JP2004029547A - 投影露光装置およびその露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワーク露光処理の際、酸素に触れることによる害を防止するために、従来は不可欠であった防護フィルムの仮貼着工程と、その後の現像時の防護フィルムの剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置およびその露光方法を提供する。
【解決手段】紫外線を含む光線を照射する光照射部2と、この光照射部2からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスク3と、投影結像レンズ部4と、上面にワークWを取付け固定する載置台5とを備え、光照射部2の照射により、マスク3の図形パターンを投影結像レンズ部4によりワークWの感光性材料6に結像させ、図形パターンをワークWに露光する投影露光装置1において、ワ−クWの感光性材料6の表面に窒素を供給する窒素供給機構7を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】紫外線を含む光線を照射する光照射部2と、この光照射部2からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスク3と、投影結像レンズ部4と、上面にワークWを取付け固定する載置台5とを備え、光照射部2の照射により、マスク3の図形パターンを投影結像レンズ部4によりワークWの感光性材料6に結像させ、図形パターンをワークWに露光する投影露光装置1において、ワ−クWの感光性材料6の表面に窒素を供給する窒素供給機構7を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタ等に電子回路等の図形パターンを焼付形成する投影露光装置およびその露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークに電子回路等の図形パターンを作製、転写する際には、光照射により光架橋、光重合、光解重合、光変性等する感光性材料が使用されている。そして、プリント基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタ等に電子回路等の図形パターンを焼付形成する工程においては、感光性材料として光ラジカル重合タイプが使用されている。
【0003】
この光ラジカル重合タイプの感光性材料は、光により生成されるラジカル種の転移により連続的にモノマーが重合しポリマーパターンになるものである。この重合反応は、酸素によりラジカルが失活し、重合阻害を受ける。したがって、このような感光性材料を上面に塗布したワークを空気中で露光した場合、空気中の酸素の影響で感光性材料に重合阻害が起こり、それによる感光性材料の感度の低下、硬化不足が起きる。そして、ワークの現像後に、表面光沢がない現象となって現れる。この現象はプリント基板の分野では、一般的に表面白化と呼ばれ、商品に永久画像として残る後記するソルダーレジストの加工時に問題になる。
【0004】
そして、このような感光性材料には、エッチングレジストと、永久画像として残るソルダーレジストの2タイプがあり、その形態は異なる。エッチンングレジストはドライフィルムタイプがほとんどであり、ワーク(プリント基板)に使用する場合には、エッチングレジスト上に薄い透明なフィルムが一体となって存在する形態で使用される。一方、ソルダーレジストは、液状タイプが一般的であり、ワークに使用する場合には、ソルダーレジストをワーク上に均一に塗布し乾燥した形態で使用される。
【0005】
一方、ワークの露光方式としてコンタクト露光方式があり、このコンタクト露光方式では、図形パターンを描画したマスクとワークを真空引きしながら密着させ露光するため、ワーク上面に塗布された感光性材料はマスクに覆われ、空気中の酸素に触れることがない。そのため、酸素による感光性材料の重合阻害、それによる感光性材料の感度の低下、硬化不足が起きない。しかしながら、真空引きによりマスクとワークの密着が過度になりやすく、容易に分離しないことがある。
【0006】
そして、露光終了後に真空引きを解除し、ワークを載置している載置台を下げても、ワークがマスクに貼り付いたままの状態で載置台のみが下方に移動してしまい、その後、ワークがマスクから突然分離して載置台やその周辺に落下することがある。これにより、ワークの位置が所定位置からずれたり、ワークや露光装置が損傷したりして、露光処理の工程フローが乱され、または中断して生産性が著しく阻害されるという問題がある。そして、感光性材料として液状のソルダーレジストを使用した場合には、ワークに対する表面濡れ性が高いために、温度、湿度等の環境条件によってはワークとマスクとの間に過度の密着が生じやすくなる。
【0007】
このようなワークとマスクの過度の密着を回避する露光方式としては、ワークとマスクの間に投影結像レンズ部を配置する投影露光方式がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投影露光方式においては、感光性材料としてソルダーレジストを使用した場合には、ソルダーレジストの表面が空気中に裸出した状態になる。したがって、空気中の酸素によるソルダーレジストの重合阻害を回避するために、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの材質で出来た薄い防護フィルムをソルダーレジストにラミネートして、露光をせざるを得なかった。その結果、本来は露光作業に不必要な、ワークの製造時に防護フィルムを仮貼着する工程と、露光後の現像時に防護フィルムを剥離する工程、またその設備が必要となり、投影露光が煩雑になるという問題があった。
