JP2004028347A - 既設管切断工法、既設管切削工法および不断水バルブ挿入工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の切断工法は、まず、既設管1の一部を、密閉ケース2によって気密状態で囲撓すると共に、複数の切レ刃30cを有する切削工具30を、前記密閉ケース2に取り付けた状態で該密閉ケース内に収容する。ついで、前記切削工具30を原動機の動力で回転させて前記既設管1を切削しつつ、前記切削工具30を前記既設管1の中心に向って送ると共に、前記密閉ケース2を前記既設管1の前記周方向Rに回転させることにより、前記既設管1を前記切削工具30によって切断する。
【選択図】 図1
Description
この図に示す工法は既設管1に切断機500を固定し、該切断機500および既設管1を密閉ケース501で囲撓し、左右のバイト502を切断機500に沿って回転させることで既設管1を切断した後、作業用仕切弁503を開閉して、前記既設管1の切片10の代わりにバルブを管路1Aに挿入する。この従来技術では、前記密閉ケース501内に切断機500を収容するので、密閉ケース501が大型化し、そのため、掘削面積等が大きくなる。
この図に示す工法は、既設管1を密閉ケース600で囲撓すると共に、該密閉ケース600に取り付けたゲートバルブ601の先端に切削工具602を固着し、前記密閉ケース600と共にゲートバルブ601を回転させて、前記切削工具602によって既設管1を切断する。この従来技術によれば、密閉ケース600を回転させることで切削工具602を回転させるから、切削工具602を回転させる機構を密閉ケース600内に設ける必要がない。したがって、密閉ケース600が小型になる。
この図に示す従来技術では、既設管1を密閉ケース700で囲撓する。ついで、該密閉ケース700に取り付けたカッティングホイール701を、送りネジ702によって既設管1にくい込ませた後、該カッティングホイール701を密閉ケース700と共に回転させて既設管1を切断する。
この図に示す従来技術では、図62(a)の既設管1を密閉ケース800で囲撓する。ついで、密閉ケース800に作業用仕切弁801などを取り付ける。この後、周知の工法に従って、ホールソー802により、既設管1に円形の孔803を穿孔する。この穿孔後、図62(b)に示すように、前記穿孔した円形の孔803に嵌まり込む弁体804を挿入する。
このバルブ挿入工法では、既設管1における孔803の周縁部805が薄肉になり、該周縁部805に弁体804からの圧力が加わるので、既設管1が破損し易い。
また、本発明の他の目的は、該切断工法を用いた不断水バルブ挿入工法を提供することである。
また、本発明の更に他の目的は、既設管が破損しにくい形状に既設管を切削する既設管切削工法を提供することである。
ついで、前記切削工具を原動機の動力で前記カッタ軸のまわりに回転させて該切削工具の回転により前記既設管を切削する切削運動を行わせつつ、前記切削工具を前記既設管の径方向に向って送ると共に、前記密閉ケースの少なくとも一部を前記既設管の前記周方向に回転させることにより、前記切削工具を前記周方向に回転させて前記切削工具に送り運動を行わせることで、前記既設管を前記切削工具によって切断する。
「密閉」とは、完全に密閉するという意味ではなく、不断水で工事ができるという意味である。したがって、「密閉ケース」とは、既設管内を流れる流体の圧力に耐え得る耐圧性能と、ある程度の止水性能を持つケースをいう。
また、「気密状態で囲撓する」とは、切削や、切断後のバルブ挿入などの作業に支障を来さない程度に密閉するという意味であり、たとえば、前記密閉ケースに排水口を設け、該排水口を切削中に開いておいて、該排水口から水と共に切粉を排出してもよい。
ここで、本明細書において、「柱状」とは、円柱の他に円錐台や、円柱に円錐を加えた形状、更には円錐形も含まれることを意味する。また、切削工具の外径に比べ長さが短い柱状であってもよい。
