JP2004027112A - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)スチレン系樹脂との溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2(cal/cm3)0.5以上の官能基含有シリコーン化合物0.05〜40質量部、必要に応じ(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩0〜30質量部、(E)無機充填剤0〜20質量部、及び(F)ポリフルオロオレフィン樹脂0〜2質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関し、より詳しくは、ハロゲンやリンを含まず、少量の添加剤の含有によって優れた難燃性を示すとともに、耐衝撃性、ウエルド強度、流動性及び離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃特性、耐熱性、電気的特性等により、OA(オフィスオートメーション)機器、情報・通信機器、家庭電化機器等の電気・電子機器、自動車分野、建築分野等様々な分野において幅広く利用されている。
ポリカーボネート樹脂は、一般的に自己消火性樹脂ではあるが、OA機器、情報・通信機器、家庭電化機器等の電気・電子機器分野を中心として、高度の難燃性を要求される分野があり、各種難燃剤の添加によりその改善が図られている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上する方法として、ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー等のハロゲン系難燃剤が難燃剤効率の点から酸化アンチモン等の難燃助剤と共に用いられてきた。
しかし、近時、安全性、廃棄・焼却時の環境への影響の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化方法が市場より求められている。
ノンハロゲン系難燃剤として、有機リン系難燃剤、特に有機リン酸エステル化合物を配合したポリカーボネート樹脂組成物は優れた難燃性を示すと共に、可塑剤としての作用もあり、多くの方法が提案されている。
【0004】
ポリカーボネート樹脂をリン酸エステル化合物で難燃化するためには、リン酸エステル化合物を比較的多量に配合する必要がある。
又、ポリカーボネート樹脂は、成形温度が高く、溶融粘度も高いために、成形品の薄肉化、大型化に対応するために、益々成形温度が高くなる傾向にある。
このため、リン酸エステル化合物は一般的に難燃性には寄与するものの、成形加工時の金型腐食、ガスの発生等、成形環境や成形品外観上必ずしも十分でない場合がある。
又、成形品が加熱下に置かれたり、高温高湿度下に置かれた場合の、衝撃強度の低下、変色の発生等の問題点が指摘されている。
更に、近時の省資源化におけるリサイクル適性は、熱安定性が不十分であることから困難である等の問題点を残している。
【0005】
これに対して、ポリカーボネート樹脂にシリコーン化合物を配合することによって、燃焼時に有害なガスを発生することなく難燃性を付与することも知られている。
例えば、(1)特開平10−139964号公報には特定の構造や特定分子量を有するシリコーン樹脂からなる難燃剤が開示されている。又、(2)特開昭51−45160号公報、特開平1−318069号公報、特開平6−306265号公報、特開平8−12868号公報、特開平8−295796号公報及び特公平3−48947号公報等においてもシリコーン類を用いる難燃性ポリカーボネート樹脂が開示されている。
前者の(1)記載のものでは、難燃性のレベルはある程度優れたものである。後者の(2)記載のものは、シリコーン類は難燃剤としての単独使用ではなく、耐ドリッピング性の改良を目的としての、例示化合物としての使用であったり、他の難燃性添加剤としての、リン酸エステル化合物、第2族金属塩等の難燃剤を必須とするものである点において、前者とは異なるものである。
【0006】
更に、ポリカーボネート樹脂として、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体含有樹脂を用い、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンを含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる難燃性樹脂組成物も知られている(特開平8−81620号公報)。
この組成物は、ポリオルガノシロキサンの含有率が少量である特定範囲において優れた難燃性を示す、優れた組成物である。
しかしながら、前記(1)の特開平10−139964号公報と共に、難燃特性は優れたものであるが、ポリカーボネート樹脂の特徴である耐衝撃性の低下や成形性が不十分である場合があり、より優れた方法が求められている。
更に、特開2000−191898号公報及び特開2001−55500号公報等のポリカーボネート樹脂組成物からなる難燃性樹脂組成物も知られている。後者では、目標とする難燃性V−0を達成するためには、シリコーン化合物を多量に添加する必要がある場合があり、成形時の外観不良及びウエルド強度低下を引き起こす易く、コスト面でも不利となるおそれがある。
更に、特開2001−152005号公報には、溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2.5(cal/cm3)0.5以下の珪素化合物を添加するポリカーボネート樹脂組成物からなる難燃性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂/スチレン系樹脂のようなポリマーアロイの場合、珪素化合物がスチレン系樹脂に移行してしまうことが多い。従って、ポリカーボネート樹脂の優れた難燃特性を利用するためには、珪素化合物を多量に添加する必要があり、物性低下等を引き起こし易く、又、流動性や成形時の離型性の向上は期待できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状の下、ポリカーボネート樹脂のノンハロゲン・ノンリンノンハロゲン化合物による難燃化において、優れた難燃性を維持しながら、耐衝撃性、ウエルド強度、流動性及び離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びこの組成物を用いた成形品を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を克服すべく鋭意努力検討した結果、特定のシリコーン化合物を添加することにより、ポリカーボネート樹脂/スチレン系樹脂ポリマーアロイの場合でも、該シリコーン化合物がポリカーボネート樹脂側又はポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂の界面に大部分存在することが可能となり、難燃性が向上し、シリコーン化合物の添加量が低減できること、併せて、シリコーン化合物が原因である外観不良、耐衝撃強度及びウエルド強度の低下を解決できると共に、高流動性及び高離型性が図れ、成形性が向上することも見出し、本発明を完成するに至った
