JP2004027672A - 建物の面材支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下に延びる方立20を左右に間隔を置いて立設する。左右の方立20間ごとに板ガラス10を上下に並べ、その自重を各方立20の自重受け部40で受ける。上下に隣り合う2つの板ガラス20の屋内側の面間に無目30を跨らせ、屋外側の面間に横押縁70を跨らせ、無目30と横押縁70で上記2つの板ガラス20をそれぞれ挟持する。横押縁70と無目30は、上記2つの板ガラス20間に通された押縁支持部材50で連結されている。押縁支持部材50は、無目30に上下動可能に支持されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の外壁等において板ガラス等の面材を方立で支持した構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19に示すように、板ガラス1(面材)を用いて建物の外壁を構築する場合には、上下に延びる複数の方立2を互いに左右(紙面と直交する向き)に離して立設する。左右に隣り合う方立2間には、無目3を互いに上下に離して架け渡す。方立2の前面(屋外側の面)には、無目3と同じ高さにセッティングブロック4(面材自重受け部)を設ける。このセッティングブロック4に各板ガラス1の下端隅部を載せることにより、左右の方立2間ごとに板ガラス1を上下に並べる。さらに、上下に隣り合う板ガラス1の境において、無目3の前面に突出された連結板部3aに横押縁7の連結板部7aを連ねる。これによって、上下の板ガラス1をシール6等を介して横押縁7と無目3とにより前後から挟み込み、これら板ガラス1に作用する面外荷重を受けさせる。
なお、無目3に代えて、短い板状のピースフレーム(短横材)を用いる場合もある。ピースフレームは、長手方向の中央部が方立に固定され、両側部が方立から左右へ片持ち状に延出されている。この両側部と横押縁とで板ガラスを挟み込むことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来構造では、地震によって板ガラス1が上方に変位しても連結板部3a,7aに衝突することがないように、板ガラス1と連結板部3a,7aとの間に大きなクリアランスC0が設定されている。そのため、横押縁7の見付け寸法が大きくなり、意匠性が劣るという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る建物の面材支持構造は、上下に延びるとともに互いに左右に離れて複数配された方立と、左右に隣り合う方立間に上下に並べられた面材の自重を受けるべく各方立に設けられた面材自重受け部と、上下に隣り合う2つの面材への面外荷重を受ける面外荷重受け部とを備えている。面外荷重受け部が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨るようにして上記方立に設けられた屋内側挟持部と、この屋内側挟持部から突出して上記2つの面材の間に通された面材間挿通部と、この面材間挿通部に一体に連なるとともに上記2つの面材の屋外側の面間に跨り上記屋内側挟持部と協働してこれら面材をそれぞれ挟持する屋外側挟持部とを有している。上記面材間挿通部及び屋外挟持部が、上記方立に対して上下動可能になっている。これによって、面材と面材間挿通部とのクリアランスを小さくすることができ、その分だけ屋外側挟持部ないしはカバー(横押縁)の見付け寸法を小さくでき、意匠性を高めることができる。
【0005】
ここで、左右に隣り合う方立間に無目が水平に架け渡され、この無目が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨ることにより上記屋内側挟持部として提供されており、上記面材間挿通部が、上記無目に上下動可能に支持されていてもよく、長手方向の中央部が上記方立に固定され、両側部が方立から左右へ片持ち状に延出された短い横材を備え、この短横材が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨ることにより上記屋内側挟持部として提供されており、この短横材の長手方向中央部に上記面材自重受け部が設けられ、両側部にそれぞれ1又は複数の上記面材間挿通部が上下動可能に支持されていてもよい。上記面材自重受け部は、上記方立における所定の面材支持位置から下方へは移動不能となり、上記面材支持位置から上側の範囲では上下動可能になっているのが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、建物の躯体Bには、四角形の開口部Baが形成され、この開口部Baの上下の面に左右に延びる枠Fがそれぞれ固定されている。これら上下の枠F間には、上下に延びる複数の方立20が互いに左右に離れて配置されている。左右に隣り合う方立20間には、無目30が互いに上下に離れて架け渡されている。上下の枠F及び方立20と無目30とで区画された四角形の領域ごとに板ガラス10が配置されている。(左右に隣り合う方立20間に板ガラス10が上下に並べて配置されている。)