また、管の内面にモルタルライニングを有する既設管を切削する場合には、超硬合金からなる切レ刃(チップ)を多数設けた切削工具や、前記ダイヤモンドの粒子を切レ刃とする切削工具を用いるのが好ましい。
本発明において、「切削工具を前記既設管の径方向に送ると共に、密閉ケースを周方向に回転させる」とは、切削工具を既設管の径方向に送った後に、密閉ケースを回転させる場合の他に、切削工具を既設管の径方向に送りながら(送りつつ)、密閉ケースを回転させる場合を含む。
なお、本発明において、「バルブを(管路に)挿入する」とは、バルブや弁体を既設管の切断除去部分に物理的に挿入することを意味するのではなく、既設の管路の止水ないし流量を調節する弁を当該管路に設置することをいう。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
図1ないし図14は第1実施例を示す。以下、第1実施例の既設管切断工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。本第1実施例は20インチ〜60インチ程度の中口径ないし大口径に適した工法である。
図1に示すように、密閉ケース2は半割れの第1および第2分割ケース21,22と、カッタ取付ケース23とを備えてなる。図2に示すように、左右一対の密閉ケース2,2は既設管1に取り付けられて、既設管1における管軸方向Sに離間した2箇所を、該密閉ケース2,2によって気密状態で囲撓している。前記各ケース21〜23の間や、両分割ケース21,22と既設管1との間は、図3に示すようなゴムリング24などでシールされている。なお、既設管1と各ケース21,22との間や、各ケース21,22間などのシール構造については、前記U.S.P.No. 3,650,547 のFig.4に開示されている周知の構造を採用することができる。
該ダイヤモンドホイール30は、図1(b)の円盤状の基盤30aの外周部分30bに、ダイヤモンドの粒子からなる多数の切れ刃30cを金属粉と共にレーザー溶接してなる。これらの多数の切れ刃30cは、基盤30aの外周面および両側面に設けてある。該ダイヤモンドホイール30は、図1(a)のカッタ軸33のまわりの2つの回転方向のいずれに回転しても既設管1を切削し得る無方向性の切削工具であるが、図1(a)に示す密閉ケース2の回転方向Rとは逆の回転方向A1に回転させるのが好ましい。これは、切削の際に、切粉が既設管1内に入りにくいからである。
前記ダイヤモンドホイールは、一般に、コンクリートや石材などを切削するのに適した切削工具である。該ダイヤモンドホイールは、(株)ロブテックス製や(株)芝浦製作所製のものを用いることができる。
つぎに、切断の手順について説明する。
まず、図2の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は、該既設管1にケース回転装置4およびスペーサ40を取り付けると共に、ケース回転装置4の両側に、密閉ケース2およびズレ防止具5を取り付けて、既設管1における管軸方向Sに離間した2箇所を一対の密閉ケース2,2によって気密状態で囲撓する。なお、切断機3は、密閉ケース2のカッタ取付ケース23に予め取り付けておく。また、作業者は図5(a)の回転止めボルト26cにより、棒状弁25を図5(b)のように開弁した状態で固定しておく。
前記切断後、作業者は図2の既設管1から切断機3をカッタ取付ケース23と共に取り外す。また、作業者はズレ防止具5、ケース回転装置4、スペーサ40などを既設管1から取り外す。こうして、図6に示すように、密閉ケース2の第1分割ケース21、第2分割ケース22および棒状弁25のみが残された状態になる。この後、作業者は、両密閉ケース2,2の間に切片10を持ち上げるための持上げバンド11を切片10に固定すると共に、既設管1における密閉ケース2,2の両側方に、割短管6を取り付ける。該割短管6は、既設管1の周方向R(図1)に2つに分割されており、ゴムパッキンを挿入するパッキン挿入部60と、シートパッキン81(図12)を圧縮する板状フランジ61とを両端に有する。また、該割短管6は溝62に仮止水用のOリング63を備えている。
