JP2008129568A - 再剥離可能なフィルムラベル並びに再剥離可能なフィルムラベル付プラスチック容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】手や熱水、熱アルカリ水で容易に剥がれる感熱性糊が塗布されたフイルムラベルとラベル付プラスチック製容器を提供する。
【解決手段】プラスチック製容器6と接着する部分のディレードタック型感熱性糊3の熱可塑性樹脂を、アクリル酸エステルや酢酸ビニル樹脂のような親水性に富み熱アルカリ水で溶解もしくは膨潤する樹脂とし、容易に剥がれるようにする。また、塗布量の制御や糊面を水玉状としても良い。
【選択図】図3
【解決手段】プラスチック製容器6と接着する部分のディレードタック型感熱性糊3の熱可塑性樹脂を、アクリル酸エステルや酢酸ビニル樹脂のような親水性に富み熱アルカリ水で溶解もしくは膨潤する樹脂とし、容易に剥がれるようにする。また、塗布量の制御や糊面を水玉状としても良い。
【選択図】図3
Description
本発明は、商品名や各種情報等の表示を主な目的として、商品やその容器に貼り付けて使用されるラベルに関するものである。また、ラベル付容器に関するものである。
商品やその容器に貼りつけるラベルの素材として紙類、各種フィルム等多種多彩な素材が用いられている。
ペットボトル等のプラスチック製容器やガラス瓶へのラベルの装着には、筒状の熱収縮するフィルムラベルを装填後熱収縮する方式(以下シュリンクラベルという)や、筒状の伸縮性のフィルムラベルを引き伸ばして装填する方式(以下ストレッチラベルという)がある。いずれの場合も、ラベルを筒状に加工する工程を必要とし、作業工程が増え装置も大掛りなものとなり、コスト面で問題がある。
フィルムラベルを装着する方法として、被着体に貼り付ける直前にラベル裏面に糊を塗布し、その後圧をかけて貼り付ける方法(以下グルー糊方式という)、粘着性を有する糊があらかじめラベル製造時にラベルの裏面に塗布されており圧をかけて貼り付ける方法(以下タック糊方式という)、加熱されると粘着性が発現する感熱性糊があらかじめラベルの裏面に塗布されており、貼り付け直前に熱風等でラベルを加熱して糊を粘着性にし、その後圧をかけて貼り付ける方法(以下ヒート糊方式という)等がある。
グルー糊方式は糊の塗布量の設定、糊の追加・交換、使用後の糊の清掃等人手を要する方式である。また、糊量の調整、粘度管理等、オペレーターの熟練を要していた。また、糊のはみ出しが発生したり、糊の塗布パターンが目立ったりして、見栄えが悪くなることもある。
タック糊方式はあらかじめタック糊が塗られているため、ラベルが貼り付けられる直前までは他に付着しない様に特殊な処理をした合紙(離型紙と呼ばれる)を必要とする。この合紙はラベル使用後ゴミとして廃棄されるためゴミの増加と資源の無駄使いである。また離型紙が高価であり、コストUPの要因ともなっている。また、ラベルを貼るスピードが遅く、大量に貼り付けられるラベルには不向きである。
グルー糊方式、タック糊方式に替わってヒート糊方式は、あらかじめラベルの裏面に加熱前はまったく粘着性が無く、加熱により粘着性が発現する感熱性糊が塗布されている。加熱により糊の粘着性が発現するため、後は圧をかけるだけで被着体に貼り付けられる。そのためオペレーターはヒーターのスイッチを入れるだけでよく、熟練も余り要らず、また作業終了後の清掃も簡単に済むようになる。またタック糊方式のように離型紙を必要としないので、資源の無駄使いにならない。また貼り付けのスピードも上げることができる。
昨今、ゴミの減量と分別回収によるリサイクルの必要性より、被着体から容易に剥せる再剥離ラベルの必要性が高まってきている。特にペットボトル等のプラスチック製容器では、内容物を消費した後、消費者が手でラベルを剥す必要がある。また熱水や熱アルカリ水でラベルが剥離し、糊、インキが残らないようにラベルが剥離できる必要がある。更に剥離したラベルがPET樹脂と混合しないように分離可能である必要がある。
感熱性糊としては、熱可塑性樹脂、粘着付与剤とパラフィンワックスを主成分とするホットメルト型感熱性糊並びに、熱可塑性樹脂、粘着付与剤と固体可塑剤を主成分とするディレードタック型感熱性糊とがある。ホットメルト型感熱性糊の場合、熱せられるとパラフィンワックスが融解し、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を軟化させ、粘着性が発現するのに対して、ディレードタック型感熱性糊は、融点が室温以上の固体可塑剤が熱せられて融解し、熱可塑性樹脂並びに粘着付与剤を軟化させ、粘着性が発現する。ホットメルト型感熱性糊は温度が下がると急速に粘着性が低下するのに対して、ディレードタック型感熱性糊は温度が下がっても比較的粘着性が持続する点が異なる。
