容を示す情報とともに、これに対応するWSDL文書(サービスの利用方法を記述した文書)の入手先を示す情報を利用者用端末装置40へと返す。利用者用端末装置40は、この特定のWebサービスについてのWSDL文書を所定の入手先からダウンロードして受け取ったら、その中の利用方法を参照して、当該Webサービスを利用するための通信手段をソフトウエアとして構築する。前述のように、WSDL文書内に記述された利用方法を示す情報は、当該Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置60との間でデータをやりとりするための固有のプロトコルを示すものである。そこで、利用者用端末装置40内の専用プログラムは、この固有のプロトコルに基いて、所定の通信手段を構築することができる。この通信手段の実体は、API(Application Programing Interface)を構成するプログラムである。上述の例の場合、草津○○旅館による「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスを提供する特定のサービス提供業者用サーバ装置60が要求する固有のプロトコルで通信を行うためのAPIが、利用者用端末装置40内に通信手段として構築されることになる。
【0036】
そこで、利用者用端末装置40は、この通信手段(API)を介して、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置60と交信することができるようになる。両者間の通信は、SOAP通信で行われるが、具体的なデータのやりとりは、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置60が要求する固有のプロトコルに基いて行われる。すなわち、この固有のプロトコルに基いて、利用者用端末装置40からサービス提供業者用サーバ装置60に対して所定のサービスの要求がなされると、この要求に応じて、サービス提供業者用サーバ装置60から利用者用端末装置40に対して、所定のサービスの提供が行われることになる。サービス提供業者用サーバ装置60は、予め、提供するサービスの内容に応じた固有のプロトコルを定めておけばよいので、非常に自由度の高いサービスの提供が可能になる。
【0037】
個々のWebサービスは、それぞれ固有のプロトコルを要求することになるが、利用者用端末装置40は、所望のWebサービスが要求する固有のプロトコルの内容を、WSDL文書内の利用方法として入手することができるので、その都度、固有のプロトコルに応じた通信手段(API)を構築してアクセスすることができる。
【0038】
このように、図1に示す検索ポータルサイトを用いたサービスに比べて、図2に示すWebサービスでは、より自由度の高いサービスの提供が可能になるというメリットが得られる。しかしながら、このWebサービスを利用するためには、ユーザ側に、専用の利用者用端末装置40を用意する必要があり、それが、Webサービスの普及を阻む重大な要因となっていることは既に述べたとおりである。本発明はこのような問題を解決するためのものである。
【0039】
<<< §2.本発明に係るWebサービス >>>
図3は、本発明の基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置110、キーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140、サービス提供業者用サーバ装置150である。このシステムは、インターネットを利用して、サービス提供業者が用意したサービス提供業者用サーバ装置150から、ユーザが用意した利用者用端末装置110に対して、所定のWebサービスを提供することを目的とするシステムである。図では、利用者用端末装置110およびサービス提供業者用サーバ装置150のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、このWebサービスの提供システムが、多数の利用者用端末装置110から利用され、また、このWebサービスの提供システムによって、多数のサービス提供業者用サーバ装置150からのWebサービスが提供されることを示すための便宜である。
【0040】
利用者用端末装置110を用いてこのWebサービスシステムを利用するユーザには、もちろん、一般の個人ユーザも含まれるが、その他に、企業ユーザも含まれる。一方、このWebサービスシステムを利用してWebサービスを提供するサービス提供業者、すなわち、サービス提供業者用サーバ装置150の設置者は、通常、何らかの事業を行っている企業ということになるが、もちろん、個人レベルでWebサービスを提供しようと意図した者が、サービス提供業者用サーバ装置150を利用してサービス提供を行ってもかまわない。また、同一の企業が、サービス提供業者用サーバ装置150を用いてWebサービスを提供するサービス提供業者として関与しながら、利用者用端末装置110を用いてサービスを利用するユーザとしても関与する、という形態もありうる。
【0041】
この実施例では、利用者用端末装置110は、Webブラウザ機能付パソコンによって構成されている。本発明の最大の特徴は、ユーザ側が、Webブラウザ機能を有する端末装置(この実施例の場合、その他に、電子メールの受信機能が必要になる)を用意するだけで、Webサービスの提供を受けることができるようになる点である。すなわち、利用者用端末装置110としては、現在市販されているWebブラウザ機能付の汎用パソコン、携帯電話、PDA装置などをそのまま利用することが可能になる。結局、この図3に示すWebサービスの提供システムにおける利用者用端末装置110は、図1に示すシステムにおける利用者用端末装置10と同等のものになる。一方、サービス提供業者用サーバ装置150は、Webサーバなどのサーバ群から構成されており、固有の利用方法(固有のプロトコル)に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有している。したがって、この図3に示すWebサービスの提供システムにおけるサービス提供業者用サーバ装置150は、図2に示すシステムにおけるサービス提供業者用サーバ装置60と同等のものになる。
【0042】
このような観点から見れば、図3に示す本発明に係るWebサービスの提供システムは、図1に示す従来の一般的な検索ポータルサイトによって実現されるサービスの提供形態と、図2に示す従来の一般的なWebサービスによって実現されるサービスの提供形態とを融合させた、いわばハイブリッドのサービス提供形態というべきものになる。すなわち、サービス提供を受けるユーザの立場から見れば、図1に示す従来の一般的な検索ポータルサイトを利用する場合と同様に、一般的なWebブラウザ機能付パソコンによる利用が可能になる。一方、サービス提供を行うサービス提供業者の立場から見れば、図2に示す従来の一般的なWebサービスの提供を行う場合と同様に、たとえば、SOAP通信などを利用したXML形式のデータの交換により、固有のプロトコルに従ったサービス要求を受け、固有のプロトコルに従ってサービスの提供を行うことが可能になる。このため、単なるWebページの提示にとどまらず、より自由度の高いサービスを提供することができるようになる。また、ユーザが希望するWebサービスを検索する際には、後述するように、UDDIディレクトリサーバによる検索が可能になり、単なる文字列の一致判定処理による選別ではなく、意味をもったキーワード(属性付キーワード)に基く選別が可能になる。
【0043】
もっとも、ユーザ側が利用する利用者用端末装置110が、単なるWebブラウザ機能しか有していないのに対し、Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150は、SOAP通信機能や固有のプロトコルに基くアクセスを要求することになるので、両者間を仲介して、円滑なWebサービスの提供が行われるようにするための提供支援システムを用意する必要がある。図3に示すブロック図におけるキーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140が、このWebサービスの提供支援システムの構成要素である。実用上は、このような支援システムは、ISP(Internet Service Provider )などが設置することになろう。この支援システムを構成する装置120,130,140は、互いに連携して所定の処理機能を果たす必要があるため、実用上は、同一のISP企業体が、自社のLANやWANに接続されたサーバ群を利用して、この支援システムを構成するのが好ましい。
【0044】
図3に示すとおり、この支援システムを構成する装置120,130,140の相互間通信、及び、これら各装置とサービス提供業者用サーバ装置150との間の通信は、すべてSOAP通信によって行われる。一方、利用者用端末装置110とキーワード入力用サーバ装置120との間の通信は、Webブラウザ機能によって対応可能なHTTP形式の通信プロトコルに基いて行われ、利用者用端末装置110と代理サーバ装置140との間の通信は、電子メール用の汎用通信プロトコル(SMTPやPOPなど)に基いて行われる。
【0045】
キーワード入力用サーバ装置120は、Webサーバ等のサーバ群から構成されており、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0046】
第1の機能は、利用者用端末装置110に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能である。このキーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページは、いわばユーザ(利用者)に対してポータルサイトとして機能するWebページであり、ユーザは、利用者用端末装置110のWebブラウザ機能を利用して、このポータルサイトとして機能するWebページへのアクセスを行うことになる。このようなWebページへのアクセスや、Webページ上でのキーワードの入力操作などは、汎用パソコン等のWebブラウザ機能を用いて行うことができる。なお、実用上は、ユーザが、利用者用端末装置110を用いて、このポータルサイトにアクセスする際には、所定のユーザID(利用者特定情報)やパスワードなどの入力を求めるようにしておくことになる。
【0047】
キーワード入力用サーバ装置120の第2の機能は、提示したWebページ上でユーザが行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能である。Webブラウザ機能により、利用者用端末装置110からキーワード入力用サーバ装置120へと送信されてくるキーワードは、単なる文字列のデータであり、意味をもったデータではない。たとえば、ユーザが「草津温泉」なるキーワードを入力した場合、このキーワードは単なる文字列としてしか解釈できない。そこで、キーワード入力用サーバ装置120は、こうして入力されたキーワードに所定の属性を付加し、属性をもったキーワードを発生する処理を行う。具体的には、それぞれ所定の属性が定義された入力欄をもったWebページを提示し、個々の入力欄に入力された情報を当該入力欄に定義された属性をもったキーワードとして取り扱うことにより、属性をもったキーワードの発生を行うことができる。たとえば、予め「旅先」なる属性が定義された入力欄に、ユーザが「草津温泉」なるキーワードを入力した場合には、「草津温泉」なるキーワードに「旅先」なる属性を付加することにより、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを発生させることができる。したがって、ユーザが、同じ文字列からなる「草津温泉」なるキーワード入力を行ったとしても、入力欄に定義された属性が「旅先」であれば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが発生され、入力欄に定義された属性が「写真画像」であれば、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが発生され、入力欄に定義された属性が「歴史」であれば、「草津温泉(歴史)」なる属性付キーワードが発生されることになる。
【0048】
キーワード入力用サーバ装置120の第3の機能は、発生した属性付キーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて、情報検索用サーバ装置130に対して出力する機能である。上述の例の場合、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードと、ユーザIDなどの利用者特定情報が、SOAP通信を利用して情報検索用サーバ装置130へと送信されることになる。前述したように、このSOAP通信でやりとりされるデータは、XML形式のデータであり、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードは、「草津温泉」なる文字列データに、「旅先」なる属性をタグを用いて定義したデータということになる。
【0049】
結局、キーワード入力用サーバ装置120は、利用者用端末装置110と情報検索用サーバ装置130との間を仲介する支援処理を実行することになる。図2に示すように、従来の一般的なWebサービスでは、利用者用端末装置40と情報検索用サーバ装置50との間はSOAP通信を行う必要があり、利用者用端末装置40からは、XML形式のデータとして表現された属性付キーワードを送信する必要がある。一般のパソコンなどには、このような機能は標準では装備されていない。そこで、図3に示す本発明に係るシステムでは、キーワード入力用サーバ装置120を介在させて、キーワードに属性情報を付加する機能をもたせ、Webブラウザ機能しかもたない利用者用端末装置110を利用して、間接的に、情報検索用サーバ装置130へのアクセスが可能になるようにしているのである。ユーザは、提供を希望するサービスを検索するための指示を、キーワード入力用サーバ装置120が提供する所定のWebページ上で入力すればよい。たとえば、「草津温泉への一泊旅行の予約サービス」を希望するのであれば、「一泊旅行予約」を行うためのWebページ上で、所定の入力欄に「草津温泉」なるキーワードを入力すればよい。あるいは、「草津温泉の写真画像を提供するサービス」を希望するのであれば、たとえば、「画像素材の提供」を行うためのWebページ上で、所定の入力欄に「草津温泉」なるキーワードを入力すればよい。前者の場合は、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが生成され、後者の場合は、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが生成されることになる。
【0050】
さて、情報検索用サーバ装置130は、このような属性付キーワードに基いて、所定のWebサービスを検索するための構成要素であり、その基本的な機能は、図2に示す情報検索用サーバ装置50とほぼ同様である。この情報検索用サーバ装置130は、UDDIディレクトリサーバ等のサーバ群から構成されており、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0051】
第1の機能は、多数のサービス提供業者用サーバ装置150が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「その利用方法に関する情報の入手先を示す情報」を登録する機能である。この機能は、図2に示す情報検索用サーバ装置50の機能と同様である。すなわち、ここで登録される情報は、単に、キーワードとURLとの対応を示す情報ではなく、具体的なサービスの内容(サービスの提供主体を示す情報も含む)や、利用方法の入手先を示す情報になる。この実施例では、多数のサービス提供業者が提供する各サービスの内容を示す情報が、XML形式のデータにより、データベースとして格納されることになる。同様に、各サービスの利用方法を示すWSDL文書の入手先を示すURLが、このデータベースに格納される。このように、インターネット上に分散して存在するWebサービスを登録し、検索の用に供するディレクトリは、一般に、UDDIディレクトリと呼ばれていることは、既に述べたとおりである。サービス提供業者は、予め、情報検索用サーバ装置130の要求する書式に基づいて、サービスの内容を示す情報を登録する作業を行うとともに、サービスの利用方法を記述したWSDL文書を用意し、その入手先URLを登録する作業を行うことになる。
【0052】
情報検索用サーバ装置130の第2の機能は、キーワード入力用サーバ装置120から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能である。この機能も、図2に示す情報検索用サーバ装置50の機能と同様であり、データベースとして蓄積されたUDDIディレクトリを参照することにより、ユーザが求めているサービスを提供してくれる未知のWebサービスを検索して抽出する機能ということになる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが与えられた場合には、旅行予約に関するWebサービスの中から「草津温泉」なるキーワードを有するものが検索され(もしくは、キーワードの一致は不問として、旅行予約に関するWebサービスすべてを検索してもよい)、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが与えられた場合には、写真画像を提供するWebサービスの中から「草津温泉」なるキーワードを有するものが検索される(もしくは、キーワードの一致は不問として、写真画像提供に関するWebサービスすべてを検索してもよい)。
