JP2004025658A - 感熱記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供する。
【解決手段】CPU21は、印字処理開始時にタイマー21Aを起動する(S1)。その後、所定時間毎にタイマー割り込み処理(S11〜S16)を実行して蓄熱係数dを設定してRAM27に記憶する。一方、CPU21は、タイマー21Aの起動後(S1)、RAM27から蓄熱係数dを読み出して、各発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅にこの蓄熱係数dを乗算して通電時間を設定して、1ライン分印字する(S2〜S3)。そして、1ライン分の印字ドット数をドット数カウンタ27Dのカウント値に加算後、印字バッファ27Bに印字データが残っている場合には(S5:NO)、順次1ライン分ずつS2以降の処理を再度実行し、印字処理を終了する(S5:YES)。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドに搭載された複数の発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して、該サーマルヘッドと被印字媒体とを相対的に移動させながら記録を行う感熱記録装置に関し、特に、印字される総印字ドット数を環境温度と時間との関連において検出することにより、各発熱素子の蓄熱状態を考慮して駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定することができるため、各環境温度において、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、サーマルヘッド等の印字ヘッドの蓄熱による印字駆動特性の改善について各種の記録装置が提案されている。
例えば、特開昭61−112649号公報に記載された印字装置では、印字ヘッドのドット列を構成する複数の印字要素を、その印字ヘッドの移動に伴って選択的に駆動することにより文字、図形等を印字するようにした印字装置において、前記印字ヘッドの印字動作に伴って、印字されるドット数を逐次加算するカウント手段と、常に時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段が所定時間計測する毎に、前記カウンタ手段から所定値を減算する減算手段と、前記カウンタ手段のカウント値が基準値以上であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が基準値以上であると判断したとき、前記印字ヘッドにおいて特別な印字が実行されるように印字ヘッドを制御する印字制御手段と、から構成されている。これにより、カウンタ手段により印字ヘッドの印字動作に伴って印字されるドット数を逐次加算すると共に、減算手段により時間計測手段が所定時間を計測する毎にカウンタ手段から所定値を減算する。そして判断手段によりカウンタ手段のカウント値が基準値以上であると判断されたとき、印字制御手段により印字ヘッドが特別な印字動作を実行するように印字制御する。このようにカウンタ手段のカウント値が基準値以上の場合には、特別な印字動作を実行させて印字ヘッドの放熱を図るため、印字ヘッドの発熱に起因する印字不良を防止して文字、図形を高品質に印字することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭61−112649号公報に記載された印字装置においては、印字行中の印字ドット数を時間との関連においてのみ検出して、環境温度との関連性を考慮していないため、環境温度が低温の時には、カウンタ手段のカウント値が基準値以上になっても、特別な印字動作を実行させて印字ヘッドの放熱を図る必要が無いにもかかわらず、高温時と同じように特別な印字動作を実行させて、不必要な印字ヘッドの放熱動作を実行してしまうので、印字に余計な時間がかかってしまい、ユーザにとって使い勝手がよくないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、連続印字される総印字ドット数を環境温度と時間との関連において検出することにより、各発熱素子の蓄熱状態を考慮して駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定することができるため、各環境温度において、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る感熱記録装置は、複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加する駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、環境温度を検出する環境温度測定手段と、基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、基準時からの時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、前記ドット数カウント手段のカウント値に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、前記パルス幅設定手段は、前記ドット数カウント手段のカウント値が所定基準値よりも大きくなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする。
【0006】
このような特徴を有する請求項1に係る感熱記録装置においては、環境温度測定手段を介して環境温度が検出される。また、サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、このサーマルヘッドの各発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスが印加されて被印字媒体に対してドット印字が行われる。また、ドット数カウント手段により基準時からサーマルヘッドによって印字されるドット数が逐次加算されてカウントされている。また、基準時からの時間に応じて、減算手段によりこのドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数が減算される。そして、各発熱素子に印加される印加パルス幅は、パルス幅設定手段を介して、ドット数カウント手段のカウント値が所定基準値よりも大きくなるに従ってこの印加パルス幅が小さくなるように設定される。
【0007】
また、請求項2に係る感熱記録装置は、請求項1に記載の感熱記録装置において、前記ドット数カウント手段の各カウント値に対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、前記複数の印加パルス幅は、該ドット数カウント手段の各カウント値が所定基準値よりも大きくなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする。
【0008】
このような特徴を有する請求項2に係る感熱記録装置では、請求項1に記載の感熱記録装置において、前記ドット数カウント手段の各カウント値に対して予め定められる複数の印加パルス幅が記憶されている。また、この複数の印加パルス幅は、ドット数カウント手段の各カウント値が所定基準値よりも大きくなるに従って小さくなるように設定されている。
【0009】
また、請求項3に係る感熱記録装置は、複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動する発熱駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、環境温度を検出する環境温度測定手段と、基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、基準時からの時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、前記減算手段により所定減算ドット数が減算された後の前記ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、前記パルス幅設定手段は、前記環境温度が高くなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする。
【0010】
このような特徴を有する請求項3に係る感熱記録装置では、サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、このサーマルヘッドの各発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動し、この被印字媒体に対してドット印字が行われる。また、ドット数カウント手段により基準時からサーマルヘッドによって印字されるドット数が逐次加算されてカウントされている。また、基準時からの時間に応じて、減算手段によりこのドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数が減算される。そして、各発熱素子に印加される印加パルス幅は、パルス幅設定手段を介して、ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分に基づいて設定されると共に、環境温度が高くなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定される。
