JP2004026474A - 自動給紙型の画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿ガイドを原稿の縁に手動で合わせる手間を省いた自動給紙型の画像読取装置を提供する。
【解決手段】ブックプラテンカバー20の原稿供給トレイ21上には、原稿Pに接して原稿Pの幅方向の位置を規制する一対の原稿ガイド23がスライド可能に設けられている。原稿ガイド23には、この原稿ガイド23と原稿供給トレイ21にセットされた原稿との接触を検出する接触センサSRが設けられている。ユーザが原稿を原稿供給トレイ21にセットすると、モータ27が作動して、原稿ガイド23が原稿に接触するまで自動的に移動する。また、原稿供給トレイ21にセットされた原稿のサイズが検出され、検出された原稿サイズに応じて、原稿ガイド23の移動速度パターンが制御される。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ装置やコピー装置等に組み込まれ、原稿を自動で給紙して読み取り部まで搬送する原稿自動給紙型の画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿自動給紙型の画像読取装置では、原稿給紙部にセットされた原稿が読み取り部まで給紙される際に、原稿が斜行して搬送されること等を防止するために、セットされた原稿の幅方向(給紙方向と直交方向)の両縁を規制する一対の原稿ガイドが原稿の幅方向に移動可能に備えられている。この一対の原稿ガイドは、一方を動かせば他方も同じ距離だけ互いに反対方向に移動するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、原稿ガイドはユーザが手動で原稿サイズに合わせる構成であるため、原稿のセットに伴う一連の作業が煩わしいという問題がある。すなわち、例えばA4サイズの原稿を読み取る場合、原稿をセットする前に原稿ガイドの間隔がA4サイズの幅よりも小さいときは、原稿ガイドの間隔をA4サイズの幅よりも幾分大きめに開いてから原稿をセットし、更に原稿ガイドを原稿の両縁に接触させている。また、原稿をセットする前に原稿ガイドの間隔がA4サイズの幅よりも相当大きいときは、原稿ガイドの間隔をA4サイズよりも幾分大きめに狭めてから原稿をセットし、原稿ガイドを原稿の両縁に接触させている。
【0004】
この発明は、そのような問題点に着目してなされたものであって、原稿ガイドを原稿の縁に手動で合わせる手間を省いた自動給紙型の画像読取装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明の自動給紙型の画像読取装置は、原稿給紙部にセットされた原稿を1枚ずつ読み取り部まで搬送するものであって、前記原稿給紙部に給紙方向と直交する方向に移動可能に設けられた原稿ガイドと、この原稿ガイドを前記直交方向に移動させる駆動手段と、原稿ガイドと原稿給紙部にセットされた原稿との接触を検出する検出手段と、この検出手段による検出結果に基づいて原稿ガイドの移動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
この画像読取装置では、ユーザが原稿給紙部に原稿をセットすれば、原稿ガイドが原稿に接触する位置まで自動的に移動するので、原稿ガイドを原稿に接触するまで手動で移動させる必要がなく、原稿ガイドの位置合せの手間を省略できる。
【0007】
この画像読取装置の構成において、原稿給紙部にセットされた原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段を設け、前記制御部が原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに基づいて原稿ガイドの移動速度パターンを制御することとすれば、既存の原稿サイズを利用して効率的な速度パターンで原稿ガイドを移動させることができる。
【0008】
この速度パターンに関して、具体的に制御部は、原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する位置に近づくまでは原稿ガイドを高速で移動させ、近づいた後は原稿ガイドを低速で移動させる。これにより、原稿ガイドの移動を短時間で行える。
