JP2004027756A - 小屋組の増築施工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寄棟造りの既存住宅の小屋組を全面的に解体することなく、既存住宅よりも棟高さの低い増築部を設けることで、施工の省力化、コストダウン及び廃棄物の削減を図る小屋組の増築施工法を提供する。
【解決手段】既存隅木梁の母屋受け金具に設置される母屋受け接続部と母屋接続部とを有する母屋延長金具を用い、母屋受け金具に母屋受け接続部を固定し、増築部の新規母屋を既存母屋の延長上に設置することにより、増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して、新規母屋を前記既存母屋と略同一面に配置した。また、既存住宅と増築部の境界部分に設置する新規谷木梁の上端部に、谷木梁設置金具の谷木梁取付け部を固定し、該谷木梁取付け部と略90°の角度をなすと共に、既存隅木梁の立ち上がり角度に略等しい角度で立ち上がる、前記谷木梁設置金具の隅木梁取付け部を、前記既存隅木梁の長手方向中間部に固定した。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寄棟造りの住宅の増築時の増築工事に関し、既存住宅の小屋組を全面解体することなく増築部の小屋組を施工する小屋組の増築施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
寄棟造りの既存住宅の桁面のに、一部分に増築すると、増築後では増築前と比べて、棟高さが高くなったり棟方向が変わったりして、小屋組架構全体が変わることが多い。
【0003】
このような場合には、新しい小屋組に対応させて、既存小屋組の既存部材に別の部材を継ぎ足すか、既存部材を撤去して新規部材に交換するかして、既存小屋組の架構を変更する必要が生じる。このため、従来は、既存小屋組を全面的に解体して、新しい小屋組に施工し直していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既存小屋組を全面的に解体して、新しい小屋組に施工し直すので、多くの時間と労力を要し、施工期間が長くなるだけでなく、作業性が悪いという問題点があった。
【0005】
また、小屋組の各構成部材が鋼等の金属からなる場合には、溶接により既存部材に別の部材を継ぎ足すことは可能であるが、作業性が悪いだけでなく、顧客が既存の住宅内で従来通り生活を営むことを考慮すると、十分な安全性を確保することが困難であるという問題点があった。
【0006】
更に、既存小屋組を全面解体することにより、多量の産業廃棄物が発生し、これを運搬して処理するために、費用がかかるという問題点があった。
【0007】
更にまた、前述のように、多くの場合は、増築工事中であっても顧客が既存の住宅内で生活を営むため、短期間で増築工事を終了することが望ましいが、施工期間の長期化に伴い顧客に不便を強いる期間が長くなり、顧客の負担が大きくなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、寄棟造りの既存住宅の桁面の一部に増築する際の増築工事において、施工の省力化、コストダウン及び廃棄物の削減を図る小屋組の増築施工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記技術課題を解決するための具体的手段は、次のようなものである。すなわち、請求項1に記載する小屋組の増築施工法は、寄棟造りの既存住宅の桁面の一部分に、既存住宅の既存小屋組の一部と増築部の新規小屋組の一部とを略同一面に、かつ、増築部の棟高さを既存住宅の棟高さより低く増築する際の増築工事における小屋組の増築施工法であって、既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁に設置された母屋受け金具に設置される母屋受け接続部と該母屋受け接続部と略90°をなす母屋接続部とを有する母屋延長金具を用い、前記母屋受け金具に前記母屋受け接続部を固定し、増築部の新規母屋を前記母屋受け金具に設置された既存母屋の延長上に設置することにより、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して、前記増築部の新規母屋を前記既存母屋と略同一面に配置し、既存住宅と増築部の境界部分において生じる谷部に沿って設置する新規谷木梁の上端部に、谷木梁設置金具の谷木梁取付け部を固定し、該谷木梁取付け部と略90°の角度をなすと共に、既存隅木梁の立ち上がり角度に略等しい角度で立ち上がる、前記谷木梁設置金具の隅木梁取付け部を、前記既存隅木梁の長手方向中間部に固定することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載する小屋組の増築施工法は、請求項1に記載する小屋組の増築施工法において、前記既存住宅の桁側面のトラス軒先部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、前記トラスのウエブを跨ぐウエブ跨ぎ部と、該ウエブ跨ぎ部から直角方向に突設された軒先梁接続部とを有する軒先梁接続金具を前記軒先梁接続部を相対向させてそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することにより、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係る小屋組増築工法は、既存住宅の桁面の一部に増築する場合であって、増築部と既存住宅の小屋組の一部が同一面にあり、且つ増築部の棟の高さが、既存住宅の棟の高さより低い場合の小屋組増築工法であり、この場合、第1に、既存住宅の増築部側の母屋の方向を、略90°変更して、増築部側の母屋を、これと略90°をなす既存住宅の母屋2、21、43、及び65と同一面に、かつ、その延長線上に配置し、第2に、既存住宅の桁側面の軒先に沿って新規な軒先梁84を追加し、第3に、既存住宅と増築部の間に発生する谷部に設置する新規谷木梁127の上端部を既存住宅の既存隅木梁3の中間部に接続することが必要となる。以下、それぞれについて、更に詳細に説明する。
【0012】
