JP2004027589A - パワーウィンドウの挟み込み検出装置及び挟み込み検出しきい値設定方法 - Google Patents

パワーウィンドウの挟み込み検出装置及び挟み込み検出しきい値設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メモリ容量を節約しつつ、各ドア毎に容易に最適な挟み込み検出感度が確保できるうえ、経年変化にも追従できるパワーウィンドウの挟み込み検出装置及び挟み込み検出しきい値設定方法を提供する。
【解決手段】窓ガラスWGの全閉方向への動作中に、等間隔毎の窓ガラスの移動毎にパルス信号が出力される。また、窓ガラスの全閉方向への動作時におけるパルス信号の出力毎に、パルス信号に基づいてモータの回転速度が演算される。また、窓ガラスWGの全閉方向への動作中における、パルス信号の今回出力時点及び5パルス分出力時点前のそれぞれの回転速度の速度差が、パルス信号が出力される毎に検出される。そして、上記速度差の最大値を挟み込み検出しきい値とし、パルス信号の出力毎に演算される速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みが検出される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のパワーウィンドウにおいて窓ガラスに異物を挟み込んだことを検出するパワーウィンドウの挟み込み検出装置、及びこの挟み込み検出装置にて挟み込みの有無を判定するための基準となる挟み込み検出しきい値を設定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車には、乗用車に代表されるように、ドアウィンドウ等の窓ガラスの開閉をスイッチ操作に応じたモータの駆動により自動的に行うパワーウィンドウが広く採用されており、近年では、パワーウィンドウにドアフレームと窓ガラスとの間に物品や身体の一部等の異物が挟まったか否かを検出する挟み込み検出装置が付設されつつある。
【0003】
このような挟み込み検出装置の従来例の1つとして、特開昭63−165682号公報の窓ガラス開閉装置を挙げることができる。この窓ガラス開閉装置では、窓ガラス開閉駆動用のモータのリップル電流を波形整形して、モータ回転数に対応したパルス信号を生成し、このパルス信号を基に異物の挟み込みの有無を検出している。
【0004】
具体的に述べると、パルス信号の周期からパルス信号の周波数(モータ回転速度)fを求め、窓ガラスが全閉位置の近傍範囲外の位置にある場所において、前記周波数が所定値に相当する設定周波数f′以下(f′≧f)になると、すなわちモータ回転数が予め固定的に割り当てられた挟み込み検出しきい値より下がると異物を挟み込んでいるものと判断している。
【0005】
上記挟み込み検出しきい値は、モータ回転速度、パワーウィンドウの周囲温度、車両に搭載されたバッテリの端子電圧等のデータに対応させてデータテーブルとしてメモリに記憶されており、この挟み込み検出しきい値を設定する際は各データに対応した挟み込み検出しきい値をデータテーブルより読み出して設定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来装置においては、車両又は車種毎に予め定められた均一な挟み込み検出しきい値が、車両製造時に固定的に設定される。このような固定的な挟み込み検出しきい値を用いる場合、個々の車両ドアの組み付けバラツキを起因する窓ガラスの摺動抵抗のバラツキの影響により、過剰反応をともなう挟み込み誤検出を行わないようにするため、挟み込み検出しきい値にマージンを持たせるようにしている。そうすると、逆に挟み込み検出感度が下がるため挟み込み荷重が高くなり、ドアによっては十分な挟み込み検出がなされない場合もありうる。これを解決するために、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正方法が提案されているが、この場合には大量のメモリ容量が要求されるという問題が生じる。更に、固定的な挟み込み検出しきい値では、経年変化による摺動抵抗の変化により検出感度が変動するという問題もある。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、メモリ容量を節約しつつ、各ドア毎に容易に最適な挟み込み検出感度が確保できるうえ、経年変化にも追従できるパワーウィンドウの挟み込み検出装置及び挟み込み検出しきい値設定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の挟み込み検出装置は、図1に示すように、所定の挟み込み検出しきい値に基づいて、モータにより窓ガラスを開閉させるパワーウィンドウにおける異物の挟み込みを検出する装置であって、等間隔毎の前記窓ガラスの移動毎にパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、前記