JP2004025295A - 組立構造物及び組立構造物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物に対して、効率よく接合を行う摩擦溶接による製造方法を提供する。
【解決手段】航空機の点検用小型ドアは、外板2と複数のビード3とを備えている。ビード3は、両端に平板部6を有する断面山型の形状に形成されている。ビード3を外板2の内面上に配置するとともに、隣り合うビード3の平板部6の端面同士を突き合わせる。ビード3の突き合わせ部分に対し、ビード3側から回転プローブ12を押し当てる。隣り合う2つのビード3と外板2とは、摩擦撹拌接合により同時に接合される。
【選択図】 図5
【解決手段】航空機の点検用小型ドアは、外板2と複数のビード3とを備えている。ビード3は、両端に平板部6を有する断面山型の形状に形成されている。ビード3を外板2の内面上に配置するとともに、隣り合うビード3の平板部6の端面同士を突き合わせる。ビード3の突き合わせ部分に対し、ビード3側から回転プローブ12を押し当てる。隣り合う2つのビード3と外板2とは、摩擦撹拌接合により同時に接合される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立構造物及び組立構造物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の部材を組み立ててなる組立構造物では、それら部材を結合する結合手段が必要である。例えば、そのような結合手段として、接着剤やねじなどが挙げられる。
【0003】
しかし、接着剤による結合やねじ止めでは、十分な結合強度を確保することは困難である。そこで従来より、十分な結合強度が必要とされる組立構造物に対しては、結合手法として、リベット結合や、接合面を溶融させる溶接が用いられてきた。
【0004】
ところが、リベットによる結合では、組立構造物の重量の増加を招くという課題があった。一方、接合面を溶融させる溶接では、異種材料の接合が困難であるという課題があった。そこで、これらの課題を克服する技術として、接合部を溶融させないで固相のまま接合する摩擦溶接法が提案されている。
【0005】
例えば、特表平7−505090号公報には、2つのアルミニウム合金製プレートの端面同士を突き合わせ、回転プローブをそれらプレートの端面間に沿って移動させることによりプレートの端部に塑性流動を起こし、それら塑性流動部分を冷却固化することによって、プレートを接合する摩擦撹拌接合が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の摩擦溶接は専ら2つの部材を接合するものであったため、3つ以上の部材を組み合わせてなる複雑な構造物に対しては、各々の部材を一つずつ接合することによって全体を組み立てる必要があった。そのため、接合箇所が多くなりがちであり、作業効率が必ずしも高いとは言い難かった。そこで、作業効率の良い摩擦溶接を実現する組立構造物及びその製造方法が望まれていた。
【0007】
特に、航空機のドア等のように、軽量性及び十分な強度が要求される組立構造物においては、リベット結合に比べて摩擦溶接が特に好ましいことから、摩擦溶接を有効活用した高効率な組立技術が望まれている。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物に対して摩擦溶接を効率よく利用する技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る組立構造物は、平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備え、第2部材の平板部と第3部材の平板部とは、両平板部の端面が突き合わされた状態で第1部材の平面部上に設けられ、第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とが摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されているものである。
【0010】
上記組立構造物では、第2部材の平板部と第3部材の平板部とが第1部材の平面部上で突き合わせた状態に配置され、そのうえで第1部材と第2部材と第3部材とが摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されている。このように第1〜第3部材の接合部が一カ所に集中するように配置されているので、第1〜第3部材は同時に摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合され、それらの接合が容易且つ確実に行われる。また、接合箇所が少なくて済み、摩擦溶接の作業効率が向上する。このことにより、軽量且つ高強度の組立構造物を得ることができる。
【0011】
前記組立構造物において、第1部材は略矩形状の外板からなり、第2部材及び第3部材の各々は、前記外板の内面側に設けられる補強材であって、前記外板の一辺と平行な方向に延び、長手方向と直交する断面の中央部が外板の内面側に膨出し且つ両端が平板部を構成する山型形状に形成された補強材からなっていてもよい。
【0012】
このことにより、外板と補強材とからなる軽量且つ高強度な組立構造物が得られる。
【0013】
本発明に係る組立構造物は、平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備え、第1部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とが揃うように第2部材の平板部上に重ねられ、第3部材の平板部は、第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが揃うように第4部材の平板部上に重ねられ、第1〜第4部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とが突き合わされ、第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが突き合わされた状態に配置され、第1〜第4部材の平板部の端部同士が摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されているものである。