【0009】
また、投影露光方式は、マスクの描画図形パターンを投影結像レンズ部を介してワーク表面に結像させる露光方式であり、その設計上、マスクとワークの間にはフィルム等が存在しない条件で結像するようになっているため、フィルム面での露光光線の屈折により、または、フィルム中に気泡などが存在した場合には、その気泡で露光光線が拡散することにより、良好な図形パターン形成(電子回路形成)が困難となり、設計通りの露光性能が発揮されないという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく創案されたもので、ワークに電子回路等の図形パターンを焼付形成させる露光処理の際、酸素に触れることによる害を防止するために、従来は不可欠であった防護フィルムの仮貼着工程と、その後の現像時の防護フィルムの剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置およびその露光方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワークの上面に塗布された感光性材料を硬化させるための紫外線を含む光線を照射する光照射部と、この光照射部からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスクと、このマスクから離間した位置で前記光路上に配置される投影結像レンズ部と、この投影結像レンズ部から離間して配置され上面に前記ワークを取付け固定する載置台とを備え、前記光照射部の照射により、前記マスクの図形パターンを前記投影結像レンズ部により前記ワークの感光性材料に結像させ、前記図形パターンをワークに露光する投影露光装置において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備える投影露光装置として構成したものである。
【0012】
前記の構成において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備えることにより、露光時に感光性材料と空気の間に窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料の表面が接触するのが妨げられ、感光性材料の酸素による重合阻害が起きず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記窒素供給機構は、ワークの露光領域に対して一様に窒素を噴射する噴射ダクトと、この噴射ダクトに窒素を供給する窒素供給部とを備え、前記噴射ダクトの前記ワークの感光性材料の表面に対する窒素噴射角度が可変される投影露光装置として構成したものである。
【0014】
前記の構成により、窒素供給機構から噴射された窒素が、ワークの感光性材料の表面に沿って平行に流れる窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料の表面が接触するのが妨げられ、感光性材料の酸素による重合阻害が発生せず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の投影露光装置の露光方法において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素供給機構から窒素を噴射しながら、前記マスクの図形パターンをワークに露光する工程を含む投影露光装置の露光方法として構成したものである。
【0016】
前記の構成により、空気中の酸素と感光性材料が接触するのを妨げる窒素の層を感光性材料の表面に形成しながら、感光性材料を露光するので、感光性材料の酸素による重合阻害が発生せず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は投影露光装置の一実施形態を示す全体構成図、図2(a)はワ−クの感光性材料の表面での窒素の流れを示す部分構成図、(b)は(a)の側面からの部分構成図、(c)は(a)の構成において窒素の流れ方向の一部を変えた実施形態を示す部分構成図、図3(a)は噴射ダクトの先端部の断面図、(b)は(a)の他の形態の断面図である。なお、これらの図面は一実施形態を開示したものであり、本発明がこれらの図面の記載に限定されるものではない。
【0018】
図1に示すように、投影露光装置1は、ワークWの上面に塗布された感光性材料6を硬化させるための紫外線を含む光線を照射する光照射部2と、この光照射部2からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスク3と、このマスク3から離間した位置で前記光路上に配置される投影結像レンズ部4と、この投影結像レンズ部4から離間して配置され上面にワークWを取付け固定する載置台5とを備え、光照射部2の照射により、マスク3の図形パターンを投影結像レンズ部4によりワークWの感光性材料6に結像させ、前記図形パターンをワークWに露光する。そして、投影結像レンズ部4とワークWの間に配置され、感光性材料6の表面に窒素を供給する窒素供給機構7を有する。また、載置台5に固定されているワークWの露光領域を変更する露光領域変更手段(図示せず)を備え、ワークWを、例えば4回に分けて部分露光しても良い。
【0019】
