JP2004029067A - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】中倍率(40倍程度)で、像面湾曲が小さく、開口数が1.2に達する、アポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズを提供する。
【解決手段】物体側より順に、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズの接合レンズよりなる第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つレンズ一枚からなる第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズを接合し、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなる第4レンズ群G4と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズを接合した接合レンズを複数含む第5レンズ群G5と、像側に強い凹面を向けた正負レンズを接合した接合メニスカスレンズの第6レンズ群G6と、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを接合した接合メニスカスレンズの第7レンズ群G7からなり、次の条件式
n1>1.65 (1)
|r1|<2×d1 (2)
ν2P>65,ν3P>65,ν4P>65,ν5P>65 (3)
を満足する。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側より順に、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズの接合レンズよりなる第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つレンズ一枚からなる第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズを接合し、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなる第4レンズ群G4と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズを接合した接合レンズを複数含む第5レンズ群G5と、像側に強い凹面を向けた正負レンズを接合した接合メニスカスレンズの第6レンズ群G6と、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを接合した接合メニスカスレンズの第7レンズ群G7からなり、次の条件式
n1>1.65 (1)
|r1|<2×d1 (2)
ν2P>65,ν3P>65,ν4P>65,ν5P>65 (3)
を満足する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用対物レンズに関し、特に、中倍率(40倍程度)でNAが1.2程度のアポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観察に際し、カバーガラスと最も物体側のレンズ面の間の光路を浸液(例えば、水)で満す水浸系対物レンズの方が、浸液を用いない乾燥系対物レンズよりも開口数を大きくできるため解像度が高い。このため、微細物体、特に生体の観察において、水浸系対物レンズは有用である。このような水浸系対物レンズが、特開平10−333044号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この特開平10−333044号公報に開示されている顕微鏡対物レンズは、中倍率(40倍程度)で比較的少ない枚数でアポクロマート級の色消しを実現したレンズであるが、開口数が1.15とやや小さく、解像度についてもやや不満が残り、また、像面湾曲も比較的大きい設計であった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、中倍率(40倍程度)で、像面湾曲が小さく、開口数が1.2に達する、アポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側より順に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7を備え、前記第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、前記第2レンズ群G2は、1枚の正の屈折力を持つレンズからなり、前記第3レンズ群G3は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズからなり、前記第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなり、前記第5レンズ群G5は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズからなり、前記第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、前記第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、蛍光観察用の励起光として365nm程度の紫外光を30%程度以上透過して前記励起光によって標本から発した微弱な蛍光を観察する際に顕微鏡対物レンズ自身から発する蛍光が観察に悪影響を及ぼさないようなガラス選択及びガラス配置がなされ、次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足するように構成されている。
【0006】
【数1】
n1>1.65 (1)
|r1|<2×d1 (2)
ν2P>65,ν3P>65,ν4P>65,ν5P>65 (3)
但し、n1 :第1レンズ群G1の像側レンズの屈折率
r1 :第1レンズ群G1の接合レンズの接合面の曲率半径
d1 :物体から第1レンズ群G1の接合レンズの接合面までの 光軸上の距離
ν#P:第#レンズ群G#中の正レンズのアッベ数
【0007】
上記の顕微鏡対物レンズにおいて、第4レンズ群G4を構成する3枚接合レンズは、2つの接合面がいずれも負の屈折力を持つように構成することが好ましい。
【0008】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第5レンズ群G5を構成する複数の接合レンズは、少なくとも1つにおいて、接合面が正の屈折力を持ち、軸上物点から発される最大NA光線の接合面を通る高さ(すなわち、光軸からの距離)が顕微鏡対物レンズ内の最大光束の75%の高さよりも高い位置を通るように構成することが好ましい。
【0009】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第7レンズ群G7を構成する接合メニスカスレンズは、3枚のレンズを貼り合わせからなるように構成することが好ましい。
【0010】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第7レンズ群G7を構成する接合メニスカスレンズは、少なくとも3枚以上のレンズからなり、接合面を構成する物体側レンズのd線に対する屈折率をn7A、接合面を構成する像側レンズのd線に対する屈折率をn7Bとしたとき、次の条件式(4)を満足する面を1面以上含むように構成することが好ましい。
【0011】
【数2】