【0014】
上記組立構造物においても、第1〜第4部材の接合部が一カ所に集中するように配置されているので、第1〜第4部材は同時に摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合され、それらの接合が容易且つ確実に行われる。接合箇所が少なくて済み、摩擦溶接の作業効率が向上する。また、軽量且つ高強度の組立構造物が得られる。
【0015】
前記組立構造物において、接合箇所は散点状に配されていてもよい。
【0016】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を迅速且つ安価に行うことができる。
【0017】
前記組立構造物において、接合箇所は線状に配されていてもよい。
【0018】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合の接合強度を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る組立構造物の製造方法は、平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、第1部材の平面部上において、第2部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせ、第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とを摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合するものである。
【0020】
このことにより、3以上の部材からなる組立構造物に対し、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を効率よく利用することができる。
【0021】
本発明に係る組立構造物の製造方法は、平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とを揃えるように第1部材の平板部を第2部材の平板部上に重ね、第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを揃えるように第3部材の平板部を第4部材の平板部上に重ね、第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせるとともに第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを突き合わせ、第1〜第4部材の平板部の端部同士を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合するものである。
【0022】
このことにより、4以上の部材からなる組立構造物に対し、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を効率よく利用することができる。
【0023】
なお、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を散点状に配してもよい。
【0024】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を迅速且つ安価に行うことができる。
【0025】
また、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を線状に配してもよい。
【0026】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合の接合強度を向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物において、それら部材の組み合わせ方を工夫したので、それら部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合によって接合することが可能となり、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を有効活用することができる。これにより、接合箇所を少なくすることができ、作業効率を向上させることができる。したがって、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物に対して、摩擦溶接を効率よく利用することができる。また、組立構造物の軽量性及び結合強度の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<実施形態1>
図1に示すように、本実施形態に係る組立構造物は、航空機の機体に取り付けられ、航空機の点検時に開閉される点検用小型ドア1である。ドア1は、外板2と複数のビード3,4とにより構成されている。
【0030】
外板2は略長方形状の平板からなり、アルミニウムによって形成されている。
【0031】
外板2の内面には、外板2の長辺(図1における縦方向に延びる辺)方向と平行に延びる複数のビード3と、ビード3の両端において外板2の短辺(図1における横方向に延びる辺)方向に延びる2つのビード4とが接合されている。これらビード3,4は、アルミニウムによって形成されている。図2に示すように、各ビード3は断面形状が山型に形成されている。各ビード3の山型断面の中央部5は、外板2の内面側に膨出しており、コ字状に形成されている。各ビート3の山型断面の両端は、外板2の内面に沿った平板部6となっている。
【0032】
図3に示すように、ビード3は、平板部6と外板2の内面とが接触した状態で外板2の内面上に並べられている。隣り合うビード3の平板部6の端面同士は突き合わされている。そして、隣り合う2つのビード3と外板2とは、接合箇所20において摩擦撹拌接合されている(図1参照)。
【0033】
次に、ドア1の製造方法について説明する。
【0034】
まず、薄板からビード3,4を成形する。次に、外板2の内面上にビード3,4を配置する。この際、隣り合うビード3同士の間に隙間が生じないように、ビード3の平板部6の端面同士を突き合わせる。次に、図4及び図5に示すように、回転プローブ12を有する摩擦撹拌接合用ツール11を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の長手方向(図4の紙面表裏方向)の一端側に位置づけ、ビード3側から外板4側へ押し当てる。
