JP2004029656A - プラスチックボトル用ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】一般の使用時には、プラスチックボトルから剥がれにくく、かつ、プラスチックボトルから剥がした時に、プラスチックボトルへの接着剤の残り、すなわち糊残りが少ないプラスチックボトル用ラベルを提供することを目的とする。
【解決手段】プラスチックボトルに巻きつけられるラベル1において、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材2の一方の端部にホットメルト接着剤からなる第1接着剤層3を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部にディレードタック剤からなる第2接着剤層4を設け、上記第1接着剤層は、上記ラベルと上記プラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用されることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】プラスチックボトルに巻きつけられるラベル1において、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材2の一方の端部にホットメルト接着剤からなる第1接着剤層3を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部にディレードタック剤からなる第2接着剤層4を設け、上記第1接着剤層は、上記ラベルと上記プラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着されるプラスチックボトル用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PETボトル等のプラスチックボトルには、容器破損に対する保護、内容物の表示、意匠性の点から各種のラベルが設けられている。このラベルとしては、収縮フィルムを用いたものや、収縮フィルムのかわりに、ラベルを構成する基材に接着剤を塗布したものをラベルとして、プラスチックボトルに貼着したものが知られている。
【0003】
上記のラベル基材に接着剤を塗布したラベルとしては、例えば、図1(a)(b)に示すような、ラベルの基材の両端に接着剤層を設け、その一方の端部でプラスチックボトルとラベルとを貼着すると共に、他方の端部でプラスチックボトルを巻きつけたラベルの一端部と貼着するものがあげられる。
このようなラベルとして、ホットメルト接着剤をラベル基材の両端に塗布したラベルが特開平4−279454号公報に、また、ディレードタック剤をラベル基材の両端に塗布したラベルが特開2000−227760号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤としてディレードタック剤を使用する場合、ディレードタック剤は、一般的に粘着性の持続時間が長いため、商品の流通、保管環境によっては、ラベルを剥がしたときに、接着剤のプラスチックボトルへの残存、すなわち、糊残りが生じやすい。
【0005】
そこでこの発明は、一般の使用時には、プラスチックボトルから剥がれにくく、かつ、プラスチックボトルから剥がした時に、プラスチックボトルへの接着剤の残り、すなわち糊残りが少ないプラスチックボトル用ラベルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の一方の端部にホットメルト接着剤からなる第1接着剤層を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部にディレードタック剤からなる第2接着剤層を設け、上記第1接着剤層は、上記ラベルと上記プラスチックボトルとの接着に使用され、また、上記第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用されることを特徴とするプラスチックボトル用ラベルを用いることにより上記の課題を解決したのである。
【0007】
第1接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の短いホットメルト接着剤を用いるので、剥がしたときの、プラスチックボトルへの接着剤の残存、すなわち糊残りが少なくなる。特に、第1接着剤層に使用する接着剤として水系ホットメルト接着剤を用いた場合は、その効果が顕著となる。
【0008】
また、第2接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の長いディレードタック剤を用いるので、接着力がより長期間保持され、一般的な使用の途中で、ラベルが剥がれ落ちるのを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベル1は、プラスチックボトル5に巻きつけられて貼着されるラベルである。このプラスチックボトル用ラベル1は、図1(a)に示すように、ラベル基材2の一方の端部に第1接着剤層3を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部に第2接着剤層4を設けた構造を有する。
【0010】
上記第1接着剤層3は、図1(b)に示すように、上記のプラスチックボトル用ラベル1とプラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記第2接着剤層4は、上記のプラスチックボトル5に巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用される。
【0011】