【0009】
なお、本発明において、検出手段は、原稿ガイドと原稿給紙部にセットされた原稿との接触を検出できるものであれば限定されず、例えば原稿ガイドの内側面に圧電素子等の接触センサを設け、その接触センサに原稿が接触することにより出力される検出信号により接触を検出することができる。或いは、原稿ガイドが原稿に接触したときの駆動手段の負荷電流の増加により接触を検出してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
【0011】
図1は、自動給紙型の画像読取装置を組み込んだファクシミリ装置1を示す。このファクシミリ装置1の上部には原稿を後述する二種類の方式(ADF方式及びFBS方式)で読み取るための読み取り部10が、手前側には液晶パネル等の表示部15及び数字キー、文字キー、種々のファンクションキー等を備えた操作部16がそれぞれ備えられている。
【0012】
なお、読み取り部10は主要には、ファクシミリ装置1の本体の右寄りの位置に配置されたブックプラテンカバー20と、左寄りの位置に配置された原稿ガイド機構30とで構成される。ブックプラテンカバー20は、ファクシミリ装置1の本体の奥寄りの位置を支点としてヒンジ状に取付けられており、ファクシミリ装置1の本体に対して手前の部分が開口するように開閉可能に設けられている。このブックプラテンカバー20は、ADF方式による読み取り前の原稿が載置される原稿供給トレイ21をその上部に、読み取り後の原稿が排出される原稿排出トレイ22を原稿供給トレイ21の下側にそれぞれ備えている。
【0013】
また、原稿供給トレイ21には、一対の原稿ガイド23が当該トレイ21にセットされた原稿の給紙方向と直交する方向にスライド可能に備えられている。この一対の原稿ガイド23は原稿供給トレイ21上でその中心線から常に等距離に位置するように連動する構成となっており、互いに同距離だけ反対方向に移動する。
【0014】
ガイド機構30は、詳細は後述するが、原稿ガイド23により原稿供給トレイ21の中央にセットされたシート状の原稿を1枚ずつ分離しつつ取り込み、後述するように原稿排出トレイ22へ排出する。これらの原稿供給トレイ21、ガイド機構30及び原稿排出トレイ22によりADF(自動原稿供給装置)が構成される。
【0015】
ブックプラテンカバー20の拡大斜視図を図2に、その一部省略拡大平面図を図3に示す。但し、図1に示すものとは形状が幾分異なる。前記したように、ブックプラテンカバー20の上部は、搬送される原稿Pが堆積収納される原稿供給トレイ21になっており、この原稿供給トレイ21上には、当該トレイ21に載置される原稿Pの幅方向、すなわち給紙方向(矢印方向)と直交する方向の両側に、それぞれ原稿Pに接して原稿Pの幅方向の位置を規制する一対の原稿ガイド23が設けられている。原稿ガイド23は、トレイ21上に、給紙方向と直交する方向へスライド自在に支持されている。
【0016】
原稿ガイド23には、それぞれラック部材24が一体的に取付けられており、当該ラック部材24は原稿供給トレイ21の下方に配置されている。また、原稿供給トレイ21には、各原稿ガイド23に対応して、左右方向(給紙方向と直交する方向)に長孔25が形成されている。そして、この長孔25を通じて、トレイ21上に配置される原稿ガイド23と、トレイ21の下方に配置されるラック部材24とが連結部材26により連結されている。
【0017】
長孔25は互いに平行に配置され、ラック部材24は、それぞれの歯部が対向するように互いに平行に配置されている。原稿供給トレイ21の下方における、一対の原稿ガイド23の左右略中央部には、駆動手段としてのモータ(ステッピングモータ)27の回転軸に取付けられたピニオンギア28が回転可能に枢支されている。このピニオンギア28は、両ラック部材24間に配置され、両ラック部材24と歯合している。すなわち、一対のラック部材24は、互いに対向する位置でピニオンギア28とそれぞれ歯合している。従って、モータ27の作動によりピニオンギア28が回転すれば、ラック部材24が互いに反対方向に動き、ピニオンギア28の回転方向に応じて一対の原稿ガイド23が長孔25に沿って互いに接近したり離れたりする。
【0018】