【0053】
情報検索用サーバ装置130の第3の機能は、検索結果として抽出されたサービスに関する情報(サービスの内容を示す情報と、その利用方法の入手先を示す情報)を、検索に使われたキーワードおよびこれを入力した利用者についての利用者特定情報とともに、代理サーバ装置140へと出力する機能である。特定のWebサービスに関して、サービスの内容を示すデータは、前述したように、XML形式のデータとして用意されている。たとえば、上述した例において、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードに基いて、UDDIディレクトリを検索した結果、草津○○旅館が提供する「一泊旅行予約サービス」なるWebサービス(このサービスは、特定のサービス提供業者用サーバ装置150から提供されることになる)がヒットしたとしよう。この場合、情報検索用サーバ装置130から代理サーバ装置140へと出力される情報は、次の3つになる。第1の情報は、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードであり、第2の情報は、「草津温泉」なるキーワードを入力して希望するサービスを指示した利用者の利用者特定情報(ユーザIDなど)であり、第3の情報は、「草津○○旅館が提供する一泊旅行予約サービス」なるWebサービスの内容およびその利用方法を記述たWSDL文書の入手先URLである。これらの情報は、いずれもXML形式のデータとして、SOAP通信によって代理サーバ装置140へと送信される。
【0054】
図2に示す従来の一般的なWebサービスの場合、UDDIディレクトリサーバの検索結果は、利用者用端末装置40へと直接返されていたが、本発明では、検索結果は利用者用端末装置110ではなく、代理サーバ装置140へと返されることになる。これは、本発明における利用者用端末装置110は、Webブラウザ機能付パソコンであり、サービス提供業者用サーバ装置150を直接アクセスする機能を有していないためである。代理サーバ装置140は、結局、利用者用端末装置110の代わりに、サービス提供業者用サーバ装置150に対するアクセスを引き受ける構成要素ということになる。個々のサービス提供業者用サーバ装置150は、それぞれ固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有するサーバ装置であり、代理サーバ装置140は、個々のサービス提供業者用サーバ装置150の要求する固有のプロトコルに従った通信手段(API)を介してアクセスを行うことになる。この代理サーバ装置140は、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0055】
第1の機能は、情報検索用サーバ装置130から出力されたサービスの利用方法を示す情報の入手先を示す情報に基づいて、所定のWSDL文書を入手し、このWSDL文書の記述内容に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置150との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能である。この機能は、図2に示す利用者端末装置40に備わっていたものと同様の機能である。すなわち、代理サーバ装置140は、特定のWebサービスについてのWSDL文書を受け取ったら、その中の利用方法を参照して、当該Webサービスを利用するための通信手段をソフトウエアとして構築する。WSDL文書内に記述された利用方法を示す情報は、当該Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150との間でデータをやりとりするための固有のプロトコルを示すものである。そこで、代理サーバ装置140内の専用プログラムは、この固有のプロトコルに基いて、所定の通信手段を構築することができる。この通信手段の実体は、既に述べたとおり、APIを構成するプログラムであり、上述の例の場合、草津○○旅館による「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスを提供する特定のサービス提供業者用サーバ装置150が要求する固有のプロトコルで通信を行うためのAPIが、代理サーバ装置140内に通信手段として構築されることになる。
【0056】
代理サーバ装置140の第2の機能は、情報検索用サーバ装置130から出力されたキーワードおよびサービスの内容を示す情報に基づいて、構築した通信手段(API)を介して、特定のサービス提供業者用サーバ装置150に対してサービスの要求を行う機能である。この機能も、図2に示す利用者端末装置40に備わっていたものと同様の機能である。代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との間の通信は、SOAP通信で行われるが、具体的なデータのやりとりは、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置150が要求する固有のプロトコルに基いて行われる。代理サーバ装置140は、多数のサービス提供業者用サーバ装置150と通信することになるが、個々のサービス提供業者用サーバ装置150ごとに、それぞれ固有のプロトコルに応じた通信手段(API)を構築して通信を行うことになる。
【0057】
代理サーバ装置140の第3の機能は、通信手段(API)を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置150からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置110に対して報告する機能である。サービス提供業者用サーバ装置150は、予め定められた固有のプロトコルに従ったサービス要求を受けると、この要求に応じて、所定のサービスを提供する機能を有している。したがって、図3に示す本発明のシステムにおける代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との関係は、図2に示す従来のシステムにおける利用者端末装置40とサービス提供業者用サーバ装置60との関係と同じになる。両者間の通信は、固有のプロトコルに従ったSOAP通信で行われるため、非常に自由度の高いサービスの提供が可能になる。ただ、代理サーバ装置140は、利用者用端末装置110の代理として機能するサーバであり、本来、サービスを受けるべき構成要素は、利用者用端末装置110である。そこで、代理サーバ装置140は、サービス提供業者用サーバ装置150から提供のあったサービスの結果を、利用者用端末装置110へと報告する処理を行う。
【0058】
もっとも、サービス提供業者用サーバ装置150から提供されるサービスは、SOAP通信によりXML形式のデータ配信という形態で行われるので、提供されたサービスをそのままのデータ形式で利用者用端末装置110へ送信することは適切ではない。そこで、ここに示す実施形態では、サービス提供業者用サーバ装置150から提供されたサービスの結果を、電子メールの形式(テキスト形式もしくはHTML形式)に変換した上で、利用者用端末装置110へと報告する形態を採っている。具体的には、たとえば、XML形式のデータに含まれている不要なタグを削除するような処理を行うことにより、テキスト形式やHTML形式に変換する処理を行うようにしておけばよい。もちろん、付加的なメッセージを追加して報告するような処理を行ってもよい。
【0059】
かくして、図3に示す本発明に係るWebサービスの提供システムによれば、利用者に対しては、図2に示す従来の一般的なWebサービスと同等のサービスの提供が可能になる。このとき、Webサービスのサービス提供業者側の負担は全く変わらない。すなわち、図3に示すサービス提供業者用サーバ装置150の構成は、図2に示すサービス提供業者用サーバ装置60の構成と全く同じでかまわない。一方、利用者側では、図2に示すようなWebサービスを利用するための専用ソフトウエアを組み込んだ専用の利用者用端末装置40を用意する必要はなくなり、汎用のパソコンなど、Webページの閲覧機能をもった利用者用端末装置110を利用して、Webサービスを利用することが可能になる。これは、Webサービスを普及させる上で極めて重要な効果である。
【0060】
<<< §3.本発明に係るWebサービスの変形例 >>>
以上、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムを、図3に示す基本的な実施形態について説明した。ただ、本発明は、このような基本的な実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。以下、いくつかの変形例を例示しておく。
【0061】
(1) 図4は、図3に示す基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの変形例を示すブロック図である。図3に示すシステムとの相違点は、個々の利用者の個人情報を格納するための個人情報用サーバ装置160を更に備えており、キーワード入力用サーバ装置120が、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、当該利用者の個人情報を収集し、これを個人情報用サーバ装置160に格納する機能を有し、代理サーバ装置140が、この個人情報用サーバ装置160を参照することにより、情報検索用サーバ装置130から出力される利用者特定情報によって特定される利用者についての個人情報を入手し、当該個人情報を参照してサービスの要求を行うことができるようにした点である。
【0062】
前述したように、利用者は、このWebサービスを利用する際に、所定のユーザIDおよびパスワードを入力する必要がある。そこで、個々の利用者にIDやパスワードを発行するときに、当該利用者に、住所、氏名、年齢、家族構成、趣味、趣向、年収などの個人情報を登録する作業を行ってもらうようにする。このような登録作業は、キーワード入力用サーバ装置120(あるいは、別個のWebサーバ装置でもよい)によって、個人情報登録用のWebページを提示し、個々の入力欄に所定のデータを入力してもらうようにすればよい。このような個人情報は、個人情報用サーバ装置160に登録するようにする。個人情報用サーバ装置160は、一般的なDBサーバによって構成すればよい。前述したように、代理サーバ装置140は、利用者用端末装置110を操作する特定の利用者の代理として、サービス提供業者用サーバ装置150に対して所定のサービスの要求を行う機能を有するが、その際に、本人となる利用者についての個人情報を個人情報用サーバ装置160から入手し、この個人情報を参照してサービスの要求を行うようにする。
【0063】
たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを用いて、情報検索用サーバ装置130によるUDDIディレクトリ検索を行った結果、草津○○旅館が提供する宿泊受付サービスと、××温泉館が提供する予約受付サービスとがヒットしたとしよう。この場合、代理サーバ装置140には、この2とおりのWebサービスに関する情報が送信されてくることになる。ここで、利用者本人の年齢や家族構成などの個人情報を参照することができれば、代理サーバ装置140は、2とおりのWebサービスのうちのいずれを優先的にアクセスすればよいかを判断することができる。もちろん、そのような判断を行うには、各Webサービスについて、それぞれ判断材料となるサービスの内容を示すデータがWSDL文書として与えられている必要がある。もちろん、草津○○旅館が提供する宿泊受付サービスという同一のWebサービスを利用する場合であっても、利用者本人の年齢や家族構成などの個人情報を参照することにより、どのタイプの部屋の予約を優先すべきか、といった判断が可能になる。
【0064】
このように、個人情報用サーバ装置160に予め個人情報を登録しておき、この登録内容を、代理サーバ装置140によるサービス要求処理に反映させるようにすれば、より適格なサービス要求を行うことが可能になる。
【0065】
(2) 図4に示すように、個人情報用サーバ装置160に個人情報を登録するシステムを利用すれば、個々の利用者に対する能動的なサービス提供を行うことも可能である。すなわち、これまで述べてきたWebサービスの提供形態は、利用者側が、ポータルサイトとして機能するキーワード入力用サーバ装置120をアクセスし、希望するサービスを指示する入力を行っており、あくまでも利用者側から能動的に働きかける形態(いわゆる、プル式サービス提供)となっている。これに対して、代理サーバ装置140が、定期的に個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照する処理を自発的に行い、当該個人に合致した何らかのキーワードを入手するようにし、入手したキーワードにより情報検索用サーバ装置130に検索を実行させ、その結果に基づいて特定のサービスを抽出させ、抽出された特定のサービス提供業者用サーバ装置150に対して、個々の利用者の嗜好に合致したサービスの要求を自発的に行い、受けたサービスの結果を個々の利用者に報告する自発的サービス提供機能を実行できるようにしておけば、利用者側からの能動的な働きかけがなくても、代理サーバ装置140側から積極的にサービスの提供を行うことが可能になる(いわゆる、プッシュ式サービス提供)。
【0066】
たとえば、映画情報の配信やチケットの手配を行うようなWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150が存在したとしよう。この場合、利用者側からの能動的な働きかけにより、「特定の映画のチケットを予約したい」というようなサービスを希望するアクセスがキーワード入力用サーバ装置120に対して行われれば、これまで述べてきた手順により、代理サーバ装置140が本人に代わって当該Webサービスへのサービス要求アクセスを行うことになる。ところが、そのような利用者側からの能動的な働きかけがない場合でも、代理サーバ装置140が、個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照したところ、ある利用者が「SF映画」に興味をもっている事実を認識した場合、情報検索用サーバ装置130内のUDDIディレクトリにより「SF映画」なるキーワードを用いた検索を実行させて特定のWebサービスを抽出させ、当該Webサービスに対して、「SF映画」の上映日に関する映画情報を提供するような要求を行い、そのような映画情報が提供されたら、これを電子メールの形式で利用者に報告する、というような処理を行うことが可能である。もちろん、このような映画情報の提供に基いて、利用者から、特定の映画についてのチケット予約を行いたい旨のアクセスがあれば、上述した通常の手順により、チケット予約のWebサービスを提供することができる。
【0067】
ここで述べたいわゆるプッシュ式サービス提供は、代理サーバ装置140に、いわば「御用聞き」としての機能をもたせたものであり、Webサービスの積極的な利用促進を図る上では、非常に効果的である。もちろん、勝手に一方的なサービス提供が行われることは煩わしい、と考える利用者も存在するので、このようなプッシュ式サービス提供を行う際には、予め利用者の了解を得るようにするのが好ましい。実用上は、個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照した上で、個々の利用者に興味のあるWebサービスを厳選してサービス提供を行うようにすれば、利用者の了解も容易に得られるであろう。
【0068】
(3) 上述した基本的な実施形態に係るシステムでは、サービス提供業者用サーバ装置150が提供するWebサービスの利用方法を示す情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置150との間で通信を行うためのプロトコルを示すWSDL文書をサービス提供業者用サーバ装置150内に用意しておき、代理サーバ装置140が、このWSDL文書をダウンロードして所定のプロトコルに基づく通信機能をもったプログラム(API)を作成している。
【0069】
しかしながら、サービスの利用方法を示す情報(WSDL文書)は、必ずしもサービス提供業者用サーバ装置150内に用意する必要はない。別言すれば、代理サーバ装置140は、特定のプロトコルに従った通信手段として機能するAPIを構築する上で、当該プロトコルを示すWSDL文書を入手する必要があるが、このようなWSDL文書は必ずしもサービス提供業者用サーバ装置150から入手する必要はなく、全く別なサーバから入手してもかまわない。もちろん、情報検索用サーバ装置130内にWSDL文書を登録しておき、代理サーバ装置140に対して、このWSDL文書そのものを与えるようにしてもよい。すなわち、これまでの実施例では、情報検索用サーバ装置130から代理サーバ装置140に対しては、サービスの利用方法の入手先を伝えていたが、サービスの利用方法そのもの(WSDL文書)を伝えるようにすれば、代理サーバ装置140は別途入手処理を行う手間が省けるようになる。