第1に、図1に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して増築部の新規母屋を既存住宅の既存母屋と略同一面に配置する。まず、増築部の新規軒先母屋1を既存住宅の既存軒先母屋2と略同一面に配置する。具体的には、図2に示すように、既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁3(図示せず)の軒先部に設けられた既存軒先梁4の先端に設置された軒先母屋受け金具5に軒先母屋延長金具6を固定し、該軒先母屋延長金具6に新規軒先母屋1の端部7を接続することにより、新規軒先母屋1を既存軒先母屋2の延長上に設置する。なお、本各実施の形態に示す既存隅木梁3及び既存軒先梁4は、図3に示す既存隅木梁3と同様の構成であって、2本のC型鋼をボルト締めで締結したものであって、既存大棟の端部から軒先の出隅に向って45°の方向へ持ち出すように設けられている(図1参照)。
【0013】
既存軒先母屋2は、図3に示すように、先端を所定の形状に形成した長尺の木角材であり、端部を既存軒先梁4の先端に設けられた軒先母屋受け金具5にボルトナットから構成される締結具8で締結して固定されることにより既存軒先梁4に設置されている(図1参照)。
【0014】
軒先母屋受け金具5は、図3に示すように、中央部で略90°の角度をなして折れ曲がり、両端部に貫通孔9が穿設された山形プレート10と、該山形プレート10の折曲部11の入隅に一方の縁辺が固着された略長方形の接続プレート12とを有している。軒先母屋受け金具5の既存軒先梁4への固定は、接続プレート12の他方を既存軒先梁4の先端から、既存軒先梁4の2本のC型鋼の間に挿入し、接続プレート12の他方を既存軒先梁4の先端にボルト締めで固定することにより行う。
【0015】
既存軒先母屋2の軒先母屋受け金具5への固定は、図2に示すように、既存軒先母屋2の先端と増築部側の既存軒先母屋13の先端とが略合致するように、軒先母屋受け金具5の山形プレート10の両外側面に既存軒先母屋2の端部と増築部側の既存軒先母屋13の端部とをそれぞれあてがい、締結具8で締結して固定することにより行う。これにより、既存軒先母屋2と増築部側の既存軒先母屋13とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存軒先梁4の先端部に配置される。
【0016】
新規軒先母屋1は、図3に示す既存軒先母屋2と同様に、先端を所定の形状に形成した長尺の木角材であって、端部7には貫通孔14が穿設されている(図5参照)。
【0017】
軒先母屋延長金具6は、図3に示すように、両端部に貫通孔15、16が穿設された1枚のプレートを中央部で捻るようにして略90°の角度をなすように折り曲げて形成し、その一方を軒先母屋受け接続部17、その他方を軒先母屋接続部18としたものである。
【0018】
軒先母屋延長金具6の軒先母屋受け金具5への固定は、図4に示すように、軒先母屋受け金具5の山形プレート10の増築部側の側面に軒先母屋延長金具6の軒先母屋受け接続部17の側面を軒先母屋受け金具5の折曲部11と軒先母屋延長金具6の折曲部19とが略合致するようにあてがい、軒先母屋受け金具5の山形プレート10の貫通孔9と軒先母屋延長金具6の軒先母屋受け接続部17の貫通孔15とを締結具8で締結することにより行う。これにより、図4に示すように、軒先母屋延長金具6の軒先母屋接続部18と軒先母屋受け金具5の山形プレート10の既存軒先母屋2側の側面とが略同一面に、かつ、一直線上に配置される。
【0019】
新規軒先母屋1の端部7の軒先母屋延長金具6への接続は、図5に示すように、軒先母屋延長金具6を軒先母屋受け金具5に固定した後、既存軒先母屋2の先端と新規軒先母屋1の先端とが略合致するように、軒先母屋延長金具6の軒先母屋接続部18に新規軒先母屋1の端部7をあてがい、該新規軒先母屋1の端部7の貫通孔14と軒先母屋延長金具6の軒先母屋接続部18の貫通孔16とを締結具8で締結することにより行う。これにより、図2に示すように、新規軒先母屋1が既存軒先母屋2の延長上に設置される。
【0020】
以上により、図1に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規軒先母屋1が既存軒先母屋2と同一面に配置される、即ち、既存軒先母屋2が増築部側へ延長されたこととなる。
【0021】
次に、図1に示すように、増築部の新規第1母屋20を既存住宅の既存第1母屋21と同一面に配置する。具体的には、図6に示すように、既存軒先梁4の既存隅木梁3(図示せず)の方の端部に設置された第1母屋受け金具22に第1母屋延長金具23を固定し、該第1母屋延長金具23に新規第1母屋20の端部24を接続することにより、新規第1母屋20を既存第1母屋21の延長上に設置することにより行う。新規第1母屋20は、長尺の木角材であって、端部24には貫通孔25が穿設されている(図10参照)。
【0022】
既存第1母屋21は、既存軒先母屋2と同様の構成であって、図6に示すように、端部を既存軒先梁4の所定位置に設けられた第1母屋受け金具22に締結具8で締結して固定されることにより、既存軒先母屋2の1段上に設置されている(図1参照)。
【0023】
第1母屋受け金具22は、図7に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の平部26と、該平部26の長辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、端部に貫通孔27が穿設された第1母屋受け部28とを有している。第1母屋受け金具22の既存軒先梁4への固定は溶接により行われ、2個の第1母屋受け金具22は、各第1母屋受け部28が既存軒先梁4の長軸線Lに対して対称となるように、即ち、第1母屋受け部28どうしが略90°の角度をなすように、既存軒先梁4の両側面に設けられている。
【0024】
既存第1母屋21の第1母屋受け金具22への固定は、図6に示すように、
既存第1母屋21の先端を既存軒先梁4の増築部側面に当接させ、既存第1母屋21の端部を第1母屋受け金具22の平部26に載置し、第1母屋受け金具22の第1母屋受け部28に締結具8で締結することにより行う。これにより、既存第1母屋21と増築部側の既存第1母屋29とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存軒先梁4に配置される。