窓ガラスの全閉方向への動作時における前記パルス信号の出力毎に、前記パルス信号に基づいて前記モータの回転速度を演算する回転速度演算手段と、前記パルス信号が予め定められた複数回数だけ出力される前記挟み込みを判定するための判定期間における、前記パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの前記回転速度の速度差を、前記パルス信号が出力される毎に検出する速度差検出手段とを含み、前記判定期間における前記速度差の最大値を前記挟み込み検出しきい値とし、前記パルス信号が出力される毎に、前記速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みを検出する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、等間隔毎の窓ガラスの移動毎にパルス信号が出力される。また、窓ガラスの全閉方向への動作時におけるパルス信号の出力毎に、パルス信号に基づいてモータの回転速度が演算される。また、挟み込みを判定するための判定期間における、パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの回転速度の速度差が、パルス信号が出力される毎に検出される。そして、上記判定期間における速度差の最大値を挟み込み検出しきい値とし、パルス信号の出力毎に演算される速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みが検出される。したがって、窓ガラスの全閉方向への動作中に、各車両の各ドア毎に適切な挟み込み検出しきい値が自動更新される。また、今回出力時点及び所定出力時点前の回転速度差の最大値を挟み込み検出しきい値としているため、従来のように、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正が不要になる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の挟み込み検出装置は、図1に示すように、請求項1記載の挟み込み検出装置において、前記判定期間は、前記窓ガラスの全開状態直後の前記モータの回転速度が安定するのに十分な数だけ前記パルス信号が出力された時点から全閉状態に到達した時点までの間とする、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、挟み込み検出しきい値を算出するための判定期間は、窓ガラスの全開状態直後のモータの回転速度が安定するのに十分な数だけパルス信号が出力された時点から全閉状態に到達した時点までの間としているので、より正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の挟み込み検出装置は、図1に示すように、請求項2記載の挟み込み検出装置において、この検出装置の電源電圧を監視する電圧監視手段と、このパワーウィンドウの周囲温度を監視する温度監視手段とを更に含み、前記電源電圧又は前記周囲温度が異常値であると判定されるときは、前記速度差の最大値に替えて、予め固定的に割り当てられた固定値を前記挟み込み検出しきい値とする、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、電源電圧又は周囲温度が異常値であると判定されるときは、予め固定的に割り当てられた固定値を挟み込み検出しきい値としているので、異常値が排除された更に正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の挟み込み検出しきい値設定方法は、モータにより窓ガラスを開閉させるパワーウィンドウにおける異物の挟み込みの有無を判定するための基準となる挟み込み検出しきい値を設定する方法であって、等間隔毎の前記窓ガラスの移動毎にパルス信号を出力するパルス信号出力工程と、前記窓ガラスの全閉方向への動作時における前記パルス信号の出力毎に、前記パルス信号に基づいて前記回転速度を演算する回転速度演算工程と、前記パルス信号が予め定められた複数回数だけ出力される前記挟み込みを判定するための判定期間における、前記パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの前記回転速度の速度差を検出する速度差検出工程と、前記判定期間における前記速度差の最大値を前記挟み込み検出しきい値として設定するしきい値設定工程と、前記パルス信号が出力される毎に、前記速度差と前記挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みを検出する挟み込み検出工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、等間隔毎の窓ガラスの移動毎にパルス信号が出力され、窓ガラスの全閉方向への動作時におけるパルス信号の出力毎に、パルス信号に基づいてモータの回転速度が演算され、挟み込みを判定するための判定期間における、パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの回転速度の速度差が、パルス信号が出力される毎に検出され、上記判定期間における速度差の最大値を挟み込み検出しきい値として設定し、そして、パルス信号の出力毎に演算される速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みが検出される。