|n7A−n7B|>0.1 (4)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側より順に、第1〜第7レンズ群G1〜G7を備えて構成される。第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、第2レンズ群G2は、1枚の正の屈折力を持つレンズからなり、第3レンズ群G3は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズからなり、第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなり、第5レンズ群G5は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズからなり、第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなる。
【0013】
そして、蛍光観察用の励起光として365nm程度の紫外光を30%程度以上透過して前記励起光によって標本から発した微弱な蛍光を観察する際に顕微鏡対物レンズ自身から発する蛍光が観察に悪影響を及ぼさないようなガラス選択及びガラス配置がなされ、上記の条件式(1)、(2)及び(3)を満足するように構成されている。
【0014】
以下、上記構成を採用した理由について説明する。一般に、顕微鏡対物レンズにおいて、最も物体側に無収差レンズを配し、1枚ではパワー不足の場合は2〜3枚連続した構成を採用している。この構成で得られる正の屈折率は非常に大きく、しかも無収差で得られるため、レンズ設計上欠かせない構成要素となっている。
【0015】
本発明の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、さらに上記の条件式(1)及び(2)を満たすように構成されている。第1レンズ群G1の最も像側の面は比較的小さい曲率を持った面であるが、不遊条件かそれに近い曲率にすることで、球面収差の発生を抑えつつ、大きな正の屈折力を得ることができる。このとき、条件式(1)を満たすような高い屈折率を持つガラスを用いると、収差をできるだけ抑えながらより大きな屈折力を得ることができる。また、このレンズの接合面の曲率を条件式(2)を満たす曲率とすることでペッツバール和をマイナスに導き、像面湾曲の補正を行うことができる。この条件式を満たしているときは、光線が接合面に対して垂直或いはそれに近い角度で入射するので、球面収差の発生を抑えることができる。
【0016】
さらに、本発明は、第2レンズ群G2のアッベ数ν2p、第3レンズ群G3のアッベ数ν3P、第4レンズ群G4のアッベ数ν4P、第5レンズ群G5のアッベ数ν5Pを条件(3)の範囲を満足するように構成されている。このような構成にすることで、色収差の補正を有利に行うことができる。
【0017】
ところで、第1レンズ群G1は、上述したように軸上物点においては無収差であるが、軸外物点に対しては諸収差を増大させる傾向がある。例えば、軸上物点から発した光の収差である球面収差を補正しようとすると、軸外物点から発した光の収差であるコマ収差が増大しやすい。もともと、コマ収差は、開口の開き径によって像位置が主光線像位置(光軸)よりも離れていく現象(すなわち、開口による像倍率のずれ)と見ることができるため、本発明のように高NA(1.2程度)の対物レンズは大きくなりやすい傾向がある。
【0018】
まず、コマ収差のうち、光軸の下側にある物点から発せられる光線(以下、下側コマ光線)にして発生する収差の補正について考える。この下側コマ光線は、第1レンズ群G1において球面収差が補正されていること及び正の屈折力を有することにより、光軸に対して上側にずれてしまう。これに伴い、コマ収差が発生する。
【0019】
このような下側コマ光線に対する収差補正を行うために、負の屈折率を配して、主光線に対するずれを小さくする必要がある。しかしながら、物点から発した光を後続のレンズ群において効率良く且つ収差を極力抑えて収束させるためには、対物レンズ設計上、大きな正の屈折力を物体側に配置しなければならない。
【0020】
そこで、第2レンズ群G2は1枚の正の屈折力を持つレンズから構成され、第3レンズ群G3は負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズから構成されている。このような構成により、第2レンズ群G2及び第3レンズ群が正の屈折力を有しているため、後続のレンズ群にて効率良く収差を抑えて収束光を得るために必要な正の屈折力を確保できる。また、第3レンズ群G3が、その接合面に負の屈折力を有することによって、下側コマ光線に対するコマ収差を良好に補正することができる。
【0021】
第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズから構成されている。このような構成により、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3の正の屈折力と合わせ、上述したように物点から発せられた光を収束光に変換するために必要な正の屈折力を得ることができる。また、2つの接合面を有することにより、色収差(2次分散)の補正を有利に行うことができる。なお、上記の3枚接合レンズに替わり、第4レンズ群G4において、2枚接合レンズを用いることも可能であるが、3枚接合レンズと同様の効果を狙うと、接合面の曲率半径が小さくなるため、製造が難しく製造コスト増につながってしまう。
【0022】
第4レンズ群G4の3枚接合レンズは、2つの接合面がいずれも負の屈折力を持つように構成されることが好ましい。このような構成により、下側コマ光線は光軸に近づけられるため、良好に下側コマ光線に対する収差補正を行うことができる。
【0023】
ところで、第2レンズ〜第4レンズ群G4までは、下側コマ光線に対する収差補正を重視した構成となっている。しかしながら、この構成にすると、高次の球面収差が、極端に正の側に振れてしまう場合がある。
【0024】
そこで、第5レンズ群G5は、第4レンズ群G4までに(ほぼ)平行光束あるいは収束光になった光束中に配置され、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズから構成されている。このような構成により、下側コマ光線に対する収差を補正しつつも、同時に、上記のような高次の球面収差の補正を行うことができる。
【0025】
さらに、効果的に高次の球面収差を負の補正の側に導いて良好に補正するために、第5レンズ群G5の複数の接合レンズは、少なくとも1つにおいて、接合面が正の屈折力を持ち、軸上物点から発される最大NA光線の接合面を通る高さ(すなわち、光軸からの距離)が顕微鏡対物レンズ内の最大光束の75%の高さよりも高い位置を通るように構成することが好ましい。
【0026】
次に、コマ収差のうち、光軸の上側にある物点から発せられる光線(以下、上側コマ光線)にして発生する収差の補正について考える。この上側コマ光線は、第1レンズ群G1において球面収差が補正されていること及び正の屈折力を有することにより、主光線に対して下側にずれてしまう。これに伴い、コマ収差が発生する。
【0027】
そこで、第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズから構成されている。また、第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズから構成されている。これら第6レンズ群G6及び第7レンズ群G7では、接合メニスカスレンズの曲率半径の小さい凹面を互いに向け合う、いわゆるガウス型の構成をとり、本発明のように物体側から最も離れた位置に配置されている。このような構成により、前方のレンズ群により発生した正の大きなペッツバール和を打ち消して、像面湾曲の補正に貢献することができる。