【0035】
これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入される。その後、プローブ12を回転させたまま、ツール11をビード3の長手方向の他端側に移動させる。この際、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3の平板部6の端部と外板2の内面部分とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。そして、プローブ12の移動に伴い、プローブ12の進行方向の後側部分における塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。
【0036】
その後、プローブ12がビード3の他端に到達した後に、プローブ12を外板2及びビード3から引き上げる。すると、プローブ12を引き上げた部分においても、塑性流動した接合部分が摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、隣り合う2つのビード3と外板2とが、ビード3の長手方向に沿って直線状に接合されることになる。
【0037】
このような作業を各ビード3間において順次繰り返すことにより、前述のドア1が製造される。
【0038】
本実施形態によれば、ビード3の両側に平板部6を設け、隣り合うビード3の平板部6同士を外板2上で突き合わせることとした。そのため、両ビード3,3と外板2との接触部分を摩擦撹拌接合に適した態様で一カ所に集中させることができ、2つのビード3と外板2とを摩擦撹拌接合によって同時に接合することができた。したがって、摩擦撹拌接合を効率よく利用することができた。
【0039】
一般に、航空機のドアには軽量性と相当程度の強度とが必要とされるが、本実施形態に係るドア1は、外板2とビード3とが摩擦撹拌接合によって組み立てられているため、軽量性及び高強度の2つのニーズを同時に満たすことができる。特に、外板2と両ビード3,3とを同時に摩擦撹拌接合しているので、接合箇所が比較的少なくて済む。したがって、接合箇所が少ない分、ドア1の強度をより一層向上させることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、ビード3と外板2とが同種材料で構成されているが、摩擦撹拌接合によれば異種材料を接合することも可能であるので、ビード3と外板2とを異なる金属材料で構成することもできる。したがって、複数の材料を組み合わせた様々なドアを製造することが可能となる。
【0041】
上記実施形態は、接合箇所20をビード3の長手方向に沿った直線状に配したものであったが、接合箇所20を曲線状に配することもでき、また、ビード3の長手方向に沿って散点状又は点線状に配することも可能である。
【0042】
接合箇所20を散点状に配する場合には、まず、摩擦撹拌接合用ツール11の回転プローブ12を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の一端に押し当てる。これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入され、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3と外板2とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。その後、プローブ12を引き上げる。すると、塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、プローブ12を挿入した点において、隣り合う2つのビード3と外板2とが接合されることになる。その後、このような作業を、ビード3の長手方向に沿って所定間隔ごとに順次繰り返す。その結果、ビード3と外板2とは散点状に接合されることになる。
【0043】
接合箇所20を点線状に配する場合にも、まず、摩擦撹拌接合用ツール11の回転プローブ12を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の一端に押し当てる。これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入され、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3と外板2とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。その後、プローブ12をビード3の長手方向に向かって所定距離だけ移動させ、プローブ12を引き上げる。すると、塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、プローブ12を挿入した点から引き上げる点までの部分において、隣り合う2つのビード3と外板2とが接合されることになる。その後、このような作業を、ビード3の長手方向に沿って所定間隔ごとに順次繰り返す。その結果、ビード3と外板2とは点線状に接合されることになる。
【0044】
上記実施形態は、ビード3と外板2とを摩擦撹拌接合により接合したものであったが、ビード3と外板2とを摩擦圧接接合により接合してもよい。摩擦圧接接合においては、図6に示すように、先端が平坦に形成された回転プローブ13を用い、この回転プローブ13をビード3側から押し当てる。これにより、隣り合うビード3の突き合わせ部分と、各ビード3と外板2との接触部分とにおいて摩擦熱が発生し、各接触部分で塑性流動が生じる。そして、プローブ13が移動した後に、塑性流動した部分は摩擦熱を失い、冷却固化されて接合される。
【0045】
なお、摩擦圧接接合においても、接合箇所20を直線状又は曲線状に配してもよく、散点状に配してもよく、点線状に配してもよい。
【0046】
<実施形態2>
実施形態1は、3つの部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合するものであったが、実施形態2は4つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合するものである。
