JP2004008997A - 動力噴霧機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホースリール等の付属機器を遠隔操作するための送信機を用いて、内燃エンジンを遠隔的に停止させることのできる動力噴霧機を提供すること。
【解決手段】本発明は、薬液タンクからの薬液を吸引しホース14を経て噴霧ノズル16から噴霧させるポンプ装置18と、ホース14を巻き取るためのホースリール32とを具備する動力噴霧機10において、内燃エンジン22を停止するためのエンジン停止ユニット70を設け、ホースリール遠隔操作用の送信機38の電源スイッチ42に、エンジン停止ユニットを遠隔的に操作する機能を付与したことを特徴とする。この構成では、エンジン停止用スイッチを送信機に別個に設ける必要がない。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、薬液タンクからの薬液を吸引しホース14を経て噴霧ノズル16から噴霧させるポンプ装置18と、ホース14を巻き取るためのホースリール32とを具備する動力噴霧機10において、内燃エンジン22を停止するためのエンジン停止ユニット70を設け、ホースリール遠隔操作用の送信機38の電源スイッチ42に、エンジン停止ユニットを遠隔的に操作する機能を付与したことを特徴とする。この構成では、エンジン停止用スイッチを送信機に別個に設ける必要がない。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば農作物に薬液を噴霧するための動力噴霧機に関し、特に遠隔操作可能な付属機器、例えばホース巻取り用のホースリール等を備える動力噴霧機に関する。
【0002】
【従来の技術】
除草剤等の薬液の噴霧(散布、噴射等も含む意)作業では、通常、内燃エンジンをポンプ装置の駆動源とした動力噴霧機が用いられる。また、動力噴霧機には、内燃エンジン及びポンプ装置を備える噴霧機本体を所定の位置に固定し、作業者が噴霧機本体のホースリールからホースを長く延ばして、ホース先端の噴霧ノズルから薬液を所望の箇所に噴霧する型式のものがある。
【0003】
このような型式の動力噴霧機にあっては、作業効率の向上という観点から、作業者が動力噴霧機から離れた地点から、噴霧機本体に戻ることなく、ホースリールを遠隔操作してホースの巻取りを行えるようにしたものが開発されている。また、高級な機種では、ホースリールの他にも遠隔操作可能な付属機器を更に備えたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の動力噴霧機は、付属機器の遠隔操作が可能であっても、内燃エンジンを遠隔操作により停止する機能を有していないのが一般的であった。そのため、作業者が噴霧機本体から離れた位置にいる場合、例え緊急時であっても、噴霧機本体まで戻って内燃エンジンを止めなければならなかった。
【0005】
かかる問題に対しては、内燃エンジンの遠隔制御を可能とした動力噴霧機も考えられており、その構成では、送信機にエンジン停止用の操作スイッチを別途に設けることとしている。しかし、送信機には、ホースリール等の付属機器用の操作スイッチと電源スイッチがあるため、エンジン停止用の操作スイッチが設けられると、操作を間違いやすく、送信機自体が大型化するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、前記従来の問題点を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、薬液タンクからの薬液を吸引して吐出するポンプ装置(18)と、このポンプ装置(18)を駆動する内燃エンジン(22)と、ホースリール等の付属機器(32)とを有する噴霧機本体(12)、及び、ポンプ装置(18)からホース(14)を通して供給される薬液を噴射するノズル(16)を具備する動力噴霧機(10)において、内燃エンジン(22)を停止するためのエンジン停止ユニット(70)と、噴霧機本体(12)から分離可能となっており、付属機器(32)及びエンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信する送信機(38)と、噴霧機本体(12)に設けられ、送信機(38)からの信号を受けて付属機器(32)及びエンジン停止ユニット(70)の制御を行う受信機(40)とを備え、送信機(38)が電源スイッチ(42)を有しており、電源スイッチ(42)が、エンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信して内燃エンジン(22)を停止するためのスイッチとして機能するようになっていることを特徴としている。
【0008】
このような構成においては、送信機(38)の電源スイッチ(42)に、内燃エンジン(22)の停止のための信号を発するための機能を持たせたので、送信機(38)からのエンジン停止の遠隔操作が可能であることはもとより、送信機(38)におけるスイッチ類の増加、誤操作を防止することができる。
