JP2004027613A - 剥落防止用補強工法 - Google Patents

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Kaori Nagai
永井 香織
Uigunaraaja Shibakumaran
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Abstract

【課題】孔部形成時の作業中に発生する騒音を減少させるのと同時に直径の小さい孔部を形成し、建物の外壁に貼り付けられたタイルの剥落を防止する剥落防止方法を提供する。
【解決手段】コンクリート成形体4にレーザー光Lを照射して孔部8を形成し、この孔部8にピン10又はピン11を挿入して、コンクリート硬化体1とタイル3とを固定することによって、タイル3の剥落を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート硬化体の表面に施される仕上げ材の剥落防止用補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁等には、仕上げ材としてタイル(貼付材)等が貼り付けられている場合や、モルタルを塗り塗装を施す等の場合がある。このような仕上げ材は、建物のデザインを創り出すだけではなく、コンクリート中の鉄筋が錆びるのを防止し耐久性を高める役割をもまかなっている。
【0003】
従来このような建物において仕上げ材がコンクリート硬化体から剥離した場合、この仕上げ材の剥離を防止する方法として、仕上げ材に孔部を形成して仕上げ材とコンクリート硬化体の間の空隙に接着剤を充填して固定する方法や、仕上げ材の表面から建物の内部に向けて振動ドリル、ハンマードリル、高速回転ダイヤモンドドリルなどを用いて孔部を形成すると共に、この孔部にアンカーボルトを打ち込み、さらにエポシキ系樹脂等の接着剤を用いて固定することによって建物と仕上げ材を固定し、仕上げ材の剥落防止を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記方法ではコンクリート建造物の孔部形成作業時に、80dB(decibel)以上の騒音が発生してしまい、作業所やその周辺の環境も悪化させるという問題がある。特に、既存のコンクリート建造物の保守、改修、補強のための孔部形成では、この作業における騒音により上下、左右の階層に悪影響を与える可能性がある。
また、高速ダイヤモンドドリル等の工具の構造に起因するものがあり4mm以下の孔部を形成するのが難しいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、孔部形成時の作業中に発生する騒音を減少させることが可能であり、施工が容易な建物の表面の仕上げ材の剥落を防止する剥落防止用補強工法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための第1の発明は、コンクリート硬化体と、このコンクリート硬化体の表面部に施される仕上げ材とで構成されたコンクリート成形体において、前記仕上げ材の表面部にレーザー装置を用いてレーザー光を照射して前記仕上げ材と前記コンクリート硬化体の間の空隙部に連通する孔部を形成すると共に、この孔部から接着剤を充填させることによって前記仕上げ材の剥落を防止することを特徴とする剥落防止用補強工法を提供する。
【0007】
第1の発明によれば、仕上げ材の表面部にレーザー光を照射して前記仕上げ材と前記コンクリート硬化体の間の空隙部に連通する孔部を形成し、この孔部から接着剤を充填してコンクリート成形体と仕上げ材の間にできた僅かな凹凸の空隙(隙間)を埋め、コンクリート硬化体の表面から仕上げ材の剥落を防止することができる。特に、壁面の仕上げ材や剥離の程度の軽い場合に有効である。
ここで、仕上げ材とは、タイル、石材、人工石、モルタル、目地モルタル、樹脂系モルタル材等、塗布や貼付けなどによってコンクリート成形体の外壁を形成するために使用する材料である。
【0008】
第2の発明は、コンクリート硬化体と、このコンクリート硬化体の表面部に施される仕上げ材とで構成されたコンクリート成形体において、前記仕上げ材の表面にレーザー装置を用いてレーザー光を照射して前記仕上げ材及び前記コンクリート硬化体に孔部を形成すると共に、この孔部に棒状部材を係合することによって前記仕上げ材の剥落を防止することを特徴とする剥落防止用補強工法を提供する。
