JP2004030050A - 火災感知器のローカル動作確認方法及び火災受信システム - Google Patents
火災感知器のローカル動作確認方法及び火災受信システム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】火災受信機から導出された感知器回線に火災感知器を接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムにおいて、火災受信機側で、火災感知器が感知器回線に接続されたことを検知したときには、その火災感知器に所定の試験信号を送出して、火災感知器の応答制御動作を判別し、その判別結果に応じて、正常な場合と不良な場合とで、上記火災感知器の現場における報知態様を異ならせるように制御する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災受信機から導出された感知器回線に火災感知器を接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムにおける火災感知器のローカル動作確認方法及び火災受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の火災感知器のローカル動作確認方法を説明するために示した多重伝送火災受信システムの概略図である。
【0003】
従来から、ビルやマンション等には火災受信機から導出された感知器回線Lに火災感知器を接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムが導入され、例えば、各部屋やフロアなどに火災感知器B、B…を設置すると共に、集中監視室や管理人室などに火災受信機Aを設置し、その火災感知器Bからの発報信号や、煙濃度、周囲温度などのデータを基に、火災の発生を監視している。
【0004】
このような多重伝送火災受信システムでは、火災感知器Bの動作確認を実行するため、火災感知器Bを感知器回線Lに接続して施工した後、実際の煙を火災感知器Bに近づけて火災感知器Bが起動するか否かを火災受信機Aで確認するあぶり試験方法等によって、火災感知器Bのローカル動作確認を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の火災受信システムでは、火災感知器Bのローカル動作確認は、火災感知器Bを感知器回線Lに接続されたときには、直ちに実行されないため、例えば、接続された火災感知器Bが不良品であっても、その後のローカル動作試験結果をもとに、上記不良品の取替え作業などを行わなければならず、
また、ローカル動作確認の試験結果は、火災受信機A側で確認されるため、火災感知器Bの現場では、上記試験結果を直ちに確認できず、施工効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、火災感知器の種々のローカル動作確認を火災感知器Bの施工時に現場において確認でき、施工効率を高めることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、
請求項1に係る火災感知器のローカル動作確認方法では、火災感知器を接続し、施工する際(初期ポーリング時)に、火災感知器のローカル動作確認を実施できる。
【0008】
すなわち、初期ポーリング時に、接続の確認された火災感知器に所定の試験信号を送出して、制御指定を行い、それに対する応答信号を判別して、正常、異常を判別した後、その正常、異常の判別結果に応じて、火災感知器に制御信号を送出して、火災感知器を動作させ、そのときの現場の動作によって、正常、異常を判別して、火災感知器の試験動作を、火災受信機で確認するのではなく、火災感知器を設置している現場で確認できるため、施工効率を高めることができる。
【0009】
ここで、初期ポーリングは、火災感知器のシステムに使用されるすべての通信アドレスに対して、ポーリングを行ない、返答のあったもののみを登録させる。その後、通常ポーリングが行なわれて、火災の検知がなされるが、この通常ポーリングでは、登録された通信アドレスを有した火災感知器との間でのみポーリング信号をサイクリックに送出して、返信されて来る返信信号を解読して、発報の有無を判別している。
【0010】
請求項2に係る火災感知器のローカル動作確認方法では、請求項1において、上記応答制御動作が、火災感知器の通信状態確認、火災感知器の疑似試験発報動作確認、火災感知器の動作確認灯の動作確認のうちから、任意の1以上を選択して行なわれるようにしている。
【0011】
ここで、火災感知器の通信状態確認は、火災感知器が感知器回線に接続されたときに、火災受信機に返信される返信信号の有無を判別して正常、不良が判断される。
【0012】