【0009】
また、エンジン停止信号は電源スイッチ(42)の押し方により適宜送信させることができるが、例えば、電源スイッチ(42)を所定時間以上、継続的に押した場合に、当該送信機(38)の電源を切ると共に、エンジン停止信号を発するようにすることが簡便である。
【0010】
更に、送信機(38)は、電源スイッチ(42)が前記所定時間よりも短い時間押された場合には、付属機器(32)の動作を停止するための信号を送信すると共に、当該送信機(38)の電源を切るようになっていることが好ましい。これにより、送信機(38)の電源を切る場合には、付属機器(32)を確実に停止させることになり、誤操作の防止に繋がる。
【0011】
付属機器としては、内燃エンジン(22)からの動力を受けてホースを巻き取るホースリール(32)が代表的なものである。かかる場合、内燃エンジン(22)からホースリール(32)への動力伝達経路中にクラッチ(36)を設け、受信機(40)はこのクラッチ(36)を制御してホースリール(32)の駆動を制御するようにすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
HYPERLINK ”http://www8.ipdl.jpo.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=235&N0500=9E#N/;?6?:8>9;///&N0001=14&N0552=9&N0553=000003” ¥t ”tjitemdrw”図1は本発明の一実施形態に係る動力噴霧機を示す斜視図である。この動力噴霧機10は、噴霧機本体12と、この噴霧機本体12から延びるホース14と、ホース14の先端に接続され作業者により操作される噴霧ノズル16とから構成されている。
【0014】
噴霧機本体12は、薬液タンク(図示しない)からの薬液を吸引してホース14に圧送するポンプ装置(好ましくは複数の往復ポンプからなるポンプ装置)18とを備えている。ポンプ装置18の吐出口には調圧装置20が設けられており、作業者は手動で吐出圧力を調整できるようになっている。また、噴霧機本体12は、ポンプ装置18の駆動源である内燃エンジン22を備えている。図2に概略的に示すように、内燃エンジン22の出力軸24からの回転駆動力は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構26を介してポンプ装置18のクランク軸28に伝達される。なお、ポンプ装置18、内燃エンジン22及びベルト伝動機構26は、車輪付きの機台フレーム30に設置されている。
【0015】
動力噴霧機10の噴霧機本体12は更に、機台フレーム30に回転可能に取り付けられたホースリール32を備えている。このホースリール32は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構34を介して内燃エンジン22からの駆動力が伝えられ、その駆動力によってホース14をホースリール32に巻き取ることが可能となっている。
【0016】
内燃エンジン22とホースリール32との間の動力伝達経路には、クラッチ、好ましくは電磁クラッチ36が介設されている。この電磁クラッチ36は周知のものを使用することができ、電磁クラッチ36内のソレノイド(図示しない)への通電を制御することで、動力の伝達・遮断を制御することが可能となっている。本実施形態における電磁クラッチ36は常断型であり、ソレノイドに通電することで、動力を内燃エンジン22からホースリール32に伝えることができ、ホースリール32をホース巻取り方向に回転駆動することができる。
【0017】
本実施形態においては、内燃エンジン22とホースリール32との間の電磁クラッチ36の断接、すなわちホースリール32の駆動と停止を遠隔操作により行うこととしている。このために、動力噴霧機10は、噴霧機本体12から分離可能であり且つ作業者が携帯可能である送信機38と、噴霧機本体12に取り付けられ、送信機38からの電波信号を受ける受信機40とを備えている。
【0018】
図3は送信機38の概略的な構成を示している。この送信機38は、電源スイッチ42と、電磁クラッチ36の断接の指示を入力してホースリール32を操作するためのホース巻取り用の操作スイッチ44とを有している。これらのスイッチ42,44は、押している間だけ接点間が閉じる(オン状態となる)タイプのものである。また、これらのスイッチ42,44のオン・オフ信号は、中央演算処理部、記憶部及び入出力部を有するマイクロコンピュータから主として構成されている制御部46に入力される。そして、制御部46は、スイッチ42,44からの入力信号に応じて送信部48を制御するようになっている。送信部48は、制御部46から制御信号を受けると、その信号で任意の周波数の搬送波を変調した電波信号として内蔵アンテナ50から発信させる。更に、送信機38は、押されたスイッチ42,44によって発光色が変化するインジケータランプ52を有している。このインジケータランプ52も制御部46によって制御される。制御部46及び送信部48には、乾電池やコイン電池が収容される電源部54から電力が供給される。