ワークWの上面に塗布された感光性材料6は、後記する光照射部2の露光光線によって光ラジカル重合を起こす感光性材料で、液状のフォトソルダーレジストが使用される。フォトソルダーレジストの例としては、例えば、特公平7−17737号公報に記載されている、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有し、かつノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応によって生成するエポキシ基の全エステル化合物、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和フェノール化合物との反応によって生成するエポキシ基の全エーテル化合物、ジアリル(イソ)フタレートポリマーから選ばれる1種または2種以上の感光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤としての光重合性ビニル系モノマーおよび/または有機溶剤、(D)微粒状エポキシ化合物を含有してなる感光性熱硬化性樹脂組成物である。また、塗布手段としては、従来公知のスクリーン印刷法、ロールコーターまたはカーテンコーター等による塗布が好ましい。
【0020】
光照射部2は、感光性材料6を硬化させるための紫外線を含む露光光線を照射するもので、好ましくは波長が約350nmから約450nmの紫外線およびこれより波長が長い(比較的短波長の)可視光線を含む露光光線である。そして、このような長波長の露光光線を使用することにより、露光光線が感光性材料の内部に深く進透し、高解像度の図形パターンを得ることができる。また、このような露光光線の光源体8としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀ショートアークランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、キセノンランプ等が使用される。さらに、光照射部2は光源体8単独ではなく、マスク3、投影結像レンズ部4、ワークWに前記露光光線を導くために、例えば、図1のように構成される。すなわち、超高圧水銀灯と楕円鏡とからなる光源体8と、光源体8からの露光光線を所定方向に導く熱線透過機能を有するダイクロイックミラー等を使用した第1反射鏡9および第2反射鏡11と、この第1反射鏡9と第2反射鏡11の間に配置され、露光光量調整と露光光線拡散範囲を規制するフライアイレンズ10と、露光光線を集束させるコンデンサーレンズ12とから構成されている。
【0021】
マスク3は、ガラス、プラスッチク等の光透過性材料からなり、その表面に電子回路等の図形パターンが描画されている。また、その形状は平板状のものが好ましく、その大きさはワークWの大きさにより適宜設定される。
【0022】
投影結像レンズ部4は、ガラス、プラスッチク等の光透過性材料からなるレンズを複数組み合わせたレンズ群からなり、前記マスク3に描画された図形パターンをワークWの感光材料6に結像させる。また、図示しない駆動機構により、前記光路に沿って、投影結像レンズ部4を上下動することにより感光材料6に結像する図形パターンの拡大率を変更する。
【0023】
載置台5は、その表面に開口した空気排気口(図示せず)を有する。その空気排気口から従来公知のロータリーポンプやメカニカルブースターポンプ等で空気を排出することで、ワークWを載置台5の表面に真空吸着し、ワークWを取付け固定する。また、この載置台5の下部には、ワークWがマスク3に対して所定位置に位置決めされるように、載置台5の位置を変位調整する載置台位置調整装置16が設けられている。また、載置台位置調整装置16は、載置台5を前後方向、左右方向および回転方向に移動させる移動機構部18と、載置台5を露光光線の光軸に沿ったZ方向に昇降させる昇降機構部17とから構成されている。そして、移動機構部18の移動は、図示しないCCDカメラ等の撮像器で撮影されたワーク撮像と基準像との整合に基づいて行なわれる。また、昇降機構部17の昇降は、投光体13、受光体14、判定制御部15によって制御される。具体的には、レーザー光を投光体13から受光体14に投射し、ワークWの高さによってそのレーザー光の一部が遮光されることにより、受光体14でのレーザー光の光量値が変化し、その変化量にしたがって判定制御部15が昇降機後部17を昇降させる。
【0024】
窒素供給機構7は、投影結像レンズ部4とワークWの間に配置され、ワークWの露光領域内に対して一様に窒素を噴射する噴射ダクト7aと、噴射ダクト7aの内部に窒素を供給する窒素供給部(図示せず)とから構成され、噴射ダクト7aからワークWの感光性材料6に窒素を噴射することにより、感光性材料6の表面に窒素の層が形成される。そして、噴射ダクト7aは、形成される窒素の層が載置台5上のワークWの有効露光面積を完全にカバーできるような大きさを有する。また、図1、2においてはワークWの両側に噴射ダクト7aが設けられているが、ワークWの四方(周囲)、または片側だけに設けても良い。
【0025】
また、図2(a)(b)に示すように、噴射された窒素が感光性材料6の表面に沿って平行に流れる窒素の層が形成されるように、噴射ダクト7aの窒素噴射角度θが感光性材料6の表面に対して可変されることが好ましい。具体的には、噴射ダクト7aの先端部7bがワークW側に角度θだけ傾斜したものが良い。角度θが小さすぎると、窒素噴射角度(方向)が感光性材料6に対して水平に近くなりすぎて、感光性材料6の表面に沿って平行に窒素が流れるものの、感光性材料6の表面に噴き付けられる窒素量が少ないために、感光性材料6の表面と窒素の層との間に隙間(空気の層)ができる可能性がある。また、角度θが大きすぎると、窒素噴射角度(方向)が感光性材料6に対して大きくなりすぎて、噴射された窒素が感光性材料6の表面にぶつかって噴き上がる窒素量が多くなり、感光性材料6の表面に沿って平行に窒素が流れるのを妨げる可能性がある。実用的な角度θの範囲は0〜60度であって、好ましくは0〜45度、より好ましくは5〜15度である。そして、噴射された窒素が感光性材料6の表面に沿って平行に流れるのを助けるために、図2(c)に示すように、片方の噴射ダクト7aで窒素を噴射し、もう一方の噴射ダクト7aで窒素を吸引する形態としても良い。