【0007】
図1〜図5に示すように、方立20は、方立本体21と縦壁22を一体に有している。方立本体21は、断面四角形の筒状をなして上下に延び、上下両端部が、それぞれ上下の枠Fを介して躯体Bに支持されている。縦壁22は、方立本体21から前方(屋外方向)へ突出するとともに方立本体21の全長にわたって上下に延びている。縦壁22の左右両面には、上下に延びる嵌合溝22aが互いに前後にずれて形成されている。
【0008】
図2〜図5に示すように、縦壁22を挟んでその左右両側には、一対のガラス自重受け部材40(面材自重受け部)が設けられている。これらガラス自重受け部材40は、縦壁22に沿って上下に離れて複数配されている。各ガラス自重受け部材40は、縦長のスライド嵌合部41と、このスライド嵌合部41の長手方向の中間部に突設されたガラス載置部42とを有している。スライド嵌合部41が、縦壁22の嵌合溝22aに上下スライド可能に嵌合されている。各自重受け部材40より下側の嵌合溝22a内には、ストッパ44がビス止めされている。したがって、自重受け部材40は、ストッパ44に突き当たった位置(所定のガラス支持位置)より下方へ移動することができず、この位置より上側で上下動できるようになっている。なお、ガラス自重受け部材40は、比較的軟質の樹脂からなる保護カバー43で覆われている。この保護カバー43の前後両縁部には、係止爪43aがそれぞれ形成されており、この係止爪43aが縦壁22に上下スライド可能に係止されている。
【0009】
図3に最も良く示されているように、左右に隣り合う方立20の互いに対向する載置部41に、1枚の板ガラス10の左右両側の下端隅部がそれぞれ保護カバー43を介して載置されている。これによって、板ガラス10の自重が、左右のガラス自重受け部材40及びストッパ44を介して方立20に伝えられるようになっている。このようにして、左右に隣り合う方立20間ごとに板ガラス10が上下に並べられて設置されている。
【0010】
なお、最下段の板ガラス10は、下側枠F(図1)に支持されている。また、図1、図4に示すように、方立20の前方(屋外側)には、縦押縁(縦化粧カバー)80が設けられている。縦押縁80は、幅方向を左右に向けた縦押縁本体81と、この縦押縁本体81から屋内側へ突出する連結板部82とを有し、方立20のほぼ全長にわたって上下に延びている。連結板部82の屋内側端部に嵌合爪82aが形成されており、この嵌合爪82aが、方立20の縦壁22に嵌合されている。図2、図5に示すように、連結板部82には、上記ガラス自重受け部材40を逃がすための切欠部82bが形成されている。図4に示すように、縦押縁本体81は、左右に隣り合う板ガラス10の屋外側の面間に跨っている。縦押縁本体81と各板ガラス10との間、及び方立本体21と各板ガラス10との間には、それぞれシール68及びバッカー69が詰められている。これによって、縦押縁本体81と方立本体21とが、シール68及びバッカー69を介して左右の各板ガラス10を前後から挟持している。
【0011】
図1〜図3に示すように、上下に隣り合う板ガラス10どうしの境には、これら板ガラス10より屋内側に上記無目30が配されている。無目30は、上下の板部31と中板部32とを有して大略「エ」字状の断面をなし、左右に延びている。図2、図5に示すように、無目30の左右両端部の屋内側の開口には、L字状のブラケット34が挿し入れられている。このブラケット34の無目側片34aが、中板部32に設けられた凸条台32aにボルト締めされ、方立側片34bが、方立本体21の側面にビス止めされている。これによって、無目30の両端部がブラケット34を介して左右の方立20に連結されている。なお、無目30の屋内側の開口には、これを覆う屋内側化粧カバー35が嵌め込まれている。
【0012】
