JP2004027855A - エンジン作業機の燃料切替弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部タンクの接続が可能なエンジン作業機のエンジンに対し、内部タンクと外部タンクとの間で燃料供給流路と燃料戻り流路とをそれぞれ切り替えるものであって、流路の切り替えを回転する弁体24,34によって行う一対の3方切替弁2,3を有し、一つのレバー4によって両弁2,3の弁体24,34を回転させ、エンジンに対する内部タンク又は外部タンクの供給側流路及び戻り側流路を同時に切り替えるエンジン作業機の燃料切替弁1。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可搬式発電装置や油圧ユニットなどのエンジン作業機に設けられ、外部タンクを接続した場合に内部タンクとの燃料系統の切り替えを確実に行うことができるエンジン作業機の燃料切替弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築や土木工事などの現場では、発電機、コンプレッサ、溶接機、油圧ユニットなどの各種エンジン作業機が稼働している。そうしたエンジン作業機は、エンジンへ燃料を供給するための燃料タンクを内蔵しているが、作業機自身の小型化の要求もあって稼働時間が長くなる作業に対応させて十分にタンクを大きくすることができなかった。そのため、内部タンクの燃料だけでは連続して運転できる時間が制限されてしまうことから、エンジン作業機によっては外部タンクの接続を可能にし、いわゆるタンクの増設によって長時間の連続運転を可能にしている。図4は、エンジン作業機の一つである発電機を示した内部構造図であり、外部タンクを接続した状態を示している。
【0003】
この発電機50は、可搬型のいわゆるポータブル発電機であり、台枠51の上にハウス52が被せられた箱形をなし、その台枠51に各種構成機器が配置され組み付けられている。発電機50を構成する主なものとしては、中央に備えられたディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」と記す)53、ラジエータ54やマフラー55、それに電力を発生させるオルターネータ56や発電機制御箱57などであり、ハウス52内の隅にはコンパクトな内部タンク58が備え付けられている。
【0004】
そして、発電機50に近接して図示するように架台61に載せられた外部タンク60が設置され、燃料パイプによって接続されている。内部タンク58及びその外部タンク60は、それぞれ燃料供給弁71と燃料戻り弁72を介してエンジン53に接続されている。燃料供給弁71及び燃料戻り弁72は共に手動によって切り替え可能な3方切替弁であり、2つのタンク58,60に対するエンジン53への燃料供給流路の切り替えと、エンジン53からの燃料を当該タンクへ戻す燃料戻り流路の切り替えとを行うものである。
【0005】
そこで、内部タンク58内の燃料を使用するために作業者が燃料供給弁71と燃料戻り弁72とを切り替えれば、内部タンク58から送り出された燃料は、燃料供給弁71からエンジン53へ流れ、エンジン駆動に使用されなかった燃料は、燃料戻り弁72を通って再び内部タンク58へと戻される。
同じように、外部タンク60内の燃料を使用するために作業者が燃料供給弁71と燃料戻り弁72を切り替えれば、外部タンク60から送り出された燃料は、燃料供給弁71からエンジン53へ流れ、エンジン駆動に使用されなかった燃料は、燃料戻り弁72を通って再び外部タンク58へと戻される。
従って、燃料供給弁71と燃料戻り弁72との切り替えにより、内部タンク58又は外部タンク60を作業に応じて使い分けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン作業機に設けられた従来の燃料切替弁は、その燃料供給弁71や燃料戻り弁72の切り替えミスを起こしやすかった。例えば、内部タンク58から外部タンク60への切り替えの際、本来は燃料供給弁71と燃料戻り弁72とを共に切り替えなければならないのにもかかわらず、それを誤って燃料供給弁71だけを切り替えてしまうことが考えられる。
この場合、燃料供給弁71の切り替えによってエンジン53には外部タンク60の燃料が供給されるが、燃料戻り弁72が切り替えられていないため、戻り燃料は外部タンク60に戻らず内部タンク58に送り込まれることになる。そのため、内部タンク58では燃料が送り出されないまま入ってくるので、それを放置すれば内部タンク58の容量を超えてしまい、燃料が漏れ出してしまうことになる。
【0007】
また、それとは逆に燃料供給弁71が内部タンク58側にそのまま接続され、燃料戻り弁72が外部タンク60へ切り替えられる場合も考えられる。この場合、エンジン53には燃料供給弁71を通って内部タンク58から燃料が供給されるが、エンジン53からの戻り燃料が内部タンク58に還らずに外部タンク60へと送られる。そのため、内部タンク58の燃料の減り方が早くなり、作業者の予想に反して突然にエンジンがストップしてしまい、工事が中断してしまうことになる。
