JP2004028570A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体21の上面に設けられ被加熱物が載置されるトッププレート25と、本体21内にトッププレート25の下面側に位置して設けられた加熱手段と、本体21の前面の操作パネル37に回動操作及び軸方向操作可能に設けられた操作つまみ43〜45と、この操作つまみ43〜45に対応してロータリーエンコーダ49が設けられていることを特徴とする加熱調理器。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トッププレートを備えた加熱調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この種の加熱調理器の従来構成を図8に示す。この図8において、加熱調理器の本体1は、上ユニット2と下ユニット3とから構成される。このうち上ユニット2は、図示しないケースの上面部に耐熱ガラス製のトッププレート4を設けると共に、前記ケース内に、左右2か所に位置して誘導加熱コイルを配設し、中央後部に位置してコイルヒータを配設して構成されている。これにて、トッププレート4上に、左右2か所の誘導加熱部5,6とヒータ加熱部7とが設けられている。一方、下ユニット3は、図示しないケース内に、左側に位置してシーズヒータを熱源とするロースター8を備えている。そして、下ユニット3の前面に前記ロースター8の右側に位置して設けられた操作パネル9を操作することにより、前記加熱部5,6,7やロースター8のオン,オフを切換えたり、出力(火力)を調節するように構成されている。
【0003】
ところで、前記操作パネル9には、図9に示すように、各加熱部5,6,7及びロースター8に対応して設けられたオン,オフキー10、出力(火力)調節キー11、表示部12の他、電源スイッチ13、タイマー設定キー14等が集約的に設けられている。前記表示部12は、点灯数にて火力を示す複数個のLED15から構成され、出力調節キー11の操作に応じた表示がなされるように構成されている。従って、加熱調理を実行する際には、使用者は、表示部12を見ながら出力調節キー11を操作することにより、対応する加熱部5,6,7等を所望の火力に設定することができる。
【0004】
しかし、上記従来構成の加熱調理器においては、出力調節キー11や表示部12等を集約的に操作パネル9に設ける構成であるため、個々の表示部12やキー10,11をさほど大きくすることができない事情があると共に、各加熱部5,6,7とキーとの対応関係が判りにくく、キー操作がやり難いという問題があった。
【0005】
また、従来の加熱調理器においては、オン・オフキー10の1回のオン操作により、対応する加熱部5,6,7が所定の出力で加熱動作を開始する構成となっている。そのため、使用者が誤って、或いは子供のいたずらでオン・オフキー10が押圧操作されてしまった場合に、意図せず加熱動作が開始されてしまうおそれがあるため、安全面でのさらなる改善が望まれていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、操作パネルにおける加熱手段の加熱開始操作や出力調節操作の操作性の向上を図ることができる加熱調理器を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の加熱調理器は、本体の上面に設けられ被加熱物が載置されるトッププレートと、前記本体内に前記トッププレートの下面側に位置して設けられた加熱手段と、前記本体の前面の操作パネルに回動操作及び軸方向操作可能に設けられた操作つまみと、この操作つまみに対応してロータリーエンコーダとを具備するところに特徴を有する(請求項1の発明)。
このような構成によれば、使用者は、操作つまみを操作する毎に姿勢をかがめて位置を確認することなく、使用する加熱部に対応する操作つまみを操作することができる。
【0008】
そして、請求項1記載のものにおいて、操作つまみの回動量に応じて加熱出力を調節可能とし、加熱出力をトッププレートに表示する表示部を備えたことを特徴とする(請求項2の発明)。