プラスチック製容器への接着性とリサイクルでの剥離性について、ホットメルト型感熱性糊を用いて、プラスチック製容器との接着性を制御して剥離性を満足させようとする試みもなされている(特開2004−219621)。手でラベルを剥がそうとすると容易に剥離するが、熱水や熱アルカリ水での剥離が困難であるのが現状である(当社物性試験結果)。
一方、ディレードタック型感熱性糊では、手や熱水や熱アルカリ水での剥離性を制御することは困難であった。このように、ヒート糊方式はフィルムラベルを貼り付ける方式として便利であるが、資源のリサイクルの点で問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プラスチック容器に接着する部分のヒート糊の接着強度を低減し、また熱水や熱アルカリ水で容易に剥がれるラベル並びに前記ラベルが貼り付けられたプラスチック製容器を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明者らは鋭意に研究を重ね、ラベルとボトルとが接着する感熱性糊は接着性が印刷層と糊層の剥離強度よりも被着体との接着強度が弱く、且つラベルを貼る時に被着体にラベルを保持できるだけの接着強度であり、熱水や熱アルカリ水により容易に剥離、除去できる感熱性糊を設けることにより簡単に剥離除去できることを見出した。特に、熱水や熱アルカリ水に剥離しやすいディレードタック型感熱性糊として、熱可塑性樹脂がアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂のように親水性に富み、且つアルカリ可溶性または膨潤性のある樹脂を使用することにより剥離可能となること、また、ボトルと接着する一端の糊の塗布量を制御したり、水玉状に塗布することにより、より剥がしやすいボトルが可能となることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、請求項1に係わるフィルムラベルは、フィルム基材に印刷が施され、一方の面に熱風等の加熱により粘着性が発現するディレードタック型感熱性糊が塗られているフィルムラベルにおいて、そのラベルの横方向一端は親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗布され、他の一端は接着性に優れるディレードタック型感熱性糊が塗布されてなることを特徴とするものである。
請求項2に係わる発明は、請求項1の再剥離可能なフィルムラベルにおいて、親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊の熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂の1種また2種以上からなることを特徴とするものである。
請求項3に係わる発明は請求項1または2の再剥離可能なフィルムラベルにおいて、親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊の塗布厚みが2μm以上10μm以下であることを特徴とするものである。
請求項4に係わる発明は、請求項1または2の再剥離可能なフィルムラベルにおいて、親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗布される一端が、水玉状に塗布されてなることを特徴とするものである。
請求項5に係わるプラスチック製容器は、請求項1から4までの再剥離可能なフィルムラベルが、親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗られた一端はプラスチック容器に接着し、他の一端はプラスチック容器を一周取り巻くように貼り付けられフィルムの表面と接着してなることを特徴とするものである。
請求項6に係わる発明は、請求項5のプラスチック製容器がペットボトルでなることを特徴とするものである。
本発明に係わる再剥離可能なフィルムラベルは、プラスチック製容器に接着するラベル端には熱水や熱アルカリ水によって剥離しやすいディレードタック型感熱性接着剤が塗られているので熱水や熱アルカリ水で容易に剥離させることができる。