【0047】
図7に示す組立構造物31では、第1平板8と第2平板9とが突き合わされ、それらの外面側(図7の上面側)に継ぎ板7が重ねられ、内面側(図7の下面側)に断面T字型のリブ10が重ねられている。そして、継ぎ板7と第1平板8と第2平板9とリブ10とが、一体的に同時に摩擦撹拌接合されている。
【0048】
摩擦撹拌接合に際しては、回転プローブ12を有する摩擦撹拌接合用ツール11を継ぎ板7側から押し当てる。これにより、プローブ12は継ぎ板7と両平板8,9の突き合わせ部分とを貫通し、更に、リブ10の平坦部の一部に挿入される。すると、プローブ12を挿入された部分は、摩擦熱によって軟化し、塑性流動を起こす。その後、プローブ12の移動又は引き上げに伴って、塑性流動した部分は摩擦熱を失って冷却固化される。これにより、継ぎ板7と両平板8,9とリブ10との4つの部材が、同時に摩擦撹拌接合される。
【0049】
図8に示す組立構造物32では、第1平板22と第2平板23とが突き合わされ、それらの外面側(図8の上面側)に継ぎ板21が重ねられ、内面側(図8の下面側)に第3平板24が重ねられ、更に第3平板24の内面側に断面T字型のリブ25が重ねられている。そして、継ぎ板21と第1〜第3平板22,23,24とリブ25とは、一体的且つ同時に摩擦撹拌接合されている。
【0050】
なお、組立構造物32の摩擦撹拌接合の方法は、前記組立構造物31の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0051】
図9に示す組立構造物33では、第1平板26、第2平板27、第3平板28及び第4平板29が、一体的且つ同時に摩擦撹拌接合されている。第1平板26は、第1平板26の端面と第2平板27の端面とが面一に揃うように、第2平板27の上に重ねられている。第3平板28は、第3平板28の端面と第4平板29の端面とが面一に揃うように、第4平板29の上に重ねられている。第1平板26の端面と第3平板28の端面とは突き合わされている。また、第2平板27の端面と第4平板29の端面とは突き合わされている。そして、第1平板26、第2平板27、第3平板28及び第4平板29は、同時に摩擦撹拌接合されている。
【0052】
上記組立構造物33の摩擦撹拌接合の方法も前記組立構造物31の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0053】
なお、上記実施形態は4つ以上の部材を摩擦撹拌接合により接合した形態であったが、それらの部材を摩擦圧接接合により接合することも可能である。
【0054】
上記実施形態は4つ又は5つの部材を結合したものであったが、6つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により結合してもよい。
【0055】
実施形態1と同様、接合箇所20は直線状又は曲線状に配してもよく、散点状に配してもよく、点線状に配してもよい。
【0056】
本実施形態によれば、4つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合することができるので、作業効率の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るドアの斜視図である。
【図2】ビードの斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】ドアの接合方法を模式的に示すドアの断面図である。
【図5】摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図6】摩擦圧接接合部の拡大断面図である。
【図7】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図8】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図9】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドア
2 外板(第1部材)
3 ビード(第2部材,第3部材,補強材)
4 ビード
6 平板部
11 摩擦撹拌接合用ツール
12 プローブ
13 プローブ
14 摩擦圧接接合用ツール
20 接合箇所
26 第1平板(第1部材)
27 第2平板(第2部材)
28 第3平板(第3部材)
29 第4平板(第4部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立構造物及び組立構造物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の部材を組み立ててなる組立構造物では、それら部材を結合する結合手段が必要である。例えば、そのような結合手段として、接着剤やねじなどが挙げられる。
【0003】
しかし、接着剤による結合やねじ止めでは、十分な結合強度を確保することは困難である。そこで従来より、十分な結合強度が必要とされる組立構造物に対しては、結合手法として、リベット結合や、接合面を溶融させる溶接が用いられてきた。
【0004】
ところが、リベットによる結合では、組立構造物の重量の増加を招くという課題があった。一方、接合面を溶融させる溶接では、異種材料の接合が困難であるという課題があった。そこで、これらの課題を克服する技術として、接合部を溶融させないで固相のまま接合する摩擦溶接法が提案されている。
【0005】
例えば、特表平7−505090号公報には、2つのアルミニウム合金製プレートの端面同士を突き合わせ、回転プローブをそれらプレートの端面間に沿って移動させることによりプレートの端部に塑性流動を起こし、それら塑性流動部分を冷却固化することによって、プレートを接合する摩擦撹拌接合が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の摩擦溶接は専ら2つの部材を接合するものであったため、3つ以上の部材を組み合わせてなる複雑な構造物に対しては、各々の部材を一つずつ接合することによって全体を組み立てる必要があった。そのため、接合箇所が多くなりがちであり、作業効率が必ずしも高いとは言い難かった。そこで、作業効率の良い摩擦溶接を実現する組立構造物及びその製造方法が望まれていた。