このような構成によれば、使用者は、操作つまみを操作する毎に姿勢をかがめることなく表示部で出力を確認しながら、使用する加熱部に対応する操作つまみを操作することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をシステムキッチンに組込まれる組込み式の加熱調理器に適用した一実施例について、図1ないし図7を参照しながら説明する。
【0010】
まず、図1は、本発明にかかる加熱調理器の本体21を、キッチンの調理台22に組込んだ状態を示している。前記本体21は、前記調理台22に上方から嵌込まれる上ユニット23と、この上ユニット23の下部に位置し調理台22に前面側から嵌込まれる下ユニット24とから構成される。
【0011】
前記上ユニット23は、上面が開口した矩形箱状のケース(図示せず)内に、例えば3つの加熱手段を配設すると共に、その上面開口部に、図示しない鍋等の被加熱物が載置される耐熱ガラス製のトッププレート25を設けて構成されている。このトッププレート25は、金属製のフレーム25aを介して前記ケースに取り付けられるようになっており、また、このフレーム25aによって、上ユニット23が調理台22の上面部に支持されるようになっている。
【0012】
この場合、詳しくは図示しないが、前記加熱手段は、ケース内の左右部位に位置して設けられた誘導加熱コイル26,27(図4にのみ図示)と、中央後部に位置して設けられたラジエントヒータ(コイルヒータ)28(図4にのみ図示)とから構成されている。前記誘導加熱コイル26,27のうち、左側の誘導加熱コイル26は、最大出力が例えば3kWに構成され、右側の誘導加熱コイル27は、最大出力が例えば2kWに構成されている。また、ラジエントヒータ28の最大出力は1.2kWとされている。
【0013】
これにて、図3に示すように、前記トッププレート25上には、左側に位置する最大出力3kWの誘導加熱部29と、右側に位置する最大出力2kWの誘導加熱部30との出力の互いに異なる2つの誘導加熱部が設けられている。さらに、中央後部に位置して最大出力1.2kWのヒータ加熱部31が設けられている。尚、トッププレート25上には、加熱部29〜31(被加熱物を載置する位置)を示すための円が印刷されている。そして、誘導加熱部29,30においては、円の内部に「IH」の文字と共に最大出力が印刷され、ヒータ加熱部31においては、円の内部に「高温注意」の文字と共に最大出力が印刷されている。
【0014】
このとき、図3に示すように、トッププレート25には、手前側の辺部に沿って、左から順に左表示部32,中表示部33,右表示部34が設けられている。これら表示部32〜34は、各加熱部29,31,30に対応して設けられ、後述するように火力などを表示するようになっている。また、トッププレート25の手前側中央部(中表示部33の後側)には、トッププレート25が高温であることをランプの点灯或いは点滅により使用者に報知するための高温注意表示部35が設けられている。
【0015】
一方、前記下ユニット24は、左側に位置してシーズヒータを熱源とするロースター36を備えて構成されている。また、下ユニット24の前面には、前記ロースター36の右側に隣接して操作パネル37が設けられている。さらに、前記下ユニット24内には、前記操作パネル37の奥側に位置して、制御手段たる制御回路38(図4にのみ図示)が設けられている。この制御回路38の構成については後述する。
【0016】
さて、前記操作パネル37には、各種スイッチや各種キーなどが配置されており、以下、この操作パネル37の構成について詳述する。図2は、操作パネル37の正面図を示しており、同図に示すように、操作パネル37の上部には、電源スイッチ39、天ぷらキー40,ロースターキー41、タイマーキー42が右から順に並んで設けられている。
【0017】