【0070】
(4) 本発明に係るシステムの基本形態は、利用者が利用者用端末装置110を用いて何らかの希望するサービスを指示すると、代理サーバ装置140が、この希望に沿った形のWebサービスへの要求を行い、その結果、提供されたサービスの内容が利用者用端末装置110へ報告される、というプロセスによって実行される。ただ、利用者が希望するサービスが、必ずしも単一のWebサービスによって充足されるとは限らない。場合によっては、同一のサービス提供業者用サーバ装置150から提供される複数のWebサービスを合成させたり、あるいは、異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置150から提供される複数のWebサービスを合成させる必要があるケースも少なくない。
【0071】
そこで、実用上は、代理サーバ装置140には、必要に応じて、同一のサービス提供業者用サーバ装置150もしくは異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置150に対して、複数の異なるサービスの要求を行い、これら複数の要求に応じて提供された個々のサービスの結果を合成し、合成されたサービスの結果を利用者用端末装置110に対して報告する機能をもたせておくようにするのが好ましい。
【0072】
たとえば、利用者の希望するサービスが、「草津温泉に一泊旅行をするので、宿の予約と、往復の交通手段の予約と、昼食の予約を行って欲しい」というサービスであった場合、代理サーバ装置140は、宿の予約、交通手段の予約、昼食の予約という3つのサービス要求を行う必要がある。もちろん、これら3つの予約すべてを行う機能をもったWebサービスが存在すれば、そのようなWebサービスへのサービス要求を行えば足りるが、3つの個々の予約をそれぞれ1つずつ行うWebサービスしか存在しない場合には、代理サーバ装置140は、個々のWebサービスごとに所定のサービス要求を行い、個別にサービスの提供(この場合、予約およびその確認)を受けることになる。そこで、これらの結果を合成して、利用者用端末装置110へサービスの報告を行うようにすればよい。
【0073】
また、代理サーバ装置140には、単に複数のWebサービスへの要求を行う機能だけではなく、複数のサービスの提供結果に整合性が得られるような調整を行う機能を設けておくのが好ましい。たとえば、上述の例では、宿の予約、交通手段の予約、昼食の予約という3つのサービス要求を行う必要があるが、これらの予約結果に整合性がないと、全体として見れば、利用者の希望をかなえることはできない。具体的には、草津13:00着の列車の予約がとれたとしても、昼食の予約が12:00であったとすれば、昼食には間に合わないことになる。したがって、3つのWebサービスの提供結果を検討した上で、このような不整合があれば、昼食の予約時間をずらすようなサービス要求を再度行う、などの調整処理を行う必要が生じる。代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との間のSOAP通信では、XML形式のデータがやりとりされるので、たとえば、「12:00」なる文字列が「時間」なる属性をもった文字列である、というような意味づけをタグ情報として付加することができる。したがって、たとえば、時間に関する整合性を確保するような調整は、このようなタグ情報に基いて時間のデータを抽出し、比較演算を行うことにより可能である。
【0074】
(5) 上述の実施形態では、代理サーバ装置140から利用者用端末装置110への報告を電子メールを利用して行っているが、このような報告は必ずしも電子メールによって行う必要はない。サービスの報告を電子メールを利用して行う場合には、利用者用端末装置110には、Webブラウザ機能と、電子メールの受信機能とが必要になるが、サービスの報告を、Webページを利用して行うようにすれば、利用者用端末装置110には、Webブラウザ機能のみが備わっていれば足りることになる。この場合、たとえば、代理サーバ装置140が、受けたサービスの結果を、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページを利用して利用者用端末装置110に報告するようにしておけばよい。利用者は、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページ上で、希望するサービスの指示(キーワード)を入力し、同じく、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページ上で、希望するサービスの報告を受けることになる。もちろん、キーワード入力用サーバ装置120を用いる代わりに、サービスの報告を行う専用のWebサーバを別個に設けるようにしてもかまわない。
【0075】
(6) 上述の実施形態では、UDDIディレクトリサーバとして機能する情報検索用サーバ装置130に対して、個々のサービス提供業者側から登録作業を行っているが、情報検索用サーバ装置130が自発的にサービス提供業者用サーバ装置150をアクセスして情報収集を行い、これを登録する処理を行うようにしてもよい。あるいは、このような情報の収集登録処理を、代理サーバ装置140を介して行うようにしてもよい。
【0076】
(7) 上述の実施形態では、情報検索用サーバ装置130として、UDDIディレクトリサーバを用い、サービスの利用方法を示す情報として、WSDL文書のデータを用いるようにし、また、キーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140、サービス提供業者用サーバ装置150の4者間における通信として、SOAP通信を利用するようにしているが、これら具体的なデータ形式や通信形式は、現在、一般的に普及している技術を例示したものであり、本発明は、これら各技術を利用した実施形態に限定されるものではない。
【0077】
<<< §4.具体的なWebサービスの利用例 >>>
最後に、本発明に係るシステムを用いた具体的なWebサービスの利用例を述べておく。ここでは、前述の例のように、ある利用者Aが「草津温泉への一泊旅行」を計画しており、この旅行に関して種々の予約を代行してくれるWebサービスを希望しているものとして、以下の説明を行う。
【0078】
まず、この利用者Aは、予め、キーワード入力用サーバ装置120に対して、個人情報を入力して、ユーザ登録を受けておく。その結果、この利用者Aには、所定のユーザIDとパスワードが与えられ、個人情報用サーバ装置160内には、利用者AのユーザID、パスワード、住所、氏名、年齢、家族構成などの個人情報が登録される。利用者Aは、ポータルサイトとして機能するキーワード入力用サーバ装置120のホームページをアクセスし、このホームページから、図5に示すような、「一泊旅行予約サービス」なるWebページへと移行する。キーワード入力用サーバ装置120内には、利用者からの種々の希望に応じることができるように、多数のWebページが用意されており、利用者は、その中から、自分の希望するサービスに該当するWebページを選択する(必要があれば、検索する)ことになる。
【0079】
この図5に示すWebページは、昼食付きの一泊旅行の予約を受け付けるための専用ページであり、多数の入力欄が設けられている。ここで、個々の入力欄には、それぞれ固有の属性が定義されており、各入力欄に入力した文字列(キーワード)には、所定の属性が定義される。たとえば、住所欄に入力した文字列には、「住所」なる属性が付加され、宿泊日欄に入力した文字列には、「宿泊日」なる属性が付加される。もちろん、このWebページの各入力欄への入力操作は、必ずしもキーボードから行う必要はなく、いわゆるポップアップメニューなどのリストから、所定の項目を選択する操作により、選択項目の入力が行われるようにしてもかまわない。キーワード入力用サーバ装置120は、こうして入力された個々の文字列に基いて、属性付キーワードを生成する。この属性の情報が、XML形式データのタグとして記述される点は、既に述べたとおりである。なお、ここでは、利用者が入力した文字列だけでなく、このWebページの表題中の「一泊旅行」なる文字列も、「サービス種別」なる属性をもったキーワードとして取り扱われるようにしてある。
【0080】
図6は、図5に示すようなWebページ上の入力情報に基いて、キーワード入力用サーバ装置120が発生した属性付キーワードの一覧を示す表である。表の左欄には属性、右欄にはキーワードを構成する文字列が掲載されている。なお、図5に示すWebページは、一泊旅行の宿泊先の予約、往復の交通手段の予約、1日目の昼食の予約、という3種類の予約を行うサービスを前提としたものとなっている。
【0081】
さて、キーワード入力用サーバ装置120は、この図6に示すような属性付キーワード群とともに、このようなキーワードによるサービスを希望する利用者が利用者Aであることを示す利用者特定情報(たとえば、利用者AのユーザID)を情報検索用サーバ装置130へと送ることになる(SOAP通信)。情報検索用サーバ装置130は、データベースとして保持しているUDDIディレクトリを用いて、与えられた属性付キーワードに合致するようなWebサービスを検索し、特定のWebページを抽出する。図7は、このような検索により抽出されたいくつかのWebサービスを示す一覧表であり、個々のWebサービスごとに、提供業者名、サービス名、ジャンルが掲載されている。これらは、抽出されたWebサービスによって提供されるサービスの内容を示す情報ということになる。もちろん、各Webサービスを利用するにあたって必要な固有のプロトコルなどを示すWSDL文書あるいはその入手先アドレス(サービスの利用方法を示す情報)も抽出されることになる。これら抽出された情報は、図6に示すキーワードおよび利用者Aを示す利用者特定情報とともに、代理サーバ装置140へと送られる。
【0082】
代理サーバ装置140は、送られてきた「一泊旅行」なる属性のキーワードに基いて、利用者Aが希望するサービスが、一泊旅行の宿泊先の予約、往復の交通手段の予約、1日目の昼食の予約、という3種類の予約を行うサービスであることを認識できる。そして、これらの予約は、それぞれ「ホテル・旅館業」、「旅客輸送業」、「レストラン業」なるジャンルのWebサービスを利用することにより実現できることを認識する。したがって、宿泊先の予約に関しては、図7の番号1または2のWebサービス、往復の交通手段の予約に関しては、図7の番号3または4のWebサービス、1日目の昼食の予約に燗しては、図7の番号5または6のWebサービス、を利用すべきであることが認識できる。ここで、複数のWebサービスの候補がある場合に、いずれを優先すべきかは、図6に示すキーワードや、個人情報用サーバ装置160内の利用者Aの個人情報を参照して決定することができる。たとえば、図6に示す「宿の希望」なる属性をもったキーワードには、「和風旅館・露天風呂・卓球設備」なる文字列があるので、草津○○旅館および××温泉館について蓄積された特定の属性(たとえば、「宿の設備」なる属性)をもったキーワードを検索し、いずれの旅館の合致度が高いかを判断する。
【0083】
たとえば、草津○○旅館についての合致度が高いと判断されれば、代理サーバ装置140は、草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なる名のWebサービスへのサービス要求を行う。このとき、当該Webサービスは、固有のプロトコルによる通信を要求するので、代理サーバ装置140は、まず、この固有のプロトコルによる通信手段(API)を作成し、この通信手段を介してアクセスを行うことになる。たとえば、この固有のプロトコルにより、「サービス種別」なる属性をもった「一泊旅行」なる文字列からなるキーワードと、「宿泊日」なる属性をもった「○○○○年○○月○○日」なる書式の文字列からなる宿泊日の情報を示すキーワードと、「大人の人数」なる属性をもった半角数字からなる大人の人数の情報を示すキーワードと、「子供の人数」なる属性をもった半角数字からなる子供の人数の情報を示すキーワードと、をサービス要求として送信すべし、との取り決めがなされていた場合には、代理サーバ装置140は、図8(a) に示すような内容の属性付キーワード(XML形式のデータ)を、サービス要求として、草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へと送信することになる。
【0084】
これに対して、当該サービス提供業者用サーバ装置150から代理サーバ装置140に対しては、たとえば、図8(b) に示すようなサービス提供が行われることになる。具体的には、予約が行われたことを確認するメッセージの提供ということになる。もちろん、実際に、サービス提供業者用サーバ装置150から送信されてくるデータは、固有のプロトコルに従ったXML形式のデータであるが、代理サーバ装置140は、この固有のプロトコルに基いた通信手段(API)を介して、このXML形式のデータを受信することになるので、図8(b) に示すように、意味をもった情報として把握することができる。
【0085】
同様に、代理サーバ装置140が、たとえば、ABC鉄道が提供する「座席予約」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へ、図9(a) に示すようなサービス要求(当該Webサービスが求める固有のプロトコルに従った要求)を行うと、これに応じて、図9(b) に示すようなサービス提供(予約確認メッセージ)が行われる。更に、代理サーバ装置140が、たとえば、リストランテ草津が提供する「ランチ予約」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へ、図10(a) に示すようなサービス要求(当該Webサービスが求める固有のプロトコルに従った要求)を行うと、これに応じて、図10(b) に示すようなサービス提供(予約確認メッセージ)が行われる。
【0086】
かくして、代理サーバ装置140には、図8(b) 、図9(b) 、図10(b) に示すような、3つのWebサービスからのサービス提供が得られるので、これらを合成した上で、提供されたサービスを利用者Aに報告する処理が行われる。具体的には、たとえば、図11に示すような内容の電子メールの文面が作成され、利用者用端末装置110へと送信されることになる。利用者Aは、このような電子メールの配信を受けることにより、希望した予約サービスの提供が滞りなく行われたことを認識することができる。もちろん、利用者Aへの報告は、Webページなどを利用して行うこともできる。その場合には、利用者Aからのアクセスにより、図11に示すような内容のWebページを閲覧させるようにすればよい。また、上述の例では、いずれのWebサービスからも、無事に予約がとれた旨のメッセージがサービスの提供結果として送信された場合を示すが、予約がとれなかった旨のメッセージが送信された場合には、第2候補となるWebサービスへのサービス要求を改めて行ったりする調整処理が行われることは既に述べたとおりである。
【0087】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムによれば、Webページの閲覧機能をもった端末装置を利用して、Webサービスを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な検索ポータルサイトによるサービス提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図2】従来の一般的なWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図3】本発明の基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図4】本発明の変形例に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るWebサービスの提供システムにおいて、利用者がキーワード入力を行うWebページの一例を示す図である。
【図6】図5に示すWebページ上で入力されたキーワードと、これに付与された属性とを示す一覧表である。
【図7】図6に示すキーワードに基いて、UDDIディレクトリを検索することにより抽出されたWebサービスの一覧表である。
【図8】草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図9】ABC鉄道が提供する「座席予約」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図10】リストランテ草津が提供する「ランチ予約」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図11】図8〜図10に示すサービス提供を合成することにより作成された利用者への報告内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…利用者用端末装置(Webブラウザ機能付パソコン)
20…情報検索用サーバ装置(Webサーバ装置等)
30…サービス提供業者用サーバ装置(Webサーバ装置等)
40…利用者用端末装置
50…情報検索用サーバ装置(UDDIディレクトリサーバ)
