JP2022097891A - 押出物の製造方法およびタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴムコンパウンドを、機械的せん断なしで迅速に、かつ均一性高く温めることが可能であり、しかも、押出物の形状(すなわち押出形状)を安定化することができる、押出物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の押出物の製造方法は、カーボンブラックを含有するゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする工程と、熱入れされたゴムコンパウンドを押出機で押出す工程とを含む。ゴムコンパウンドに熱入れする工程で、ゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温めることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、押出物の製造方法およびタイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造過程において、ゴムコンパウンドの押出前に、ゴムコンパウンドの熱入れをおこなうことが知られている。熱入れとは、ゴムコンパウンドの押出を容易にするため、すなわちゴムコンパウンドを柔らかくするために、ゴムコンパウンドを予熱する操作である。
熱入れのために、熱入れロール、熱入れ押出機または保温庫を使用することが知られている。熱入れロール、および熱入れ押出機は、機械的せん断および熱によって、ゴムコンパウンドを柔らかくする。保温庫は、熱によってゴムコンパウンドを柔らかくする。
特開2016-141056号公報 特開2010-111724号公報 特開昭58-49231号公報
仮に、熱入れロールまたは熱入れ押出機で熱入れしたとすると、ゴムコンパウンドに機械的せん断を与えるため、ゴムの分子鎖の切断が生じる。そのため、物性(たとえば、タイヤに要求される物性)の低下を招くおそれがある。これに加えて、機械的せん断がゴムコンパウンドの粘度変化をもたらすところ、これが、押出物の形状(すなわち押出形状)の早期安定化を阻害する。
いっぽう、仮に、保温庫で熱入れしたとすると、昇温速度が遅いため、所望の温度まで温めるために多くの時間がかかる。たとえば、1~2日、またはそれ以上かかることがある。
これに加えて、保温庫による熱入れでは、ゴムコンパウンドの表面温度が優先的に上がるため温度のばらつきが出やすい(具体的には、表面温度と内部温度との差が生じやすい)ところ、仮に、温度のばらつきが大きいゴムコンパウンドを押出したとすると、押出物の形状(すなわち押出形状)が安定しない。
本発明は、ゴムコンパウンドを、機械的せん断なしで迅速に、かつ均一性高く温めることが可能であり、しかも、押出物の形状(すなわち押出形状)を安定化することができる、押出物の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の押出物の製造方法は、カーボンブラックを含有するゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする工程と、熱入れされたゴムコンパウンドを押出機で押出す工程とを含む。
本発明によれば、ゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れすることによって、機械的せん断なしでゴムコンパウンドを温めることができる。したがって、機械的せん断により生じる物性(たとえば、タイヤに要求される物性)の低下を回避することができる。そのうえ、機械的せん断に起因するゴムコンパウンドの粘度変化を回避することができるため、押出物の形状(すなわち押出形状)を安定化することが容易となる。
しかも、カーボンブラックにマイクロ波を吸収させることが可能であるので、ゴムコンパウンドを迅速に、かつ均一性高く温めることができる。ゴムコンパウンドを均一性高く温めることができる結果、すなわち、ゴムコンパウンド内での温度のばらつきを低減することができる結果、ゴムコンパウンドを押出すことによって成形される押出物の形状、すなわち押出形状を安定化することもできる(具体的には、押出物の厚み寸法異常の頻度を低減することができる)。
そのうえ、熱入れロールや熱入れ押出機による熱入れに比べて、省スペース化することができる。これについて説明する。仮に、熱入れロールで熱入れしたとすると、複数のロールを使用することになるため、設備が大掛かりになる。また、仮に、熱入れ押出機で熱入れしたとすると、L/Dが大きい熱入れ押出機を使用することになるため、やはり設備が大掛かりになる。これに対して、本発明では、マイクロ波で熱入れをおこなうことによって、熱入れロールや、熱入れ押出機が必要ないため、省スペース化することができる。さらにいえば、熱入れロールや熱入れ押出機による熱入れに比べて、省エネルギーでゴムコンパウンドを温めることができる。
