JP2004025733A - ゴム2段加硫方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】パーオキサイド加硫系ゴムを押し出し機1から押し出してゴム生材2とし、これを所定寸法にカットして大気開放時における酸素4の混在する環境にて、ハロゲンヒーター3により表面を急速加熱する。これにより酸素との反応を抑えてパーオキサイド加硫された表面加硫層5を形成する。この後、この初期加硫されたゴム生材6をマンドレル3へ取付けて大気開放下で本加硫する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴムホースなどのゴム製品製造時における有利な加硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に行われているゴム製品の方法は、まずゴム生材を押し出して所定寸法にカットし、これをマンドレルに装着してから加硫釜に入れ、高温高圧下で加硫してマンドレルと同形状のゴム製品を得ていた。
また、加硫はイオウ分子による架橋反応を利用するイオウ加硫が知られているが、加硫剤としてパーオキサイドを用い、そのラジカル反応を介して骨格炭素分子間を架橋させるパーオキサイド加硫も公知である。
【0003】
このパーオキサイド加硫は多段反応であって、前段として省略されているパーオキサイドラジカルによって、最終段である次式のラジカル反応でゴム骨格の炭素分子が架橋する。
【0004】
但し、酸素存在下におけるパーオキサイド加硫は酸素との競争反応であり、
ゴム生材は次式により酸素とも反応する。
【0005】
(1)式のパーオキサイド加硫より先に(2)式に示す中間成形態と酸素との反応が促進されると、加硫されず表面がべたついて製品にできない。
そのため、パーオキサイド加硫系では、熱空気架橋やマイクロ波加硫を行う場合、ゴム表面が架橋しないか、あるいは崩壊を起こし製品物性が著しく劣る欠点がある。
そこでゴム表面と酸素と反応しないように、酸素を遮断するスチーム加硫や被覆加硫(パーオキサイド加硫ゴムの表面にイオウ加硫材を被覆して表面を空気に触れさせない方法)が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
パーオキサイド加硫では酸素が存在すると表面がべたついて製品にできないため、上記無酸素条件下で行うことが必要になるが、このためには特殊設備が必要であり、成形方法が限定されるため生産性の面でも課題がある。
そこで本発明は、このような点が改善し、生産性に優れた熱空気加硫等でも加硫が可能となり、また取扱性にも優れた加硫方法の実現を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
パーオキサイド加硫系ゴムを押し出し成形したゴム生材の表面を急速加熱するので、ゴム生材は酸素分子との反応よりも、パーオキサイドラジカルを介した上記式(1)による骨格炭素分子間の直接架橋反応速度が速くなり、極めて短時間に表面のみがパーオキサイド加硫されて硬化した初期加硫となる。
【0008】
この初期加硫状態では、表面のみが加硫されるに過ぎないが、この表面加硫層が酸素との反応を阻止するので、以降の貯蔵、取扱い性のいずれにも優れることになる。その後、この初期加硫品をマンドレル装着等して適宜手段で加熱することにより本加硫して所定のゴム製品を得る。この本加硫は、大気開放された常温常圧環境下での作業をも可能になり、作業が容易になるため、生産性に優れたものになる。
【0009】
ここで急速加硫とは、ゴム生材における酸素又はパーオキサイドラジカルとの反応において、パーオキサイドラジカルとの反応速度が酸素との反応速度よりも上回る状態を維持することができるような加熱状態を意味する。
第1段階でこの急速加硫を行うことで、以後大気開放等の酸素後存在する環境でもパーオキサイド加硫の本加硫が可能になり、生産性に優れた熱空気加硫等が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施形態を説明する。図1は燃料ホース等の中空ゴム製品の製造工程を示し、Aはパーオキサイド加硫系ゴムを押し出し機1からゴム生材2として押し出し、所定寸法にカットする工程である。Bはこのゴム生材2をハロゲンヒーター3により、大気開放された酸素の存在下で表面を押し出しされたままの状態で急速加熱して表面加硫層5を形成する初期加硫工程である。
【0011】
Cは初期加硫後の状態を拡大断面で示し、初期加硫されたゴム生材6はその表面に薄く表面加硫層5が形成されている。但し、表面加硫層5は表面のみであって、内部は未加硫のままであり表面加硫層5により外部の酸素との接触を断たれている。
【0012】
Dは、この初期加硫されたゴム生材6をマンドレル7へ被せる工程であり、マンドレル7は3次元曲線状等の適宜形状になっている。
Eはマンドレル7へ装着した初期加硫されたゴム生材6を大気開放状態で加熱して本加硫する工程である。加熱手段は、ハロゲンヒーターなどの電熱加熱や高周波加熱、さらにはスチームや加熱空気等の適宜方法であってもよい。
【0013】
Fは本加硫後のゴム製品8を示し、ゴム製品8はマンドレル7と同形状にくせ付けされた曲管となっており、表面から内部までパーオキサイド加硫により所定の硬度を達成、製品としての要求性能を満足している。
【0014】
