JP2004024984A - 動力噴霧機 - Google Patents

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浜 敏一
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Abstract

【課題】ポンプ装置と内燃エンジンとの間のクラッチを遠隔的に操作することのできる動力噴霧機を提供すること。
【解決手段】本発明は、薬液を吸引して吐出するポンプ装置20と、発電機74を有する内燃エンジン24との間に設けられた電磁クラッチ36を有する動力噴霧機10において、クラッチスイッチ50をスイッチオン状態とした時にのみ電磁クラッチ36の断接の制御を行うための信号を送信することのできる携帯可能な送信機44と、送信機からの信号を受けて電磁クラッチの断接制御を行う受信機46とを備えている。また、受信機は、内燃エンジンの始動後に受信体勢とされる。この構成では、エンジン始動と同時に電磁クラッチが繋がることを防止できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば農作物に薬液を噴霧するための動力噴霧機に関し、特に、動力噴霧機における内燃エンジンとポンプ装置との間の動力の伝達及び遮断を遠隔的に操作するための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
除草剤等の薬液の噴霧(散布、噴射等も含む意)作業では、通常、内燃エンジンをポンプ装置の駆動源とした動力噴霧機が用いられる。また、動力噴霧機には、内燃エンジンとポンプ装置が機台フレームに取り付けてなる噴霧機本体を所定の位置に固定し、作業者が噴霧機本体からホースを長く延ばして、ホース先端の噴霧ノズルから薬液を所望の箇所に噴霧する型式のものがある。かかる型式の動力噴霧機においては、噴霧作業中、作業者は動力噴霧機から離れた噴霧地点から、噴霧機本体に戻ることなく、噴霧機本体を遠隔制御できるようにすることが、作業能率上、望ましい。
【0003】
このため、特開平9−57164号公報に記載されているように、内燃エンジンとポンプ装置との間の動力伝達経路中に電磁式等のクラッチを設け、このクラッチを遠隔的に制御する構成が従来から知られている。この構成では、噴霧地点からポンプ装置の駆動及び停止を遠隔的に制御することが可能となり、例えば薬液タンクから薬液が無くなった場合の空運転等を迅速に回避することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されているような従来の遠隔操作式の動力噴霧機は、バッテリからセルモータへの通電を遠隔的に制御して内燃エンジンを始動させる機能も付いているが、内燃エンジンを始動させる前にクラッチを繋ぐことができる。かかる場合、ポンプ装置からの負荷を受け、エンジン始動が困難となり、セルモータ等にも悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ポンプ装置と内燃エンジンとの間の動力伝達経路にクラッチを有する動力噴霧機であって、内燃エンジンの始動時にはクラッチが切れた状態となるものを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、薬液を吸引して吐出するポンプ装置(20)と、ポンプ装置(20)を駆動する内燃エンジン(24)と、内燃エンジン(24)からポンプ装置(20)への動力伝達経路中に設けられたクラッチ(36)とを有する噴霧機本体(12)、及び、ポンプ装置(20)からホース(14)を通して供給される薬液を噴射するノズル(16)を具備する動力噴霧機(10)において、噴霧機本体(12)から分離可能であり、クラッチ(36)の断接の制御を行うための信号をクラッチスイッチ(50)の操作により送信する送信機(44)と、噴霧機本体(12)に設けられ、送信機(44)からの信号を受けてクラッチ(36)の断接制御を行う受信機(46)とを備え、送信機(44)が、クラッチスイッチ(50)のスイッチオン時にのみ前記信号を送信するようになっており、且つ、受信機(46)が、内燃エンジン(24)の始動後に、送信機(44)からの信号を受けてクラッチ(36)の断接制御を可能とするよう構成されていることことを特徴としている。
【0007】
このような構成においては、内燃エンジン(24)が始動しない限り、受信機(46)は受信体勢とならず、また、送信機(44)はクラッチボタン(50)を押しスイッチオンとなっている状態でなければ信号を送信できない。従って、内燃エンジン(24)の始動と同時にクラッチ(36)が繋がってポンプ装置(20)が駆動することを防止できる。
【0008】