【0009】
即ち、本発明は、
1.(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)スチレン系樹脂との溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2(cal/cm3)0.5以上の官能基含有シリコーン化合物0.05〜40質量部、必要に応じ(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩0〜30質量部、(E)無機充填剤0〜20質量部、及び(F)ポリフルオロオレフィン樹脂0〜2質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物、
2.スチレン系樹脂が、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選ばれる1種以上の樹脂である上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
3.官能基含有シリコーン化合物、一般式(1)
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 ・・・(1)
(式中、R1は官能基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、a及びbは、0<a≦3、0≦b<3、0<a+b≦3の関係を満たす数を示す。)
で表される基本構造を有するオルガノポリシロキサンである上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
4.一般式(1)において、R1の官能基が、アルコキシ基、水酸基、水素基、エポキシ基、カルボキシ基及びアミノ基から選ばれる1種以上の基である上記3に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
5.有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩が、ポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
6.ポリフルオロオレフィン樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂である上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
7.上記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体及び
8.上記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハウジング又は部品である射出成形品
に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(A)ポリカーボネート樹脂(PC)としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。
通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
即ち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法、即ち、2価フエノールとホスゲンの反応、2価フエノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換法により反応させて製造されたものを使用することができる。
【0011】
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
【0012】
特に、好ましい2価フエノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
又、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的には、ホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等である。
この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
尚、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等がある。
又、分子量の調節のためには、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノール等が用いられる。
【0014】
又、本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、テレフタル酸等の2官能性カルボン酸、又はそのエステル形成誘導体等のエステル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂等の共重合体、又は種々のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもできる。
【0015】
ポリカーボネート樹脂共重合体の中にあっては、特にポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、PC−PDMS共重合体と略記することがある。)を例示できる。
PC−PDMS共重合体は、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部からなるものであり、例えば、ポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサン部を構成する末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサン(ポリジメチルシロキサン、ポリジエチレンシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等)とを、塩化メチレン等の溶媒に溶解させ、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を加え、トリエチルアミン等の触媒を用い、界面重縮合反応することにより製造することができる。
【0016】
PC−PDMS共重合体のポリカーボネート部の重合度は、3〜100、ポリジメチルシロキサン部の重合度は2〜500程度のものが好ましく用いられる。又、PC−PDMS共重合体中のポリジメチルシロキサンの含有量としては、通常0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂、PC−PDMS共重合体等の粘度平均分子量は通常10,000〜100,000、好ましくは11,000〜30,000、特に好ましくは12,000〜30,000である。