【0011】
また、請求項4に係る感熱記録装置は、請求項3に記載の感熱記録装置において、前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度に対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、前記複数の印加パルス幅は、該環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする。
【0012】
このような特徴を有する請求項4に係る感熱記録装置では、請求項3に記載の感熱記録装置において、前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度に対して予め定められる複数の印加パルス幅が記憶されている。また、この複数の印加パルス幅は、環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されている。
【0013】
また、請求項5に係る感熱記録装置は、複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動する発熱駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、環境温度を検出する環境温度測定手段と、基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、基準時からの時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、前記減算手段により所定減算ドット数が減算された後の前記ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、前記パルス幅設定手段は、前記差分が大きくなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定すると共に、前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする。
【0014】
このような特徴を有する請求項5に係る感熱記録装置では、サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、このサーマルヘッドの各発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動し、この被印字媒体に対してドット印字が行われる。また、ドット数カウント手段により基準時からサーマルヘッドによって印字されるドット数が逐次加算されてカウントされている。また、基準時からの時間に応じて、減算手段によりこのドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数が減算される。そして、各発熱素子に印加される印加パルス幅は、パルス幅設定手段を介して、ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分が大きくなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定されると共に、環境温度が高くなるに従って該印加パルス幅が小さくなるように設定される。
【0015】
また、請求項6に係る感熱記録装置は、請求項5に記載の感熱記録装置において、前記差分の各値と前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度との各組み合わせに対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、前記複数の印加パルス幅は、該差分の各値が大きくなるに従って小さくなるように設定されると共に、該環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する請求項6に係る感熱記録装置では、請求項5に記載の感熱記録装置において、前記差分の各値と前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度との各組み合わせに対して予め定められる複数の印加パルス幅が記憶されている。また、この複数の印加パルス幅は、該差分の各値が大きくなるに従って小さくなるように設定されると共に、該環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されている。
【0017】
また、請求項7に係る感熱記録装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の感熱記録装置において、前記パルス幅設定手段は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、前記所定基準値を設定することを特徴とする。
【0018】
このような特徴を有する請求項7に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段は、環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、所定基準値を設定する。
【0019】
また、請求項8に係る感熱記録装置は、請求項7に記載の感熱記録装置において、各環境温度に対して予め定められる複数の所定基準値を記憶する基準値記憶手段を備え、前記複数の所定基準値は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されていることを特徴とする。
【0020】
このような特徴を有する請求項8に係る感熱記録装置では、請求項7に記載の感熱記録装置において、各環境温度に対して予め定められる複数の所定基準値が記憶されている。また、この複数の所定基準値は、環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されている
【0021】
また、請求項9に係る感熱記録装置は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の感熱記録装置において、前記減算手段は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、前記所定減算ドット数を設定することを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する請求項9に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の感熱記録装置において、前記減算手段は、環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、所定減算ドット数を設定する。
【0023】
また、請求項10に係る感熱記録装置は、請求項9に記載の感熱記録装置において、各環境温度に対して予め定められる複数の所定減算ドット数を記憶する減算ドット数記憶手段を備え、前記複数の所定減算ドット数は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されていることを特徴とする。
【0024】
このような特徴を有する請求項10に係る感熱記録装置では、請求項9に記載の感熱記録装置において、各環境温度に対して予め定められる複数の所定減算ドット数が記憶されている。また、この複数の所定減算ドット数は、環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されている。
【0025】
更に、請求項11に係る感熱記録装置は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の感熱記録装置において、前記所定減算ドット数は、印字時と非印字時とで異なっていることを特徴とする。
【0026】
