JP5257240B2 - 溶接材料および溶接継手 - Google Patents
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108.5+621.9C+85.64Nb+136.7Al≧400・・・・(1)
234.6−671.9C−3.020Nb−35Al≧100・・・・(2)
但し、上記式中の各元素記号は、それぞれの含有量(質量%)を意味する。
Cは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素である。特に、その含有量が0.01%未満では、大入熱の溶接では、溶接金属に必要な強度を付与できない。一方、その含有量が0.10%を超えると、溶接金属の低温靭性の低下が顕著化する。従って、Cの含有量は0.01〜0.10%とした。Cの含有量の好ましい下限は0.02%である。また、Cの含有量の望ましい上限は0.08%である。
Pは、不純物として溶接材料中に不可避的に存在する。0.05%を超えると、粒界に偏析して溶接金属の低温靭性を低下させるのみならず、大入熱の溶接時に高温割れを招く。従って、Pの含有量は0.05%以下とした。
Sは、不純物として溶接材料中に不可避的に存在する。0.008%を超えると、中心偏析を助長したり、MnSが多量に生成したりするため、大入熱の溶接によって形成された溶接金属の機械的性質が劣化する。従って、Sの含有量は0.008%以下とした。
Cuは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素であるので、特に、大入熱の溶接によって形成された溶接金属の強度を目標値以上にするためには、0.5%以上含有させる必要がある。一方、その含有量が5.5%を超えると、主として析出物の増大を通じて、溶接金属の低温靭性を劣化させる。従って、Cuの含有量は0.5〜5.5%とした。Cuの含有量の望ましい下限は0.8%である。また、Cuの含有量の望ましい上限は4.5%である。
Moは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素である。また、Ni系合金に適量のMoを含有させた合金は、高温割れ感受性が良好であるので、大入熱の溶接によって溶接継手を製造するために不可欠な元素である。大入熱の溶接によって形成した溶接金属の強度を目標の値とするには、5.0%以上含有させる必要がある。一方、25.0%を超えてMoを含有させると、溶接金属の低温靭性の劣化が顕著化する。従って、Moの含有量は5.0〜25.0%とした。Mo含有量の望ましい下限は6.0%である。また、Mo含有量の望ましい上限は23.0%である。
Nbは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素であり、特に、大入熱の溶接によって形成された溶接金属の強度を目標値以上にするためには、0.005%以上含有させる必要がある。一方、1.0%を超えて過剰に含有させたNbは、粗大な炭化物、窒化物を形成し、溶接金属の低温靭性を低下させる。従って、Nbの含有量は、0.005〜1.0%とした。Nb含有量の望ましい下限は0.01%である。また、Nb含有量の望ましい上限は0.8%である。
Alは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素であり、特に、大入熱の溶接によって形成された溶接金属の強度を目標値以上にするためには、1.2%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が3.0%を超える場合、析出物が過多となり、溶接金属の低温靭性を顕著に損なう。従って、Alの含有量は1.2〜3.0%とした。Al含有量の望ましい下限は1.3%である。また、Al含有量の望ましい上限は2.9%である。
Wは、溶接金属の強度を確保するのに有効な元素であり、1.0%以上含有させる。一方、6.0%を超えると、析出物の増大を通じて、溶接金属の低温靱性劣化を招く。従って、Wの含有量は、1.0〜6.0%とした。W含有量の望ましい下限は1.2%である。また、W含有量の望ましい上限は5.5%である。
Nは、析出物の生成を通して溶接金属の強度向上に有効であり、0.0015%以上含有させることが必要である。しかしながら、Nを過剰に含む場合には、耐延性破壊特性を顕著に損なう。従って、Nの含有量は、0.0015〜0.008%とした。N含有量の望ましい下限は0.0015%である。また、N含有量の望ましい上限は0.0075%である。
Siは、添加しなくても良いが、添加すれば、固溶強化により溶接金属の強度を上昇させるのに有効である。0.2%を超えて含有させると、溶接金属の低温靭性の劣化が顕著となる。したがって、Siを含有させる場合には、その含有量を0.2%以下とする。なお、上記の効果は、Siを0.02%以上含有させた場合に顕著となる。
Mnは、添加しなくても良いが、添加すれば、溶接金属の強度の上昇に有効である。しかしながら、7.0%を超えて含有させると、溶接金属の低温靭性の劣化が顕著となる。したがって、Mnを含有させる場合には、その含有量を7.0%以下とする。なお、上記の効果は、Mnを0.2%以上含有させた場合に顕著となる。
Crは、添加しなくても良いが、添加すれば、析出物を生成し溶接金属の強度上昇に効果的である。しかしながら、15.0%を超えて含有させると、他の成分条件を満足させたとしても、溶接金属の低温靭性の劣化および大入熱溶接時の高温割れ感受性を劣化させる。したがって、Crを含有させる場合には、その含有量を15.0%以下とする。なお、上記の効果は、Crを0.2%以上含有させた場合に顕著となる。
Tiは、添加しなくても良いが、添加すれば、析出強化元素として溶接金属の強度上昇に寄与する。しかしながら、4.0%を超えて含有させると、溶接金属の低温靭性確保ができなくなる。したがって、Tiを含有させる場合には、その含有量を4.0%以下とする。なお、上記の効果は、Tiを0.01%以上含有させた場合に顕著となる。
Feは、添加しなくても良い。Feは、高価なNiの一部に代替して用いることができる経済的な元素である。その含有量を多くすれば、安価な溶接材料が得られる。しかし、10%を超えて含有させると、溶接金属の強度を低下させ、高温割れ感受性の顕著な低下を招く。したがって、Feを含有させる場合には、その含有量を10.0%以下とする。Fe含有量の望ましい下限は5.0%であり、より望ましい下限は8.0%である。
108.5+621.9C+85.64Nb+136.7Al≧400・・・・(1)
234.6−671.9C−3.020Nb−35Al≧100・・・・(2)
但し、上記式中の各元素記号は、それぞれの含有量(質量%)を意味する。
(1)式右辺値は、420以上とするのが好ましい。また、(2)式右辺値は、110以上とするのが好ましい。
Claims (4)
- 極低温の環境での大入熱溶接に用いられる溶接材料であって、質量%で、C:0.01〜0.10%、P:0.05%以下、S:0.008%以下、Cu:0.5〜5.5%、Mo:5.0〜25.0%、Nb:0.005〜1.0%、Al:1.2〜3.0%、W:1.0〜6.0%およびN:0.0015〜0.008%を含有し、残部Niおよび不純物からなり、下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする溶接材料。
108.5+621.9C+85.64Nb+136.7Al≧400・・・・(1)
234.6−671.9C−3.020Nb−35Al≧100・・・・(2)
但し、上記式中の各元素記号は、それぞれの含有量(質量%)を意味する。 - さらに、質量%で、Si:0.2%以下、Mn:7.0%以下、Cr:15.0%以下およびTi:4.0%以下から選択される1種以上を含有するを特徴とする請求項1に記載の溶接材料。
- さらに、質量%で、Fe:10.0%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の溶接材料。
- 極低温の環境で使用される高強度溶接継手であって、厚さ10〜100mmの鋼板からなる母材に、請求項1から3までのいずれかに記載の溶接材料を用いて、4.0kJ/mm以上の入熱量で、マグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接を施したことを特徴とする溶接継手。
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