また、内燃エンジン(24)の駆動により発電を行う発電機(74)を設けて、受信機(46)には、発電機(74)から電力が供給されるようにするとよい。これにより、受信機(46)は、内燃エンジン(24)が駆動していない状態では給電されず、起動せず、よって受信体勢をとることができない。
【0009】
かかる場合、受信機(46)は、発電機(74)からの電力の供給が開始されてから一定時間経過後に受信体勢をとるようにしてもよい。内燃エンジン(24)が始動してから安定するまでの間に、ポンプ装置(20)が駆動しないようにするためである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係る動力噴霧機を示す斜視図である。この動力噴霧機10は、噴霧機本体12と、この噴霧機本体12から延びるホース14と、ホース14の先端に接続され作業者により操作される噴霧ノズル16とから構成されている。噴霧機本体12は、薬液タンク(図示しない)からの薬液を吸引してホース14に圧送するポンプ装置(好ましくは複数の往復ポンプからなるポンプ装置)20とを備えている。ポンプ装置20の吐出口には調圧装置22が設けられており、作業者は手動で吐出圧力を調整できるようになっている。また、噴霧機本体12は、ポンプ装置20の駆動源である内燃エンジン24を備えている。図2に概略的に示すように、内燃エンジン24の出力軸26からの回転駆動力は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構28を介してポンプ装置20のクランク軸30に伝達される。なお、ポンプ装置20、内燃エンジン24及びベルト伝動機構28は、車輪付きの機台フレーム32に設置されている。
【0012】
ポンプ装置20のクランク軸30とベルト伝動機構28のプーリ34との間の動力伝達経路にはクラッチ36、好ましくは電磁クラッチ36が介設されている。電磁クラッチ36は周知のものを使用することができ、電磁クラッチ36内のソレノイド(図示しない)への通電を制御することで、プーリ34からクランク軸30への動力の伝達・遮断を制御することが可能となっている。本実施形態における電磁クラッチ36は常断型であり、ソレノイドに通電することで動力をプーリ34からクランク軸30に伝えることができる。
【0013】
また、ホース14は機台フレーム32に回転可能に取り付けられたホースリール38に巻き取られるようになっている。このホースリール38は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構40を介して内燃エンジン24からの駆動力が伝えられ、その駆動力によってホース14をホースリール38に巻き取ることが可能となっている。ホースリール38と内燃エンジン24との間の動力伝達経路中にはクラッチ42、好ましくは電磁クラッチ42が介設されている。この電磁クラッチ42も前記の電磁クラッチ36と同様な周知の常断型であり、そのソレノイド(図示しない)に通電することで繋がり、ホースリール38をホース巻取り方向に回転駆動することが可能となっている。
【0014】
本実施形態においては、内燃エンジン24とポンプ装置20との間の電磁クラッチ36の断接、及び、内燃エンジン24とホースリール38との間の電磁クラッチ42の断接を遠隔操作により行うこととしている。このために、動力噴霧機10は、噴霧機本体12から分離可能であり且つ作業者が携帯可能である送信機44と、噴霧機本体12に取り付けられ、送信機44からの信号を受ける受信機46とを備えている。
【0015】
図3は送信機44の概略的な構成を示している。この送信機44は、電源スイッチ48と、各電磁クラッチ36,42の断接の指示を入力するためのクラッチスイッチ50,52とを有している。これらのスイッチ48,50,52は、押している間だけ接点間が閉じる(スイッチオン状態となる)タイプのものである。また、これらのスイッチ48,50,52のオン・オフの信号は、中央演算処理部、記憶部及び入出力部を有するマイクロコンピュータから主として構成されている制御部54に入力される。そして、制御部54は、クラッチスイッチ50,52からの入力信号に応じて送信部56を制御するようになっている。送信部56は、制御部54から制御信号を受けると、その信号で任意の周波数の搬送波を変調した電波信号として内蔵アンテナ58から発信させる。更に、送信機44は、押されたスイッチ48,50,52によって発光色が変化するインジケータランプ60を有している。このインジケータランプ60も制御部54によって制御される。制御部54及び送信部56には、乾電池やコイン電池が収容される電源部62から電力が供給される。
【0016】
