JP2004025062A - 粉末エアゾール用定量噴射装置 - Google Patents

粉末エアゾール用定量噴射装置 Download PDF

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矢沢 巌
Ken Ogata
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Abstract

【課題】粉末エアゾール内容物の定量噴射を行う際に、噴射操作ごとに常に一定量の粉末を含有した粉末エアゾール内容物の噴射を可能とし、粉末の残留を防止して、機能的で経済的な製品を得る。この粉末の均一な噴射手段を、単純な構成で容易に形成可能とし、生産性や耐久性を向上させる。
【解決手段】エアゾール容器1と連通口12を介して連通するハウジング5内の下端に粉末9の貯留凹部16を設ける。ハウジング5内にステムガスケット3を介して挿入したステム6を、押圧時にのみハウジング5内と外部とをオリフィス8を介して連通し、下端の開閉部13で連通口12を密閉しエアゾール容器1とハウジング5との連通を遮断するよう構成する。また、ハウジング5の内周面と一定の滞留間隔18を介して筒状に固定した仕切壁17の下端を貯留凹部16内に挿入し、この挿入部に粉末9とガスとの流通口20を形成する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粉末エアゾール内容物を充填したエアゾール容器の、粉末エアゾール用定量型バルブ装置に係るものであり、ハウジング内への粉末の残留を防止して、噴射操作ごとに常に一定量の粉末エアゾール内容物を均一に噴射可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉末エアゾール製品には、例えば制汗剤、喘息薬、傷薬、外用薬等が存在し、このような粉末エアゾール内容物を一定量ずつ外部に噴射するため、エアゾール容器の内部とハウジング内部とを、ハウジングの下端に設けた連通口を介して連通可能とし、粉末エアゾール内容物をハウジング内に導入している。そして、ハウジング内の下端には、粉末の貯留凹部を形成し、この貯留凹部内に粉末を沈降堆積させる事により、比重の大きな粉末が、重力によってハウジング内からエアゾール容器中に流出するのを防止して、ハウジング内への一定量の粉末の貯留を可能とし、製品購入後や放置後の1回目の噴射操作に於いても、一定量の粉末を含んだ粉末エアゾール内容物を外部に噴射しようとしている。
【0003】
このようなハウジング内に挿入したステムは、押圧時にのみハウジング内と外部とをオリフィスを介して連通し、ハウジング内の粉末エアゾール内容物を外部に噴射可能としている。また、この噴射と同時にステムの下端にてハウジングの連通口を密閉し、エアゾール容器の内部とハウジングの内部との連通を遮断して、ハウジング内の粉末エアゾール内容物のみを外部に噴射するよう構成している。この粉末エアゾール内容物の噴射後は、ステムが上昇して連通口が開口するので、連通口を介してエアゾール容器内の粉末エアゾール内容物がハウジング内に導入され、2回目以降の噴射操作時もハウジング内に導入された粉末エアゾール内容物の噴射が可能となっていた。そして、粉末エアゾール内容物の噴射に於いては、エアゾール容器を震盪して行えば、エアゾール容器内の粉末が拡散状態でハウジング内に導入されるため、使用時の2回目以降の噴射では、粉末の定量噴射が可能となるものである。
【0004】
しかしながら、重力により前記貯留凹部に沈降堆積した粉末は、比重が大きいため、製品購入後の1回目の噴射操作時や、再使用時の1回目の噴射操作時に、エアゾール容器を震盪する等の動作をしても、粉体がハウジング内に良好に拡散されにくく、外部に完全に噴射されずに貯留凹部内に粉末の残留を生じ易かった。そのため、定量噴射装置としての機能性が損なわれるとともに、粉末の噴射ムラを生じたり、粉末を全量使い切る事ができなくなる等の不具合も生じる虞があった。
【0005】