60…サービス提供業者用サーバ装置
110…利用者用端末装置(Webブラウザ機能付パソコン)
120…キーワード入力用サーバ装置(Webサーバ等)
130…情報検索用サーバ装置(UDDIディレクトリサーバ)
140…代理サーバ装置
150…サービス提供業者用サーバ装置
160…個人情報用サーバ装置(DBサーバ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、「Webサービス」を提供し、もしくは提供を支援するシステムに関し、特に、インターネット上で、サービス提供業者から利用者に対して、「Webサービス」を提供したり、提供支援を行うためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット上で種々の情報を提供する最も一般的な方法は、Webページを用いた方法であり、現在、多数のサイトに膨大な数のWebページが公開されている。また、このような膨大なWebページを検索するための検索サイトも多数運営されており、一般ユーザに対して、いわゆるポータルサイトとしての役目を果たしている。インターネット上で公開されたWebページを閲覧するためのWebブラウザソフトウエアは、現在市販されているほとんどのパソコンに標準で装備されており、また、携帯電話やPDA機器などにも装備されつつあり、ユーザは、このようなパソコンや携帯電話を端末装置として利用することにより、容易にWebページにアクセスすることが可能である。また、基本的なWebページは、HTML形式のデータによって用意することができ、個人レベルでも比較的容易にWebページの開設を行うことができる。
【0003】
しかしながら、Webページを公開する手法による情報提供は、あくまでも、HTML形式の文書およびこれに付随する画像・動画・音声などの情報提供にすぎないため、ユーザに対して提供できるサービスには限界がある。また、上述したポータルサイトを用いた検索も、基本的には、所定のキーワードとして与えられた文字列データの一致判定処理に基く検索であるため、必ずしも効率的な検索が実行されるとは限らない。このため、検索結果として提示された多数のサイトの中から、自分に必要なサービスを提供しているWebページを試行錯誤で探す作業が必要になる。
【0004】
このようなWebページによる情報提供の技術的な制約に鑑み、ユーザの要求に応じたサービスを的確に提供する手法として、近年、米国マイクロソフト社などの主導により、「Webサービス」と呼ばれるサービスが提案され、一部で実用化されている。この「Webサービス」では、XML形式のデータをやり取りすることにより、ユーザに対して所望のサービスの提供が行われる。XML形式のデータには、任意のタグを定義することができるため、何らかのキーワードを用いた検索を行う場合でも、単なる文字列データの一致判定処理だけでなく、単語としての意味を考慮した検索処理が可能になる。また、サービス提供者とユーザとの間では、固有のプロトコルを用いた通信を行うことが前提であるため、一般的なWebページによる情報提供に比べて、より自由度の高いサービスの提供が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、「Webサービス」では、自由度の高いサービスの提供が可能になるというメリットが得られるものの、現在のところ、一部の企業間で利用されている程度であり、一般ユーザまで広く普及するには至っていない。その最も大きな問題は、事前に、ユーザ側で特別な準備が必要になる点である。上述したように、Webページの閲覧は、多くのパソコンや携帯電話に標準装備されているWebブラウザを利用して行うことができるため、インターネットへの接続環境を提供するプロバイダとの契約さえ行えば、パソコンや携帯電話を使って自由に任意のWebページへのアクセスが可能になる。ところが、「Webサービス」を利用するためには、一般的なWebブラウザ機能だけでは不十分であり、ユーザのパソコンや携帯電話などの端末装置に、XML形式のデータを取り扱う専用のソフトウエアや、「Webサービス」を提供する業者が用いる固有のプロトコルを用いた通信を行う専用のソフトウエアを組み込む必要がある。一般ユーザに、このような事前準備を強いることは好ましくなく、現時点では、「Webサービス」の普及を阻む重大な要因となっている。
【0006】
そこで本発明は、Webページの閲覧機能をもった端末装置を利用して、「Webサービス」を提供することが可能なWebサービスの提供システムおよび提供支援システムを実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、ネットワークを利用して、サービス提供業者から利用者に対して、Webサービスを提供するためのWebサービスの提供システムにおいて、
個々の利用者によって操作され、Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、
この利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、
この複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報をキーワードおよび利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
この情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、情報検索用サーバ装置から出力されたキーワードを用いて、構築した通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、構築した通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を設けるようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、の間で行われるWebサービスの提供を支援するためのシステムにおいて、
利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報をキーワードおよび利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、情報検索用サーバ装置から出力されたキーワードを用いて、構築された通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、構築された通信手段を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を設けるようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係るシステムにおいて、
個々の利用者の個人情報を格納するための個人情報用サーバ装置を更に設け、
キーワード入力用サーバ装置が、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、当該利用者の個人情報を収集し、これを個人情報用サーバ装置に格納する機能を有し、
代理サーバ装置が、個人情報用サーバ装置を参照することにより、情報検索用サーバ装置から出力される利用者特定情報によって特定される利用者についての個人情報を入手し、当該個人情報を参照してサービスの要求を行うようにしたものである。
【0010】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、自発的に、個人情報用サーバ装置内の個人情報を参照することにより得られたキーワードにより情報検索用サーバ装置に検索を実行させ、その結果に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置に対して特定の利用者の嗜好に合致したサービスの要求を行い、受けたサービスの結果を特定の利用者に報告する自発的サービス提供機能を更に備えるようにしたものである。
【0011】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係るシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置が、それぞれ所定の属性が定義された入力欄をもったWebページを提示する機能を有し、個々の入力欄に入力された情報を当該入力欄に定義された属性をもったキーワードとして取り扱うことにより、属性をもったキーワードの発生処理を行うようにしたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法に関する情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、このプロトコルを示すデータに基づいて、このプロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有するようにしたものである。
【0013】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法を示す情報の入手先を示す情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを入手可能なアドレスを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、アドレスを示すデータに基づいて、プロトコルを示すデータを入手した上で、入手したデータに基づいて、プロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有するようにしたものである。
【0014】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第7の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、同一のサービス提供業者用サーバ装置もしくは異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置に対して、複数の異なるサービスの要求を行い、これら複数の要求に応じて提供された個々のサービスの結果を合成し、合成されたサービスの結果を利用者用端末装置に対して報告する機能を有するようにしたものである。
【0015】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、複数のサービスの提供結果に整合性が得られるような調整を行う機能を有するようにしたものである。
【0016】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1〜第9の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、電子メールを利用して利用者用端末装置に報告するようにしたものである。
【0017】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第9の態様に係るシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、キーワード入力用サーバ装置が提示するWebページを利用して利用者用端末装置に報告するようにしたものである。
【0018】
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第11の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、直接的にもしくは代理サーバ装置を介して間接的に、複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスに関する情報を自発的に収集し、これを登録するようにしたものである。
【0019】
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜第12の態様に係るシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置として、UDDIディレクトリサーバを用い、サービスの利用方法を示す情報として、WSDL文書のデータを用いるようにしたものである。
【0020】
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第13の態様に係るシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置、情報検索用サーバ装置、代理サーバ装置、サービス提供業者用サーバ装置の4者間における通信として、SOAP通信を利用するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基いて説明する。
【0022】
<<< §1.従来の一般的なサービス >>>
ここでは、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムの説明を行う前に、従来の一般的な検索ポータルサイトのサービスと、従来の一般的なWebサービスの概要を簡単に説明しておく。
【0023】
図1は、従来の一般的な検索ポータルサイトのサービスを提供するシステムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置10、情報検索用サーバ装置20、サービス提供業者用サーバ装置30である。ここで、利用者用端末装置10は、この例の場合、Webブラウザ機能付パソコンによって構成されており、情報検索用サーバ装置20およびサービス提供業者用サーバ装置30は、Webサーバなどのサーバ群から構成されている。なお、図では、利用者用端末装置10およびサービス提供業者用サーバ装置30のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、複数の利用者用端末装置10によって情報検索用サーバ装置20が利用され、また、情報検索用サーバ装置20が複数のサービス提供業者用サーバ装置30から情報収集することを示すための便宜である。もっとも、実際には、情報検索用サーバ装置20は、膨大な数の利用者用端末装置10によって利用されることになり、また、膨大な数のサービス提供業者用サーバ装置30が開設したサイト内の膨大な数のWebページから情報収集することになる。
【0024】
サービス提供業者用サーバ装置30は、Webページを公開するサイトを運営するためのWebサーバを中心とするサーバ群であり、個々のWebページを構成するHTML形式の文書ファイルや、画像・動画・音声ファイルなどが格納されている。図では、複数のサービス提供業者用サーバ装置30が重なったブロックとして1か所に示されているが、実際には、個々のサービス提供業者用サーバ装置30は、インターネット上の随所に散らばって存在する。もちろん、サービス提供業者用サーバ装置30によって公開されるWebページには、個人レベルで公開したWebページも含まれている。情報検索用サーバ装置20は、インターネットを介して、これら散在するサービス提供業者用サーバ装置30から情報収集を行うことになる。こうして収集された情報は、情報検索用サーバ装置20内に登録される。ここに登録される情報は、基本的には、キーワードとURLとの対応関係を示すデータである。たとえば、ある1つのサービス提供業者用サーバ装置30が、「草津温泉」に関するWebページを公開していた場合、「草津温泉」なるキーワードと当該WebページのURLとが対応することを示すデータが、情報検索用サーバ装置20内に登録されることになる。
【0025】
こうして、情報検索用サーバ装置20は、常に、インターネット上で公開されている膨大なWebページの内容について情報収集を行い、情報登録を行う処理を実行する。その結果、情報検索用サーバ装置20内には、キーワードとURLとの対応関係を示す膨大なデータベースが蓄積されることになり、情報検索機能を備えたポータルサイトとしての役目を果たすことになる。
【0026】
さて、ユーザがこのポータルサイトを利用して、「草津温泉」に関する情報検索を行う場合を考える。この場合、ユーザは、利用者用端末装置10のWebブラウザ機能を利用して、情報検索用サーバ装置20が提供するポータルサイトのURLをアクセスし、このポータルサイトの検索用Webページに、「草津温泉」なるキーワードを入力する。すると、情報検索用サーバ装置20内のデータベースに対して、「草津温泉」なるキーワードについての検索が行われ、ヒットしたURLの一覧リストが利用者用端末装置10へと返される。ユーザが、こうしてWebブラウザの画面上に表示されたURLの一覧リストから所望のURLをクリックして指定すると、Webブラウザは、指定されたURLへのアクセスを行い、特定のサービス提供業者用サーバ装置30の特定のWebページへのアクセスが行われることになる。こうして、利用者用端末装置10のWebブラウザ上には、当該Webページ上のWeb情報が表示され、ユーザは、「草津温泉」に関する所望の情報を閲覧することができるようになる。
【0027】