上記プラスチックボトル5としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、ポリプロピレンボトル、ポリエチレンボトル等があげられる。
【0012】
上記ラベル基材2は、上記プラスチックボトル用ラベル1の本体を構成する基材であり、プラスチックフィルムから構成される。このプラスチックフィルムとしては、オレフィン系透明基材フィルム、PETフィルム、PS(ポリスチレン)フィルム、ナイロンフィルム等があげられる。
【0013】
上記オレフィン系透明基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等があげられる。
【0014】
上記ポリプロピレンフィルムの例としては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と略する。)や易接着OPPフィルム、アクリルコートのOPPフィルム等があげられる。
【0015】
上記OPPフィルムの具体例としては、東セロ(株)製;トーセロOP「U−1」、東洋紡績(株)製;東洋紡パイレンフィルム−OT「P2108」、「P2161」、「P2261」、「P2761」、二村化学工業(株)製;太閤FO「FOA」、「FOS」、「FOSC」、「FOS−B」、「FOS−BT」、「FOSC−BT」、「FOR」、「FOR−BT」、サン・トックス(株)製;サントックスOP「PA20」、「PA21」、「PA30」、「PA50」、東レ(株)製;トレファンBO「2500」、「2545」等があげられる。
【0016】
また、上記易接着OPPフィルムの具体例としては、サン・トックス(株)製;サントックスOP「AQ−20」、東レ(株)製;トレファンBO「S645」等があげられる。さらに、アクリルコートOPPフィルムの例としては、エクソン モービル社製;「LL666」、ユーシービーフィルム社製;Rayoface「ACA」、「CA」、「CPA」等があげられる。なお、上記の名称は、全て、各社の商品名又は登録商標である。
【0017】
上記PETフィルムの例としては、東洋紡績(株)製:商品名 エステルフィルム、商品名 エスペットフィルム、東レ(株)製:商品名 ルミラー、二村化学工業(株)製:商品名 太閤ポリエステルフィルム、ユニチカ(株)製:エンブレット等があげられる。
【0018】
上記PSフィルムの例としては、旭化成工業(株)製:商品名 OPSフィルム、三菱化学(株)製:商品名 サントクリア等があげられる。
【0019】
上記ナイロンフィルムの例としては、出光ユニテック(株)製:商品名 ユニロン、商品名 ユニアスロン、グンゼ(株)製:商品名 GUNZE HEPTAX、東洋紡績(株)製:商品名 東洋紡ハーデンフィルム、東レ合成フィルム(株)製:商品名 レイファンNO、三菱化学興人パックス(株)製:商品名 ボニール、ユニチカ(株)製:商品名 エンブレム、商品名 エンブロン等があげられる。
【0020】
上記第1接着剤層3を構成する接着剤は、加熱することにより軟化・溶融し、冷却により固化するホットメルト接着剤からなる。このホットメルト接着剤は、一般的に粘着性の持続力が非常に短いため、上記プラスチックボトル5に貼着後、流通・保存等の期間が経過するに従って、プラスチックボトル5への付着強度がラベル基材2への付着強度を上回る可能性がほとんどないため、このプラスチックボトル用ラベル1を剥がした際、上記プラスチックボトル5へのホットメルト接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどなくなる。このため、上記プラスチックボトル5の再利用がより容易となる。
【0021】
このホットメルト接着剤の中でも、水系ホットメルト接着剤、すなわち、水系エマルジョン型のホットメルト接着剤を用いると、粘着性の持続力がより短く、プラスチックボトル5への装着に必要な強度を確保した上で、付着強度を低く抑えることが可能で、上記プラスチックボトルに貼着後、流通・保存等の期間中に糊が残る可能性をより低くすることができる。それにより、プラスチックボトル用ラベル1を剥がした際、上記プラスチックボトル5へのホットメルト接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどなくなる。このため、上記プラスチックボトル5の再利用がさらにより容易となる。
【0022】
上記水系ホットメルト接着剤の例としては、(株)トウペ製:商品名 XB−3394、商品名 XC−2528、商品名 XC−3835、中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−1200、商品名 アクアテックスEA−2800、商品名 アクアテックスEC−3500、東洋モートン(株)製:商品名 AD−37P295J等があげられる。
【0023】
上記第2接着剤層4を構成する接着剤は、常温では粘着性がなく、加温して初めて粘着性が発現し、その粘着性がしばらく持続するディレードタック剤からなる。これにより、得られるプラスチックボトル用ラベル1は、感熱接着性を発揮することができる。このディレードタック剤は、一般的に粘着性の持続力が長く、上記プラスチックボトル5に貼着後、流通・保存等の期間が経過しても、粘着性がほとんど低下せずに保持される。このため、廃棄のためこのプラスチックボトル5からこのプラスチックボトル用ラベル1を剥がすまで、このプラスチックボトル用ラベル1の両端間の貼着が保持され、流通・保存等の途中で、このプラスチックボトル用ラベル1が剥がれるという事態を回避することができる。
【0024】
このディレードタック剤としては、EVA系、アクリル系、ゴム系等があげられる。
【0025】
