JP2004029659A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートのカール量を小さくすることでジャム発生率を低減すると同時にジャム発生時にはジャム処理製の良い品質製に優れた小型で低コストの像加熱装置及び該像加熱装置を搭載した画像形成装置を提供すること。
【解決手段】加熱体14と、この加熱体と加熱ニップを形成する加圧ローラ11と、ニップを形成する加圧手段8とを有し、ニップで画像を担持したシートを挟持搬送し画像を加熱する像加熱手段と、ニップで画像を担持したシートを挟持搬送する加熱ニップ部駆動手段70と、像加熱手段のシート搬送下流位置にシートを搬送するローラ対41・51と、前記ローラを駆動するローラ対駆動手段72と、加熱ニップ部駆動手段70とローラ対駆動手段72とを繋ぐ駆動伝達手段71と、を有し、前記ローラ対の駆動ローラ軸上に、前記駆動ローラ41より速く回転する回転体60を少なくとも1つ設けたことを特徴とする像加熱装置。
【選択図】図3
【解決手段】加熱体14と、この加熱体と加熱ニップを形成する加圧ローラ11と、ニップを形成する加圧手段8とを有し、ニップで画像を担持したシートを挟持搬送し画像を加熱する像加熱手段と、ニップで画像を担持したシートを挟持搬送する加熱ニップ部駆動手段70と、像加熱手段のシート搬送下流位置にシートを搬送するローラ対41・51と、前記ローラを駆動するローラ対駆動手段72と、加熱ニップ部駆動手段70とローラ対駆動手段72とを繋ぐ駆動伝達手段71と、を有し、前記ローラ対の駆動ローラ軸上に、前記駆動ローラ41より速く回転する回転体60を少なくとも1つ設けたことを特徴とする像加熱装置。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像加熱装置、及び該像加熱装置を有した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、特開昭63ー313182号公報、特開平1ー263679号公報、特開平2ー157878号公報、特開平4ー44075〜44083、204980〜204984号公報等に開示のフィルム加熱方式の像加熱手段と、ニップ形成のための加圧手段を開放する圧開放手段を併せ持つ画像定着装置を有した画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
この加熱手段は、発熱部を有する略面状のヒータと、このヒータと耐熱性のフィルム部材を挟ませて圧接し加熱ニップ部を形成する加圧ローラと、ヒータの加圧ローラに対向していない周囲を覆うヒータフォルダーを有し、加熱ニップ部に被加熱材を導入して耐熱性フィルムを介してヒータの熱で加熱する方式・構成の装置であり、低熱容量で昇温の速いヒータを用い、加熱ニップ部を集中的に加熱できて、クイックスタート性があり、また省電力等の特徴を有する。
【0004】
このようなフィルム加熱方式の加熱手段は、たとえば、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、マイクロフィルムリーダプリンタ、画像表示(ディスプレイ)装置、記録機等の画像形成装置において、電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いてシート(転写材シート、エレクトロファックスシート、静電記録シート、印刷紙など)の面に間接(転写)方式もしくは直接方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像を永久個着画像として加熱定着処理する画像定着装置として活用できる。
【0005】
低熱容量で昇温の速い加熱体としては、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性のセラッミク材基板と該基板に印刷、焼成等の手段で形成具備させた通電発熱部としての発熱抵抗部を基本構成体とし、発熱抵抗部に電力を供給して発熱させる、全体に低熱容量で昇温の速いセラミックヒータが用いられている。
【0006】
図10はフィルム加熱方式の像加熱手段とニップ形成のための加圧手段を開放する圧開放手段を併せ持つ画像定着装置の一例の概略構成図である。本例の加熱手段は特開平4ー44075〜44083、204980〜204984号公報等に開示の、耐熱フィルムとして円筒状フィルムを使用し、該フィルムを加圧手段としての加圧ローラで回転駆動する、加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプ(フィルムに張力を与えないでフィルムを駆動させるもの)の装置である。
【0007】
14は図面に垂直方向を長手とする横長の細板状の加熱体(以下、ヒータと記す)である。
【0008】
10は横断面略半円形の横長樋型のフィルムガイド兼用のヒータ支持体であり、このヒータ支持体10の下面中央部に支持体長手に沿ってヒータ14を耐熱性接着剤等で固定支持させてある。
【0009】
9は円筒状(エンドレスベルト状)、薄膜の耐熱性フィルム(以下定着フィルムまたはフィルムと記す)であり、ヒータ14を支持させたヒータ支持体10にルーズに外嵌させてある。
【0010】
15はヒータ支持体10の両端部にそれぞれ配設した定着フィルム端部を受け止めて定着フィルム9の寄り移動を規制するフランジ部材である。
【0011】
11は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、ヒータ支持体10のヒータ14の下面と定着フィルム9を挟ませてローラ弾性に抗して所定の当接圧をもって互いに圧接させることで所要幅の加熱部としての加熱ニップ部Nを形成させてある。
【0012】
加圧ローラ11は不図示の駆動手段により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ11の回転によるローラ11の外面とフィルム9の外面との加熱ニップ部Nにおける圧接摩擦力でフィルム9に回転力が作用して、フィルム9が、その内面がヒータ14の下面に接触摺動しつつ、ヒータ支持体10の外周を矢示の時計方向に従動回転する。ヒータ支持体10はこの回転するフィルム9のガイドを兼ねる。
【0013】
ヒータ14としては一般に、セラミック基板と、基板面に印刷、焼成して具備させた発熱抵抗体を基本構成体とする低熱容量のセラミックヒータが用いられている。
【0014】
加圧ローラ11の回転によりフィルム9が回転され、またヒータ14が通電により発熱して所定の温度に温調されている状態において、加熱ニップ部Nのフィルム9と加圧ローラ11との間に、未定着トナー画像Tを形成担持させた被加熱材としてのシートPをトナー画像面をガイド部材を通じてフィルム9側にして導入し、フィルム9と一緒に加熱ニップ部Nを移動させることで、加熱ニップ部NにおいてシートPがフィルム9を介してヒータ14で加熱されて未定着トナー画像Tの軟化、溶融定着がなされる。加熱ニップ部Nを通ったシートPはフィルム9面から分離されて搬送される。