特に、ディレードタック型感熱性糊の熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂の1種また2種以上からなる場合、樹脂が親水性に富みまた熱アルカリ水で溶解または膨潤するので容易に剥離する。また、糊の塗布量を少なく制御したり、水玉状に塗布することにより接着強度を低減でき手での剥離や熱水、熱アルカリ水での剥離を容易にする。
また、再剥離可能なフィルムラベル付プラスチック容器は、そのラベルの横方向一端は熱水や熱アルカリ水によって剥離しやすいディレードタック型感熱性糊が塗布されプラスチック製容器と接着しており、他の一端は接着性に優れるデレードタック型感熱性糊が塗布されプラスチック容器を一周取り巻きフィルムの表面と接着しているので、ラベルが商品の流通過程では剥がれ落ちることは無く、また容易にリサイクル工程で剥がすことができる。特にペットボトルのリサイクルにとって有効なラベル付容器を提供する。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係わるラベルの基材としては、比重が1未満のフィルムが用いられる。その理由は、ペットボトルのリサイクル段階で、比重での分離の工程があるためである。つまり、ペット素材は比重が1以上であるので水に沈み、比重1未満のフイルムは水に浮くことにより分離できる。代表的にはポリエチレンやポリプロピレンフィルムが使用可能である。印刷適性を考慮して、コロナ処理や易接着処理をしている方が好ましい。
このフィルムの片面に商品の情報や商標等を表す文字や図形等を表す印刷層が適宜印刷される。
ディレードタック型感熱性糊(ディレードタック剤、ディレードタック粘着剤、ディレードタック接着剤、ディレードタック感熱剤等とも呼ばれる)は、前述したように熱可塑性樹脂、粘着付与剤及び固体可塑剤を含有する適宜のものを用いることができ、ラベルの接着用途に用いられる一般的なディレードタック型感熱性糊を適宜使用することができる。特に経時的な接着強度の増大が少ないものを用いることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、室温以下では粘着性を発現しないものが挙げられ、またガラス転移温度が−20℃以上であることが好ましい。具体的には、例えばアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン、酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、エチレン−アクリル酸エステル、ポリブタジエン、ウレタン等の樹脂が挙げられる。
プラスチック製容器と接着する糊面(糊面Aと今後呼ぶ)は、プラスチック製容器の再生工場で熱水や熱アルカリ水で剥がれる必要があるため、親水性に富み熱アルカリ水で溶解もしくは膨潤することが好ましい。そのため、接着の主な働きをする熱可塑性樹脂成分を選定する必要がある。そのような働きのある熱可塑性樹脂として、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
一方、ラベルの表面と接着する部分の糊面(糊面Bと今後呼ぶ)は、そのような制約は無く、上記で説明した種々の熱可塑性樹脂が使用できる。
上記粘着付与剤は、ディレードタック型感熱性糊の粘着性を向上するために用いられる。この粘着付与剤としては、ブロッキング防止や適度な活性化温度の調整のためには、軟化点が110〜180℃のものが好ましく用いられる。具体的には例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)等を挙げることができる。
粘着付与剤の含有量は適宜設定されるが、例えば熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜500重量部、好ましくは15〜300重量部、更に好ましくは20〜100重量部とすることができる。
上記固体可塑剤としては、例えば融点が50〜180℃、好ましくは60〜120℃の範囲のものを範囲のものを用いることができる。融点が低すぎるとラベル保管時にブロッキングし易くなり、高すぎると粘着性が発現する温度が高くなり、ラベルにダメージが生じたりエネルギーの損失となる。固体可塑剤としては、フタル酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物、ハイドロキノン系化合物などを挙げることができる。例えば、フタル酸ジフェニール、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
固体可塑剤の含有量は、十分な耐ブロッキング性や接着強度が得られるように適宜設定されるが、熱可塑性樹脂100部に対して、例えば30〜1000重量部、好ましくは80〜600重量部、更に好ましくは150〜350重量部とすることができる。