このような特徴を有する請求項11に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の感熱記録装置において、前記所定減算ドット数は、印字時と非印字時とで異なっている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る感熱記録装置について、本発明をテープ印字装置につき具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るテープ印字装置の概略構成について図1乃至図3に基づき説明する。図1は本実施形態に係るテープ印字装置の概略外観図で、(A)は概略上方外観図、(B)は概略右側方外観図である。図2は本実施形態に係るテープ印字装置のサーマルヘッドの概略構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図である。図3は本実施形態に係るテープ印字装置の制御構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、テープ印字装置1には、文書データからなるテキストを作成するための文字入力キー2、テキストの印字を指令する印字キー3、及び、改行指令や各種処理の実行、選択を指令するリターンキー4、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する液晶ディスプレイ7上でカーソルを上下、左右に移動させるカーソルキーC等を設けたキーボード6、及び、後述のテープカセット35(図6参照)を収納するカセット収納部8が収納カバー8Aで覆われて配設されている。また、このキーボード6の下側には、制御回路部が構成される制御基板12が配設され、この制御基板12の先端部下面には、環境温度を検出するためのサーミスタ13が取り付けられている。また、カセット収納部8の左側面部には、印字されたテープが排出されるラベル排出口16が形成され、該カセット収納部8の右側面部には、電源アダプタが取り付けられるアダプタ挿入口17が設けられている。尚、サーミスタ13は、サーマルヘッド9から離れた場所に設けられているため、該サーマルヘッド9の発熱駆動の影響を受けない。
【0029】
また、このカセット収納部8には、後述のサーマルヘッド9(図2参照)と、このサーマルヘッド9に対向するプラテンローラ10と、このプラテンローラ10の下流側のテープ送り用ローラ11と、このテープ送り用ローラ11に対向するテープ駆動ローラ軸14とが配置されている他に、更に、テープカセット35内に収納されるインクリボンを送るリボン巻取軸15等が配置されている。かかるリボン巻取軸15は、後述のステッピングモータ等により構成されるテープ送りモータ30(図3参照)から適宜の駆動機構を介して回転駆動されて、後述するように印字後のインクリボン43(図6参照)を巻き取るインクリボン巻取りリール44(図6参照)に嵌挿され、印字スピードと同期して該インクリボン巻取りリール44を回転駆動する。また、テープ駆動ローラ軸14は、テープ送りモータ30から適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述するテープ駆動ローラ53(図6参照)を回転駆動する
【0030】
また、図2に示すように、略縦長四角形の平板状のサーマルヘッド9の前面の左端縁部には、所定個数(本実施形態では、128個である。)の各発熱素子R1〜Rn(nは、所定個数である。)が、該左端縁部の辺に沿って一列に配列されて形成されている。そして、このサーマルヘッド9の前面右端縁部には、制御基板12上に設けられる不図示のコネクタに接続されるフレキシブルケーブルFの他端が半田付け等により電気的に接続されている。
また、サーマルヘッド9は、メッキ鋼板やステンレス鋼板等により形成される略四角形の放熱板9Aの前面の左端縁部に、各発熱素子R1〜Rn の配列方向が、該放熱板9Aの左端縁部の辺に平行になるように接着剤などによって固着されている。また、フレキシブルケーブルFの上端右角部は、両面テープ等によって放熱板9Aの前面に固着されている。更に、該フレキシブルケーブルFの一端側は、放熱板9Aの下端縁部に穿設される水平略長四角形の貫通孔9Dに挿入されて、後側に引き出されている。
また、放熱板9Aの下端縁部には、略直角前側方向に所定幅延出される延出部9Bが形成されて、4個の各貫通孔9C、9C、9C、9Cが穿設されている。そして、該放熱板9Aは、各発熱素子R1〜Rn の配列方向が、テープカセット35の開口部52(図6参照)における被印字テープ36(図6参照)の搬送方向に略直交するように、各貫通孔9C、9C、9C、9Cを介してビス止め等によってカセット収納部8の下側に取り付けられる。
【0031】
次に、図3に示すように、テープ印字装置1の制御構成は、制御基板12上に形成される制御回路部20を核として構成されている。制御回路部20には、各機器を制御するCPU21と、このCPU21にデータバス22を介して接続された入出力インタフェース23、CGROM24、ROM25、26、RAM27とから構成されている。なお、CPU21の内部にはタイマ21Aが設けられている。
【0032】
ここに、CGROM24には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
【0033】
また、ROM(ドットパターンデータメモリ)25には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に6種類(16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
【0034】
また、ROM26には、キーボード6から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させてLCDC28を制御する表示駆動制御プログラム、印字バッファ27Bのデータを読み出してサーマルヘッド9やテープ送りモータ30を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応する各発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅を決定する印加パルス幅決定プログラム、及び後述のサーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を考慮した駆動制御プログラム(図7、図8参照)、その他テープ印字装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。そして、CPU21は、かかるROM26に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行うものである。
【0035】
さらに、RAM27には、テキストメモリ27A、印字バッファ27B、カウンタ27C、ドット数カウンタ27D、パラメータ記憶エリア27E等が設けられており、テキストメモリ27Aには、キーボード6から入力された文書データが格納される。また、印字バッファ27Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス幅等がドットパターンデータとして格納され、サーマルヘッド9はかかる印字バッファ27Bに記憶されているドットパターンデータに従って後述のサーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を考慮した駆動制御プログラム(図7〜図9参照)によりドット印字を行う。また、カウンタ27Cには、サーマルヘッド9により印字される1ライン(本実施形態では、128ドット)分の印字ドット数のカウント値Nが格納される。また、ドット数カウンタ27Dには、サーマルヘッド9により印字される起動時からの総印字ドット数が記憶される。また、パラメータ記憶エリア27Eには、後述のようにサーマルヘッド9の印字処理において各発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅の通電時間を設定する際に選択される放熱パラメータテーブル33(図4参照)及び蓄熱係数テーブル34(図5参照)が記憶される。
【0036】
また、入出力インタフェース23には、キーボード6と、サーミスタ13と、液晶ディスプレイ(LCD)7に表示データを出力するためのビデオRAM28Aを有するディスプレイコントローラ(以下、LCDCという)28と、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnに駆動電圧パルスを印加するための駆動回路29と、テープ送りモータ30を駆動するための駆動回路31とが各々接続されている。
よって、キーボード6の文字キーを介して文字等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ27Aに順次記憶されていくとともに、ドットパターン発生制御プログラム及び表示駆動制御プログラムに基づいてキーボード6を介して入力された文字等に対応するドットパターンがLCD7上に表示される。また、サーマルヘッド9は駆動回路29を介して駆動され、印字バッファ27Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期してテープ送りモータ30が駆動回路31を介してテープの送り制御を行うものである。ここに、サーマルヘッド9は、駆動回路29を介して各発熱素子R1〜Rnが1ライン分の印字ドットに対応して選択的に後述のように設定される駆動電圧パルスの印加により発熱駆動されることによって、文字等をテープ上に印字するものである(図7、図8参照)。
【0037】
ここで、パラメータ記憶エリア27Eに記憶される放熱パラメータテーブル33の一例について図4に基づいて説明する。
図4は本実施形態に係るテープ印字装置1のRAM27のパラメータ記憶エリア27Eに記憶される放熱パラメータテーブル33の一例を示す図である。
