JP2004025136A - 高度フッ素処理設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】排水中のフッ素濃度を工業的に効率よく環境基準以下まで低減させる高度フッ素処理設備を提供する。
【解決手段】除去するフッ素化合物中のフッ素分(F)に対して、添加及びまたは混入しているカルシウム分(Ca)がCa/Fモル比で5以上、さらに、添加及びまたは混入しているリン分(P)がP/Fモル比で3以上の条件に流量計及び/又は、pH計等で調整することでCaF2より難溶性の物質として排水中のフッ素を除去する高度フッ素処理設備。
【選択図】 なし
【解決手段】除去するフッ素化合物中のフッ素分(F)に対して、添加及びまたは混入しているカルシウム分(Ca)がCa/Fモル比で5以上、さらに、添加及びまたは混入しているリン分(P)がP/Fモル比で3以上の条件に流量計及び/又は、pH計等で調整することでCaF2より難溶性の物質として排水中のフッ素を除去する高度フッ素処理設備。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水中のフッ素化合物除去に用いる運転方法と設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年環境に係わる、世間の関心が高まり、それに対する企業活動の責任も問われ始めた。また、具体的に責任を果たすべき法律も制定に向けて動き始めている。本発明は、この環境に関わる処理技術のうち、排水中のフッ素化合物の除去技術に関するものである。フッ素化合物については、フッ素の環境基準が0.8(mg/l)に制定されたのを受けて、排水基準は従来の15(mg/l)から、8(mg/l)に低減された。さらにこれを受けて、各地域の上乗せ基準も低減する見込みであり、基本的には環境基準程度まで下げる技術が望まれている。本発明は今後厳しくなる規制に対応すべく環境基準以下に排水中のフッ素濃度を下げ、合わせてリン濃度も下げる除去技術を運転方法と設備に展開したものである。
【0003】
排水中のフッ素化合物の除去において、最も一般的に用いられているのが凝集沈殿法である。これは、排水に水酸化カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩を添加しpHを上昇させ主にフッ化カルシウム及び/又は、リン酸カルシウムとして液中より沈殿除去するものであり、沈殿分離効率を上げるために高分子凝集剤等を添加する技術である。しかしながら、この技術ではビーカースケールの実験でリン濃度は、0.1(mg/l)程度まで下がるが、フッ素濃度では8(mg/l)程度までの低下が限度であり、実際のプラントスケールでは15(mg/l)程度が限度となっている。従って、凝集沈殿法は、ある程度の希釈的要素が加わらなければ、今後の規制厳化に対応することは困難である。
【0004】
また、現技術で規制厳化に対応可能と考えられるものは、希土類の水酸化物を樹脂等に担持させた材による吸着除去であり、そのフッ素化合物除去能力は、環境基準である0.8(mg/l)以下にできるとされ、実用化されている。この吸着メカニズムは、酸サイドによる希土類の水酸基と、液中のフッ素イオンの交換反応を利用したものである。
【0005】
しかし、希土類水酸化物での吸着を行うためには、リンイオンが阻害となるため、リン化合物を含む液を処理する場合には必ず除去しておく必要がある。また、吸着前の液中のフッ素濃度は30(mg/l)以下にしなければならず、前記除去をする前に、被処理液の前処理は不可欠である。さらに、吸着が起こるのは酸サイドであるため被処理液のpHを3以下に調整することが必要になる。この操作があるため、処理水の排出においてはアルカリで再度、中和する必要が生じる(特開平10−113672号公報)。
【0006】
また、吸着点が限られるため飽和吸着量に達すると再生する必要があり、その再生方法は、アルカリサイドで行われる。このため、設備的対応として、2塔以上による一定サイクルでの切り替えが必要となる。
【0007】
また、吸着点が限られるため飽和吸着量に達すると再生する必要があり、その再生方法は、アルカリサイドで行われる。このため、設備対応として2塔以上による一定サイクルの切り替えが必要になる。
【0008】