また、これらの成分のほか、成膜助剤、分散剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、固形乳化剤、有機フィラー、無機フィラー等の適宜の添加剤を添加しても良い。
ディレードタック型感熱性糊は上記のような成分を含む水性エマルジョンとして得ることができる。デレードタック型感熱性糊の調整は公知の適宜の手法により為すことができる。例えば、上記のような各成分を予め混合した後に水に分散させる方法、熱可塑性樹脂としてのラテックス又は粘着付与剤エマルジョンに固体可塑剤を分散させた後にこれらのエマルジョンを混合する方法、固体可塑剤を水に分散させておき、これに熱可塑性樹脂としてのラテックス及び粘着付与剤エマルジョンを混合する方法等が挙げられる。固体可塑剤を上記エマルジョン又は水に分散させる方法としては、固体可塑剤を溶融させた後に分散させる方法、固体可塑剤を微粉末にしながら分散させる方法、微粉末にした固体可塑剤を分散させる方法等が挙げられる。
本発明に係わるラベルは、糊面Aには熱水並びに熱アルカリ水により接着性が低下するディレードタック型感熱性糊を塗布し、糊面Bには接着性の強い糊を塗布することにより形成される。図面1及び2に、本発明のフィルムラベルを示した。
その際、糊面Aは接着性を弱めるために塗布厚みを少なくすることが好ましい。その塗布厚みは、2〜10μmより好ましくは3〜6μmとするのが良い。また、接着力の制御と熱水並びに熱アルカリ水での剥離を促進するために、べたでの糊塗布ではなく、水玉状に塗布することもできる。水玉の大きさは0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmとするのが良い。水玉の%は20〜75%の範囲で種々に選定できる。糊塗布の形状が市松状のように矩形となっていると、ラベルを手で剥がすときの方向により糊塗布のエッジ部分がボトルに残ることがあるので、水玉状に塗布するほうが好ましい。
一方、他の一端は重ね部分の接着性を確保するために、糊の塗布量は多めにすることが好ましい。その塗布量は、8〜30μm、より好ましくは10〜20μmとするのが良い。
上記、糊の塗布は部分的に糊を塗布できる機械であれば種々のコーターが用いられる。例えば、グラビアコーター、フレキソコーター、凸版コーター、スクリーンコーター等が挙げられる。このディレードタック型感熱性糊の塗布後、熱風により加熱乾燥して、ディレードタック型感熱性糊層を形成することができる。熱風で乾燥させる時の条件として、温度30〜70℃の熱風を5〜15秒吹き付けることが好ましい。
次に、上記に示したように作製されたラベルが、プラスチック製容器に貼り付けられ、ラベル付容器が製造される過程を説明する。
先ず、糊が塗られた部分が両端に来るようにラベルが所定の寸法にカットされる。その後、糊面に熱風を当てディレードタック型感熱性糊の粘着性を発現させる。熱風の温度は120〜700℃、好ましくは200〜450℃である。また、熱風を当てる時間は、0.5〜5秒である。熱風の温度並びに時間は糊の粘着性が十分発現し、かつラベルにダメージが生じない範囲で調節できる。
粘着性が発現した糊面Aが先ずプラスチック製容器に貼り付けられ固定される。その後、容器を回転させ糊面Bと糊面Aの表面と重なるように貼り付けられる。図面3及び4にラベルが貼り付けられたプラスチック製容器を示した。
以下に、本発明を実施例により更に詳述する。
フイルム基材として、二村化学株式会社製OPPフィルム(PB262)50μmを用いた。両面コロナ処理を施したフィルムである。印刷並びに糊塗工はグラビア印刷機を用いた。インキは大日精化製(NTハイラミック)を用いた。その上に、市販のディレードタック型感熱性糊を塗布した。プラスチック製容器と接着する糊面Aは、アクリル酸エステル並びに酢酸ビニル樹脂を熱可塑性樹脂として用いているものを塗布した。塗布条件の詳細について、表1に示した。また、糊面Bはスチレン−ブタジエン樹脂を、熱可塑性樹脂として用いているものを塗布した。糊の塗布方法はべたで、糊の厚みは15μmである。また、比較例として、糊面Aにスチレン−ブタジエン樹脂を塗布した。また、市販のホットメルト型感熱性糊も塗布した。
各ラベルを、光洋自動機社製ヒートラベラー(LRT−126K型)を用いて500mlの角型ペットボトルに貼り付けた。熱風の温度は250℃である。貼り付けたボトルを常温7日間放置、並びに常温4日後温度40℃湿度90%に放置した後各種試験を実施した。