【0025】
第1母屋延長金具23は、図8に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の蓋部30と、該蓋部30の短辺から略90°の角度をなして下向きに垂れ下がり、下隅角部に貫通孔31が穿設された第1母屋受け接続部32とを有する第1母屋受け接続部材33と、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の底部34と、該底部34の短辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、上隅角部に貫通孔35が穿設された第1母屋接続部36とを有する第1母屋接続部材37と、略長方形の添え部38と、蓋部30の斜辺と対向する縁辺及び第1母屋受け接続部32の縁辺に固着された略長方形の補強部39とを有しており、添え部38の表面に底部34の斜辺及び第1母屋接続部36の縁辺及び蓋部30の斜辺を固着することにより形成したものである。
【0026】
第1母屋延長金具23の増築部側の第1母屋受け金具22への固定は、図9に示すように、第1母屋延長金具23の第1母屋受け接続部材33を第1母屋受け金具22の第1母屋受け部28に上方から被せて、第1母屋受け金具22の第1母屋受け部28の平部26側面に第1母屋延長金具23の第1母屋受け接続部材33の第1母屋受け接続部32をあてがうとともに、既存軒先梁4の増築部側面に第1母屋延長金具23の添え部38の裏面をあてがい、第1母屋受け金具22の第1母屋受け部28に第1母屋延長金具23の第1母屋受け接続部32を締結具(図示せず)で締結して固定することにより行う。
【0027】
このとき、第1母屋延長金具23の第1母屋受け接続部材33の折曲部の長さを、第1母屋受け金具22の第1母屋受け部28の上縁辺と略等しくしておくと、第1母屋延長金具23を第1母屋受け金具22に固定したときに、第1母屋延長金具23の第1母屋受け接続部材33が、既存軒先梁4と第1母屋延長金具23の補強部39とで挟まれた状態となるので、第1母屋延長金具23を第1母屋受け金具22に安定良く設置することができる(図10参照)。
【0028】
これにより、図10に示すように、第1母屋延長金具23の第1母屋接続部材37の折曲部40は、既存第1母屋21の方の第1母屋受け金具22の折曲部41と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0029】
新規第1母屋20の端部24の第1母屋延長金具23への接続は、図10に示すように、第1母屋延長金具23を第1母屋受け金具22に固定した後、第1母屋延長金具23の第1母屋接続部材37に新規第1母屋20の端部24を載置し、該新規第1母屋20の端部24の貫通孔25と第1母屋延長金具23の第1母屋接続部36の貫通孔35とを締結具8で締結することにより行う。これにより、図6に示すように、新規第1母屋20が既存第1母屋21の延長上に設置される。
【0030】
以上により、図1に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規第1母屋20が既存第1母屋21と同一面に配置される、即ち、既存第1母屋21が増築部側へ延長されたこととなる。
【0031】
次に、図1に示すように、増築部の新規第2母屋42を既存住宅の既存第2母屋43と同一面に配置する。具体的には、図11に示すように、既存隅木梁3と既存軒先梁4との接続部近傍に設置された第2母屋受け金具44に第2母屋延長金具45を固定し、該第2母屋延長金具45に新規第2母屋42の端部46を接続することにより、新規第2母屋42を既存第2母屋43の延長上に設置する。新規第2母屋42は、長尺の木角材であって、端部46には貫通孔47が穿設されている(図15参照)。
【0032】
既存第2母屋43は、既存軒先母屋2及び既存第1母屋21と同様の構成であって、図11に示すように、端部を既存隅木梁3の既存軒先梁4との接続部近傍に設けられた第2母屋受け金具44に締結具8で締結して固定されることにより、既存軒先母屋2の2段上に設置されている(図1参照)。
【0033】
第2母屋受け金具44は、図12に示すように、互いに略90°をなす2つの縁辺を有する略六角形の平部48と、該各平部48の縁辺からそれぞれ略90°をなして上向きに立ち上がり、上端部に貫通孔49が穿設された第2母屋受け部50とを有している。第2母屋受け金具44の既存隅木梁3への固定は溶接により行われ、第2母屋受け金具44の2個の第2母屋受け部50が互いに既存隅木梁3の長軸線Lに対して対称となるように既存隅木梁3の上面に設けられている。
【0034】
既存第2母屋43の第2母屋受け金具44への固定は、図11に示すように、、既存第2母屋43の先端と増築部側の既存第2母屋51の先端とが略合致するように、既存第2母屋43の端部及び増築部側の既存第2母屋51の端部をそれぞれ第2母屋受け金具44の平部48に載置するとともに、各第2母屋受け部50に締結具8で締結して固定することにより行う。これにより、既存第2母屋43と増築部側の既存第2母屋51とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存隅木梁3に配置される。
【0035】
第2母屋延長金具45は、図13に示すように、第2の実施形態の第1母屋延長金具23と同様の構成であり、蓋部52と貫通孔53が穿設された第2母屋受け接続部54とを有する第2母屋受け接続部材55と、底部56と貫通孔57が穿設された第2母屋接続部58とを有する第2母屋接続部材59と、添え部60と、補強部61とを有しており、添え部60の表面に底部56の斜辺、第2母屋接続部58の縁辺及び蓋部52の斜辺を固着することにより形成したものである。
【0036】
第2母屋延長金具45の第2母屋受け金具44への固定においても、図14に示すように、第2の実施形態と同様であり、第2母屋延長金具45の第2母屋受け接続部材55を第2母屋受け金具44の第2母屋受け部50に上方から被せて、第2母屋受け金具44の第2母屋受け部50に第2母屋延長金具45の第2母屋受け接続部54を締結具(図示せず)で締結して固定することにより行う。
【0037】