図4に示すように、テープ印字中に、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnに選択的に印加される駆動電圧パルスの通電時間を設定する際に選択される放熱パラメータテーブル33は、サーミスタ13を介して測定される温度を示す「環境温度」と、この「環境温度」に対応する「基準総量」と「減算ドット数(1秒当たり)」とから構成されている。この「基準総量」は、後述のように蓄熱係数テーブル34の蓄熱係数dを決定する際に、ドット数カウンタ27Dのカウント値と比較するための比較基準ドット数である(図8参照)。また、「減算ドット数」は、後述のように所定時間毎(本実施形態では、約1秒毎)にドット数カウンタ27Dのカウント値から減算するドット数である(図8参照)。
尚、この「減算ドット数」は、▲1▼サーマルヘッド9の材質、形状、大きさ、▲2▼放熱板9Aの材質、形状、大きさ、▲3▼サーマルヘッド9と放熱板9Aの間の接着剤の材質、厚み、▲4▼放熱板9Aとテープ印字装置1のメカフレームとの接合方法、▲5▼このメカフレームの材質、形状、大きさ、▲6▼環境温度などによって決定される印字ドット数であり、後述のようにサーマルヘッド9の放熱板9A等を介した自然放熱量を表している。また、「基準総量」は、環境温度等によって決定される印字ドット数であり、後述のように連続印字によってサーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの蓄熱温度の上昇による印字ドットの潰れ等が発生しないことを保証する最大連続印字ドット数を表している。
【0038】
また、放熱パラメータテーブル33の「環境温度」には、「30℃以上」、「20℃以上30℃未満」、「20℃未満」の3種類の環境温度範囲が予め登録されている。
そして、この各「環境温度」に対する「基準総量」には、「環境温度」の「30℃以上」に対して「0ドット」、「環境温度」の「20℃以上30℃未満」に対して「4860ドット」、「環境温度」の「20℃未満」に対して「12600ドット」が「基準総量」として予め登録されている。
また、各「環境温度」に対する「減算ドット数(1秒当たり)」には、「環境温度」の「30℃以上」に対して「1800ドット」、「環境温度」の「20℃以上30℃未満」に対して「3825ドット」、「環境温度」の「20℃未満」に対して「5250ドット」が「減算ドット数」として予め登録されている。
尚、各「環境温度」に対応する「基準総量」と「減算ドット数」は、放熱板9Aの形状変更などによるサーマルヘッド9の自然放熱量の変化などに対応して、任意の数値に変更できるパラメータである。
【0039】
次に、パラメータ記憶エリア27Eに記憶される蓄熱係数テーブル34の一例について図5に基づいて説明する。
図5は本実施形態に係るテープ印字装置1のRAM27のパラメータ記憶エリア27Eに記憶される蓄熱係数テーブル34の一例を示す図である。
図5に示すように、テープ印字中に、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnに選択的に印加される駆動電圧パルスの通電時間を設定する際に選択される蓄熱係数テーブル34は、ドット数カウンタ27Dのカウント値がその際の環境温度に対応する「基準総量」を越えるドット数を示す「基準総量を超えたドット数」と、サーミスタ13を介して測定される5種類の環境温度範囲とから構成されている。
また、この5種類の環境温度範囲は、「10〜16℃」、「17〜21℃」、「22〜27℃」、「28〜31℃」、「32〜35℃」の各環境温度範囲である。
【0040】
また、蓄熱係数テーブル34の「基準総量を超えたドット数」には、50000ドット未満を表す「50000未満」と、50000ドットから1599999ドットまで50000ドット毎に区分される31種類のドット数区分範囲と、1600000ドット以上を表す「1600000以上」と、の33種類のドット数区分範囲が予め登録されている。
そして、この5種類の「10〜16℃」、「17〜21℃」、「22〜27℃」、「28〜31℃」、「32〜35℃」の各環境温度範囲の各々において、33種類の「基準総量を超えたドット数」のドット数区分範囲のドット数が大きくなるに従って、「1.0」から「0.55」までのいずれかの値が「蓄熱係数d」として小さくなるように予め登録されている。
【0041】
例えば、「基準総量を超えたドット数」が「50000未満」の場合には、5種類の「10〜16℃」、「17〜21℃」、「22〜27℃」、「28〜31℃」、「32〜35℃」の各環境温度範囲に対して、それぞれ「蓄熱係数d」として「1.0」が予め登録されている。また、「基準総量を超えたドット数」が「1600000以上」の場合には、「32〜35℃」の環境温度範囲に対して、「蓄熱係数d」として「0.55」が予め登録されている。また、「基準総量を超えたドット数」が「1600000以上」の場合には、「28〜31℃」の環境温度範囲に対して、「蓄熱係数d」として「0.56」が予め登録されている。また、「基準総量を超えたドット数」が「1600000以上」の場合には、「22〜27℃」の環境温度範囲に対して、「蓄熱係数d」として「0.57」が予め登録されている。また、「基準総量を超えたドット数」が「1600000以上」の場合には、「17〜21℃」の環境温度範囲に対して、「蓄熱係数d」として「0.61」が予め登録されている。更に、「基準総量を超えたドット数」が「1600000以上」の場合には、「10〜16℃」の環境温度範囲に対して、「蓄熱係数d」として「0.65」が予め登録されている。
【0042】
次に、本実施形態に係るテープ印字装置1に装着されるテープカセット35の概略構成について図6に基づいて説明する。図6は本実施形態に係るテープ印字装置1に装着されるテープカセット35のカバーを外した場合の平面図である。図6に示すように、テープカセット35は透明テープ等からなる被印字テープ36、この被印字テープ36に印字を施すためのインクリボン43、更には、印字がなされた被印字テープ36に裏貼りされる両面粘着テープ46を各々、テープスプール37、リール42、テープスプール47に巻回して、カセット本体35Bの底面に立設されるカセットボス38、リールボス50、カセットボス48に回転可能に嵌挿して収納したものであり、更に、使用済みのインクリボン43を巻き取るインクリボン巻取リール44を備えている。
【0043】
そして、前記リール42に巻回され、このリール42から引き出された未使用インクリボン43は、被印字テープ36と重ね合わされ、被印字テープ36と共に開口部52に入り、サーマルヘッド9及びプラテンローラ10の間を通過する。その後、インクリボン43は、被印字テープ36から引き離され、リボン巻取軸15により回転駆動されるインクリボン巻取リール44に至り、このインクリボン巻取リール44により巻き取られる。
【0044】
また、前記両面粘着テープ46は、片面に離形紙を重ね合わされた状態で、離形紙を外側にしてテープスプール47に巻回されて収納されている。そして、このテープスプール47から引き出された両面粘着テープ46は、テープ駆動ローラ53とテープ送り用ローラ11との間を通過し、離形紙が重ね合わされない側の粘着面が被印字テープ36に貼着される。また、両面粘着テープ46の上下両端部には、スペーサ46Aが挿入されている。
【0045】
これにより、前記テープスプール37に巻回され、このテープスプール37から引き出された被印字テープ36は、テープカセット35のサーマルヘッド9が挿入される開口部52を通過する。その後、両面粘着テープ46が貼り合わされる被印字テープ36は、テープカセット35の片側下方部(図3中、左下側部)に回転自在に設けられ、テープ送りモータ30の駆動を受けて回転するテープ駆動ローラ53と、このテープ駆動ローラ53に対向配置されるテープ送り用ローラ11との間を通過して、テープカセット35の外部に送り出されて、テープ印字装置1のラベル排出口16より排出される。この場合、両面粘着テープ46は、被印字テープ36に対してテープ駆動ローラ53及びテープ送り用ローラ11によって圧着される。
【0046】
次に、上記のように構成されるテープ印字装置1のサーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を考慮した駆動制御処理について図7乃至図9に基づいて説明する。図7は本実施形態に係るテープ印字装置1の印字処理を示すサブフローチャートである。図8は本実施形態に係るテープ印字装置1の印字処理時に実行されるタイマー割り込み処理を示すサブフローチャートである。図9は本実施形態に係るテープ印字装置1の印字終了時に実行される印字終了時処理を示すサブフローチャートである。
【0047】
図7に示すように、テープ印字装置1の印字処理は、先ず、ステップ(以下、Sという)1において、CPU21は、タイマ21Aを起動する。