このように、ユーザが、所定のポータルサイト(情報検索用サーバ装置20)にアクセスしてキーワードによる検索を行い、検索結果としてURLを取得し、取得したURLへ直接アクセスを行い、Webページの閲覧を行う、という情報検索の方法は、現在、インターネット上で最も普及している検索方法である。このような検索方法の利点は、汎用のWebブラウザソフトウエアを備えた利用者用端末装置10を用いて、容易に利用することができる、という点である。ユーザは、一般的なパソコンや携帯電話など、インターネットにアクセス可能な標準的な端末装置を用意するだけで、ポータルサイトによる検索サービスを利用することができ、所望の情報が掲載されたWebページを閲覧することができる。
【0028】
しかしながら、図1における利用者用端末装置10とサービス提供業者用サーバ装置30との間の通信は、主としてHTTP等のプロトコルに限定され、基本的には、サービス提供業者用サーバ装置30から利用者用端末装置10に対して、HTML形式の文書およびこれに付随する画像・動画・音声などの情報提供を行うサービスが主体となる。また、ポータルサイトとしての役割を果たす情報検索用サーバ装置20における検索も、単なる文字列の一致判定に基く検索処理であり、必ずしも効率的な検索が実行されるとは限らない。たとえば、ユーザが、「草津温泉」なるキーワードを用いた検索を行ったとしても、情報検索用サーバ装置20は、「ユーザが草津温泉への旅行を計画しているのか」、「草津温泉の風景写真を入手したいと思っているのか」、「草津温泉の歴史を知りたいと思っているのか」を認識することはできない。したがって、検索結果としてヒットするURLは、とにかく「草津温泉」なる文字列がキーワードとして含まれているWebページのURLということになる。このため、ユーザは、検索結果として提示された多数のWebページの中から、自分に必要な情報を掲載しているWebページを試行錯誤で探す作業が必要になる。
【0029】
そこで、ユーザの要求に応じたサービスを適格に提供する手法として、「Webサービス」と呼ばれるサービス手法が提案されている。図2は、従来の一般的なWebサービスを提供するシステムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置40、情報検索用サーバ装置50、サービス提供業者用サーバ装置60である。図では、利用者用端末装置40およびサービス提供業者用サーバ装置60のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、複数の利用者用端末装置40によって情報検索用サーバ装置50が利用され、また、情報検索用サーバ装置50が複数のサービス提供業者用サーバ装置60から情報収集することを示すための便宜である。
【0030】
従来のWebサービス提供システムでは、基本的に、XML(eXtensible Markup Language)形式でデータ交換を行い、データ・アクセス・プロトコルとしては、米国マイクロソフト社などが中心となって開発したSOAP(Simple Object Access Protocol )を使用することが前提となっている。このため、図示のとおり、利用者用端末装置40、情報検索用サーバ装置50、サービス提供業者用サーバ装置60の三者間における通信は、すべてSOAPを使用した通信が行われることになり、これら各構成要素は、いずれもSOAP通信を行う機能を有している。したがって、ユーザが操作する利用者用端末装置40としては、市販のパソコンや携帯電話をそのまま利用することはできず、Webサービスを利用するための専用のソフトウエアを組み込んだ端末装置を用いる必要がある。
【0031】
情報検索用サーバ装置50は、図1のシステムでポータルサイトとしての役目を果たした情報検索用サーバ装置20と同様に、ユーザの希望に応じて情報検索を行う機能を有しているが、その検索処理は、単なるキーワード検索ではなく、所定の属性が付されたキーワードによる検索処理になる。たとえば、同じ「草津温泉」なるキーワードであっても、このキーワードにそれぞれ所定の属性を付加することにより、「草津温泉(旅先)」、「草津温泉(写真画像)」、「草津温泉(歴史)」のような区別をつけることが可能になる(いずれも、括弧内の情報が属性になる)。したがって、情報検索用サーバ装置50は、個々のキーワードを構成する単語の意味を考慮して適切な検索を行うことが可能になる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉への旅行」に関する情報検索を行い、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉の写真画像」に関する情報検索を行い、「草津温泉(歴史)」なる属性付キーワードによる検索指示を受けた場合には、「草津温泉の歴史」に関する情報検索を行うことができる。XML形式のデータは、個々のデータに任意のタグを定義することができるので、このタグの情報として所定の属性を示す情報を付加することが可能になる。
【0032】
情報検索用サーバ装置50を利用して、自己の提供するサービスの内容および利用方法を広めたいと欲するサービス提供業者は、予めSOAP通信を利用して情報検索用サーバ装置50にアクセスし、所定の様式に従って所定の情報を登録しておくようにする。ここで登録される情報は、単に、キーワードとURLとの対応を示す情報ではなく、具体的なサービスの内容を示す情報と、当該サービスの利用方法を示す情報になる。たとえば、草津○○旅館なる事業者が、サービス提供業者用サーバ装置60を利用して、一泊旅行の予約を行うサービスを提供していたとしよう。この場合、「草津温泉の草津○○旅館なる事業者が、一泊旅行予約サービスを提供している」旨の情報がサービスの内容を示す情報として、情報検索用サーバ装置50内のデータベースに登録される。また、「この一泊旅行予約サービスを利用するには、どのようなプロトコルで、どのようなデータをやりとりすればよいか」を示す情報がサービスの利用方法を示す情報として、情報検索用サーバ装置50内のデータベースに登録される。
【0033】
実際には、サービスの利用方法を示す情報は、WSDL(Web Service Description Language)なる言語で記述され、サービス提供業者用サーバ装置60内に文書データとして用意される。そして、情報検索用サーバ装置50には、このWSDL文書の所在(入手先)を示すURLなどが登録されることになる。このWSDLなる言語で記述されたデータの実体は、XML形式のデータであり、タグを利用して、1つ1つのデータに何らかの属性(意味)を定義してなる文書である。結局、情報検索用サーバ装置50には、「サービス提供業者用サーバ装置60が提供するサービスの内容を示す情報(XML形式のデータ)」と、「その利用方法を示す情報(WSDL文書:やはりXML形式のデータ)の入手先を示す情報」とが格納されることになる。このように、インターネット上に分散して存在するWebサービスを登録し、検索の用に供するディレクトリは、一般に、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)ディレクトリと呼ばれている。このUDDIディレクトリを参照することにより、ユーザが求めているサービスを提供してくれる未知のWebサービスを、広くインターネットから検索し、これを利用することができるようになる。ここでは、情報検索用サーバ装置50は、UDDIディレクトリを提供するUDDIディレクトリサーバとして機能していることになる。
【0034】
さて、上述したように、草津○○旅館なる事業者が、サービス提供業者用サーバ装置60を利用して、一泊旅行の予約を行うサービスを提供していた場合、ユーザは、次のような方法で、このサービスを利用し、一泊旅行の予約を行うことができるようになる。まず、ユーザは、利用者用端末装置40の専用ソフトウエア(情報検索用サーバ装置50との間でSOAP通信を行うためのソフトウエア)を利用して、情報検索用サーバ装置50にアクセスし、UDDIディレクトリに対する検索を行う。すなわち、属性付キーワードをXML形式のデータとして情報検索用サーバ装置50に与え、検索を行わせることになる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを情報検索用サーバ装置50に与えたとすると、UDDIディレクトリを利用して、当該属性付キーワードに合致するサービスの内容が検索されることになり、草津○○旅館が提供する「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスなどがヒットすることになる。
【0035】
情報検索用サーバ装置50は、検索によりヒットしたWebサービスの内容を示す情報とともに、これに対応するWSDL文書(サービスの利用方法を記述した文書)の入手先を示す情報を利用者用端末装置40へと返す。利用者用端末装置40は、この特定のWebサービスについてのWSDL文書を所定の入手先からダウンロードして受け取ったら、その中の利用方法を参照して、当該Webサービスを利用するための通信手段をソフトウエアとして構築する。前述のように、WSDL文書内に記述された利用方法を示す情報は、当該Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置60との間でデータをやりとりするための固有のプロトコルを示すものである。そこで、利用者用端末装置40内の専用プログラムは、この固有のプロトコルに基いて、所定の通信手段を構築することができる。この通信手段の実体は、API(Application Programing Interface)を構成するプログラムである。上述の例の場合、草津○○旅館による「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスを提供する特定のサービス提供業者用サーバ装置60が要求する固有のプロトコルで通信を行うためのAPIが、利用者用端末装置40内に通信手段として構築されることになる。
【0036】
そこで、利用者用端末装置40は、この通信手段(API)を介して、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置60と交信することができるようになる。両者間の通信は、SOAP通信で行われるが、具体的なデータのやりとりは、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置60が要求する固有のプロトコルに基いて行われる。すなわち、この固有のプロトコルに基いて、利用者用端末装置40からサービス提供業者用サーバ装置60に対して所定のサービスの要求がなされると、この要求に応じて、サービス提供業者用サーバ装置60から利用者用端末装置40に対して、所定のサービスの提供が行われることになる。サービス提供業者用サーバ装置60は、予め、提供するサービスの内容に応じた固有のプロトコルを定めておけばよいので、非常に自由度の高いサービスの提供が可能になる。
【0037】
個々のWebサービスは、それぞれ固有のプロトコルを要求することになるが、利用者用端末装置40は、所望のWebサービスが要求する固有のプロトコルの内容を、WSDL文書内の利用方法として入手することができるので、その都度、固有のプロトコルに応じた通信手段(API)を構築してアクセスすることができる。
【0038】
このように、図1に示す検索ポータルサイトを用いたサービスに比べて、図2に示すWebサービスでは、より自由度の高いサービスの提供が可能になるというメリットが得られる。しかしながら、このWebサービスを利用するためには、ユーザ側に、専用の利用者用端末装置40を用意する必要があり、それが、Webサービスの普及を阻む重大な要因となっていることは既に述べたとおりである。本発明はこのような問題を解決するためのものである。
【0039】
<<< §2.本発明に係るWebサービス >>>
図3は、本発明の基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。このシステムの基本構成要素は、利用者用端末装置110、キーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140、サービス提供業者用サーバ装置150である。このシステムは、インターネットを利用して、サービス提供業者が用意したサービス提供業者用サーバ装置150から、ユーザが用意した利用者用端末装置110に対して、所定のWebサービスを提供することを目的とするシステムである。図では、利用者用端末装置110およびサービス提供業者用サーバ装置150のブロックがそれぞれ複数重なっている状態が示されているが、これは、このWebサービスの提供システムが、多数の利用者用端末装置110から利用され、また、このWebサービスの提供システムによって、多数のサービス提供業者用サーバ装置150からのWebサービスが提供されることを示すための便宜である。
【0040】
利用者用端末装置110を用いてこのWebサービスシステムを利用するユーザには、もちろん、一般の個人ユーザも含まれるが、その他に、企業ユーザも含まれる。一方、このWebサービスシステムを利用してWebサービスを提供するサービス提供業者、すなわち、サービス提供業者用サーバ装置150の設置者は、通常、何らかの事業を行っている企業ということになるが、もちろん、個人レベルでWebサービスを提供しようと意図した者が、サービス提供業者用サーバ装置150を利用してサービス提供を行ってもかまわない。また、同一の企業が、サービス提供業者用サーバ装置150を用いてWebサービスを提供するサービス提供業者として関与しながら、利用者用端末装置110を用いてサービスを利用するユーザとしても関与する、という形態もありうる。
【0041】
この実施例では、利用者用端末装置110は、Webブラウザ機能付パソコンによって構成されている。本発明の最大の特徴は、ユーザ側が、Webブラウザ機能を有する端末装置(この実施例の場合、その他に、電子メールの受信機能が必要になる)を用意するだけで、Webサービスの提供を受けることができるようになる点である。すなわち、利用者用端末装置110としては、現在市販されているWebブラウザ機能付の汎用パソコン、携帯電話、PDA装置などをそのまま利用することが可能になる。結局、この図3に示すWebサービスの提供システムにおける利用者用端末装置110は、図1に示すシステムにおける利用者用端末装置10と同等のものになる。一方、サービス提供業者用サーバ装置150は、Webサーバなどのサーバ群から構成されており、固有の利用方法(固有のプロトコル)に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有している。したがって、この図3に示すWebサービスの提供システムにおけるサービス提供業者用サーバ装置150は、図2に示すシステムにおけるサービス提供業者用サーバ装置60と同等のものになる。
【0042】
このような観点から見れば、図3に示す本発明に係るWebサービスの提供システムは、図1に示す従来の一般的な検索ポータルサイトによって実現されるサービスの提供形態と、図2に示す従来の一般的なWebサービスによって実現されるサービスの提供形態とを融合させた、いわばハイブリッドのサービス提供形態というべきものになる。すなわち、サービス提供を受けるユーザの立場から見れば、図1に示す従来の一般的な検索ポータルサイトを利用する場合と同様に、一般的なWebブラウザ機能付パソコンによる利用が可能になる。一方、サービス提供を行うサービス提供業者の立場から見れば、図2に示す従来の一般的なWebサービスの提供を行う場合と同様に、たとえば、SOAP通信などを利用したXML形式のデータの交換により、固有のプロトコルに従ったサービス要求を受け、固有のプロトコルに従ってサービスの提供を行うことが可能になる。このため、単なるWebページの提示にとどまらず、より自由度の高いサービスを提供することができるようになる。また、ユーザが希望するWebサービスを検索する際には、後述するように、UDDIディレクトリサーバによる検索が可能になり、単なる文字列の一致判定処理による選別ではなく、意味をもったキーワード(属性付キーワード)に基く選別が可能になる。
【0043】
もっとも、ユーザ側が利用する利用者用端末装置110が、単なるWebブラウザ機能しか有していないのに対し、Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150は、SOAP通信機能や固有のプロトコルに基くアクセスを要求することになるので、両者間を仲介して、円滑なWebサービスの提供が行われるようにするための提供支援システムを用意する必要がある。図3に示すブロック図におけるキーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140が、このWebサービスの提供支援システムの構成要素である。実用上は、このような支援システムは、ISP(Internet Service Provider )などが設置することになろう。この支援システムを構成する装置120,130,140は、互いに連携して所定の処理機能を果たす必要があるため、実用上は、同一のISP企業体が、自社のLANやWANに接続されたサーバ群を利用して、この支援システムを構成するのが好ましい。
【0044】
図3に示すとおり、この支援システムを構成する装置120,130,140の相互間通信、及び、これら各装置とサービス提供業者用サーバ装置150との間の通信は、すべてSOAP通信によって行われる。一方、利用者用端末装置110とキーワード入力用サーバ装置120との間の通信は、Webブラウザ機能によって対応可能なHTTP形式の通信プロトコルに基いて行われ、利用者用端末装置110と代理サーバ装置140との間の通信は、電子メール用の汎用通信プロトコル(SMTPやPOPなど)に基いて行われる。