これに加えて、ゴムコンパウンドの温度が、所定の温度に到達した際にマイクロ波の照射を止める、という手順を踏む場合には、季節間の温度差や、昼夜の温度差に関わりなく、一定の温度で仕上げることができる。その結果、これらの温度差に対処するために必要とされていた各種の調整(たとえば押出条件の調整)を省くことができる。さらにいえば、そのような手順を踏む場合には、熟練した技能(具体的には、熱入れロールや、熱入れ押出機による熱入れで必要とされる熟練した技能)なしで、一定の温度で仕上げることができる。
本発明の押出物の製造方法では、ゴムコンパウンドに熱入れする工程でゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温める、という構成が好ましい。
ゴムコンパウンドを60℃以上に温めることによって、ゴムコンパウンドを軟化することが可能であるので、ゴムコンパウンドの押出を容易にすることができる。ゴムコンパウンドを90℃以下に温めることによって、加硫の開始または進行を防止することができる。つまり、スコーチを防止することができる。
本発明のタイヤの製造方法は、本発明の押出物の製造方法で押出物を作製する工程と、押出物を用いて未加硫タイヤを作製する工程とを含む。
なお、上述の特許文献1~3には、マイクロ波を使用することが記載されているものの、マイクロ波で熱入れすることは一切記載されていない。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<1.押出物の製造方法>
本実施形態の押出物の製造方法は、カーボンブラックを含有するゴムコンパウンドを作製する工程Aと、ゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする工程Bと、熱入れされたゴムコンパウンドを押出機で押出す工程Cとを含む。
<1.1.ゴムコンパウンドを作製する工程A>
ゴムコンパウンドを作製する工程Aは、ゴム混合物を作製するために、少なくともゴムおよびカーボンブラックを混練りする工程A1と、少なくともゴム混合物および加硫系配合剤を混練りする工程A2とを含む。
<1.1.1.ゴムおよびカーボンブラックを混練りすることによってゴム混合物を作製する工程A1>
工程A1では、ゴム混合物を作製するために、少なくともゴムおよびカーボンブラックを混練りする。混練りは混練機でおこなうことができる。混練機として密閉式混練機、オープンロールなどを挙げることができる。密閉式混練機として、接線式密閉型混練機、かみ合式密閉型混練機、ニーダーなどを挙げることができる。工程A1における混練ステージ数は、一回であってもよく、二回以上であってもよい。混練ステージとは、混練機への材料の投入から排出までのサイクルである。
ゴムとして、たとえば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどを挙げることができる。これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。ゴムは、ジエン系ゴムであることが好ましい。
ゴムとして、変性ゴムを使用してもよい。変性ゴムとして、変性SBR、変性BRを挙げることができる。変性ゴムは、ヘテロ原子を含む官能基を有することができる。官能基は、ポリマー鎖の末端に導入されてもよく、ポリマー鎖中に導入されてもよいが、好ましくは末端に導入されることである。官能基としては、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、シアノ基、ハロゲン基などが挙げられる。なかでも、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基が好ましい。変性ゴムは、例示した官能基のうち少なくとも1種を有することができる。アミノ基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基などが挙げられる。アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。例示した官能基は、シリカのシラノール基(Si-OH)と相互作用する。ここで、相互作用とは、たとえば、シリカのシラノール基との間で化学反応による化学結合または水素結合することを意味する。
カーボンブラックとしては、たとえばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどのファーネスブラックのほか、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。これらのうち一種または二種以上を使用することができる。
工程A1では、ゴムおよびカーボンブラックとともに、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、ステアリン酸、ワックス、酸化亜鉛、オイルなどを混練りすることができる。これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。