図2に示すように、無目30の上下の板部31の前端縁(屋外側の縁)には、互いの対向方向へ突出する一対の前板部33が設けられている。上側の前板部33は、上側の板ガラス10の下端の背面(屋内側面)とシール61及びバッカー62を挟んで対峙している。下側の前板部33は、下側の板ガラス10の上端の背面とガラススペーサ63を挟んで対峙している。したがって、無目30は、上下に隣り合う板ガラス10の背面間に跨っている。
【0013】
無目30の前板部33と中板部32との間には、後記押縁支持部材50のための収容凹部30aが形成されている。
さらに、無目30は、上下の板ガラス10間を前側(屋外側)から塞ぐ横押縁(横化粧カバー)70と協働して、これら板ガラス10を前後から挟持している。横押縁70は、押縁支持部材50を介して無目30に連結されている。図2、図3に示すように、押縁支持部材50は、断面「エ」字形状をなすスライド嵌合部51と、このスライド嵌合部51の中間部のやや下寄りの高さから前方(屋外方向)へ水平に突出する連結板部52とを有し、無目30のほぼ全長にわたって左右に延びている。スライド嵌合部51は、無目30の収容凹部30aに上下スライド可能に収容されて支持されている。すなわち、収容部30の天井面に突き当たる上限位置と内底面に突き当たる下限位置との間で上下スライド可能になっている。通常時において、スライド嵌合部51は、収容凹部30aの内底面に当たって下限位置に位置している。連結板部52は、無目30の上下の前板部33の間に通され、無目30より前方へ突出されている。連結板部52の上面には、2つの嵌合爪52aが前後に離れて形成されている。
【0014】
図2、図4、図5に示すように、横押縁70は、幅方向を上下に向けた横押縁本体71(屋外側挟持部)と、この横押縁本体71の幅方向の中央部から屋内側へ水平に突出する連結板部72とを有し、無目30のほぼ全長にわたって押縁支持部材50より長く左右に延びている。連結板部72の下面には、2つの嵌合爪72aが前後に離れて形成されている。この連結板部72が、押縁支持部材50の連結板部52の上側に重ねられ、前後の嵌合爪72aが、連結板部52の嵌合爪52aにそれぞれ嵌合されている。これによって、連結板部52,72どうしが連結されている。これら連結板部52,72(面材間挿通部)は、上下の板ガラス10の間に通されている。連結板部52とその下側の板ガラス10とのクリアランスCは、極めて小さくなっている。
【0015】
図2に示すように、横押縁本体71は、上下に隣り合う板ガラス10の前面(屋外側面)間に跨っている。すなわち、横押縁本体71の連結板部72より上側部は、上側の板ガラス10の下端の前面とシール64及びバッカー65を挟んで対峙している。横押縁本体71の連結板部72より下側部は、下側の板ガラス10の上端の前面とシール66及びバッカー67を挟んで対峙している。
【0016】
このようにして、無目30と横押縁70とが上下の板ガラス10を前後から挟持することにより、これら板ガラス10に屋外方向への面外荷重が作用したときは、これを横押縁70が受け、押縁支持部材50、無目30を順次経て、方立20に伝えることができる。また、各板ガラス10に屋内方向への面外荷重が作用したときは、これを無目30が受け、方立20に伝えることができる。
無目30と押縁支持部材50と横押縁70とによって、特許請求の範囲の「面外荷重受け部」が構成されている。無目30は、特許請求の範囲の「屋内側挟持部」として提供されている。
【0017】
作用を説明する。
いま、図1の仮想線及び図6に示すように、地震によって方立20が例えば右に傾いて層間変位が発生し、各板ガラス10が右下隅部を中心として時計方向へ回転したものとする。これによって、板ガラス10の左上隅部が上がる。また、無目30が水平を維持しながら下がり、相対的に板ガラス10が上へ鉛直変位する。これによって、図6、図7に示すように、右下の板ガラス10の上端縁が押縁支持部材50の連結板部52に突き当たる。すると、押縁支持部材50と横押縁70とが上方へ一体にスライドし、板ガラス10の鉛直変位を吸収する。したがって、板ガラス10が破損することはない。このように、板ガラス10が連結板部52に当たっても支障が無いので、図2に示すように、両者間のクリアランスCを図19の従来構造のクリアランスC0よりも小さくすることができる(C<C0)。したがって、このクリアランスの差(C0−C)だけ横押縁本体71の見付け寸法Lを小さくすることができる。これによって、建物外観の意匠性を高めることができる。