ここで、これらの粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出するものである。
[η]=1.23×10−5Mv0.83
【0017】
次に、本発明のポリカーボネート樹脂として、ポリカーボネート樹脂とPC−PDMS共重合体との混合樹脂を用いる場合には、PC−PDMS共重合体の含有量が1〜99質量%、好ましくは5〜50質量%であり、混合樹脂中のポリオルガノシロキサンの含有量が0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜5質量%となるように配合される。
【0018】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(B)スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン等のモノビニル系芳香族単量体20〜100質量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体0〜60質量%、及びこれらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチル等の他のビニル系単量体0〜50質量%からなる単量体、又は単量体混合物を重合して得られる重合体がある。
これらの重合体としては、ポリスチレン(GPPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等がある。
【0019】
又、スチレン系樹脂としてはゴム変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。このゴム変性スチレン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチレン系単量体がゴムにグラフト重合した耐衝撃性スチレン系樹脂である。
ゴム変性スチレン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン等のゴムにスチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとが重合したABS樹脂、ポリブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンが重合したMBS樹脂等があり、ゴム変性スチレン系樹脂は、二種以上を併用することができると共に、前記のゴム未変性であるスチレン系樹脂との混合物としても使用できる。
【0020】
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴムの含有量は、例えば、2〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%、特に5〜15質量%である。
ゴムの割合が2質量%未満であると、耐衝撃性が不十分となり、又、50質量%を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低下、ゲルの発生、着色等の問題が生じる場合がある。
上記ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム質重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−アクリルゴム、イソプレンゴム、イソプレン−スチレンゴム、イソプレン−アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
このうち、特に好ましいものは、ポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を1〜30モル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば、1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いてもよく、又、これらの混合物であってもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−(エチレン/プロピレン/ジエン共重合体)−スチレン共重合体(AES樹脂)が好ましく、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が特に好ましい。
【0021】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂にスチレン系樹脂を配合することにより、樹脂組成物の溶融流動性を向上するものである。
ここで、両樹脂の配合比は、(A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%、好ましくは70〜95質量%、(B)スチレン系樹脂が3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%である。
ここで、(B)成分のスチレン系樹脂が40質量%を超えると、目標とする難燃性がV−2以上を達成することができない場合があり、3質量%未満では、流動性と耐溶剤性が改良効果が不十分である。
【0022】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(C)官能基含有シリコーン化合物は、スチレン系樹脂との溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2(cal/cm3)0.5以上の官能基含有シリコーン化合物である。
SP値の差が2以上であると、難燃性、耐衝撃強度及びウエル強度が向上し、流動性及び離型性に優れる。
SP値の差が2未満であると、難燃性向上効果が小さく、添加量を増やす必要があり、耐衝撃強度及びウエル強度の低下を招くおそれがある。
本発明の官能基含有シリコーン化合物は、官能基を有する(ポリ)オルガノシロキサン類であり、官能基はポリカーボネート樹脂と反応する基が好ましく、官能基としては、アルコキシ基、水素基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基等が好ましい。
又、シリコーン構造は、特に限定はなく、分子量も低分子から高分子のものまで使用することができる。
本発明の官能基含有シリコーン化合物としては、一般式(1)
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 ・・・(1)
(式中、R1は官能基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、a及びbは、0<a≦3、0≦b<3、0<a+b≦3の関係を満たす数を示す。)
で表される基本構造を有する重合体、共重合体を挙げることができる。
又、官能基としては、アルコキシ基、アリールオキシ、ポリオキシアルキレン基、水素基、水酸基、カルボキシル基、シアノール基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基等を含有するものであり、アルコキシ基、水素基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基が好ましい。
