JP2004025304A - 鋼構造物用溶接継手及び溶接材料 - Google Patents

鋼構造物用溶接継手及び溶接材料 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接割れを発生することなく溶接継手の疲労強度の向上と溶接金属の靭性の向上とを両立する鋼構造物用溶接継手及びを提供する。
【解決手段】鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属のマルテンサイト変態開始温度を200℃以下50℃以上とし、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量を5体積%以上70体積%以下とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶、橋梁、貯槽、建設機械等の大型鋼構造物に用いて好適な溶接継手に係り、特に、溶接継手の疲労強度と溶接金属の靭性および耐低温割れ性を向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】
船舶、橋梁、貯 槽、及び建設機械等においては、大型化とそれに伴う軽量化の目的から溶接して使用される鋼材の高強度化が求められている。鋼材が高強度化することによって使用する鋼材を少なくすることができ、構造物を軽量化することができる。これら構造物に使用される鋼材としては、Cr,Ni,Mo等を添加した引張強度レベルが300〜590MPaの鋼材が一般に用いられている。
【0003】
ところが、鋼材の引張強度が増加しても溶接継手の疲労強度が鋼材の引張強度ほどには向上しないといわれている。この原因としては、溶接継手の溶接部に生じる引張残留応力が大きいことが挙げられる。
この溶接継手の疲労強度を向上させる溶接方法として、従来、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
この溶接方法は、溶接により生成する溶接金属を、溶接後の冷却過程でマルテンサイト変態を起こさせ、室温においてマルテンサイト変態の開始時よりも膨張している状態とするようにしている。そして、この溶接方法に使用される溶接材料(溶接ワイヤ)としては、マルテンサイト変態開始温度を250℃未満170℃以上と低温化させた鉄合金が用いられている。そして、このような溶接方法及び溶接材料を用いることにより、溶接継手の溶接金属に生じた引張残留応力を低減し、あるいは引張残留応力に代えて圧縮残留応力を与え、溶接施工後の研削等の特別な後処理を行わなくても溶接継手の疲労強度が向上するという効果を奏する。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−138290号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された溶接材料にあっては、溶接継手の疲労強度は向上するものの、溶接部の靭性、特に溶接金属の靭性が低値であるという問題があった。これは、溶接材料の変態温度の低温化を実現するために添加したCr,Niなどの合金元素により溶接金属の組織がマルテンサイト主体となり、靭性の劣化を引き起こすためである。
【0007】
また、被溶接鋼板によっては溶接金属に割れが生じる場合がある。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされれたものであり、その目的は、溶接継手の疲労強度の向上と溶接金属の靭性の向上とを両立し、さらには溶接金属の耐割れ性を高めた鋼構造物用溶接継手及び溶接材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明者らが検討した結果、次のような知見を得た。即ち、溶接材料にCr,Niを添加させることにより促進されたマルテンサイイト変態をある程度不完全に終了させ、マルテンサイトとオーステナイトの混合組織とすることにより、一層の疲労強度の向上と靭性および耐低温割れ性を向上させることを見出したのである。
【0009】
なおかつ、化学組成をある特定の範囲とすることにより、疲労強度の向上ならびに耐低温割れ性の向上と耐高温割れ性の向上を同時に達成できることを見出したのである。すなわち継手の総合的な性能を高めることができる。
本発明は、この知見に基づいて、さらに検討を加え完成されたものである。
本発明の構成は、以下のとおりである。
【0010】
(1)鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が200℃以下50℃以上であり、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
【0011】
(2)鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手に利用する溶接材料で、溶着金属組成がC:0.20質量%以下、Cr:8.0〜25.0質量%、Ni:4.0〜16.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、かつ/ あるいはMoを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下およびCaを0.5質量%以下のうち一種又は二種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする溶接材料。
【0012】
(3)鋼材を溶接して製造する、(2)記載に記載された溶接材料を利用した鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(1)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