したがって、窓ガラスの全閉方向への動作中に、各車両の各ドア毎に適切な挟み込み検出しきい値が自動更新される。また、今回出力時点及び所定出力時点前の回転速度差の最大値を挟み込み検出しきい値としているため、従来のように、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正が不要になる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の挟み込み検出しきい値設定方法は、請求項4記載の挟み込み検出しきい値設定方法において、電源電圧を監視する電圧監視工程と、周囲温度を監視する温度監視工程と、前記電源電圧又は前記周囲温度が異常値であると判定されるときは、前記速度差の最大値に替えて、予め固定的に割り当てられた固定値を前記挟み込み検出しきい値として設定する固定値設定工程と、を更に含むことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、電源電圧又は周囲温度がそれぞれ監視され、監視された電源電圧又は周囲温度が異常値であると判定されるときは、予め固定的に割り当てられた固定値を挟み込み検出しきい値としているので、異常値が排除された更に正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパワーウィンドウの挟み込み検出装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は本実施形態に係るパワーウィンドウの挟み込み検出装置を備えたパワーウィンドウの概略構成を一部ブロック図で示した説明図である。図2において、1はパワーウィンドウ機構、3は挟み込み検出装置をそれぞれ示す。
【0019】
パワーウィンドウ機構1は、車両に装備されて、この車両のドアDの窓ガラスWGを開閉するもので、窓ガラスWG開閉用のモータMと、ドアDのウェザーストリップWSの上方に配置され窓ガラスWGの全閉に、窓ガラスWGの先端面と係合してON位置からOFF位置に切り替わり全閉信号を出力するリミットスイッチRSW、前記窓ガラスWGを開閉させる際に操作させる開閉スイッチSWと、開閉スイッチSWの操作に応じてモータMが窓ガラスWGの開閉方向に回転するように制御したり、挟み込み検出を行うマイクロコンピュータ制御による制御部CTで構成されている。
【0020】
また、挟み込み検出装置3は、回転数に応じたパルス信号を出力するパルス発生手段内蔵のモータM及び前記制御部CT等で構成されている。開閉スイッチSWは、例えば、ドアDの内側のひじ掛け部(図示せず)上面に配設されており、前後に傾倒可能な公知のシーソー式の操作ボタン(図示せず)を有するモーメンタリ型メカニカルスイッチからなる。開閉スイッチSWは、操作ボタンを前方に倒すように操作することで窓ガラスWGを全閉位置側に上昇させるための上昇要求信号を出力し、操作ボタンを後方に倒すように操作することで窓ガラスWGを全開位置側に下降させるための下降要求信号を出力する。
【0021】
制御部CTは、各種演算処理、各判定処理及び各種信号入出力処理等を行う主制御部MC、入力されたパルス信号よりパルス周期を演算し主制御部MCへパルス速度v(n)の演算用に供する周期演算部PA、演算されたパルス速度v(n)の連続低下判定に基づいて異物の挟み込みを判定する挟み込み判定部JD、主制御部MCに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されたROM及び各種演算結果、外部入力データ等を格納するRAMを含むメモリ部MRより構成される。主制御部MC、周期演算部PA、挟み込み判定部JDはCPUにてその機能が実施される。
【0022】
また、制御部CTはモータMより出力されるパルス信号を周期演算部PAに入力するパルスインターフェースI/F1、開閉スイッチSWより出力されるスイッチ出力に基づいて上昇要求信号又は下降要求信号を主制御部MCに出力及びリミットスイッチRSWから出力される全閉信号に基づいて上昇停止要求信号を主制御部MCに出力する入力インターフェースI/F3、上昇要求信号、下降要求信号或いは上昇停止要求信号に基づき主制御部MCで生成されたモータ制御信号を入力してモータ正回転制御信号、モータ逆回転制御信号或いはモータ駆動停止信号を生成するモータ制御部MCT、生成された各信号に基づいてモータMに流れる界磁電流の方向を制御するモータインターフェースI/F2、イングニッションスイッチSWignの投入時に車両搭載のバッテリより供給された直流電圧を安定化して制御部CTに電源供給を行う電源部PS、電源部PSより供給される電源電圧の検出及び監視を行い、これら監視結果を主制御部MCに伝える電圧監視部VD(請求項の電圧監視手段に相当)、このパワーウィンドウ機構1の周囲温度を検出及び監視する温度監視部TD(請求項の温度監視手段に相当)を含む。主制御部MCはこれら監視結果に基づいて挟み込み検出しきい値を更新する。この方法については、図3及び図4を用いて後述する。