【0023】
これらの官能基としては、複数の官能基を有するシリコーン化合物、異なる官能基を有するシリコーン化合物を併用することもできる。
この官能基を有するシリコーン化合物は、その官能基(R1)/炭化水素基(R2)が、通常0.1〜3、好ましくは0.3〜2程度のものである。
これらシリコーン化合物は液状物、ハウダー等であるが、溶融混練において分散性の良好なものが好ましい。
例えば、室温での粘度が1,000〜500,000cst程度の液状のものを例示できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物にあっては、シリコーン化合物が液状であっても、組成物に均一に分散すると共に、成形時又は成形品の表面にブリードすることが少ない特徴がある。
【0024】
本発明の官能基含有シリコーン化合物は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、0.05〜4質量部、好ましくは0.1〜4質量部含有することができる。
官能基含有シリコーン化合物が4質量部を超えると、外観不良、耐衝撃強度及びウエルド強度が低下するおそれがある。
尚、この官能基含有シリコーン化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂として、PC−PDMS共重合体を用いた場合には、組成物全体におけるシリコーンの含有量も考慮して、適宜決定することができる。
PC−PDMS共重合体含有ポリカーボネート樹脂を用いる場合には、官能基含有シリコーン化合物の含有量を少なくすることができ、又、組成物全体中のシリコーン含有量が低下しても難燃性のレベルを高く維持できる効果がある。
【0025】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩は、更なる難燃性の向上のため添加するものであり、各種のものが挙げられるが、少なくとも一つの炭素原子を有する有機酸又は有機酸エステルのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩である。
ここで、有機酸又は有機酸エステルは、有機スルホン酸,有機カルボン酸等である。
一方、アルカリ金属は、ナトリウム,カリウム,リチウム,セシウム等、又、アルカリ土類金属は、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム等である。中でも、ナトリウム,カリウム,セシウムの塩が好ましく用いられる。又、その有機酸の塩は、フッ素、塩素,臭素のようなハロゲンが置換されていてもよい。
【0026】
上記各種の有機アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の中で、例えば、有機スルホン酸の場合、一般式(2)
(CnF2n+1SO3)mM ・・・(2)
(式中、nは1〜10の整数を示し、Mはリチウム,ナトリウム,カリウム,セシウム等のアリカリ金属、又はマグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム等のアルカリ土類金属を示し、mはMの原子価を示す。)
で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。
これらの化合物としては、例えば、特公昭47−40445号公報に記載されているものがこれに該当する。
更に、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩も好ましく用いられる。
【0027】
上記一般式(2)において、パーフルオロアルカンスルホン酸としては、例えば、パーフルオロメタンスルホン酸,パーフルオロエタンスルホン酸,パーフルオロプロパンスルホン酸,パーフルオロブタンスルホン酸,パーフルオロメチルブタンスルホン酸,パーフルオロヘキサンスルホン酸,パーフルオロヘプタンスルホン酸,パーフルオロオクタンスルホン酸等を挙げることができる。特に、これらのカリウム塩が好ましく用いられる。
その他、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸;2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸;ジフェニルスルホン−3−スルホン酸;ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸;ナフタレントリスルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
【0028】
又、有機カルボン酸としては、例えば、パーフルオロギ酸,パーフルオロメタンカルボン酸,パーフルオロエタンカルボン酸,パーフルオロプロパンカルボン酸,パーフルオロブタンカルボン酸,パーフルオロメチルブタンカルボン酸,パーフルオロヘキサンカルボン酸,パーフルオロヘプタンカルボン酸,パーフルオロオクタンカルボン酸等を挙げることができ、これら有機カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が用いられる。
アルカリ金属やアルカリ土類金属は前記と同じである。
【0029】
本発明の(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
又、その含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、0〜3質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部である。
その含有量が3質量部を超えると、量に見合った難燃性の向上効果が認められず、むしろ経済的に不利となる。
【0030】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(E)無機質充填剤は、更なる剛性及び難燃性の向上のため添加するものであり、タルク、マイカ、カオリン、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム等が用いられる。
これら無機質充填剤の中でも、その形態が板状であるタルクやマイカが特に好ましい。
そして、このタルクは、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されているものを用いることができる。
更に、ここで用いるタルクとしては、その平均粒径が0.1〜50μmであるものが用いられるが、平均粒径0.2〜20μmであるものが特に好適に用いられる。
本発明の(E)無機質充填剤は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、0〜20質量部を含有することができる。