【0026】
また、図3(a)に示すように、噴射ダクト7aの先端部7bの断面積(噴射口7cの面積)、窒素噴射速度(窒素噴射量)は、ワークWの大きさにより窒素の層の形成の有無、空気の巻き込みの有無またはコスト面等を考慮して、適宜、設定される。また、図3(b)に示すように、先端部7bが隔壁によって複数の噴射口7cに分割されていても良い。
【0027】
さらに、露光作業が行なわれる間、ワークWの搬出入に関係なく、窒素を連続的に流すことが理想であるが、窒素使用量が増加するためコスト高になる。したがって、ワークWの搬出入時には窒素の噴射を停止し、露光前に行なわれる載置台5の位置合わせ(ワークWとマスク3の位置合わせ)後、露光に先立って、窒素の噴射を開始するような、窒素を断続的に流す形態が好ましい。
【0028】
前記のように窒素供給機構7(噴射ダクト7a)を構成することにより、感光性材料6と空気の間に窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料6表面の接触が妨げられ、感光性材料6の酸素による重合阻害が防止できる。その結果、露光時の感光性材料6の硬化不良および仕上がり時(露光に続いて行なわれる現像処理後)の表面光沢不良が解決され、良好な露光を行なうことが出来る。
【0029】
つぎに、本発明の投影露光装置の露光方法について、図1を参照して、以下に説明する。
(1)上面に感光性材料6が塗布されたワークWを、搬入手段(図示せず)により載置台5の上に載置し、載置台5の表面に開口した空気排気口(図示せず)からの排気により、載置台5の上に取付け固定する(真空吸着する)。
(2)ワークWとマスク3の位置合わせのために、載置台5を載置台位置調整装置16により所定位置に変位調整する。載置台5の前後方向、左右方向および回転方向の調整は移動機構部18、露光光線の光軸に沿ったZ方向の調整は昇降機後部17により行なう。
(3)投影結像レンズ部4とワークW(感光性材料6)の間に配置された窒素供給機構7(噴射ダクト7a)からの窒素の噴射を開始する。
(4)光照射部2の光源体8を点灯し、紫外線を含む露光光線をマスク3、投影結像レンズ部4に導き、前記(3)の窒素噴射を持続しながら、マスク3に描画された図形パターンをワークW(感光性材料6)に所定時間露光する。また、この露光を、前記した露光領域変更手段(図示せず)を用いて、ワークWを4回に分けて部分露光する方式としても良い。
(5)窒素供給機構7(噴射ダクト7a)からの窒素の噴射を停止する。そして、前記(1)の空気排気口の排気を停止して、ワークWの載置台5への固定を解除する。
(6)搬出手段(図示せず)により、ワークWを載置台5から受取り、次工程(現像処理)に搬出する。
(7)つぎのワークWを搬入し(1)〜(6)を繰返す。
【0030】
前記の露光方法の(4)において、窒素供給機構7(噴射ダクト7a)から窒素を噴射しながら、ワークW(感光性材料6)の露光を行なうことにより、空気中の酸素と感光性材料6が接触するのを妨げる窒素の層が、感光性材料6の表面に形成された状態で、感光性材料6が露光される。その結果、感光性材料6の酸素による重合阻害が防止でき、露光時の感光性材料6の硬化不良および仕上がり時(露光に続いて行なわれる現像処理後)の表面光沢不良が解決され、良好な露光を行なうことが出来る。
【0031】
【発明の効果】
前記の通り、本発明においては、ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備え、また、その窒素供給機構の噴射ダクトの窒素噴射角度が、ワークの感光性材料の表面に対して可変されることにより、ワークに電子回路等の図形パターンを焼付形成させる露光処理の際、酸素に触れることによる害を防止するために、従来は不可欠であった防護フィルムの仮貼着工程と、その後の現像時の防護フィルムの剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置を提供できる。
【0032】
また、本発明においては、ワ−クの感光性材料の表面に窒素供給機構から窒素を噴射しながら、マスクの図形パターンをワークに露光する工程を含むことにより、前記した防護フィルムの仮貼着工程および剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置の露光方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投影露光装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】(a)はワ−クの感光性材料の表面での窒素の流れを示す部分構成図、(b)は(a)の側面からの部分構成図、(c)は(a)の構成において窒素の流れ方向の一部を変えた実施形態を示す部分構成図である。
【図3】(a)は噴射ダクトの先端部のA−A線断面図、(b)は(a)の他の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 投影露光装置
2 光照射部
3 マスク
4 投影結像レンズ部
5 載置台
6 感光性材料
7 窒素供給機構
7a 噴射ダクト
7b 先端部
7c 噴射口
W ワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタ等に電子回路等の図形パターンを焼付形成する投影露光装置およびその露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークに電子回路等の図形パターンを作製、転写する際には、光照射により光架橋、光重合、光解重合、光変性等する感光性材料が使用されている。そして、プリント基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタ等に電子回路等の図形パターンを焼付形成する工程においては、感光性材料として光ラジカル重合タイプが使用されている。
【0003】
この光ラジカル重合タイプの感光性材料は、光により生成されるラジカル種の転移により連続的にモノマーが重合しポリマーパターンになるものである。この重合反応は、酸素によりラジカルが失活し、重合阻害を受ける。したがって、このような感光性材料を上面に塗布したワークを空気中で露光した場合、空気中の酸素の影響で感光性材料に重合阻害が起こり、それによる感光性材料の感度の低下、硬化不足が起きる。そして、ワークの現像後に、表面光沢がない現象となって現れる。この現象はプリント基板の分野では、一般的に表面白化と呼ばれ、商品に永久画像として残る後記するソルダーレジストの加工時に問題になる。
【0004】
そして、このような感光性材料には、エッチングレジストと、永久画像として残るソルダーレジストの2タイプがあり、その形態は異なる。エッチンングレジストはドライフィルムタイプがほとんどであり、ワーク(プリント基板)に使用する場合には、エッチングレジスト上に薄い透明なフィルムが一体となって存在する形態で使用される。一方、ソルダーレジストは、液状タイプが一般的であり、ワークに使用する場合には、ソルダーレジストをワーク上に均一に塗布し乾燥した形態で使用される。
【0005】
一方、ワークの露光方式としてコンタクト露光方式があり、このコンタクト露光方式では、図形パターンを描画したマスクとワークを真空引きしながら密着させ露光するため、ワーク上面に塗布された感光性材料はマスクに覆われ、空気中の酸素に触れることがない。そのため、酸素による感光性材料の重合阻害、それによる感光性材料の感度の低下、硬化不足が起きない。しかしながら、真空引きによりマスクとワークの密着が過度になりやすく、容易に分離しないことがある。
【0006】
そして、露光終了後に真空引きを解除し、ワークを載置している載置台を下げても、ワークがマスクに貼り付いたままの状態で載置台のみが下方に移動してしまい、その後、ワークがマスクから突然分離して載置台やその周辺に落下することがある。これにより、ワークの位置が所定位置からずれたり、ワークや露光装置が損傷したりして、露光処理の工程フローが乱され、または中断して生産性が著しく阻害されるという問題がある。そして、感光性材料として液状のソルダーレジストを使用した場合には、ワークに対する表面濡れ性が高いために、温度、湿度等の環境条件によってはワークとマスクとの間に過度の密着が生じやすくなる。
【0007】
このようなワークとマスクの過度の密着を回避する露光方式としては、ワークとマスクの間に投影結像レンズ部を配置する投影露光方式がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投影露光方式においては、感光性材料としてソルダーレジストを使用した場合には、ソルダーレジストの表面が空気中に裸出した状態になる。したがって、空気中の酸素によるソルダーレジストの重合阻害を回避するために、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの材質で出来た薄い防護フィルムをソルダーレジストにラミネートして、露光をせざるを得なかった。その結果、本来は露光作業に不必要な、ワークの製造時に防護フィルムを仮貼着する工程と、露光後の現像時に防護フィルムを剥離する工程、またその設備が必要となり、投影露光が煩雑になるという問題があった。
【0009】
また、投影露光方式は、マスクの描画図形パターンを投影結像レンズ部を介してワーク表面に結像させる露光方式であり、その設計上、マスクとワークの間にはフィルム等が存在しない条件で結像するようになっているため、フィルム面での露光光線の屈折により、または、フィルム中に気泡などが存在した場合には、その気泡で露光光線が拡散することにより、良好な図形パターン形成(電子回路形成)が困難となり、設計通りの露光性能が発揮されないという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく創案されたもので、ワークに電子回路等の図形パターンを焼付形成させる露光処理の際、酸素に触れることによる害を防止するために、従来は不可欠であった防護フィルムの仮貼着工程と、その後の現像時の防護フィルムの剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置およびその露光方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワークの上面に塗布された感光性材料を硬化させるための紫外線を含む光線を照射する光照射部と、この光照射部からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスクと、このマスクから離間した位置で前記光路上に配置される投影結像レンズ部と、この投影結像レンズ部から離間して配置され上面に前記ワークを取付け固定する載置台とを備え、前記光照射部の照射により、前記マスクの図形パターンを前記投影結像レンズ部により前記ワークの感光性材料に結像させ、前記図形パターンをワークに露光する投影露光装置において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備える投影露光装置として構成したものである。