50≦719−795C−35.55Si−13.25Mn−23.7Cr−26.5Ni−23.7Mo−11.85Nb≦200 …(1)
ここに、C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
【0013】
(4)鋼材を溶接して製造する、(2)に記載された溶接材料を利用した鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(2)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
1.3≦b/a≦2.5 …(2)
ここで、a=Ni+0.5Mn+30C+20N
b=Cr+1.5Si+Mo+0.5Nb
C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
【0014】
(5)(1)又は(3)のいずれかに記載の溶接金属が、C:0.20質量%以下、Cr:7.0〜24.0質量%、Ni:3.0〜15.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
(6)(5)に記載の溶接金属組成に加えて、Moを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下、及びCaを0.5質量%以下のうち一種または二種を含有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
【0015】
(7)(4)に記載の溶接金属が、C:0.20質量%以下、Cr:7.0〜24.0質量%、Ni:3.0〜15.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
(8)(7)に記載の溶接金属組成に加えて、Moを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下、及びCaを0.5質量%以下のうち一種または二種を含有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
【0016】
【発明の実施の形態】
本願における基本的な技術思想を以下に示す。
(1)変態膨張による応力低減効果:室温より少し高い温度範囲で溶接金属をマルテンサイト変態させ、その変態膨張を利用して熱収縮により生じる溶接引張残留応力を低減する効果。
(2)オーステナイトのエネルギー吸収効果:マルテンサイトとオーステナイトが共存する状態で応力を受けた場合にオーステナイトがマルテンサイトに変態し、その変態に要するエネルギーを吸収するとともに、変態膨張により、応力を緩衝する効果。
(3)オーステナイトの水素吸蔵効果:マルテンサイトとオーステナイトが共存し、溶接時に不可避的に侵入する水素をオーステナイト相がトラップすることにより低温割れを防止する効果。
(4)オーステナイトの高靭性効果:マルテンサイトとオーステナイトが共存する場合において、大変形および高速変形を受ける場合にオーステナイトがその変形を受け持ち、高靭性を与える効果。
【0017】
上記の効果を総合的に利用することにより、継手の総合的性能を著しく高め、疲労強度、靭性、耐低温割れ性に優れた高性能継手を得ることが本発明の骨子である。
本発明の鋼構造物用溶接継手は、被溶接材である鋼材同士を溶接することにより製造される。
【0018】
第1の発明は、鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が200℃以下50℃以上であり、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手である。
【0019】
この鋼構造物用溶接継手においては、溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを必須とする。これは、上述の4つの効果による溶接継手の疲労強度の向上と溶接金属の高靭性化を達成させるためである。溶接金属をマルテンサイト変態させることにより(1)の効果により引張残留応力を緩和し、溶接継手の疲労強度および耐低温割れ性は向上するが、溶接金属が100%マルテンサイトの状態では(2)、(3)、(4)の効果が得られない。溶接金属に適度な割合でオーステナイトを存在せしめることにより、靭性、耐低温割れ性、および疲労強度を同時に向上させることができる。発明者らは、上述の効果を得るために溶接金属のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)とそれに対する最適な残留オーステナイト量を見出した。溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%未満では溶接継手の疲労強度と耐低温割れ性は(1)の効果により向上するが、(2)、(3)、(4)の効果が得られず、靭性が損なわれ、オーステナイトの水素吸蔵効果やエネルギー吸収効果が期待できない。一方、溶接金属中の残留オーステナイト量が70体積%を超えた場合には、溶接金属の靭性は向上するが、(1)の効果が得られず、溶接継手の疲労強度は低下する。また、耐高温割れ性や耐低温割れ性についても劣化する可能性がある。
【0020】
ここで、前記の残留オーステナイト量は溶接継手の使用温度における値であるが、通常の使用温度を考慮して100℃以下、−20℃以上において、前記の残留オーステナイト量を有することが好ましい。
【0021】