また、上記層間変位によって板ガラス10の左上隅部が上方のガラス自重受け部材40の載置部41に突き当たる。すると、このガラス自重受け部材40が、上方へスライドし、板ガラス10の左上隅部の鉛直変位を吸収する。したがって、板ガラス10の上隅部が破損することはない。
【0018】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において上記第1実施形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図8〜図10に示すように、第2実施形態では、上記無目30に代えてピースフレーム90(短横材)が用いられている。図11、図12に示すように、ピースフレーム90は、幅方向を前後方向に向けたベースフレーム部91と、幅方向を上下に向けてベースフレーム部91の前端部に設けられた支持フレーム部92とを一体に有し、左右へ水平に延びている。ベースフレーム部91の長手方向の中央部が、L字状のブラケット94を介してH字状断面の方立20Aに連結されている。これにより、ピースフレーム90の左右両側部が、方立20Aから左右へそれぞれ片持ち状に延出されている。
【0019】
図12、図14、図15に示すように、支持フレーム部92は、嵌合溝92aを有して大略縦長C字状の断面をなし、上下に隣り合う板ガラス10の背面(屋内側の面)間に跨っている。支持フレーム部92と上側の板ガラス10との間には、シール133及びバッカー134が設けられ、支持フレーム部92と下側の板ガラス10との間には、シール136及びバッカー135が設けられている。支持フレーム部92の全長にわたって形成された嵌合溝92aは、側面視縦長をなすとともに上下方向の中央部が前方へ開口している。嵌合溝92aの両端部には、キャップ93が嵌め込まれている。
【0020】
図11、図12、図14、図15に示すように、ピースフレーム90の長手方向の中央部には、セッティングブロック100(面材自重受け部)が固定されている。セッティングブロック100は、ベース部101とセッティング部103とを有している。ベース部101は、幅方向を上下に向けた板状をなし、支持フレーム部92の嵌合溝92aに挿入されてビス止めされている。ベース部101の前面の上下方向の中央部に連結部102が設けられている。この連結部102が、嵌合溝92aの前面開口に通され、その突出端に上記セッティング部103が一体に連ねられている。セッティング部103は、左右両翼の載置部103aと、これら載置部103aと直交して上下に突出された仕切部103bとを有して、正面視十字形状をなしている。セッティング部103の外周に十字形状の保護カバー104が設けられている。保護カバー104の左右両翼の上面には、保護シート105が貼り付けられている。セッティング部103の左右の載置部103a上に、左右に隣り合う板ガラス10の下端隅部が、それぞれ保護シート105及び保護カバー104を介して載置されている。これによって、板ガラス10の自重が、セッティングブロック100、ピースフレーム90、ブラケット94を順次経て、方立20Aに伝えられるようになっている。左右の板ガラス10は、仕切部103bで仕切られている。
【0021】
図13、図15に示すように、ピースフレーム90の支持フレーム部92の左右両端部(屋内側挟持部)は、連結部材110を介して屋外側挟持板120(屋外側挟持部)に連なり、この挟持板120と協働して上下の板ガラス10を前後から挟持している。連結部材110は、幅方向を上下に向けた板状のベース部111と、幅方向を前後に向けた板状のガラス間挿通部112(面材間挿通部)とを有している。ベース部111は、支持フレーム部92の嵌合溝92aに上下動可能に挿入されている。嵌合溝92aの上下端部には、ベース部111との間の隙間に弾性部材113が設けられている。図11に示すように、ベース部111より左右両側の嵌合溝92aには、横ずれ防止ライナー114がベース部111を左右から挟むようにして設けられている。これによって、連結部材110が左右にずれるのが阻止されている。
【0022】
図13、図15に示すように、ベース部111の上下中間部に、上記ガラス間挿通部112が前方(屋外方向)へ突出するようにして設けられている。ガラス間挿通部112は、嵌合溝92aの前面開口を経て、上下に隣り合う板ガラス10間に通されている。ガラス間挿通部112の前端部は、前方(屋外方向)へ向かうにしたがって厚みが増し、係止部112aを形成している。係止部112aの長手方向の中央部には、切欠溝112bが形成されている。