【0028】
ところで、通常の顕微鏡対物レンズでは、最も像側に正の屈折力を持ったアッベ数の小さい硝材とすることで、倍率色収差の補正を行っている。さらに、大きな効果を得るため、このレンズを低屈折率でアッベ数の小さい硝材と高屈折率でアッベ数の小さい硝材とを貼り合せた接合レンズにして、構成レンズ間にて大きな屈折率差を発生させている。
【0029】
しかしながら、本発明の顕微鏡対物レンズのように、蛍光観察を目的とする場合、内部透過率を確保するために使用できる硝材が限定されている。このため、倍率色収差の補正に有効な屈折率差を得るために用いられる、高屈折率でアッベ数の小さい硝材(例えば、屈折率が1.8程度でアッベ数が25程度の硝材)は、蛍光観察に必要な透過率を得ることできないため、本発明においては使用することが難しい。
【0030】
そこで、第7レンズ群G7の接合メニスカスレンズは、3枚のレンズを貼り合わせ、これらのレンズの屈折率を相対的に見て物体側より高・低・高となるように構成することが好ましい。このような構成により、接合メニスカスレンズ内に比較的屈折率差の大きい接合面を2面得ることができるため、収差補正を容易に行うことができる。
【0031】
なお、第7レンズ群G7のレンズ構成を、2枚接合レンズとすることも可能ではあるが、上記のように使用できる硝材が限定されると色収差補正を行うために充分な屈折率を必ずしも得ることができず、収差補正が難しい。
【0032】
また、第7レンズ群G7の接合メニスカスレンズは、少なくとも3枚以上のレンズからなり、接合面が2面以上存在する場合には接合面の位置は特定せず、上記の条件式(4)を満足する面を1面以上含むように構成することが好ましい。
【0033】
条件式(4)は、接合レンズを構成する接合面の屈折率差について適正な範囲を規定している。この条件を満足することで、色収差補正を良好に補正することができるとともに、前方のレンズ群で発生した球面収差と、さらに(第6レンズ群G6及び第7レンズ群G7による)ガウス型の構成を有する対物レンズにおいて発生しやすいコマ収差をともに補正することができる。
【0034】
さて、一般に、顕微鏡対物レンズでは、カバーガラスの厚さの変化に伴い諸収差が変動する。特に、高NAである顕微鏡対物レンズでは、カバーガラス厚さの変化に伴い、球面収差、色収差、コマ収差の変動が大きく発生する。また、水浸系の対物レンズでは、試料を浸す水とカバーガラスとの屈折率差が大きく、カバーガラス厚さの変動による収差変動が大きく発生する。そこで、いわゆる補正環と呼ばれる収差補正機構において補正レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、カバーガラスの厚さ変化に伴う収差変動を補正している。この場合、各レンズ群での収差の発生量を小さく抑えなければ、カバーガラスの厚さ変化により発生する収差変動が大きくなりすぎて、良好な収差補正ができなくなる。
【0035】
そこで、本発明の顕微鏡対物レンズでは、第5レンズ群G5の一部(像側の接合レンズ)と、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7を光軸に沿って移動させることができ、これによりカバーガラスの厚さ変化などに伴う収差変動の補正を行っている。この構成により、カバーガラスの厚さの変化に伴う諸収差の変動、特に球面収差及びコマ収差の変動を小さく抑えることが可能となっている。
【0036】
また、第5レンズ群G5,第6レンズ群G6,第7レンズ群G7は、それぞれ正負のレンズを貼り合わせた接合レンズを有して構成されている。これらの接合レンズは正レンズと負レンズの間で屈折率差を有しており、レンズ自身が発生する収差を小さく抑えることができる。このため、上記のレンズ群の移動により発生する収差を抑えることにつながり、補正環を構成する上でもより効果的である。
【0037】
以上のような構成により、本発明は、中倍率(40倍程度)で、像面湾曲が小さく、開口数が1.2に達する、アポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の顕微鏡対物レンズの実施例について、図を用いて説明する。各実施例は、蛍光観察用途として使用できるガラス選択がなされている。
【0039】
また、各実施例において収差特性の算出対象としてd線、C線、F線、g線を選んでおり、これらの波長を下の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
各実施例の顕微鏡対物レンズは、浸液として水を用いた水浸系である。なお、水のd線に対する屈折率は、1.33306であり、水のアッベ数は53.981である。また、各実施例におけるカバーガラスの標準厚さは0.17mmであり、このカバーガラスのd線に対する屈折率は1.52216であり、カバーガラスのアッベ数は58.802である。
【0042】
各実施例の顕微鏡対物レンズは無限遠系補正型であるため、顕微鏡対物レンズの像側に結像レンズ(第2対物レンズ)を配置し、顕微鏡対物レンズと結像レンズとの組み合わせにより有限光学系を形成している。なお、結像レンズの位置には自由度があり、顕微鏡対物レンズの最終面から結像レンズの最も物体側のレンズ面までの距離、すなわち軸上空気空間が50〜180mm程度の範囲において変化しても、収差の変動がほとんどないことを本発明者は検証している。
【0043】
図7は、各実施例における結像レンズの構成を示している。図7に示すように、各実施例における結像レンズは、物体側から順に、両凸レンズL31aと両凹レンズL31bとの接合正レンズG8と、両凸レンズL32aと両凹レンズL32bとの接合正レンズG9とから構成されている。また、表2に、各実施例における結像レンズの諸元値を表2に示す。表中、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径(曲率中心が物体側にあるときは正とする)、第3欄dは各レンズ面から次のレンズ面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第5欄ndは当該レンズのd線に対する屈折率、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。
【0044】
【表2】
【0045】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す図である。図1の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸レンズL11a,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11bからなる結合レンズL11を有している。第2レンズ群G2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12を有している。
【0046】
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13a,両凸レンズ13bからなる接合レンズL13を有している。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14a,両凹レンズ14b,両凸レンズL14cからなる接合レンズL14を有している。
【0047】