含有量が20質量部を超えると、アイゾット衝撃強度及びウエルド強度が低下する。
【0031】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における(F)ポリフルオロオレフィン樹脂は、更なる難燃性の向上(V−0、5V)のため添加するものである。
ここでポリフルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体、共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体である。
好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくはは500,000〜10,000,000である。
本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべての種類のものを用いることができる。
【0032】
尚、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、更に高い溶融滴下防止性を付与することができる。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。
その具体例としては、例えば、テフロン6−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業社製)、CD076(旭硝子フロロポリマーズ社製)、A3000、A3800(三菱レイヨン社製)等を挙げることができる。
【0033】
又、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えば、アルゴフロンF5(モンテフルオス社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業社製)等を挙げることができる。
これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psiの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。
【0034】
ここで、(F)ポリフルオロオレフィン樹脂の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂及び(B)スチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、0〜2質量部、好ましくは、0.1〜1質量部である。
ここで、この含有量2質量部を超えると、これに見合った難燃性の向上はなく、むしろ経済的に不利となる。
従って、それぞれの成形品に要求される難燃性の程度、例えば、UL−94のV−0、V−1、V−2等により他の含有成分の使用量等を考慮して適宜決定することができる。
【0035】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形性、耐衝撃性、外観改善、耐候性改善、剛性改善等の目的で、上記(A)〜(F)からなる成分に、ポリカーボネート樹脂等に常用されている添加剤成分を必要により含有することができる。例えば、フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候剤)、可塑剤、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等が挙げられる。
任意成分の配合量は、本発明の,ポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
【0036】
次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、前記の各成分(A)〜(F)を上記割合で、更に必要に応じて用いられる、各種任意成分を適当な割合で配合し、混練することにより得られる。
このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。
混練の際の加熱温度は、通常240〜300℃の範囲で適宜選択される。
この溶融混練成形としては、押出成形機、特にベント式の押出成形機の使用が好ましい。
尚、ポリカーボネート樹脂以外の含有成分は、予め、ポリカーボネート樹脂又はスチレン系樹脂と溶融混練、即ち、マスターバッチとして添加することもできる。
【0037】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法等により各種成形品を製造することができる。
しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、次いで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に特に好適に用いることができる。
尚、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、又は軽量化のためのガス注入成形を採用することもできる。
【0038】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品としては、複写機、ファックス、テレビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パソコン、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジ等の電気・電子機器のハウジウング又、は部品、更には、自動車部品等他の分野にも用いられる。
【0039】
【実施例】
本発明について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明は、これらに、何ら制限されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1〜5
表1、表2に示す割合で各成分を配合〔(A)と(B)成分は質量%、他の成分は、(A)と(B)からなる樹脂100質量部に対する質量部で示す。〕し、ベント式二軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社製)に供給し、260℃で溶融混練し、ペレット化した。
尚、全ての実施例及び比較例において、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシヤルティ・ケミカルズ株式会社製)0.2質量部及びアデカスタブC(旭電化工業株式会社社製)0.1質量部をそれぞれ配合した。
得られたペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温度260℃、金型温度80℃で射出成形して試験片を得た。
得られた試験片を用いて性能を各種試験によって評価し、その結果を表1及び表2に示した。
【0040】
尚、用いたポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、官能基含有シリコーン化合物、有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩、無機充填剤及びポリフルオロオレフィン樹脂、及び性能評価方法を次に示す。