【0045】
キーワード入力用サーバ装置120は、Webサーバ等のサーバ群から構成されており、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0046】
第1の機能は、利用者用端末装置110に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能である。このキーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページは、いわばユーザ(利用者)に対してポータルサイトとして機能するWebページであり、ユーザは、利用者用端末装置110のWebブラウザ機能を利用して、このポータルサイトとして機能するWebページへのアクセスを行うことになる。このようなWebページへのアクセスや、Webページ上でのキーワードの入力操作などは、汎用パソコン等のWebブラウザ機能を用いて行うことができる。なお、実用上は、ユーザが、利用者用端末装置110を用いて、このポータルサイトにアクセスする際には、所定のユーザID(利用者特定情報)やパスワードなどの入力を求めるようにしておくことになる。
【0047】
キーワード入力用サーバ装置120の第2の機能は、提示したWebページ上でユーザが行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能である。Webブラウザ機能により、利用者用端末装置110からキーワード入力用サーバ装置120へと送信されてくるキーワードは、単なる文字列のデータであり、意味をもったデータではない。たとえば、ユーザが「草津温泉」なるキーワードを入力した場合、このキーワードは単なる文字列としてしか解釈できない。そこで、キーワード入力用サーバ装置120は、こうして入力されたキーワードに所定の属性を付加し、属性をもったキーワードを発生する処理を行う。具体的には、それぞれ所定の属性が定義された入力欄をもったWebページを提示し、個々の入力欄に入力された情報を当該入力欄に定義された属性をもったキーワードとして取り扱うことにより、属性をもったキーワードの発生を行うことができる。たとえば、予め「旅先」なる属性が定義された入力欄に、ユーザが「草津温泉」なるキーワードを入力した場合には、「草津温泉」なるキーワードに「旅先」なる属性を付加することにより、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを発生させることができる。したがって、ユーザが、同じ文字列からなる「草津温泉」なるキーワード入力を行ったとしても、入力欄に定義された属性が「旅先」であれば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが発生され、入力欄に定義された属性が「写真画像」であれば、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが発生され、入力欄に定義された属性が「歴史」であれば、「草津温泉(歴史)」なる属性付キーワードが発生されることになる。
【0048】
キーワード入力用サーバ装置120の第3の機能は、発生した属性付キーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて、情報検索用サーバ装置130に対して出力する機能である。上述の例の場合、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードと、ユーザIDなどの利用者特定情報が、SOAP通信を利用して情報検索用サーバ装置130へと送信されることになる。前述したように、このSOAP通信でやりとりされるデータは、XML形式のデータであり、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードは、「草津温泉」なる文字列データに、「旅先」なる属性をタグを用いて定義したデータということになる。
【0049】
結局、キーワード入力用サーバ装置120は、利用者用端末装置110と情報検索用サーバ装置130との間を仲介する支援処理を実行することになる。図2に示すように、従来の一般的なWebサービスでは、利用者用端末装置40と情報検索用サーバ装置50との間はSOAP通信を行う必要があり、利用者用端末装置40からは、XML形式のデータとして表現された属性付キーワードを送信する必要がある。一般のパソコンなどには、このような機能は標準では装備されていない。そこで、図3に示す本発明に係るシステムでは、キーワード入力用サーバ装置120を介在させて、キーワードに属性情報を付加する機能をもたせ、Webブラウザ機能しかもたない利用者用端末装置110を利用して、間接的に、情報検索用サーバ装置130へのアクセスが可能になるようにしているのである。ユーザは、提供を希望するサービスを検索するための指示を、キーワード入力用サーバ装置120が提供する所定のWebページ上で入力すればよい。たとえば、「草津温泉への一泊旅行の予約サービス」を希望するのであれば、「一泊旅行予約」を行うためのWebページ上で、所定の入力欄に「草津温泉」なるキーワードを入力すればよい。あるいは、「草津温泉の写真画像を提供するサービス」を希望するのであれば、たとえば、「画像素材の提供」を行うためのWebページ上で、所定の入力欄に「草津温泉」なるキーワードを入力すればよい。前者の場合は、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが生成され、後者の場合は、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが生成されることになる。
【0050】
さて、情報検索用サーバ装置130は、このような属性付キーワードに基いて、所定のWebサービスを検索するための構成要素であり、その基本的な機能は、図2に示す情報検索用サーバ装置50とほぼ同様である。この情報検索用サーバ装置130は、UDDIディレクトリサーバ等のサーバ群から構成されており、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0051】
第1の機能は、多数のサービス提供業者用サーバ装置150が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「その利用方法に関する情報の入手先を示す情報」を登録する機能である。この機能は、図2に示す情報検索用サーバ装置50の機能と同様である。すなわち、ここで登録される情報は、単に、キーワードとURLとの対応を示す情報ではなく、具体的なサービスの内容(サービスの提供主体を示す情報も含む)や、利用方法の入手先を示す情報になる。この実施例では、多数のサービス提供業者が提供する各サービスの内容を示す情報が、XML形式のデータにより、データベースとして格納されることになる。同様に、各サービスの利用方法を示すWSDL文書の入手先を示すURLが、このデータベースに格納される。このように、インターネット上に分散して存在するWebサービスを登録し、検索の用に供するディレクトリは、一般に、UDDIディレクトリと呼ばれていることは、既に述べたとおりである。サービス提供業者は、予め、情報検索用サーバ装置130の要求する書式に基づいて、サービスの内容を示す情報を登録する作業を行うとともに、サービスの利用方法を記述したWSDL文書を用意し、その入手先URLを登録する作業を行うことになる。
【0052】
情報検索用サーバ装置130の第2の機能は、キーワード入力用サーバ装置120から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能である。この機能も、図2に示す情報検索用サーバ装置50の機能と同様であり、データベースとして蓄積されたUDDIディレクトリを参照することにより、ユーザが求めているサービスを提供してくれる未知のWebサービスを検索して抽出する機能ということになる。たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードが与えられた場合には、旅行予約に関するWebサービスの中から「草津温泉」なるキーワードを有するものが検索され(もしくは、キーワードの一致は不問として、旅行予約に関するWebサービスすべてを検索してもよい)、「草津温泉(写真画像)」なる属性付キーワードが与えられた場合には、写真画像を提供するWebサービスの中から「草津温泉」なるキーワードを有するものが検索される(もしくは、キーワードの一致は不問として、写真画像提供に関するWebサービスすべてを検索してもよい)。
【0053】
情報検索用サーバ装置130の第3の機能は、検索結果として抽出されたサービスに関する情報(サービスの内容を示す情報と、その利用方法の入手先を示す情報)を、検索に使われたキーワードおよびこれを入力した利用者についての利用者特定情報とともに、代理サーバ装置140へと出力する機能である。特定のWebサービスに関して、サービスの内容を示すデータは、前述したように、XML形式のデータとして用意されている。たとえば、上述した例において、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードに基いて、UDDIディレクトリを検索した結果、草津○○旅館が提供する「一泊旅行予約サービス」なるWebサービス(このサービスは、特定のサービス提供業者用サーバ装置150から提供されることになる)がヒットしたとしよう。この場合、情報検索用サーバ装置130から代理サーバ装置140へと出力される情報は、次の3つになる。第1の情報は、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードであり、第2の情報は、「草津温泉」なるキーワードを入力して希望するサービスを指示した利用者の利用者特定情報(ユーザIDなど)であり、第3の情報は、「草津○○旅館が提供する一泊旅行予約サービス」なるWebサービスの内容およびその利用方法を記述たWSDL文書の入手先URLである。これらの情報は、いずれもXML形式のデータとして、SOAP通信によって代理サーバ装置140へと送信される。
【0054】
図2に示す従来の一般的なWebサービスの場合、UDDIディレクトリサーバの検索結果は、利用者用端末装置40へと直接返されていたが、本発明では、検索結果は利用者用端末装置110ではなく、代理サーバ装置140へと返されることになる。これは、本発明における利用者用端末装置110は、Webブラウザ機能付パソコンであり、サービス提供業者用サーバ装置150を直接アクセスする機能を有していないためである。代理サーバ装置140は、結局、利用者用端末装置110の代わりに、サービス提供業者用サーバ装置150に対するアクセスを引き受ける構成要素ということになる。個々のサービス提供業者用サーバ装置150は、それぞれ固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有するサーバ装置であり、代理サーバ装置140は、個々のサービス提供業者用サーバ装置150の要求する固有のプロトコルに従った通信手段(API)を介してアクセスを行うことになる。この代理サーバ装置140は、図3のブロック内に箇条書きしたとおり、3つの機能を有している。
【0055】
第1の機能は、情報検索用サーバ装置130から出力されたサービスの利用方法を示す情報の入手先を示す情報に基づいて、所定のWSDL文書を入手し、このWSDL文書の記述内容に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置150との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能である。この機能は、図2に示す利用者端末装置40に備わっていたものと同様の機能である。すなわち、代理サーバ装置140は、特定のWebサービスについてのWSDL文書を受け取ったら、その中の利用方法を参照して、当該Webサービスを利用するための通信手段をソフトウエアとして構築する。WSDL文書内に記述された利用方法を示す情報は、当該Webサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150との間でデータをやりとりするための固有のプロトコルを示すものである。そこで、代理サーバ装置140内の専用プログラムは、この固有のプロトコルに基いて、所定の通信手段を構築することができる。この通信手段の実体は、既に述べたとおり、APIを構成するプログラムであり、上述の例の場合、草津○○旅館による「一泊旅行予約サービス」なるWebサービスを提供する特定のサービス提供業者用サーバ装置150が要求する固有のプロトコルで通信を行うためのAPIが、代理サーバ装置140内に通信手段として構築されることになる。
【0056】
代理サーバ装置140の第2の機能は、情報検索用サーバ装置130から出力されたキーワードおよびサービスの内容を示す情報に基づいて、構築した通信手段(API)を介して、特定のサービス提供業者用サーバ装置150に対してサービスの要求を行う機能である。この機能も、図2に示す利用者端末装置40に備わっていたものと同様の機能である。代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との間の通信は、SOAP通信で行われるが、具体的なデータのやりとりは、当該特定のサービス提供業者用サーバ装置150が要求する固有のプロトコルに基いて行われる。代理サーバ装置140は、多数のサービス提供業者用サーバ装置150と通信することになるが、個々のサービス提供業者用サーバ装置150ごとに、それぞれ固有のプロトコルに応じた通信手段(API)を構築して通信を行うことになる。
【0057】
代理サーバ装置140の第3の機能は、通信手段(API)を介して特定のサービス提供業者用サーバ装置150からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置110に対して報告する機能である。サービス提供業者用サーバ装置150は、予め定められた固有のプロトコルに従ったサービス要求を受けると、この要求に応じて、所定のサービスを提供する機能を有している。したがって、図3に示す本発明のシステムにおける代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との関係は、図2に示す従来のシステムにおける利用者端末装置40とサービス提供業者用サーバ装置60との関係と同じになる。両者間の通信は、固有のプロトコルに従ったSOAP通信で行われるため、非常に自由度の高いサービスの提供が可能になる。ただ、代理サーバ装置140は、利用者用端末装置110の代理として機能するサーバであり、本来、サービスを受けるべき構成要素は、利用者用端末装置110である。そこで、代理サーバ装置140は、サービス提供業者用サーバ装置150から提供のあったサービスの結果を、利用者用端末装置110へと報告する処理を行う。
【0058】
もっとも、サービス提供業者用サーバ装置150から提供されるサービスは、SOAP通信によりXML形式のデータ配信という形態で行われるので、提供されたサービスをそのままのデータ形式で利用者用端末装置110へ送信することは適切ではない。そこで、ここに示す実施形態では、サービス提供業者用サーバ装置150から提供されたサービスの結果を、電子メールの形式(テキスト形式もしくはHTML形式)に変換した上で、利用者用端末装置110へと報告する形態を採っている。具体的には、たとえば、XML形式のデータに含まれている不要なタグを削除するような処理を行うことにより、テキスト形式やHTML形式に変換する処理を行うようにしておけばよい。もちろん、付加的なメッセージを追加して報告するような処理を行ってもよい。
【0059】
かくして、図3に示す本発明に係るWebサービスの提供システムによれば、利用者に対しては、図2に示す従来の一般的なWebサービスと同等のサービスの提供が可能になる。このとき、Webサービスのサービス提供業者側の負担は全く変わらない。すなわち、図3に示すサービス提供業者用サーバ装置150の構成は、図2に示すサービス提供業者用サーバ装置60の構成と全く同じでかまわない。一方、利用者側では、図2に示すようなWebサービスを利用するための専用ソフトウエアを組み込んだ専用の利用者用端末装置40を用意する必要はなくなり、汎用のパソコンなど、Webページの閲覧機能をもった利用者用端末装置110を利用して、Webサービスを利用することが可能になる。これは、Webサービスを普及させる上で極めて重要な効果である。
【0060】
<<< §3.本発明に係るWebサービスの変形例 >>>
以上、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムを、図3に示す基本的な実施形態について説明した。ただ、本発明は、このような基本的な実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。以下、いくつかの変形例を例示しておく。
【0061】