以下に、各試験項目試験条件を記す。
落下試験:500mlのペットボトルに水を入れ、5℃に冷却後、1mの高さから落下させラベルの剥がれの有無を確認した。落下はボトルの底面並びに側面が床に当たるようにし、5回繰り返した。
手剥離性試験:手でラベルを剥がし、ペットボトルに残るインキ糊の状態を目視で評価した。
熱水剥離性試験:ペットボトルリサイクル協議会のガイドラインの方法を参考にし実施した。つまり、ボトルをラベルが貼り付いている部分を8mm角に切り、85℃の熱水に15分浸漬しラベルの剥がれと、糊インキ残りを評価した。なお、温度を均一にする程度のゆっくりとした攪拌を行った。
熱アルカリ水剥離試験:熱水剥離試験と同様ガイドラインの試験方法を参考にし実施した。つまり、同様に8mm角に切断されたラベル付ペットボトル片を90℃、1.5%に水酸化ナトリウム水溶液に15分浸し、ラベルの剥がれと、糊インキ残りを評価した。なお、温度を均一にする程度のゆっくりとした攪拌を行った。
以上、見てきたように熱水や熱アルカリ水に剥離しやすいディレードタック型感熱性糊、特にアクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂のように親水性に富み、熱アルカリ水で膨潤するタイプの熱可塑性樹脂が用いられる糊は手剥離性、熱水剥離性並びに熱アルカリ水剥離性が良好である。プラスチック容器、特にペットボトルのリサイクルの推進に寄与し、産業上の利用の可能性は大きい。
1 OPP50μm
2 印刷層
3 ディレードタック型感熱性糊面A
4 ディレードタック型感熱性糊面B
5 ラベル
6 プラスチック製容器
7 重ね合わせ部
2 印刷層
3 ディレードタック型感熱性糊面A
4 ディレードタック型感熱性糊面B
5 ラベル
6 プラスチック製容器
7 重ね合わせ部
Claims (6)
- フィルム基材に印刷が施され、一方の面に熱風等の加熱により粘着性が発現するディレードタック型感熱性糊が塗られているフィルムラベルにおいて、そのラベルの横方向一端は親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗布され、他の一端は接着性に優れるディレードタック型感熱性糊が塗布されてなることを特徴とする再剥離可能なフィルムラベル。
- 親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊の熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂の1種また2種以上からなることを特徴とする請求項1の再剥離可能なフィルムラベル。
- 親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊の塗布厚みが2μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2の再剥離可能なフィルムラベル。
- 親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗布される一端が、水玉状に塗布されてなることを特徴とする請求項1、2または3の再剥離可能なフィルムラベル。
- 請求項1から4までの再剥離可能なフィルムラベルが、親水性に富みアルカリ水に溶解もしくは膨潤するタイプのディレードタック型感熱性糊が塗られた一端はプラスチック製容器に接着し、他の一端はプラスチック製容器を一周取り巻くように貼り付けられフィルムの表面と接着してなることを特徴とする再剥離可能なフィルムラベル付プラスチック製容器。
- 請求項5のプラスチック製容器がペットボトルでなることを特徴とする再剥離可能なフィルムラベル付プラスチック容器。
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JP2006345046A JP2008129568A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 再剥離可能なフィルムラベル並びに再剥離可能なフィルムラベル付プラスチック容器 |
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---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006345046A patent/JP2008129568A/ja active Pending
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