【0012】
前記の構成において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備えることにより、露光時に感光性材料と空気の間に窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料の表面が接触するのが妨げられ、感光性材料の酸素による重合阻害が起きず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記窒素供給機構は、ワークの露光領域に対して一様に窒素を噴射する噴射ダクトと、この噴射ダクトに窒素を供給する窒素供給部とを備え、前記噴射ダクトの前記ワークの感光性材料の表面に対する窒素噴射角度が可変される投影露光装置として構成したものである。
【0014】
前記の構成により、窒素供給機構から噴射された窒素が、ワークの感光性材料の表面に沿って平行に流れる窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料の表面が接触するのが妨げられ、感光性材料の酸素による重合阻害が発生せず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の投影露光装置の露光方法において、前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素供給機構から窒素を噴射しながら、前記マスクの図形パターンをワークに露光する工程を含む投影露光装置の露光方法として構成したものである。
【0016】
前記の構成により、空気中の酸素と感光性材料が接触するのを妨げる窒素の層を感光性材料の表面に形成しながら、感光性材料を露光するので、感光性材料の酸素による重合阻害が発生せず、感光性材料の硬化不良および仕上がり時(現像処理後)の表面光沢不良がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は投影露光装置の一実施形態を示す全体構成図、図2(a)はワ−クの感光性材料の表面での窒素の流れを示す部分構成図、(b)は(a)の側面からの部分構成図、(c)は(a)の構成において窒素の流れ方向の一部を変えた実施形態を示す部分構成図、図3(a)は噴射ダクトの先端部の断面図、(b)は(a)の他の形態の断面図である。なお、これらの図面は一実施形態を開示したものであり、本発明がこれらの図面の記載に限定されるものではない。
【0018】
図1に示すように、投影露光装置1は、ワークWの上面に塗布された感光性材料6を硬化させるための紫外線を含む光線を照射する光照射部2と、この光照射部2からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスク3と、このマスク3から離間した位置で前記光路上に配置される投影結像レンズ部4と、この投影結像レンズ部4から離間して配置され上面にワークWを取付け固定する載置台5とを備え、光照射部2の照射により、マスク3の図形パターンを投影結像レンズ部4によりワークWの感光性材料6に結像させ、前記図形パターンをワークWに露光する。そして、投影結像レンズ部4とワークWの間に配置され、感光性材料6の表面に窒素を供給する窒素供給機構7を有する。また、載置台5に固定されているワークWの露光領域を変更する露光領域変更手段(図示せず)を備え、ワークWを、例えば4回に分けて部分露光しても良い。
【0019】
ワークWの上面に塗布された感光性材料6は、後記する光照射部2の露光光線によって光ラジカル重合を起こす感光性材料で、液状のフォトソルダーレジストが使用される。フォトソルダーレジストの例としては、例えば、特公平7−17737号公報に記載されている、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有し、かつノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応によって生成するエポキシ基の全エステル化合物、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和フェノール化合物との反応によって生成するエポキシ基の全エーテル化合物、ジアリル(イソ)フタレートポリマーから選ばれる1種または2種以上の感光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤としての光重合性ビニル系モノマーおよび/または有機溶剤、(D)微粒状エポキシ化合物を含有してなる感光性熱硬化性樹脂組成物である。また、塗布手段としては、従来公知のスクリーン印刷法、ロールコーターまたはカーテンコーター等による塗布が好ましい。
【0020】
光照射部2は、感光性材料6を硬化させるための紫外線を含む露光光線を照射するもので、好ましくは波長が約350nmから約450nmの紫外線およびこれより波長が長い(比較的短波長の)可視光線を含む露光光線である。そして、このような長波長の露光光線を使用することにより、露光光線が感光性材料の内部に深く進透し、高解像度の図形パターンを得ることができる。また、このような露光光線の光源体8としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀ショートアークランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、キセノンランプ等が使用される。さらに、光照射部2は光源体8単独ではなく、マスク3、投影結像レンズ部4、ワークWに前記露光光線を導くために、例えば、図1のように構成される。すなわち、超高圧水銀灯と楕円鏡とからなる光源体8と、光源体8からの露光光線を所定方向に導く熱線透過機能を有するダイクロイックミラー等を使用した第1反射鏡9および第2反射鏡11と、この第1反射鏡9と第2反射鏡11の間に配置され、露光光量調整と露光光線拡散範囲を規制するフライアイレンズ10と、露光光線を集束させるコンデンサーレンズ12とから構成されている。