また、操作パネル37の中央部から下部にかけて、3個の操作つまみとしてのダイヤル43〜45が左から順に並んで設けられている。これらダイヤル43〜45は、手で摘んで回動させるのに適当な大きさ、例えば直径40mm程度に形成されている。これらダイヤル43〜45のうち、左側のダイヤル43は、左側の誘導加熱部29に対応して設けられ、右側のダイヤル45は右側の誘導加熱部30に対応して設けられている。また、中央のダイヤル44は、中央のヒータ加熱部31に対応していると共に、前記ロースターキー41のオン操作によりロースター36の操作つまみを兼用するように構成されている。
【0018】
次に、前記ダイヤル43〜45の構成を、左側のダイヤル43を代表させて説明する。図5は、ダイヤル43周辺の構成を示した図で、この図5に示すように、ダイヤル43は操作パネル37の円形孔37aに円筒部46を裏面側から挿通することにより構成されている。円筒部46は、図示しないプッシュロック機構により、押圧操作する毎に操作パネル37と面一になる収納位置(図5(a)に示す位置)と、前方に突出する突出位置(図5(b)に示す位置)との間で出没変位可能に構成されている。また、ダイヤル43は、円筒部46が突出位置にあるとき、軸部47を中心に時計回り及び反時計回りの回動操作が可能に構成されている。
【0019】
そして、操作パネル37の裏面側には、マイクロスイッチ48が設けられている。このマイクロスイッチ48は、そのアクチュエータ48aの先端部がダイヤル43の円筒部46の背面に当接されている。これにて、図5(a)に示すように、ダイヤル43が収納位置にあるときには、マイクロスイッチ48がオフし、ダイヤル43が突出位置にあるときには、図5(b)に示すようにマイクロスイッチ48がオンするように構成されている。この場合、マイクロスイッチ48のオン,オフ信号は、後述するように、前記制御回路38に入力されるように構成されている。
【0020】
さらに、操作パネル37の裏面側には、ダイヤル43に対応してロータリーエンコーダ49が設けられている。このロータリーエンコーダ49は、円筒部46の軸部47に連結されており、ダイヤル43(円筒部46)が突出位置にあるときの該ダイヤル43の回動操作方向及び回動量に応じたパルス信号を前記制御回路38に出力するように構成されている。これにより、対応する誘導加熱部29の加熱動作を開始すると共に、加熱出力を調節するための機能を果たすようになっている。
【0021】
図6は、上記ロータリーエンコーダ49からの出力信号の一例を示す図である。例えば、ダイヤル43が時計回りに回動されたときには、図6(a)に示すように、端子Aからパルス信号が出力された後、一定時間(T0)遅れて端子Bからパルス信号が出力される。一方、ダイヤル43が反時計回りに回動されたときには、端子Bからパルス信号が出力された後、一定時間(T0)遅れて端子Aからパルス信号が出力される。
【0022】
そして、ロータリーエンコーダ49の端子A及び端子Bは、図4に示すように、制御回路38に接続されている。これにより、制御回路38は、端子A及びBから出力されるパルス信号の位相に基づいてダイヤル43の回転方向を検出すると共に、パルス数に基づいてダイヤル43の回動量を検出するように構成されている。
【0023】
尚、ダイヤル44及び45についても、上記ダイヤル43と同等の構成とされている。従って、図4に示すように、ダイヤル44には、マイクロスイッチ50及びロータリーエンコーダ51が、ダイヤル45には、マイクロスイッチ52及びロータリーエンコーダ53が、それぞれ対応して設けられており、前記制御回路38に接続されている。
【0024】
制御回路38は、マイクロコンピュータ等を含んで構成され、各加熱部29〜31及びロースター36の熱源を制御して加熱調理を実行するためのプログラムが予め記憶されている。この制御回路38には、直流電源回路57を介して交流電源58が接続されており、常時、電源が供給されている。また、前記直流電源回路57は、マイクロスイッチ48,50,51の一方の端子並びにロータリーエンコーダー49,51,53の端子Cに接続されている。更に、前記制御回路57には、ラジエントヒータ28、ロースター36(シーズヒータ)、誘導加熱コイル26,27が駆動回路54を介して接続されている。駆動回路54には、電源スイッチ39を介して前記交流電源58が接続されている。この電源スイッチ39は、モニタ回路59を介して制御回路38に接続されており、制御回路38は電源スイッチ39のオンオフ操作をモニタしている。また、制御回路38は、前記表示部32〜34及び高温注意表示部35等の表示全般(図4において、表示装置55にて示す)を制御するように構成されている。