このように、凝集沈殿法ではフッ素化合物の除去能力が不十分であり、希土類の水酸化物吸着では、リン化合物とフッ素化合物を別々に処理する必要があり、操作が煩雑となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの課題を克服し、なお且つ、従来にない低濃度までに液中のフッ素濃度を下げることのできる技術を工業的スケールで効率よく運転するための方法と設備に展開、提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの課題を解決するために、鋭意検討した結果、排水を本発明のリン酸カルシウムに接触させることにより、凝集沈殿法よりフッ素化合物除去能力に優れ、かつ、希土類の水酸化物吸着より操作の簡略化が達成された発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は排水中のフッ素化合物の除去に用いるリン酸カルシウムと、そのリン酸カルシウムを用いる除去方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
本発明で対象とする排水とは、電子、電気産業やその原料提供産業、発電所の排水をはじめ、リサイクル産業、廃棄物処理産業を代表とする環境事業から発生する排水、リン系及びフッ素系化合物等の製造業排水、ならびに土木建設、鉱業、金属処理業の排水、医療や農業、上下水処理設備、河川、地下水を問わず、ありとあらゆるフッ素化合物及び/又はリン化合物を含有した液体等を包含する。
【0014】
本発明で処理可能な排水中のフッ素化合物の濃度は、液体として流動性のある状態ならいずれの濃度でも処理可能であるが、40wt%以下であることが好ましい。フッ素化合物の濃度が高すぎると、例えば、本発明のリン酸カルシウムを充填塔に充填して使用した場合、差圧が大きくなり、処理速度が低下するので、高速処理を維持するためには、フッ素化合物であれば、20wt%以下であることが、更に好ましい。
【0015】
更に被処理液のpHについて制限を加えるならば、被処理液のpHが4未満であるならば、4以上に調整することが好ましく、更には、6以上に調整することが、より好ましい。調整方法としては、アルカリ化合物を被処理液に予め添加しても良く、処理と同時に添加しても良い。
【0016】
本発明でいうリン酸カルシウムとしては、トリカルシウムフスフェート、ダイカルシウムフスフェート、モノカルシウムホスフェート、オクタカルシウムフスフェート、テトラカルシウムフォスフェート等の一般的なものだけにとどまらず、ハイドロキシアパタイトに代表されるリンからなるアパタイトをも含む。天然に産するリン酸化合物であるリン鉱石も例外ではない。更には、リン酸とその他金属からなるアパタイト構造を有する化合物も含む。
【0017】
また、本発明のリン酸カルシウムの形態としては、充填槽、流動槽、攪拌槽の連通、回分式沈降等その対応する設備において粉末、または、顆粒、または、シリカ、アルミナ等、触媒の担持体として使用されている化合物に担持、または、樹脂等にコーティングして使用することにより設備費削減や運転連続性の改善に大きく寄与できる。
【0018】
ここで、適用できるプロセスに付いて下記のフロー図にてその概略を説明する。
【0019】
【図1】
【0020】
上記図1は一般的な凝集沈殿工程の後に本件のフッ素高度処理を配したものである。
【0021】
処理対象液体を原水槽に供給した後、流量コントロールされ中和槽に供給する。
【0022】
中和槽ではCaを所定の条件になるようpH計または流量計で制御する。
【0023】
沈降槽ではCaF2として分離除去するがフッ素濃度としては15〜30(mg/L)程度であるため、高度処理するため、上澄とケーキ濾液は清澄槽に送られる。
【0024】
清澄槽は次の高度処理が回分式であるためバッファーの機能を持たせてある。
【0025】
固定化槽は例えば原水槽からの供給量が25(m3/H)ならば次の様な運転操作を行う。
【0026】
固定化槽に250(Kg)のリン酸カルシウム粉体を投入しておく、75(m3/H)で20(min)清澄槽より25(m3)受け入れる、受け入れと同時に攪拌を開始し、リン酸を投入していく、投入量はPを所定の条件になるようpH計または流量計で制御した後、攪拌を10(min)した後、攪拌を停止、10(min)の放置で生成する難溶物を沈降分離した後、上澄みを固定化槽より75(m3/H)で20(min)、25(m3)排出する。
【0027】
すなわち、受け入れ20(min)、反応10(min)、沈降分離10(min)、排出20(min)の1(H)サイクルで処理していく。
【0028】
増加する難溶性物質は固定化槽ボトムよりある頻度で抜き出し、硫酸等で分解し、リン化合物、カルシウム化合物、フッ素化合物等に展開する。
【0029】
なお、沈降槽からの排ケーキに付いても微量成分の条件が整えば、同様に硫酸等で分解し、リン化合物、カルシウム化合物、フッ素化合物等に展開できる。
【0030】
【図2】
【0031】
上記図2は、図1の固定化槽を充填層に、リン酸カルシウム粉体をシリカ坦体の1(mm)球形にして連続通水処理したものである。
【0032】
【図3】
【0033】