また、前記図7、図9ないし図11、図13においては、仮止水用のOリング63の図示を省略している。
前記切片10の取出後、図11のように、作業者はたとえばバタフライ弁8のような挿入用のバルブを作業用上部タンク74内に収容する。このバタフライ弁8は、両端に円環板状の板状フランジ80,80を有しており、各フランジ80,80には、各々、たとえば円環板状のシートパッキン81が接着してある。また、該バタフライ弁8の挿入時には、バタフライ弁8から減速機82(図12)を取り外しておく。
本変形例において、第2分割ケース22Aには、ヒンジ38を介してカッタ取付ケース23Aが回動自在に取り付けてある。該カッタ取付ケース23Aはボルト39により第2分割ケース22Aに固定される。
図17ないし図25は第2実施例を示す。
以下、第2実施例の既設管切断工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。本第2実施例を含む以下の実施例は、4インチ〜20インチ程度の小口径ないし中口径に適した工法である。
図18に示すように、本実施例では、中央の第1密閉ケース2Aと左右一対の第2密閉ケース2Bとを用いる。前記第1密閉ケース2Aは、図17に示すように、周方向に2分割された第1および第2分割ケース121,122と、カッタ取付ケース123とを備えてなる。なお、前記第2密閉ケース2B(図18)も周方向に2分割されている。これらの各ケース121,122,2A,2Bの間や、図19の第2密閉ケース2Bと既設管1との間は、ゴムリング124などでシールされている。
つぎに、切断の手順について説明する。
まず、図17の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は既設管1に第1および第2密閉ケース2A,2B(図18)の上半体を被せると共に、持上げベルト11Aをカッタ軸133および既設管1に巻き付ける。その後、作業者は、第1および第2密閉ケース2A,2Bの下半体と前記上半体とを組立ボルト128により締結する。こうして、作業者は、図18のように、既設管1を第1および第2密閉ケース2A,2Bによって気密状態で囲撓する。なお、作業者は、切断機3を第1密閉ケース2Aのカッタ取付ケース123に予め取り付けておく。
なお、カッタ取付ケース123に排水用バルブを取り付けておいて該排水用バルブから切削の際の切粉を排出させてもよい。
つぎに、以下に説明する方法で、作業者は切断機3および切片10を取り出す。すなわち、図21のように、作業者は分岐状部122bに作業用仕切弁173を接合し、更に、該作業用仕切弁173に作業用上部タンク174を重ねて接合する。この接合時に、作業者は、作業用上部タンク174を貫通する昇降シャフト176の先端部に切込送り用フレーム136を接合する。この接合後、作業者はナット139を取り外す。該取外し後、作業者は図22の昇降シャフト176を引き上げて切断機3および切片10を第1密閉ケース2Aから作業用上部タンク174内に取り出した後、作業用仕切弁173を閉弁する。該閉弁後、作業者は作業用上部タンク174を作業用仕切弁173から切り離す。
つぎに、作業者は図23の弁蓋8bおよび仕切弁体8aを作業用上部タンク174に収容し、該作業用上部タンク174を作業用仕切弁173に接合する。仕切弁8Aは仕切弁体8aを開閉させるスピンドル8cを備えている。該仕切弁8Aは、該スピンドル8cを回転させると、仕切弁体8aが切断除去部分12Bに入り込んで、仕切弁体8aに設けたゴムパッキン8dが図25の第1密閉ケース2Aの内周面等に圧接するバルブを構成する。
この変形例に示すように、持上げベルト11Aは分岐状部122bに取り付けてもよい。また、図27に示すように、第1モータ131の出力をタイミングベルト135を介してカッタ軸133に伝達してもよい。また、図28に示す切断時に既設管1の外表面に食い込んで切断機3を案内するガイドローラ146を設けてもよい。なお、カッタ軸133は、アイボルト133Aに回転自在に支持されている。
図29ないし図37は第3実施例を示す。