【0025】
ここで、左側の誘導加熱部29は、出力を「1〜6」及び「強」の7段階に調節することができる。そして、図3に示すように、左表示部32は、「1〜6」及び「強」の文字及びそれらに対応する7個のLED32aを備え、現在の出力をLED32aの点灯により表示するようになっている。また、右側の誘導加熱部30は、出力を「1〜6」の6段階に調節することができ、右表示部33は、「1〜6」の文字及びそれらに対応する6個のLED33aを備え、現在の出力をLED33aの点灯により表示するようになっている。このとき、左側の誘導加熱部29の出力と右側の誘導加熱部30の出力とは、レベルの数字が同じであれば同等の出力となるように設定されている。従って、例えば出力レベル「6」の場合には、どちらの加熱部29,30においても2kW出力とされる。
【0026】
そして、誘導加熱部29,30においては、ダイヤル43,45が収納位置から突出位置に変位されたとき、制御回路38は、マイクロスイッチ48,52からオン信号が入力されることに応じて、誘導加熱部29,30を加熱開始準備状態にするように構成されている。このとき、対応する表示部32の7個のLED32a及び表示部34の6個のLED34aは点滅するように構成されている。ここで、加熱開始準備状態とは、ダイヤル43,45が回動操作されることにより初めて加熱が開始される状態をいい、誘導加熱コイル26,27は非通電状態にある。
【0027】
また、誘導加熱部29,30が加熱開始準備状態とされた後、ダイヤル43,45が例えば30°程度回動操作されることに応じて、制御回路38は、予め設定された加熱出力、例えば出力「5」で誘導加熱コイル26,27の加熱動作を開始するように構成されている。尚、この場合、ダイヤル43,45が時計回りまたは反時計回り方向のいずれの方向に回動操作された場合でも、加熱動作は開始される。このとき、誘導加熱コイル26,27の出力は、加熱動作が開始された後、更にダイヤル43,45が回動操作されることにより切換えることができる。
【0028】
更に、詳しい説明は省略するが、右側の誘導加熱部30は、前記天ぷらキー40の操作により、被加熱物の温度検知に基づいて被加熱物を設定温度にコントロールするように誘導加熱コイル26を制御する「天ぷら調理モード」の実行が可能とされている。そのため、右表示部34には、天ぷらモード表示ランプ56が設けられていると共に、「2」,「4」,「6」のLED34aが160℃,180℃,200℃の設定温度表示を兼ねている。
【0029】
一方、ヒータ加熱部31は、出力を「強」,「中」,「弱」の3段階に調節することができ、中表示部33には、「強」,「中」,「弱」の文字及びそれらに対応する3個のLED33aを備え、現在の出力をLED33aの点灯により表示するようになっている。そして、ヒータ加熱部31においては、ダイヤル44が押圧操作されて収納位置から突出位置に変位されたとき、制御回路38は、マイクロスイッチ50からオン信号が入力されることに応じて、コイルヒータ28を加熱開始準備状態とするように構成されている。
【0030】
そして、この場合も、ヒータ加熱部31が加熱開始準備状態とされた後、ダイヤル44が例えば30°程度回動操作されることに応じて、制御回路38は、予め設定された加熱出力、例えば出力「中」でコイルヒータ28の加熱動作を開始し、その後のダイヤル44の回動操作により出力を切換えることができるように構成されている。
【0031】
尚、各加熱部29〜31においては、ダイヤル43〜45が突出位置から収納位置に変位されたとき、制御回路38は、マイクロスイッチ48,50,52からオフ信号が入力されることに応じて、各加熱部29〜31の加熱出力を「零」即ち、加熱動作を停止するように構成されている。
【0032】