このとき、第2母屋延長金具45の第2母屋受け接続部材55の折曲部の長さを、第2母屋延長金具45を第2母屋受け金具44に固定したときの添え部60から第2母屋受け部50の既存隅木梁3と対向する縁辺までの距離と略等しくしておくと、第2母屋延長金具45を第2母屋受け金具44に固定したときに、第2母屋延長金具45の第2母屋受け接続部材55が、第2母屋延長金具45の添え部60と補強部61とで挟まれた状態となるので、第2母屋延長金具45を第2母屋受け金具44に安定良く設置することができる(図15参照)。
【0038】
これにより、図15に示すように、第2母屋延長金具45の第2母屋接続部材59の折曲部62が既存第2母屋43の方の折曲部63と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0039】
新規第2母屋42の端部46の第2母屋延長金具45への接続は、図15に示すように、第2母屋延長金具45を第2母屋受け金具44に固定した後、第2母屋延長金具45の第2母屋接続部材59に新規第2母屋42の端部46を載置し、該新規第2母屋42の端部46の貫通孔47と第2母屋延長金具45の第2母屋接続部58の貫通孔57とを締結具8で締結することにより行う。これにより、図11に示すように、新規第2母屋42が既存第2母屋43の延長上に設置される。
【0040】
以上により、図1に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規第2母屋42が既存第2母屋43と同一面に配置される、即ち、既存第2母屋43が増築部側へ延長されたこととなる。
【0041】
次に、図1に示すように、増築部の新規一般母屋64を既存住宅の既存一般母屋65と同一面に配置する。具体的には、図16に示すように、既存隅木梁3に設置された一般母屋受け金具66に一般母屋延長金具67を固定し、該一般母屋延長金具67に新規一般母屋64の端部68を接続することにより、新規一般母屋64を既存一般母屋65の延長上に設置する。なお、新規一般母屋64は、長尺の木角材であって、端部68には貫通孔69が穿設されている(図20参照)。
【0042】
既存一般母屋65は、既存軒先母屋2、既存第1母屋21及び既存第2母屋43と同様の構成であって、図16に示すように、端部を既存隅木梁3に設けられた一般母屋受け金具66に締結具8で締結して固定されることにより、既存軒先母屋2の3段以上に設置されている(図1参照)。
【0043】
一般母屋受け金具66は、図17に示すように、第3の実施形態の第2母屋受け金具44と同様の構成であり、互いに略90°をなす2つの縁辺を有する略六角形の平部70と、該各平部70の縁辺からそれぞれ略90°をなして上向きに立ち上がり、上端部に貫通孔71が穿設された一般母屋受け部72とを有している。一般母屋受け金具66の既存隅木梁3への固定は溶接により行われ、一般母屋受け金具66の2個の一般母屋受け部72が互いに既存隅木梁3の長軸線Lに対して対称となるように既存隅木梁3の上面に設けられている。
【0044】
既存一般母屋65の一般母屋受け金具66への固定も、図16に示すように、第3の実施形態と同様に、既存一般母屋65の端部及び増築部側の既存一般母屋73の端部をそれぞれ一般母屋受け金具66の平部70に載置するとともに、各一般母屋受け部72に締結具8で締結して固定することにより行う。これにより、既存一般母屋65と増築部側の既存一般母屋73とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存隅木梁3に配置される。
【0045】
一般母屋延長金具67は、図18に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなし、上隅角部に貫通孔74が穿設された略台形の一般母屋受け接続部75と、略長方形状の底部76と、該底部76の長辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、上隅角部に貫通孔77が穿設された斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の一般母屋接続部78とを有する一般母屋接続部材79と、一般母屋受け接続部75の斜辺と対向する縁辺に固着された補強部80とを有しており、一般母屋受け接続部75の斜辺と一般母屋接続部78の斜辺とを略合致させて固着することにより形成したものである。
【0046】
一般母屋延長金具67の一般母屋受け金具66への固定は、図19に示すように、一般母屋受け金具66の増築部側の一般母屋受け部72の平部70側面に一般母屋延長金具67の一般母屋受け接続部75をあてがい、一般母屋受け金具66の一般母屋受け部72に一般母屋延長金具67の一般母屋受け接続部75を締結具(図示せず)で締結して固定することにより行う。
【0047】
このとき、一般母屋延長金具67の一般母屋受け接続部75の上縁辺の長さを、一般母屋延長金具67を一般母屋受け金具66に固定したときに、一般母屋受け接続部75の斜辺が既存一般母屋65の先端に当接する長さとしておくと、一般母屋延長金具67の補強部80に一般母屋受け金具66の一般母屋受け部72の既存隅木梁3と対向する縁辺が当接することとなり、一般母屋延長金具67の一般母屋受け接続部75が、既存一般母屋65と一般母屋延長金具67の補強部80とで挟まれた状態となるので、一般母屋延長金具67を一般母屋受け金具66に安定良く設置することができる(図20参照)。
【0048】
これにより、図20に示すように、一般母屋延長金具67の一般母屋接続部材79の折曲部81が一般母屋受け金具66の既存一般母屋65の方の折曲部82と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0049】
新規一般母屋64の端部68の一般母屋延長金具67への接続は、図20に示すように、一般母屋延長金具67を一般母屋受け金具66に固定した後、一般母屋延長金具67の一般母屋接続部材79に新規一般母屋64の端部68を載置し、該新規一般母屋64の端部68の貫通孔69と一般母屋延長金具67の一般母屋接続部78の貫通孔77とを締結具8で締結することにより行う。これにより、図16に示すように、新規一般母屋64が既存一般母屋65の延長上に設置される。
【0050】
以上により、図1に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規一般母屋64が既存一般母屋65と同一面に配置される、即ち、既存一般母屋65が増築部側へ延長されたこととなる。