【0019】
受信機40は噴霧機本体12の機台フレーム30の適所に取り付けられ、特に、送信機38からの電波信号を受信するアンテナ56は受信感度が良好となる位置に取り付けられる。図2に概略的に示すように、受信機40は、アンテナ56で受信された電波信号のうち送信機38から発せられた電波信号を選別し出力する受信部58を備えている。また、受信機40は、マイクロコンピュータから主として構成される制御部60を有している。受信機40は更に、電磁クラッチ36のソレノイドへの電力の供給・停止を行うリレー62を有している。これらのリレー62のソレノイドは、制御部60により通電制御される。
【0020】
受信部58、制御部60及びリレー62のソレノイドは、内燃エンジン22に設けられている発電機64からの電力が供給されるようになっている。電源部66,68は電圧を調整する回路である。また、リレー62の一端は内燃エンジン22の発電機64の出力端子(プラス端子)に接続され、他端は電磁クラッチ36のソレノイドに接続されている。
【0021】
更に、本実施形態においては、内燃エンジン22を遠隔的に停止させるための手段も備えている。すなわち、内燃エンジン22にはエンジン停止ユニット70が設けられており、これを送信機38及び受信機40にて遠隔的に操作することができるようになっている。
【0022】
エンジン停止ユニット70としては種々の型式が考えられるが、例えば内燃エンジン22における点火装置(図示しない)の一次コイルの一端を一定時間グランドに落とすことで、点火プラグ(図示しない)を強制的に点火できなくするものを用いることができる。このエンジン停止ユニット70は、受信機40に設けられたリレー72がスイッチとなっている。リレー72は、電磁クラッチ36用のリレー62と同様、そのソレノイドが制御部60により通電制御され、リレー72をオンとすると、エンジン停止ユニット70が起動して内燃エンジン22を停止することができる。受信機40の制御部60は送信機38からの電波信号を受けてリレー72を制御するが、送信機38はエンジン停止用の操作スイッチは有しておらず、電源スイッチ42にその機能を持たせている。これについては後述する。なお、図2において、符号74はエンジン停止スイッチであり、手動により内燃エンジン22を停止するために従来から備えられているものである。
【0023】
次に、以上のような構成の動力噴霧機10の作用について、図4及び図5のフローチャートも参照して説明する。これらのフローチャートはそれぞれ送信機38の制御部46及び受信機40の制御部60での制御フローの一例である。
【0024】
まず、作業を開始する場合、作業者は内燃エンジン22の始動装置の始動ロープ(図示しない)を引き、内燃エンジン22を始動する。そして、ポンプ装置18に接続されている調圧装置20を調整して所望の吐出圧力に設定する。
【0025】
内燃エンジン22が始動すると、発電機64が発電を開始し、電力を受信機40に供給して受信機40が初期化等して動作可能な状態となり(ステップ200,202)、送信機38からの電波信号の待ち受け状態となる(ステップ206)。なお、内燃エンジン22の始動の直後に送信機38からの信号によりホースリール32が巻取り動作することを避けるために、信号待ち受け状態となるのは、受信機46への給電開始から一定の待機時間の経過後とすることが好ましい(ステップ204)。
【0026】
内燃エンジン22が始動したならば、作業者はホース14をホースリール32から引き出して、噴霧ノズル16を所望の噴霧地点に配置する。この際、常断型の電磁クラッチ32は切断されているので、ホースリール32は内燃エンジン22から独立した状態にあり、軽い力でホース14を引き出すことができる。
【0027】
作業者は、噴霧ノズル16を所望の地点に配置したならば、噴霧ノズル16のコックを開けて、ポンプ装置18から送られてくる薬液を噴霧する。この噴霧作業中必要に応じて、或いは、噴霧が終了したならば、作業者は携帯している送信機38を操作してホース14をホースリール32に巻き取らせる。かかる場合、まず、送信機38の電源スイッチ42を押す。送信機38の制御部46では、電源スイッチ42が適正に押されると(スイッチオンとなると)、送信機44を初期化や電圧上昇等して動作可能な状態とし(ステップ100,102)、インジケータランプ52を赤色で点灯する(ステップ104)。インジケータランプ52が点灯しなかった場合、電源スイッチ42が適正に押されなかったとし、作業者は再度、電源スイッチ42を押す。
【0028】
続いて、操作スイッチ44を押すと、送信機38の制御部46は当該スイッチ44がオンとなったことを検知し、インジケータランプ52の発光色を赤色から緑色に切り換える(ステップ106,108,110)。この時、インジケータランプ52が赤色のままの場合には、作業者は操作スイッチ44が適正に押されなかったことを認知でき、再度、操作スイッチ44を押すことになる。
【0029】