【0007】
特に、航空機のドア等のように、軽量性及び十分な強度が要求される組立構造物においては、リベット結合に比べて摩擦溶接が特に好ましいことから、摩擦溶接を有効活用した高効率な組立技術が望まれている。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物に対して摩擦溶接を効率よく利用する技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る組立構造物は、平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備え、第2部材の平板部と第3部材の平板部とは、両平板部の端面が突き合わされた状態で第1部材の平面部上に設けられ、第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とが摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されているものである。
【0010】
上記組立構造物では、第2部材の平板部と第3部材の平板部とが第1部材の平面部上で突き合わせた状態に配置され、そのうえで第1部材と第2部材と第3部材とが摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されている。このように第1〜第3部材の接合部が一カ所に集中するように配置されているので、第1〜第3部材は同時に摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合され、それらの接合が容易且つ確実に行われる。また、接合箇所が少なくて済み、摩擦溶接の作業効率が向上する。このことにより、軽量且つ高強度の組立構造物を得ることができる。
【0011】
前記組立構造物において、第1部材は略矩形状の外板からなり、第2部材及び第3部材の各々は、前記外板の内面側に設けられる補強材であって、前記外板の一辺と平行な方向に延び、長手方向と直交する断面の中央部が外板の内面側に膨出し且つ両端が平板部を構成する山型形状に形成された補強材からなっていてもよい。
【0012】
このことにより、外板と補強材とからなる軽量且つ高強度な組立構造物が得られる。
【0013】
本発明に係る組立構造物は、平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備え、第1部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とが揃うように第2部材の平板部上に重ねられ、第3部材の平板部は、第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが揃うように第4部材の平板部上に重ねられ、第1〜第4部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とが突き合わされ、第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが突き合わされた状態に配置され、第1〜第4部材の平板部の端部同士が摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されているものである。
【0014】
上記組立構造物においても、第1〜第4部材の接合部が一カ所に集中するように配置されているので、第1〜第4部材は同時に摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合され、それらの接合が容易且つ確実に行われる。接合箇所が少なくて済み、摩擦溶接の作業効率が向上する。また、軽量且つ高強度の組立構造物が得られる。
【0015】
前記組立構造物において、接合箇所は散点状に配されていてもよい。
【0016】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を迅速且つ安価に行うことができる。
【0017】
前記組立構造物において、接合箇所は線状に配されていてもよい。
【0018】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合の接合強度を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る組立構造物の製造方法は、平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、第1部材の平面部上において、第2部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせ、第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とを摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合するものである。
【0020】
このことにより、3以上の部材からなる組立構造物に対し、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を効率よく利用することができる。
【0021】
本発明に係る組立構造物の製造方法は、平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とを揃えるように第1部材の平板部を第2部材の平板部上に重ね、第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを揃えるように第3部材の平板部を第4部材の平板部上に重ね、第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせるとともに第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを突き合わせ、第1〜第4部材の平板部の端部同士を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合するものである。
【0022】