【0008】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、切り替えミスの起きないエンジン作業機の燃料切替弁を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジン作業機の燃料切替弁は、外部タンクの接続が可能なエンジン作業機のエンジンに対し、内部タンクと外部タンクとの間で燃料供給流路と燃料戻り流路とをそれぞれ切り替えるものであって、流路の切り替えを回転する弁体によって行う一対の3方切替弁を有し、一つのレバーによって両弁の弁体を回転させ、エンジンに対する内部タンク又は外部タンクの供給側流路及び戻り側流路を同時に切り替えるものであることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料切替可能なエンジン作業機は、前記燃料切替弁が、前記一対の3方切替弁が対称に配置され、両弁の弁体に対して同軸上に固定されたセレーション軸に前記レバーを備えた回転軸をはめ合わせたものであることが好ましい。
【0010】
従って、本発明によれば、一つのレバー操作によって内部タンクと外部タンクとの間で燃料供給流路と燃料戻り流路とを同時に切り替えられるので、燃料供給流路及び戻り流路のエンジンとの連通が内部タンク又は外部タンクの一方に必ず一致し、切り替えミスを確実に防止することができる。また、その構造も極めてシンプルであり、安価に提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエンジン作業機の燃料切替弁について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の中で説明するエンジン作業機は前述した図4に示す発電機50であり、前述したように内部タンク58を備え、外部タンク60の接続が可能なものである。そして、本実施形態では、この発電機50におけるエンジン53に対する内部タンク58と外部タンク60とを切り替えを一つのレバー操作によって可能にした燃料切替弁とした。
【0012】
燃料切替弁は、図4で示した場合と同様に2個の3方切替弁を使用して構成したものであり、図1及び図2はその燃料切替弁を示した断面図で、図3は、燃料切替弁の取り付け側面図である。特に図1及び図2は、図3のA−A断面を示し、図3は、図1のB−B断面を示している。
【0013】
この燃料切替弁1は、図4に示す3方切替弁(燃料供給弁71、燃料戻り弁72)を燃料供給弁2と燃料戻り弁3としてそれらを一体に構成したものであり、両者を一つのレバー4によって同時に切り替えられるようにしたものである。具体的には、図1及び図2に示すように燃料供給弁2と燃料戻り弁3とが左右対称に配置され、図3に示すようなL字形の取付プレート5にナット6,6によってそれぞれ固定されている。燃料供給弁2及び燃料戻り弁3は、ポート21,31がエンジン53に、ポート22,32が内部タンク58に、そしてポート23,33が外部タンク60に燃料パイプを介して接続され、燃料供給流路と燃料戻り流路が形成されている。
【0014】
燃料供給弁2及び燃料戻り弁3は、その内部にボール形の弁体24,34が回転可能に組み込まれ、ポート21,31に対してポート22,32又はポート23,33を図1又は図2に示すように連通し、各流路が切り替えられるようになっている。そうした弁体24,34には、先端部に細かい三角山を軸方向に歯車状に切って形成したセレーション軸25,35が同軸上に固定されている。そして、両方のセレーション軸25,35には、レバー4が固定された回転軸7がセレーションに噛み合ってはめられている。
【0015】
従って、燃料切替弁1は、図1に示すようにレバー4を上げれば(図3に実線で示す状態)、弁体24,34を介してポート21,31にポート22,32が連通する。そのため、エンジン作業機(図4参照)では、内部タンク58から送り出された燃料が、燃料供給弁2のポート23からポート21を通ってエンジン53へと流れ、エンジン駆動に使用されなかった燃料が、燃料戻り弁3のポート31からポート32を通って再び内部タンク58へと戻される。
【0016】
一方、内部タンク58から外部タンク60へ切り替える場合には、図3の一点鎖線で示すようにレバー4が下向きになるように操作すればよい。これによって回転軸7に噛合したセレーション軸25,35を介して弁体24,34が同時に回転し、ポート21,31がポート23,33に連通して燃料供給流路及び燃料戻り流路が内部タンク58から外部タンク60へと切り替えられる。そのため、エンジン作業機(図4参照)では、外部タンク60から送り出された燃料が、燃料供給弁2のポート23からポート21を通ってエンジン53へと流れ、エンジン駆動に使用されなかった燃料が、燃料戻り弁3のポート31からポート33を通って再び外部タンク60へと戻される。