【0015】
この装置はフィルム9の加圧ローラ11の駆動による回転状態において、加熱ニップ部Nの部分を除いて実質的にフィルム9に張力が作用しておらず、そのためにフィルムの回転に伴う、ヒータ支持体10の長手に沿うフィルム寄り移動力が小さくてフィルム寄り移動制御手段を簡単化できる、容易な組立性とコストダウンを図ることができる等の有利な点がある。
【0016】
8は加圧手段であり、フランジ部材15を下方に押圧付勢することによりヒータ支持体10を加圧ローラ11の弾性に抗して下方に押圧付勢してヒータ14と弾性加圧ローラ11との間にフィルムを挟ませて所定幅の加熱ニップ部Nを形成している。
【0017】
8bは装置フレーム30に回動自在に軸支され、回動させて加圧手段8を開放する位置で保持可能に構成されている圧解除部材である。
【0018】
即ち、圧解除部材8bを実線示のように水平姿勢に倒し回動操作した状態にしておくことで、加圧手段8による加圧作用により上記の加熱ニップ部Nが所定に形成された状態が保持される。圧解除部材8bを2点鎖線示のように垂直に引き起こし回動操作した状態にすることで、加圧手段8が圧解除部材8bのカム部により2点鎖線示のように持ち上げ回動されて加熱ニップ部Nの圧解除がなされる。垂直に引き起こし回動操作した圧解除部材8bは手を離してもその引き起こし状態がそのまま保持されて加熱ニップ部Nの圧解除状態が保持される。この状態から圧解除部材8bを実線示の水平姿勢に倒し回動操作することで加熱ニップ部Nは加圧状態に復帰する。
【0019】
51は加熱後のシートを挟持搬送するコロで、50はコロ51を保持しシートの上方をガイドする排出上ガイドである。
【0020】
41はコロ51と排出ニップを形成する排出ローラで、40は排出ローラ41を配設しシートの下方をガイドする排出下ガイドである。排出上ガイド50と排出下ガイド40で形成される間隔の排出ニップ上流側は、排出ニップに導入を容易、安定させるため徐々に狭くなるように構成されている。
【0021】
コロ51と排出ローラ41で加熱後のシートを挟持搬送し、排出上ガイド50と、排出下ガイド40を通じて画像形成装置外へ排出される。
【0022】
装置フレーム30には、上述のフランジ部材15、加圧ローラ11、排出上ガイド50、排出下ガイド40が配設される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
近年、小型・低コスト画像形成装置の高速化の要求が高まり、加熱量の増大及び加熱ニップ巾の増大で加圧力が大きくなってきている。それに伴って像加熱手段通過後のシートPのカールも増大し、カールによるジャムの発生率が高まってきている。
【0024】
またジャム処理時にシートPが破れ、装置内に破れたシートPが残留し、さらなるジャムの原因になることや、破れたシート残留物が装置本体の故障を誘発することが頻繁に生じてきている。その対策として小型・低コスト画像形成装置にも加圧手段を開放する圧開放手段が採用されてきている。
【0025】
しかしながら、上記のような従来の技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0026】
従来、図10の様な構成の画像定着装置を小型・低コスト画像形成装置に採用したとき、解除部材8bが加圧手段8を開放する位置で保持可能に構成されているため、開放状態のままで装置を稼動させると画像定着装置が異常発熱し故障に至ることがある為、開放を検知する必要があり、専用のセンサー類などの構成付加によりコストUPしていた。
【0027】
また、図10の様な構成をコストUPして導入することでジャム処理性は向上しても、像加熱手段通過後のシートPのカールを小さくする構成を更に追加しないとジャムの発生率は低減しない。更にカール取り構成を小型・低コスト画像形成装置に付加することはスペース及びコスト的にも難しかった。
【0028】
本発明は上記従来の課題を解決させる為になされたもので、その目的とするところは、シートのカール量を小さくすることでジャム発生率を低減すると同時にジャム発生時にはジャム処理性の良い品質性に優れた小型で低コストの、像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置である。
【0030】
(1)加熱体と、この加熱体と加熱ニップを形成する加圧ローラと、前記ニップを形成する加圧手段とを有し、前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送し画像を加熱する像加熱手段と、
前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送する加熱ニップ部駆動手段と、
前記像加熱手段のシート搬送下流位置にシートを搬送するローラ対と、
前記ローラを駆動するローラ対駆動手段と、
前記加熱ニップ部駆動手段とローラ対駆動手段とを繋ぐ駆動伝達手段と、
を有し、前記ローラ対の駆動ローラ軸上に、前記駆動ローラより速く回転する回転体を少なくとも1つ設けたことを特徴とする像加熱装置。
【0031】
即ち、前記の回転体は増速して設定している為、ジャムした際に回転体をユーザーが手で回転させる際は小さな力で、前記駆動伝達手段を通じ、加熱ニップ部のシートも搬送することができ、容易にジャム処理が可能となる。シートが破れて残ってしまうこともなく、また、専用のセンサー類などの構成付加により大きくコストUPすることもない。
【0032】
(2)前記回転体の外形形状に設けられたリブによって気流を発生させることを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
【0033】
即ち、前記回転体の外形形状に設けられたリブによって気流を発生させる構成とし、増速された回転体外面のリブによって生じた気流によってシートを冷却し、カールを低減できる。
【0034】
(3)前記回転体の外形形状に設けられたリブは回転体外形形状に一体的に形成されていることを特徴とする(2)に記載の像加熱装置。
【0035】
この構成により、低コストで気流を発生できる。
【0036】
(4)前記回転体の内部に設けられた内歯車、遊星歯車、太陽歯車、遊星歯車支持体によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の像加熱装置。
【0037】
この構成により、回転体内で増速処理が可能となり、省スペースで実施可能となる。
【0038】
(5)前記ローラ対の駆動ローラ軸に設けた第1の駆動手段と、前記回転体の外部に設けられた第2の駆動手段と、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを繋ぐ前記駆動伝達手段によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の像加熱装置。