【0023】
次に、図3及び図4を用いて、上記挟み込み検出しきい値の設定方法、又は、更新方法について説明する。図3及び図4は、本実施形態に係る挟み込み検出しきい値設定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0024】
まず、ステップS1以降で行われる処理に先立ち、窓ガラスWGを全閉状態から全開状態に閉動作させて、速度低下量Δvfを大きい順に並べて、メモリ部MRに格納しておく。詳しくは、窓ガラスWGの閉動作中に、パルス信号の出力毎(n=1、2、3、…)に、今回演算されたパルス速度v(n)と5時点前に演算されたパルス速度v(n−5)との差である速度差Δvf(n)(=v(n−5)−v(n))を演算し、それらの速度差の大きい順に、メモリ部MRにΔvfmax4、Δvfmax3、Δvfmax2、Δvfmax1として格納しておく。なお、本明細書中、速度差とは、今回演算されたパルス速度がこれより前に発生されたパルスに基づいて演算されたパルス速度より低下した場合の速度差を示している。また、速度差Δvf(n)は、nが6以上において演算可能であることはいうまでもない。
【0025】
そして、図3のステップS1において、周期演算部PAから供されたパルス周期t(n)により、パルス速度v(n)(=1/t(n))が演算される。なお、このパルス速度v(n)は、速度差Δvf(n)の演算のために、パルス信号の出力毎にメモリ部MRのワークエリアに格納される。次に、ステップS2において、速度差Δvf(n)が演算される。すなわち、今回演算されたパルス速度v(n)と5時点前に演算されたパルス速度v(n−5)との差である速度差Δvf(n)(=v(n−5)−v(n))が演算される。なお、ステップS1は請求項の回転速度演算手段、回転速度演算工程に相当し、ステップS2は速度差検出手段、速度差検出工程に相当する。
【0026】
次に、ステップS3においては、窓ガラスWGを全開状態から20パルス以後(n≧20)であるか否かが判定される。これは、モータMの回転速度が十分に安定した状態で挟み込み検出しきい値を更新するためであり、ここでは、20パルス以後としたが、モータMの回転速度が安定するのに十分な数だけパルス信号が出力された時点であれば他の値であってもよい。これにより、より正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。ここで、20パルス以後であると判定されるとステップS4に進み(ステップS3のY)、さもなければ接続点Aを経て終了する(ステップS3のN)。
【0027】
次に、ステップS4〜ステップS7においては、上記ステップS2で演算した速度差Δvf(n)と、Δvfmax1、Δvfmax2、Δvfmax3、Δvfmax4の値とがそれぞれ比較されて、場合分けされる。すなわち、速度差Δvf(n)≦Δvfmax1の場合には接続点Bを経てステップS12に進み(ステップS4のN)、Δvfmax1<速度差Δvf(n)≦Δvfmax2の場合にはステップS5a、ステップS5bに進み(ステップS5のN)、Δvfmax2<速度差Δvf(n)≦Δvfmax3の場合にはステップS6a〜ステップS6cに進み(ステップS6のN)、Δvfmax3<速度差Δvf(n)≦Δvfmax4の場合にはステップS7a〜ステップS7dに進み(ステップS7のN)、そして、Δvfmax4<速度差Δvf(n)の場合にはステップS8〜ステップS11に進む(ステップS7のY)。
【0028】
ステップS5aにおいてはΔvfmax1の値が速度差Δvf(n)に書き替えられ、ステップS5bにおいてはΔvfmax2、Δvfmax3及びΔvfmax4に共にゼロが設定される。ステップS6aにおいてはΔvfmax1の値がΔvfmax2の値に書き替えられ、ステップS6bにおいてはΔvfmax2の値が速度差Δvf(n)に書き替えられ、ステップS6cにおいてはΔvfmax3及びΔvfmax4に共にゼロが設定される。ステップS7aにおいてはΔvfmax1の値がΔvfmax2の値に書き替えられ、ステップS7bにおいてはΔvfmax2の値がΔvfmax3の値に書き替えられ、ステップS7cにおいてはΔvfmax3の値が速度差Δvf(n)に書き替えられ、ステップS7dにおいてはΔvfmax4にゼロが設定される。ステップS8においてはΔvfmax1の値がΔvfmax2の値に書き替えられ、ステップS9においてはΔvfmax2の値がΔvfmax3の値に書き替えられ、ステップS10においてはΔvfmax3の値がΔvfmax4の値に書き替えられ、ステップS11においてはΔvfmax4の値が速度差Δvf(n)に書き替えられる。