操作スイッチ44が押されている間、送信機38の制御部46は送信部48に制御信号を送り、送信部48のアンテナ50から、内燃エンジン22とホースリール32との間の電磁クラッチ36を接続するための電波信号(ホースリール駆動信号)を送信させる。
【0030】
受信機40のアンテナ56が送信機38からのホースリール駆動信号を受信すると、受信部58で他の電波から選別した後、当該ホースリール駆動信号に相当する受信信号を受信機40の制御部60に入力する。制御部60は、この受信信号が入力されると、リレー62のソレノイドに電源部66から電力を供給する(ステップ206)。その結果、リレー62の接点が閉じてオン状態となり、内燃エンジン22の発電機64で発生された電力がリレー62を介して電磁クラッチ36のソレノイドに供給される。これにより、電磁クラッチ36が接続し、内燃エンジン22の回転駆動力がベルト伝動機構34からホースリール32に伝えられる。ホースリール32はホース巻取り方向に回転するため、ホース14はホースリール32上に巻き取られていく。
【0031】
ホース14がホースリール32上に所望量、巻き取られたならば、作業者は送信機38の操作スイッチ44から指を放す。これにより、送信機38の制御部46には操作スイッチ44からオフ信号が入力される(ステップ116)。制御部46は、スイッチ44のオフ信号を受けると、送信部48からホースリール停止信号を送信させる(ステップ116,118)。そして、インジケータランプ52を赤色に戻し、次の操作の待ち受け状態となる(ステップ120,106,108)。
【0032】
送信機38からホースリール停止信号が送信されると、受信機40の制御部60は受信部58からの信号によりその状態を認識し、リレー62への通電を停止する(ステップ210,212)。これにより、電磁クラッチ36が切断状態となり、内燃エンジン22からホースリール32への動力伝達が遮断され、ホースリール32の回転が停止しホース巻取りが終了する。
【0033】
次に、送信機38の電源を切る場合について説明する。なお、本実施形態では、電源を切った場合も、電源部54から制御部46及び送信部48への通電が完全に停止するのではなく、電源スイッチ42の操作を可能とするために、制御部46には微小電流が流されている。
【0034】
送信機38の電源を切る場合には、電源スイッチ42を押す(ステップ106)。この場合、電源スイッチ42を押している時間が所定時間よりも短いと(本実施形態では2秒未満)、電源オフとはならない(ステップ122)。
【0035】
電源スイッチ42を2秒以上継続的に押した場合には、送信機38の制御部46はインジケータランプ52を消灯させると共に、送信部48を制御して、電磁クラッチ36を切断してホースリール32の駆動を停止するためのホースリール停止信号を所定時間、例えば1.5秒、送信させる(ステップ124,126)。受信機40は送信機38からのホースリール停止信号を受信すると、その制御部60はリレー62への通電を停止し、電磁クラッチ36を切断する。このような工程を入れるのは、送信機38の電源を切る場合には、ホース14の巻取りが必ず終了していることを確保するためである。
【0036】
作業者は、インジケータランプ52が消灯したことを視認したならば、電源スイッチ42から指を放す。これにより、送信機38の電源が切られる(ステップ132)。
【0037】
ここで、インジケータランプ52の消灯時から比較的短い所定時間(本実施形態では1.6秒であり、電源スイッチ42を押し初めてから約3.6秒)が経過する前に電源スイッチ42をオフ状態とすると、そのまま電源のみが切られる(ステップ128,132)。
【0038】
一方、電源スイッチ42を、押し初めてから継続的に3.6秒以上、押し続けると、送信機38の制御部46は、エンジン停止ユニット70を起動するための電波信号(エンジン停止信号)を発するよう送信部48を制御する(ステップ128,130)。受信機40の制御部60は、エンジン停止信号を受けると、リレー72をオン状態とする(ステップ214,216)。これにより、エンジン停止ユニット70が起動され、内燃エンジン22における点火装置の一次コイルの一端が一定時間だけグランドに落とされる。その結果、点火プラグは点火することができなくなり、内燃エンジン22は停止する。内燃エンジン22が停止すると、受信機40への給電も停止するので、リレー72はオフとなり、受信機40自体が初期状態に戻る。送信機38では、エンジン停止信号を送信した後、電源が切られる(ステップ130,132)。
【0039】
このように、送信機38の電源スイッチ42にエンジン停止用の操作スイッチの機能を持たせたので、送信機38を小型、軽量、安価に維持することができる。また、ホース巻取りの作業を終了した後に、送信機38の電源スイッチ42を押すという行為で、内燃エンジン22も連続して停止させることができるので、無駄な運転が少なくなり、使用燃料の軽減や大気汚染防止にも寄与する。
【0040】