そこで、特開2001−114360号公報記載の従来発明では、エアゾール容器の振動や噴射時に生じるガスの流動力により、ハウジング内を上下移動したり回転移動する撹拌部材をハウジング内部に配置している。この撹拌部材の移動により、ハウジング内の噴射剤と貯留凹部内の粉末を撹拌する事で、ハウジング内の粉末の噴射剤中への拡散を促進して、ハウジング内の粉末の排出効果を高め、1回目の噴射操作時であっても、2回目以降と同様に一定量の粉末を含む粉末エアゾール内容物の噴射を行おうとしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記撹拌部材は、細い棒状やコイル状の比較的小さなものであり、耐久性の点で問題があった。そのため、エアゾール容器の強い振動等により、撹拌部材の破損や引っ掛かり等を生じる虞があり、粉末の撹拌を良好に行えなくなる事があった。また、高度な工作精度も要求され、装置を高価なものとしていた。
【0007】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、粉末を含有する粉末エアゾール内容物の定量噴射を行う際に、購入後の1回目の噴射操作時や放置後の再使用時に於ける1回目の噴射操作時であっても、2回目以降の噴射操作時であっても、常に一定量の粉末の含有量での粉末エアゾール内容物の噴射を可能とするものである。この粉末エアゾール内容物の良好な噴射により、被塗布面へのムラの無い粉末塗布を可能とするとともに、粉末をムダ無く使い切る事を可能として、定量噴射装置としての製品の品質や利便性を向上させるものである。また、この粉末エアゾール内容物の均一な噴射手段を、微細な部品の作成や組み付けの手間や高度な製作精度を必要とせず、単純な構造で簡易に形成可能とし、破損や作動不良の防止効果を高めて、製品の生産性や耐久性を向上させるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、エアゾール容器の内部と連通口を介して連通するハウジング内の下端に粉末の貯留凹部を形成し、ハウジング内にステムガスケットを介して挿入したステムを、押圧時にのみハウジング内と外部とをオリフィスを介して連通するとともに、下端に設けた開閉部で連通口を密閉してエアゾール容器の内部とハウジングの内部との連通を遮断するよう構成し、このハウジング内に筒状の仕切壁をハウジングの内周面と一定の滞留間隔を介して固定し、この仕切壁の上端をステムガスケットの内面に押圧するとともに、仕切壁の下端を貯留凹部内に挿入し、この挿入部に粉末とガスとの流通口を形成して成るものである。
【0009】
【作用】
本発明の粉末エアゾール用定量噴射装置では、ステムの非押圧時には、ハウジングとエアゾール容器とは連通口を介して連通しており、ハウジング内には粉末エアゾール内容物が一定量導入されている。また、重力により比重の大きな粉末がエアゾール容器の底部に沈降堆積するが、ハウジング内の粉末は、ハウジングに設けた貯留凹部に沈降堆積されるので、連通口からエアゾール容器内に流出する事はなく、ハウジング内に一定量の粉末を貯留する事ができる。
【0010】
まず、1回目の噴射操作を行うと、ステムが押圧され、ステムガスケットにより閉止されていたオリフィスが開口するので、オリフィスを介してハウジング内と外部とが連通し、ハウジング内の粉末エアゾール内容物が外部に噴射される。この噴射と同時に、ステム下端の開閉部がハウジングの連通口を密閉し、エアゾール容器からハウジング内への新たな粉末エアゾール内容物の導入を阻止するので、予めハウジング内に収納された一定量の粉末エアゾール内容物のみの噴射が可能となる。
【0011】
そして、従来技術では、この1回目の噴射操作の際には、貯留凹部内に沈降堆積していた粉末を良好に外部に排出する事ができず、定量噴射装置としての機能性に問題があったが、本発明では、粉末エアゾール内容物の噴射の際は、まずハウジング内の仕切壁で仕切られたオリフィスに近い内方の空間内の粉末エアゾール内容物が外部に噴射される。次いでハウジングの内周面と仕切壁の外周面との間に形成された滞留間隔に収納された噴射剤が、仕切壁の流通口を介して貯留凹部内を通過し、仕切壁の内部側に流動し、貯留凹部に残留した粉末をハウジング内に飛散させた後、この粉末とともに該噴射剤が外部に噴出する。この滞留間隔の噴射剤が貯留凹部を通過する際の粉末の飛散作用により、ハウジング内の一定量の粉末を良好に外部に排出する事ができる。
【0012】
また、粉末エアゾール内容物の噴射後は、ステムの押圧を解除する事により、ハウジングの連通口が開口され、ハウジング内には粉末エアゾール内容物が新たに導入されるので、2回目以降の噴射操作に於いても、粉末エアゾール内容物の定量噴射を連続的に行う事が可能となる。