前記の残留オーステナイト量を有する溶接金属は、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)が200℃以下50℃以上となる組成とする必要がある。Ms点が200℃を超えると、(2)、(3)、(4)の効果が得られず、耐低温割れ性および靭性の向上が得られなくなる。一方、Ms点が50℃未満では、(1)変態膨張による応力低減の効果が十分でなく、疲労強度の改善が少なく、耐低温割れ性も劣化する。このようなことから、溶接金属の組成を、溶接金属のマルテンサイト変態開始点が200℃以下50℃以上となる組成に限定した。これにより、耐低温割れ性を劣化させることなく溶接継手の疲労強度と溶接金属の靭性を同時に向上させることができる。
【0022】
残留オーステナイト量を5体積%以上70体積%以下とし、かつマルテンサイト変態開始温度を200℃以下50℃以上とした本発明の溶接金属は、温度−伸び曲線、すなわち熱膨張曲線が使用温度においてマルテンサイト変態の開始時よりやや膨張状態の伸びとなる。本発明の溶接継手における溶接金属の冷却過程における温度−伸び曲線の一例を図1に示す。なお、体積%の測定は金属組織の面積%として測定する。
【0023】
図1において、本発明の溶接金属(太い実線)は、冷却過程においてマルテンサイト変態を生じ、そのマルテンサイト変態による膨張で、使用温度においてやや膨張状態となるものである。このような溶接金属とすることにより、冷却時の収縮による溶接継手に残留する引張応力を緩和するか、あるいは圧縮応力が溶接継手に残留することになる。溶接継手に残留する引張応力を緩和するか、あるいは圧縮応力が溶接継手に残留するようにすれば、疲労強度が向上し、低温割れは低減される。これにオーステナイト相によるエネルギー吸収効果と、水素吸蔵効果、および高靭性効果を加えることにより、溶接金属の靭性向上と疲労強度の向上および耐低温割れ性が得られるのである。
【0024】
一方、本発明の範囲を外れる溶接金属(細い実線、従来例の溶接金属)では、マルテンサイト変態開始温度Ms点が高く、マルテンサイト変態による膨張が少ないため、使用温度においては、変態後の冷却で収縮した状態となる。すなわち、疲労強度の向上は期待できない。
なお、本発明における溶接金属の温度−延び曲線は、通常の熱膨張による伸びの温度変化を連続的に測定して得られる。
【0025】
本願における、第2の発明は、鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(1)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手である。
50≦719−795C−35.55Si−13.25Mn−23.7Cr−26.5Ni−23.7Mo−11.85Nb≦200 …(1)
ここに、C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
なお、(1)式における各元素のうち、含有しない元素がある場合には、その元素量を0として(1)式を計算するものとする。
【0026】
ここで、(1)式の不等号で挟まれた部分である「719−795C−35.55Si−13.25Mn−23.7Cr−26.5Ni−23.7Mo−11.85Nb」は、溶接金属の冷却時のマルテンサイト変態開始温度を℃単位で現した場合の経験式であり、(1)式の意味は、溶接金属の含有成分から推定される溶接金属の冷却時のマルテンサイト変態開始温度が50℃以上200℃以下となることである。すなわち、第2の発明は、第1の発明において、溶接金属のマルテンサイト変態開始温度の限定範囲を(1)式に置き換えたものである。
【0027】
本願における第3の発明は、鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(2)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手である。
1.3≦b/a≦2.5 …(2)
ここで、a=Ni+0.5Mn+30C+20N
b=Cr+1.5Si+Mo+0.5Nb
C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
溶接能率を高めるために開先を狭くして、溶接を行う際には溶接金属に高温割れが生じやすい。また、被溶接材料の品位が低く、不純物元素を多量に含む場合には高温割れが生じやすい。こうした危険を回避するため、溶接金属を耐高温割れ性に優れた組織とすることにより、耐高温割れ性に優れ、かつ疲労強度の一層の向上と溶接金属の靭性および耐低温割れ性に優れた溶接継手が得られるのである。
【0028】
(2)式が1.3より小さいと、高温割れが発生しやすくなる。2.5を越えると、溶接金属に脆化組織が生じやすく、フェライト相も増加するため、溶接金属の靭性が確保できない。
溶接材料の組成は、溶着金属の組成がC:0.20質量%以下、Cr:8.0〜25.0質量%、Ni:4.0〜16.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。
【0029】
ここで、Cは、マルテンサイトの硬さを増加し、溶接硬化性を増大し、低温割れを助長する元素であるため、できるだけその含有量を低減するのが好ましく、低温割れを防止する観点から溶接材料のCの含有量は0.20質量%以下、好ましくは0.12質量%以下とするのが好ましい。
【0030】
Crは、マルテンサイト変態開始温度を低温とする元素であるため、8.0質量%以上の含有が好ましい。Crの含有量が8.0質量%未満では、マルテンサイト変態開始温度を200℃以下とするには、溶接材料に高価なNiの多量添加、および溶接ワイヤの加工性を劣化させる元素の多量添加を必要とし、経済性、ワイヤの加工性の観点から問題がある。一方、Crの含有量が25.0質量%を超えると、溶接金属にフェライトが大量に現出し、靭性の点で好ましくない。このようなことから、溶接材料のCrの含有量は8.0〜25.0質量%とするのが好ましい。
【0031】