また、各加熱部29〜31においては、ダイヤル43〜45が突出位置にある状態で電源スイッチ39がオフからオンに切換えられた場合には、制御回路38は、ダイヤル43〜45が一旦、収納位置に戻された上で、再び突出位置に切換えられたときにのみ、各加熱部29〜31を加熱開始準備状態とするように構成されている。
【0033】
これに対して、ロースター36は、出力を「強」,「中」,「弱」の3段階に調節することができ、ロースターキー41には、「強」,「中」,「弱」の文字及びそれらに対応する3個のLED41aを備え、現在の出力をLED41aの点灯により表示するようになっている。そして、ロースター36のオン,オフ操作及び出力調節は、ロースターキー41の押圧状態にてダイヤル44の操作により行われるように構成されている。
【0034】
このとき、ダイヤル44が収納位置から突出位置に変位されると、制御回路38は、出力「中」でロースター36の動作を開始し、ダイヤル44の回動操作により出力調節が行われる。これは、ヒータ加熱部31と異なり、ロースター36の熱が外部に及ぼす影響が小さいため、誤動作による危険性が少ないからである。そして、この場合は、ダイヤル44の回動操作により、ロースター36の出力を「零」にする、言換えると、加熱動作を停止させることが可能となっている。
【0035】
即ち、中央のダイヤル44は、軸方向操作により加熱出力を零とする第1の態様と、回動操作により加熱出力を零とする第2の態様とに使い分け可能に構成されている。そして、第1の態様は、ヒータ加熱部31における加熱調理時の態様であり、第2の態様は、ロースタ36による加熱調理の態様となっている。尚、ロースターキー41が押圧状態にあるとき、ロースターキー41部分が点灯して、ダイヤル44がロースター36用の操作手段として機能していることを表示するように構成されている。
【0036】
次に、本実施例の作用について、図7も参照して説明する。図7のフローチャートは、誘導加熱調理及びヒータ加熱調理における動作手順を示している。誘導加熱調理を行う場合には、使用者は、左右の誘導加熱部29,30のうちいずれかに、鍋などの被加熱物を載置する。ここでは、比較的強い火力が必要な加熱調理を行うために、最大出力が3kWの左側の誘導加熱部29を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0037】
まず、使用者は、左側の誘導加熱部29に対応するダイヤル43の位置を確認し、ダイヤル43を押圧操作して収納位置から突出位置に切換える(ステップS1にてYes)。これにより、左側の誘導加熱部29は、加熱開始準備状態となり、トッププレート25上の左表示部32の7個のLED32aが点滅する(ステップS2)。続いて、ダイヤル43が回動操作されると(ステップS3にてYes)、誘導加熱部29は、出力「5」で加熱動作を開始し、これと共に、左表示部32のLED32aが点灯して、出力が「5」であることを表示する(ステップS4)。
【0038】
このとき、出力を変更する場合には、更にダイヤル43を回動操作する(ステップS5にてYes)。即ち、さらに強い火力が必要な場合には、左表示部32の表示を見ながらダイヤル43を時計回り方向に回動操作して出力を上げる。また、出力を弱めるためには、ダイヤル43を反時計回り方向に回動操作して出力を下げる。すると、誘導加熱部29は、変更された出力にて加熱動作を実行する(ステップS6,ステップS7)。これに対して、ダイヤル43の回動操作がなされない場合には、誘導加熱部29は、出力「5」のまま加熱動作を実行する(ステップS5にてNo、ステップS7)。
そして、調理が終了した場合には、ダイヤル43を押圧操作して収納位置にすることにより、誘導加熱部29における加熱動作が停止される(ステップS8にてYes,ステップS9)。
【0039】