【0039】
この構成により、遊星歯車を用いた場合より構成スペースは大きくなるが、部品点数すくなく、更に低コストで実施できる。
【0040】
(6)前記像加熱手段により未定着トナー像を定着させながらシートを搬送することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の像加熱装置。
【0041】
(7)シートに未定着トナー像を形成する作像手段と、前記シートに前記未定着トナー像を定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から5の何れかに記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。
【0043】
1は第一の像担持体としての回転ドラム型電気写真感光体(以下、ドラムと記す)である。このドラム1は回転過程でその表面が一次帯電器2により一様に帯電処理される。
【0044】
次いで、その回転ドラム1の帯電処理面に対して、レーザースキャナー3から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームLによる走査露光がなされることで、回転ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潛像が形成される。
【0045】
次いでその静電潛像が現像器4によりネガトナーTで反転現像(レーザー露光部にトナーが付着)されて顕像化される。
【0046】
一方、給紙カセット20内から給紙ローラ21により記録媒体(転写材)としてのシートPが一枚分離給送され、レジストローラ対22を経由してドラム1と転写ローラ5との圧接ニップ部である転写部に所定のタイミングで搬送導入されることで、シートPの面に対して回転ドラム1面側のトナー画像が順次転写される。
【0047】
転写部を通過したシートPは回転ドラム1の面から分離され、次の(2)項で説明する像加熱装置としての画像定着装置7へ搬送導入されて転写トナー画像の定着処理を受けて、排出手段でプリントとして機外へ排出される。
【0048】
シート分離後の回転ドラム1の面はクリーニング器23により転写残りトナー等の付着残留汚染物の除去を受けて清掃されて繰り返して作業に供される。
【0049】
本例のプリンタはドラム1、一次帯電器2、現像器4、クリーニング器23の4つのプロセス機器を一括してプリンタ本体内に着脱、交換自在のプロセスカートリッジ24として構成してある。
【0050】
(2)画像定着装置7
本例の画像定着装置7は前述した図10の画像定着装置と同様に、加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプのフィルム加熱方式の装置である。図2は該画像定着装置7の概略構成図(横断面模型図)、図3は途中部分切り欠きの装置斜視模型図である。
【0051】
加熱体14、ヒータ支持体10、円筒状定着フィルム9、フランジ部材15、弾性加圧ローラ11、加圧手段8、加熱ニップ部N、装置フレーム30、コロ51、排出上ガイド50、排出ローラ41、排出下ガイド40等は前述した図10の画像定着装置と同様であるので、共通する構成部材部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
【0052】
加熱体としてのヒータ14はセラミックヒータであり、耐熱性、絶縁性、高熱伝導性のアルミナ基板上に、たとえばスクリーン印刷で形成されたTaSiO2、AgPd、TA2N、RuO2、ニクロム等の薄膜発熱抵抗部を有し、定着フィルム9の内面に対向する面には耐熱ガラス等のオーバーコートが施されている。
【0053】
耐熱性フィルムである定着フィルム9は、耐熱性、トナー離型性、強靱性を有する単層フィルム、あるいは所望の表面処理やラミネート処理をした複合層フィルムである。本実施例における定着フィルム9はポリイミド(PI)フィルムであり、耐熱処理した50umのZno単層フィルム、あるいは4フッ化エチレン(PTFE)で離型性付与処理した複合層フィルムである。
【0054】
定着フィルム9を挟んでヒータ14と加圧ローラ11とが所定の加圧力(たとえばA4幅で総圧98〜196N(10〜20kgf))をもって圧接状態にある。
【0055】
加圧ローラ11は、その軸に不図示の装置本体駆動系から加圧ローラギア70を介して回転力が伝達されることで、図2において矢印の反時計方向に回転駆動され、これに伴い、円筒状の定着フィルム9は加圧ローラ11の表面摩擦力で加熱ニップ部Nにおいてその内面がヒータ14の表面(下面)に密着して摺動しながら回転する。
【0056】
フランジ部材15は、ヒータ支持体10の両端部にそれぞれ配設したフィルム端部を受け止めてフィルム9の寄り移動を規制している。
【0057】
定着フィルム9が回転駆動され、ヒータ14が発熱抵抗部への通電により所定の温度(たとえば150deg以上)に昇温した状態において、被加熱材としての、未定着トナー画像Tを担持したシートPがガイド部材を通って加熱ニップ部Nに導入される。導入されたシートPは加熱ニップ部Nを定着フィルム9の外面に密着して定着フィルム9を介して受ける。その熱によりシートP上のトナー画像Tが軟化溶融して定着する。
【0058】
排出下ガイド40及び排出上ガイド50は装置フレーム30に取り付けてある。加熱後のシートPは排出上ガイド50と排出下ガイド40を通じて、コロ51と排出ローラ41に挟持搬送されて、画像形成装置外へ排出される。
【0059】
本実施例の画像定着装置7は、排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能に設け、回転体60の内部の増速手段により排出ローラ41より速く回動することが可能であり、回転体60の回転によって気流を発生可能にするために設けられたリブ60aを有する。
【0060】
図4は加圧ローラ11から排出ローラ41に至る駆動伝達手段部の拡大模型図である。図5、図6は回転体60内部の増速手段部の拡大模型図である。
【0061】
回転体60は排出ローラ41軸上に回転自在に取り付けられており、回転体60の内部の増速手段により排出ローラ41より速く回動することが可能である。
【0062】
リブ60aは回転体60の外面に一体的に形成されており、回転体60の回転によって気流を発生できる。
【0063】
70は加圧ローラ11の軸に連結されている加圧ローラギア、72は排出ローラ41に連結されている排出ローラギアで、71は加圧ローラギア70と排出ローラギア72を繋ぐアイドラギアである。
【0064】