【0009】
第2の発明によれば、コンクリート硬化体の表面部が仕上げ材で覆われたコンクリート成形体にレーザー光を照射して孔部を形成すると、孔部に粉塵が残存しないため、仕上げ材の表面をクリーニングする必要もなく簡易に所定寸法の必要最小限の孔部を形成することができ、この孔部に棒状部材を係合し固定することによって、コンクリート硬化体の外壁から前記仕上げ材が剥落することを防止することができる。
【0010】
第3の発明は、前記レーザー装置から光ファイバーを介して前記コンクリート成形体にレーザー光を照射することを特徴とする剥落防止用補強工法を提供する。
【0011】
第3の発明によれば、レーザー装置からのレーザー光を伝送するのに光ファイバーを利用することで、レーザー装置を固定した状態でも光ファイバーを移動させ照射位置を自由に変更することができ、また、レーザー光が照射できればどのような状態でも孔部を容易に形成することができる。
【0012】
第4の発明は、前記レーザー装置から照射されるレーザー光は、波長0.76〜1.06μm、エネルギー密度4500W/cm以上、エネルギー量20000J/cm以上の前記レーザー光を照射することを特徴とするレーザーによる剥落防止用補強工法を提供する。
【0013】
第4の発明によれば、前記レーザー装置は、波長0.76〜1.06μm、エネルギー密度4500W/cm以上、エネルギー量20000J/cm以上のレーザー光をコンクリート成形体に照射することで、前記仕上げ材と前記コンクリート硬化体の間の空隙部に連通する孔部を容易に高精度かつ短時間で形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、コンクリート成形体にレーザー光を照射した状態を示した斜視図である。
図1に示すように、本発明に適用されるコンクリート成形体4は、コンクリート硬化体1と、このコンクリート硬化体1の表面に接着層2によって接着されるタイル(仕上げ材)3とで構成されている。
【0015】
ここで、コンクリート硬化体1は、普通コンクリート、高強度コンクリート、重量コンクリート、軽量コンクリート等の各種コンクリートであり、特に限定するものではない。
接着層2は、コンクリート硬化体1の表面にタイル3を貼り付ける際に用いるエポキシ系樹脂等の接着剤を混入した接着層である。
タイル3は、従来公知である陶器、セメント及び合成樹脂等から形成されたものを用いてもよい。
【0016】
そして、本発明に用いる穿孔装置は、レーザー装置5と、このレーザー装置5からのレーザー光を伝送する光ファイバ−6と、この光ファイバー6と接続し、コンクリート成形体4にレーザー光Lを照射するレーザーガン7で構成されている。
【0017】
ここで、レーザー装置5は、0.76〜1.06μmの波長、エネルギー密度を4500W/cm以上及びエネルギー量を20000J/cm以上照射できるレーザー装置であればどのようなレーザー装置でもよく、本発明の実施形態では、前記の条件を満たすNd:YAGレーザーを用いる。
【0018】
レーザーガン7は、レーザー装置5から光ファイバー6で伝送されるレーザー光Lの照射量を調整すると共に、内部にシャッターが組み込まれており、トリガー7aを引いたときにだけレーザーガン7の先端からレーザー光Lを照射し、コンクリート成形体4に任意の寸法及び形状の孔部8を形成することができる。
【0019】
次に、このように構成された穿孔装置を用いたコンクリート成形体4に孔部8の形成方法を説明する。
図2(a)には、レーザー光を用いてコンクリート成形体に孔部を形成する状態を示した断面図であり、図2(b)には、レーザー光によって孔部が形成された状態を示す断面図である。
図2(a)に示すように、コンクリート成形体4のタイル3の表面又は目地部にレーザー光Lを照射すると、コンクリート硬化体1を形成するセメント質材では水和物分解・溶融が起こり、タイルなどでは、溶融・昇華により、徐々にタイル3の表面からコンクリート硬化体1の内部に向けて孔部8が形成される。この孔部8の径および深さは、レーザーの照射条件で異なるが、その寸法は、最低でも直径約0.5mm以上、深さ20mm以上を確保することができる。
【0020】
また、図2(b)に示すように、コンクリート成形体4にレーザー光Lを照射し続けることで任意の径の大きさ及び深さの孔部8を形成することができ、孔部8の径の大きさは、レーザー照射時間に依存し、例えば、直径5mm以下なら照射時間が30秒以下で形成することができる。