Niは、オーステナイトを安定化する元素であり、溶接金属においてオーステナイト相を生成し、マルテンサイト変態開始温度を200℃以下と低温にするために重要な元素である。この観点からNiは4.0質量%以上含有させるのが好ましい。一方、16.0質量%を超える多量の含有は、溶接ワイヤを高価なものとして経済的に不利となるので、溶接材料のNiの含有量は4.0〜16.0質量%とするのが好ましい。
【0032】
また、δフェライトを適度に析出させて高温にて生じる割れを阻止するためにCreq./ Nieq.比を1.3以上とすることが好ましい。
P,Sは、高温において発生する割れを阻止するために含有量を抑制する必要があり、それぞれ0.020質量%以下、0.010質量%以下に限定した。割れを完全に阻止するためにはP,Sをそれぞれ0.010質量%以下、0.005質量%以下とすることが望ましい。
【0033】
Siは、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)を低下させる作用を有し、また脱酸材として機能するため溶接金属の酸素量を低減し、靭性を向上させるのに有効である。しかし、5.0質量%を超えると、高温割れが発生しやすく、また、規格格子を形成して靭性を著しく劣化させる。
さらに、Mnは、オーステナイト安定化作用を有し、脱酸材としても有用であるが、溶接材料にMnを8.0質量%を超えて含有させるためには、溶接ワイヤの製造における加工性が低下する。このため、溶接材料のMnの含有量は8.0質量%以下とするのが好ましい。
【0034】
本発明における溶接材料の組成は、溶着金属の組成が前記溶接材料の組成に加えて、Moを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下、及びCaを0.5質量%以下のうち一種又は二種含有していてもよい。
Moは溶接金属の耐食性を向上させる目的として添加することができるが、溶接金属にMoを4.0質量%を超えて含有させるためには、溶接ワイヤの製造における加工性が低下する。このため、溶接材料のMoの含有量は4.0質量%以下とするのが好ましい。
【0035】
また、Nbはマルテンサイト変態開始温度(Ms点)を低下させる作用を有し、Ms点を低下させるためには多く含有させるほうが好ましい。しかし、溶接金属にNbを3.0質量%を超えて含有させるためには、溶接ワイヤの製造における加工性が低下する。このため、溶接材料のNbの含有量は3.0質量%以下とするのが好ましい。
【0036】
CaはSと結合して析出することにより、粒界へのSの偏析を抑制する効果がある。しかし、Caの添加量が0.5質量%を超えると、溶接金属の靭性に悪影響を及ぼすので溶接材料のCa量は0.5質量%以下とするのが好ましい。
なお、上記した元素以外については、とくに限定されないが、溶接材料に、V、Cu、希土類元素をそれぞれ0.5質量%以下含有することは許容される。また、上記した元素以外に被溶接材、溶接材料に含有される元素が不可避的に含有されても何ら問題はない。
【0037】
溶接金属中の各元素の含有量も上記の理由に応じて請求の範囲で規定した範囲内に限定される。ただし、被溶接材との成分希釈等によりCr:7.0〜24.0質量%、Ni:3.0〜15.0質量%とする。
本発明の鋼構造物用溶接継手においては、被溶接材として、低合金鋼材を用いるとよい。中でも、25mm厚以下の極厚490MPa級高張力鋼材あるいは590MPa級高張力鋼材を溶接した場合に好適である。しかし、本発明に用いられるこれら低合金鋼材の種類については、特に限定されず、通常公知のいずれの鋼材も適用可能である。
【0038】
また、本発明の鋼構造物用溶接継手において、用いられる溶接材料は、前記被溶接材に適合した溶接条件で、前記の組成の溶接金属を形成できる組成を有するものであれば、通常公知の材料のいずれもが適用可能であり、特に限定されない。前記の組成の溶接金属が形成できるように、溶接条件により被溶接材からの希釈等を考慮して適宜選択すればよい。
【0039】
本発明の鋼構造物用溶接継手では、被溶接材に応じて、溶接材料の組成及び溶接条件を調整して、前記の組成の溶接金属を形成する。そして、溶接方法は、被覆アーク溶接、ガスメタルアーク溶接、サブマージアーク溶接、セルフシールドアーク溶接など各種溶接法がいずれも好適に適用できる。また、継手形状は、荷重非伝達型十字溶接継手、角回し溶接などの隅肉溶接継手、突き合わせ溶接継手など、船舶、海洋構造物、ペントストック、橋梁、貯槽、建設機械等の大型鋼構造物に用いられる継手形状がいずれも好適である。
【0040】
【実施例】
表1に被溶接鋼板の化学組成及び板厚を、表2に溶接材料の化学組成を示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004025304
【0042】
【表2】
Figure 2004025304
【0043】
表2において、手溶接棒については棒径を4.0mmφ、ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤについてはワイヤ径を1.2mmφとした。これら用いて角回し溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手及び突合せ溶接継手を作成した。溶接条件は、手溶接棒については170A−30V−15cm/ minとし、ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤについては250A−28V−15cm/ minとした。得られたそれぞれの溶接継手における溶接金属の特性を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 2004025304
【0045】