図3は図2の充填固定化槽を中和槽の前に配したプロセスでリン酸カルシウムはフッ素に対してCa、Pの供給源となり、余剰のPが中和槽、沈降槽で除去されるプロセスである。
【0034】
【図4】
【0035】
図4は図2の充填固定化槽を流動槽に変えたものである。リン酸カルシウムの形態(坦体)によって異なるが流動固定化槽の上部循環ラインの上部で沈降速度以下に上昇速度がなれば特に規定はない。また、本循環方式に限らず排水部に液体サイクロン等を設けても同様である。大事なことはリン酸カルシウムが循環しているところにリン酸をpH計及び流量計で調整供給することである。
【0036】
本発明で著しく排水中のフッ素化合物を低減できる理由は、用いたリン酸カルシウムが液中で一旦解離し再結晶する際、液中のフッ素化合物とリン化合物を共に取り込むためだと推測しており、特にカルシウム(Ca)とリン(P)のモル比が1.2〜2.3のリン酸カルシウムを用いたとき、再結晶による生成物が極めて溶解度の低いアパタイト構造を含む化合物となるからだと考えている。
【0037】
更に本発明のリン酸カルシウムは、排水処理の条件、または、リン酸カルシウムの物性を調整することで、フッ素化合物とリン化合物のみでなく、鉛、亜鉛、カドミウム等の重金属化合物、更には、As化合物等の規制物質をも効率的に除去できる。
【0038】
【実施例】
さらに実施例により本発明の効果を例証する。
【0039】
実施例1
プロセス:図1
プロセス条件:流量25(m3/H)、反応時間:10(min)
リン酸カルシウム対固定化槽容積1(Wt%)
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
結果:表1
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2
プロセス:図2
プロセス条件:SV=20(1/H)リン酸カルシウム粒径1(mm)
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
通水倍率320倍
結果:表2
【0042】
【表2】
【0043】
実施例3
プロセス:図3
プロセス条件:SV=5(1/H)リン酸カルシウム粒径1(mm)
中和槽pH=6.5
通水倍率80倍
結果:表3
【0044】
【表3】
【0045】
実施例4
プロセス:図4
プロセス条件:流動固定化槽滞留時間1(H)
循環量/供給量比=25、通水倍率10倍
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
結果:表4
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】
実施例1から4で示した通り、工業的に効率化を求めるに当たり、現有の機器を適切に組み合わせることでフッ素濃度を環境基準以下に下げることを確認できた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水中のフッ素化合物除去に用いる運転方法と設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年環境に係わる、世間の関心が高まり、それに対する企業活動の責任も問われ始めた。また、具体的に責任を果たすべき法律も制定に向けて動き始めている。本発明は、この環境に関わる処理技術のうち、排水中のフッ素化合物の除去技術に関するものである。フッ素化合物については、フッ素の環境基準が0.8(mg/l)に制定されたのを受けて、排水基準は従来の15(mg/l)から、8(mg/l)に低減された。さらにこれを受けて、各地域の上乗せ基準も低減する見込みであり、基本的には環境基準程度まで下げる技術が望まれている。本発明は今後厳しくなる規制に対応すべく環境基準以下に排水中のフッ素濃度を下げ、合わせてリン濃度も下げる除去技術を運転方法と設備に展開したものである。
【0003】
排水中のフッ素化合物の除去において、最も一般的に用いられているのが凝集沈殿法である。これは、排水に水酸化カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩を添加しpHを上昇させ主にフッ化カルシウム及び/又は、リン酸カルシウムとして液中より沈殿除去するものであり、沈殿分離効率を上げるために高分子凝集剤等を添加する技術である。しかしながら、この技術ではビーカースケールの実験でリン濃度は、0.1(mg/l)程度まで下がるが、フッ素濃度では8(mg/l)程度までの低下が限度であり、実際のプラントスケールでは15(mg/l)程度が限度となっている。従って、凝集沈殿法は、ある程度の希釈的要素が加わらなければ、今後の規制厳化に対応することは困難である。
【0004】