なお、本発明で形成する孔部8の直径は5mm以下とし、好ましくは3mm以下、深さ20mm以上とし、好ましくは30mm以上とする。
【0021】
次に、レーザー光Lを照射して孔部8が形成されたコンクリート形成体4を用いてタイル3の剥落を防止する方法について説明する。
図3(a)は、図2(b)で示した孔部にピンを挿入した状態を示す断面図である。図3(b)は、円筒状の円周側面にねじ部が形成されたピンを孔部に挿入した状態を示す断面図である。
図3(a)に示すように、コンクリート成形体4に設けられた孔部8にピン10を打ち込むことによって、タイル3の剥落を防止している。
ここで、ピン10は、円筒状の部材で形成され、この円筒状の直径は孔部8の直径に起因して孔部8の直径より僅かに小さく構成されると共に、このピン10の円周側面には複数の突起部10aが設けられている。
【0022】
図3(a)に示すように、コンクリート成形体4に形成された孔部8にピン10を挿入すると、ピン10の円周側面に設けられた複数の突起部10aがコンクリート成形体4に食い込み、コンクリート硬化体1とタイル3を固定させることができる。
【0023】
この結果、コンクリート成形体4に孔部8を設け、この孔部8にピン10を打ち込み固定することで、接着層2のみで貼り付けていたタイル3の貼り付け強度を補強することができ、タイル3の剥落を防止することができる。
【0024】
また、図3(b)に示すように、円周側面にねじ部11aが形成されたピン11を用いて、孔部8にねじ込みコンクリート硬化体1とタイル3を固定してもタイル3の剥落を防止することができる。
【0025】
さらに、孔部8にピン10又はピン11挿入する際に、接着剤を孔部8に注入することでコンクリート硬化体1とタイル3の接着強度をより強く補強することができる。
【0026】
以上より、第1実施形態の剥落防止用補強工法は、コンクリート成形体4にレーザー光Lを照射して孔部8を形成し、この孔部8にピン10又はピン11を挿入して、コンクリート硬化体1とタイル3とを固定することによって、タイル3の剥落を防止できる。
【0027】
さらに、本発明の剥落防止用補強工法は、電動ドリル等を用いて孔部8を形成する場合と比較して、孔部形成作業時に発生する騒音も小さくすみ、レーザー光Lを用いるため、コンクリート成形体4の孔部形成箇所を自由に設定でき、形成される孔部8の直径も小さくすることができる。
【0028】
また、本発明の第1実施形態において、突起部10aを備えたピン10又はねじ部11aが形成されたピン11を用いたが、本発明を限定するものではなく、例えば、八角ねじやアンカーボルト等を用いても同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、照射面でのレーザー光Lのエネルギー密度が250W/cm以上であれば、ダイオードレーザー等の各種レーザーを用いても同様の効果を得ることができる。
【0030】
また、孔部8の直径の大きさは、レーザー光Lの照射面積及び照射時間によって、任意の直径及び深さに形成することができ、レーザー光Lの照射方法を変更することによって、任意の大きさの孔部8を形成することができる。
また、レーザー光Lの照射方法は、コンクリート成形体4又は構造物成形体13の条件によって、1回から複数回に照射回数を変更しても孔部8を形成することができる。
【0031】
また、第1実施形態において図2(b)に示すようにレーザー光Lを照射することで円筒状の孔部8を形成するとしたが、図4(a)に示すように、孔部8の内部壁面に凹凸形状8aを形成されるようにして、孔部8の内部に接着剤を充填し、ピン10又はピン11を挿入させて固定させることで同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、孔部8の形状は円筒状に限定されるものではなく、例えば、光ファイバーの先端又は近くにレンズ9を設けることによって、レーザー光Lの照射面積を自由に変化させ、任意の形状の孔部8を形成することができる。例えば、図4(b)に示すように、タイル3の表面からレーザー光Lを照射して、コンクリート硬化体1の内部に行くに従って末広がり形状8bの孔部8を形成することができる。
【0033】