また、火災感知器の疑似試験発報動作確認とは、火災感知器に煙や熱を加えずに、火災感知器のCPUに疑似発報を行なわせ、火災感知器から火災信号が返信されて来るかどうかを判別して、正常、不良が判断され、動作確認灯の動作確認では、火災感知器に点灯信号を送信して、動作確認灯を点灯、あるいは点滅させて正常、不良が判断される動作を意味する。
【0013】
本発明では、火災受信機では、これらの動作、確認試験を行なうために、監視回線に接続された火災感知器に制御指令信号を送出し、そのとき返信されて来る返信信号を解読して、火災感知器の良、不良が判別され、その判別結果に応じて、火災感知器に制御信号を送出する。
【0014】
その結果、施工現場では監視回線に接続された火災感知器の応答動作の態様を見れば、火災感知器の不良箇所を現場で確認できるため、施工効率を高めることができる。
【0015】
請求項3に係る火災感知器のローカル動作確認方法では、請求項1、2のいずれかにおいて、上記火災感知器は、少なくとも動作確認灯を有した火災感知器に対して適用される。
【0016】
このローカル動作確認方法では、火災感知器の動作確認灯の点灯パターンを見れば、火災感知器の良、不良が設置現場で容易に判別できる。
【0017】
請求項4に係る火災感知器のローカル動作確認方法では、請求項1、2のいずれかにおいて、上記火災感知器は、少なくとも鳴動手段を有した火災感知器に対して適用される。
【0018】
このローカル動作確認方法では、感知器の鳴動手段の鳴動パターンを聞けば、火災感知器の良、不良が設置現場で容易に判別できる。
【0019】
また、請求項5に係る多重伝送火災受信システムでは、火災感知器を接続し、施工する際(初期ポーリング時)に、火災感知器のローカル動作確認を実施するための火災受信機を提供している。
【0020】
すなわち、この火災受信機では、感知器回線に、感知器アドレスを異ならせて指定したポーリング信号を順次出力するとともに、そのポーリング信号に対する火災感知器からの応答信号を受信処理するためのポーリング制御部と、応答信号を受信した火災感知器を指定して、順次、所定の試験信号を出力したときに、返信されて来る応答信号を解読することによって、火災感知器の応答制御動作を解読して、正常、不良を判別し、その判別結果に応じて、予め準備されている制御信号を送信する制御手段とを備えている。
【0021】
請求項6に係る多重伝送火災受信システムでは、請求項5において、上記制御手段は、火災感知器に送信した所定の試験信号に対して、火災感知器から受信した応答信号の正常、不良の判別結果と、これに応じて送信される制御信号とを対応させて、予め記憶させた、セルフテストテーブルを備えており、どんな試験を行ない、その結果、どんな動作を行なわせるかを、火災受信機側のセルフテストテーブルによって記憶できる。
【0022】
請求項7に係る多重伝送火災受信システムでは、請求項6において、上記セルフテストテーブルは、上記所定の試験信号と、これに対する応答信号の正常、不良の判別結果に応じて送信される制御信号とを、書き換え可能に記憶できる構成にしており、予め、実施する予定の動作確認試験の態様をこのセルフテストテーブルに記憶しておけば、現場に設置された火災感知器の種別や、付帯設備などに応じた火災感知器のローカル動作試験を選択して、実施できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面とともに説明する。
図1は、本発明の火災受信システムの一実施例を示す説明するための概略ブロック図である。
【0024】
ビルやマンション等には、火災受信機Aと火災感知器Bとの間で時分割多重伝送方式で信号を送受する感知器回線Lを接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムが導入され、例えば、各部屋やフロアなどに火災感知器B、B…を設置すると共に、集中監視室や管理人室などに火災受信機Aを設置し、その火災感知器Bの煙濃度や周囲温度などのデータを基に、火災の発生を監視する。
【0025】
火災受信機Aは、感知器回線Lに、感知器アドレスを異ならせて指定したポーリング信号を順次出力するとともに、そのポーリング信号に対する火災感知器からの応答信号を受信処理するためのポーリング制御部1と、
応答信号を受信した火災感知器Bを指定して、順次、所定の試験信号を出力したときに、返信されて来る応答信号を解読することによって、火災感知器Bの応答制御動作を解読して、正常、不良を判別し、その判別結果に応じて、予め準備されている制御信号を送信する制御手段2とを備えている。
【0026】
ポーリング制御部1は、火災感知器Bとの通信を行うための伝送CPU3と、火災感知器Bの動作確認灯(又は鳴動手段)7を制御するための感知器制御部4で構成している。
【0027】