また、第5レンズ群G5は、両凸レンズL15a,両凹レンズL15bからなる接合レンズL15と、両凸レンズL16a,両凹レンズL16bからなる接合レンズL16とを有している。第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL17a,像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17bからなる接合メニスカスレンズL17を有している。第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18b,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなる接合メニスカスレンズL18を有している。なお、図中の番号は物体側からの各レンズ面の番号を示している。
【0048】
このように図1に示した本発明の第1実施例における各レンズの諸元を表3に示す。表中、fは対物レンズの焦点距離を、NAは開口数を、βは結像レンズを用いた際の倍率を、WDは作動距離(すなわち、物体面から第1レンズ群G1までの光軸上の距離)をそれぞれ表している。さらに、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径、第3欄dは各レンズ面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第5欄ndはd線に対する屈折率、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。また、前記条件式(1)〜(4)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。なお、以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
【0049】
【表3】
【0050】
このように第1実施例では、上記条件式(1)〜(4)は全て満たされることが分かる。
【0051】
図2は、第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す図である。各収差図において、NAは開口数を、Yは像高を、dはd線を、CはC線を、FはF線を、gはg線をそれぞれ示している。非点収差図とコマ収差図及び歪曲収差図では、基準光線としてのd線に対する収差を示している。さらに、非点収差図では、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。また、コマ収差(A)では、メリディオナル光線の横収差を示している。コマ収差(B)のうち、右半分はサジダル光線のサジタル方向の横収差を示し、左半分はサジタル光線のメリディオナル方向の横収差を示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
【0052】
図2中の各収差図から明らかなように、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0053】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す図である。図3の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸レンズL21a,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11bからなる結合レンズL21を有している。第2レンズ群G2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22を有している。
【0054】
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23a,両凸レンズ13bからなる接合レンズL23を有している。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL24a,両凹レンズ24b,両凸レンズL24cからなる接合レンズL24を有している。
【0055】
また、第5レンズ群G5は、両凸レンズL25a,両凹レンズL25bからなる接合レンズL25と、両凸レンズL26a,両凹レンズL26bからなる接合レンズL26とを有している。第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL27a,像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17bからなる接合メニスカスレンズL27を有している。第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL28a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL28b,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなる接合メニスカスレンズL28を有している。なお、本実施例において、上記のレンズL26〜L28を補正環としている。
【0056】
このように図3に示した本発明の第2実施例における各レンズの諸元を表4に示す。なお、表中、tはカバーガラスの厚さを表している。
【0057】
【表4】
【0058】
このように第2実施例では、上記条件式(1)〜(4)は全て満たされることが分かる。図4〜6は、第2実施例の諸収差図である。すなわち、図4はカバーガラスが薄い状態(t=0.11000)における諸収差を、図5はカバーガラスの厚さが標準状態(t=0.17000)における諸収差を、図6はカバーガラスの厚さが厚い状態(t=0.18000)における諸収差をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第2実施例では、補正環が効果を発揮し、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、NAが1.2に達するアポクロマート級の倍率が40倍程度で像面湾曲の少ない顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す収差曲線図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。
【図4】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.17mm、標準状態)である。
【図5】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.18mm)である。
【図6】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.11mm)である。
【図7】上記実施例における結像レンズの構成を示す図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
G7 第7レンズ群