【0021】
マスク3は、ガラス、プラスッチク等の光透過性材料からなり、その表面に電子回路等の図形パターンが描画されている。また、その形状は平板状のものが好ましく、その大きさはワークWの大きさにより適宜設定される。
【0022】
投影結像レンズ部4は、ガラス、プラスッチク等の光透過性材料からなるレンズを複数組み合わせたレンズ群からなり、前記マスク3に描画された図形パターンをワークWの感光材料6に結像させる。また、図示しない駆動機構により、前記光路に沿って、投影結像レンズ部4を上下動することにより感光材料6に結像する図形パターンの拡大率を変更する。
【0023】
載置台5は、その表面に開口した空気排気口(図示せず)を有する。その空気排気口から従来公知のロータリーポンプやメカニカルブースターポンプ等で空気を排出することで、ワークWを載置台5の表面に真空吸着し、ワークWを取付け固定する。また、この載置台5の下部には、ワークWがマスク3に対して所定位置に位置決めされるように、載置台5の位置を変位調整する載置台位置調整装置16が設けられている。また、載置台位置調整装置16は、載置台5を前後方向、左右方向および回転方向に移動させる移動機構部18と、載置台5を露光光線の光軸に沿ったZ方向に昇降させる昇降機構部17とから構成されている。そして、移動機構部18の移動は、図示しないCCDカメラ等の撮像器で撮影されたワーク撮像と基準像との整合に基づいて行なわれる。また、昇降機構部17の昇降は、投光体13、受光体14、判定制御部15によって制御される。具体的には、レーザー光を投光体13から受光体14に投射し、ワークWの高さによってそのレーザー光の一部が遮光されることにより、受光体14でのレーザー光の光量値が変化し、その変化量にしたがって判定制御部15が昇降機後部17を昇降させる。
【0024】
窒素供給機構7は、投影結像レンズ部4とワークWの間に配置され、ワークWの露光領域内に対して一様に窒素を噴射する噴射ダクト7aと、噴射ダクト7aの内部に窒素を供給する窒素供給部(図示せず)とから構成され、噴射ダクト7aからワークWの感光性材料6に窒素を噴射することにより、感光性材料6の表面に窒素の層が形成される。そして、噴射ダクト7aは、形成される窒素の層が載置台5上のワークWの有効露光面積を完全にカバーできるような大きさを有する。また、図1、2においてはワークWの両側に噴射ダクト7aが設けられているが、ワークWの四方(周囲)、または片側だけに設けても良い。
【0025】
また、図2(a)(b)に示すように、噴射された窒素が感光性材料6の表面に沿って平行に流れる窒素の層が形成されるように、噴射ダクト7aの窒素噴射角度θが感光性材料6の表面に対して可変されることが好ましい。具体的には、噴射ダクト7aの先端部7bがワークW側に角度θだけ傾斜したものが良い。角度θが小さすぎると、窒素噴射角度(方向)が感光性材料6に対して水平に近くなりすぎて、感光性材料6の表面に沿って平行に窒素が流れるものの、感光性材料6の表面に噴き付けられる窒素量が少ないために、感光性材料6の表面と窒素の層との間に隙間(空気の層)ができる可能性がある。また、角度θが大きすぎると、窒素噴射角度(方向)が感光性材料6に対して大きくなりすぎて、噴射された窒素が感光性材料6の表面にぶつかって噴き上がる窒素量が多くなり、感光性材料6の表面に沿って平行に窒素が流れるのを妨げる可能性がある。実用的な角度θの範囲は0〜60度であって、好ましくは0〜45度、より好ましくは5〜15度である。そして、噴射された窒素が感光性材料6の表面に沿って平行に流れるのを助けるために、図2(c)に示すように、片方の噴射ダクト7aで窒素を噴射し、もう一方の噴射ダクト7aで窒素を吸引する形態としても良い。
【0026】
また、図3(a)に示すように、噴射ダクト7aの先端部7bの断面積(噴射口7cの面積)、窒素噴射速度(窒素噴射量)は、ワークWの大きさにより窒素の層の形成の有無、空気の巻き込みの有無またはコスト面等を考慮して、適宜、設定される。また、図3(b)に示すように、先端部7bが隔壁によって複数の噴射口7cに分割されていても良い。
【0027】
さらに、露光作業が行なわれる間、ワークWの搬出入に関係なく、窒素を連続的に流すことが理想であるが、窒素使用量が増加するためコスト高になる。したがって、ワークWの搬出入時には窒素の噴射を停止し、露光前に行なわれる載置台5の位置合わせ(ワークWとマスク3の位置合わせ)後、露光に先立って、窒素の噴射を開始するような、窒素を断続的に流す形態が好ましい。
【0028】
前記のように窒素供給機構7(噴射ダクト7a)を構成することにより、感光性材料6と空気の間に窒素の層が形成され、空気中の酸素と感光性材料6表面の接触が妨げられ、感光性材料6の酸素による重合阻害が防止できる。その結果、露光時の感光性材料6の硬化不良および仕上がり時(露光に続いて行なわれる現像処理後)の表面光沢不良が解決され、良好な露光を行なうことが出来る。
【0029】
つぎに、本発明の投影露光装置の露光方法について、図1を参照して、以下に説明する。
(1)上面に感光性材料6が塗布されたワークWを、搬入手段(図示せず)により載置台5の上に載置し、載置台5の表面に開口した空気排気口(図示せず)からの排気により、載置台5の上に取付け固定する(真空吸着する)。