【0013】
このように、製品購入後の1回目の噴射操作時又は放置後の製品の再使用時に於ける1回目の噴射操作時に、滞留間隔の噴射剤が仕切壁の流通口を介して貯留凹部内を通過する事によって、貯留凹部内の粉末をハウジング内に飛散させた後、この粉末とともに噴射剤が外部に噴出する事により、貯留凹部への粉末の残留防止効果が高まり、2回目以降の噴射操作時と同様の一定量の粉末を含む粉末エアゾール内容物を常に噴射可能となり、被塗布面へのムラのない粉末の塗布が可能となる。従って、定量噴射装置としての機能性や利便性が高まり、商品価値の高い製品を得る事ができる。
【0014】
そして、上記の粉末エアゾール用定量噴射装置は、粉末エアゾール内容物が充填された、粉末エアゾール製品に用いる事ができ、例えば喘息薬、傷薬、外用薬等の各種医療製品、消臭・制汗剤、害虫忌避剤、ドライシャンプー、ボディパウダー等の医薬部外品又は化粧品、殺虫剤、その他の薬剤、工業用品等での実施が可能となる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図面に於て説明すれば、図1は、本発明の一実施例に係る粉末エアゾール用定量噴射装置の、静止状態の全体断面図であり、図2は、図1のハウジング付近の拡大断面図であり、図3は、粉末エアゾール内容物を外部に噴射した状態を示す、ハウジング付近の拡大断面図である。
【0016】
上記図1〜図3に於いて、(1)はエアゾール容器で、噴射剤、粉末、各種の添加剤から成る粉末エアゾール内容物(2)を内部に収納し、このエアゾール容器(1)の開口部側の上端を内方に折曲して形成した上端片(14)の内面に、蓋体(21)を介して筒状の固定体(22)を固定している。この固定体(22)は、筒状の外周面とエアゾール容器(1)の内周面との間に、アウターガスケット(23)を介在して、エアゾール容器(1)に巻締め固定され、気密性を保持している。
【0017】
そして、前記固定体(22)の上端内面に、ステムガスケット(3)を介してバルブ機構(4)のハウジング(5)を固定し、このハウジング(5)内に、ステム(6)を挿入している。このステム(6)は、ステム発条(7)によって外部方向に押圧付勢され、ステムガスケット(3)を介して上端部をエアゾール容器(1)の外部に突出している。また、ステム(6)は、上端側に開口する粉末エアゾール内容物(2)の導出路(24)を内部に設け、この導出路(24)の側面に、導出路(24)と連通するオリフィス(8)を設けている。このオリフィス(8)は、ステム(6)の非押圧時は、図2に示す如く、ステムガスケット(3)を介してハウジング(5)の内部側とは反対の外部方向に配置され、ハウジング(5)の内部と外部との連通を遮断している。また、ステム(6)は、外部に突出させた先端部に、押釦(図示せず)、押圧レバー(図示せず)等を接続し、ステム(6)の容易な押圧動作を可能としている。
【0018】
また、前記ハウジング(5)は、下底壁(10)に、エアゾール容器(1)方向を径小とする漏斗部材(11)を接続し、この漏斗部材(11)の下端に、エアゾール容器(1)の内部とハウジング(5)の内部とを連通する連通口(12)を開口している。また、漏斗部材(11)は、弾性部材製で、弾性変形により連通口(12)の内径を拡径可能としている。一方、ステム(6)は、連通口(12)方向に長尺に形成して下端に、連通口(12)の内径よりも外径を少し径大で連通口(12)を密閉可能な開閉部(13)を設け、この開閉部(13)を前記連通口(12)に臨ませて配置している。
【0019】
そして、ステム(6)の非押圧時は、図1、図2に示す如く、連通口(12)が開口し、エアゾール容器(1)の内部とハウジング(5)の内部との連通を可能としているが、ステム(6)を押圧してオリフィス(8)を介してハウジング(5)内部と外部とを連通させると同時に、図3に示す如く、連通口(12)よりも少し径大としたステム(6)下端の開閉部(13)が、ハウジング(5)の連通口(12)に挿入され、この連通口(12)の内周端面が弾性的に開閉部(13)の外周に密着するので、開閉部(13)により連通口(12)が密閉される。この連通口(12)の密閉により、ハウジング(5)の内部とエアゾール容器(1)の内部との連通が遮断され、ハウジング(5)内への粉末エアゾール内容物(2)の導入が阻止される。
【0020】