一方、ヒータ加熱調理を行う場合は、使用者は、ヒータ加熱部31上に被加熱物を載置し、ヒータ加熱部31に対応するダイヤル44を押圧操作して収納位置から突出位置に切換える(ステップS1)。この結果、ヒータ加熱部31は加熱開始準備状態となり、高温注意表示部35が点灯する(ステップS2)。そして、使用者によりダイヤル44が回動操作されると、ヒータ加熱部31は出力「中」で加熱動作を開始する(ステップS3にてYes、ステップS4)。その後、ダイヤル44を回動操作することにより、出力が変更され(ステップS5にてYes、ステップS6)、ヒータ加熱部31は、変更された出力にて加熱動作を実行する(ステップS7)。また、加熱調理が終了した場合には、ダイヤル44を押圧操作して収納位置にすることにより、ヒータ加熱部31における加熱動作が停止される(ステップS8にてYes,ステップS9)。
【0040】
これに対して、ロースター36を使用する場合、使用者は、ロースター36内に魚等の被加熱物を収容すると共に、ロースターキー41を押圧操作する。そして、この場合は、ダイヤル44を押圧操作して突出位置に変位させると、ロースター36は、出力「中」で加熱動作を開始する。これと共に、ロースターキー41に設けられたLED41aを点灯して、出力が「中」であることを表示する。そして、ダイヤル44を回動操作することにより出力を切換えたり、或いは、加熱動作を停止することができる。尚、ダイヤル44を回動操作して加熱動作を停止した場合は、ダイヤル44を押圧操作して一旦、収納位置に戻した上で、再び突出位置に切換えることによりヒータ加熱部31における加熱動作を開始することができる。
【0041】
このような構成の本実施例によれば、各加熱部29〜31の現在の出力を表示する表示部32〜34をトッププレート25に配置して、操作パネル37におけるダイヤル43〜45を設けるスペースを大きくした。そして、ダイヤル43〜45を操作することにより各加熱部29〜31の加熱動作を開始させたり出力を調節したりできるように構成した。従って、操作パネル37に配設されるダイヤルの数を少なくコンパクトにまとめることができると共に、個々のダイヤル43〜45の形状を使用者が操作しやすい大きさに設計することができるので、より一層、操作性が向上する。
【0042】
また、ダイヤル43〜45を大きく設計したことにより、使用者は、ダイヤル43〜45を操作する毎に姿勢をかがめて位置を確認することなく、使用する加熱部に対応するダイヤル43〜45を操作することができる。更には、表示部32〜34を見ながらダイヤル43〜45を操作する場合であっても、ダイヤル43〜45の誤操作を極力防止できるという効果が得られる。
【0043】
更に、ダイヤル43〜45を突出位置から収納位置に切換えると、まず、各加熱部29〜31は加熱開始準備状態となり、その後のダイヤル43〜45の回動操作により加熱動作が開始されるように構成した。即ち、ダイヤル43〜45の軸方向操作と回動操作という2段階の操作が行われなければ加熱動作が開始されないので、誤操作により加熱動作が開始されてしまうという事態を極力回避でき、安全性の一層の向上を図ることができる。
【0044】
更にまた、本実施例においては、ダイヤル43〜45を収納位置を突出位置との間を出没変位可能に構成した。そのため、ダイヤル43〜45が収納位置にあるか突出位置にあるかにより各加熱部29〜31が加熱開始準備状態にあるか否かを簡単に確認することができる。しかも、ダイヤル43〜45を収納位置にすると、ダイヤル43〜45と操作パネル37とを面一にすることができるので、掃除の際にダイヤル43〜45が邪魔にならず、清掃性が向上する。
【0045】
また、各加熱部29〜31においては、加熱開始準備状態にされた後のダイヤル43〜45の回動操作により、所定の出力で加熱動作が開始されるように構成した。しかも、ある程度、誘導加熱部29,30においては、加熱が進むまでは比較的強い火力で調理を行う調理方法が多いことに考慮して、所定の出力を比較的高い出力「5」とした。また、ヒータ加熱部31においては、出力の調節範囲が3段階であることから、中間の出力「中」とした。そのため、出力調節のための操作を極力減らすことができるので、使い勝手が良くなる。
【0046】
更に、本実施例では、各加熱部29〜31が加熱開始準備状態にあるとき、ダイヤル43〜45が時計回り或いは反時計回り方向のいずれの方向に回動操作された場合でも加熱動作が開始されるように構成した。そのため、ガス調理器あるいは電気調理器のいずれを使い慣れた使用者であっても、違和感なく操作することができる。