【0051】
第2に、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、新たな軒先梁を追加する。軒先梁の設置の第1の実施形態は、図21に示すように、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、既存のトラス83の両側方に軒先梁84を設置し、且つ、増築部側に該軒先梁84と略直交する方向へ直交梁85を設置する必要がある場合についてであり、図22に示す手順で、トラス軒先部86に前処理を施し、図25に示すような、ウエブ跨ぎ部87と、軒先梁接続部88と、直交梁接続部89と、底部90を有する軒先梁設置金具91を、相隣接するトラス83の軒先側の端部に、軒先梁接続部88を相対向させてそれぞれ配設し、相対向する軒先梁接続部88に、軒先梁84の両端部を接続することにより行うものである。以下、更に詳細に説明する。
【0052】
軒先梁設置金具91をトラス83の軒先側の端部に設置する際には、トラス軒先部86、及びトラス83の軒先側の端部に設けられたプレート92が邪魔となるため、それらを切除する前処理工程が必要となる。この前処理工程の手順を示すのが図22であり、各手順ごとの作業後の状態を表すのが図23、及び図24である。
【0053】
手順1では、トラス軒先部86を切除している。これは、トラス軒先部86を適宜に短くしておくことにより、後の作業を行い易くするためである。ここで、図23(a)は、この手順の作業前の状態を、図23(b)は作業後の状態を表している。尚、切断に用いる工具としては、例えばレシプロソー(不図示)を用いることができ、後述する切断作業についても同様である。
【0054】
手順2では、トラス83の軒先側の端部に、軒先に面して設けられている断面略逆L字型のプレート92を取り除くために、該プレート92とトラス83との接合面に沿うように、トラス軒先部86と共に、鉛直方向に切断している。このとき、プレート92とトラス83との溶接部を避け、プレート92とトラス83との接合面より若干内側で切断すると切断し易い。ここで、図23(c)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0055】
手順3では、トラス軒先部86を、トラス83のC型チャンネル93先端部より若干軒先側において、トラス83のウエブ94に達するまで切断している。これは、軒先梁設置金具91を設置するのに邪魔となる部分を除去するためである。ここで、図23(d)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0056】
手順4では、プレート92の下部を軒先側から水平方向に切断することにより、プレート92をトラス83から切り離している。ここで、図24(a)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0057】
手順5では、例えば、サンダー(不図示)等の工具を用いて研磨することにより、手順4においてトラス83の下部に残ったプレート92の残片を取り除いている。これにより、軒先梁設置金具91の該部位への納まりが良くなる、という利点がある。ここで、図24(b)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0058】
手順6では、軒先側からトラス83のウエブ94の傾斜に沿って、手順3において切断した位置まで、トラス83とトラス軒先部86との接合面を切断し、トラス軒先部86の軒先側部を除去している。ここで、図24(c)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0059】
図25に示す軒先梁設置金具91の底部90から鉛直方向に立ちあがる、左右1対のウエブ跨ぎ部87は、トラス83のウエブ94の厚さよりも若干広い間隔をおいて略平行に配置されている。軒先梁設置金具91の設置に際しては、図26及び図27に示すように、ウエブ跨ぎ部87が、前述のような前処理を施したトラス83のウエブ94の軒先側の端部を跨ぐように軒先梁設置金具91をあてがい、トラス83のウエブ94の軒先側の端部が直交梁接続部89に達するまで軒先梁設置金具91を押し込むと共に、ウエブ跨ぎ部87に設けた貫通孔95、及び底部90に設けた貫通孔96において、ボルト締めでトラス83、及び軸組97に固定している。
【0060】
軒先梁設置金具91の両側部に突設された軒先梁接続部88は、ウエブ跨ぎ部87、及び底部90の双方と略90°の角度をなしており、図28に示すように、該軒先梁接続部88に、H型鋼である軒先梁84のウエブ98を当接させ、軒先梁接続部88に設けられた貫通孔99においてボルト締めで固定することにより、軒先梁84を軒先に沿って設置している。
【0061】
直交梁接続部89は、ウエブ跨ぎ部87、及び底部90の双方と略90°の角度をなして設けられ、軒先側面が平坦面に形成されている。これにより、軒先梁設置金具91を設置したときに、該直交梁接続部89の平坦面が軒先に面し、図27、及び図28に示すように、この平坦面に、H型鋼である直交梁85の一端部を、接合板100を介して接合させ、直交梁接続部89に設けられた貫通孔101においてボルト締めで固定することにより、直交梁85を容易に設置することができる。
【0062】
また、軒先側に葺き下ろし梁102を設けて増築する場合も、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、軒先梁84の新たな設置が必要となる。この場合、トラス軒先部86の前処理、軒先梁設置金具91の配設、及び軒先梁84の設置については直交梁85の設置の場合と同様の手順で行い、図29に示すように、直交梁接続部89に葺き下ろし梁102の基部103を接合させ、ボルト締めにより固定するとよい。
【0063】