図4は、読み取り部10の要部構成を示すためにファクシミリ装置1の本体の正面から見た模式的縦断面図である。この読み取り部10は、読み取りが可能な原稿の幅以上の幅(図4では奥行き方向)を有する透光板31,32を備えている。透光板31はFBS方式による静止原稿の読み取り用であり、その読み取りが可能な最大サイズの原稿より若干大きい長さ(図4では左右方向)を有している。また、透光板32はADF方式による移動原稿の読み取り用であり、上記透光板31の左端近くに設けられており、数十mm程度の長さを有している。
【0019】
透光板31,32の下方には、原稿へ照射されるべき光の光源と、原稿面から直交方向の反射光の光路を原稿面と平行方向に変更するミラーとで構成される光源装置33と、光源装置33のミラーからの反射光の光路を変更して集光レンズ34へ入射させる複数の反射ミラー35と、集光レンズ34が集光した反射ミラーからの反射光により原稿上の画素情報を光学的に読み取る撮像装置36とが備えられている。なお、光源装置33、反射ミラー35、集光レンズ34及び撮像装置36は、それぞれ透光板31,32の幅よりやや大きい幅(図4では奥行き方向の長さ)を有している。
【0020】
光源装置33及び反射ミラー35で構成される光学系は、図示されていない光学系駆動制御部によりその幾つかの定位置での停止制御及びそれらの間の移動が制御される。但し、この場合、反射ミラー35の移動量は光源装置33の移動量の1/2に制御される。光源装置33の定位置としては、例えば移動原稿用の透光板32の直下の位置であるADF方式の読み取り位置Aと、FBS方式用の透光板31のガイド機構30から遠い側の端部(透光板31の上辺直下)のFBS方式の開始位置Bと、FBS方式用の透光板31のガイド機構30に近い側の端部(透光板31の下辺直下)付近のFBS方式の終了位置Cと、原稿の読み取りを行わない状態において待機するためのホームポジションH等である。なお、ホームポジションHは、FBS方式の開始位置Bよりやや位置A側、すなわちガイド機構30側に寄った位置に定められている。
【0021】
従って、参照符号33(A)にて示されているように光源装置33が位置Aにある場合には、反射ミラー35は参照符号35(A)で示されているように光源装置33に極近い位置にあり、参照符号33(B)で示されているように光源装置33が位置Bにある場合には、反射ミラー35は参照符号35(B)で示されているように位置Aと位置Bとのほぼ中央の位置にあり、参照符号33(H)で示されているように光源装置33が位置Hにある場合には、反射ミラー35は参照符号35(H)で示されているように、参照符号35(B)で示されている位置より若干位置A側に移動した位置にある。そして、FBS方式の読み取りを行う場合には、光源装置33はFBS方式用の透光板31の右端部付近の開始位置Bと左端部付近の終了位置Cとの間を往復移動する。
【0022】
FBS方式用の透光板31の上方には、透光板31を覆うように、ブックプラテンカバー20が開閉可能に設けられている。前記したように、ブックプラテンカバー20は、その上部に、ADF方式による読み取り前のシート状の原稿をセットしておく原稿供給トレイ21と、原稿供給トレイ21の下方に、ADF方式による読み取り後の原稿が排出される原稿排出トレイ22とをそれぞれ備えている。また、原稿供給トレイ21の原稿出口(図4で左端部)と原稿排出トレイ22の原稿入口(図4で左端部)とは上下に並列に配置されており、それらと近接し且つADF方式の透光板32上の位置にはガイド機構30が備えられている。
【0023】
図2において、一対の原稿ガイド23の内側面には、原稿ガイド23と原稿供給トレイ21にセットされた原稿との接触を検出する検出手段として、それぞれ接触センサSRが設けられている。この接触センサSRは、例えば圧電素子で構成され、原稿供給トレイ21にセットされた原稿の縁に接触すると、その圧力を検知し、原稿ガイド23が原稿に接触した検出信号を出力する。なお、接触センサSRは、一対の原稿ガイド23の両方に設ける必要はなく、一方のみでもよい。この接触センサSRによる検出結果は後述するCPU51に送られる。
【0024】