そして、S2において、CPU21は、RAM27に記憶される蓄熱係数d(起動時には、この蓄熱係数dには「1.0」が代入されて記憶されている。)を読み込み、印字バッファ27Bに記憶される1ライン分(各発熱素子R1〜Rn分)の印字用ドットの形成エネルギ量である印加パルス幅を読み出し、この蓄熱係数dを各印加パルス幅に乗算して、各発熱素子R1〜Rnの通電時間を設定して、1ライン分の印字を開始する。
続いて、S3において、CPU21は、サーマルヘッド9を介して被印字テープ36に1ライン分(各発熱素子R1〜Rn分)の印字データが印字されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、1ライン分の印字データが未だ印字されていない場合には(S3:NO)、この1ライン分の印字が終了するのを待つ。
【0048】
そして、サーマルヘッド9を介して被印字テープ36に1ライン分の印字が終了した場合には(S3:YES)、S4において、CPU21は、当該印字データの印字ドット数が記憶されているカウンタ27Cからカウント値Nを読み出し、このカウント値Nをドット数カウンタ27Dのカウント値に加算する。尚、起動時には、このドット数カウンタ27Dには「0」が代入されて記憶されている。
続いて、S5において、CPU21は、印字バッファ27Bに記憶される印字用データを全て印字したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、印字バッファ27Bに未だ印字用データが残っている場合には(S5:NO)、再度S2以降の処理を実行する。
そして、印字バッファ27Bに記憶される印字用データを全て印字した場合には(S5:YES)、CPU21は、当該印字処理を終了して、不図示のメインフローチャートに戻る。
【0049】
一方、CPU21は、図7に示す印字処理を実行している場合には、図8に示される「タイマー割り込み処理」を、S1におけるタイマー21Aの起動時から所定時間毎(本実施形態では、印字周期である約14.1msec毎)に実行する。
この「タイマー割り込み処理」は、先ず、S11において、CPU21は、サーミスタ13を介して温度データを取得し、該温度データを環境温度データとしてRAM27に記憶する。
続いて、S12において、CPU21は、タイマー21Aの起動時又は前回の後述のS13の処理の終了後から所定時間(本実施形態では、約1秒)経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0050】
そして、タイマー21Aの起動時又は前回のS13の処理の終了後から所定時間(本実施形態では、約1秒)経過した場合には(S12:YES)、S13において、CPU21は、RAM27から環境温度データを再度読み出し、該環境温度データをパラメータ記憶エリア27Eに記憶される放熱パラメータテーブル33の「環境温度」の3種類のいずれの種類に該当するか判定し、該当する「環境温度」の種類に対応する「減算ドット数」を読み込み、RAM27に「減算ドット数」として記憶する。そして、CPU21は、RAM27から「減算ドット数」を再度読み出し、この「減算ドット数」をドット数カウンタ27Dのカウント値から減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。
【0051】
例えば、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが10℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「5250ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが25℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「3825ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが35℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「1800ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。尚、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「減算ドット数」を減算した値が負の値になる場合には、該ドット数カウンタ27Dには「0」が代入されて記憶される。
【0052】
一方、タイマー21Aの起動時又は前回のS13の処理の終了後から所定時間(本実施形態では、約1秒)経過していない場合には(S12:NO)、CPU21は、S13の処理を実行しない。
【0053】
続いて、S14において、CPU21は、RAM27から環境温度データを再度読み出し、該環境温度データをパラメータ記憶エリア27Eに記憶される放熱パラメータテーブル33の「環境温度」の3種類のいずれの種類に該当するか判定し、該当する「環境温度」の種類に対応する「基準総量」を読み込み、RAM27に「基準総量」として記憶する。そして、CPU21は、RAM27から「基準総量」を再度読み出し、ドット数カウンタ27Dのカウント値がこの「基準総量」を越えているか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが10℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値が「12600ドット」を越えているか否かを判定する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが25℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値が「4860ドット」を越えているか否かを判定する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが35℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値が「0ドット」を越えているか否かを判定する。
【0054】
そして、ドット数カウンタ27Dのカウント値がこの「基準総量」を越えている場合には(S14:YES)、S15において、CPU21は、RAM27から「基準総量」を再度読み出し、ドット数カウンタ27Dのカウント値からこの「基準総量」を減算したドット数を「基準総量を越えたドット数」としてRAM27に記憶する。続いて、CPU21は、RAM27からこの「基準総量を超えたドット数」と「環境温度データ」とを再度読み出し、パラメータ記憶エリア27Eに記憶される蓄熱係数テーブル34の33種類の「基準総量を越えたドット数」のドット数区分範囲と5種類の環境温度範囲とのいずれの組み合わせに該当するか判定し、該当する組み合わせに対応する蓄熱係数dを読み込み、RAM27に蓄熱係数dとして記憶する。そして、CPU21は、当該タイマー割り込み処理を終了して、印字処理のサブフローチャートに戻る。
【0055】
例えば、CPU21は、RAM27から読み出した「基準総量を超えたドット数」が「1000ドット」で、RAM27から読み出した環境温度データが20℃の場合には、蓄熱係数テーブル34の該当する蓄熱係数dとして「1.0」を読み込み、この「1.0」をRAM27に蓄熱係数dとして記憶後、当該タイマー割り込み処理を終了して、印字処理のサブフローチャートに戻る。
また、CPU21は、RAM27から読み出した「基準総量を超えたドット数」が「26000ドット」で、RAM27から読み出した環境温度データが20℃の場合には、蓄熱係数テーブル34の該当する蓄熱係数dとして「0.75」を読み込み、この「0.75」をRAM27に蓄熱係数dとして記憶後、当該タイマー割り込み処理を終了して、印字処理のサブフローチャートに戻る。
また、CPU21は、RAM27から読み出した「基準総量を超えたドット数」が「1300000ドット」で、RAM27から読み出した環境温度データが20℃の場合には、蓄熱係数テーブル34の該当する蓄熱係数dとして「0.61」を読み込み、この「0.61」をRAM27に蓄熱係数dとして記憶後、当該タイマー割り込み処理を終了して、印字処理のサブフローチャートに戻る。
【0056】
一方、S14でドット数カウンタ27Dのカウント値がこの「基準総量」を越えていない場合には(S14:NO)、S16において、CPU21は、RAM27に「1.0」を蓄熱係数dとして記憶後、当該タイマー割り込み処理を終了して、印字処理のサブフローチャートに戻る。
【0057】
また、図9に示される「印字終了時処理」が、印字パターンの印字終了時に実行される。この「印字終了時処理」は、S21におけるタイマー21Aの再起動時から所定時間毎(本実施形態では、印字周期である約14.1msec毎)に実行される。先ず、S22において、CPU21は、タイマー再起動時又は前回の後述のS24の処理の終了後から所定時間(本実施形態では、約1秒)経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0058】
そして、タイマー21Aの再起動時又は前回のS24の処理の終了後から所定時間(本実施形態では、約1秒)経過した場合には(S22:YES)、S23において、CPU21は、サーミスタ13を介して温度データを取得し、該温度データを環境温度データとしてRAM27に記憶する。