シリカとして、たとえば、湿式シリカ、乾式シリカを挙げることができる。なかでも、湿式シリカが好ましい。湿式シリカとして、沈降法シリカを挙げることができる。シリカの窒素吸着法による比表面積は、たとえば、80m/g~300m/gであってもよい。ここで、シリカの比表面積は、JIS K-6430に記載の多点窒素吸着法(BET法)に準じて測定される。
シランカップリング剤として、たとえば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランを挙げることができる。これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。
老化防止剤として、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などを挙げることができる。老化防止剤は、これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。
<1.1.2.ゴム混合物および加硫系配合剤を混練りする工程A2>
工程A2では、少なくともゴム混合物および加硫系配合剤を混練りする。混練りは混練機でおこなうことができる。混練機として密閉式混練機、オープンロールなどを挙げることができる。密閉式混練機として、接線式密閉型混練機、かみ合式密閉型混練機、ニーダーなどを挙げることができる。工程A2における混練ステージ数は、一回が好ましい。
加硫系配合剤として硫黄、有機過酸化物などの加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤などを挙げることができる。加硫系配合剤は、これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。硫黄として粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを挙げることができる。硫黄は、これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。加硫促進剤としてスルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを挙げることができる。加硫促進剤は、これらから、一つまたは任意の組み合わせを選択して、使用することができる。
ゴム混合物および加硫系配合剤を混練りすることによって作製されたゴムコンパウンドを、必要に応じてシーティングしてもよく、必要に応じてダスティングしてもよい。ゴムコンパウンドに、これら以外の何らかの処理を施してもよい。
ゴムコンパウンドにおけるカーボンブラックの量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。カーボンブラックの量は、30質量部以上であってもよい。カーボンブラックの量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
ゴムコンパウンドがシリカを含む場合、ゴムコンパウンドにおけるシリカの量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。シリカの量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。
<1.2.ゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする工程B>
工程Bでは、ゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする。ゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れすることによって、機械的せん断なしでゴムコンパウンドを温めることができる。したがって、機械的せん断により生じる物性(たとえば、タイヤに要求される物性)の低下を回避することができる。そのうえ、機械的せん断に起因するゴムコンパウンドの粘度変化を回避することができるため、押出物の形状(すなわち押出形状)を安定化することが容易となる。
しかも、カーボンブラックにマイクロ波を吸収させることが可能であるので、ゴムコンパウンドを迅速に、かつ均一性高く温めることができる。ゴムコンパウンドを均一性高く温めることができる結果、すなわち、ゴムコンパウンド内での温度のばらつきを低減することができる結果、ゴムコンパウンドを押出すことによって成形される押出物の形状、すなわち押出形状を安定化することもできる(具体的には、押出物の厚み寸法異常の頻度を低減することができる)。
そのうえ、熱入れロールや熱入れ押出機による熱入れに比べて、省スペース化することができる。これについて説明する。仮に、熱入れロールで熱入れしたとすると、複数のロールを使用することになるため、設備が大掛かりになる。また、仮に、熱入れ押出機で熱入れしたとすると、L/Dが大きい熱入れ押出機を使用することになるため、やはり設備が大掛かりになる。これに対して、本実施形態では、マイクロ波で熱入れをおこなうことによって、熱入れロールや、熱入れ押出機が必要ないため、省スペース化することができる。さらにいえば、熱入れロールや熱入れ押出機による熱入れに比べて、省エネルギーでゴムコンパウンドを温めることができる。