さらに、コンクリート硬化体1と、接着層2と、タイル3とで構成されるコンクリート成形体4の正面からレーザー光Lを照射する場合について説明したが、例えば、タイル3に初めから孔部が形成されているものを用いて、コンクリート硬化体1に接着層2を介してタイル3を固定して、タイル3の孔部からレーザー光Lを照射して、コンクリート硬化体1に孔部8を形成するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、レーザー装置5から照射されるレーザー光Lを光ファイバー6で伝送すると記載したが、光ファイバー6を用いないで直接コンクリート成形体4に照射してもよく、さらに、ミラー等を用いて伝送するように構成しても同様の効果を得ることができる。
また、レーザーガン7を用いずに、レーザー装置5で出力を調整するようにしてコンクリート成形体4にレーザー光を照射しても同様の効果を得ることができる。
【0035】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について図面を参照して説明する。
図5(a)には、コンクリート成形体の構成を示す断面図であり、図5(b)には、図5(a)に接着剤を挿入した状態を示す断面図である。
図5(a)に示すように、コンクリート成形体13は、コンクリート硬化体1の表面にモルタル12(仕上げ材)を塗布して形成されている。
【0036】
なお、このように構成されたコンクリート成形体13のモルタル12からレーザー光を照射して孔部8を形成する穿孔装置及び照射方法は、第1実施形態に示したものと同様であり詳細な説明などは省略する。
【0037】
次に、コンクリート成形体13の表面からモルタル12の剥落を防止する方法を説明する。
図5(a)に示すように、コンクリート硬化体1の表面にモルタル12を塗布し乾燥させてコンクリート成形体13を成形すると、コンクリート硬化体1とモルタル12との間に僅かな凹凸の隙間が生じる。しかし、図5(b)に示すようにモルタル12の表面から(モルタル12からコンクリート硬化体1に向けて)穿孔装置を用いてレーザー光を照射してモルタル12と前記コンクリート硬化体1の間の間隔部に連通する孔部8を形成し、形成された孔部8から凹凸の隙間に接着剤14を充填してコンクリート硬化体1とモルタル12とを接着させる。
【0038】
この結果、コンクリート硬化体1とモルタル12との間の凹凸の隙間に接着剤14が充填され、コンクリート硬化体1とモルタル12との接着強度を強化し、コンクリート成形体13の表面からモルタル12が剥落することを防止することができる。
【0039】
以上より、第2実施形態の剥落防止用補強工法は、コンクリート成形体13の表面からレーザー光を照射し孔部8を形成し、この孔部8と凹凸の隙間に接着剤14を充填し、コンクリート硬化体1とモルタル12との接着強度を高めることによって、コンクリート成形体13の表面からモルタル12の剥落を防止することができる。
【0040】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について図面を参照して説明する。
図6(a)には、第3実施形態のコンクリート成形体の構成を示す断面図であり、図6(b)には、孔部形成後に接着剤を挿入した状態を示す断面図である。図6(a)に示すように、コンクリート成形体15は、コンクリート硬化体1の表面にモルタル12を塗布し、このモルタル12の上部に接着層2に設け、この接着層2の外側にタイル3を備えた構成になっている。
【0041】
ここで、コンクリート硬化体1、モルタル12、接着層2、タイル3等は第1実施形態に記載と同様であり、符号や詳細な説明は省略する。
また、このように構成されたコンクリート成形体15のタイル3の表面からレーザー光を照射して孔部8cを形成する穿孔装置及び照射方法は、第1実施形態に示したものと同様であり詳細な説明は省略する。
【0042】
次に、コンクリート成形体15の表面からタイル3の剥落を防止する方法を説明する。
図6(a)に示すように、施工後の時間経過と共に、コンクリート硬化体1とモルタル12との間に微小な凹凸の隙間が形成される場合があり、モルタル12が剥がれることで、モルタル12の表面部に形成された接着層2及びタイル3が剥がれ落ちてしまうおそれがある。