【0023】
屋外側挟持板120は、幅方向を上下に向けた板形状をなしている。屋外側挟持板120の背面の幅方向中央には、左右に延びる係止溝120aが形成されている。この係止溝120aにガラス間挿通部112の係止部112aが嵌合されている。これによって、屋外側挟持板120が、前後に移動不能になっている。また、屋外側挟持板120の中央部にねじ込まれた横ずれ防止ビス125が、ガラス間挿通部112の切欠溝112bに挿し入れられている。これによって、屋外側挟持板120が左右にずれるのが阻止されている。
【0024】
屋外側挟持板120は、上下に隣り合う板ガラス10の前面(屋外側面)間に跨っている。すなわち、屋外側挟持板120の上側部は、上側の板ガラス10の下端の前面と、下側部は、下側の板ガラス10の上端の前面と、それぞれパッキン130を挟んで対峙している。このようにして、ピースフレーム90の支持フレーム部92と屋外側挟持板120とが上下の板ガラス10を前後から挟持することにより、これら板ガラス10に屋外方向への面外荷重が作用したときは、これを屋外側挟持板120が受け、連結部材110、ピースフレーム90を順次経て、方立20Aに伝えることができる。また、各板ガラス10に屋内方向への面外荷重が作用したときは、これをピースフレーム90が受け、方立20Aに伝えることができる。
ピースフレーム90の支持フレーム部92と屋外側挟持板120とによって、特許請求の範囲の「面外荷重受け部」が構成されている。
【0025】
左右の屋外側挟持板120間には、化粧カバー140が架け渡されている。化粧カバー140は、幅方向を上下に向けた板形状をなしてピースフレーム90とほぼ同一の長さだけ左右に延びている。この化粧カバー140の左右両端部が、屋外側挟持板120を屋外側から覆うとともに、長手方向の中間部が、セッティンググロック100を屋外側から覆っている。化粧カバー140の背面には、上下の縁に沿ってリブ141が設けられている。化粧カバー140の左右両端部において、上下のリブ141間に屋外側挟持板120が挟み込まれ、ビス止めされている。化粧カバー140と上下の板ガラス10との間には、シール131及びバッカー132が設けられている。
【0026】
図16に示すように、地震時に方立20Aが例えば右に傾くと、これに伴ってピースフレーム90は、左側部が上がり、右側部が下がるように傾斜する。これによって、図17、図18に示すように、右下の板ガラス10が相対的に上へ鉛直変位し、その上端部が、ピースフレーム90の右側のガラス間挿通部112に突き当たる。すると、連結部材110と屋外側挟持板120が上方へ一体にスライドし、板ガラス10の鉛直変位を吸収する。これによって、板ガラス10の上端部の破損を防止することができる。この結果、図13に示すように、板ガラス10と連結部材110のガラス間挿通部112との間のクリアランスC1を小さくでき、その分だけ化粧カバー140の見付け寸法L1を小さくしてスリム化することができ、建物外観の意匠性を高めることができる。
また、構造が比較的簡単であるため、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0027】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変を行なうことができる。例えば、屋内側挟持部が、面材間挿通部及び屋外側挟持部と一体に方立に対して上下動可能になっていてもよい。
第2実施形態においてピースフレーム90の両側部に複数の屋外側挟持板120及び連結部材110を互いにフレーム90の長手方向に離して設けてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、地震等によって面材が上下に相対変位しても面材間挿通部が上下動することによって面材の変位を吸収することができる。これによって、面材と面材間挿通部とのクリアランスを小さくすることができ、その分だけ屋外側挟持部ないしは横化粧カバー(横押縁)の見付け寸法を小さくでき、意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1実施形態に係る板ガラス支持構造を適用した建物外壁の正面図である。
(b)上記(a)のIB−IB線に沿う建物外壁の側面断面図である。
【図2】図1(a)のII−II線に沿う板ガラス支持構造の側面断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う板ガラス支持構造の正面断面図である。