熱入れ前のゴムコンパウンドの形状は特に制限されないところ、たとえば、リボン状であってもよく、シート状であってもよい。熱入れ前のゴムコンパウンドが、厚みを有する形状をなす場合、厚みは、たとえば1mm~200mmであることができる。
熱入れ前のゴムコンパウンドの温度(以下、「初期温度」という。)は、たとえば、0℃~45℃の範囲内であってもよく、3℃~40℃の範囲内であってもよい。
マイクロ波によるゴムコンパウンドへの熱入れは、バッチ法でおこなってもよく、連続法でおこなってもよい。
マイクロ波の周波数は、300MHz~300GHzであることができ、300MHz~3000MHzが好ましく、2200MHz~2650MHzがより好ましく、2300MHz~2550MHzがより好ましく、2350MHz~2500MHzがさらに好ましく、2400MHz~2500MHzがさらに好ましく、2450MHzがさらに好ましい。とりわけ2400MHz~2500MHz、好ましくは2450MHzであると、世界共通で、マイクロ波を加熱のために使用することができる。
マイクロ波の出力は、ゴムコンパウンドの大きさ、またはゴムコンパウンドの質量に基づいて適宜調整することができる。たとえば、ゴムコンパウンドが大きいほど、出力を上げることが好ましく、ゴムコンパウンドの質量が大きいほど、出力を上げることが好ましい。マイクロ波の出力は、たとえば、0.4kW~120kWであってもよい。
ゴムコンパウンドへのマイクロ波の照射時間は、好ましくは5秒以上、より好ましくは10秒以上、さらに好ましくは20秒以上である。ゴムコンパウンドへのマイクロ波の照射時間は、好ましくは300秒以下、より好ましくは200秒以下、さらに好ましくは150秒以下である。なお、間欠的にマイクロ波の照射をおこなう場合、「照射時間」は、正味の照射時間を意味する。
工程Bでは、ゴムコンパウンドの温度が、所定の温度に到達した際にマイクロ波の照射を止める、という手順を踏むことが好ましい。この手順を踏むことによって、季節間の温度差や、昼夜の温度差に関わりなく、一定の温度で仕上げることができる。その結果、これらの温度差に対処するために必要とされていた各種の調整(たとえば押出条件の調整)を省くことができる。さらにいえば、この手順を踏むことによって、熟練した技能(具体的には、熱入れロールや、熱入れ押出機による熱入れで必要とされる熟練した技能)なしで、一定の温度で仕上げることができる。とりわけバッチ法の場合に、この手順を踏むことが好ましい。なお、ゴムコンパウンドの温度を測定するために、温度センサーを使用することができる。温度センサーとしては、たとえば、赤外線温度センサーのような非接触式温度センサーを挙げることができる。
工程Bでは、ゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温める。ゴムコンパウンドを60℃以上に温めることによって、ゴムコンパウンドを軟化することが可能であるので、ゴムコンパウンドの押出を容易にすることができる。ゴムコンパウンドを90℃以下に温めることによって、加硫の開始または進行を防止することができる。つまり、スコーチを防止することができる。ここで、「ゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温める」とは、ゴムコンパウンドの表面温度のうち最低温度が、この範囲内に収まることを意味する。
<1.3.ゴムコンパウンドを押出す工程C>
工程Cでは、熱入れされたゴムコンパウンドを押出機で押出す。押出物を、必要に応じて冷却してもよく、必要に応じて裁断してもよい。押出物に、これ以外の何らかの処理を施してもよい。
<2.タイヤの製造方法>
次に、本実施形態のタイヤの製造方法について説明する。本実施形態のタイヤの製造方法は、押出物を作製する工程と、押出物を用いて未加硫タイヤを作製する工程とを含む。押出物を作製する工程については、すでに説明した。
本実施形態におけるタイヤの製造方法は、押出物を用いて未加硫タイヤを作製する工程を含む。この工程は、押出物を含むタイヤ部材を作製すること、およびタイヤ部材を備える未加硫タイヤを作製することを含む。タイヤ部材として、たとえば、トレッド、プライ、スチールベルト、ビードを挙げることができる。なかでも、トレッドが好ましい。
本実施形態におけるタイヤの製造方法は、未加硫タイヤを加硫成型する工程をさらに含むことができる。本実施形態の方法で得られたタイヤは、空気入りタイヤであることができる。
<3.上述の実施形態には種々の変更を加えることができる>
上述の実施形態には、種々の変更を加えることができる。たとえば、以下の変形例から、一つまたは複数を選択して、上述の実施形態に変更を加えることができる。
上述の実施形態では、工程Bは、ゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温める、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。