【0029】
図4のステップS12〜ステップS20においては、挟み込み検出しきい値の設定及び挟み込み検出が行われる。まず、ステップS12において、リミットスイッチRSWがOFF位置か否か、すなわち、窓ガラスWGが全閉状態か否かが判定される。ステップS12において、リミットスイッチRSWがOFF位置である、すなわち、窓ガラスWGが全閉状態であると判定されると(ステップS12のY)、ステップS12〜ステップS15に進んで、Δvfmax4、Δvfmax3、及びΔvfmax2の値がゼロであるか否かの判定に基づいて場合分けされる。すなわち、Δvfmax4がゼロではない場合にはステップS13aに進んでΔvfmax1の値がΔvfmax4の値に書き替えられてステップS16に進み(ステップS13のN)、Δvfmax4がゼロであり、かつΔvfmax3がゼロではない場合にはステップS14aに進んでΔvfmax1の値がΔvfmax3の値に書き替えられてステップS16に進み(ステップS14のN)、Δvfmax4及びΔvfmax3が共にゼロであり、Δvfmax2がゼロではない場合にはステップS15aに進んでΔvfmax1の値がΔvfmax2の値に書き替えられてステップS16に進み(ステップS15のN)、Δvfmax4、Δvfmax3及びΔvfmax2が共にゼロである場合にはそのままの状態でステップS16に進む。これら処理により、この段階では、Δvfmax1に最大の速度差Δvf(n)が設定される。
【0030】
但し、電圧低下中や低温中では速度差Δvf(n)が大きくなる傾向にあるので、これを異常値として排除するために以下の処理を付加する。すなわち、ステップS16においては温度監視部TDにて検出された周囲温度Tfmaxがメモリ部MRに記録され、ステップS17においては電圧監視部VDにて検出された電源電圧Vfmaxがメモリ部MRに記録される。そして、ステップS18において、上記記録されている周囲温度Tfmax及び電源電圧Vfmaxがそれぞれ、予め設定されている異常と判定するための各基準値と比較されて、それらが正常値であるか否かが判定される。説明を加えると、ここで、正常値であると判定するためには、今回の速度差Δvf(n)を演算するために利用した全てのパルス速度v(n)が、正常な周囲温度Tfmaxかつ電源電圧Vfmaxのもとで取得された場合に限られる。各パルス速度v(n)の演算時における周囲温度Tfmax及び電源電圧Vfmaxは、ステップS16及びステップS17にてメモリ部MRに記録されているので、この記録がステップS18における判定に利用可能である。ステップS18において、周囲温度Tfmax及び電源電圧Vfmaxが共に正常であると判定されるとステップS19に進み、いずれか一方でも異常であると判定されるとステップS18aに進む。
【0031】
ステップS19においては、速度差Δvf(n)の最大値である最大速度差Δvfmaxが確定される。すなわち、この最大速度差Δvfmaxは、上記Δvfmax1に設定されている値が採用される。一方、ステップS18aにおいては、最大速度差Δvfmaxは未確定とされる。この場合、予め割り当てられているデータテーブルに格納されている、上記最大速度差Δvfmaxに相当するデータが読み出されて、挟み込み検出しきい値として設定される。このように、電源電圧又は周囲温度が異常値であると判定されるときは、予め固定的に割り当てられた固定値を挟み込み検出しきい値としているので、異常値が排除された更に正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。なお、固定値の替わりに、正常な周囲温度Tfmaxかつ電源電圧Vfmaxのもとで取得された最新の最大速度差Δvfmaxを挟み込み検出しきい値として採用するようにしてもよい。なお、上記ステップS19は請求項のしきい値設定工程に相当し、ステップS18aは請求項の固定値設定工程に相当する。
【0032】
ステップS12に戻って、リミットスイッチRSWがOFF位置にはない、すなわち、窓ガラスWGが全閉状態にはないと判定されるとステップS12a及びステップS12bに進む(ステップS12のN)。ステップS12a及びステップS12bにおいては、挟み込み検出及び挟み込み有無の判定が行われる。ここでは、例えば、上記ステップS2にて演算された速度差Δvf(n)が上記挟み込み検出しきい値より大きくなったときから連続して、Δvf(n+1)>上記挟み込み検出しきい値、v(n−1)>v(n)>v(n+1)>v(n+2)となった場合に挟み込み有りと判定する。ステップS12bにおいて、挟み込み有りと判定されればステップS20に進み(ステップS12bのY)、さもなければ終了する(ステップS12bのN)。ステップS20に進むと、Δvfmax2〜Δvfmax4の値がクリアされて、その後終了する。なお、ステップS12a、ステップS12bは請求項の挟み込み検出工程に相当する。