L 各レンズ成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用対物レンズに関し、特に、中倍率(40倍程度)でNAが1.2程度のアポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観察に際し、カバーガラスと最も物体側のレンズ面の間の光路を浸液(例えば、水)で満す水浸系対物レンズの方が、浸液を用いない乾燥系対物レンズよりも開口数を大きくできるため解像度が高い。このため、微細物体、特に生体の観察において、水浸系対物レンズは有用である。このような水浸系対物レンズが、特開平10−333044号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この特開平10−333044号公報に開示されている顕微鏡対物レンズは、中倍率(40倍程度)で比較的少ない枚数でアポクロマート級の色消しを実現したレンズであるが、開口数が1.15とやや小さく、解像度についてもやや不満が残り、また、像面湾曲も比較的大きい設計であった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、中倍率(40倍程度)で、像面湾曲が小さく、開口数が1.2に達する、アポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側より順に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7を備え、前記第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、前記第2レンズ群G2は、1枚の正の屈折力を持つレンズからなり、前記第3レンズ群G3は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズからなり、前記第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなり、前記第5レンズ群G5は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズからなり、前記第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、前記第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、蛍光観察用の励起光として365nm程度の紫外光を30%程度以上透過して前記励起光によって標本から発した微弱な蛍光を観察する際に顕微鏡対物レンズ自身から発する蛍光が観察に悪影響を及ぼさないようなガラス選択及びガラス配置がなされ、次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足するように構成されている。
【0006】
【数1】
n1>1.65 (1)
|r1|<2×d1 (2)
ν2P>65,ν3P>65,ν4P>65,ν5P>65 (3)
但し、n1 :第1レンズ群G1の像側レンズの屈折率
r1 :第1レンズ群G1の接合レンズの接合面の曲率半径
d1 :物体から第1レンズ群G1の接合レンズの接合面までの 光軸上の距離
ν#P:第#レンズ群G#中の正レンズのアッベ数
【0007】
上記の顕微鏡対物レンズにおいて、第4レンズ群G4を構成する3枚接合レンズは、2つの接合面がいずれも負の屈折力を持つように構成することが好ましい。
【0008】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第5レンズ群G5を構成する複数の接合レンズは、少なくとも1つにおいて、接合面が正の屈折力を持ち、軸上物点から発される最大NA光線の接合面を通る高さ(すなわち、光軸からの距離)が顕微鏡対物レンズ内の最大光束の75%の高さよりも高い位置を通るように構成することが好ましい。
【0009】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第7レンズ群G7を構成する接合メニスカスレンズは、3枚のレンズを貼り合わせからなるように構成することが好ましい。
【0010】
上記のいずれかに記載されている顕微鏡対物レンズにおいて、第7レンズ群G7を構成する接合メニスカスレンズは、少なくとも3枚以上のレンズからなり、接合面を構成する物体側レンズのd線に対する屈折率をn7A、接合面を構成する像側レンズのd線に対する屈折率をn7Bとしたとき、次の条件式(4)を満足する面を1面以上含むように構成することが好ましい。
【0011】
【数2】
|n7A−n7B|>0.1 (4)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側より順に、第1〜第7レンズ群G1〜G7を備えて構成される。第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、第2レンズ群G2は、1枚の正の屈折力を持つレンズからなり、第3レンズ群G3は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズからなり、第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなり、第5レンズ群G5は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズからなり、第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなる。
【0013】
そして、蛍光観察用の励起光として365nm程度の紫外光を30%程度以上透過して前記励起光によって標本から発した微弱な蛍光を観察する際に顕微鏡対物レンズ自身から発する蛍光が観察に悪影響を及ぼさないようなガラス選択及びガラス配置がなされ、上記の条件式(1)、(2)及び(3)を満足するように構成されている。
【0014】
以下、上記構成を採用した理由について説明する。一般に、顕微鏡対物レンズにおいて、最も物体側に無収差レンズを配し、1枚ではパワー不足の場合は2〜3枚連続した構成を採用している。この構成で得られる正の屈折率は非常に大きく、しかも無収差で得られるため、レンズ設計上欠かせない構成要素となっている。
【0015】
本発明の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、さらに上記の条件式(1)及び(2)を満たすように構成されている。第1レンズ群G1の最も像側の面は比較的小さい曲率を持った面であるが、不遊条件かそれに近い曲率にすることで、球面収差の発生を抑えつつ、大きな正の屈折力を得ることができる。このとき、条件式(1)を満たすような高い屈折率を持つガラスを用いると、収差をできるだけ抑えながらより大きな屈折力を得ることができる。また、このレンズの接合面の曲率を条件式(2)を満たす曲率とすることでペッツバール和をマイナスに導き、像面湾曲の補正を行うことができる。この条件式を満たしているときは、光線が接合面に対して垂直或いはそれに近い角度で入射するので、球面収差の発生を抑えることができる。
【0016】
さらに、本発明は、第2レンズ群G2のアッベ数ν2p、第3レンズ群G3のアッベ数ν3P、第4レンズ群G4のアッベ数ν4P、第5レンズ群G5のアッベ数ν5Pを条件(3)の範囲を満足するように構成されている。このような構成にすることで、色収差の補正を有利に行うことができる。
【0017】
ところで、第1レンズ群G1は、上述したように軸上物点においては無収差であるが、軸外物点に対しては諸収差を増大させる傾向がある。例えば、軸上物点から発した光の収差である球面収差を補正しようとすると、軸外物点から発した光の収差であるコマ収差が増大しやすい。もともと、コマ収差は、開口の開き径によって像位置が主光線像位置(光軸)よりも離れていく現象(すなわち、開口による像倍率のずれ)と見ることができるため、本発明のように高NA(1.2程度)の対物レンズは大きくなりやすい傾向がある。
【0018】
まず、コマ収差のうち、光軸の下側にある物点から発せられる光線(以下、下側コマ光線)にして発生する収差の補正について考える。この下側コマ光線は、第1レンズ群G1において球面収差が補正されていること及び正の屈折力を有することにより、光軸に対して上側にずれてしまう。これに伴い、コマ収差が発生する。
【0019】