【0047】
更にまた、各加熱部29〜31においては、ダイヤル43〜45が突出位置から収納位置に変位されたとき、加熱動作を停止するように構成した。そのため、例えば出力を弱めるためにダイヤルを回動し過ぎても、加熱動作が停止する(言換えると、出力が「零」になる)ことがないので、最小出力の設定が容易になる。特に、本実施例では、ダイヤル43〜45を収納位置から突出位置に切換え、更に、回動操作するという2段階の操作により加熱動作が開始される。そのため、誤って加熱動作を停止してしまった場合に、再び加熱動作を開始させるための操作が面倒である。しかし、上記したように、ダイヤル43〜45の回動操作により加熱動作が停止されることがないので、操作性が向上する。
【0048】
また、ダイヤル44においては、ロースタキー41の押圧操作によりヒータ加熱部31の操作手段と、ロースター36の操作手段とに切換えられるように構成したので、それぞれ別個に操作手段を設ける場合と比べてダイヤルの数を減らすことができる。そして、ダイヤル44がロースター36用の操作手段として機能する場合にはその旨が表示されるため、使用者は、ダイヤル44の状態を視覚的に確認することができる。
【0049】
そして、ダイヤル44がロースター36用の操作手段として機能する場合には、ダイヤル44を突出位置から収納位置に変位させた場合でも、或いは、ダイヤル44を回動操作した場合でも加熱動作を停止することができるように構成した。これは、上記した各加熱部29〜31と異なり、ロースター36においては、加熱動作を開始させるための操作が比較的簡単であるため、緊急時でもすぐに加熱動作を停止し易いように複数の方法で加熱動作を停止することができるようにしたためである。これにより、安全性が向上するという効果が得られる。
【0050】
しかも、本実施例では、ダイヤル43〜45が突出位置にある状態で電源スイッチ39がオフからオンに切換えられた場合には、ダイヤル43〜45が一旦、収納位置に戻された上で、再び突出位置に切換えられたときにのみ、各加熱部29〜31が加熱開始準備状態となるように構成した。言換えると、ダイヤル43〜45を突出位置としたまま電源スイッチ39をオンオフ操作しても、加熱部29〜31を加熱開始準備状態としたり、その状態を解除したりすることはできない。そのため、本実施例において、電源スイッチ39のオンオフ操作とは別に、ダイヤル43〜45を軸方向操作及び回動操作しなければ加熱部29〜31の加熱動作が開始されない構成とすることにより安全性の向上を図るという効果が薄れることはない。
【0051】
尚、上記実施例においては、ダイヤル43〜45を収納位置から突出位置に変位させ、加熱開始準備状態とした後の該ダイヤル43〜45の回動操作により加熱動作が開始されるように構成したが、例えば、ダイヤル43〜45の回動操作が、加熱開始準備状態とされてから所定時間経過後、例えば、2秒経過後に行われたときのみ、加熱動作を開始させるように構成しても良い。このような構成によれば、ダイヤル43〜45を収納位置から突出位置に変位させたときに、はずみでダイヤル43〜45が回動してしまった場合でも、加熱動作が開始されることがないため、使用者が意図せずに加熱動作が開始されることを防止できる。
【0052】
また、ダイヤル43〜45が収納位置から突出位置に変位され、各加熱部29〜31が加熱開始準備状態とされてから所定時間、例えば1分間経過するまでの間にダイヤル43〜45が回動操作された場合にのみ、加熱動作を開始するように構成することも良い構成である。このような構成によれば、ダイヤル43〜45が誤って操作されて加熱部29〜31が加熱開始準備状態とされた場合に、所定時間経過後はダイヤル43〜45が回動操作されても加熱動作は禁止されるので、安全性が向上する。
【0053】
そして、加熱開始準備状態にされてから1分間経過した場合には、ダイヤル43〜45を収納位置に戻した後、再び突出位置に変位させることにより加熱部29〜31が加熱開始準備状態となるように構成すると良い。このような構成によれば、加熱動作を開始することができない状態を、ダイヤル43〜45を操作することによりリセットすることができるので、別にリセットキーを設ける場合に比して、構成をコンパクトにまとめることができる。