また、ハウジング(5)は、その内周面と一定の間隔を介して内方に、下底壁(10)に連続して内筒(15)をハウジング(5)内に立ち上げ形成し、この内筒(15)とハウジング(5)の内周面との間に、図2に示す如く、粉末エアゾール内容物(2)中の粉末(9)を貯留可能な貯留凹部(16)を形成している。この貯留凹部(16)を設ける事により、ハウジング(5)内に導入された粉末(9)が、エアゾール容器(1)内に流下する事がなく、一定量の粉末(9)をハウジング(5)に貯留可能となっている。また、ハウジング(5)内には、筒状の仕切壁(17)を、ハウジング(5)の内周面との間に、一定の滞留間隔(18)を介して固定し、仕切壁(17)の上端を前記ステムガスケット(3)の内面に押圧して密閉し、仕切壁(17)の下端を前記貯留凹部(16)内に挿入するとともに、この下端を下底壁(10)に当接して、ハウジング(5)内での配置安定性を保持している。
【0021】
また、上記仕切壁(17)は、貯留凹部(16)内への挿入部に、噴射剤と粉末(9)とが流通可能な流通口(20)を一個又は複数個設けている。この流通口(20)は、仕切壁(17)の下端側をスリット状に切り欠いて設けても良いし、仕切壁(17)の下端が下底壁(10)に当接しないよう、一定の間隔を介して配置し、この間隔を流通口(20)としても良い。また、ハウジング(5)の下端には、ディップチューブ(25)を接続し、エアゾール容器(1)の下底の粉末(9)をハウジング(5)内に導入可能としている。また、エアゾール容器(1)を倒立状態で使用する場合には、ハウジング(5)にディップチューブ(25)を接続しないものとする。
【0022】
上記粉末エアゾール用定量噴射装置での1回目の粉末エアゾール内容物(2)の噴射操作を行うには、まずエアゾール容器(1)を震盪する事により貯留凹部(16)内に沈降堆積した粉末(9)をハウジング(5)内に拡散させる。しかし、このエアゾール容器(1)の震盪によっては、貯留凹部(16)内に沈降堆積した粉末(9)の良好な拡散は困難である。
【0023】
次に、押釦、押圧レバー等の操作により、ステム(6)をエアゾール容器(1)方向に押圧すると、図3に示す如く、該ステム(6)のオリフィス(8)がステムガスケット(3)を通過してハウジング(5)内に配置され、このオリフィス(8)及び導出路(24)を介してハウジング(5)内と外部とが連通する。この連通と同時に、ステム(6)下端の開閉部(13)がハウジング(5)の連通口(12)に挿入されて連通口(12)を密閉し、エアゾール容器(1)からのハウジング(5)内への新たな粉末エアゾール内容物(2)の導入を阻止する。従って、一度の噴射操作では、予めハウジング(5)内に収納された一定量の粉末エアゾール内容物(2)のみがオリフィス(8)及び導出路(24)を介して外部に噴射されるものとなる。
【0024】
また、この噴射の際は、まずハウジング(5)内の仕切壁(17)で仕切られた内方の空間内の粉末エアゾール内容物(2)が外部に噴射されるが、粉末(9)の比重が大きくハウジング(5)内での拡散が良好に行われないため、従来技術では、貯留凹部(16)内に沈降堆積する粉末(9)全てを外部に噴射する事ができず、定量噴射装置としての機能が損なわれていた。
【0025】
しかしながら、本発明では、ハウジング(5)内に仕切壁(17)を設けて噴射剤の滞留間隔(18)を設けており、前記粉末エアゾール内容物(2)の噴射により仕切壁(17)内方の空間の圧力が低下するので、図3に矢印で示す如く、ハウジング(5)の内周面と仕切壁(17)の外周面との間の滞留間隔(18)に存在する噴射剤が、仕切壁(17)の下端に設けた流通口(20)を介して貯留凹部(16)内を通過し、仕切壁(17)の内方側に流動する。この噴射剤の貯留凹部(16)の通過の際に、噴射剤が貯留凹部(16)に残留した粉末(9)をハウジング(5)内に飛散させ、この粉末(9)とともに噴射剤が外部に噴出するので、ハウジング(5)内の粉末(9)を外部に良好に排出可能となり、ハウジング(5)内への粉末(9)の残留を防ぐ事ができる。従って、1回目の噴射操作時にも、一定量の粉末(9)を外部に噴射可能となる。
【0026】