上記第1接着剤層3の塗布幅は、10〜20mmがよく、13〜18mmが好ましい。10mmより狭いと、プラスチックボトル用ラベル1の装着に十分な強度が得られないことがある。一方、20mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0026】
また、上記第1接着剤層3に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で1〜8g/m2がよく、3〜6g/m2が好ましい。1g/m2より少ないと、上記プラスチックボトル用ラベル1とプラスチックボトル5との接着力が十分でなくなる場合がある。一方、8g/m2より多いと、上記プラスチックボトル用ラベル1を上記プラスチックボトル5から剥がした際、糊残りが生じる場合がある。
【0027】
上記第2接着剤層4は、図1(b)に示すように、プラスチックボトル用ラベル1同士を接着させるための接着剤層であり、プラスチックボトル5への糊残りの問題は生じない。ただ、第1接着剤層3に第2接着剤層4の接着剤が移行すると、糊残りの原因となるので、第2接着剤層4に使用される接着剤の幅は、第1接着剤層3に使用される接着剤の幅より少ない方が好ましい。
【0028】
具体的には、上記第2接着剤層4の塗布幅は、5〜15mmがよく、8〜13mmが好ましい。5mmより狭いと、ラベル用基材2同士の十分な貼着力が得られず、プラスチックボトル用ラベル1が剥がれる場合がある。一方、15mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0029】
また、上記第2接着剤層4に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で2〜12g/m2がよく、5〜10g/m2が好ましい。2g/m2より少ないと、上記プラスチックボトル用ラベル1のラベル用基材2同士の接着力が十分でなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記プラスチックボトル用ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0030】
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベル1は、プラスチックボトル5に巻かれるラベルとして使用することができる。そして、このプラスチックボトル用ラベル1を剥がしたとき、接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどないので、使用後の上記プラスチックボトル5等の再利用が容易となる。
【0031】
【実施例】
以下に、この発明について実施例を用いてより詳細に説明する。まず、使用した原材料及び試験方法について説明する。
【0032】
(原材料)
[ラベル基材]
・OPPフィルム…東洋紡(株):P2161(大きさ;50mm×230mm、厚さ50μm)(以下、「OPP」と称する。)
【0033】
[接着剤]
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−1200(以下、「EC−1200」と称する。)
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEA−2800(以下、「EA−2800」と称する。)
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−3500(以下、「EC−3500」と称する。)
・固形型ホットメルト接着剤…東亜合成(株)製:商品名 アロンメルトPPET5004(以下、「PPET」と称する。)
・ディレードタック剤…アクリル系(東洋インキ製造(株)製:ヒートマジック1040)(以下、「DT」と称する。)
【0034】
(評価方法)
[糊残り評価]
得られたラベルを乾燥機に入れ、130℃、5分間で活性化させる。その後直ちに、PETボトルに巻きつけて貼着し、23℃×50%RH又は40℃×90%RHの条件下で1ヶ月保存する。その後、ラベルを剥がし、PETボトルへの糊残りの状況を目視によって下記の基準で評価した。
◎:全く残らない
○:ごく僅かに残る
△:僅かに残る
×:多量に残る
【0035】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
表1に記載のラベル基材の一端に表1に記載の接着剤を塗布して第1接着剤層を形成すると共に、上記ラベル基材の他端に表1に記載の接着剤を塗布して第2接着剤層を形成し、乾燥させてラベルを作製した。得られたラベルを用いて、上記の糊残り評価を行った。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベルは、第1接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の短いホットメルト接着剤を用いるので、プラスチックボトルへの付着強度が増加していくことがなく、剥がしたときの、プラスチックボトルへの接着剤の残存、すなわち糊残りが少なくなる。特に、第1接着剤層に使用する接着剤として水系ホットメルト接着剤を用いた場合は、その効果が顕著となる。
【0038】
また、第2接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の長いディレードタック剤を用いるので、接着力がより長期間保持され、一般的な使用の途中で、ラベルが剥がれ落ちるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明にかかるラベルの例を示す背面図
(b)(a)のラベルをプラスチックボトルに巻きつけて貼着した状態を示す断面図
【符号の説明】
1 プラスチックボトル用ラベル
2 ラベル基材
3 第1接着剤層
4 第2接着剤層