以下の動作でも説明するように、原稿ガイド23は原稿に接触するまでは、モータ27の作動により内方向に移動し、接触センサSRが原稿ガイド23と原稿との接触を検出すると、停止するようになっている。
【0025】
一方、図3において、原稿供給トレイ21の原稿出口近辺には、原稿サイズ検出手段として4個のセンサS1、センサSA4、センサSB4、センサSA3がそれぞれ図示のような位置に並列に配置されている。これらのセンサのうち、センサS1は、原稿供給トレイ21に原稿をセットしたときに原稿で隠れる位置に配置され、原稿供給トレイ21に原稿がセットされたか否かを検出するためのセンサである。センサSA4,SB4,SA3は、原稿供給トレイ21にセットされたそれぞれA4,B4,A3サイズの原稿で隠れる位置に配置され、原稿供給トレイ21にセットされたそれぞれA4,B4,A3サイズの原稿のサイズ(幅)を検出するためのセンサである。
【0026】
以下の動作でも詳説するように、ユーザが原稿供給トレイ21上に原稿を載置すると、原稿がA4サイズである場合にはセンサS1とセンサSA4が原稿の存在を検出し、原稿がB4サイズである場合にはセンサS1とセンサSA4,SB4が原稿の存在を検出し、原稿がA3サイズである場合にはセンサS1とセンサSA4,SB4,SA3の全てが原稿の存在を検出する。また、原稿がA4サイズよりも小さいサイズ(例えばB5)である場合は、センサS1のみが原稿の存在を検出する。これらのセンサS1,SA4,SB4,SA3による原稿の検出結果は後述するCPU51に送られる。
【0027】
ガイド機構30内には、原稿供給トレイ21の原稿出口に近接した位置に、原稿を1枚ずつ分離するための分離ローラ41が設けられている。また、ADF方式の透光板32上にはこれと密着する状態で比較的大径の移送ローラ42が配置されており、この移送ローラ42を取り巻くように、複数の従動ローラ43が配置されている。そして、分離ローラ41から複数の従動ローラ43を経て透光板32へ、更に透光板32から原稿排出トレイ22の方向へ案内板が設けられており、また分離ローラ41から移送ローラ42を経て原稿排出トレイ22の方向へも案内板が設けられており、矢印付きの二点鎖線で示されているように、原稿供給トレイ21の原稿出口から分離ローラ41及び移送ローラ42の周囲を経て原稿排出トレイ22の原稿入口側に近接する位置まで、原稿の移送経路が形成されている。
【0028】
従って、ADF方式による場合は、原稿はシート状の原稿の端部が分離ローラ41に押付けられ、且つ原稿ガイド23で原稿供給トレイ21上の中央に位置決めされた状態でセットされる。そして、原稿供給トレイ21にセットされた原稿の最上部の1枚が分離ローラ41によって分離されて移送力を付与され、更に移送ローラ42及び複数の従動ローラ43により原稿排出トレイ22の原稿入口へ向けて移送される。そして、その間に、原稿はその表面(読み取られるべき画像が形成されている面)が透光板32に押付けられつつ一定速度で移送されることにより、光源装置33から光が照射されて光学的な原稿読み取りが行われる。
【0029】
なお、参照符号S2は原稿供給トレイ21に原稿がセットされているか否か(原稿の有無)を検出するためのセンサである。このセンサS2は、原稿供給トレイ21にセットされた原稿の先端が分離ローラ41に押付けられるため、分離ローラ41の原稿供給トレイ21側の位置に配置されている。このセンサS2による原稿の検出結果は後述するCPU51に送られる。
【0030】
また、参照符号S3はADF方式によりガイド機構30内に供給された原稿のサイズ(幅)を検出するためのセンサであり、分離ローラ41から透光板32までの原稿移送経路中の適宜の部分の、例えばA3,B4,A4サイズにそれぞれ対応した位置に配置されている。
【0031】
図5は、この実施形態に係るファクシミリ装置の機能構成例を示すブロック図である。なお、本発明の自動給紙型の画像読取装置は、ファクシミリ装置としてのみならず、ファクシミリ通信機能を有する複合機等、種々の装置に組み込むことが可能である。
【0032】
制御部として機能するCPU51は、バス50を介して例えばLCD(液晶表示デバイス)を利用した表示部15(図1参照)と、数字キー、文字キー及び種々のファンクションキー等で構成される操作部16(図1参照)と、このファクシミリ装置の動作手順のプログラム等が格納されているROM52と、種々のデータを一時記憶する記憶手段として機能するRAM53と、2値画像信号の符号化・復号化を行うコーデック(CODEC)54等のデジタル信号処理を司る部分と接続されている。