次に、軒先梁の設置の第2の実施形態は、図21に示すように、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、既存のトラス83の一側方に軒先梁84を設置し、且つ、増築部側に該軒先梁84と直交する方向へ直交梁85を設置する必要がある場合についてであり、第1の実施形態と同様の手順でトラス軒先部86に前処理を施し、図30(a)に示すような、ウエブ跨ぎ部104と、軒先梁接続部105と、直交梁接続部106と、底部107を有する軒先梁設置金具108、又は、図30(b)に示すような、ウエブ跨ぎ部109と、軒先梁接続部110と、直交梁接続部111と、底部112を有する軒先梁設置金具113を、相隣接するトラス83の軒先側の端部に、軒先梁接続部105、又は110を相対向させてそれぞれ配設し、相対向する軒先梁接続部105又は110に、軒先梁84の両端部を接続することにより行うものである。以下、更に詳細に説明する。
【0064】
ウエブ跨ぎ部104、及びウエブ跨ぎ部109は、第1の実施形態の軒先梁設置金具91のウエブ跨ぎ部87と同様の形状を有しており、トラス83の軒先側の端部への設置方法は第1の実施形態と同様である。
【0065】
軒先梁設置金具108の右側部に設けられた軒先梁接続部105は、ウエブ跨ぎ部104、及び底部107の双方と略90°の角度をなしており、図31に示すように、該軒先梁接続部105に、H型鋼である軒先梁84のウエブ98を当接させ、軒先梁接続部105に設けられた貫通孔114においてボルト締めで固定することにより、軒先に沿って軒先梁84を設置している。また、軒先梁設置金具113は、その左側部に軒先梁接続部110を有しており、それ以外の構造、及び軒先梁84の接続方法は軒先梁設置金具108と同様である。以上2つの軒先梁設置金具108と軒先梁設置金具113は、トラス83と、新たに追加する軒先梁84との位置関係に応じて使い分けるとよい。
【0066】
直交梁接続部106、及び直交梁接続部111は、第1の実施形態の軒先梁設置金具91の直交梁接続部89と同一の形状を有し、第1の実施形態と同様の手順により、直交梁85、又は葺き下ろし梁102を増築部側に設置することができる。
【0067】
以上説明した2つの実施形態のいずれの場合についても、軒先梁84の設置に際しては、図32に示すように、トラス83―トラス83間、トラス83―隅木梁115間、トラス83―登り梁116間、あるいは登り梁116―隅木梁115間のいずれの場所に設置するのかにより、軒先梁84の長手方向寸法、及び端部の形状を適宜変更する必要がある。特に、軒先梁84の一端側に既存の隅木梁115がある場合には、軒先梁84の隅木梁115側の端部に隅木梁接続梁117を設けることにより、軒先梁84が隅木梁115に接触することを防止している。
【0068】
隅木梁接続梁117は、図33に示すように、垂直板118と、該垂直板118の上端縁に固定され、垂直板118と直交する上面板119と、垂直板118の下端縁に固定され、垂直板118と直交する底面板120と、該底面板120上に固定され、内部が空洞である略直方体形状を有する箱部121と、箱部121の内部に設けられた補強板122とを有しており、図35に示すように、上面板119、底面板120、及び垂直板118の端部が接合板123を介して軒先梁84に固定されると共に、箱部121の底面に設けた貫通孔124において、ボルト締めで軸組97に固定されている。
【0069】
上面板119、及び垂直板118は、略長方形の平板の一部を斜めに切り落とした形状となっている。これにより、上面板119、及び垂直板118が、隅木梁接続梁117の斜め上方から斜め下方へと伸びる隅木梁115と接触することを防止している。
【0070】
隅木梁115と隅木梁接続梁117との接続部分において、増築部側に葺き下ろし梁102を設けて増築する必要がある場合、図34に示すように、箱部121の増築部側側面に、葺き下ろし梁102の基部103を接合させ、箱部121の増築部側側面に設けた貫通孔125において、ボルト締めにより固定すればよい。また、葺き下ろし梁102を接続しない場合には、箱部121の増築部側側面は平坦面である必要は無く、箱部121の形状は、中空の略直方体に限られず、他の形状であっても構わない。
【0071】
また、図32に示すように、軒先梁84の一端部を登り梁116に接続する必要がある場合には、既存の登り梁接続金具126等を用いて接続すればよい。
【0072】
第3に、図36に示すように、既存住宅と増築部の境界部分において生じる谷部に沿って設置する新規谷木梁127の上端部を既存住宅の既存隅木梁128に接続する。これは、入隅部129から、既存隅木梁128の立ち上がり角度αに略等しい角度で既存住宅側へ立ち上がると共に、既存隅木梁128と略90°の角度をなす新規谷木梁127を設けるものであり、下端部を入隅部129に固定した新規谷木梁127の上端部に、図37に示すような、谷木梁接続部材130と、第1棟母屋受け部材131と、補助部材132とを具備する谷木梁接続金具133の谷木梁取付け部134を固定し、該谷木梁取付け部134と略90°の角度をなすと共に、既存隅木梁128の立ち上がり角度αに略等しい角度βで立ち上がる、谷木梁接続金具133の隅木梁取付け部135を既存隅木梁128の長手方向中間部に固定することにより、新規谷木梁127を既存隅木梁128に接続している。更に、谷木梁接続金具133の第1母屋受け部材131に第1棟母屋136の一端部を固定すると共に、既存の母屋受け金具137の起立部138に、第2棟母屋受け部材139と、取付け部材140と、垂直部材141と、補助部材142とを具備する棟母屋受け金具143を固定し、該棟母屋受け金具143の第2棟母屋受け部材139に第2棟母屋144の一端部を固定している。
【0073】
ここで、本実施形態に示す既存隅木梁128は、図40に示すように、2本のC型鋼145をその開口部が互いに外側を向くようにボルト締めで固定したものであって、図36に示すように、既存住宅の大棟146の端部から、軒先の出隅147に向かって45°の方向へ持ち出すように設けられている。また、新規谷木梁127についても、既存隅木梁128と同様の構造を有している。
【0074】
谷木梁接続部材130は、図37に示すように、両端部に貫通孔148が穿設された1枚のプレートを捻るようにして略90°の角度をなすように折り曲げて形成し、その一方を隅木梁取付け部135、その他方を谷木梁取付け部134としている。また、隅木梁取付け部135の谷木梁取付け部134側の端部には、図40に示すように、その上下に切欠部149が設けられている。これにより、谷木梁接続金具133の隅木梁取付け部135を既存隅木梁128に取り付ける際に、谷木梁取付け部134が既存隅木梁128と接触することを防止している。