図5、図6の回転体60内部の増速手段部において、60bは回転体60に一体的に形成された太陽ギアである。61は遊星ギア支持部材で、排出ローラ41の軸に連結されている。62は遊星ギアで、遊星ギア支持部材61に軸支され太陽ギア60bの周りを回っている。
【0065】
63は遊星ギア62と噛み合う内歯車63aを一体的に形成され、フレーム30に固定されている内歯車体である。
【0066】
したがって、排出ローラ41軸のスピードは内歯車63aの歯数/太陽ギア60bの歯数の増速が可能となっている。
【0067】
ジャムが発生し加熱ニップN内にシートが残った場合、回転体60をユーザーが手動にて回転させることよって、回転体60内部の増速手段により少ない操作力で(回転体60を回す場合は加圧ローラ11を減速して回転可能)、加圧ローラ11から排出ローラ41に至る駆動伝達手段を通じて、加圧ローラ11を回転可能となり、加熱ニップ部Nのジャムしたシートを排出可能となっている。
【0068】
このように、回転体60内部の増速手段により速く回動することでリブ60aにより気流を発生可能にしたため、効果的に加熱ニップNを通過した直後のシートを冷却でき、カールを防止でき、結果としてジャムの発生率を低減できた。
【0069】
また排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能にし増速手段を回転体60内部に設けたことで省スペースで実施可能なり、小型の画像形成装置に導入可能となった。
【0070】
また、ジャムしたシートを処理する際はユーザーが手動で回転体60を回すことで、加圧ローラ11を減速して回転可能となり、少ない操作力で容易かつ確実にジャム処理を行なうことが出来るようになった。特別な検知手段を必要としないため、低コストで実施可能となった。
【0071】
(第2の実施例)
図7、図8、図9は、第1の実施例の回転体60の増速手段は回転体60内部に設けているのに対し、回転体60の外部に増速手段を設けた画像定着装置7の例を示す。
【0072】
本例装置7は前述図10の加熱装置と同様にテンションフリータイプのフィルム加熱方式の加熱手段とシート排出手段を有しており、図10の装置と共通する構成部材部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
【0073】
回転体60は排出ローラ41に回転自在に取り付けられており、60cは回転体60に一体的に形成された回転体ギア部である。
【0074】
80は排出ローラ41に連結せれている回転体駆動ギアで、81はフレーム30に固定された軸に回転自在に設けられ、回転体ギア部60cと上部を回転体駆動ギア80を繋ぐアイドラギアで、2段ギア構成で回転体60を増速可能となっている。
【0075】
このように、回転体60内部の増速手段により速く回動することでリブ60aにより気流を発生可能にしたため、効果的に加熱ニップNを通過した直後のシートを冷却でき、カールを防止でき、結果としてジャムの発生率を低減できた。
【0076】
ジャムしたシートを処理する際はユーザーが手動で回転体60をすことで、加圧ローラ11を減速して回転可能となり、少ない操作力で容易かつ確実にジャム処理を行なうことが出来るようになった。特別な検知手段を必要としないため、低コストで実施可能となった。
【0077】
また排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能にし増速手段を回転体60の外部に設けたことで、第1の実施例の増速手段を回転体60内部に設けた場合よりスペース効率は劣るが、部品点数が少なく実施可能なり、更に低コストで画像形成装置に導入可能となった。
【0078】
(その他)
1)本発明において、像加熱装置は、実施例のような加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプのフィルム加熱方式の装置に限られるものでないことは勿論である。エンドレスフィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動するフィルム加熱方式の装置であってもよい。フィルムを有端のウエブ状にして、これを走行移動させるフィルム加熱方式の装置であってもよい。
【0079】
また、フィルム加熱方式の像加熱装置に限られない。熱ローラ方式等の像加熱装置であってもよい。
【0080】
2)本発明において、像加熱装置は、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置なども包含される。
【0081】
3)画像形成装置の作像原理・プロセスは実施例の電子写真方式に限れるものではないことは勿論であり、静電記録方式、磁気記録方式、中間転写方式等の装置であってもよい。直接方式の装置であってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シートのカール量を小さくすることでジャム発生率を低減すると同時にジャム発生時にはジャム処理性の良い品質性に優れた小型で低コストの、像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2の実施例における画像形成装置の概略図
【図2】第1の実施例である画像定着装置部分の概略構成図(横断面模型図)
【図3】該画像定着装置の途中部分切り欠きの斜視模型図
【図4】第1及び第2の実施例の画像定着装置部分の駆動伝達手段部の拡大図
【図5】第1の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の断面図
【図6】第1の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の斜視図
【図7】第2の実施例の画像定着装置部分の途中部分切り欠きの斜視模型図
【図8】第2の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の拡大図
【図9】第2の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の断面図
【図10】従来の画像形成装置の画像定着装置部分の拡大図
【符号の説明】
1・・感光体ドラム、2・・一次帯電器、3・・レーザースキャナー、4・・現像器、7・・画像定着装置、8・・加圧手段、9・・定着フィルム(耐熱性フィルム)10・・ヒータ支持体、11・・加圧ローラ、14・・ヒータ(加熱体)、15・・フランジ部材、30・・フレーム、40・・排出下ガイド、41・・排出ローラ、50・・排出上ガイド、51・・コロ、60・・回転体、70,71,72・・ギア、P・・シート、T・・トナー
【発明の属する技術分野】