このような下側コマ光線に対する収差補正を行うために、負の屈折率を配して、主光線に対するずれを小さくする必要がある。しかしながら、物点から発した光を後続のレンズ群において効率良く且つ収差を極力抑えて収束させるためには、対物レンズ設計上、大きな正の屈折力を物体側に配置しなければならない。
【0020】
そこで、第2レンズ群G2は1枚の正の屈折力を持つレンズから構成され、第3レンズ群G3は負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズから構成されている。このような構成により、第2レンズ群G2及び第3レンズ群が正の屈折力を有しているため、後続のレンズ群にて効率良く収差を抑えて収束光を得るために必要な正の屈折力を確保できる。また、第3レンズ群G3が、その接合面に負の屈折力を有することによって、下側コマ光線に対するコマ収差を良好に補正することができる。
【0021】
第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズから構成されている。このような構成により、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3の正の屈折力と合わせ、上述したように物点から発せられた光を収束光に変換するために必要な正の屈折力を得ることができる。また、2つの接合面を有することにより、色収差(2次分散)の補正を有利に行うことができる。なお、上記の3枚接合レンズに替わり、第4レンズ群G4において、2枚接合レンズを用いることも可能であるが、3枚接合レンズと同様の効果を狙うと、接合面の曲率半径が小さくなるため、製造が難しく製造コスト増につながってしまう。
【0022】
第4レンズ群G4の3枚接合レンズは、2つの接合面がいずれも負の屈折力を持つように構成されることが好ましい。このような構成により、下側コマ光線は光軸に近づけられるため、良好に下側コマ光線に対する収差補正を行うことができる。
【0023】
ところで、第2レンズ〜第4レンズ群G4までは、下側コマ光線に対する収差補正を重視した構成となっている。しかしながら、この構成にすると、高次の球面収差が、極端に正の側に振れてしまう場合がある。
【0024】
そこで、第5レンズ群G5は、第4レンズ群G4までに(ほぼ)平行光束あるいは収束光になった光束中に配置され、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズから構成されている。このような構成により、下側コマ光線に対する収差を補正しつつも、同時に、上記のような高次の球面収差の補正を行うことができる。
【0025】
さらに、効果的に高次の球面収差を負の補正の側に導いて良好に補正するために、第5レンズ群G5の複数の接合レンズは、少なくとも1つにおいて、接合面が正の屈折力を持ち、軸上物点から発される最大NA光線の接合面を通る高さ(すなわち、光軸からの距離)が顕微鏡対物レンズ内の最大光束の75%の高さよりも高い位置を通るように構成することが好ましい。
【0026】
次に、コマ収差のうち、光軸の上側にある物点から発せられる光線(以下、上側コマ光線)にして発生する収差の補正について考える。この上側コマ光線は、第1レンズ群G1において球面収差が補正されていること及び正の屈折力を有することにより、主光線に対して下側にずれてしまう。これに伴い、コマ収差が発生する。
【0027】
そこで、第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズから構成されている。また、第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズから構成されている。これら第6レンズ群G6及び第7レンズ群G7では、接合メニスカスレンズの曲率半径の小さい凹面を互いに向け合う、いわゆるガウス型の構成をとり、本発明のように物体側から最も離れた位置に配置されている。このような構成により、前方のレンズ群により発生した正の大きなペッツバール和を打ち消して、像面湾曲の補正に貢献することができる。
【0028】
ところで、通常の顕微鏡対物レンズでは、最も像側に正の屈折力を持ったアッベ数の小さい硝材とすることで、倍率色収差の補正を行っている。さらに、大きな効果を得るため、このレンズを低屈折率でアッベ数の小さい硝材と高屈折率でアッベ数の小さい硝材とを貼り合せた接合レンズにして、構成レンズ間にて大きな屈折率差を発生させている。
【0029】
しかしながら、本発明の顕微鏡対物レンズのように、蛍光観察を目的とする場合、内部透過率を確保するために使用できる硝材が限定されている。このため、倍率色収差の補正に有効な屈折率差を得るために用いられる、高屈折率でアッベ数の小さい硝材(例えば、屈折率が1.8程度でアッベ数が25程度の硝材)は、蛍光観察に必要な透過率を得ることできないため、本発明においては使用することが難しい。
【0030】
そこで、第7レンズ群G7の接合メニスカスレンズは、3枚のレンズを貼り合わせ、これらのレンズの屈折率を相対的に見て物体側より高・低・高となるように構成することが好ましい。このような構成により、接合メニスカスレンズ内に比較的屈折率差の大きい接合面を2面得ることができるため、収差補正を容易に行うことができる。
【0031】
なお、第7レンズ群G7のレンズ構成を、2枚接合レンズとすることも可能ではあるが、上記のように使用できる硝材が限定されると色収差補正を行うために充分な屈折率を必ずしも得ることができず、収差補正が難しい。
【0032】
また、第7レンズ群G7の接合メニスカスレンズは、少なくとも3枚以上のレンズからなり、接合面が2面以上存在する場合には接合面の位置は特定せず、上記の条件式(4)を満足する面を1面以上含むように構成することが好ましい。
【0033】
条件式(4)は、接合レンズを構成する接合面の屈折率差について適正な範囲を規定している。この条件を満足することで、色収差補正を良好に補正することができるとともに、前方のレンズ群で発生した球面収差と、さらに(第6レンズ群G6及び第7レンズ群G7による)ガウス型の構成を有する対物レンズにおいて発生しやすいコマ収差をともに補正することができる。
【0034】
さて、一般に、顕微鏡対物レンズでは、カバーガラスの厚さの変化に伴い諸収差が変動する。特に、高NAである顕微鏡対物レンズでは、カバーガラス厚さの変化に伴い、球面収差、色収差、コマ収差の変動が大きく発生する。また、水浸系の対物レンズでは、試料を浸す水とカバーガラスとの屈折率差が大きく、カバーガラス厚さの変動による収差変動が大きく発生する。そこで、いわゆる補正環と呼ばれる収差補正機構において補正レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、カバーガラスの厚さ変化に伴う収差変動を補正している。この場合、各レンズ群での収差の発生量を小さく抑えなければ、カバーガラスの厚さ変化により発生する収差変動が大きくなりすぎて、良好な収差補正ができなくなる。
【0035】
そこで、本発明の顕微鏡対物レンズでは、第5レンズ群G5の一部(像側の接合レンズ)と、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7を光軸に沿って移動させることができ、これによりカバーガラスの厚さ変化などに伴う収差変動の補正を行っている。この構成により、カバーガラスの厚さの変化に伴う諸収差の変動、特に球面収差及びコマ収差の変動を小さく抑えることが可能となっている。
【0036】
また、第5レンズ群G5,第6レンズ群G6,第7レンズ群G7は、それぞれ正負のレンズを貼り合わせた接合レンズを有して構成されている。これらの接合レンズは正レンズと負レンズの間で屈折率差を有しており、レンズ自身が発生する収差を小さく抑えることができる。このため、上記のレンズ群の移動により発生する収差を抑えることにつながり、補正環を構成する上でもより効果的である。