(A)ポリカーボネート樹脂
PC−1:タフロン A1900(出光石油化学株式会社製);ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、MI=20g/10分(300℃、1.2Kg荷重)、粘度平均分子量=19,000
(B)スチレン系樹脂
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン:IDEMITSU PS IT44(出光石油化学株式会社製);ポリブタジェンにスチレンがグラフト重合したもの、MI=8g/10分(200℃、5kg荷重)
ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);DP−611(テクリポリマー株式会社製)、MI=2g/10分
(C)官能基含有シリコーン化合物
シリコーン−1:メチル水素シリコーン;KF−99(信越化学工業株式会社製)
シリコーン−2:エポキシ変性ジメチルシリコーン;KF−101(信越化学工業株式会社製)
シリコーン−3(比較):ビニル基メトキシ基含有メチルフェニルシリコーン;KR−219(信越化学工業株式会社製)、粘度=1,800cst
(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩
金属塩:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム;レオスタットFRPSSN30(ライオン株式会社製)
(E)無機充填剤
タルク:TP−A25;平均粒径3μm(富士タルク株式会社製)
(F)フルオロオレフィン樹脂
PTFE:CD076(旭硝子株式会社製)
【0041】
〔性能評価方法]
(1)アイゾット衝撃強度(IZOD)
ASTM D256に準拠した。23℃(肉厚1/8インチ)、単位:kJ/m2
(2)メルトインデックス(MI)
JIS K7210に準拠した。260℃、2.16kg荷重
(3)ウエルド強度
引張り強度試験片成形金型を用いて2点ゲートで成形し、引張り強度(MPa)を測定した。
(4)離型性
突き出しピンの圧力を測定した。最大圧力30Kg/cm2。この値は小さい方が離型性がよい。
(5)難燃性
UL94燃焼試験に準拠した(試験片厚み:1.5、2.5、3mm)
(6)成形外観
○:良好、×:不良
(7)溶解性パラメーターSP値
SP値は、Polymer Engineering and Science,14,(2),147(1974)に記載のFedors式及び該文献に纏められているΔe1とΔv1のデータから算出した。
δ=√〔Σ(Δe1)/Σ(Δv1)〕
[ここで、Δe1は各単位官能基当たりの凝集エネルギー、Δv1は各単位官能基当たりの分子容を示し、δの単位は(cal/cm3)0.5である。]
尚、共重合体又はブレンド物のSP値は、加成則が成立すると仮定し、共重合体の場合は単量体ユニット、又はブレンド物の場合は各成分のSP値の質量比の比例配分により算出し、これをSP値とした。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
実施例から明らかなように、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は難燃性が高く、高いウエルド強度及び耐衝撃強度を保持し、離型性及び流動性も向上し、成形性に優れている。
比較例1から、SP値差が2未満のシリコーン化合物を用いると難燃性がV−2で、流動性及び成形性が低い。
比較例2から、シリコーン化合物を5質量%添加すると、難燃性がV−2に低下すると共に、ウエルド強度及び耐衝撃強度も大きく低下する。
比較例3及び4から、SP値差が2未満のシリコーン化合物を用いると難燃性がNGとなる。シリコーン化合物を4質量%添加すると難燃性がV−0に向上するものの、ウエルド強度が低下し、流動性及び離型性の向上も小さい。
比較例5から、SP値差が2未満のシリコーン化合物を用いると難燃性がV−1で、離型性が不良である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲンやリンを含まず、少量の添加剤の含有によって優れた難燃性を示すとともに、耐衝撃性、ウエルド強度、流動性及び離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び成形品を得ることができる。
Claims (8)
- (A)ポリカーボネート樹脂60〜97質量%及び(B)スチレン系樹脂3〜40質量%からなる、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)スチレン系樹脂との溶解性パラメーター(SP値)の差ΔSPが2(cal/cm3)0.5以上の官能基含有シリコーン化合物0.05〜40質量部、必要に応じ(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩0〜30質量部、(E)無機充填剤0〜20質量部、及び(F)ポリフルオロオレフィン樹脂0〜2質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
- スチレン系樹脂が、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選ばれる1種以上の樹脂である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 官能基含有シリコーン化合物、一般式(1)
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 ・・・(1)
(式中、R1は官能基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、a及びbは、0<a≦3、0≦b<3、0<a+b≦3の関係を満たす数を示す。)
で表される基本構造を有するオルガノポリシロキサンである請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 一般式(1)において、R1の官能基が、アルコキシ基、水酸基、水素基、エポキシ基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる1種以上の基である請求項3に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩が、ポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリフルオロオレフィン樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハウジング又は部品である射出成形品。
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