(1) 図4は、図3に示す基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの変形例を示すブロック図である。図3に示すシステムとの相違点は、個々の利用者の個人情報を格納するための個人情報用サーバ装置160を更に備えており、キーワード入力用サーバ装置120が、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、当該利用者の個人情報を収集し、これを個人情報用サーバ装置160に格納する機能を有し、代理サーバ装置140が、この個人情報用サーバ装置160を参照することにより、情報検索用サーバ装置130から出力される利用者特定情報によって特定される利用者についての個人情報を入手し、当該個人情報を参照してサービスの要求を行うことができるようにした点である。
【0062】
前述したように、利用者は、このWebサービスを利用する際に、所定のユーザIDおよびパスワードを入力する必要がある。そこで、個々の利用者にIDやパスワードを発行するときに、当該利用者に、住所、氏名、年齢、家族構成、趣味、趣向、年収などの個人情報を登録する作業を行ってもらうようにする。このような登録作業は、キーワード入力用サーバ装置120(あるいは、別個のWebサーバ装置でもよい)によって、個人情報登録用のWebページを提示し、個々の入力欄に所定のデータを入力してもらうようにすればよい。このような個人情報は、個人情報用サーバ装置160に登録するようにする。個人情報用サーバ装置160は、一般的なDBサーバによって構成すればよい。前述したように、代理サーバ装置140は、利用者用端末装置110を操作する特定の利用者の代理として、サービス提供業者用サーバ装置150に対して所定のサービスの要求を行う機能を有するが、その際に、本人となる利用者についての個人情報を個人情報用サーバ装置160から入手し、この個人情報を参照してサービスの要求を行うようにする。
【0063】
たとえば、「草津温泉(旅先)」なる属性付キーワードを用いて、情報検索用サーバ装置130によるUDDIディレクトリ検索を行った結果、草津○○旅館が提供する宿泊受付サービスと、××温泉館が提供する予約受付サービスとがヒットしたとしよう。この場合、代理サーバ装置140には、この2とおりのWebサービスに関する情報が送信されてくることになる。ここで、利用者本人の年齢や家族構成などの個人情報を参照することができれば、代理サーバ装置140は、2とおりのWebサービスのうちのいずれを優先的にアクセスすればよいかを判断することができる。もちろん、そのような判断を行うには、各Webサービスについて、それぞれ判断材料となるサービスの内容を示すデータがWSDL文書として与えられている必要がある。もちろん、草津○○旅館が提供する宿泊受付サービスという同一のWebサービスを利用する場合であっても、利用者本人の年齢や家族構成などの個人情報を参照することにより、どのタイプの部屋の予約を優先すべきか、といった判断が可能になる。
【0064】
このように、個人情報用サーバ装置160に予め個人情報を登録しておき、この登録内容を、代理サーバ装置140によるサービス要求処理に反映させるようにすれば、より適格なサービス要求を行うことが可能になる。
【0065】
(2) 図4に示すように、個人情報用サーバ装置160に個人情報を登録するシステムを利用すれば、個々の利用者に対する能動的なサービス提供を行うことも可能である。すなわち、これまで述べてきたWebサービスの提供形態は、利用者側が、ポータルサイトとして機能するキーワード入力用サーバ装置120をアクセスし、希望するサービスを指示する入力を行っており、あくまでも利用者側から能動的に働きかける形態(いわゆる、プル式サービス提供)となっている。これに対して、代理サーバ装置140が、定期的に個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照する処理を自発的に行い、当該個人に合致した何らかのキーワードを入手するようにし、入手したキーワードにより情報検索用サーバ装置130に検索を実行させ、その結果に基づいて特定のサービスを抽出させ、抽出された特定のサービス提供業者用サーバ装置150に対して、個々の利用者の嗜好に合致したサービスの要求を自発的に行い、受けたサービスの結果を個々の利用者に報告する自発的サービス提供機能を実行できるようにしておけば、利用者側からの能動的な働きかけがなくても、代理サーバ装置140側から積極的にサービスの提供を行うことが可能になる(いわゆる、プッシュ式サービス提供)。
【0066】
たとえば、映画情報の配信やチケットの手配を行うようなWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150が存在したとしよう。この場合、利用者側からの能動的な働きかけにより、「特定の映画のチケットを予約したい」というようなサービスを希望するアクセスがキーワード入力用サーバ装置120に対して行われれば、これまで述べてきた手順により、代理サーバ装置140が本人に代わって当該Webサービスへのサービス要求アクセスを行うことになる。ところが、そのような利用者側からの能動的な働きかけがない場合でも、代理サーバ装置140が、個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照したところ、ある利用者が「SF映画」に興味をもっている事実を認識した場合、情報検索用サーバ装置130内のUDDIディレクトリにより「SF映画」なるキーワードを用いた検索を実行させて特定のWebサービスを抽出させ、当該Webサービスに対して、「SF映画」の上映日に関する映画情報を提供するような要求を行い、そのような映画情報が提供されたら、これを電子メールの形式で利用者に報告する、というような処理を行うことが可能である。もちろん、このような映画情報の提供に基いて、利用者から、特定の映画についてのチケット予約を行いたい旨のアクセスがあれば、上述した通常の手順により、チケット予約のWebサービスを提供することができる。
【0067】
ここで述べたいわゆるプッシュ式サービス提供は、代理サーバ装置140に、いわば「御用聞き」としての機能をもたせたものであり、Webサービスの積極的な利用促進を図る上では、非常に効果的である。もちろん、勝手に一方的なサービス提供が行われることは煩わしい、と考える利用者も存在するので、このようなプッシュ式サービス提供を行う際には、予め利用者の了解を得るようにするのが好ましい。実用上は、個人情報用サーバ装置160内の個人情報を参照した上で、個々の利用者に興味のあるWebサービスを厳選してサービス提供を行うようにすれば、利用者の了解も容易に得られるであろう。
【0068】
(3) 上述した基本的な実施形態に係るシステムでは、サービス提供業者用サーバ装置150が提供するWebサービスの利用方法を示す情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置150との間で通信を行うためのプロトコルを示すWSDL文書をサービス提供業者用サーバ装置150内に用意しておき、代理サーバ装置140が、このWSDL文書をダウンロードして所定のプロトコルに基づく通信機能をもったプログラム(API)を作成している。
【0069】
しかしながら、サービスの利用方法を示す情報(WSDL文書)は、必ずしもサービス提供業者用サーバ装置150内に用意する必要はない。別言すれば、代理サーバ装置140は、特定のプロトコルに従った通信手段として機能するAPIを構築する上で、当該プロトコルを示すWSDL文書を入手する必要があるが、このようなWSDL文書は必ずしもサービス提供業者用サーバ装置150から入手する必要はなく、全く別なサーバから入手してもかまわない。もちろん、情報検索用サーバ装置130内にWSDL文書を登録しておき、代理サーバ装置140に対して、このWSDL文書そのものを与えるようにしてもよい。すなわち、これまでの実施例では、情報検索用サーバ装置130から代理サーバ装置140に対しては、サービスの利用方法の入手先を伝えていたが、サービスの利用方法そのもの(WSDL文書)を伝えるようにすれば、代理サーバ装置140は別途入手処理を行う手間が省けるようになる。
【0070】
(4) 本発明に係るシステムの基本形態は、利用者が利用者用端末装置110を用いて何らかの希望するサービスを指示すると、代理サーバ装置140が、この希望に沿った形のWebサービスへの要求を行い、その結果、提供されたサービスの内容が利用者用端末装置110へ報告される、というプロセスによって実行される。ただ、利用者が希望するサービスが、必ずしも単一のWebサービスによって充足されるとは限らない。場合によっては、同一のサービス提供業者用サーバ装置150から提供される複数のWebサービスを合成させたり、あるいは、異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置150から提供される複数のWebサービスを合成させる必要があるケースも少なくない。
【0071】
そこで、実用上は、代理サーバ装置140には、必要に応じて、同一のサービス提供業者用サーバ装置150もしくは異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置150に対して、複数の異なるサービスの要求を行い、これら複数の要求に応じて提供された個々のサービスの結果を合成し、合成されたサービスの結果を利用者用端末装置110に対して報告する機能をもたせておくようにするのが好ましい。
【0072】
たとえば、利用者の希望するサービスが、「草津温泉に一泊旅行をするので、宿の予約と、往復の交通手段の予約と、昼食の予約を行って欲しい」というサービスであった場合、代理サーバ装置140は、宿の予約、交通手段の予約、昼食の予約という3つのサービス要求を行う必要がある。もちろん、これら3つの予約すべてを行う機能をもったWebサービスが存在すれば、そのようなWebサービスへのサービス要求を行えば足りるが、3つの個々の予約をそれぞれ1つずつ行うWebサービスしか存在しない場合には、代理サーバ装置140は、個々のWebサービスごとに所定のサービス要求を行い、個別にサービスの提供(この場合、予約およびその確認)を受けることになる。そこで、これらの結果を合成して、利用者用端末装置110へサービスの報告を行うようにすればよい。
【0073】
また、代理サーバ装置140には、単に複数のWebサービスへの要求を行う機能だけではなく、複数のサービスの提供結果に整合性が得られるような調整を行う機能を設けておくのが好ましい。たとえば、上述の例では、宿の予約、交通手段の予約、昼食の予約という3つのサービス要求を行う必要があるが、これらの予約結果に整合性がないと、全体として見れば、利用者の希望をかなえることはできない。具体的には、草津13:00着の列車の予約がとれたとしても、昼食の予約が12:00であったとすれば、昼食には間に合わないことになる。したがって、3つのWebサービスの提供結果を検討した上で、このような不整合があれば、昼食の予約時間をずらすようなサービス要求を再度行う、などの調整処理を行う必要が生じる。代理サーバ装置140とサービス提供業者用サーバ装置150との間のSOAP通信では、XML形式のデータがやりとりされるので、たとえば、「12:00」なる文字列が「時間」なる属性をもった文字列である、というような意味づけをタグ情報として付加することができる。したがって、たとえば、時間に関する整合性を確保するような調整は、このようなタグ情報に基いて時間のデータを抽出し、比較演算を行うことにより可能である。
【0074】
(5) 上述の実施形態では、代理サーバ装置140から利用者用端末装置110への報告を電子メールを利用して行っているが、このような報告は必ずしも電子メールによって行う必要はない。サービスの報告を電子メールを利用して行う場合には、利用者用端末装置110には、Webブラウザ機能と、電子メールの受信機能とが必要になるが、サービスの報告を、Webページを利用して行うようにすれば、利用者用端末装置110には、Webブラウザ機能のみが備わっていれば足りることになる。この場合、たとえば、代理サーバ装置140が、受けたサービスの結果を、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページを利用して利用者用端末装置110に報告するようにしておけばよい。利用者は、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページ上で、希望するサービスの指示(キーワード)を入力し、同じく、キーワード入力用サーバ装置120が提示するWebページ上で、希望するサービスの報告を受けることになる。もちろん、キーワード入力用サーバ装置120を用いる代わりに、サービスの報告を行う専用のWebサーバを別個に設けるようにしてもかまわない。
【0075】
(6) 上述の実施形態では、UDDIディレクトリサーバとして機能する情報検索用サーバ装置130に対して、個々のサービス提供業者側から登録作業を行っているが、情報検索用サーバ装置130が自発的にサービス提供業者用サーバ装置150をアクセスして情報収集を行い、これを登録する処理を行うようにしてもよい。あるいは、このような情報の収集登録処理を、代理サーバ装置140を介して行うようにしてもよい。
【0076】
(7) 上述の実施形態では、情報検索用サーバ装置130として、UDDIディレクトリサーバを用い、サービスの利用方法を示す情報として、WSDL文書のデータを用いるようにし、また、キーワード入力用サーバ装置120、情報検索用サーバ装置130、代理サーバ装置140、サービス提供業者用サーバ装置150の4者間における通信として、SOAP通信を利用するようにしているが、これら具体的なデータ形式や通信形式は、現在、一般的に普及している技術を例示したものであり、本発明は、これら各技術を利用した実施形態に限定されるものではない。
【0077】
<<< §4.具体的なWebサービスの利用例 >>>
最後に、本発明に係るシステムを用いた具体的なWebサービスの利用例を述べておく。ここでは、前述の例のように、ある利用者Aが「草津温泉への一泊旅行」を計画しており、この旅行に関して種々の予約を代行してくれるWebサービスを希望しているものとして、以下の説明を行う。
【0078】
まず、この利用者Aは、予め、キーワード入力用サーバ装置120に対して、個人情報を入力して、ユーザ登録を受けておく。その結果、この利用者Aには、所定のユーザIDとパスワードが与えられ、個人情報用サーバ装置160内には、利用者AのユーザID、パスワード、住所、氏名、年齢、家族構成などの個人情報が登録される。利用者Aは、ポータルサイトとして機能するキーワード入力用サーバ装置120のホームページをアクセスし、このホームページから、図5に示すような、「一泊旅行予約サービス」なるWebページへと移行する。キーワード入力用サーバ装置120内には、利用者からの種々の希望に応じることができるように、多数のWebページが用意されており、利用者は、その中から、自分の希望するサービスに該当するWebページを選択する(必要があれば、検索する)ことになる。
【0079】
この図5に示すWebページは、昼食付きの一泊旅行の予約を受け付けるための専用ページであり、多数の入力欄が設けられている。ここで、個々の入力欄には、それぞれ固有の属性が定義されており、各入力欄に入力した文字列(キーワード)には、所定の属性が定義される。たとえば、住所欄に入力した文字列には、「住所」なる属性が付加され、宿泊日欄に入力した文字列には、「宿泊日」なる属性が付加される。もちろん、このWebページの各入力欄への入力操作は、必ずしもキーボードから行う必要はなく、いわゆるポップアップメニューなどのリストから、所定の項目を選択する操作により、選択項目の入力が行われるようにしてもかまわない。キーワード入力用サーバ装置120は、こうして入力された個々の文字列に基いて、属性付キーワードを生成する。この属性の情報が、XML形式データのタグとして記述される点は、既に述べたとおりである。なお、ここでは、利用者が入力した文字列だけでなく、このWebページの表題中の「一泊旅行」なる文字列も、「サービス種別」なる属性をもったキーワードとして取り扱われるようにしてある。
【0080】
図6は、図5に示すようなWebページ上の入力情報に基いて、キーワード入力用サーバ装置120が発生した属性付キーワードの一覧を示す表である。表の左欄には属性、右欄にはキーワードを構成する文字列が掲載されている。なお、図5に示すWebページは、一泊旅行の宿泊先の予約、往復の交通手段の予約、1日目の昼食の予約、という3種類の予約を行うサービスを前提としたものとなっている。
【0081】
さて、キーワード入力用サーバ装置120は、この図6に示すような属性付キーワード群とともに、このようなキーワードによるサービスを希望する利用者が利用者Aであることを示す利用者特定情報(たとえば、利用者AのユーザID)を情報検索用サーバ装置130へと送ることになる(SOAP通信)。情報検索用サーバ装置130は、データベースとして保持しているUDDIディレクトリを用いて、与えられた属性付キーワードに合致するようなWebサービスを検索し、特定のWebページを抽出する。図7は、このような検索により抽出されたいくつかのWebサービスを示す一覧表であり、個々のWebサービスごとに、提供業者名、サービス名、ジャンルが掲載されている。これらは、抽出されたWebサービスによって提供されるサービスの内容を示す情報ということになる。もちろん、各Webサービスを利用するにあたって必要な固有のプロトコルなどを示すWSDL文書あるいはその入手先アドレス(サービスの利用方法を示す情報)も抽出されることになる。これら抽出された情報は、図6に示すキーワードおよび利用者Aを示す利用者特定情報とともに、代理サーバ装置140へと送られる。