【0033】
また、CPU51はバス50を介して、CCD(電荷結合素子)を撮像素子として使用した撮像装置36を有する原稿の読み取り部10と、撮像装置36により読み取られたアナログ信号を2値化してデジタル画像信号に変換する画像処理回路55と、デジタル画像信号を用紙に印字するプリンタ56等の画像の読み取り及び印字を行う部分と接続されている。更に、CPU51はバス50を介して、一対の原稿ガイド23を移動させる駆動手段としてのモータ27の回転方向や回転量等を制御するモータドライバ57に接続されている。そして、CPU51はバス50を介して、この装置を通信回線網60に接続する網制御装置(NCU)58及びモデム59等の通信機能を司る部分とも接続されている。
【0034】
なお、前記接触センサSR,センサS1,SA4,SB4,SA3,S2,S3は、いずれも図5のブロック図においては読み取り部10に接続されており、これらの接触センサSR,センサS1,SA4,SB4,SA3,S2,S3からの検出信号はバス50を介してCPU51に送られる。
【0035】
次に、このファクシミリ装置1における原稿ガイド23の移動動作について図6のフロー図を参照して説明する。但し、原稿供給トレイ21に原稿をセットする前(待機状態)には、原稿ガイド23は最大幅(A3よりも幾分大きい幅)の位置に戻されている。
【0036】
まず、ステップST1において、原稿供給トレイ21に原稿がセットされたか否か、すなわちセンサS1及び/又はセンサS2が原稿を検出したかどうかを判定し、この判定がNOの場合は、原稿がセットされるまで待機する。原稿がセットされると、ステップST2において、モータ27を駆動して原稿ガイド23を内方向に移動させる。 次いで、ステップST3において、原稿ガイド23と原稿とが接触したかを判定する。すなわち、前記したように、原稿ガイド23の接触センサSRが原稿を検出した信号を出力したかどうかを判定する。原稿ガイド23が原稿に接触しないときは、ステップST2に戻り、原稿ガイド23が原稿に接触するまで原稿ガイド23を移動させる。
【0037】
原稿ガイド23が原稿に接触すると、ステップST4において、原稿ガイド23を停止させた後、ステップST5において、原稿を1枚ずつ自動で給紙し、読み取り部10で原稿の画像を読み取り、その画像データを取り込む。そして、ステップST6において、全ての原稿の自動給紙及び画像読み取りが終了したか判定し、原稿がまだ残っているときは、ステップST5に戻り、原稿の画像データの取り込みを続ける。全ての原稿の画像読み取りが終了すると、ステップST7において、モータ27を駆動して、原稿ガイド23を最大幅の位置まで移動させ、再び待機状態とし、当該処理を終了する。
【0038】
上記原稿ガイド23の移動動作は、基本的なものであるが、より詳細な動作例について図7及び図8のフロー図を参照して説明する。このフロー図では、原稿サイズに応じて原稿ガイド23の移動速度パターンを制御しているが、速度パターンは例えば図9に示すようなものである。
【0039】
原稿サイズがB4よりも大きくA3以下であるときは、原稿ガイド23を最初から低速S1〔図9の(a)に示す第1の速度パターン〕で移動させる。これは、A3等の大きいサイズの原稿に対しては、待機状態ではA3よりも幾分大きい幅の位置にある原稿ガイド23を原稿に接触させるまでそれほど移動させる必要がないからである。
【0040】
原稿サイズがA4よりも大きくB4以下であるときは、原稿ガイド23をA3〜B4までは高速S2で、B4以降は低速S1〔図9の(b)に示す第2の速度パターン〕で移動させる。つまり、原稿サイズが例えばB4であるときは、原稿ガイド23が原稿に近づくまでは原稿ガイド23を高速で移動させ、近づいた後は低速で移動させることにより、原稿ガイド23の移動を短時間で行うことができる。
【0041】
同様に、原稿サイズがB5よりも大きくA4以下であるときは、原稿ガイド23をA3〜A4までは高速S2で、A4以降は低速S1〔図9の(c)に示す第3の速度パターン〕で移動させる。また、図9には示されていないが、原稿サイズがB5以下であるときは、原稿ガイド23をA3〜B5までは高速S2で、B5以降は低速S1(第4の速度パターン)で移動させる。