受信機46は噴霧機本体12の機台フレーム32の適所に取り付けられ、特に、送信機44からの電波信号を受信するアンテナ64は受信感度が良好となる位置に取り付けられる。図2に概略的に示すように、受信機46は、アンテナ64で受信された電波信号のうち送信機44から発せられた電波信号を選別し出力する受信部66を備えている。また、受信機46は、マイクロコンピュータから主として構成される制御部68を有している。受信機46は更に、電磁クラッチ36,42のソレノイドへの電力の供給・停止を行うリレー70,72を有している。これらのリレー70,72のソレノイドは、制御部68により通電制御される。
【0017】
受信部66、制御部68及びリレー70,72のソレノイドは、内燃エンジン24に設けられている発電機74からの電力が供給されるようになっている。電源部76,78は電圧を調整する回路である。また、リレー70,72の一端は内燃エンジン24の発電機74の出力端子(プラス端子)に接続され、他端は電磁クラッチ36,42のソレノイドに接続されている。
【0018】
次に、以上のような構成の動力噴霧機10の作用について、特にポンプ装置20を駆動する場合について、図4及び図5のフローチャートも参照して説明する。これらのフローチャートはそれぞれ送信機44の制御部54及び受信機46の制御部68での制御フローの一例である。
【0019】
まず、噴霧作業を開始する場合、作業者は内燃エンジン24の始動装置の始動ロープ(図示しない)を引き、内燃エンジン24を始動する。そして、ポンプ装置20に接続されている調圧装置22を調整して所望の吐出圧力に設定する。この状態においては、常断型の電磁クラッチ36は断状態であり、ポンプ装置20には動力が伝達されておらず、薬液が噴霧ノズル16に送られることはない。また、常断型の電磁クラッチ42も断状態にあるので、ホースリール38を、ホース引出し方向に自由に回転させることができる。
【0020】
内燃エンジン24が始動すると、発電機74が発電を開始し、電力を受信機46に供給して受信機46が初期化等して動作可能な状態となり(ステップ200,202)、受信体勢、すなわち送信機44からの電波信号の待ち受け状態となるが(ステップ206)、本実施形態では、信号待ち受け状態となるのは、受信機46への給電開始から一定の待機時間の経過後とする(ステップ204)。従って、内燃エンジン24の始動前、そして内燃エンジン24の始動直後の一定の待機時間中に送信機44が操作されても、受信機46により制御される電磁クラッチ36が動作することはなく、内燃エンジン24の始動と同時にポンプ装置20が駆動することはあり得ない。このため、内燃エンジン24は始動時にはポンプ装置20から負荷を受けることがなく、エンジン始動が容易となり、また負荷による内燃エンジン等への影響を防止することができる。
【0021】
次に、作業者はホース14をホースリール38から引き出して、噴霧ノズル16を所望の噴霧地点に配置する。この際、送信機44を操作していなければ、ポンプ装置20は未だ駆動されていない状態にあるので、誤って噴霧ノズル16のコックを操作しても無駄に薬液を散布することがない。
【0022】
噴霧ノズル16を所望の噴霧地点に配置したならば、作業者は、携帯している送信機44の電源スイッチ48を押す。送信機44の制御部54では、電源スイッチ48が適正に押されると(スイッチオンとなると)、送信機44を初期化や電圧上昇等して動作可能な状態とし(ステップ100,102)、インジケータランプ60を赤色で点灯する(ステップ104)。インジケータランプ60が点灯しなかった場合、電源スイッチ48が適正に押されなかったとし、作業者は再度、電源スイッチ48を押す。
【0023】
インジケータランプ60が点灯したならば、電源スイッチ48から指を離し、続いて薬液の噴霧を開始すべくクラッチスイッチ50を押すと、送信機44の制御部54はクラッチスイッチ50がオンとなったことを検知し、インジケータランプ60の発光色を赤色から橙色に切り換える(ステップ106,108,112,114)。この時、インジケータランプ60が赤色のままの場合には、作業者はクラッチスイッチ50が適正に押されなかったことを認知でき、再度、クラッチスイッチ50を押すことになる。なお、電源スイッチ48から指を離した後、クラッチスイッチ50を押さずに、再度、電源スイッチ48を押すと、送信機44の電源が切れる(ステップ106,108,110)
クラッチスイッチ50が適正に押されたならば、送信機44の制御部54は送信部56に制御信号を送り、送信部56のアンテナ58から、電磁クラッチ36を接続するための電波信号(クラッチ接続信号)を噴霧機本体12の受信機46のアンテナ64に送信させる(ステップ116)。このクラッチ接続信号は、クラッチスイッチ50を押してスイッチオン状態となっている時に限り、送信される(ステップ116〜122)。
【0024】