続いて、S24において、CPU21は、RAM27から環境温度データを再度読み出し、該環境温度データをパラメータ記憶エリア27Eに記憶される放熱パラメータテーブル33の「環境温度」の3種類のいずれの種類に該当するか判定し、該当する「環境温度」の種類に対応する「減算ドット数」を読み込み、RAM27に「減算ドット数」として記憶する。そして、CPU21は、RAM27から「減算ドット数」を再度読み出し、この「減算ドット数」をドット数カウンタ27Dのカウント値から減算する。
【0059】
例えば、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが10℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「5250ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが25℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「3825ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。また、CPU21は、RAM27から読み出した環境温度データが35℃の場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「1800ドット」を減算した数値を該ドット数カウンタ27Dのカウント値として記憶する。尚、ドット数カウンタ27Dのカウント値から「減算ドット数」を減算した値が負の値になる場合には、該ドット数カウンタ27Dには「0」が代入されて記憶される。
【0060】
その後、S25において、CPU21は、ドット数カウンタ27Dのカウント値が「0」か否かを判定する判定処理を実行する。そして、ドット数カウンタ27Dのカウント値が「0」でない場合には(S25:NO)、S26において、印字処理割り込み要求があるか否かを判定する判定処理を実行して、この印字処理割り込み要求がない場合には(S26:NO)、再度、S22以降の処理を実行する。
【0061】
一方、S25で読み出したドット数カウンタ27Dのカウント値が「0」の場合には(S25:YES)、CPU21は、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnは冷却されたと判断して、当該印字終了時処理を終了して、不図示のメインフローチャートに戻る。
他方、S26で印字処理割り込み要求がある場合には(S26:YES)、CPU21、当該印字終了時処理を中断して、印字処理のサブフローチャートに戻る。これにより、印字処理割り込み要求があった場合には、ドット数カウンタ27Dのカウント値は、未だ0でないため、タイマー割り込み処理(図8参照)において、サーマルヘッド9の印字休止中の放熱量を考慮して蓄熱係数dの設定をすることができる。
【0062】
ここで、環境温度20℃における印字処理時(図7、図8参照)に、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnに印加される駆動電圧パルスの印加パルス幅の一例について図10に基づいて説明する。
図10は本実施形態に係るテープ印字装置1の環境温度20℃における印字処理時に、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnに印加される駆動電圧パルスの印加パルス幅の一例を示す図で、(A)は印字開始初期時の印加パルスの通電時間、(B)はドット数カウンタ27Dのカウント値が基準総量を260000ドット越えた時の印加パルスの通電時間を示す図である。
【0063】
図10に示すように、印字周期約14.1msec毎にサーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnには、駆動電圧パルスが印加される。そして、環境温度20℃における印字開始初期時(本実施形態の場合には、ドット数カウンタのカウント値が0ドットの時である。)の場合には、上記S16の処理により蓄熱係数dは、「1.0」に設定される。そして、上記S2の処理により、発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅が4msecの場合には、この印加パルス幅4msecに該蓄熱係数「1.0」が乗算されて、「4msec」が通電時間と設定され、印加される。
また、環境温度20℃における、ドット数カウンタ27Dのカウント値が基準総量を260000ドット越えた時(本実施形態の場合には、ドット数カウンタのカウント値が264860ドットの時である。)の場合には、上記S16の処理により蓄熱係数dは、「0.75」に設定される。そして、上記S2の処理により、発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅が4msecの場合には、この印加パルス幅4msecに該蓄熱係数「0.75」が乗算されて、「3msec」が通電時間と設定され、印加される。
【0064】
以上詳細に説明した通り、本実施形態のテープ印字装置1においては、CPU21は、印字処理開始時にタイマー21Aを起動する(S1)。その後、所定時間毎にタイマー割り込み処理(S11〜S16)を実行して蓄熱係数dを設定してRAM27に記憶する。一方、CPU21は、タイマー21Aの起動後(S1)、RAM27から蓄熱係数dを読み出して、各発熱素子R1〜Rnの印加パルス幅にこの蓄熱係数dを乗算して通電時間を設定して、1ライン分印字する(S2〜S3)。そして、1ライン分の印字ドット数をドット数カウンタ27Dのカウント値に加算後、印字バッファ27Bに印字データが残っている場合には(S5:NO)、順次1ライン分ずつS2以降の処理を再度実行し、印字処理を終了する(S5:YES)。また、印字終了時には、印字終了時処理を実行して、所定時間毎に、ドット数カウンタ27Dのカウント値が0になるまで、該ドット数カウンタ27Dのカウント値から環境温度に対応する減算ドット数を減算する(S21〜S26:NO)。また、印字終了時処理の途中で印字処理割り込み要求があった場合は(S26:YES)、ドット数カウンタ27Dのカウント値の減算処理を中止して、印字処理が実行される。
【0065】
したがって、サーマルヘッド9の放熱量を考慮しつつ、このサーマルヘッド9の印字ドット数(ドット数カウンタ27Dのカウント値)と基準総量との差分が大きくなるに従って各発熱素子R1〜Rnの通電時間が短くなるように設定されると共に、環境温度が高くなるに従って各発熱素子R1〜Rnの通電時間が短くなるように設定されるため、連続印字ドット数と環境温度とを考慮してこの各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能となる。
また、CPU21は、ドット数カウンタ27Dのカウント値と基準総量との差分の各値と各環境温度との各組み合わせに対して予め定められる複数の蓄熱係数d(図5参照)から、一の組合せに対応する蓄熱係数dを選択して、この蓄熱係数dを駆動電圧パルスの印加パルス幅に乗算して通電時間として容易に設定することができるため、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる。
【0066】
また、CPU21によるサーマルヘッド9の印字ドット数と基準総量との比較が、環境温度を考慮して行われるため、この各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を更に一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能となる。
また、CPU21は、環境温度を考慮して減算ドット数を選択してサーマルヘッドの放熱量を設定するため、各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を更に一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能となる。
【0067】
また、CPU21は、放熱パラメータテーブル33の環境温度が低くなるに従って大きくなるように予め定められる減算ドット数から環境温度に対応する所定減算ドット数を選択する簡易な処理で所定減算ドット数を設定するため、環境温度が低くなるに従ってサーマルヘッド9の放熱量が大きくなるように設定できると共に、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる。
また、CPU21は、各環境温度に対して予め定められる複数の所定減算ドット数から環境温度に対応する所定減算ドット数を選択する簡易な処理で所定減算ドット数を設定できるため(図4参照)、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる。