【図4】図1(a)のIV−IV線に沿う板ガラス支持構造の平面断面図である。
【図5】図1(a)のV−V線に沿う板ガラス支持構造の平面断面図である。
【図6】上記板ガラス支持構造が地震を受けた際の状態を例示した正面断面図である。
【図7】上記板ガラス支持構造が地震を受けた際の状態を例示した側面断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る板ガラス支持構造を適用した建物外壁の正面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う建物外壁の平面断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う建物外壁の側面断面図である。
【図11】図8のXI−XI線に沿う板ガラス支持構造の平面断面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う板ガラス支持構造の側面断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿う板ガラス支持構造の側面断面図である。
【図14】図11のXIII−XIII線に沿う板ガラス支持構造の正面断面図である。
【図15】上記第2実施形態の板ガラス支持構造の斜視図である。
【図16】上記第2実施形態の板ガラス支持構造が地震を受けた際の状態を例示した正面図である。
【図17】図16のXVII円部の正面断面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線に沿う板ガラス支持構造の側面断面図である。
【図19】従来の板ガラス支持構造の一例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
10 板ガラス(面材)
20,20A 方立
30 無目(屋内側挟持部)
40 ガラス自重受け部材(面材自重受け部)
50 押縁支持部材
52 連結板部(面材間挿通部)
70 横押縁(屋外側挟持部)
72 連結板部(面材間挿通部)
90 ピースフレーム(短横材)
92 支持フレーム部(屋内側挟持部)
100 セッティングブロック(面材自重受け部)
120 屋外方向面外荷重受け部材
110 連結部材
112 ガラス間挿通部(面材間挿通部)
120 屋外側挟持板(屋外側挟持部)
Claims (3)
- 上下に延びるとともに互いに左右に離れて複数配された方立と、左右に隣り合う方立間に上下に並べられた面材の自重を受けるべく各方立に設けられた面材自重受け部と、上下に隣り合う2つの面材への面外荷重を受ける面外荷重受け部とを備え、
この面外荷重受け部が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨るようにして上記方立に設けられた屋内側挟持部と、この屋内側挟持部から突出して上記2つの面材の間に通された面材間挿通部と、この面材間挿通部に一体に連なるとともに上記2つの面材の屋外側の面間に跨り上記屋内側挟持部と協働してこれら面材をそれぞれ挟持する屋外側挟持部とを有し、上記面材間挿通部及び屋外挟持部が、上記方立に対して上下動可能になっていることを特徴とする建物の面材支持構造。 - 左右に隣り合う方立間に無目が水平に架け渡され、この無目が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨ることにより上記屋内側挟持部として提供されており、
上記面材間挿通部が、上記無目に上下動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の面材支持構造。 - 長手方向の中央部が上記方立に固定され、両側部が方立から左右へ片持ち状に延出された短い横材を備え、この短横材が、上記2つの面材の屋内側の面間に跨ることにより上記屋内側挟持部として提供されており、
この短横材の長手方向中央部に上記面材自重受け部が設けられ、両側部にそれぞれ1又は複数の上記面材間挿通部が上下動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の面材支持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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