【0075】
第1棟母屋受け部材131は、貫通孔150が穿設された1枚のプレートを略90°の角度をなすように折曲げて形成したものであり、その折曲げ部151が、略水平となり、且つ谷木梁接続部材130の谷木梁取付け部134と略45°の角をなすように、谷木梁接続金具133の谷木梁取付け部134上に固着されている。これにより、図39に示すように、谷木梁接続金具133を設置した際に、折曲げ部151が新規大棟152と略平行となり、該第1棟母屋受け部材131上に、木角材である第1棟母屋136の一端部を載置し、ボルト締めにより固定することで、新規大棟152頂部に、新規大棟152と略平行な第1棟母屋136を新たに設置している。
【0076】
補助部材132は、略三角形の形状を有し、その一辺が谷木梁取付け部134の側部に固着されると共に、他の一辺が第1棟母屋受け部材131の底面に固着されており、谷木梁接続金具133を構造的に補強する役割を果たしている。
【0077】
谷木梁接続金具133の設置に際しては、図39、及び図40に示すように、新規谷木梁127を構成する2本のC型鋼145間にできた間隙に、谷木梁接続金具133の谷木梁取付け部134を差し込み、ボルト締めにより固定すると共に、隅木梁取付け部135を、既存隅木梁128のウエブ153に当接させ、ボルト締めにより固定している。
【0078】
図38に示すように、棟母屋受け金具143は、垂直部材141の一方の側面に第2棟母屋受け部材139を固着すると共に、垂直部材141の他方の側面に、中央部に補強板154を有する取付け部材140を固着することにより形成している。更に、略台形の補助部材142の一辺を垂直部材141に固着し、他の2辺を取付け部材140に固着することにより、垂直部材141と取付け部材140との固着部の弱さを補強している。
【0079】
取付け部材140は、貫通孔155が穿設された1枚のプレートを、第1折曲げ部156、及び第2折曲げ部157の2ヶ所において、互いに逆方向へ折曲げることにより形成したものであり、断面略S字型の形状を有している。ここで、第1折曲げ部156においては、90°の角度をなすように折曲げてある。これにより、既存の母屋受け金具137の折曲げ部158に、略合致する形状となっている。
【0080】
第2棟母屋受け部材139は、一端部に貫通孔159が穿設された1枚のプレートを、略90°の角度をなすように第3折曲げ部160において折曲げて形成したものであり、断面略L字型の形状を有している。ここで、該第3折曲げ部160は、取付け部材140の第2折曲げ部157と略90°の角度をなしている。
【0081】
棟母屋受け金具143の既存の母屋受け金具137への設置に際しては、図39、及び図41に示すように、取付け部材140の第1折曲げ部156と既存の母屋受け金具137の折曲げ部158を略合致させるように、取付け部材140を既存の母屋受け金具137の下方からあてがい、ボルト締めにより固定している。これにより、第2棟母屋受け部材139の第3折曲げ部160が、既存の母屋受け金具137の折曲げ部158と略90°、すなわち新規大棟152と略平行となり、該第2棟母屋受け部材139上に、木角材である第2棟母屋144の一端部を載置し、ボルト締めにより固定することで、新規大棟152頂部に、新規大棟152と略平行な第2棟母屋144を新たに設置している。このように、既存の母屋受け金具137を利用して棟母屋受け金具143を設置することで、棟母屋受け金具143を既存隅木梁128上に直接設置する場合に較べて、ボルト穴を空ける手間を削減できるという利点がある。
【0082】
本実施形態においては、新規大棟152頂部の新規大棟152に対して略対称な位置に、第1棟母屋136、及び第2棟母屋144を設置する場合について述べたが、新規大棟152の形態はこれに限られたものでは無く、新規大棟152頂部を跨ぐ形状の1本の棟木(不図示)を設置する形態であっても構わない。この場合、本実施形態と同様に、谷木梁接続金具133と、棟母屋受け金具143を設置し、棟木の一方の側部を、谷木梁接続金具133の第1棟母屋受け部材131上に載置してボルト締めで固定すると共に、棟木の他方の側部を、棟母屋受け金具143の第2棟母屋受け部材139上に載置してボルト締めで固定する。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の小屋組の増築施工法によれば、既存住宅の小屋組を全面的に解体することなく、既存住宅の既存母屋を全て撤去することなく、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して増築部の新規母屋を既存住宅の既存母屋と略同一面に配置することができると共に、既存住宅と増築部の境界部分に生じる谷部に沿って設置する新規谷木梁の上端部を既存隅木梁の長手方向中間部に接続することができるという利点がある。
【0084】
また、既存の小屋組を全面的に解体しないので、施工期間を短縮することができるだけでなく、労力を削減しながら作業性を向上させることができるという利点がある。
【0085】
更に、各部材の接続を締結具で締結することにより行うので、作業性の向上を図ることができるだけでなく、溶接接合と比べて、十分な安全性を確保することができるという利点がある。
【0086】
更にまた、既存の小屋組を全面的に解体しないので、産業廃棄物の発生量を減少させることができるだけでなく、これを運搬して処理するための費用を削減することができるという利点がある。
【0087】
そして、施工期間の短縮化により顧客に不便を強いる期間が短くなり、顧客の負担を軽減させることができるという利点がある。
【0088】
請求項2に記載の小屋組の増築施工法によれば、上述の効果に加えて、既存住宅の小屋組や軒裏等を全面的に解体することなく、既存住宅の軒先に沿って軒先梁を新たに設置することができるという利点がある。
【0089】
また、既存住宅の小屋組や軒裏等の全面的な解体が不要となることで、省力化、及び施工期間の大幅な短縮を図ることができると共に、従来、産業廃棄物として処理していた、解体時に生じる不要なトラスが発生しなくなることで、処理に要するコストを削減することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る小屋組全体の概略を示す平面図である。