受信機46のアンテナ64が送信機44からのクラッチ接続信号を受信すると、受信部66で他の電波から選別されたのち、当該クラッチ接続信号に相当する受信信号を受信機46の制御部68に入力する。制御部68は、この受信信号が入力されると、リレー70のソレノイドに電源部76から電力を供給する(ステップ206,208)。その結果、リレー70の接点が閉じてオン状態となり、内燃エンジン24の発電機74で発生された電力がリレー70を介して電磁クラッチ36のソレノイドに供給される。これにより、電磁クラッチ36が接続し、内燃エンジン24の回転駆動力がベルト伝動機構28からポンプ装置20のクランク軸30に伝えられる。クランク軸30が回転すると、ポンプ装置20は薬液タンク内の薬液を吸引し、吐出口から調圧装置22で設定された圧力で薬液をホース14、そして噴霧ノズル16に供給し、噴霧作業が可能となる。
【0025】
受信機46が送信機44からクラッチ接続信号を一度受信し、電磁クラッチ36が繋がると、受信機46の制御部68は、受信機46が電磁クラッチ36を切るための電波信号を受信するか、内燃エンジン24が停止しない限り、リレー70のソレノイドへの通電を続け、よってポンプ装置20の駆動は継続し、作業者は所望の噴霧作業を行うことができる。
【0026】
なお、電磁クラッチ36を繋ぐべくクラッチスイッチ50を押している途中で、或いは、クラッチスイッチ50から指を離した後、送信機44の電源スイッチ48を押して送信機44の動作を終了してもよい(ステップ118,110)。この場合、送信機44の無用な電力消費を防止することができる。
【0027】
噴霧作業を終了するために電磁クラッチ36を切る場合には、作業者は送信機44のインジケータランプ60が橙色であることを確認した後、クラッチスイッチ50を押す。これにより、制御部54はインジケータランプ60の発光色を赤色に切り換えると共に、送信部56を制御して、アンテナ58から、電磁クラッチ36を切るための電波信号(クラッチ切断信号)を送信させる(ステップ108,112,124,126)。このクラッチ切断信号も、クラッチスイッチ50がオン状態の場合にのみ送信される(ステップ126〜132)。
【0028】
なお、前述したように電源スイッチ48を押し(ステップ118)、送信機44がオフ状態となってインジケータランプ60が消灯されている場合には、インジケータランプ60が橙色となるよう電源スイッチ48及びクラッチスイッチ50を押した後、前記操作を行う。
【0029】
受信機46では、送信機44からのクラッチ切断信号を受信すると、リレー70への通電を停止する(ステップ210,212)。これにより、電磁クラッチ36が切断状態となり、内燃エンジン24からポンプ装置20への動力伝達が遮断され、ポンプ装置20が停止する。
【0030】
電磁クラッチ36が切れ、ポンプ装置20が停止したならば、作業者は送信機44の電源スイッチ48を押し、送信機44の電源を切る(ステップ110)。また、電磁クラッチ36を切断すべくクラッチスイッチ50を押している途中で、送信機44の電源スイッチ48を押して送信機44の動作を終了してもよい(ステップ128)。
【0031】
そして、必要に応じて、内燃エンジン24を停止するのであるが、内燃エンジン24が止まると、発電機74から受信機46への給電も停止するので、受信機46は動作不能状態となり、送信機44から電波信号が発せられても無効となる(ステップ214)。
【0032】
以上述べたように、本実施形態では、送信機44のインジケータランプ60が橙色となっている場合には、ポンプ装置20は駆動しており、橙色から赤色に切り換わった場合にはポンプ装置20は停止しているので、インジケータランプ60の色で作業者から離れた位置の噴霧機本体12の状態を知ることができ、誤操作、誤作業の防止となる。
【0033】
また、電磁クラッチ36の遠隔操作によりポンプ装置20の駆動・停止を確実に且つ素早く行うことができる。従って、例えば噴霧中に薬液タンク内の薬液が無くなった場合でも、作業者は噴霧地点から送信機44を操作することで、ポンプ装置20の空運転を迅速に停止することができ、動力噴霧機10の構成部品への悪影響を防止することができる。
【0034】
図4及び図5のフローチャートには示していないが、ホース巻取り用のクラッチスイッチ52を押すと、インジケータランプ60は緑色に点灯し、送信機44からは電磁クラッチ42を接続するためのクラッチ接続信号が受信機46に発せられる。これによって、電磁クラッチ42が接続されて、内燃エンジン24からホースリール38に動力が伝達され、ホースリール38にホース14が巻き取られる。この場合、クラッチスイッチ52を押し続けている場合に、電磁クラッチ42が繋がり、クラッチスイッチ52から指を離すと、電磁クラッチ42が切断されてホースリール38の巻取り方向への回転が停止されるようにすることが好ましい。また、このホース巻取り操作は、ポンプ装置20に係る電磁クラッチ36の断接操作とは無関係に行えるようにすることが好ましい。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0036】