このことにより、4以上の部材からなる組立構造物に対し、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を効率よく利用することができる。
【0023】
なお、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を散点状に配してもよい。
【0024】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を迅速且つ安価に行うことができる。
【0025】
また、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を線状に配してもよい。
【0026】
このことにより、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合の接合強度を向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物において、それら部材の組み合わせ方を工夫したので、それら部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合によって接合することが可能となり、摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合を有効活用することができる。これにより、接合箇所を少なくすることができ、作業効率を向上させることができる。したがって、3つ以上の部材を組み合わせてなる組立構造物に対して、摩擦溶接を効率よく利用することができる。また、組立構造物の軽量性及び結合強度の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<実施形態1>
図1に示すように、本実施形態に係る組立構造物は、航空機の機体に取り付けられ、航空機の点検時に開閉される点検用小型ドア1である。ドア1は、外板2と複数のビード3,4とにより構成されている。
【0030】
外板2は略長方形状の平板からなり、アルミニウムによって形成されている。
【0031】
外板2の内面には、外板2の長辺(図1における縦方向に延びる辺)方向と平行に延びる複数のビード3と、ビード3の両端において外板2の短辺(図1における横方向に延びる辺)方向に延びる2つのビード4とが接合されている。これらビード3,4は、アルミニウムによって形成されている。図2に示すように、各ビード3は断面形状が山型に形成されている。各ビード3の山型断面の中央部5は、外板2の内面側に膨出しており、コ字状に形成されている。各ビート3の山型断面の両端は、外板2の内面に沿った平板部6となっている。
【0032】
図3に示すように、ビード3は、平板部6と外板2の内面とが接触した状態で外板2の内面上に並べられている。隣り合うビード3の平板部6の端面同士は突き合わされている。そして、隣り合う2つのビード3と外板2とは、接合箇所20において摩擦撹拌接合されている(図1参照)。
【0033】
次に、ドア1の製造方法について説明する。
【0034】
まず、薄板からビード3,4を成形する。次に、外板2の内面上にビード3,4を配置する。この際、隣り合うビード3同士の間に隙間が生じないように、ビード3の平板部6の端面同士を突き合わせる。次に、図4及び図5に示すように、回転プローブ12を有する摩擦撹拌接合用ツール11を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の長手方向(図4の紙面表裏方向)の一端側に位置づけ、ビード3側から外板4側へ押し当てる。
【0035】
これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入される。その後、プローブ12を回転させたまま、ツール11をビード3の長手方向の他端側に移動させる。この際、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3の平板部6の端部と外板2の内面部分とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。そして、プローブ12の移動に伴い、プローブ12の進行方向の後側部分における塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。
【0036】
その後、プローブ12がビード3の他端に到達した後に、プローブ12を外板2及びビード3から引き上げる。すると、プローブ12を引き上げた部分においても、塑性流動した接合部分が摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、隣り合う2つのビード3と外板2とが、ビード3の長手方向に沿って直線状に接合されることになる。
【0037】
このような作業を各ビード3間において順次繰り返すことにより、前述のドア1が製造される。
【0038】
本実施形態によれば、ビード3の両側に平板部6を設け、隣り合うビード3の平板部6同士を外板2上で突き合わせることとした。そのため、両ビード3,3と外板2との接触部分を摩擦撹拌接合に適した態様で一カ所に集中させることができ、2つのビード3と外板2とを摩擦撹拌接合によって同時に接合することができた。したがって、摩擦撹拌接合を効率よく利用することができた。
【0039】
一般に、航空機のドアには軽量性と相当程度の強度とが必要とされるが、本実施形態に係るドア1は、外板2とビード3とが摩擦撹拌接合によって組み立てられているため、軽量性及び高強度の2つのニーズを同時に満たすことができる。特に、外板2と両ビード3,3とを同時に摩擦撹拌接合しているので、接合箇所が比較的少なくて済む。したがって、接合箇所が少ない分、ドア1の強度をより一層向上させることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、ビード3と外板2とが同種材料で構成されているが、摩擦撹拌接合によれば異種材料を接合することも可能であるので、ビード3と外板2とを異なる金属材料で構成することもできる。したがって、複数の材料を組み合わせた様々なドアを製造することが可能となる。
【0041】
上記実施形態は、接合箇所20をビード3の長手方向に沿った直線状に配したものであったが、接合箇所20を曲線状に配することもでき、また、ビード3の長手方向に沿って散点状又は点線状に配することも可能である。