更に、CPU21は、印字終了時に印字終了時処理を実行するため、印字処理割り込み要求があった場合には、サーマルヘッド9の印字休止中の放熱量を考慮して各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量を更に一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能となる。
【0068】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(a)前記実施形態では、上記S13とS24の処理においては、各環境温度において1秒毎に同一の減算ドット数を減算したが、S13の処理における減算ドット数とS24の処理における減算ドット数とを異ならせるようにしてもよい。例えば、S24の処理における減算ドット数をS13の処理における減算ドット数よりも大きくなるように予め設定してもよい。
これにより、印字時と非印字時における、サーマルヘッド9の通電による発熱量を考慮して、サーマルヘッド9の印字ドット数を決定することができるため、連続印字時と、印字停止後再起動時との各々における各発熱素子R1〜Rnの蓄熱量をより正確に予測して、各発熱素子R1〜Rnへの通電時間を設定でき、簡易な処理で発熱素子R1〜Rnの蓄熱による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、ユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能となる。
(b)前記実施形態では、放熱パラメータテーブル33の「環境温度」は、3種類に設定したが、3種類以上等の任意の種類に設定してもよい。これにより、サーマルヘッド9の放熱量を更に正確に予測することができる。
(c)前記実施形態では、蓄熱係数テーブル34の蓄熱係数dは、各「基準総量を超えたドット数」と各「環境温度」との各組み合わせに対して一定値に設定されているが、1次関数や2次関数など各々任意に設定してもよい。これにより、更に正確な蓄熱係数dを設定することができる。
(d)前記実施形態では、タイマー割り込み処理及び印字終了時処理が発生する毎に、環境温度取得を行っているが、サーミスタ13がサーマルヘッド9から離れた場所に設けられていることと、印字中は環境温度が大きく変化しないことが想定されることから、テープ印字装置の電源を投入した時に環境温度を取得してRAM27に記憶しておき、上記のタイマー割り込み処理及び印字終了時処理における環境温度取得時に前記RAM27に記憶した環境温度を利用しても良い。これにより、環境温度を取得する回数が減り、処理時間の短縮を図ることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る感熱記録装置によれば、サーマルヘッドの放熱量を考慮しつつ、このサーマルヘッドの印字ドット数が所定基準値よりも大きくなるに従って各発熱素子の通電時間が短くなるため、連続印字ドット数を考慮してこの各発熱素子の蓄熱量を一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【0070】
また、請求項2に係る感熱記録装置では、請求項1に記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段は、記憶されている複数の印加パルス幅からドット数カウント手段のカウント値に対応する印加パルス幅を選択して、駆動電圧パルスの印加パルス幅として容易に設定することができるため、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【0071】
また、請求項3に係る感熱記録装置では、サーマルヘッドの放熱量を考慮しつつ、このサーマルヘッドの印字ドット数と所定基準値との差分に基づいて設定される各発熱素子の印加パルス幅が環境温度が高くなるに従って小さくなるように、即ち、各発熱素子の通電時間が短くなるように設定されるため、環境温度を考慮してこの各発熱素子の蓄熱量を一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【0072】
また、請求項4に係る感熱記録装置では、請求項3に記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段は、記憶されている各環境温度に対して予め定められる複数の印加パルス幅から環境温度に対応する印加パルス幅を選択して、駆動電圧パルスの印加パルス幅として容易に設定することができるため、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【0073】
また、請求項5に係る感熱記録装置では、サーマルヘッドの放熱量を考慮しつつ、このサーマルヘッドの印字ドット数と所定基準値との差分が大きくなるに従って各発熱素子の通電時間が短くなるように設定されると共に、環境温度が高くなるに従って各発熱素子の通電時間が短くなるように設定されるため、連続印字ドット数と環境温度とを考慮してこの各発熱素子の蓄熱量を一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれを確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【0074】
また、請求項6に係る感熱記録装置では、請求項5に記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段は、記憶されている差分の各値と各環境温度との各組み合わせに対して予め定められる複数の印加パルス幅から、一の組合せに対応する印加パルス幅を選択して、駆動電圧パルスの印加パルス幅として容易に設定することができるため、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【0075】
また、請求項7に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段によるサーマルヘッドの印字ドット数と所定基準値との比較が、環境温度を考慮して行われるため、この各発熱素子の蓄熱量を更に一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【0076】
また、請求項8に係る感熱記録装置では、請求項7に記載の感熱記録装置において、パルス幅設定手段は、記憶されている各環境温度に対して予め定められる複数の所定基準値から環境温度に対応する所定基準値を選択して、駆動電圧パルスの印加パルス幅を容易に設定することができるため、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【0077】
また、請求項9に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の感熱記録装置において、環境温度を考慮してサーマルヘッドの放熱量が設定されるため、各発熱素子の蓄熱量を更に一定量に維持することができ、簡易な処理で連続パルス印加による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、印字パターンと印字パターンの間の印字休止等の処理待ち時間がなくなりユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【0078】
また、請求項10に係る感熱記録装置では、請求項9に記載の感熱記録装置において、減算手段は、記憶されている各環境温度が低くなるに従って大きくなるように予め定められる複数の所定減算ドット数から環境温度に対応する所定減算ドット数を選択する簡易な処理で所定減算ドット数を設定するため、環境温度が低くなるに従ってサーマルヘッドの放熱量が大きくなるように設定できると共に、制御プログラムの小型化を図ることができ、制御回路の小型化を図ることができる。
【0079】
更に、請求項11に係る感熱記録装置では、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の感熱記録装置において、印字時と非印字時における、サーマルヘッドの通電による発熱量を考慮して、サーマルヘッドの印字ドット数を決定することができるため、連続印字時と、印字停止後再起動時との各々における各発熱素子の蓄熱量をより正確に予測して、各発熱素子への印加パルス幅を設定でき、簡易な処理で発熱素子の蓄熱による印字ドットの滲みやつぶれをより確実に防止できると共に、ユーザの使い勝手がよく、且つ、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るテープ印字装置の概略外観図で、(A)は概略上方外観図、(B)は概略右側方外観図である。
【図2】本実施形態に係るテープ印字装置のサーマルヘッドの概略構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図3】本実施形態に係るテープ印字装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るテープ印字装置のRAMのパラメータ記憶エリアに記憶される放熱パラメータテーブルの一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るテープ印字装置のRAMのパラメータ記憶エリアに記憶される蓄熱係数テーブルの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るテープ印字装置に装着されるテープカセットのカバーを外した場合の平面図である。