(2)ワークWとマスク3の位置合わせのために、載置台5を載置台位置調整装置16により所定位置に変位調整する。載置台5の前後方向、左右方向および回転方向の調整は移動機構部18、露光光線の光軸に沿ったZ方向の調整は昇降機後部17により行なう。
(3)投影結像レンズ部4とワークW(感光性材料6)の間に配置された窒素供給機構7(噴射ダクト7a)からの窒素の噴射を開始する。
(4)光照射部2の光源体8を点灯し、紫外線を含む露光光線をマスク3、投影結像レンズ部4に導き、前記(3)の窒素噴射を持続しながら、マスク3に描画された図形パターンをワークW(感光性材料6)に所定時間露光する。また、この露光を、前記した露光領域変更手段(図示せず)を用いて、ワークWを4回に分けて部分露光する方式としても良い。
(5)窒素供給機構7(噴射ダクト7a)からの窒素の噴射を停止する。そして、前記(1)の空気排気口の排気を停止して、ワークWの載置台5への固定を解除する。
(6)搬出手段(図示せず)により、ワークWを載置台5から受取り、次工程(現像処理)に搬出する。
(7)つぎのワークWを搬入し(1)〜(6)を繰返す。
【0030】
前記の露光方法の(4)において、窒素供給機構7(噴射ダクト7a)から窒素を噴射しながら、ワークW(感光性材料6)の露光を行なうことにより、空気中の酸素と感光性材料6が接触するのを妨げる窒素の層が、感光性材料6の表面に形成された状態で、感光性材料6が露光される。その結果、感光性材料6の酸素による重合阻害が防止でき、露光時の感光性材料6の硬化不良および仕上がり時(露光に続いて行なわれる現像処理後)の表面光沢不良が解決され、良好な露光を行なうことが出来る。
【0031】
【発明の効果】
前記の通り、本発明においては、ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備え、また、その窒素供給機構の噴射ダクトの窒素噴射角度が、ワークの感光性材料の表面に対して可変されることにより、ワークに電子回路等の図形パターンを焼付形成させる露光処理の際、酸素に触れることによる害を防止するために、従来は不可欠であった防護フィルムの仮貼着工程と、その後の現像時の防護フィルムの剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置を提供できる。
【0032】
また、本発明においては、ワ−クの感光性材料の表面に窒素供給機構から窒素を噴射しながら、マスクの図形パターンをワークに露光する工程を含むことにより、前記した防護フィルムの仮貼着工程および剥離工程およびその設備を省略でき、かつ良好な露光性能を発揮できる投影露光装置の露光方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投影露光装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】(a)はワ−クの感光性材料の表面での窒素の流れを示す部分構成図、(b)は(a)の側面からの部分構成図、(c)は(a)の構成において窒素の流れ方向の一部を変えた実施形態を示す部分構成図である。
【図3】(a)は噴射ダクトの先端部のA−A線断面図、(b)は(a)の他の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 投影露光装置
2 光照射部
3 マスク
4 投影結像レンズ部
5 載置台
6 感光性材料
7 窒素供給機構
7a 噴射ダクト
7b 先端部
7c 噴射口
W ワーク
Claims (3)
- ワークの上面に塗布された感光性材料を硬化させるための紫外線を含む光線を照射する光照射部と、この光照射部からの光路上に配置される図形パターンが描画されたマスクと、このマスクから離間した位置で前記光路上に配置される投影結像レンズ部と、この投影結像レンズ部から離間して配置され上面に前記ワークを取付け固定する載置台とを備え、前記光照射部の照射により、前記マスクの図形パターンを前記投影結像レンズ部により前記ワークの感光性材料に結像させ、前記図形パターンをワークに露光する投影露光装置において、
前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素を供給する窒素供給機構を備えることを特徴とする投影露光装置。 - 前記窒素供給機構は、ワークの露光領域に対して一様に窒素を噴射する噴射ダクトと、この噴射ダクトに窒素を供給する窒素供給部とを備え、前記噴射ダクトの前記ワークの感光性材料の表面に対する窒素噴射角度が可変されることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
- 請求項1または2に記載の投影露光装置の露光方法において、
前記ワ−クの感光性材料の表面に窒素供給機構から窒素を噴射しながら、前記マスクの図形パターンをワークに露光する工程を含むことを特徴とする投影露光装置の露光方法。
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JP2009151324A (ja) * | 2009-02-02 | 2009-07-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 露光装置 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188166A patent/JP2004029547A/ja active Pending
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