【0033】
この図3及び図4で示した一連の処理手順は、イングニッションスイッチSWignがOFFポジションに設定される等の所定の終了トリガがあるまで、窓ガラスWGの閉動作中において上記パルス信号が出力される毎(n=1、2、3、…)に繰り返される。
【0034】
このように、本実施形態によれば、窓ガラスWGの全閉方向への動作中に、各車両の各ドア毎に適切な挟み込み検出しきい値が自動更新される。この結果、各ドア毎に容易に最適な挟み込み検出感度が確保できるうえ、経年変化にも追従できるため検出感度の安定性も確保できる。また、今回出力時点及び5パルス分出力時点前の回転速度差の最大値を挟み込み検出しきい値としているため、従来のように、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正が不要になり、メモリ容量の大幅な節約になる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、構成の要旨に付随する各種設計変更が可能である。例えば、速度差Δvf(n)は5パルス分の差分に限定されず、場合によっては、4パルス分の差分や6パルス分の差分等でもよい。また、最大速度差も他の処理手順によって求めることも可能である。更に、窓ガラスWGの全閉方向は、上方向に限定するものでなく、横方向や場合によっては下方向であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、等間隔毎の窓ガラスの移動毎にパルス信号が出力される。また、窓ガラスの全閉方向への動作時におけるパルス信号の出力毎に、パルス信号に基づいてモータの回転速度が演算される。また、挟み込みを判定するための判定期間における、パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの回転速度の速度差が、パルス信号が出力される毎に検出される。そして、上記判定期間における速度差の最大値を挟み込み検出しきい値とし、パルス信号の出力毎に演算される速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みが検出される。したがって、窓ガラスの全閉方向への動作中に、各車両の各ドア毎に適切な挟み込み検出しきい値が自動更新される。この結果、各ドア毎に容易に最適な挟み込み検出感度が確保できるうえ、経年変化にも追従できるため検出感度の安定性も確保できる。また、今回出力時点及び所定出力時点前の回転速度差の最大値を挟み込み検出しきい値としているため、従来のように、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正が不要になり、メモリ容量の大幅な節約になる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、挟み込み検出しきい値を算出するための判定期間は、窓ガラスの全開状態直後のモータの回転速度が安定するのに十分な数だけパルス信号が出力された時点から全閉状態に到達した時点までの間としているので、より正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【0038】
請求項3記載の発明によれば、監視された電源電圧又は周囲温度が異常値であると判定されるときは、予め固定的に割り当てられた固定値を挟み込み検出しきい値としているので、異常値が排除された更に正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【0039】
請求項4記載の発明によれば、等間隔毎の窓ガラスの移動毎にパルス信号が出力され、窓ガラスの全閉方向への動作時におけるパルス信号の出力毎に、パルス信号に基づいてモータの回転速度が演算され、挟み込みを判定するための判定期間における、パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの回転速度の速度差が、パルス信号が出力される毎に検出され、上記判定期間における速度差の最大値を挟み込み検出しきい値として設定し、そして、パルス信号の出力毎に演算される速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みが検出される。したがって、判定期間に相当する分だけ窓ガラスを移動させるだけで、各車両の各ドア毎に適切な挟み込み検出しきい値が更新される。この結果、各ドア毎に容易に最適な挟み込み検出感度が確保できるうえ、経年変化にも追従できるため検出感度の安定性も確保できる。また、今回出力時点及び所定出力時点前の回転速度差の最大値を挟み込み検出しきい値としているため、従来のように、全窓移動領域における特性を記憶することによる補正が不要になり、メモリ容量の大幅な節約になる。