また、粉末エアゾール内容物(2)の噴射後は、ステム(6)への押圧を解除する事により、ハウジング(5)の連通口(12)が開口されるので、ハウジング(5)内には粉末エアゾール内容物(2)が新たに導入され、2回目以降の噴射操作に於いても、一定量の粉末(9)を含んだ粉末エアゾール内容物(2)の噴射を行う事ができる。従って、噴射操作ごとに、被塗布部への常にムラの無い粉末(9)の塗布が可能となり、定量噴射装置としての機能性と利便性に優れた商品価値の高い製品を得る事ができる。
【0027】
また、本発明の粉末エアゾール用定量噴射装置は、粉末エアゾール内容物であれば、任意のものに使用する事ができる。粉末の具体例としては、例えばタルク、カオリン、シリカ、アルミニウムクロロハイドレート、ウンデシリン酸亜鉛、無水珪酸、珪酸マグネシウム、マイカ、雲母チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機物質の粉末、並びにポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、その他の物質の粉末を挙げることができる。これらの粉末は、単独でまたは混合して用いることができる。
【0028】
また、上記粉末は、通常、その平均粒子径が1μm以上で100μm以下のものであり、好ましくは5〜70μmであり、特に好ましくは5〜50μmである。平均粒子径が過大の粉末を用いるとバルブ機構の詰まり等を生ずる虞が大きくなり、過小の粉末では、外気中に飛散し易いために取扱いが面倒である上に汚染の原因となる事がある。また、粉末エアゾール内容物に於いて、粉末成分の含有割合は、その目的や用途によって異なり、通常、粉末成分の含有割合は、5重量%以上で50重量%以下とするのが好ましい。また、50重量%よりも粉末成分の含有割合を多くする事もできるが、バルブ機構の詰まりを生じる虞が大きくなり、実用上問題がある。
【0029】
また、噴射剤の種類も限定されるものではなく、液化石油ガス、ジメチルエーテル、その他の任意の噴射剤を用いることができる。液化石油ガスの具体例としては、例えばプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン及びこれらの混合物を使用する事ができ、液化石油ガスとジメチルエーテルを混合して用いる事もできる。
【0030】
また、粉末エアゾール内容物には、通常、懸濁剤が含有される。この懸濁剤は、粉末成分を噴射剤中に懸濁させる作用を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばHLBの値が10以下、好ましくは1〜5の界面活性剤を好ましいものとして用いることができる。その具体例としては、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレングリコールモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリコールトリイソステアレート、ポリオキシエチレングリコールトリステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレートなどの非イオン性界面活性剤を挙げる事ができる。
【0031】
また、必要に応じて、添加剤を添加する事もでき、具体例としては、例えば、粉末の凝集防止効果あるいは粉末の潤滑効果を発揮するイソプロピルミリステートやミネラルオイル、香料、着色剤、レシチン、スクワラン、ラノリンなどの薬剤を用いる事ができる。
【0032】
また、上記実施例では、本発明の粉末エアゾール用定量噴射装置を、エアゾール容器の上端を折曲して設けた上端片の内面に巻締め固定されたバルブ機構にて実施しているが、従来公知の他のバルブ機構でも実施が可能で、マウンテンカップを用いたインッチカップバルブ機構、金環巻締めにより固定するバルブ機構等での実施が可能である。
【0033】
以下に、粉末エアゾール内容物の具体例を記載する。
(1)制汗剤
タルク                3.0重量%
アルミニウムクロロハイドレート    2.0重量%
イソプロピルミリステート       3.8重量%
ソルビタンセスキオレエート      1.0重量%
香料                 0.2重量%
液化石油ガス(LPG)                90.0重量%
合計               100.0重量%
【0034】
(2)水虫薬
ウンデシリン酸            2.0重量%
タルク                7.9重量%
スクワラン              0.1重量%