このような場合において、図6(b)に示すように、タイル3の表面又はタイル3とタイル3の間の目地部から穿孔装置を用いてレーザー光を照射して、モルタル12と前記コンクリート硬化体1の間の間隔部(空隙)に連通する孔部8aを形成し、この形成された孔部8aから間隔部の凹凸の隙間に接着剤14を充填してコンクリート硬化体1とモルタル12とを接着することができる。
【0043】
この結果、コンクリート硬化体1とモルタル12との間の接着強度を高めることができ、モルタル12の剥落によって生じるタイル3の剥落を防止することができる。
【0044】
また、第3実施形態の図6(a)に示したコンクリート成形体15において、図7(a)に示すように、タイル3からコンクリート硬化体1の内部にかけて孔部8を形成し、目地部からコンクリート硬化体1の表面まで孔部8aを形成する。その後、図7(b)に示すように、孔部8にピン10を挿入し、孔部8cから接着剤14をコンクリート硬化体1とモルタル12との凹凸の隙間に充填して接着させて、モルタル12の接着強度を高めて固定してタイルの剥落を防止するようにしてもよい。
【0045】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について図面を参照して説明する。
図8(a)には、第4実施形態のコンクリート硬化体にタイルがピンで固定された状態を示す断面図であり、図8(b)には、タイルに孔部を形成し接着剤を充填した状態を示す断面図である。図8(a)に示すように、コンクリート成形体16は、コンクリート硬化体1と、このコンクリート硬化体1の表面にピン10で固定されたタイル3とで構成されている。
【0046】
ここで、コンクリート硬化体1、タイル3、ピン10等は第1実施形態に示したものと同様であり、符号や詳細な説明は省略する。
また、孔部8cを形成する穿孔装置及び照射方法は、第1実施形態に示したものと同様であり詳細な説明は省略する。なお、8cの径の大きさは、特に限定するものではなく、孔部8と同様の大きさでも同様の効果を得ることができるものである。
【0047】
このように構成されたコンクリート成形体16は、コンクリート硬化体1と、タイル3をピン10だけで固定しているため、施工後の時間経過と共に、ピン10の劣化等によってコンクリート硬化体1の表面からタイル3が剥落してしまうおそれがある。しかし、図8(b)に示すように、タイル3の表面からレーザー光を照射して孔部8cを形成して、この孔部8cからコンクリート硬化体1とタイル3の間の空隙部に接着剤14を充填して固定することでコンクリート硬化体1とタイル3の固定強度を高めることができる。
【0048】
この結果、コンクリート硬化体1とタイル3との間の空隙部に接着剤14を充填して、コンクリート硬化体1とタイル3との固定強度を高めることができるので、コンクリート硬化体1の表面からタイル3の剥落を防止することができる。
【0049】
【実施例】
次に本発明のタイルの剥落防止用補強工法の実施例を説明する。
実施例では、図1に示すように、圧縮強度20N/cmの条件で成形されたコンクリート硬化体1と、接着層2(貼り付けモルタル)と、この接着層2に貼り付けられるタイル3で構成されたコンクリート成形体4において本発明のタイルの剥落防止補強工法を適用した例を示す。
また、穿孔装置の構成は、実施形態に示したものと同様であり、符号などの説明は省略する。
【0050】
ここで、レーザーガン7からコンクリート成形体4に照射するレーザー光Lの条件は、コンクリート成形体4の照射面でのレーザー光強度を410W、レーザー光Lの照射径を2.4mm、エネルギー密度を9068W/cm、としてレーザー光Lをコンクリート成形体4に照射した。
【0051】
前記条件でコンクリート成形体4の表面にレーザー光Lを5秒間照射すると、照射面に投入されたレーザー光Lのエネルギー量は、45338J/cmとなり、コンクリート成形体4の表面には、直径2mm、深さ30mmの孔部8を形成することができた。
【0052】
そして、形成された孔部8に、実施形態で示したピン10又はピン11を挿入し、コンクリート成形体4に食い込ませて固定することで、コンクリート成形体4のタイル3が剥落するのを防止することができた。
【0053】