【0037】
以上のような構成により、本発明は、中倍率(40倍程度)で、像面湾曲が小さく、開口数が1.2に達する、アポクロマート級の水浸系顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の顕微鏡対物レンズの実施例について、図を用いて説明する。各実施例は、蛍光観察用途として使用できるガラス選択がなされている。
【0039】
また、各実施例において収差特性の算出対象としてd線、C線、F線、g線を選んでおり、これらの波長を下の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
各実施例の顕微鏡対物レンズは、浸液として水を用いた水浸系である。なお、水のd線に対する屈折率は、1.33306であり、水のアッベ数は53.981である。また、各実施例におけるカバーガラスの標準厚さは0.17mmであり、このカバーガラスのd線に対する屈折率は1.52216であり、カバーガラスのアッベ数は58.802である。
【0042】
各実施例の顕微鏡対物レンズは無限遠系補正型であるため、顕微鏡対物レンズの像側に結像レンズ(第2対物レンズ)を配置し、顕微鏡対物レンズと結像レンズとの組み合わせにより有限光学系を形成している。なお、結像レンズの位置には自由度があり、顕微鏡対物レンズの最終面から結像レンズの最も物体側のレンズ面までの距離、すなわち軸上空気空間が50〜180mm程度の範囲において変化しても、収差の変動がほとんどないことを本発明者は検証している。
【0043】
図7は、各実施例における結像レンズの構成を示している。図7に示すように、各実施例における結像レンズは、物体側から順に、両凸レンズL31aと両凹レンズL31bとの接合正レンズG8と、両凸レンズL32aと両凹レンズL32bとの接合正レンズG9とから構成されている。また、表2に、各実施例における結像レンズの諸元値を表2に示す。表中、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径(曲率中心が物体側にあるときは正とする)、第3欄dは各レンズ面から次のレンズ面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第5欄ndは当該レンズのd線に対する屈折率、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。
【0044】
【表2】
【0045】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す図である。図1の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸レンズL11a,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11bからなる結合レンズL11を有している。第2レンズ群G2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12を有している。
【0046】
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13a,両凸レンズ13bからなる接合レンズL13を有している。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL14a,両凹レンズ14b,両凸レンズL14cからなる接合レンズL14を有している。
【0047】
また、第5レンズ群G5は、両凸レンズL15a,両凹レンズL15bからなる接合レンズL15と、両凸レンズL16a,両凹レンズL16bからなる接合レンズL16とを有している。第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL17a,像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17bからなる接合メニスカスレンズL17を有している。第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18b,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなる接合メニスカスレンズL18を有している。なお、図中の番号は物体側からの各レンズ面の番号を示している。
【0048】
このように図1に示した本発明の第1実施例における各レンズの諸元を表3に示す。表中、fは対物レンズの焦点距離を、NAは開口数を、βは結像レンズを用いた際の倍率を、WDは作動距離(すなわち、物体面から第1レンズ群G1までの光軸上の距離)をそれぞれ表している。さらに、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径、第3欄dは各レンズ面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第5欄ndはd線に対する屈折率、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。また、前記条件式(1)〜(4)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。なお、以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
【0049】
【表3】
【0050】
このように第1実施例では、上記条件式(1)〜(4)は全て満たされることが分かる。
【0051】
図2は、第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す図である。各収差図において、NAは開口数を、Yは像高を、dはd線を、CはC線を、FはF線を、gはg線をそれぞれ示している。非点収差図とコマ収差図及び歪曲収差図では、基準光線としてのd線に対する収差を示している。さらに、非点収差図では、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。また、コマ収差(A)では、メリディオナル光線の横収差を示している。コマ収差(B)のうち、右半分はサジダル光線のサジタル方向の横収差を示し、左半分はサジタル光線のメリディオナル方向の横収差を示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
【0052】
図2中の各収差図から明らかなように、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0053】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す図である。図3の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸レンズL21a,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11bからなる結合レンズL21を有している。第2レンズ群G2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22を有している。
【0054】
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23a,両凸レンズ13bからなる接合レンズL23を有している。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL24a,両凹レンズ24b,両凸レンズL24cからなる接合レンズL24を有している。