本発明は、像加熱装置、及び該像加熱装置を有した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、特開昭63ー313182号公報、特開平1ー263679号公報、特開平2ー157878号公報、特開平4ー44075〜44083、204980〜204984号公報等に開示のフィルム加熱方式の像加熱手段と、ニップ形成のための加圧手段を開放する圧開放手段を併せ持つ画像定着装置を有した画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
この加熱手段は、発熱部を有する略面状のヒータと、このヒータと耐熱性のフィルム部材を挟ませて圧接し加熱ニップ部を形成する加圧ローラと、ヒータの加圧ローラに対向していない周囲を覆うヒータフォルダーを有し、加熱ニップ部に被加熱材を導入して耐熱性フィルムを介してヒータの熱で加熱する方式・構成の装置であり、低熱容量で昇温の速いヒータを用い、加熱ニップ部を集中的に加熱できて、クイックスタート性があり、また省電力等の特徴を有する。
【0004】
このようなフィルム加熱方式の加熱手段は、たとえば、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、マイクロフィルムリーダプリンタ、画像表示(ディスプレイ)装置、記録機等の画像形成装置において、電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いてシート(転写材シート、エレクトロファックスシート、静電記録シート、印刷紙など)の面に間接(転写)方式もしくは直接方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像を永久個着画像として加熱定着処理する画像定着装置として活用できる。
【0005】
低熱容量で昇温の速い加熱体としては、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性のセラッミク材基板と該基板に印刷、焼成等の手段で形成具備させた通電発熱部としての発熱抵抗部を基本構成体とし、発熱抵抗部に電力を供給して発熱させる、全体に低熱容量で昇温の速いセラミックヒータが用いられている。
【0006】
図10はフィルム加熱方式の像加熱手段とニップ形成のための加圧手段を開放する圧開放手段を併せ持つ画像定着装置の一例の概略構成図である。本例の加熱手段は特開平4ー44075〜44083、204980〜204984号公報等に開示の、耐熱フィルムとして円筒状フィルムを使用し、該フィルムを加圧手段としての加圧ローラで回転駆動する、加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプ(フィルムに張力を与えないでフィルムを駆動させるもの)の装置である。
【0007】
14は図面に垂直方向を長手とする横長の細板状の加熱体(以下、ヒータと記す)である。
【0008】
10は横断面略半円形の横長樋型のフィルムガイド兼用のヒータ支持体であり、このヒータ支持体10の下面中央部に支持体長手に沿ってヒータ14を耐熱性接着剤等で固定支持させてある。
【0009】
9は円筒状(エンドレスベルト状)、薄膜の耐熱性フィルム(以下定着フィルムまたはフィルムと記す)であり、ヒータ14を支持させたヒータ支持体10にルーズに外嵌させてある。
【0010】
15はヒータ支持体10の両端部にそれぞれ配設した定着フィルム端部を受け止めて定着フィルム9の寄り移動を規制するフランジ部材である。
【0011】
11は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、ヒータ支持体10のヒータ14の下面と定着フィルム9を挟ませてローラ弾性に抗して所定の当接圧をもって互いに圧接させることで所要幅の加熱部としての加熱ニップ部Nを形成させてある。
【0012】
加圧ローラ11は不図示の駆動手段により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ11の回転によるローラ11の外面とフィルム9の外面との加熱ニップ部Nにおける圧接摩擦力でフィルム9に回転力が作用して、フィルム9が、その内面がヒータ14の下面に接触摺動しつつ、ヒータ支持体10の外周を矢示の時計方向に従動回転する。ヒータ支持体10はこの回転するフィルム9のガイドを兼ねる。
【0013】
ヒータ14としては一般に、セラミック基板と、基板面に印刷、焼成して具備させた発熱抵抗体を基本構成体とする低熱容量のセラミックヒータが用いられている。
【0014】
加圧ローラ11の回転によりフィルム9が回転され、またヒータ14が通電により発熱して所定の温度に温調されている状態において、加熱ニップ部Nのフィルム9と加圧ローラ11との間に、未定着トナー画像Tを形成担持させた被加熱材としてのシートPをトナー画像面をガイド部材を通じてフィルム9側にして導入し、フィルム9と一緒に加熱ニップ部Nを移動させることで、加熱ニップ部NにおいてシートPがフィルム9を介してヒータ14で加熱されて未定着トナー画像Tの軟化、溶融定着がなされる。加熱ニップ部Nを通ったシートPはフィルム9面から分離されて搬送される。
【0015】
この装置はフィルム9の加圧ローラ11の駆動による回転状態において、加熱ニップ部Nの部分を除いて実質的にフィルム9に張力が作用しておらず、そのためにフィルムの回転に伴う、ヒータ支持体10の長手に沿うフィルム寄り移動力が小さくてフィルム寄り移動制御手段を簡単化できる、容易な組立性とコストダウンを図ることができる等の有利な点がある。
【0016】
8は加圧手段であり、フランジ部材15を下方に押圧付勢することによりヒータ支持体10を加圧ローラ11の弾性に抗して下方に押圧付勢してヒータ14と弾性加圧ローラ11との間にフィルムを挟ませて所定幅の加熱ニップ部Nを形成している。
【0017】
8bは装置フレーム30に回動自在に軸支され、回動させて加圧手段8を開放する位置で保持可能に構成されている圧解除部材である。
【0018】
即ち、圧解除部材8bを実線示のように水平姿勢に倒し回動操作した状態にしておくことで、加圧手段8による加圧作用により上記の加熱ニップ部Nが所定に形成された状態が保持される。圧解除部材8bを2点鎖線示のように垂直に引き起こし回動操作した状態にすることで、加圧手段8が圧解除部材8bのカム部により2点鎖線示のように持ち上げ回動されて加熱ニップ部Nの圧解除がなされる。垂直に引き起こし回動操作した圧解除部材8bは手を離してもその引き起こし状態がそのまま保持されて加熱ニップ部Nの圧解除状態が保持される。この状態から圧解除部材8bを実線示の水平姿勢に倒し回動操作することで加熱ニップ部Nは加圧状態に復帰する。
【0019】
51は加熱後のシートを挟持搬送するコロで、50はコロ51を保持しシートの上方をガイドする排出上ガイドである。
【0020】