以下、第3実施例の既設管切断工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。
図30に示すように、本実施例では、中央の第1密閉ケース2Aと左右一対の第2密閉ケース2Bとを用いる。前記第1密閉ケース2Aは、図29に示すように、周方向に2分割された第1および第2分割ケース221,222と、案内用ブッシュ222aとを備えてなる。なお、前記第2密閉ケース2B(図30)も周方向に2分割されている。図31(a)に示すように、これらの各ケース221,222,2A,2Bの間や、第2密閉ケース2Bと既設管1との間は、ゴムリング224などでシールされている。
つぎに、切断の手順について説明する。
まず、図30の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は第1および第2密閉ケース2A,2Bを既設管1に取り付けると共に、図29の組立ボルト228により両分割ケース221,222を組み立てる。こうして、図30のように、第1および第2密閉ケース2A,2Bは、既設管1を気密状態で囲撓する。なお、切断機3は、第1密閉ケース2Aの案内用ブッシュ222aに予め取り付けておく。
すなわち、前記第2モータ242(図29)は、前記第1密閉ケース2Aを前記既設管1の前記周方向R(図29)に回転させることによりエンドミル230を周方向Rに回転させて、エンドミル230に送り運動を行わせる。これにより、エンドミル230は、前記既設管1を円環状に切削して、前記既設管1を切断する。該切断後、作業者は図30のケース回転装置4を取り外す。
なお、主軸受け232に排水用バルブを取り付けておいて該排水用バルブから切削の際の切粉を排出させてもよい。
つぎに、以下に説明する方法で、作業者は、切断機3を除去する。すなわち、図33のように、分岐状部222bに作業用仕切弁273を接合し、更に、該作業用仕切弁273に作業用上部タンク274を重ねて接合する。この接合時に、作業者は作業用上部タンク274を貫通する昇降シャフト276の先端部に切込送り用フレーム236を接合する。この接合後、作業者はナット239を取り外す。該取外し後、作業者は図34の昇降シャフト276を引き上げて切断機3を第1密閉ケース2Aから作業用上部タンク274内に取り出す。この取出後、作業者は作業用仕切弁273を閉弁する。該閉弁後、作業者は作業用上部タンク274を作業用仕切弁273から切り離す。
つぎに、作業者は図35の弁蓋8bおよび仕切弁体8aを作業用上部タンク274に収容し、該作業用上部タンク274を作業用仕切弁273に接合する。仕切弁8Aは、仕切弁体8aを開閉させるスピンドル8cを備えている。該仕切弁8Aは、スピンドル8cを回転させると、仕切弁体8aが切削除去部分12に入り込んで、仕切弁体8aに設けたゴムパッキン8dが図37の第1密閉ケース2Aの内周面等に圧接するバルブを構成する。すなわち、第1密閉ケース2Aは、仕切弁8Aの弁箱を構成している。
図38ないし図49は第4実施例を示す。
以下、第4実施例の既設管切削工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。該第4実施例に用いる切断機および作業用の治具は、前記第3実施例と同様のものを用いるが、念のため、説明する。
図39に示すように、本実施例では、中央の第1密閉ケース2Aと左右一対の第2密閉ケース2Bとを用いる。前記第1密閉ケース2Aは、図38に示すように、周方向に2分割された第1および第2分割ケース221,222と、案内用ブッシュ222aとを備えてなる。なお、前記第2密閉ケース2B(図39)も周方向に2分割されている。図40(a)に示すように、これらの各ケース221(図39),222,2A,2Bの間や、第2密閉ケース2Bと既設管1との間は、ゴムリング224などでシールされている。
つぎに、切削の手順について説明する。