上述の実施形態では、押出物をタイヤの製造に用いる、という構成を説明した。しかしながら、上述の実施形態は、この構成に限定されない。たとえば、タイヤ以外の製品を製造するために押出物を用いてもよい。
以下に、本発明の実施例を説明する。
まず、実施例1~6、および比較例1について説明する。
実施例1~6
表1にしたがってゴムコンパウンド(すなわちゴムA~D)に、2450MHzのマイクロ波で熱入れした。熱入れ後のゴムコンパウンドについて、複数の部位の温度を熱電対で測定し、最大温度および最低温度を求めた。
比較例1
NRベールゴムに、4.0kW、2450MHzのマイクロ波で熱入れした。NRベールゴムの昇温速度は1℃/分程度であった。
Figure 2022097891000001
表1中、Wは幅を示し、tは厚みを示す。PHRは、ゴム質量100に対するカーボンブラックの質量を意味する。なお、すべての例で、熱入れ対象(すなわち、ゴムコンパウンドやNRベールゴム)の質量は同じであった。
マイクロ波によって、迅速に、かつ均一性高くゴムコンパウンドを温めることができた(実施例1~6参照)。いっぽう、マイクロ波でNRベールゴムに熱入れを試みたものの、NRベールゴムの昇温速度は、ゴムコンパウンドの昇温速度に比べてかなり遅かった(比較例1参照)。
次に、比較例2、実施例7、および比較例3について説明する。
比較例2(保温庫による熱入れ)
15mm~20mm×800mmのエンドレス状の約800kgのゴムコンパウンドシート(ゴムA。初期温度10℃程度)を、60℃の保温庫で24時間(1440分間)加熱することによって熱入れした。熱入れ後の表面温度は58℃であった。熱入れ後の中心部の温度は42℃であった。
実施例7(マイクロ波による熱入れ)
15mm~20mm×800mmのエンドレス状の約800kgのゴムコンパウンドシート(ゴムA。初期温度10℃程度)に、4.0kW、2450MHzのマイクロ波で1分間熱入れした。熱入れ後の表面温度は90℃であった。熱入れ後の中心部の温度は90℃であった。熱入れ前のゴムコンパウンドのムーニー粘度は、65ML(1+4)100℃であったところ、熱入れを経たゴムコンパウンドのムーニー粘度も、65ML(1+4)100℃であった。
比較例3(熱入れロールによる熱入れ)
ゴムコンパウンドシート(ゴムA。初期温度10℃程度)に熱入れロールで熱入れした。1分間で55℃、2分間で75℃、3分間で82℃、5分間で88℃に到達した。ムーニー粘度は、熱入れ前に65ML(1+4)100℃であったところ、1分間の熱入れを経た場合62ML(1+4)100℃、2分間の熱入れを経た場合60ML(1+4)100℃、3分間の熱入れを経た場合57ML(1+4)100℃、5分間の熱入れを経た場合55ML(1+4)100℃であった。
マイクロ波による熱入れは、保温庫による熱入れに比べて、ゴムコンパウンドシートを迅速に、かつ均一性高く温めることができた(実施例7および比較例2参照)。
マイクロ波による熱入れは、熱入れロールによる熱入れに比べて、ゴムコンパウンドシートを迅速に温めることができた(実施例7および比較例3参照)。マイクロ波による熱入れでは、ムーニー粘度が低下しなかったのに対して、熱入れロールによる熱入れでは、ムーニー粘度が低下した(実施例7および比較例3参照)。
次に、実施例8および比較例4について説明する。
実施例8(マイクロ波による熱入れ)
15mm~20mm×800mmのエンドレス状の約800kgのゴムコンパウンドシート(ゴムA。初期温度10℃程度)に、4.0kW、2450MHzのマイクロ波で60℃まで熱入れした。熱入れ後のゴムコンパウンドシートを押出機で押出すことによって、押出物を作製した。
比較例4(保温庫による熱入れ)
比較例2の熱入れ後のゴムコンパウンドシートを押出機で押出すことによって、押出物を作製した。
実施例8の押出物(すなわち、マイクロ波による熱入れを経た押出物)と比較例4の押出物(すなわち、保温庫による熱入れを経た押出物)とを比較したところ、実施例8の押出物は、比較例4の押出物に比べて、厚み寸法異常の頻度が低かった。

Claims (3)

  1. カーボンブラックを含有するゴムコンパウンドにマイクロ波で熱入れする工程と、
    熱入れされた前記ゴムコンパウンドを押出機で押出す工程とを含む、
    押出物の製造方法。
  2. 前記ゴムコンパウンドに熱入れする前記工程で前記ゴムコンパウンドを60℃~90℃の範囲内まで温める、請求項1に記載の押出物の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の押出物の製造方法で押出物を作製する工程と、
    前記押出物を用いて未加硫タイヤを作製する工程とを含む、
    タイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024024487A1 (ja) * 2022-07-27 2024-02-01 株式会社ブリヂストン タイヤ用ゴム組成物の加硫方法、及びリトレッドタイヤの製造方法

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