制御手段2は、火災感知器Bの種別管理を行うと共に、火災感知器Bの上記応答制御動作を解読して、その正常、不良を判別し、その判別結果に応じて、予め準備されている制御信号を火災感知器Bに送信するもので、上記応答制御動作としては、火災感知器Bの通信動作、火災感知器Bの疑似試験発報動作、火災感知器Bの動作確認灯7の動作のうちから、任意の1以上を選択して行なわれる。
【0028】
ここで、火災感知器Bの通信動作とは、火災感知器Bが感知器回線Lに接続されたときに、火災受信機1に返信される返信信号の有、無の動作、疑似試験発報動作とは、火災感知器Bの検知部は動作させずに、CPUで発報処理を行ない、火災受信機1に発報信号を返信する動作、動作確認灯の動作とは、動作確認灯を点灯、あるいは点滅させる動作を意味する。
【0029】
制御手段2には、図3で示すように、火災感知器Bに送信した所定の試験信号に対して、火災感知器Bから受信した応答信号の正常、不良の判別結果と、これに応じて送信される制御信号とを対応させて、予め記憶させた、セルフテストテーブルを備えており、このセルフテストテーブルは、書き換え可能に記憶できるようにしている。
【0030】
なお、火災受信機Aには、タイマー5を設けても良く、このタイマー5で上記動作確認灯の動作を一定時間だけ起動させることができる。
【0031】
火災感知器Bは、感知器ベース5と、これに取付けされる感知器ヘッド6より成り、この火災感知器Bには、LED等の動作確認灯7或いはブザー等の鳴動手段を有している。
【0032】
ついで、本発明の火災感知器Bのローカル動作確認方法を、図2のフローチャートとともに説明する。
【0033】
先ず、火災感知器Bの施工時に、火災受信機Aをローカル動作確認モードに設定しておき、火災感知器Bの感知器ベース5に信号を送りながら、感知器ヘッド6を順次接続して行く(S1)。
【0034】
このとき、火災受信機Aとの接続確認に異常があれば、火災感知器Bの動作確認灯7は、消灯状態を維持する(S2、S3)。
【0035】
この動作確認灯7を見て、現場では、感知器ヘッド6以外の不良を直ちに確認でき、この消灯された動作確認灯7に接続されている伝送線、ベースの不良のため配線、感知器ベース5などを正常なものに取替える(S4)。
【0036】
一方、火災受信機Aとの接続確認が正常であれば、接続された火災感知器Bの種別情報が、火災受信機1に送信され、これを受信した火災受信機1は、火災試験コマンド信号を送信して、上記火災感知器Bからローカル動作試験の結果が返信される(S5〜S7)。
【0037】
このとき、試験結果に異常があれば、火災感知器Bの動作確認灯7は、点滅され、タイマー5による一定時間経過後、これを消灯する(S8〜S11)。
【0038】
この動作確認灯7を見て、現場では、感知器ヘッド6の不良を直ちに確認でき、この点滅された動作確認灯7に接続されている感知器ヘッド6の取替え作業等を行い、これを正常なものに取替える(S12)。
【0039】
また、ローカル動作試験の結果が正常であれば、火災感知器Bの動作確認灯7は、点灯され、タイマー5による一定時間経過後、これを消灯する(S13〜S16)。
【0040】
この動作確認灯7を見て、現場では、火災感知器Bが正常であることを直ちに確認でき、次の火災感知器Bの接続作業に取りかかるのである(S17)。
【0041】
なお、本実施例では、動作確認灯7の点灯、点滅、或いは消灯動作によって火災感知器Bの正常、異常を判別するようにしているが、これに代えて、警報音などを鳴動させたり、或いは、両者を組み合わせて使用しても構わない。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明からも理解できるように、
本発明の請求項1に記載の火災感知器のローカル動作確認方法によれば、火災感知器の試験動作を、火災受信機で確認するのではなく、火災感知器を設置している現場で確認できるため、施工効率を高めることができる。
【0043】
請求項2に記載の火災感知器のローカル動作確認方法によれば、任意の応答制御動作を見れば、火災感知器の不良箇所を現場で確認できるため、施工効率を高めることができる。
【0044】
請求項3に記載の火災感知器のローカル動作確認方法によれば、動作確認灯の点灯パターンを見れば、火災感知器の良、不良が設置現場で容易に判別できる。
【0045】
請求項4に記載の火災感知器のローカル動作確認方法によれば、鳴動手段の鳴動パターンを聞けば、火災感知器の良、不良が設置現場で容易に判別できる。
【0046】
請求項5に記載の多重伝送火災受信システムによれば、火災受信機の制御信号により、火災感知器のローカル動作確認を、火災感知器を設置している現場でできる。
【0047】
請求項6に記載の多重伝送火災受信システムによれば、どんな試験を行ない、その結果、どんな動作を行なわせるかを、火災受信機側のセルフテストテーブルによって記憶できる。