5 プラスチックボトル
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着されるプラスチックボトル用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PETボトル等のプラスチックボトルには、容器破損に対する保護、内容物の表示、意匠性の点から各種のラベルが設けられている。このラベルとしては、収縮フィルムを用いたものや、収縮フィルムのかわりに、ラベルを構成する基材に接着剤を塗布したものをラベルとして、プラスチックボトルに貼着したものが知られている。
【0003】
上記のラベル基材に接着剤を塗布したラベルとしては、例えば、図1(a)(b)に示すような、ラベルの基材の両端に接着剤層を設け、その一方の端部でプラスチックボトルとラベルとを貼着すると共に、他方の端部でプラスチックボトルを巻きつけたラベルの一端部と貼着するものがあげられる。
このようなラベルとして、ホットメルト接着剤をラベル基材の両端に塗布したラベルが特開平4−279454号公報に、また、ディレードタック剤をラベル基材の両端に塗布したラベルが特開2000−227760号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤としてディレードタック剤を使用する場合、ディレードタック剤は、一般的に粘着性の持続時間が長いため、商品の流通、保管環境によっては、ラベルを剥がしたときに、接着剤のプラスチックボトルへの残存、すなわち、糊残りが生じやすい。
【0005】
そこでこの発明は、一般の使用時には、プラスチックボトルから剥がれにくく、かつ、プラスチックボトルから剥がした時に、プラスチックボトルへの接着剤の残り、すなわち糊残りが少ないプラスチックボトル用ラベルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の一方の端部にホットメルト接着剤からなる第1接着剤層を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部にディレードタック剤からなる第2接着剤層を設け、上記第1接着剤層は、上記ラベルと上記プラスチックボトルとの接着に使用され、また、上記第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用されることを特徴とするプラスチックボトル用ラベルを用いることにより上記の課題を解決したのである。
【0007】
第1接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の短いホットメルト接着剤を用いるので、剥がしたときの、プラスチックボトルへの接着剤の残存、すなわち糊残りが少なくなる。特に、第1接着剤層に使用する接着剤として水系ホットメルト接着剤を用いた場合は、その効果が顕著となる。
【0008】
また、第2接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の長いディレードタック剤を用いるので、接着力がより長期間保持され、一般的な使用の途中で、ラベルが剥がれ落ちるのを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベル1は、プラスチックボトル5に巻きつけられて貼着されるラベルである。このプラスチックボトル用ラベル1は、図1(a)に示すように、ラベル基材2の一方の端部に第1接着剤層3を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部に第2接着剤層4を設けた構造を有する。
【0010】
上記第1接着剤層3は、図1(b)に示すように、上記のプラスチックボトル用ラベル1とプラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記第2接着剤層4は、上記のプラスチックボトル5に巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用される。
【0011】
上記プラスチックボトル5としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、ポリプロピレンボトル、ポリエチレンボトル等があげられる。
【0012】
上記ラベル基材2は、上記プラスチックボトル用ラベル1の本体を構成する基材であり、プラスチックフィルムから構成される。このプラスチックフィルムとしては、オレフィン系透明基材フィルム、PETフィルム、PS(ポリスチレン)フィルム、ナイロンフィルム等があげられる。
【0013】
上記オレフィン系透明基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等があげられる。
【0014】
上記ポリプロピレンフィルムの例としては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と略する。)や易接着OPPフィルム、アクリルコートのOPPフィルム等があげられる。
【0015】
上記OPPフィルムの具体例としては、東セロ(株)製;トーセロOP「U−1」、東洋紡績(株)製;東洋紡パイレンフィルム−OT「P2108」、「P2161」、「P2261」、「P2761」、二村化学工業(株)製;太閤FO「FOA」、「FOS」、「FOSC」、「FOS−B」、「FOS−BT」、「FOSC−BT」、「FOR」、「FOR−BT」、サン・トックス(株)製;サントックスOP「PA20」、「PA21」、「PA30」、「PA50」、東レ(株)製;トレファンBO「2500」、「2545」等があげられる。
【0016】