また、現技術で規制厳化に対応可能と考えられるものは、希土類の水酸化物を樹脂等に担持させた材による吸着除去であり、そのフッ素化合物除去能力は、環境基準である0.8(mg/l)以下にできるとされ、実用化されている。この吸着メカニズムは、酸サイドによる希土類の水酸基と、液中のフッ素イオンの交換反応を利用したものである。
【0005】
しかし、希土類水酸化物での吸着を行うためには、リンイオンが阻害となるため、リン化合物を含む液を処理する場合には必ず除去しておく必要がある。また、吸着前の液中のフッ素濃度は30(mg/l)以下にしなければならず、前記除去をする前に、被処理液の前処理は不可欠である。さらに、吸着が起こるのは酸サイドであるため被処理液のpHを3以下に調整することが必要になる。この操作があるため、処理水の排出においてはアルカリで再度、中和する必要が生じる(特開平10−113672号公報)。
【0006】
また、吸着点が限られるため飽和吸着量に達すると再生する必要があり、その再生方法は、アルカリサイドで行われる。このため、設備的対応として、2塔以上による一定サイクルでの切り替えが必要となる。
【0007】
また、吸着点が限られるため飽和吸着量に達すると再生する必要があり、その再生方法は、アルカリサイドで行われる。このため、設備対応として2塔以上による一定サイクルの切り替えが必要になる。
【0008】
このように、凝集沈殿法ではフッ素化合物の除去能力が不十分であり、希土類の水酸化物吸着では、リン化合物とフッ素化合物を別々に処理する必要があり、操作が煩雑となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの課題を克服し、なお且つ、従来にない低濃度までに液中のフッ素濃度を下げることのできる技術を工業的スケールで効率よく運転するための方法と設備に展開、提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの課題を解決するために、鋭意検討した結果、排水を本発明のリン酸カルシウムに接触させることにより、凝集沈殿法よりフッ素化合物除去能力に優れ、かつ、希土類の水酸化物吸着より操作の簡略化が達成された発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は排水中のフッ素化合物の除去に用いるリン酸カルシウムと、そのリン酸カルシウムを用いる除去方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
本発明で対象とする排水とは、電子、電気産業やその原料提供産業、発電所の排水をはじめ、リサイクル産業、廃棄物処理産業を代表とする環境事業から発生する排水、リン系及びフッ素系化合物等の製造業排水、ならびに土木建設、鉱業、金属処理業の排水、医療や農業、上下水処理設備、河川、地下水を問わず、ありとあらゆるフッ素化合物及び/又はリン化合物を含有した液体等を包含する。
【0014】
本発明で処理可能な排水中のフッ素化合物の濃度は、液体として流動性のある状態ならいずれの濃度でも処理可能であるが、40wt%以下であることが好ましい。フッ素化合物の濃度が高すぎると、例えば、本発明のリン酸カルシウムを充填塔に充填して使用した場合、差圧が大きくなり、処理速度が低下するので、高速処理を維持するためには、フッ素化合物であれば、20wt%以下であることが、更に好ましい。
【0015】
更に被処理液のpHについて制限を加えるならば、被処理液のpHが4未満であるならば、4以上に調整することが好ましく、更には、6以上に調整することが、より好ましい。調整方法としては、アルカリ化合物を被処理液に予め添加しても良く、処理と同時に添加しても良い。
【0016】
本発明でいうリン酸カルシウムとしては、トリカルシウムフスフェート、ダイカルシウムフスフェート、モノカルシウムホスフェート、オクタカルシウムフスフェート、テトラカルシウムフォスフェート等の一般的なものだけにとどまらず、ハイドロキシアパタイトに代表されるリンからなるアパタイトをも含む。天然に産するリン酸化合物であるリン鉱石も例外ではない。更には、リン酸とその他金属からなるアパタイト構造を有する化合物も含む。
【0017】
また、本発明のリン酸カルシウムの形態としては、充填槽、流動槽、攪拌槽の連通、回分式沈降等その対応する設備において粉末、または、顆粒、または、シリカ、アルミナ等、触媒の担持体として使用されている化合物に担持、または、樹脂等にコーティングして使用することにより設備費削減や運転連続性の改善に大きく寄与できる。
【0018】
ここで、適用できるプロセスに付いて下記のフロー図にてその概略を説明する。
【0019】
【図1】
【0020】
上記図1は一般的な凝集沈殿工程の後に本件のフッ素高度処理を配したものである。
【0021】
処理対象液体を原水槽に供給した後、流量コントロールされ中和槽に供給する。
