JP2004026376A - フォークリフトの運転室昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォークリフトの運転室昇降装置において、オペレータが略正面視線方向で荷物を視認できるようにして、オペレータの疲労低減及び作業効率の向上を図る。
【解決手段】車体2に対して昇降自在なフォーク3と、オペレータが搭乗する運転室6と、運転室6を車体2に対して昇降自在にガイドするガイド機構とを備える。ガイド機構は、車体2に装着されるアウターマスト41と、フォーク3を昇降自在にガイドするインナーマスト42と、運転室6を支持する支持ビーム61を有する。インナーマスト42はアウターマスト41によって昇降自在にガイドされると共に、リフトシリンダ5によって昇降駆動される。オペレータは、フォーク3に支持された荷物に合わせて運転室6の高さ位置を調節し、略正面視線方向で荷物を視認しながら積み込みを行う。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトの運転室昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンテナ等の荷物を昇降するフォークリフトにおいては、オペレータ(運転者)の安全性及び作業環境の向上を図るために、オペレータがフォークの操作を行うためのレバー、ペダル等から成る操作部、及び、オペレータを取り囲むように形成した運転室(キャビン)を備えたものがある。通常、フォークは車体の前部に装着され、運転室はフォークの後方、すなわち、車体の略中央部に固定されている。また、高所への荷物の積み込み作業を行うために、フォークは運転室内のオペレータの目より高い位置まで上昇する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォークリフトによる荷物の積み上げ作業においては、オペレータの視界が重要なポイントであるとされている。荷物をオペレータの目の高さより高く積み上げる際には、オペレータは、自ら頭部を傾け、視線を上方に移動させながら作業を行うことになる。このため、高所への荷物の積み込み作業にあっては、オペレータに不自然な姿勢を強いることとなり、オペレータの首が疲れると共に、作業効率が低下するといった問題があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、オペレータが略正面視線方向で荷物を視認できるようにして、オペレータの疲労低減及び作業効率の向上を図ったフォークリフトの運転室昇降装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、車体に対してフォークが昇降自在に設けられ、オペレータが搭乗して該フォークを操作する運転室を備えたフォークリフトの運転室昇降装置であって、運転室を車体に対して昇降自在にガイドするガイド機構と、運転室を昇降駆動する駆動手段とを備えたものである。
【0006】
この構成においては、ガイド機構によって昇降自在にガイドされる運転室は、駆動手段によって昇降駆動される。これによって、オペレータは、フォークに支持された荷物に合わせて運転室の高さ位置を必要に応じて調節することができ、これにより、略正面視線方向で荷物を視認することができるようになる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のフォークリフトの運転室昇降装置において、ガイド機構は、車体に装着される第1のマストと、この第1のマストによって昇降自在にガイドされると共に、フォークを昇降自在にガイドする第2のマストと、運転室を支持し、第2のマストに固定される支持部材とから成り、駆動手段は、第2のマストを昇降駆動するリフトシリンダを有するものである。この構成においては、運転室は、支持部材を介して第2のマストに固定され、リフトシリンダによって第2のマストと共に昇降駆動される。従って、運転室昇降用の油圧装置を別途設けることなく、第2のマストを昇降駆動するためのリフトシリンダを用いて運転室を昇降させることができる。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の運転室昇降装置において、運転室は、フォークの上昇量の1/2倍だけ上昇するものである。この構成においては、フォークを第2のマストの上端近傍まで上昇させたとき、運転室は荷物より若干低く位置することとなるため、オペレータはフォークに支持された荷物の下部を視認し易くなる。また、フォークを上昇させた際の運転室の上昇量が制限され、フォークリフトの重心移動が抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による運転室昇降装置を備えたフォークリフトについて、図面を参照して説明する。図1は、フォークリフトのフォークを下限位置まで下降させた状態を示す。図2は、フォークリフトの運転室昇降装置を、また、図3は、そのA−A線断面を示す。フォークリフト1の運転室昇降装置は、車体2と、荷物を昇降するためのフォーク3と、フォーク3を昇降自在にガイドするマスト4(ガイド機構)と、フォーク3を昇降駆動するためのリフトシリンダ(駆動手段)5と、オペレータが搭乗してフォーク3を操作する運転室6とを備えている。
【0010】
フォーク3は、フォークブラケット31によって支持され、ガイド部32を介して、マスト4によって昇降自在にガイドされる。マスト4は、車体2の前部に装着される左右一対のアウターマスト(第1のマスト)41及びアウターマスト41によって昇降自在にガイドされると共に、ガイド部32をガイドする左右一対のインナーマスト(第2のマスト)42とによって構成され、マスト傾斜用シリンダ10により傾斜駆動される。左右のアウターマスト41は、その上下端近傍において桁43,44によって連結され、マスト4の剛性が高められる。リフトシリンダ5の一端51はアウターマスト41の下端近傍に結合され、他端52はインナーマスト42の上端近傍に結合される。また、インナーマスト42の上端近傍には、フォーク昇降用のチェーン8が掛けられるシーブ9が設けられている。チェーン8の一端81はアウターマスト42の上端近傍に結合され、他端82はフォークブラケット31又はガイド部32に結合されている。なお、図3においては、マスト傾斜用シリンダ10の記載、及び、リフトシリンダ5の内部構造の記載は省略している。
【0011】
運転室6は、マスト4の後方に位置し、支持ビーム(支持部材)61によって片持ち支持される。支持ビーム61は、インナーマスト42に固定される。これにより、運転室6は、インナーマスト42と一体的に昇降する。
【0012】