【図7】本実施形態に係るテープ印字装置の印字処理を示すサブフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るテープ印字装置の印字処理時に実行されるタイマー割り込み処理を示すサブフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るテープ印字装置の印字終了時に実行される印字終了時処理を示すサブフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るテープ印字装置の環境温度20℃における印字処理時に、サーマルヘッドの各発熱素子に印加される駆動電圧パルスの印加パルス幅の一例を示す図で、(A)は印字開始初期時の印加パルスの通電時間、(B)はドット数カウンタのカウント値が基準総量を260000ドット越えた時の印加パルスの通電時間を示す図である。
【符号の説明】
1        テープ印字装置
9        サーマルヘッド
9A       放熱板
13       サーミスタ
20       制御回路部
21       CPU
21A      タイマ
25、26    ROM
27       RAM
27D      ドット数カウンタ
27E      パラメータ記憶エリア
29、31    駆動回路
33       放熱パラメータテーブル
34       蓄熱係数テーブル
35       テープカセット
R1〜Rn    発熱素子

Claims (11)

  1. 複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加する駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、
    環境温度を検出する環境温度測定手段と、
    基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、
    基準時からの時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、
    前記ドット数カウント手段のカウント値に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、
    前記パルス幅設定手段は、前記ドット数カウント手段のカウント値が所定基準値よりも大きくなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする感熱記録装置。
  2. 前記ドット数カウント手段の各カウント値に対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、
    前記複数の印加パルス幅は、該ドット数カウント手段の各カウント値が所定基準値よりも大きくなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録装置。
  3. 複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動する発熱駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、
    環境温度を検出する環境温度測定手段と、
    基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、
    基準時からの時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、
    前記減算手段により所定減算ドット数が減算された後の前記ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、
    前記パルス幅設定手段は、前記環境温度が高くなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする感熱記録装置。
  4. 前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度に対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、
    前記複数の印加パルス幅は、該環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の感熱記録装置。
  5. 複数の発熱素子が設けられたサーマルヘッドと、前記発熱素子に対して選択的に駆動電圧パルスを印加して発熱駆動する発熱駆動手段とを備え、前記サーマルヘッドと被印字媒体とを相対移動させながら、該被印字媒体に対してドット印字を行う感熱記録装置において、
    環境温度を検出する環境温度測定手段と、
    基準時から印字されるドット数を逐次加算するドット数カウント手段と、
    基準時からの時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段により計測された基準時からの時間に応じて、前記ドット数カウント手段のカウント値から所定減算ドット数を減算する減算手段と、
    前記減算手段により所定減算ドット数が減算された後の前記ドット数カウント手段のカウント値と所定基準値との差分に基づいて前記駆動電圧パルスの印加パルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を備え、
    前記パルス幅設定手段は、前記差分が大きくなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定すると共に、前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って印加パルス幅が小さくなるように設定することを特徴とする感熱記録装置。
  6. 前記差分の各値と前記環境温度測定手段を介して検出する各環境温度との各組み合わせに対して予め定められる複数の印加パルス幅を記憶するパルス幅記憶手段を備え、
    前記複数の印加パルス幅は、該差分の各値が大きくなるに従って小さくなるように設定されると共に、該環境温度測定手段を介して検出する各環境温度が高くなるに従って小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の感熱記録装置。
  7. 前記パルス幅設定手段は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、前記所定基準値を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の感熱記録装置。
  8. 各環境温度に対して予め定められる複数の所定基準値を記憶する基準値記憶手段を備え、
    前記複数の所定基準値は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の感熱記録装置。
  9. 前記減算手段は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度に基づいて、前記所定減算ドット数を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の感熱記録装置。
  10. 各環境温度に対して予め定められる複数の所定減算ドット数を記憶する減算ドット数記憶手段を備え、
    前記複数の所定減算ドット数は、前記環境温度測定手段を介して検出される環境温度が低くなるに従って大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の感熱記録装置。
  11. 前記所定減算ドット数は、印字時と非印字時とで異なっていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の感熱記録装置。
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JP2010274548A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Brother Ind Ltd 感熱記録装置
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JP2018052105A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 カシオ計算機株式会社 印刷装置、印刷方法、及び、プログラム

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