例えば、上記実施形態における送信機44及び受信機46の制御部54,68の制御フローは一例であって、種々の変更が可能である。その一つとして、受信機46の制御において、エンジン始動直後から一定の待ち時間(ステップ204)を設けずとも、送信機44のクラッチスイッチ50が押された時にのみクラッチ接続信号が発せられるので、内燃エンジン24の始動前からクラッチスイッチ50を作業者が意識的に押し続けていない限り、内燃エンジン24の始動と同時に電磁クラッチ36が接続することはない。
【0037】
また、上記実施形態では、電磁クラッチ36を用いて内燃エンジン24とポンプ装置20との間の動力の伝達・遮断を行っているが、ソレノイドを有しないいわゆる機械式のクラッチを用いることもできる。機械式クラッチを用いた場合、クラッチの可動部を駆動するための駆動手段を設け、その駆動手段を遠隔操作することとなる。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、動力噴霧機におけるポンプ装置と駆動源である内燃エンジンとの間の動力伝達の断接を遠隔的に操作することができるので、所望の場合に迅速に噴霧を開始し或いは停止することができ、作業性や経済性に優れる。
【0039】
また、本発明によれば、内燃エンジンの始動と同時にポンプ装置が駆動することを防止できる。従って、エンジン始動時に、内燃エンジンにはポンプ装置からの負荷はかからず、エンジン始動を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動力噴霧機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の動力噴霧機におれる噴霧機本体の構成と送信機とを概略的に示す説明図である。
【図3】図2の送信機の構成を概略的に示す説明図である。
【図4】図2の送信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【図5】図2の受信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…動力噴霧機、12…噴霧機本体、14…ホース、16…噴霧ノズル、20…ポンプ装置、24…内燃エンジン、28…ベルト伝動機構、36…電磁クラッチ、38…ホースリール、42…電磁クラッチ、44…送信機、46…受信機、48…電源スイッチ、50,52…クラッチスイッチ、54…制御部、56…送信部、58…アンテナ、60…インジケータランプ、64…アンテナ、66…受信部、68…制御部、70,72…リレー、74…発電機。

Claims (3)

  1. 薬液を吸引して吐出するポンプ装置(20)と、前記ポンプ装置(20)を駆動する内燃エンジン(24)と、前記内燃エンジン(24)から前記ポンプ装置(20)への動力伝達経路中に設けられたクラッチ(36)とを有する噴霧機本体(12)、及び、前記ポンプ装置(20)からホース(14)を通して供給される薬液を噴射するノズル(16)を具備する動力噴霧機(10)において、
    前記噴霧機本体(12)から分離可能であり、前記クラッチ(36)の断接の制御を行うための信号をクラッチスイッチ(50)の操作により送信する送信機(44)と、
    前記噴霧機本体(12)に設けられ、前記送信機(44)からの信号を受けて前記クラッチ(36)の断接制御を行う受信機(46)と
    を備え、
    前記送信機(44)は、前記クラッチスイッチ(50)のスイッチオン時にのみ前記信号を送信し、
    前記受信機(46)は、前記内燃エンジン(24)の始動後に、前記送信機(44)からの信号を受けて前記クラッチ(36)の断接制御を可能とするよう構成されていることことを特徴とする動力噴霧機。
  2. 前記内燃エンジン(24)の駆動により発電を行う発電機(74)を備え、
    前記受信機(46)は、前記発電機(74)から電力が供給されるようになっていることを特徴とする動力噴霧機。
  3. 前記受信機(46)が、前記発電機(74)からの電力の供給が開始されてから一定時間経過後に、前記送信機(44)からの信号を受けて前記クラッチ(36)の断接制御を可能とするよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の動力噴霧機。
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