上記運転室昇降装置において、リフトシリンダ5が接続されているオイルポンプ(図示せず)が駆動されることによって、リフトシリンダ5にオイルが供給され、リフトシリンダ5が伸張する。このリフトシリンダ5の伸張によって、インナーマスト42が、図2に示されるように上方に移動し、それに伴い、運転室6が上昇する。このとき、シーブ9は、インナーマスト42と共に上昇しながら動滑車として作用し、チェーン8を介してフォーク3を上方に引き上げる。その結果、フォーク3はインナーマスト42の上昇量に対して2倍上昇する。換言すれば、インナーマスト42及び運転室6は、フォーク3の上昇量に対して1/2倍だけ上昇することとなる。一方、リフトシリンダ5の油圧を下げることにより、リフトシリンダ5が収縮し、インナーマスト42及びフォーク3が下降する。なお、運転室6を片持ち支持する構造については、従来のハイマウントキャビンのフォークリフトにおいても実施されており、強度的な問題はない。
【0013】
図4は、上記のように構成されたフォークリフト1において、フォーク3を上昇させる様子を示している。運転室6は、フォーク3の上昇に連動して、かつ、フォーク3の上昇量の1/2倍だけ上昇する。これによって、運転室6内のオペレータとフォーク3に支持された荷物との相対的な高さ位置関係は、フォーク3の高さ位置に関わらず略一定に保たれる。その結果、オペレータは、視線を大きく移動させることなく、略正面視線方向で荷物を視認することができ、これによって、オペレータの疲労の低減を図ることができると共に、作業効率が高まる。また、高所への荷物の積み込みの際に、オペレータは上方からフォークリフト1の周辺を見渡すことができるので、周辺への注意力が高まり、安全性が向上する。
【0014】
また、運転室6は、支持ビーム61を介してインナーマスト42に固定され、リフトシリンダ5によってインナーマスト42と共に昇降駆動される。従って、運転室6を昇降するための油圧装置を別途設けることなく、インナーマスト42を昇降駆動するためのリフトシリンダ5を用いて、運転室6を昇降させることができ、フォークリフト1の運転室昇降装置の構造を簡素化することができるようになる。
【0015】
また、上述したように、運転室6は、フォーク3の上昇量の1/2倍だけ上昇するので、フォーク3をインナーマスト42の上端近傍まで上昇させたとき、運転室6は荷物より若干低く位置することとなる。これにより、オペレータはフォーク3に支持された荷物の下部を視認し易くなり、積み込み作業が容易になる。また、フォークリフト1の重心移動が抑制され、フォークリフト1の安定性が損なわれない。さらにまた、オペレータも高所における恐怖を感じない。
【0016】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、運転室6は、フォーク3(インナーマスト42)の昇降用とは別系統の油圧装置によって昇降駆動されるように構成してもよい。また、運転室6は、フォーク3が所定の高さまで上昇した後、昇降駆動されるように構成してもよく、また、フォーク3の昇降とは独立して昇降駆動されるように構成しても構わない。
【0017】
また、マスト4の構成は、インナーマスト42が車体2に装着され、このインナーマスト42にアウターマスト41が昇降自在に係合されるものであってもよい。この場合においては、運転室6は、支持ビーム61を介してアウターマスト41に固定され、アウターマスト41と一体的に昇降する。また、左右のアウターマスト41を連結する桁43,44はアウターマスト41と共に昇降する。従って、支持ビーム61と、桁43,44とは、いずれもアウターマスト41と共に昇降するため、両者が干渉することはない。これによって、支持ビーム61と桁43,44の干渉を危惧することなく、桁43,44の形状、個数及び配置を決定することができ、桁43,44の設計自由度が高まる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、運転室は、駆動手段によって昇降駆動されるので、オペレータは、フォークに支持された荷物に合わせて運転室の高さ位置を調節して、略正面視線方向で荷物を視認することができるようになる。これによって、オペレータの疲労の低減を図ることができると共に、作業効率が高まる。
【0019】
請求項2の発明によれば、運転室は、支持部材を介して第2のマストに固定され、リフトシリンダによって第2のマストと共に昇降駆動される。従って、運転室昇降用の油圧装置を別途設けることなく運転室を昇降させることができ、運転室昇降装置の構造を簡素化することができるようになる。
【0020】
請求項3の発明によれば、運転室は、フォークの上昇量の1/2だけ上昇するので、フォークを第2のマストの上端近傍まで上昇させたとき、運転室は荷物より若干低く位置することとなる。これにより、オペレータはフォークに支持された荷物の下部を視認し易くなる。また、フォークリフトの重心移動が抑制され、フォークリフトの安定性が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による運転室昇降装置を備えたフォークリフトの側面図。
【図2】同フォークリフトの運転室を僅かに上昇させた状態を示す側面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】同フォークリフトのフォーク上昇の様子を時系列に示す図。
【符号の説明】
1  フォークリフト
2  車体
3  フォーク
41  アウターマスト(ガイド機構、第1のマスト)
42  インナーマスト(ガイド機構、第2のマスト)
5  リフトシリンダ(駆動手段)
6  運転室
61  支持ビーム(ガイド機構、支持部材)

Claims (3)

  1. 車体に対してフォークが昇降自在に設けられ、オペレータが搭乗して該フォークを操作する運転室を備えたフォークリフトの運転室昇降装置であって、
    前記運転室を車体に対して昇降自在にガイドするガイド機構と、
    前記運転室を昇降駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするフォークリフトの運転室昇降装置。
  2. 前記ガイド機構は、車体に装着される第1のマストと、この第1のマストによって昇降自在にガイドされると共に、前記フォークを昇降自在にガイドする第2のマストと、前記運転室を支持し、前記第2のマストに固定される支持部材とから成り、
    前記駆動手段は、前記第2のマストを昇降駆動するリフトシリンダを有することを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトの運転室昇降装置。
  3. 前記運転室は、前記フォークの上昇量の1/2倍だけ上昇することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運転室昇降装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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