まず、図39の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は第1および第2密閉ケース2A,2Bを既設管1に取り付けると共に、図38の組立ボルト228により両分割ケース221,222を組み立てる。こうして、図39のように、第1および第2密閉ケース2A,2Bが、既設管1を気密状態で囲撓する。なお、切断機3は、第1密閉ケース2Aの案内用ブッシュ222aに予め取り付けておく。
すなわち、前記第2モータ242(図38)は、前記第1密閉ケース2Aを前記既設管1の前記周方向R(図38)に回転させることにより切削工具230を周方向Rに回転させて、図42(b)ないし図42(c)に示すように、切削工具230に送り運動を与える。これにより、切削工具230は、前記既設管1を半円環状に切削して、既設管1に切削溝12Cを形成する。該切削完了後、切削工具230を二点鎖線で示すように元の位置に復帰させる。その後、作業者は図39のケース回転装置4を取り外す。
なお、主軸受け232に排水用バルブを取り付けておいて該排水用バルブから切削の際の切粉を排出させてもよい。
つぎに、以下に説明する方法で、作業者は切断機3を除去する。すなわち、図43のように、分岐状部222bに作業用仕切弁273を接合し、更に、該作業用仕切弁273に作業用上部タンク274を重ねて接合する。この接合時に、作業者は作業用上部タンク274を貫通する昇降シャフト276の先端部に切込送り用フレーム236を接合する。この接合後、作業者はナット239を取り外す。該取外し後、作業者は図44の昇降シャフト276を引き上げて切断機3を第1密閉ケース2Aから作業用上部タンク274内に取り出す。この取出後、作業者は作業用仕切弁273を閉弁する。該閉弁後、作業者は作業用上部タンク274を作業用仕切弁273から切り離す。
バルブは、図45に示す仕切弁体8aを備えている。該仕切弁体8aには、ゴムパッキン8dが装着されている。該ゴムパッキン8dは、仕切弁体8aが切削溝12Cから既設管1内に侵入すると、切削溝12Cを閉塞すると共に、既設管1の内面1bに圧接する。すなわち、ゴムパッキン8dは、図46(c),図46(d)のように、切削溝12Cの切削面12fに圧接する第1ゴムパッキン部8d1と、既設管1の内周面1bに圧接する第2ゴムパッキン部8d2とが連なって形成されている。なお、前記仕切弁体8aには、図46(a),図46(b)に示す前記第1および第2ゴムパッキン部8d1,8d2を装着するための、第1および第2装着溝8a1,8a2が形成されている。
つぎに、作業者は図47の弁蓋8bおよび前記仕切弁体8aを作業用上部タンク274に収容し、該作業用上部タンク274を作業用仕切弁273に接合する。仕切弁8Aは、仕切弁体8aを開閉させるスピンドル8cを備えている。該仕切弁8Aは、スピンドル8cを回転させると、図45の仕切弁体8aが切削溝12Cから既設管1内に入り込んで、仕切弁体8aに設けたゴムパッキン8dが既設管1の切削面12fおよび既設管1の内周面1bに圧接するバルブを構成する。すなわち、既設管1は、仕切弁8Aの弁箱の一部を構成している。
また、仕切弁体8aを閉止した際には、仕切弁体8aが第1ゴムパッキン部8a1を介して切削面12fに管軸方向Sに支持されるので、止水時の圧力を受けても弁体8aが歪みにくい。したがって、スピンドル8cを細くすることもできる。
図50ないし図55は第5実施例を示す。以下、第5実施例の既設管切断工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。
前記密閉ケース2は、本工法により挿入される仕切弁の弁箱の一部を構成するもので、第1分割ケース321、第2分割ケース322および下部蓋323に分割されている。前記第1分割ケース321および第2分割ケース322は、図51に示す止ネジ351を有するズレ防止具5Bによってライナ352を介して管軸方向Sにズレないように固定される。前記下部蓋323は、第2分割ケース322の分岐状部326の開口を閉塞する蓋本体部345と、筒部346および鍔部347とが一体となっている。前記蓋本体部345には、分岐状部326のフランジ349に設けたストッパボルト327の先端が当接している。