なお、従来の振動ドリルで孔部8を形成した場合には、1m離れた地点で80dB以上の騒音を発生していたのに対し、レーザー光を用いて孔部8を形成した場合、1m離れた地点で57dBとなり、約3割程度の騒音を減少させることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上より本発明の剥落防止用補強工法によれば、コンクリート硬化体の表面が仕上げ材で覆われて構成されたコンクリート成形体に、レーザー光を照射して孔部を形成し、この孔部に棒状部材を係合させて仕上げ材の剥落を防止する仕上げ材の剥落防止用補強工法であり、特に、レーザー光を用いることで小さい孔部を簡単に形成できるとともに、孔部形成時の騒音なども減少させることができる。
【0055】
また、コンクリート硬化体の表面部に仕上げ材が施されたコンクリート成形体に、レーザー光を照射して孔部を形成し、この孔部から接着剤を充填することによって、コンクリート硬化体の表面部に施された仕上げ材の剥落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のコンクリート成形体にレーザー光を照射した状態を示した斜視図である。
【図2】(a) レーザー光を用いてコンクリート成形体に孔部を形成する状態を示した断面図である。
(b) レーザー光によって孔部が形成された状態を示す断面図である。
【図3】(a) 孔部にピンを挿入した状態を示す断面図である。
(b) 円筒状の円周側面にねじ部が形成されたピンを孔部に挿入した状態を示す断面図である。
【図4】(a) コンクリート成形体の孔部内が凹凸状に形成された状態を示す断面図である。
(b) コンクリート成形体の孔部内を末広がりに形成した状態を示す断面図である。
【図5】(a) 第2実施形態のコンクリート成形体の構造を示す断面図である。
(b) 図5(a)に示したコンクリート成形体の孔部から接着剤が充填された状態を示す。
【図6】(a) 第3実施形態のコンクリート成形体の構成を示す断面図である。
(b) 孔部形成後に接着剤を挿入した状態を示す断面図である
【図7】(a) 図6(a)に示したコンクリート成形体に孔部を形成した状態を示す断面図である。
(b) 図7(a)に示した孔部にピン及び接着剤を挿入し固定した状態を示す断面図である。
【図8】(a)第4の実施形態のコンクリート硬化体にタイルがピンで固定された状態を示す断面図である。
(b)タイルに孔部を形成し接着剤を充填した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・コンクリート硬化体
2 ・・・接着層
3 ・・・タイル
4 ・・・コンクリート成形体
5 ・・・レーザー装置
6 ・・・光ファイバー
7 ・・・レーザーガン
7a・・・トリガー
8 ・・・孔部
8a・・・凹凸形状
8b・・・末広がり形状
8c・・・孔部
9 ・・・レンズ
10 ・・・ピン
10a・・・突起部
11 ・・・ピン
11a・・・ねじ部
12 ・・・モルタル
13 ・・・コンクリート成形体
14 ・・・接着剤
15 ・・・コンクリート成形体
16 ・・・コンクリート成形体
L ・・・レーザー光

Claims (4)

  1. コンクリート硬化体と、このコンクリート硬化体の表面部に施される仕上げ材とで構成されたコンクリート成形体において、前記仕上げ材の表面部にレーザー装置を用いてレーザー光を照射して前記仕上げ材と前記コンクリート硬化体の間の空隙部に連通する孔部を形成すると共に、この孔部から接着剤を充填させることによって前記仕上げ材の剥落を防止することを特徴とする剥落防止用補強工法。
  2. コンクリート硬化体と、このコンクリート硬化体の表面部に施される仕上げ材とで構成されたコンクリート成形体において、前記仕上げ材の表面にレーザー装置を用いてレーザー光を照射して前記仕上げ材及び前記コンクリート硬化体に孔部を形成すると共に、この孔部に棒状部材を係合することによって前記仕上げ材の剥落を防止することを特徴とする剥落防止用補強工法。
  3. 前記レーザー装置から光ファイバーを介して前記コンクリート成形体にレーザー光を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の剥落防止用補強工法。
  4. 前記レーザー装置から照射されるレーザー光は、波長0.76〜1.06μmであり、前記仕上げ材の表面でのエネルギー密度4500W/cm以上、エネルギー量20000J/cm以上の前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の剥落防止用補強工法。
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