液化石油ガス(LPG)                90.0重量%
合計               100.0重量%
【0035】
(3)ボディパウダー
タルク                5.0重量%
イソプロピルミリステート       1.0重量%
トリクロンサン            0.3重量%
香料                 0.1重量%
ソルビタントリオレエート       6.0重量%
液化石油ガス(LPG)                87.6重量%
合計               100.0重量%
【0036】
(4)害虫忌避剤
N,N−ジエチルトルアミド      3.0重量%
n−ペンタン            15.0重量%
ジメチルシロキサン          2.0重量%
タルク                5.0重量%
液化石油ガス(LPG)                75.0重量%
合計               100.0重量%
【0037】
(5)傷薬
タルク               3.00重量%
アラントイン            0.12重量%
塩酸ジブカイン           0.04重量%
酸化亜鉛              1.00重量%
アクリノール            0.10重量%
POEソルビタンモノオレエート   0.20重量%
珪酸(アエロジール)                  0.04重量%
オクチルドデカノール        1.50重量%
スクワラン             3.00重量%
液化石油ガス(LPG)              91.00重量%
合計              100.00重量%
【0038】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したものであるから、本発明の粉末エアゾール用定量噴射装置では、貯留凹部を設ける事で、製品の非使用時にもハウジング内での粉末の一定量の貯留が可能となる。更に、ハウジングに滞留間隔を設ける事により、粉末エアゾール内容物の噴射操作時に、滞留間隔の噴射剤が貯留凹部の粉末をハウジング内に飛散させ、粉末を外部に確実に噴射する事ができる。従って、製品購入後の使用や放置後の再使用の際、その1回目の噴射操作であっても、2回目以降の噴射操作であっても、常に一定量の粉末を含有する粉末エアゾール内容物を外部に噴射する事ができる。そして、粉末エアゾールの定量噴射装置としての商品価値や利便性を向上させる事ができるとともに、粉末の残留が生じず無駄のない使用が可能となり、経済的な製品となる。また、この粉末の均一な噴射手段を、粉末とガスの流通口を設けた仕切壁をハウジング内に配置しただけの単純な構成で形成可能となり、微細な部品や高度な製作精度を必要とせず、製品の生産性が向上するとともに、破損や作動不良の防止効果が高く、耐久性にも優れた製品を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉末エアゾール用定量噴射装置の一実施例の全体断面図。
【図2】図1のハウジング付近の拡大断面図で、粉末エアゾール内容物の噴射前を示す。
【図3】粉末エアゾール内容物の噴射状態を示すハウジング付近の拡大断面図。
【符号の説明】
1 エアゾール容器
3 ステムガスケット
5 ハウジング
6 ステム
8 オリフィス
9 粉末
12 連通口
13 開閉部
16 貯留凹部
17 仕切壁
18 滞留間隔
20 流通口

Claims (1)

  1. エアゾール容器の内部と連通口を介して連通するハウジング内の下端に粉末の貯留凹部を形成し、ハウジング内にステムガスケットを介して挿入したステムを、押圧時にのみハウジング内と外部とをオリフィスを介して連通するとともに、下端に設けた開閉部で連通口を密閉してエアゾール容器の内部とハウジングの内部との連通を遮断するよう構成し、このハウジング内に筒状の仕切壁をハウジングの内周面と一定の滞留間隔を介して固定し、この仕切壁の上端をステムガスケットの内面に押圧するとともに、仕切壁の下端を貯留凹部内に挿入し、この挿入部に粉末とガスとの流通口を形成した事を特徴とする粉末エアゾール用定量噴射装置。
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