なお、324はシール用のゴムパッキンである。
該主軸受け332は前記下部蓋323の筒部346に摺動自在になっており、主軸送りネジ333を回転させることにより、下部蓋323内を軸方向に上下動する。つまり、切削工具330は密閉ケース2内において既設管1の管壁1aに向って突出し、かつ、既設管1の径方向cに進退する。前記主軸受け332の上部にはカップリング部334が設けられている。該カップリング部334は、モータのような原動機335の出力軸336を主軸331に連結している。
図56において、本変形例では、密閉ケース2C全体が弁箱321,322および弁蓋322Aを構成している。該密閉ケース2C内には、既設管1の径方向Cに移動する仕切弁体8aが収容されている。一方、該密閉ケース2Cは、仕切弁体8aの反対側に作業用仕切弁373Aを備えた取出筒部380を備えている。本変形例においては、エンドミル330が図56の状態から切り込んだ後、作業者が切断機3を密閉ケース2Cと共に回転させると、前述の第4実施例と同様に既設管1が切断される。該切断後、作業者は切断機3を取り外しつつ、作業用仕切弁373Aを閉弁して切削工具330などを抜き取る。
この図58の変形例は、図56の変形例の装置において、既設管1の周囲の空間が大きく取れないような場合に用いられる。この変形例では、密閉ケース2Cが第1分割ケース321および第2分割ケース322と第1下部蓋323Aと第2下部蓋325とからなる。取出筒部380には切断機3が取り付けられ、第1下部蓋323Aには切断機3が取り付けられていない。図示しない仕切弁体は前記第4実施例と同様の方法で取り付けられる。なお、本実施例のように、ベベルギヤ390で動力を伝達すれば、装置の小型化を図り得る。
たとえば、切削工具に切削運動を与える原動機としては、モータの他にエンジンなどを用いてもよい。また、原動機を地上に設置して、該原動機の動力をフレキシブルシャフトでカッタ軸を介して切削工具に伝達してもよい。また、密閉ケースで既設管を囲撓した後に、該密閉ケースに切削工具を取り付けてもよい。更に、既設管1の切削や切断後に、密閉ケースに仕切弁を介して、分岐管を接続してもよい。
また、切削工具で既設管を切り込む際には、切削工具を前記各実施例のように、既設管の径方向の概ね中心に向かって送るのが一般に好ましいが、本発明では、中心に向かう必要はなく、径方向に向かって送ればよい。
また、密閉ケースは周方向に3つないし4つに分割してもよい。さらに、弁体は上方、側方または下方などいずれの方向から挿入してもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
Claims (19)
- 既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲撓すると共に、
回転自在に支持されたカッタ軸に固定され、かつ、複数の切レ刃を有する切削工具を、前記密閉ケースに取り付けた状態で該密閉ケース内に収容し、
前記切削工具を原動機の動力で前記カッタ軸のまわりに回転させて該切削工具の回転により前記既設管を切削する切削運動を行わせつつ、
前記切削工具を前記既設管の径方向に向って送ると共に、
前記密閉ケースの少なくとも一部を前記既設管の前記周方向に回転させることにより、前記切削工具を前記周方向に回転させて前記切削工具に送り運動を行わせることで、前記既設管を前記切削工具によって切断する既設管切断工法。 - 請求項1において、前記既設管の周方向に複数個に分割された前記密閉ケースを2組用いると共に、各組の前記密閉ケースを前記既設管の管軸方向に離間した2箇所に設置し、各々の前記密閉ケースによって前記既設管の一部を気密状態で囲撓し、
前記各組の前記密閉ケース内にそれぞれ前記切削工具を収容し、
前記切削運動および送り運動を前記各切削工具に与えることで、前記既設管を2箇所において切断して切片を切り出す既設管切断工法。 - 請求項2において、前記2組の密閉ケースの間に、該2組の密閉ケースの相対位置を決めるスペーサが配設されている既設管切断工法。