【0022】
中和槽ではCaを所定の条件になるようpH計または流量計で制御する。
【0023】
沈降槽ではCaF2として分離除去するがフッ素濃度としては15〜30(mg/L)程度であるため、高度処理するため、上澄とケーキ濾液は清澄槽に送られる。
【0024】
清澄槽は次の高度処理が回分式であるためバッファーの機能を持たせてある。
【0025】
固定化槽は例えば原水槽からの供給量が25(m3/H)ならば次の様な運転操作を行う。
【0026】
固定化槽に250(Kg)のリン酸カルシウム粉体を投入しておく、75(m3/H)で20(min)清澄槽より25(m3)受け入れる、受け入れと同時に攪拌を開始し、リン酸を投入していく、投入量はPを所定の条件になるようpH計または流量計で制御した後、攪拌を10(min)した後、攪拌を停止、10(min)の放置で生成する難溶物を沈降分離した後、上澄みを固定化槽より75(m3/H)で20(min)、25(m3)排出する。
【0027】
すなわち、受け入れ20(min)、反応10(min)、沈降分離10(min)、排出20(min)の1(H)サイクルで処理していく。
【0028】
増加する難溶性物質は固定化槽ボトムよりある頻度で抜き出し、硫酸等で分解し、リン化合物、カルシウム化合物、フッ素化合物等に展開する。
【0029】
なお、沈降槽からの排ケーキに付いても微量成分の条件が整えば、同様に硫酸等で分解し、リン化合物、カルシウム化合物、フッ素化合物等に展開できる。
【0030】
【図2】
【0031】
上記図2は、図1の固定化槽を充填層に、リン酸カルシウム粉体をシリカ坦体の1(mm)球形にして連続通水処理したものである。
【0032】
【図3】
【0033】
図3は図2の充填固定化槽を中和槽の前に配したプロセスでリン酸カルシウムはフッ素に対してCa、Pの供給源となり、余剰のPが中和槽、沈降槽で除去されるプロセスである。
【0034】
【図4】
【0035】
図4は図2の充填固定化槽を流動槽に変えたものである。リン酸カルシウムの形態(坦体)によって異なるが流動固定化槽の上部循環ラインの上部で沈降速度以下に上昇速度がなれば特に規定はない。また、本循環方式に限らず排水部に液体サイクロン等を設けても同様である。大事なことはリン酸カルシウムが循環しているところにリン酸をpH計及び流量計で調整供給することである。
【0036】
本発明で著しく排水中のフッ素化合物を低減できる理由は、用いたリン酸カルシウムが液中で一旦解離し再結晶する際、液中のフッ素化合物とリン化合物を共に取り込むためだと推測しており、特にカルシウム(Ca)とリン(P)のモル比が1.2〜2.3のリン酸カルシウムを用いたとき、再結晶による生成物が極めて溶解度の低いアパタイト構造を含む化合物となるからだと考えている。
【0037】
更に本発明のリン酸カルシウムは、排水処理の条件、または、リン酸カルシウムの物性を調整することで、フッ素化合物とリン化合物のみでなく、鉛、亜鉛、カドミウム等の重金属化合物、更には、As化合物等の規制物質をも効率的に除去できる。
【0038】
【実施例】
さらに実施例により本発明の効果を例証する。
【0039】
実施例1
プロセス:図1
プロセス条件:流量25(m3/H)、反応時間:10(min)
リン酸カルシウム対固定化槽容積1(Wt%)
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
結果:表1
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2
プロセス:図2
プロセス条件:SV=20(1/H)リン酸カルシウム粒径1(mm)
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
通水倍率320倍
結果:表2
【0042】
【表2】
【0043】
実施例3
プロセス:図3
プロセス条件:SV=5(1/H)リン酸カルシウム粒径1(mm)
中和槽pH=6.5
通水倍率80倍
結果:表3
【0044】
【表3】
【0045】
実施例4
プロセス:図4
プロセス条件:流動固定化槽滞留時間1(H)
循環量/供給量比=25、通水倍率10倍
中和槽pH=11、固定化槽pH=8.5
結果:表4
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】
実施例1から4で示した通り、工業的に効率化を求めるに当たり、現有の機器を適切に組み合わせることでフッ素濃度を環境基準以下に下げることを確認できた。
Claims (13)
- 系中に存在するフッ素分(F)に対して、Ca/Fモル比が5以上、さらに、リン分(P)が、P/Fモル比が3以上となるように、カルシウム分(Ca)とリン分(P)を調整できる設備を主体とする高度フッ素処理設備。