【0055】
また、第5レンズ群G5は、両凸レンズL25a,両凹レンズL25bからなる接合レンズL25と、両凸レンズL26a,両凹レンズL26bからなる接合レンズL26とを有している。第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL27a,像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17bからなる接合メニスカスレンズL27を有している。第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL28a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL28b,物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなる接合メニスカスレンズL28を有している。なお、本実施例において、上記のレンズL26〜L28を補正環としている。
【0056】
このように図3に示した本発明の第2実施例における各レンズの諸元を表4に示す。なお、表中、tはカバーガラスの厚さを表している。
【0057】
【表4】
【0058】
このように第2実施例では、上記条件式(1)〜(4)は全て満たされることが分かる。図4〜6は、第2実施例の諸収差図である。すなわち、図4はカバーガラスが薄い状態(t=0.11000)における諸収差を、図5はカバーガラスの厚さが標準状態(t=0.17000)における諸収差を、図6はカバーガラスの厚さが厚い状態(t=0.18000)における諸収差をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第2実施例では、補正環が効果を発揮し、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、NAが1.2に達するアポクロマート級の倍率が40倍程度で像面湾曲の少ない顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す収差曲線図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。
【図4】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.17mm、標準状態)である。
【図5】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.18mm)である。
【図6】第2実施例の収差曲線図(但し、カバーガラス厚0.11mm)である。
【図7】上記実施例における結像レンズの構成を示す図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
G7 第7レンズ群
L 各レンズ成分
Claims (5)
- 物体側より順に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7を備え、
前記第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた正の屈折力を持つメニスカスレンズとを貼り合わせた接合レンズからなり、
前記第2レンズ群G2は、1枚の正の屈折力を持つレンズからなり、
前記第3レンズ群G3は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせ、接合面が負の屈折力を持ち、全体として正の屈折力を持つ接合レンズからなり、
前記第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を持つ3枚接合レンズからなり、
前記第5レンズ群G5は、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを貼り合わせた複数の接合レンズからなり、
前記第6レンズ群G6は、像側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、
前記第7レンズ群G7は、物体側に強い凹面を向けた正負レンズを貼り合わせた接合メニスカスレンズからなり、
蛍光観察用の励起光として365nm程度の紫外光を30%程度以上透過して前記励起光によって標本から発した微弱な蛍光を観察する際に顕微鏡対物レンズ自身から発する蛍光が観察に悪影響を及ぼさないようなガラス選択及びガラス配置がなされ、次の条件式
n1>1.65 (1)
|r1|<2×d1 (2)
ν2P>65,ν3P>65,ν4P>65,ν5P>65 (3)
但し、n1は前記第1レンズ群G1の像側レンズの屈折率,
r1は前記第1レンズ群G1の前記接合レンズの接合面の曲率半径,
d1は物体から前記第1レンズ群G1の前記接合レンズの接合面までの光軸上の距離,
ν#Pは第#レンズ群G#中の正レンズのアッベ数
を満足するように構成されていることを特徴とする水浸系顕微鏡対物レンズ。 - 前記第4レンズ群G4を構成する前記3枚接合レンズは、2つの接合面がいずれも負の屈折力を持つことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
- 前記第5レンズ群G5を構成する前記複数の接合レンズは、少なくとも1つにおいて、接合面が正の屈折力を持ち、軸上物点から発される最大NA光線の前記接合面を通る高さが前記顕微鏡対物レンズ内の最大光束の75%の高さよりも高い位置を通ることを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡対物レンズ。
- 前記第7レンズ群G7を構成する前記接合メニスカスレンズは、3枚のレンズを貼り合わせからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズ。
- 前記第7レンズ群G7を構成する前記接合メニスカスレンズは、少なくとも3枚以上のレンズからなり、
前記接合面を構成する物体側レンズのd線に対する屈折率をn7A、前記接合面を構成する像側レンズのd線に対する屈折率をn7Bとしたとき、条件式
|n7A−n7B|>0.1 (4)
を満足する面を1面以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズ。
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JP2002180785A JP2004029067A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 顕微鏡対物レンズ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012143771A (ja) * | 2011-01-11 | 2012-08-02 | Higashiyama Toru | フェムト秒レーザー加工機 |
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CN110612468A (zh) * | 2017-05-11 | 2019-12-24 | 株式会社尼康 | 物镜、光学系统及显微镜 |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002180785A patent/JP2004029067A/ja active Pending
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