【0042】
接合箇所20を散点状に配する場合には、まず、摩擦撹拌接合用ツール11の回転プローブ12を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の一端に押し当てる。これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入され、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3と外板2とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。その後、プローブ12を引き上げる。すると、塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、プローブ12を挿入した点において、隣り合う2つのビード3と外板2とが接合されることになる。その後、このような作業を、ビード3の長手方向に沿って所定間隔ごとに順次繰り返す。その結果、ビード3と外板2とは散点状に接合されることになる。
【0043】
接合箇所20を点線状に配する場合にも、まず、摩擦撹拌接合用ツール11の回転プローブ12を、隣り合うビード3の突き合わせ部分の一端に押し当てる。これにより、プローブ12は両ビード3の突き合わせ部分を貫通し、さらに外板2の内面部分に挿入され、プローブ12の挿入箇所において、両ビード3と外板2とが摩擦熱によって軟化し、撹拌されて塑性流動を起こす。その後、プローブ12をビード3の長手方向に向かって所定距離だけ移動させ、プローブ12を引き上げる。すると、塑性流動した接合部分は、摩擦熱を失って冷却固化される。この結果、プローブ12を挿入した点から引き上げる点までの部分において、隣り合う2つのビード3と外板2とが接合されることになる。その後、このような作業を、ビード3の長手方向に沿って所定間隔ごとに順次繰り返す。その結果、ビード3と外板2とは点線状に接合されることになる。
【0044】
上記実施形態は、ビード3と外板2とを摩擦撹拌接合により接合したものであったが、ビード3と外板2とを摩擦圧接接合により接合してもよい。摩擦圧接接合においては、図6に示すように、先端が平坦に形成された回転プローブ13を用い、この回転プローブ13をビード3側から押し当てる。これにより、隣り合うビード3の突き合わせ部分と、各ビード3と外板2との接触部分とにおいて摩擦熱が発生し、各接触部分で塑性流動が生じる。そして、プローブ13が移動した後に、塑性流動した部分は摩擦熱を失い、冷却固化されて接合される。
【0045】
なお、摩擦圧接接合においても、接合箇所20を直線状又は曲線状に配してもよく、散点状に配してもよく、点線状に配してもよい。
【0046】
<実施形態2>
実施形態1は、3つの部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合するものであったが、実施形態2は4つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合するものである。
【0047】
図7に示す組立構造物31では、第1平板8と第2平板9とが突き合わされ、それらの外面側(図7の上面側)に継ぎ板7が重ねられ、内面側(図7の下面側)に断面T字型のリブ10が重ねられている。そして、継ぎ板7と第1平板8と第2平板9とリブ10とが、一体的に同時に摩擦撹拌接合されている。
【0048】
摩擦撹拌接合に際しては、回転プローブ12を有する摩擦撹拌接合用ツール11を継ぎ板7側から押し当てる。これにより、プローブ12は継ぎ板7と両平板8,9の突き合わせ部分とを貫通し、更に、リブ10の平坦部の一部に挿入される。すると、プローブ12を挿入された部分は、摩擦熱によって軟化し、塑性流動を起こす。その後、プローブ12の移動又は引き上げに伴って、塑性流動した部分は摩擦熱を失って冷却固化される。これにより、継ぎ板7と両平板8,9とリブ10との4つの部材が、同時に摩擦撹拌接合される。
【0049】
図8に示す組立構造物32では、第1平板22と第2平板23とが突き合わされ、それらの外面側(図8の上面側)に継ぎ板21が重ねられ、内面側(図8の下面側)に第3平板24が重ねられ、更に第3平板24の内面側に断面T字型のリブ25が重ねられている。そして、継ぎ板21と第1〜第3平板22,23,24とリブ25とは、一体的且つ同時に摩擦撹拌接合されている。
【0050】
なお、組立構造物32の摩擦撹拌接合の方法は、前記組立構造物31の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0051】
図9に示す組立構造物33では、第1平板26、第2平板27、第3平板28及び第4平板29が、一体的且つ同時に摩擦撹拌接合されている。第1平板26は、第1平板26の端面と第2平板27の端面とが面一に揃うように、第2平板27の上に重ねられている。第3平板28は、第3平板28の端面と第4平板29の端面とが面一に揃うように、第4平板29の上に重ねられている。第1平板26の端面と第3平板28の端面とは突き合わされている。また、第2平板27の端面と第4平板29の端面とは突き合わされている。そして、第1平板26、第2平板27、第3平板28及び第4平板29は、同時に摩擦撹拌接合されている。
【0052】
上記組立構造物33の摩擦撹拌接合の方法も前記組立構造物31の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0053】
なお、上記実施形態は4つ以上の部材を摩擦撹拌接合により接合した形態であったが、それらの部材を摩擦圧接接合により接合することも可能である。
【0054】
上記実施形態は4つ又は5つの部材を結合したものであったが、6つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により結合してもよい。
【0055】
実施形態1と同様、接合箇所20は直線状又は曲線状に配してもよく、散点状に配してもよく、点線状に配してもよい。
【0056】
本実施形態によれば、4つ以上の部材を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により同時に接合することができるので、作業効率の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るドアの斜視図である。