【0048】
請求項7に記載の多重伝送火災受信システムによれば、セルフテストテーブルを書き換えすれば、火災感知器のローカル動作確認を所望の動作によって確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明の火災受信システムの一実施例を示す説明するための概略ブロック図
【図 2】本発明の火災感知器のローカル動作確認方法を示すフローチャート
【図 3】本発明のセルフテストテーブルの一例を示すテーブル図
【図 4】従来の火災感知器のローカル動作確認方法を説明するために示した多重伝送火災受信システムの概略図
【符号の説明】
A 火災受信機
B 火災感知器
L 感知器回線
1 ポーリング制御部
2 制御手段
7 動作確認灯(鳴動手段)
Claims (7)
- 火災受信機から導出された感知器回線に火災感知器を接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムにおいて、
火災受信機側で、火災感知器が感知器回線に接続されたことを検知したときには、その火災感知器に所定の試験信号を送出して、火災感知器の応答制御動作を判別し、
その判別結果に応じて、正常な場合と不良な場合とで、上記火災感知器の現場における報知態様を異ならせるように制御することを特徴とした火災感知器のローカル動作確認方法。 - 請求項1において、
上記応答制御動作が、火災感知器の通信動作、火災感知器の疑似試験発報動作、火災感知器の動作確認灯の動作のうちから、任意の1以上を選択して行なわれるものである火災感知器のローカル動作確認方法。 - 請求項1,2のいずれかにおいて、
上記火災感知器は、少なくとも動作確認灯を有しており、
上記設置現場における火災感知器の報知態様が、動作確認灯の点灯パターンを制御するものである火災感知器のローカル動作確認方法。 - 請求項1,2のいずれかにおいて、
上記火災感知器は、少なくとも鳴動手段を有しており、
上記設置現場における火災感知器の報知態様が、鳴動手段の鳴動パターンを制御するものである火災感知器のローカル動作確認方法。 - 火災受信機から導出された感知器回線に火災感知器を接続して、双方向で信号を送受するようにした多重伝送火災受信システムにおいて、
火災受信機は、
感知器回線に、感知器アドレスを異ならせて指定したポーリング信号を順次出力するとともに、そのポーリング信号に対する火災感知器からの応答信号を受信処理するためのポーリング制御部と、
応答信号を受信した火災感知器を指定して、順次、所定の試験信号を出力したときに、返信されて来る応答信号を解読することによって、火災感知器の応答制御動作を解読して、正常、不良を判別し、
その判別結果に応じて、予め準備されている制御信号を送信する制御手段とを備えている多重伝送火災受信システム。 - 請求項5において、
上記制御手段は、火災感知器に送信した所定の試験信号に対して、火災感知器から受信した応答信号の正常、不良の判別結果と、これに応じて送信される制御信号とを対応させて、予め記憶させた、セルフテストテーブルを備えている多重伝送火災受信システム。 - 請求項6において、
上記セルフテストテーブルは、上記所定の試験信号と、これに対する応答信号の正常、不良の判別結果に応じて送信される制御信号とを、書き換え可能に記憶できる構成にしている多重伝送火災受信システム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008219288A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Matsushita Electric Works Ltd | インターホン親機及びインターホンシステム |
JP2017010367A (ja) * | 2015-06-24 | 2017-01-12 | ホーチキ株式会社 | 受信機 |
JP2020181353A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | ホーチキ株式会社 | 防災システム |
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- 2002-06-24 JP JP2002183227A patent/JP3791467B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2008219288A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Matsushita Electric Works Ltd | インターホン親機及びインターホンシステム |
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