【図2】軒先母屋の実施形態を示す平面図である。
【図3】軒先母屋受け金具及び軒先母屋延長金具を示す斜視図である。
【図4】軒先母屋延長金具の軒先母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図5】新規軒先母屋の軒先母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図6】第1母屋の実施形態を示す平面図である。
【図7】第1母屋受け金具を示す平面図である。
【図8】第1母屋延長金具を示す斜視図である。
【図9】第1母屋延長金具の第1母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図10】新規第1母屋の第1母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図11】第2母屋の実施形態を示す平面図である。
【図12】第2母屋受け金具を示す平面図である。
【図13】第2母屋延長金具を示す斜視図である。
【図14】第2母屋延長金具の第2母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図15】新規第2母屋の第2母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図16】一般母屋の実施形態を示す平面図である。
【図17】一般母屋受け金具を示す平面図である。
【図18】一般母屋延長金具を示す斜視図である。
【図19】一般母屋延長金具の一般母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図20】新規一般母屋の一般母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図21】軒先梁の設置の実施形態に係る小屋組の屋根伏せを示す図である。
【図22】軒先梁の設置の第1の実施形態に係るトラス軒先部への前処理の流れを説明するための説明図である。
【図23】軒先梁の設置の第1の実施形態に係るトラス軒先部への前処理を各手順ごとに説明するための説明図である。
【図24】軒先梁の設置の第1の実施形態に係るトラス軒先部への前処理を各手順ごとに説明するための説明図である。
【図25】軒先梁の設置の第1の実施形態に係る軒先梁設置金具の概略斜視図である。
【図26】軒先梁の設置の第1の実施形態に係る軒先梁設置金具の設置方法を説明するための概略斜視図である。
【図27】軒先梁の設置の第1の実施形態に係る軒先梁設置金具の設置状態を示す概略側面図である。
【図28】軒先梁の設置の第1の実施形態に係る軒先梁設置金具と軒先梁の接続部分を示す概略平面図である。
【図29】軒先梁の設置の第1の実施形態に係る軒先梁設置金具と葺き下ろし梁の接続部分を示す概略側面図である。
【図30】軒先梁の設置の第2の実施形態に係る軒先梁設置金具の概略斜視図である。
【図31】軒先梁の設置の第2の実施形態に係る軒先梁設置金具と軒先梁の接続部分を示す概略平面図である。
【図32】軒先梁の設置の実施形態に係るトラス、隅木梁、及び登り梁と、軒先梁の接続部分について説明するための概略平面図である。
【図33】隅木梁接続梁の概略斜視図である。
【図34】本発明の実施形態に係る隅木梁接合梁と葺き下ろし梁の接合部分を示す概略平面図である。
【図35】本発明の実施形態に係る隅木梁接合梁と隅木梁の接合部分を示す概略斜視図である。
【図36】新規谷木梁の既存隅木梁への接続の実施形態に係る小屋組の屋根伏せを示す図である。
【図37】谷木梁接続金具の概略斜視図である。
【図38】棟母屋受け金具の概略斜視図である。
【図39】谷木梁接続金具、及び棟母屋受け金具の設置状態を示す概略平面図である。
【図40】新規谷木梁と既存隅木梁の接続部分を示す概略側面図である。
【図41】棟母屋受け金具を既存の母屋受け金具に取付けた状態を説明するための概略側面図である。
【符号の説明】
1 新規軒先母屋
2 既存軒先母屋
3 既存隅木梁
4 既存軒先梁
20 新規第一母屋
21 既存第一母屋
42 新規第2母屋
43 既存第2母屋
64 新規一般母屋
65 既存一般母屋
83 トラス
84 軒先梁
127 新規谷木梁

Claims (2)

  1. 寄棟造りの既存住宅の桁面の一部分に、既存住宅の既存小屋組の一部と増築部の新規小屋組の一部とを略同一面に、かつ、増築部の棟高さを既存住宅の棟高さより低く増築する際の増築工事における小屋組の増築施工法であって、
    既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁に設置された母屋受け金具に設置される母屋受け接続部と該母屋受け接続部と略90°をなす母屋接続部とを有する母屋延長金具を用い、前記母屋受け金具に前記母屋受け接続部を固定し、増築部の新規母屋を前記母屋受け金具に設置された既存母屋の延長上に設置することにより、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して、前記増築部の新規母屋を前記既存母屋と略同一面に配置し、
    既存住宅と増築部の境界部分において生じる谷部に沿って設置する新規谷木梁の上端部に、谷木梁設置金具の谷木梁取付け部を固定し、該谷木梁取付け部と略90°の角度をなすと共に、既存隅木梁の立ち上がり角度に略等しい角度で立ち上がる、前記谷木梁設置金具の隅木梁取付け部を、前記既存隅木梁の長手方向中間部に固定することを特徴とする小屋組の増築施工法。
  2. 前記既存住宅の桁側面のトラス軒先部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、前記トラスのウエブを跨ぐウエブ跨ぎ部と、該ウエブ跨ぎ部から直角方向に突設された軒先梁接続部とを有する軒先梁接続金具を前記軒先梁接続部を相対向させてそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することにより、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加することを特徴とする請求項1に記載の小屋組の増築施工法。
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