【図2】ビードの斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】ドアの接合方法を模式的に示すドアの断面図である。
【図5】摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図6】摩擦圧接接合部の拡大断面図である。
【図7】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図8】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【図9】実施形態に係る組立構造物の摩擦撹拌接合部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドア
2 外板(第1部材)
3 ビード(第2部材,第3部材,補強材)
4 ビード
6 平板部
11 摩擦撹拌接合用ツール
12 プローブ
13 プローブ
14 摩擦圧接接合用ツール
20 接合箇所
26 第1平板(第1部材)
27 第2平板(第2部材)
28 第3平板(第3部材)
29 第4平板(第4部材)
Claims (9)
- 平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備え、
第2部材の平板部と第3部材の平板部とは、両平板部の端面が突き合わされた状態で第1部材の平面部上に設けられ、第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とが摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されている組立構造物。 - 第1部材は略矩形状の外板からなり、
第2部材及び第3部材の各々は、前記外板の内面側に設けられる補強材であって、前記外板の一辺と平行な方向に延び、長手方向と直交する断面の中央部が外板の内面側に膨出し且つ両端が平板部を構成する山型形状に形成された補強材からなっている請求項1記載の組立構造物。 - 平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備え、
第1部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とが揃うように第2部材の平板部上に重ねられ、
第3部材の平板部は、第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが揃うように第4部材の平板部上に重ねられ、
第1〜第4部材の平板部は、第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とが突き合わされ、第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とが突き合わされた状態に配置され、第1〜第4部材の平板部の端部同士が摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合されている組立構造物。 - 接合箇所が散点状に配されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の組立構造物。
- 接合箇所が線状に配されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の組立構造物。
- 平面部を有する金属からなる第1部材と、平板部を有する金属からなる第2部材と、平板部を有する金属からなる第3部材とを少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、
第1部材の平面部上において、第2部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせ、
第1部材の平面部と第2部材の平板部の端部と第3部材の平板部の端部とを摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合する組立構造物の製造方法。 - 平板部を有する金属からなる第1〜第4部材を少なくとも備える組立構造物の製造方法であって、
第1部材の平板部の端面と第2部材の平板部の端面とを揃えるように第1部材の平板部を第2部材の平板部上に重ね、
第3部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを揃えるように第3部材の平板部を第4部材の平板部上に重ね、
第1部材の平板部の端面と第3部材の平板部の端面とを突き合わせるとともに第2部材の平板部の端面と第4部材の平板部の端面とを突き合わせ、
第1〜第4部材の平板部の端部同士を摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合により接合する組立構造物の製造方法。 - 摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を散点状に配する請求項6又は7に記載の組立構造物の製造方法。
- 摩擦撹拌接合又は摩擦圧接接合に際して、接合箇所を線状に配する請求項6又は7に記載の組立構造物の製造方法。
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JP2015016856A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-29 | ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company | 圧力パネル |
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-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002189961A patent/JP2004025295A/ja active Pending
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