また、上記易接着OPPフィルムの具体例としては、サン・トックス(株)製;サントックスOP「AQ−20」、東レ(株)製;トレファンBO「S645」等があげられる。さらに、アクリルコートOPPフィルムの例としては、エクソン モービル社製;「LL666」、ユーシービーフィルム社製;Rayoface「ACA」、「CA」、「CPA」等があげられる。なお、上記の名称は、全て、各社の商品名又は登録商標である。
【0017】
上記PETフィルムの例としては、東洋紡績(株)製:商品名 エステルフィルム、商品名 エスペットフィルム、東レ(株)製:商品名 ルミラー、二村化学工業(株)製:商品名 太閤ポリエステルフィルム、ユニチカ(株)製:エンブレット等があげられる。
【0018】
上記PSフィルムの例としては、旭化成工業(株)製:商品名 OPSフィルム、三菱化学(株)製:商品名 サントクリア等があげられる。
【0019】
上記ナイロンフィルムの例としては、出光ユニテック(株)製:商品名 ユニロン、商品名 ユニアスロン、グンゼ(株)製:商品名 GUNZE HEPTAX、東洋紡績(株)製:商品名 東洋紡ハーデンフィルム、東レ合成フィルム(株)製:商品名 レイファンNO、三菱化学興人パックス(株)製:商品名 ボニール、ユニチカ(株)製:商品名 エンブレム、商品名 エンブロン等があげられる。
【0020】
上記第1接着剤層3を構成する接着剤は、加熱することにより軟化・溶融し、冷却により固化するホットメルト接着剤からなる。このホットメルト接着剤は、一般的に粘着性の持続力が非常に短いため、上記プラスチックボトル5に貼着後、流通・保存等の期間が経過するに従って、プラスチックボトル5への付着強度がラベル基材2への付着強度を上回る可能性がほとんどないため、このプラスチックボトル用ラベル1を剥がした際、上記プラスチックボトル5へのホットメルト接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどなくなる。このため、上記プラスチックボトル5の再利用がより容易となる。
【0021】
このホットメルト接着剤の中でも、水系ホットメルト接着剤、すなわち、水系エマルジョン型のホットメルト接着剤を用いると、粘着性の持続力がより短く、プラスチックボトル5への装着に必要な強度を確保した上で、付着強度を低く抑えることが可能で、上記プラスチックボトルに貼着後、流通・保存等の期間中に糊が残る可能性をより低くすることができる。それにより、プラスチックボトル用ラベル1を剥がした際、上記プラスチックボトル5へのホットメルト接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどなくなる。このため、上記プラスチックボトル5の再利用がさらにより容易となる。
【0022】
上記水系ホットメルト接着剤の例としては、(株)トウペ製:商品名 XB−3394、商品名 XC−2528、商品名 XC−3835、中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−1200、商品名 アクアテックスEA−2800、商品名 アクアテックスEC−3500、東洋モートン(株)製:商品名 AD−37P295J等があげられる。
【0023】
上記第2接着剤層4を構成する接着剤は、常温では粘着性がなく、加温して初めて粘着性が発現し、その粘着性がしばらく持続するディレードタック剤からなる。これにより、得られるプラスチックボトル用ラベル1は、感熱接着性を発揮することができる。このディレードタック剤は、一般的に粘着性の持続力が長く、上記プラスチックボトル5に貼着後、流通・保存等の期間が経過しても、粘着性がほとんど低下せずに保持される。このため、廃棄のためこのプラスチックボトル5からこのプラスチックボトル用ラベル1を剥がすまで、このプラスチックボトル用ラベル1の両端間の貼着が保持され、流通・保存等の途中で、このプラスチックボトル用ラベル1が剥がれるという事態を回避することができる。
【0024】
このディレードタック剤としては、EVA系、アクリル系、ゴム系等があげられる。
【0025】
上記第1接着剤層3の塗布幅は、10〜20mmがよく、13〜18mmが好ましい。10mmより狭いと、プラスチックボトル用ラベル1の装着に十分な強度が得られないことがある。一方、20mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0026】
また、上記第1接着剤層3に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で1〜8g/m2がよく、3〜6g/m2が好ましい。1g/m2より少ないと、上記プラスチックボトル用ラベル1とプラスチックボトル5との接着力が十分でなくなる場合がある。一方、8g/m2より多いと、上記プラスチックボトル用ラベル1を上記プラスチックボトル5から剥がした際、糊残りが生じる場合がある。
【0027】
上記第2接着剤層4は、図1(b)に示すように、プラスチックボトル用ラベル1同士を接着させるための接着剤層であり、プラスチックボトル5への糊残りの問題は生じない。ただ、第1接着剤層3に第2接着剤層4の接着剤が移行すると、糊残りの原因となるので、第2接着剤層4に使用される接着剤の幅は、第1接着剤層3に使用される接着剤の幅より少ない方が好ましい。
【0028】
具体的には、上記第2接着剤層4の塗布幅は、5〜15mmがよく、8〜13mmが好ましい。5mmより狭いと、ラベル用基材2同士の十分な貼着力が得られず、プラスチックボトル用ラベル1が剥がれる場合がある。一方、15mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0029】