【0040】
請求項5記載の発明によれば、電源電圧又は周囲温度がそれぞれ監視され、監視された電源電圧又は周囲温度が異常値であると判定されるときは、予め固定的に割り当てられた固定値を挟み込み検出しきい値としているので、異常値が排除された更に正確な挟み込み検出しきい値が設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の挟み込み検出装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るパワーウィンドウの挟み込み検出装置を備えたパワーウィンドウの概略構成を一部ブロック図で示した説明図である。
【図3】本実施形態に係る挟み込み検出しきい値設定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る挟み込み検出しきい値設定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パワーウィンドウ機構
3 挟み込み検出装置
CT 制御部
D ドア
M モータ
SW 開閉スイッチ
SWign イングニッションスイッチ
RSW リミットスイッチ

Claims (5)

  1. 所定の挟み込み検出しきい値に基づいて、モータにより窓ガラスを開閉させるパワーウィンドウにおける異物の挟み込みを検出する装置であって、
    等間隔毎の前記窓ガラスの移動毎にパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
    前記窓ガラスの全閉方向への動作時における前記パルス信号の出力毎に、前記パルス信号に基づいて前記モータの回転速度を演算する回転速度演算手段と、
    前記パルス信号が予め定められた複数回数だけ出力される前記挟み込みを判定するための判定期間における、前記パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの前記回転速度の速度差を、前記パルス信号が出力される毎に検出する速度差検出手段とを含み、
    前記判定期間における前記速度差の最大値を前記挟み込み検出しきい値とし、前記パルス信号が出力される毎に、前記速度差とこの挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みを検出する、
    ことを特徴とするパワーウィンドウの挟み込み検出装置。
  2. 請求項1記載の挟み込み検出装置において、
    前記判定期間は、
    前記窓ガラスの全開状態直後の前記モータの回転速度が安定するのに十分な数だけ前記パルス信号が出力された時点から全閉状態に到達した時点までの間とする、
    ことを特徴とするパワーウィンドウの挟み込み検出装置。
  3. 請求項2記載の挟み込み検出装置において、
    この検出装置の電源電圧を監視する電圧監視手段と、
    このパワーウィンドウの周囲温度を監視する温度監視手段とを更に含み、
    前記電源電圧又は前記周囲温度が異常値であると判定されるときは、前記速度差の最大値に替えて、予め固定的に割り当てられた固定値を前記挟み込み検出しきい値とする、
    ことを特徴とするパワーウィンドウの挟み込み検出装置。
  4. モータにより窓ガラスを開閉させるパワーウィンドウにおける異物の挟み込みの有無を判定するための基準となる挟み込み検出しきい値を設定する方法であって、
    等間隔毎の前記窓ガラスの移動毎にパルス信号を出力するパルス信号出力工程と、
    前記窓ガラスの全閉方向への動作時における前記パルス信号の出力毎に、前記パルス信号に基づいて前記回転速度を演算する回転速度演算工程と、
    前記パルス信号が予め定められた複数回数だけ出力される前記挟み込みを判定するための判定期間における、前記パルス信号の今回出力時点及び所定出力時点前のそれぞれの前記回転速度の速度差を検出する速度差検出工程と、
    前記判定期間における前記速度差の最大値を前記挟み込み検出しきい値として設定するしきい値設定工程と、
    前記パルス信号が出力される毎に、前記速度差と前記挟み込み検出しきい値とを比較することにより挟み込みを検出する挟み込み検出工程と、
    を含むことを特徴とするパワーウィンドウの挟み込み検出しきい値設定方法。
  5. 請求項4記載の挟み込み検出しきい値設定方法において、
    電源電圧を監視する電圧監視工程と、
    周囲温度を監視する温度監視工程と、
    前記電源電圧又は前記周囲温度が異常値であると判定されるときは、前記速度差の最大値に替えて、予め固定的に割り当てられた固定値を前記挟み込み検出しきい値として設定する固定値設定工程と、
    を更に含むことを特徴とするパワーウィンドウの挟み込み検出しきい値設定方法。
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