【0017】
更に、再び外部タンク60から内部タンク58へ切り替えを戻す場合には、図3の実線で示すようにレバー4が上向きになるように操作すればよい。そうすれば、回転軸7に噛合したセレーション軸25,35を介して弁体24,34が同時に回転し、ポート21,31がポート22,32に連通して燃料供給流路及び燃料戻り流路が外部タンク60から内部タンク58へと切り替えられる。
【0018】
従って、本実施形態の燃料切替弁1では、作業に応じて内部タンク58と外部タンク60との切り替えを一つのレバー4によって行うことができるようになった。これにより、燃料供給弁2と燃料戻り弁3との切り替えを一体に行うことができ、燃料の供給及び戻りの流路が内部タンク58又は外部タンク60の一方に必ず一致するため、従来のように燃料漏れや不意なエンジンストップなどを起こす心配がなくなった。しかもその解決手段である燃料切替弁1は、従来から使用されている3方切替弁を利用し、セレーション軸25,35に回転軸7を介してレバー4を連結したシンプルな構造であるため、極めて安価に課題解決を図ることができた。
【0019】
以上、エンジン作業機の燃料切替弁について一実施形態を示して説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、レバー4の回転をセレーション軸25,35を介して弁体24,34に伝達したが、セレーション軸25,35以外にも角形状の軸を使用してもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、流路の切り替えを回転する弁体によって行う一対の3方切替弁を有し、一つのレバーによって両弁の弁体を回転させ、エンジンに対する内部タンク又は外部タンクの供給側流路及び戻り側流路を同時に切り替えるようにしたので、切り替えミスの起きないエンジン作業機の燃料切替弁を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】内部タンク接続時の燃料切替弁を示した断面図である。
【図2】外部タンク接続時の燃料切替弁を示した断面図である。
【図3】図1のB−B断面にて燃料切替弁を示した図である。
【図4】従来の燃料切替弁を備えたエンジン作業機の構造図である。
【符号の説明】
1 燃料切替弁
2 燃料供給弁
3 燃料戻り弁
4 レバー
7 回転軸
24,34 弁体
25,35 セレーション軸
50 発電機
58 内部タンク
60 外部タンク
Claims (2)
- 外部タンクの接続が可能なエンジン作業機のエンジンに対し、内部タンクと外部タンクとの間で燃料供給流路と燃料戻り流路とをそれぞれ切り替えるエンジン作業機の燃料切替弁において、
流路の切り替えを回転する弁体によって行う一対の3方切替弁を有し、一つのレバーによって両弁の弁体を回転させ、エンジンに対する内部タンク又は外部タンクの供給側流路及び戻り側流路を同時に切り替えるものであることを特徴とする燃料切替可能なエンジン作業機。 - 請求項1に記載する燃料切替可能なエンジン作業機において、
前記燃料切替弁は、前記一対の3方切替弁が対称に配置され、両弁の弁体に対して同軸上に固定されたセレーション軸に前記レバーを備えた回転軸をはめ合わせたものであることを特徴とする燃料切替可能なエンジン作業機。
Priority Applications (1)
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JP2002180713A JP2004027855A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | エンジン作業機の燃料切替弁 |
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Cited By (2)
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US7404388B2 (en) | 2006-12-12 | 2008-07-29 | Hyundai Motor Company | System for automatically changing fuel passages |
WO2013132543A1 (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 三菱電機株式会社 | 流路切替装置及びそれを備えた空気調和装置 |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002180713A patent/JP2004027855A/ja active Pending
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