【0082】
代理サーバ装置140は、送られてきた「一泊旅行」なる属性のキーワードに基いて、利用者Aが希望するサービスが、一泊旅行の宿泊先の予約、往復の交通手段の予約、1日目の昼食の予約、という3種類の予約を行うサービスであることを認識できる。そして、これらの予約は、それぞれ「ホテル・旅館業」、「旅客輸送業」、「レストラン業」なるジャンルのWebサービスを利用することにより実現できることを認識する。したがって、宿泊先の予約に関しては、図7の番号1または2のWebサービス、往復の交通手段の予約に関しては、図7の番号3または4のWebサービス、1日目の昼食の予約に燗しては、図7の番号5または6のWebサービス、を利用すべきであることが認識できる。ここで、複数のWebサービスの候補がある場合に、いずれを優先すべきかは、図6に示すキーワードや、個人情報用サーバ装置160内の利用者Aの個人情報を参照して決定することができる。たとえば、図6に示す「宿の希望」なる属性をもったキーワードには、「和風旅館・露天風呂・卓球設備」なる文字列があるので、草津○○旅館および××温泉館について蓄積された特定の属性(たとえば、「宿の設備」なる属性)をもったキーワードを検索し、いずれの旅館の合致度が高いかを判断する。
【0083】
たとえば、草津○○旅館についての合致度が高いと判断されれば、代理サーバ装置140は、草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なる名のWebサービスへのサービス要求を行う。このとき、当該Webサービスは、固有のプロトコルによる通信を要求するので、代理サーバ装置140は、まず、この固有のプロトコルによる通信手段(API)を作成し、この通信手段を介してアクセスを行うことになる。たとえば、この固有のプロトコルにより、「サービス種別」なる属性をもった「一泊旅行」なる文字列からなるキーワードと、「宿泊日」なる属性をもった「○○○○年○○月○○日」なる書式の文字列からなる宿泊日の情報を示すキーワードと、「大人の人数」なる属性をもった半角数字からなる大人の人数の情報を示すキーワードと、「子供の人数」なる属性をもった半角数字からなる子供の人数の情報を示すキーワードと、をサービス要求として送信すべし、との取り決めがなされていた場合には、代理サーバ装置140は、図8(a) に示すような内容の属性付キーワード(XML形式のデータ)を、サービス要求として、草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へと送信することになる。
【0084】
これに対して、当該サービス提供業者用サーバ装置150から代理サーバ装置140に対しては、たとえば、図8(b) に示すようなサービス提供が行われることになる。具体的には、予約が行われたことを確認するメッセージの提供ということになる。もちろん、実際に、サービス提供業者用サーバ装置150から送信されてくるデータは、固有のプロトコルに従ったXML形式のデータであるが、代理サーバ装置140は、この固有のプロトコルに基いた通信手段(API)を介して、このXML形式のデータを受信することになるので、図8(b) に示すように、意味をもった情報として把握することができる。
【0085】
同様に、代理サーバ装置140が、たとえば、ABC鉄道が提供する「座席予約」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へ、図9(a) に示すようなサービス要求(当該Webサービスが求める固有のプロトコルに従った要求)を行うと、これに応じて、図9(b) に示すようなサービス提供(予約確認メッセージ)が行われる。更に、代理サーバ装置140が、たとえば、リストランテ草津が提供する「ランチ予約」なる名称のWebサービスを提供するサービス提供業者用サーバ装置150へ、図10(a) に示すようなサービス要求(当該Webサービスが求める固有のプロトコルに従った要求)を行うと、これに応じて、図10(b) に示すようなサービス提供(予約確認メッセージ)が行われる。
【0086】
かくして、代理サーバ装置140には、図8(b) 、図9(b) 、図10(b) に示すような、3つのWebサービスからのサービス提供が得られるので、これらを合成した上で、提供されたサービスを利用者Aに報告する処理が行われる。具体的には、たとえば、図11に示すような内容の電子メールの文面が作成され、利用者用端末装置110へと送信されることになる。利用者Aは、このような電子メールの配信を受けることにより、希望した予約サービスの提供が滞りなく行われたことを認識することができる。もちろん、利用者Aへの報告は、Webページなどを利用して行うこともできる。その場合には、利用者Aからのアクセスにより、図11に示すような内容のWebページを閲覧させるようにすればよい。また、上述の例では、いずれのWebサービスからも、無事に予約がとれた旨のメッセージがサービスの提供結果として送信された場合を示すが、予約がとれなかった旨のメッセージが送信された場合には、第2候補となるWebサービスへのサービス要求を改めて行ったりする調整処理が行われることは既に述べたとおりである。
【0087】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係るWebサービスの提供システムおよび提供支援システムによれば、Webページの閲覧機能をもった端末装置を利用して、Webサービスを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な検索ポータルサイトによるサービス提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図2】従来の一般的なWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図3】本発明の基本的な実施形態に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図4】本発明の変形例に係るWebサービスの提供システムの全体像を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るWebサービスの提供システムにおいて、利用者がキーワード入力を行うWebページの一例を示す図である。
【図6】図5に示すWebページ上で入力されたキーワードと、これに付与された属性とを示す一覧表である。
【図7】図6に示すキーワードに基いて、UDDIディレクトリを検索することにより抽出されたWebサービスの一覧表である。
【図8】草津○○旅館が提供する「宿泊受付」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図9】ABC鉄道が提供する「座席予約」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図10】リストランテ草津が提供する「ランチ予約」なるWebサービスに対するサービス要求および当該要求に基くサービス提供の一例を示す図である。
【図11】図8〜図10に示すサービス提供を合成することにより作成された利用者への報告内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…利用者用端末装置(Webブラウザ機能付パソコン)
20…情報検索用サーバ装置(Webサーバ装置等)
30…サービス提供業者用サーバ装置(Webサーバ装置等)
40…利用者用端末装置
50…情報検索用サーバ装置(UDDIディレクトリサーバ)
60…サービス提供業者用サーバ装置
110…利用者用端末装置(Webブラウザ機能付パソコン)
120…キーワード入力用サーバ装置(Webサーバ等)
130…情報検索用サーバ装置(UDDIディレクトリサーバ)
140…代理サーバ装置
150…サービス提供業者用サーバ装置
160…個人情報用サーバ装置(DBサーバ)
Claims (14)
- ネットワークを利用して、サービス提供業者から利用者に対して、Webサービスを提供するためのシステムであって、
個々の利用者によって操作され、Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、
前記利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、前記Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に、固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、
前記複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、前記キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報を前記キーワードおよび前記利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
前記情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、前記特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、前記情報検索用サーバ装置から出力された前記キーワードを用いて、前記通信手段を介して前記特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、前記通信手段を介して前記特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を前記利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を備えることを特徴とするWebサービスの提供システム。 - Webブラウザ機能を有する複数の利用者用端末装置と、固有の利用方法に従ったサービスの要求を受けた場合に固有の利用方法に従ったサービスの提供を行う機能を有する複数のサービス提供業者用サーバ装置と、の間で行われるWebサービスの提供を支援するためのシステムであって、
前記利用者用端末装置に対してキーワード入力用のWebページを提示する機能と、前記Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、属性をもったキーワードを発生する機能と、発生したキーワードと当該キーワードを入力した利用者を特定するための利用者特定情報とを対応させて出力する機能と、を有するキーワード入力用サーバ装置と、
前記複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスについて、「各サービスの内容を示す情報」および「各サービスの利用方法を示す情報もしくはその入手先を示す情報」を各サービスに関する情報として登録する機能と、前記キーワード入力用サーバ装置から出力されたキーワードに基づいて登録情報を検索し、特定のサービス提供業者用サーバ装置が提供する特定のサービスを検索結果として抽出する機能と、抽出されたサービスに関する情報を前記キーワードおよび前記利用者特定情報とともに出力する機能と、を有する情報検索用サーバ装置と、
前記情報検索用サーバ装置から出力されたサービスに関する情報に基づいて、前記特定のサービス提供業者用サーバ装置との間で固有の利用方法に従った通信を行うための通信手段を構築する機能と、前記情報検索用サーバ装置から出力された前記キーワードを用いて、前記通信手段を介して前記特定のサービス提供業者用サーバ装置に対してサービスの要求を行う機能と、前記通信手段を介して前記特定のサービス提供業者用サーバ装置からサービスの提供を受け、受けたサービスの結果を前記利用者特定情報によって特定される利用者が操作する利用者用端末装置に対して報告する機能と、を有する代理サーバ装置と、
を備えることを特徴とするWebサービスの提供支援システム。 - 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
個々の利用者の個人情報を格納するための個人情報用サーバ装置を更に備え、
キーワード入力用サーバ装置が、Webページ上で利用者が行った入力操作に基づいて、当該利用者の個人情報を収集し、これを前記個人情報用サーバ装置に格納する機能を有し、
代理サーバ装置が、前記個人情報用サーバ装置を参照することにより、情報検索用サーバ装置から出力される利用者特定情報によって特定される利用者についての個人情報を入手し、当該個人情報を参照してサービスの要求を行うことを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項3に記載のシステムにおいて、
代理サーバ装置が、自発的に、個人情報用サーバ装置内の個人情報を参照することにより得られたキーワードにより情報検索用サーバ装置に検索を実行させ、その結果に基づいて、特定のサービス提供業者用サーバ装置に対して特定の利用者の嗜好に合致したサービスの要求を行い、受けたサービスの結果を前記特定の利用者に報告する自発的サービス提供機能を更に備えることを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置が、それぞれ所定の属性が定義された入力欄をもったWebページを提示する機能を有し、個々の入力欄に入力された情報を当該入力欄に定義された属性をもったキーワードとして取り扱うことにより、属性をもったキーワードの発生処理を行うことを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法に関する情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、前記プロトコルを示すデータに基づいて、前記プロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、サービス提供業者用サーバ装置が提供するサービスの利用方法を示す情報の入手先を示す情報として、当該サービス提供業者用サーバ装置との間で通信を行うためのプロトコルを示すデータを入手可能なアドレスを示すデータを登録する機能を有し、
代理サーバ装置が、前記アドレスを示すデータに基づいて、前記プロトコルを示すデータを入手した上で、入手したデータに基づいて、前記プロトコルに基づく通信機能をもったプログラムを作成する機能を有することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
代理サーバ装置が、同一のサービス提供業者用サーバ装置もしくは異なる複数のサービス提供業者用サーバ装置に対して、複数の異なるサービスの要求を行い、これら複数の要求に応じて提供された個々のサービスの結果を合成し、合成されたサービスの結果を利用者用端末装置に対して報告する機能を有することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項8に記載のシステムにおいて、
代理サーバ装置が、複数のサービスの提供結果に整合性が得られるような調整を行う機能を有することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜9のいずれかに記載のシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、電子メールを利用して利用者用端末装置に報告することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜9のいずれかに記載のシステムにおいて、
代理サーバ装置が、受けたサービスの結果を、キーワード入力用サーバ装置が提示するWebページを利用して利用者用端末装置に報告することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜11のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置が、直接的にもしくは代理サーバ装置を介して間接的に、複数のサービス提供業者用サーバ装置が提供する各サービスに関する情報を自発的に収集し、これを登録することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項1〜12のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報検索用サーバ装置として、UDDIディレクトリサーバを用い、サービスの利用方法を示す情報として、WSDL文書のデータを用いることを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。 - 請求項13に記載のシステムにおいて、
キーワード入力用サーバ装置、情報検索用サーバ装置、代理サーバ装置、サービス提供業者用サーバ装置の4者間における通信として、SOAP通信を利用することを特徴とするWebサービスの提供システムまたは提供支援システム。
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