【0054】
更にまた、上記実施例においては、加熱部29〜31が加熱開始準備状態にあるときにダイヤル43〜45を回動操作すると、予め設定された出力で加熱動作が開始されるように構成したが、これに代えて、最後に使用された出力で加熱動作が開始されるようにしても良い。
【0055】
尚、上記実施例においては、ダイヤル43〜45を収納位置から突出位置に出没変位可能に構成したが、これに代えて、次のように構成することも可能である。即ち、例えば外筒部と、この外筒部内に嵌り込む押圧部とからダイヤルを構成する。この場合、外筒部は回動操作可能に設けられ、押圧部は押圧操作(軸方向操作)可能に設けられている。
【0056】
そして、各加熱部29〜31がオフ状態にあるとき、前記押圧部を押圧操作することにより、各加熱部29〜31は加熱開始準備状態とされ、その後、外筒部が回動操作されることにより加熱動作が開始されるように構成されている。このような構成によれば、加熱部29〜31の非使用時にダイヤルを収納することはできないが、簡単な構成で済ませるという効果が得られる。
【0057】
尚、本発明の加熱調理器は誘導加熱コイルやラジエントヒータに限らず、ハロゲンランプヒータなどを採用しても良く、また、一定の加熱出力で加熱動作が実行される(言換えると、加熱出力を変更することができない)タイプのものでも良く、更に、表示手段はトッププレートを囲むフレーム部分に設けても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本体の前面の操作パネルに、該操作パネルと面一となる収納位置と前方に突出する突出位置との間で出没変位可能に設けられた操作つまみと、この操作つまみが収納位置から突出位置に切換えられることに基づいて前記加熱手段を加熱開始準備状態となる制御手段を具備しているので、操作パネルにおける操作性の向上を図ることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、加熱調理器の本体を調理台に組み込んだ様子を遠近法を用いて示す図
【図2】操作パネルの正面図
【図3】加熱調理器の本体の平面図
【図4】電気的構成を示すブロック図
【図5】ダイヤルが収納位置(a)及び突出位置(b)にあるときの側面図を示す
【図6】ロータリーエンコーダから出力される信号のうち、ダイヤルが時計回りに回動操作されたときの信号(a)及びダイヤルが反時計回りに回動操作された時の信号(b)を示す
【図7】加熱調理における制御手順を示すフローチャートチャート
【図8】従来例を示し、加熱調理器が調理台に組込まれた様子を示す斜視図
【図9】図2相当図
【符号の説明】
21は本体、25はトッププレート、26,27は誘導加熱コイル(加熱手段)、28はラジエントヒータ(加熱手段)、36はロースター(加熱手段)、37は操作パネル、38は制御回路(制御手段)、39は電源スイッチ、43,44,45はダイヤル(操作つまみ)を示す。
Claims (2)
- 本体の上面に設けられ被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記本体内に前記トッププレートの下面側に位置して設けられた加熱手段と、前記本体の前面の操作パネルに回動操作及び軸方向操作可能に設けられた操作つまみと、
この操作つまみに対応してロータリーエンコーダが設けられていることを特徴とする加熱調理器。 - 操作つまみの回動量に応じて加熱出力を調節可能とし、加熱出力をトッププレートに表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
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- 2003-06-11 JP JP2003166927A patent/JP2004028570A/ja active Pending
Cited By (4)
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