41はコロ51と排出ニップを形成する排出ローラで、40は排出ローラ41を配設しシートの下方をガイドする排出下ガイドである。排出上ガイド50と排出下ガイド40で形成される間隔の排出ニップ上流側は、排出ニップに導入を容易、安定させるため徐々に狭くなるように構成されている。
【0021】
コロ51と排出ローラ41で加熱後のシートを挟持搬送し、排出上ガイド50と、排出下ガイド40を通じて画像形成装置外へ排出される。
【0022】
装置フレーム30には、上述のフランジ部材15、加圧ローラ11、排出上ガイド50、排出下ガイド40が配設される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
近年、小型・低コスト画像形成装置の高速化の要求が高まり、加熱量の増大及び加熱ニップ巾の増大で加圧力が大きくなってきている。それに伴って像加熱手段通過後のシートPのカールも増大し、カールによるジャムの発生率が高まってきている。
【0024】
またジャム処理時にシートPが破れ、装置内に破れたシートPが残留し、さらなるジャムの原因になることや、破れたシート残留物が装置本体の故障を誘発することが頻繁に生じてきている。その対策として小型・低コスト画像形成装置にも加圧手段を開放する圧開放手段が採用されてきている。
【0025】
しかしながら、上記のような従来の技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0026】
従来、図10の様な構成の画像定着装置を小型・低コスト画像形成装置に採用したとき、解除部材8bが加圧手段8を開放する位置で保持可能に構成されているため、開放状態のままで装置を稼動させると画像定着装置が異常発熱し故障に至ることがある為、開放を検知する必要があり、専用のセンサー類などの構成付加によりコストUPしていた。
【0027】
また、図10の様な構成をコストUPして導入することでジャム処理性は向上しても、像加熱手段通過後のシートPのカールを小さくする構成を更に追加しないとジャムの発生率は低減しない。更にカール取り構成を小型・低コスト画像形成装置に付加することはスペース及びコスト的にも難しかった。
【0028】
本発明は上記従来の課題を解決させる為になされたもので、その目的とするところは、シートのカール量を小さくすることでジャム発生率を低減すると同時にジャム発生時にはジャム処理性の良い品質性に優れた小型で低コストの、像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置である。
【0030】
(1)加熱体と、この加熱体と加熱ニップを形成する加圧ローラと、前記ニップを形成する加圧手段とを有し、前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送し画像を加熱する像加熱手段と、
前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送する加熱ニップ部駆動手段と、
前記像加熱手段のシート搬送下流位置にシートを搬送するローラ対と、
前記ローラを駆動するローラ対駆動手段と、
前記加熱ニップ部駆動手段とローラ対駆動手段とを繋ぐ駆動伝達手段と、
を有し、前記ローラ対の駆動ローラ軸上に、前記駆動ローラより速く回転する回転体を少なくとも1つ設けたことを特徴とする像加熱装置。
【0031】
即ち、前記の回転体は増速して設定している為、ジャムした際に回転体をユーザーが手で回転させる際は小さな力で、前記駆動伝達手段を通じ、加熱ニップ部のシートも搬送することができ、容易にジャム処理が可能となる。シートが破れて残ってしまうこともなく、また、専用のセンサー類などの構成付加により大きくコストUPすることもない。
【0032】
(2)前記回転体の外形形状に設けられたリブによって気流を発生させることを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
【0033】
即ち、前記回転体の外形形状に設けられたリブによって気流を発生させる構成とし、増速された回転体外面のリブによって生じた気流によってシートを冷却し、カールを低減できる。
【0034】
(3)前記回転体の外形形状に設けられたリブは回転体外形形状に一体的に形成されていることを特徴とする(2)に記載の像加熱装置。
【0035】
この構成により、低コストで気流を発生できる。
【0036】
(4)前記回転体の内部に設けられた内歯車、遊星歯車、太陽歯車、遊星歯車支持体によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の像加熱装置。
【0037】
この構成により、回転体内で増速処理が可能となり、省スペースで実施可能となる。
【0038】
(5)前記ローラ対の駆動ローラ軸に設けた第1の駆動手段と、前記回転体の外部に設けられた第2の駆動手段と、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを繋ぐ前記駆動伝達手段によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の像加熱装置。
【0039】
この構成により、遊星歯車を用いた場合より構成スペースは大きくなるが、部品点数すくなく、更に低コストで実施できる。
【0040】
(6)前記像加熱手段により未定着トナー像を定着させながらシートを搬送することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の像加熱装置。
【0041】
(7)シートに未定着トナー像を形成する作像手段と、前記シートに前記未定着トナー像を定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から5の何れかに記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。
【0043】
1は第一の像担持体としての回転ドラム型電気写真感光体(以下、ドラムと記す)である。このドラム1は回転過程でその表面が一次帯電器2により一様に帯電処理される。
【0044】
次いで、その回転ドラム1の帯電処理面に対して、レーザースキャナー3から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームLによる走査露光がなされることで、回転ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潛像が形成される。
【0045】
次いでその静電潛像が現像器4によりネガトナーTで反転現像(レーザー露光部にトナーが付着)されて顕像化される。
【0046】
一方、給紙カセット20内から給紙ローラ21により記録媒体(転写材)としてのシートPが一枚分離給送され、レジストローラ対22を経由してドラム1と転写ローラ5との圧接ニップ部である転写部に所定のタイミングで搬送導入されることで、シートPの面に対して回転ドラム1面側のトナー画像が順次転写される。