【0042】
このような第1〜第4の速度パターンを予め規定の原稿サイズに対応して設定しておく。そして、図7のステップST11において、原稿供給トレイ21に原稿がセットされたか否か、すなわちセンサS1及び/又はセンサS2が原稿を検出したかどうかを判定し、この判定がNOの場合は、原稿がセットされるまで待機する。原稿がセットされると、ステップST12において、セットされた原稿のサイズを原稿サイズ検出手段(センサS1,SA4,SB4,SA3)で検出する。原稿サイズは、それらセンサS1,SA4,SB4,SA3の検出結果に基づいて決定される。 まずステップST12において、原稿の幅がA3幅よりも小さくB4幅よりも大きいか判定する。この判定がYESのとき、すなわち全てのセンサS1,SA4,SB4,SA3がONのときは、ステップST13において、前記したように第1の速度パターン〔図9の(a)参照〕で原稿ガイド23を移動させる。続いて、ステップST14において、原稿ガイド23が原稿に接触したか判定する。この判定は、前記したように、例えば原稿ガイド23の接触センサSRが原稿の接触による接圧を検知したか否かにより行う。原稿ガイド23が原稿に接触しないときは、接触するまで原稿ガイド23を移動させ、接触すると、ステップST23に移行する。
【0043】
ステップST12において、判定がNOのときは、次にステップST15において、原稿の幅がB4幅よりも小さくA4幅よりも大きいか判定する。この判定がYESのとき、すなわちセンサS1,SA4,SB4がONのときは、ステップST16において、第2の速度パターン〔図9の(b)参照〕で原稿ガイド23を移動させる。続いて、ステップST17において、原稿ガイド23が原稿に接触したか判定する。原稿ガイド23が原稿に接触しないときは、接触するまで原稿ガイド23を移動させ、接触すると、ステップST23に移行する。
【0044】
ステップST15において、判定がNOのときは、次にステップST18において、原稿の幅がA4幅よりも小さくB5幅よりも大きいか判定する。この判定がYESのとき、すなわちセンサS1,SA4がONのときは、図8のステップST19において、第3の速度パターン〔図9の(c)参照〕で原稿ガイド23を移動させる。続いて、ステップST20において、原稿ガイド23が原稿に接触したか判定する。原稿ガイド23が原稿に接触しないときは、接触するまで原稿ガイド23を移動させ、接触すると、ステップST23に移行する。
【0045】
ステップST18において、判定がNOのときは、すなわちセンサS1のみがONのときは、ステップST21において、第4の速度パターンで原稿ガイド23を移動させる。続いて、ステップST22において、原稿ガイド23が原稿に接触したか判定する。原稿ガイド23が原稿に接触しないときは、接触するまで原稿ガイド23を移動させ、接触すると、ステップST23に移行する。
【0046】
上記のように各種原稿サイズに応じて原稿ガイド23を第1〜第4の速度パターンで移動させ、原稿ガイド23が原稿に接触すると、図6のフロー図と同様に、ステップST23において、原稿ガイド23を停止させ、ステップST24において、原稿を1枚ずつ自動で給紙し、読み取り部10で原稿の画像を読み取り、その画像データを取り込む。そして、ステップST25において、全ての原稿の自動給紙及び画像読み取りが終了したか判定し、原稿が残っているときは、ステップST24に戻り、原稿の画像データの取り込みを続ける。全ての原稿の画像読み取りが終了すると、ステップST26において、モータ27を駆動して、原稿ガイド23を最大幅の位置まで移動させ、再び待機状態とし、当該処理を終了する。
【0047】
なお、上記実施形態では、一対の原稿ガイド23が連動して移動する構成としたが、それに代わって、一対の原稿ガイド23のうち一方は固定し、他方の原稿ガイドのみがモータにより移動する構成にしてもよい。
【0048】