- 請求項2において、前記切断後、前記既設管ごと前記両密閉ケースを作業用タンクによって気密状態で囲撓し、前記切片上に前記両密閉ケースをスライド移動させた後、前記切片を前記両密閉ケースと共に取り出す既設管切断工法。
- 請求項4の前記切片の取り出し後、該切片に代えて、管路を止水するバルブを管路に挿入する不断水バルブ挿入工法。
- 請求項1において、前記切削工具は円盤状の基盤の外周部分に前記切れ刃を多数設けた円盤状の切削工具からなる既設管切断工法。
- 請求項6において、前記カッタ軸が前記既設管の管軸方向に平行に設定され、
前記円盤状の切削工具は、前記カッタ軸のまわりに回転することで前記切削運動を行う既設管切断工法。 - 請求項7において、前記円盤状の切削工具は、前記カッタ軸のまわりの2つの回転方向のいずれに回転しても前記既設管を切削し得る無方向性の切削工具である既設管切断工法。
- 請求項7において、前記切レ刃がダイヤモンドの粒子からなり、前記切削工具がダイヤモンドホイールからなる既設管切断工法。
- 請求項7において、前記カッタ軸には、前記管軸方向に互いに離れた状態で前記ダイヤモンドホイールが2枚固定されている既設管切断工法。
- 請求項10の2枚の前記ダイヤモンドホイールで切り出された切片を前記ダイヤモンドホイールと共に前記密閉ケースから取り出した後に、前記切片に代えて、該切片に対応する位置において管路を止水するバルブを該管路に挿入する不断水バルブ挿入工法。
- 請求項1において、前記切削工具が前記既設管の管壁の一部を貫通する位置まで前記切削工具を前記既設管の径方向の概ね中心に向って送った後、
該切削工具が前記管壁を貫通した状態において前記切削工具に前記切削運動を行わせつつ前記送り運動を行わせる既設管切断工法。 - 請求項1において、前記カッタ軸を回転自在に支持する工具取付ケースが設けられ、
前記密閉ケースを前記周方向に複数個に分割した分割ケースの1つには、前記既設管の径方向に分岐状に突出する分岐状部が形成され、該分岐状部に対して前記既設管の径方向に進退自在に前記工具取付ケースが取り付けられて、前記密閉ケースが形成されている既設管切断工法。 - 請求項1において、前記切削工具は、柱の先端面および外周面に前記切レ刃をそれぞれ複数有する切削工具である既設管切断工法。
- 請求項14において、前記カッタ軸の軸線が前記既設管の径方向に設定され、前記切削工具は、前記既設管の径方向に設定された前記軸線のまわりに回転することで前記切削運動を行う既設管切断工法。
- 請求項15の切削工具により前記既設管を切片を残すことなく切断した後に、管路における前記切断された切削除去部分にバルブを挿入する不断水バルブ挿入工法。
- 請求項16において、前記密閉ケースは、前記挿入されるバルブの弁箱の少なくとも一部を構成している不断水バルブ挿入工法。
- 既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲撓すると共に、
前記既設管の径方向に設定した軸線のまわりに回転自在に支持され、かつ、柱の先端面および外周面に切レ刃をそれぞれ複数有する切削工具を、前記密閉ケースに取り付けた状態で該密閉ケース内に収容し、
前記切削工具を原動機の動力で前記軸線のまわりに回転させて該切削工具の回転により前記既設管を切削する切削運動を行わせつつ、
前記切削工具を前記既設管の径方向に向って送ると共に、
前記密閉ケースの少なくとも一部を前記既設管の前記周方向に回転させることにより、前記切削工具を前記周方向に回転させて前記切削工具に送り運動を行わせることで、前記既設管を前記切削工具によって前記周方向に約180°の範囲にわたって切削する既設管切削工法。 - 請求項18の切削工具により前記既設管を前記約180°の範囲にわたって切削した後に、
該切削した切削溝から前記既設管内に侵入して、前記切削溝を閉塞すると共に前記既設管の内周面に圧接して、前記既設管を閉止する弁体を持つバルブを管路に挿入する不断水バルブ挿入工法。
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