【0047】
転写部を通過したシートPは回転ドラム1の面から分離され、次の(2)項で説明する像加熱装置としての画像定着装置7へ搬送導入されて転写トナー画像の定着処理を受けて、排出手段でプリントとして機外へ排出される。
【0048】
シート分離後の回転ドラム1の面はクリーニング器23により転写残りトナー等の付着残留汚染物の除去を受けて清掃されて繰り返して作業に供される。
【0049】
本例のプリンタはドラム1、一次帯電器2、現像器4、クリーニング器23の4つのプロセス機器を一括してプリンタ本体内に着脱、交換自在のプロセスカートリッジ24として構成してある。
【0050】
(2)画像定着装置7
本例の画像定着装置7は前述した図10の画像定着装置と同様に、加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプのフィルム加熱方式の装置である。図2は該画像定着装置7の概略構成図(横断面模型図)、図3は途中部分切り欠きの装置斜視模型図である。
【0051】
加熱体14、ヒータ支持体10、円筒状定着フィルム9、フランジ部材15、弾性加圧ローラ11、加圧手段8、加熱ニップ部N、装置フレーム30、コロ51、排出上ガイド50、排出ローラ41、排出下ガイド40等は前述した図10の画像定着装置と同様であるので、共通する構成部材部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
【0052】
加熱体としてのヒータ14はセラミックヒータであり、耐熱性、絶縁性、高熱伝導性のアルミナ基板上に、たとえばスクリーン印刷で形成されたTaSiO2、AgPd、TA2N、RuO2、ニクロム等の薄膜発熱抵抗部を有し、定着フィルム9の内面に対向する面には耐熱ガラス等のオーバーコートが施されている。
【0053】
耐熱性フィルムである定着フィルム9は、耐熱性、トナー離型性、強靱性を有する単層フィルム、あるいは所望の表面処理やラミネート処理をした複合層フィルムである。本実施例における定着フィルム9はポリイミド(PI)フィルムであり、耐熱処理した50umのZno単層フィルム、あるいは4フッ化エチレン(PTFE)で離型性付与処理した複合層フィルムである。
【0054】
定着フィルム9を挟んでヒータ14と加圧ローラ11とが所定の加圧力(たとえばA4幅で総圧98〜196N(10〜20kgf))をもって圧接状態にある。
【0055】
加圧ローラ11は、その軸に不図示の装置本体駆動系から加圧ローラギア70を介して回転力が伝達されることで、図2において矢印の反時計方向に回転駆動され、これに伴い、円筒状の定着フィルム9は加圧ローラ11の表面摩擦力で加熱ニップ部Nにおいてその内面がヒータ14の表面(下面)に密着して摺動しながら回転する。
【0056】
フランジ部材15は、ヒータ支持体10の両端部にそれぞれ配設したフィルム端部を受け止めてフィルム9の寄り移動を規制している。
【0057】
定着フィルム9が回転駆動され、ヒータ14が発熱抵抗部への通電により所定の温度(たとえば150deg以上)に昇温した状態において、被加熱材としての、未定着トナー画像Tを担持したシートPがガイド部材を通って加熱ニップ部Nに導入される。導入されたシートPは加熱ニップ部Nを定着フィルム9の外面に密着して定着フィルム9を介して受ける。その熱によりシートP上のトナー画像Tが軟化溶融して定着する。
【0058】
排出下ガイド40及び排出上ガイド50は装置フレーム30に取り付けてある。加熱後のシートPは排出上ガイド50と排出下ガイド40を通じて、コロ51と排出ローラ41に挟持搬送されて、画像形成装置外へ排出される。
【0059】
本実施例の画像定着装置7は、排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能に設け、回転体60の内部の増速手段により排出ローラ41より速く回動することが可能であり、回転体60の回転によって気流を発生可能にするために設けられたリブ60aを有する。
【0060】
図4は加圧ローラ11から排出ローラ41に至る駆動伝達手段部の拡大模型図である。図5、図6は回転体60内部の増速手段部の拡大模型図である。
【0061】
回転体60は排出ローラ41軸上に回転自在に取り付けられており、回転体60の内部の増速手段により排出ローラ41より速く回動することが可能である。
【0062】
リブ60aは回転体60の外面に一体的に形成されており、回転体60の回転によって気流を発生できる。
【0063】
70は加圧ローラ11の軸に連結されている加圧ローラギア、72は排出ローラ41に連結されている排出ローラギアで、71は加圧ローラギア70と排出ローラギア72を繋ぐアイドラギアである。
【0064】
図5、図6の回転体60内部の増速手段部において、60bは回転体60に一体的に形成された太陽ギアである。61は遊星ギア支持部材で、排出ローラ41の軸に連結されている。62は遊星ギアで、遊星ギア支持部材61に軸支され太陽ギア60bの周りを回っている。
【0065】
63は遊星ギア62と噛み合う内歯車63aを一体的に形成され、フレーム30に固定されている内歯車体である。
【0066】
したがって、排出ローラ41軸のスピードは内歯車63aの歯数/太陽ギア60bの歯数の増速が可能となっている。
【0067】
ジャムが発生し加熱ニップN内にシートが残った場合、回転体60をユーザーが手動にて回転させることよって、回転体60内部の増速手段により少ない操作力で(回転体60を回す場合は加圧ローラ11を減速して回転可能)、加圧ローラ11から排出ローラ41に至る駆動伝達手段を通じて、加圧ローラ11を回転可能となり、加熱ニップ部Nのジャムしたシートを排出可能となっている。
【0068】
このように、回転体60内部の増速手段により速く回動することでリブ60aにより気流を発生可能にしたため、効果的に加熱ニップNを通過した直後のシートを冷却でき、カールを防止でき、結果としてジャムの発生率を低減できた。
【0069】
また排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能にし増速手段を回転体60内部に設けたことで省スペースで実施可能なり、小型の画像形成装置に導入可能となった。
【0070】
また、ジャムしたシートを処理する際はユーザーが手動で回転体60を回すことで、加圧ローラ11を減速して回転可能となり、少ない操作力で容易かつ確実にジャム処理を行なうことが出来るようになった。特別な検知手段を必要としないため、低コストで実施可能となった。
【0071】
(第2の実施例)
図7、図8、図9は、第1の実施例の回転体60の増速手段は回転体60内部に設けているのに対し、回転体60の外部に増速手段を設けた画像定着装置7の例を示す。
【0072】