ゴム生材の材料はパーオキサイド加硫系ゴムを混練りして得られる。ゴム材料は、パーオキサイド加硫可能なものであれば、特に限定されず公知のものから使用目的に応じて種々選択される。例えば、アクリルニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホンカポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)がある。
【0015】
パーオキサイドは、ゴムの加硫剤として通常用いられる公知のものを適宜選択して使用できるが、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ラウロイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドがある。
【0016】
次に、初期加硫について詳細に説明する。図2は、前記式(2)に示すゴム生材と酸素との反応速度、及び前記式(1)に示すパーオキサイドラジカルとの反応速度につき、一般的な傾向を示すグラフであり、横軸に加熱温度(℃),縦軸にゴム生材との加硫度を示す。加硫度はパーオキサイド加硫の進行程度を示す。
【0017】
この例では、グラフに明らかなように、2つの曲線がP点で交差するようになっており、P点より高温側では酸素との反応よりもパーオキサイドラジカルとの反応が早く進むことになる。そこで、パーオキサイドラジカルとの反応が酸素との反応よりも早くなる状態を維持する加熱条件を急速加熱とし、初期加硫はこの急速加熱により行う。
【0018】
この加熱条件を維持する限り、パーオキサイド加硫を促進できるので大気開放下の酸素存在環境でも加硫作業が可能になる。このグラフのように2曲線が交差する場合はP点温度以上であれば急速加熱が可能になるが、ゴム生材の組成によっては2曲線が交差しないものもある。この場合はパーオキサイドラジカルの反応速度が酸素との反応速度よりも速くなる温度でかつできるだけ酸素との反応が少なくなる温度条件で加熱すればよい。
【0019】
このような急速加熱としては、例えばハロゲンヒーター3が好適である。但し、同様に急速加熱できれば他の光源を用いたものであってもよい。さらには赤外線やマイクロ波等の他の公知手段でもよいが、可能な限り効率的かつ加熱部表面の昇温速度が早い手段を選択することが好ましい。加熱手段は、加熱温度と加熱時間が決まれば、所定の性能表から容易に選択できる。
【0020】
初期加硫による表面加硫層5は、内部のゴム生材を酸素と接触させないようにすれば足りるので、できるだけ薄くすることが好ましい。ゴム生材の表面に不可避的に生じる凹凸が5μm程度であるため、この凹凸に左右されない厚さであれば上記条件を満たす。したがって表面加硫層5の厚さを5μm以上にすれば、内部を周囲の酸素と遮断でき、初期加硫の目的を達成できる。
【0021】
加硫度の測定は、種々の方法があり、例えばサンプル表面をトルエンに70時間浸漬後、ウォーレス硬度計で測定する方法がある。この方法では測定した硬度変化が+60以内のとき加硫が十分に進行したものとする。他に、HB鉛筆で表面をひっかいたときに傷ができるか否かで判定する鉛筆硬度等、適宜測定方法を採用できる。
【0022】
次に、実施例を説明する。ゴム(EPDM)100部とパーオキサイド(DCP)3〜5部及びその他の成分(オイル・カーボン・充填剤)50〜300部を混合したゴム組成物を押し出し機1から内径10mm・外径16mmのパイプ上に押し出してゴム生材2とする。
これを大気開放状態でハロゲンヒーター3にて表面を急速加熱し、初期加硫されたゴム生材6とする。
加熱条件は、出力1000Wのハロゲンヒーター3により初期加硫されたゴム生材6の表面を230℃以上で1分間照射を行う。
【0023】
これにより、初期加硫されたゴム生材6は、パイプ穴内面を含む全表面に表面加硫層5が形成される。この表面加硫層5は前記ウォーレス硬度を測定したとき、+60以内になっている。表面加硫層5は十分に加硫されている。
この状態では表面加硫層5によりブロックされて酸素との反応は進行しない。
【0024】
その後、この初期加硫されたゴム生材6を3次元に曲げられたマンドレル7上に被せ、大気開放された電気加硫炉やマイクロ波加硫炉等の内部を通過させて熱空気加硫により本加硫する。
このときの加硫温度は、熱空気による加熱で200℃、炉内滞在時間は0.05〜0.5時間程度である。
これにより、表面から内部まで十分に加硫されたゴム製品8が得られる。
【0025】
なお比較例として、実施例と同様にして得られたゴム生材2を大気開放下にて150℃、48時間加熱し、その後ゴム表面を前記ウォーレス硬度にて測定したとき、硬度変化が+60オーバーとなり、加硫が不十分であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム製品の工程図
【図2】パーオキサイド加硫における加熱と加硫の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1:押し出し機、2:ゴム生材、3:ハロゲンヒーター、4:パーオキサイド、5:表面加硫層、7:マンドレル、8:ゴム製品
Claims (3)
- 押し出し成形されたパーオキサイド加硫のゴム生材を所定のゴム製品とする加硫方法において、
前記ゴム生材の表面を急速加熱して表面のみを加硫する初期加硫と、その後本加硫して所定の加硫状態とする、計2段の加硫を行うことを特徴とするゴム2段加硫方式。 - 前記初期加硫は、高速昇温手段による加熱であることを特徴とする請求項1のゴム2段加硫方法。
- 前記初期加硫を大気開放にて行うことを特徴とする請求項1のゴム2段加硫方法。
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