また、以上の説明では、モータ27として、回転量が指令パルス数に対応しているステッピングモータを使用し、常に原稿ガイド23が最大幅の状態から移動を開始するものとした。従って、モータ27の絶対的な回転位置を検出する検出器(エンコーダ)を設けることなく、原稿ガイド23の位置に応じて所定速度となるような速度パターンにて回転するようにモータ27を制御できる。但し、モータ27の絶対的な回転位置を検出する検出器を設け、その検出信号に基づいてモータ27の回転速度を制御することにより、原稿ガイド23が待機状態で最大幅以外の途中位置にあった場合、すなわち原稿ガイド23が最大幅以外の途中位置から移動開始する場合でも、位置に応じて所定の速度となるような速度パターンになるように制御できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の請求項1記載の自動給紙型の画像読取装置によれば、ユーザが原稿給紙部に原稿をセットすれば、原稿ガイドが原稿に接触する位置まで自動的に移動するので、原稿ガイドを原稿に接触するまで手動で移動させる必要がなく、原稿ガイドの位置合せの手間を省くことができる。
【0050】
また、請求項2の構成とすれば、既存の原稿サイズを利用して効率的な速度パターンで原稿ガイドを移動させることができる。
【0051】
更に、請求項3の構成とすれば、原稿ガイドの移動を短時間で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る自動給紙型の画像読取装置を組み込んだファクシミリ装置の斜視図である。
【図2】同ファクシミリ装置におけるブックプラテンカバーの拡大斜視図である。
【図3】図2に示すブックプラテンカバーの一部省略拡大平面図である。
【図4】同ファクシミリ装置における読み取り部の要部構成を示すためにファクシミリ装置の本体の正面から見た模式的縦断面図である。
【図5】同ファクシミリ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】同ファクシミリ装置における原稿ガイドの移動動作を示すフロー図である。
【図7】同ファクシミリ装置における原稿ガイドの移動動作のより詳細な動作例を示すフロー図である。
【図8】図7のフロー図に続くフロー図である。
【図9】同ファクシミリ装置において、各種原稿サイズに応じて移動させる原稿ガイドの第1〜第3の移動速度パターンを示す図である。
【符号の説明】
1        ファクシミリ装置
10       読み取り部
20       ブックプラテンカバー
21       原稿供給トレイ
22       原稿排出トレイ
23       原稿ガイド
27       モータ(駆動手段)
51       CPU(制御部)
SR       接触センサ(検出手段)
S1,SA4   センサ(原稿サイズ検出手段)
SB4,SA3  センサ(原稿サイズ検出手段)
P        原稿

Claims (3)

  1. 原稿給紙部にセットされた原稿を1枚ずつ読み取り部まで搬送する自動給紙型の画像読取装置であって、
    前記原稿給紙部に給紙方向と直交する方向に移動可能に設けられた原稿ガイドと、この原稿ガイドを前記直交方向に移動させる駆動手段と、原稿ガイドと原稿給紙部にセットされた原稿との接触を検出する検出手段と、この検出手段による検出結果に基づいて原稿ガイドの移動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする自動給紙型の画像読取装置。
  2. 前記原稿給紙部にセットされた原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段を備え、前記制御部は、原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに基づいて原稿ガイドの移動速度パターンを制御することを特徴とする請求項1記載の自動給紙型の画像読取装置。
  3. 前記制御部は、原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する位置に近づくまでは原稿ガイドを高速で移動させ、近づいた後は原稿ガイドを低速で移動させることを特徴とする請求項2記載の自動給紙型の画像読取装置。
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