本例装置7は前述図10の加熱装置と同様にテンションフリータイプのフィルム加熱方式の加熱手段とシート排出手段を有しており、図10の装置と共通する構成部材部分には共通の符号を付して再度の説明を省略する。
【0073】
回転体60は排出ローラ41に回転自在に取り付けられており、60cは回転体60に一体的に形成された回転体ギア部である。
【0074】
80は排出ローラ41に連結せれている回転体駆動ギアで、81はフレーム30に固定された軸に回転自在に設けられ、回転体ギア部60cと上部を回転体駆動ギア80を繋ぐアイドラギアで、2段ギア構成で回転体60を増速可能となっている。
【0075】
このように、回転体60内部の増速手段により速く回動することでリブ60aにより気流を発生可能にしたため、効果的に加熱ニップNを通過した直後のシートを冷却でき、カールを防止でき、結果としてジャムの発生率を低減できた。
【0076】
ジャムしたシートを処理する際はユーザーが手動で回転体60をすことで、加圧ローラ11を減速して回転可能となり、少ない操作力で容易かつ確実にジャム処理を行なうことが出来るようになった。特別な検知手段を必要としないため、低コストで実施可能となった。
【0077】
また排出ローラ41の軸を回動中心として回転体60を回動可能にし増速手段を回転体60の外部に設けたことで、第1の実施例の増速手段を回転体60内部に設けた場合よりスペース効率は劣るが、部品点数が少なく実施可能なり、更に低コストで画像形成装置に導入可能となった。
【0078】
(その他)
1)本発明において、像加熱装置は、実施例のような加圧ローラ駆動方式、テンションフリータイプのフィルム加熱方式の装置に限られるものでないことは勿論である。エンドレスフィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動するフィルム加熱方式の装置であってもよい。フィルムを有端のウエブ状にして、これを走行移動させるフィルム加熱方式の装置であってもよい。
【0079】
また、フィルム加熱方式の像加熱装置に限られない。熱ローラ方式等の像加熱装置であってもよい。
【0080】
2)本発明において、像加熱装置は、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置なども包含される。
【0081】
3)画像形成装置の作像原理・プロセスは実施例の電子写真方式に限れるものではないことは勿論であり、静電記録方式、磁気記録方式、中間転写方式等の装置であってもよい。直接方式の装置であってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シートのカール量を小さくすることでジャム発生率を低減すると同時にジャム発生時にはジャム処理性の良い品質性に優れた小型で低コストの、像加熱装置及び該像加熱装置を有する画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2の実施例における画像形成装置の概略図
【図2】第1の実施例である画像定着装置部分の概略構成図(横断面模型図)
【図3】該画像定着装置の途中部分切り欠きの斜視模型図
【図4】第1及び第2の実施例の画像定着装置部分の駆動伝達手段部の拡大図
【図5】第1の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の断面図
【図6】第1の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の斜視図
【図7】第2の実施例の画像定着装置部分の途中部分切り欠きの斜視模型図
【図8】第2の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の拡大図
【図9】第2の実施例の画像定着装置部分の増速手段部の断面図
【図10】従来の画像形成装置の画像定着装置部分の拡大図
【符号の説明】
1・・感光体ドラム、2・・一次帯電器、3・・レーザースキャナー、4・・現像器、7・・画像定着装置、8・・加圧手段、9・・定着フィルム(耐熱性フィルム)10・・ヒータ支持体、11・・加圧ローラ、14・・ヒータ(加熱体)、15・・フランジ部材、30・・フレーム、40・・排出下ガイド、41・・排出ローラ、50・・排出上ガイド、51・・コロ、60・・回転体、70,71,72・・ギア、P・・シート、T・・トナー
Claims (7)
- 加熱体と、この加熱体と加熱ニップを形成する加圧ローラと、前記ニップを形成する加圧手段とを有し、前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送し画像を加熱する像加熱手段と、
前記ニップで画像を担持したシートを挟持搬送する加熱ニップ部駆動手段と、
前記像加熱手段のシート搬送下流位置にシートを搬送するローラ対と、
前記ローラを駆動するローラ対駆動手段と、
前記加熱ニップ部駆動手段とローラ対駆動手段とを繋ぐ駆動伝達手段と、
を有し、前記ローラ対の駆動ローラ軸上に、前記駆動ローラより速く回転する回転体を少なくとも1つ設けたことを特徴とする像加熱装置。 - 前記回転体の外形形状に設けられたリブによって気流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
- 前記回転体の外形形状に設けられたリブは回転体外形形状に一体的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
- 前記回転体の内部に設けられた内歯車、遊星歯車、太陽歯車、遊星歯車支持体によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の像加熱装置。
- 前記ローラ対の駆動ローラ軸に設けた第1の駆動手段と、前記回転体の外部に設けられた第2の駆動手段と、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを繋ぐ前記駆動伝達手段によって、前記駆動ローラより速く、前記回転体が回転することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の像加熱装置。
- 前記像加熱手段により未定着トナー像を定着させながらシートを搬送することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の像加熱装置。
- シートに未定着トナー像を形成する作像手段と、前記シートに前記未定着トナー像を定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から5の何れかに記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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