表3を参照すると、記号Dで示す溶接継手の溶接金属はMs点が40であり、請求項1,3の要件を満たさず、また、b/ aが1.15であり、請求項4の要件を満たしていないことが理解される。記号Dで示す溶接継手に使用された溶接材料は記号Dで示すもので、表2を参照すると、記号Dで示された溶接材料は、Pの含有量が0.058質量%、Sの含有量が0.021質量%であり、請求項2の要件を満たしていない。
【0046】
また、記号Eで示す溶接継手の溶接金属はMs点が276℃であり、請求項1,3の要件を満たさず、また、残留オーステナイト量が0体積%であり、請求項1の要件を満たしていないことが理解される。
そして、各溶接継手については、継手疲労試験によりS−N曲線を採取し、200万回疲労強度を導出した。一方、溶接金属のシャルピー衝撃試験を実施し、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(シャルピー値)を3本測定し、その平均値を導出した。200万回疲労強度及びシャルピー吸収エネルギーの平均値の導出結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2004025304
【0048】
表4を参照すると、発明例である記号A,B,C,F,H,Kで示す溶接継手については、200万回疲労強度が160MPaを超え、シャルピー吸収エネルギーが26Jを超えて良好な値が得られているのに対し、比較例である記号D,Eで示す溶接継手については、200万回疲労強度及びシャルピー吸収エネルギーに低い値が見られ、本発明の目的である「溶接継手の疲労強度と溶接金属の靭性の向上」を達成できていないことが理解される。また、比較例である記号Dで示す溶接継手については溶接割れ(高温割れ)が発生していた。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る鋼構造物用溶接継手及び溶接材料によれば、溶接継手は溶接割れを発生することなく、溶接継手の疲労強度と溶接金属の靭性の向上を同時に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接継手における溶接金属の温度−伸び曲線と従来例の溶接継手における溶接金属の温度−伸び曲線とを示すグラフである。

Claims (8)

  1. 鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が200℃以下50℃以上であり、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
  2. 鋼材を溶接して製造する鋼構造物用溶接継手に利用する溶接材料で、溶着金属組成がC:0.20質量%以下、Cr:8.0〜25.0質量%、Ni:4.0〜16.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、かつ/ あるいはMoを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下およびCaを0.5質量%以下のうち一種又は二種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする溶接材料。
  3. 鋼材を溶接して製造する、請求項2に記載された溶接材料を利用した鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(1)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
    50≦719−795C−35.55Si−13.25Mn−23.7Cr−26.5Ni−23.7Mo−11.85Nb≦200 …(1)
    ここに、C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
  4. 鋼材を溶接して製造する、請求項2に記載された溶接材料を利用した鋼構造物用溶接継手において、溶接継手の溶接金属組成が下記(2)式を満足し、かつ溶接金属中の残留オーステナイト量が5体積%以上70体積%以下であることを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
    1.3≦b/a≦2.5 …(2)
    ここで、a=Ni+0.5Mn+30C+20N
    b=Cr+1.5Si+Mo+0.5Nb
    C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、Nb:各元素の含有量(質量%)
  5. 請求項1又は3のいずれかに記載の溶接金属が、C:0.20質量%以下、Cr:7.0〜24.0質量%、Ni:3.0〜15.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
  6. 請求項5に記載の溶接金属組成に加えて、Moを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下及びCaを0.5質量%以下のうち一種または二種を含有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
  7. 請求項4に記載の溶接金属が、C:0.20質量%以下、Cr:7.0〜24.0質量%、Ni:3.0〜15.0質量%、Si:5.0質量%以下、Mn:8.0質量%以下、P:0.020質量%以下、S:0.010質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
  8. 請求項7に記載の溶接金属組成に加えて、Moを4.0質量%以下、Nbを3.0質量%以下及びCaを0.5質量%以下のうち一種または二種を含有することを特徴とする鋼構造物用溶接継手。
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