- 除去するフッ素化合物中のフッ素分(F)に対して、添加及びまたは混入しているカルシウム分(Ca)がCa/Fモル比で5以上、さらに、添加及びまたは混入しているリン分(P)がP/Fモル比で3以上の条件に流量計及び/又は、pH計で調整することで排水中のフッ素を除去する高度フッ素処理設備。
- 請求項1から2の設備を利用してCaF2より難溶性の物質として排水中のフッ素を除去する高度フッ素処理設備。
- リン酸カルシウムをアルカリサイドでは種晶として、酸サイドではCaとPの供給を兼ねる役割として添加する請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- リン酸をP供給調整用として添加する請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- Ca(OH)2、CaCl3、CaCO3をCaの供給調整用として添加する請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- 充填塔にリン酸カルシウムを充填し、排水を空間速度0.1〜50(1/H)で通過させる請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- 循環式流動槽にリン酸カルシウムを投入し、その循環ラインに液体サイクロン、沈降分離器等の固液分離器を設置して排水を通過させることによる請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- Caを調整された排水とリン酸カルシウムを混合する槽(第1槽)とその後にリン酸でPを調整する混合槽(第2槽)を設置し、その後に固液分離器を配する請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- 請求項9において、固液分離後の固体を第1槽に循環リサイクルする高度フッ素処理設備。
- Caを調整された排水をリン酸カルシウムが投入された槽に供給した後、攪拌しながらリン酸を投入し、必要PをpHで管理し供給を停止、その後攪拌を停止し、沈降分離した後、上澄みを排出する請求項1から3記載の高度フッ素処理設備。
- 請求項7から11の設備を既存技術である凝集沈殿法の前または後工程に配する高度フッ素処理設備。
- 請求項1から3記載のCaF2より難溶性の物質を硫酸、または硝酸で分解しカルシウム化合物、リン化合物、フッ素化合物を得る高度フッ素処理設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002189164A JP2004025136A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 高度フッ素処理設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002189164A JP2004025136A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 高度フッ素処理設備 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004025136A true JP2004025136A (ja) | 2004-01-29 |
Family
ID=31183657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002189164A Pending JP2004025136A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 高度フッ素処理設備 |
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JP2008188484A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Onoda Chemical Industry Co Ltd | フッ素含有排水の処理方法 |
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JP2020182889A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-12 | Jx金属株式会社 | フッ素を含む排水の処理方法 |
CN111922027A (zh) * | 2020-06-18 | 2020-11-13 | 吉安创成环保科技有限责任公司 | 一种无机氟化物填埋类废物的稳定化固化方法及应用 |
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