また、上記第2接着剤層4に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で2〜12g/m2がよく、5〜10g/m2が好ましい。2g/m2より少ないと、上記プラスチックボトル用ラベル1のラベル用基材2同士の接着力が十分でなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記プラスチックボトル用ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0030】
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベル1は、プラスチックボトル5に巻かれるラベルとして使用することができる。そして、このプラスチックボトル用ラベル1を剥がしたとき、接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどないので、使用後の上記プラスチックボトル5等の再利用が容易となる。
【0031】
【実施例】
以下に、この発明について実施例を用いてより詳細に説明する。まず、使用した原材料及び試験方法について説明する。
【0032】
(原材料)
[ラベル基材]
・OPPフィルム…東洋紡(株):P2161(大きさ;50mm×230mm、厚さ50μm)(以下、「OPP」と称する。)
【0033】
[接着剤]
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−1200(以下、「EC−1200」と称する。)
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEA−2800(以下、「EA−2800」と称する。)
・水系ホットメルト接着剤…中央理化工業(株)製:商品名 アクアテックスEC−3500(以下、「EC−3500」と称する。)
・固形型ホットメルト接着剤…東亜合成(株)製:商品名 アロンメルトPPET5004(以下、「PPET」と称する。)
・ディレードタック剤…アクリル系(東洋インキ製造(株)製:ヒートマジック1040)(以下、「DT」と称する。)
【0034】
(評価方法)
[糊残り評価]
得られたラベルを乾燥機に入れ、130℃、5分間で活性化させる。その後直ちに、PETボトルに巻きつけて貼着し、23℃×50%RH又は40℃×90%RHの条件下で1ヶ月保存する。その後、ラベルを剥がし、PETボトルへの糊残りの状況を目視によって下記の基準で評価した。
◎:全く残らない
○:ごく僅かに残る
△:僅かに残る
×:多量に残る
【0035】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
表1に記載のラベル基材の一端に表1に記載の接着剤を塗布して第1接着剤層を形成すると共に、上記ラベル基材の他端に表1に記載の接着剤を塗布して第2接着剤層を形成し、乾燥させてラベルを作製した。得られたラベルを用いて、上記の糊残り評価を行った。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
この発明にかかるプラスチックボトル用ラベルは、第1接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の短いホットメルト接着剤を用いるので、プラスチックボトルへの付着強度が増加していくことがなく、剥がしたときの、プラスチックボトルへの接着剤の残存、すなわち糊残りが少なくなる。特に、第1接着剤層に使用する接着剤として水系ホットメルト接着剤を用いた場合は、その効果が顕著となる。
【0038】
また、第2接着剤層に使用する接着剤として、一般に粘着性の持続時間の長いディレードタック剤を用いるので、接着力がより長期間保持され、一般的な使用の途中で、ラベルが剥がれ落ちるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明にかかるラベルの例を示す背面図
(b)(a)のラベルをプラスチックボトルに巻きつけて貼着した状態を示す断面図
【符号の説明】
1 プラスチックボトル用ラベル
2 ラベル基材
3 第1接着剤層
4 第2接着剤層
5 プラスチックボトル
Claims (3)
- プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、
上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の一方の端部にホットメルト接着剤からなる第1接着剤層を設けると共に、上記ラベル基材の他方の端部にディレードタック剤からなる第2接着剤層を設け、
上記第1接着剤層は、上記ラベルと上記プラスチックボトルとの接着に使用され、また、上記第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用されることを特徴とするプラスチックボトル用ラベル。 - 上記ホットメルト接着剤は、水系ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトル用ラベル。
- 上記第1接着剤層の塗布幅が10〜20mmであると共に、その塗布量が1〜8g/m2であり、かつ、上記第2接着剤層の塗布幅が5〜15mmであると共に、その塗布量が2〜12g/m2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックボトル用ラベル。
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- 2002-06-28 JP JP2002189711A patent/JP2004029656A/ja active Pending
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