なお、上記のエンジン停止ルーチン(ステップ106,122〜132)と同様なルーチンを、ステップ112とステップ116との間に置いてもよい。これは、例えば送信機38の操作スイッチ44が万が一故障して制御フローがストップした場合等に、電磁クラッチ36を強制的に切断して内燃エンジン22を停止することができるので有効である。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0042】
例えば、上記実施形態において、送信機38はホースリール32を遠隔操作するためのものであるが、その他の付属機器を遠隔操作するための送信機38にも本発明は適用可能である。その他の付属機器としては、ポンプ装置18と内燃エンジン22との間の動力伝達経路中に配置される電磁クラッチ80が考えられるが、これを遠隔操作する操作スイッチを有している送信機(ホース巻取り用操作スイッチを含むものでもよい)であっても、電源スイッチ42に上記のエンジン停止機能を持たせることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、動力噴霧機におけるホースリール等の付属機器を遠隔操作するための送信機を用いて、所望の場合に噴霧機本体から離れた地点から、内燃エンジンを遠隔的に停止させることができるので、作業性や経済性に優れる。
【0044】
また、送信機の電源スイッチにエンジン停止のスイッチ機能を持たせているので、送信機にスイッチ類が増えることはなく、送信機を小型、軽量、安価に作ることが可能となる。スイッチ類が少なくなることで、誤操作を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動力噴霧機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の動力噴霧機における噴霧機本体の構成と送信機とを概略的に示す説明図である。
【図3】図2の送信機の構成を概略的に示す説明図である。
【図4】図2の送信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【図5】図2の受信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…動力噴霧機、12…噴霧機本体、14…ホース、16…噴霧ノズル、18…ポンプ装置、22…内燃エンジン、32…ホースリール、34…ベルト伝動機構、36…電磁クラッチ、38…送信機、40…受信機、42…電源スイッチ、44…操作スイッチ、46…制御部、48…送信部、50…アンテナ、52…インジケータランプ、56…アンテナ、58…受信部、60…制御部、62…リレー、64…発電機、70…エンジン停止ユニット、72…リレー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば農作物に薬液を噴霧するための動力噴霧機に関し、特に遠隔操作可能な付属機器、例えばホース巻取り用のホースリール等を備える動力噴霧機に関する。
【0002】
【従来の技術】
除草剤等の薬液の噴霧(散布、噴射等も含む意)作業では、通常、内燃エンジンをポンプ装置の駆動源とした動力噴霧機が用いられる。また、動力噴霧機には、内燃エンジン及びポンプ装置を備える噴霧機本体を所定の位置に固定し、作業者が噴霧機本体のホースリールからホースを長く延ばして、ホース先端の噴霧ノズルから薬液を所望の箇所に噴霧する型式のものがある。
【0003】
このような型式の動力噴霧機にあっては、作業効率の向上という観点から、作業者が動力噴霧機から離れた地点から、噴霧機本体に戻ることなく、ホースリールを遠隔操作してホースの巻取りを行えるようにしたものが開発されている。また、高級な機種では、ホースリールの他にも遠隔操作可能な付属機器を更に備えたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の動力噴霧機は、付属機器の遠隔操作が可能であっても、内燃エンジンを遠隔操作により停止する機能を有していないのが一般的であった。そのため、作業者が噴霧機本体から離れた位置にいる場合、例え緊急時であっても、噴霧機本体まで戻って内燃エンジンを止めなければならなかった。
【0005】
かかる問題に対しては、内燃エンジンの遠隔制御を可能とした動力噴霧機も考えられており、その構成では、送信機にエンジン停止用の操作スイッチを別途に設けることとしている。しかし、送信機には、ホースリール等の付属機器用の操作スイッチと電源スイッチがあるため、エンジン停止用の操作スイッチが設けられると、操作を間違いやすく、送信機自体が大型化するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、前記従来の問題点を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、薬液タンクからの薬液を吸引して吐出するポンプ装置(18)と、このポンプ装置(18)を駆動する内燃エンジン(22)と、ホースリール等の付属機器(32)とを有する噴霧機本体(12)、及び、ポンプ装置(18)からホース(14)を通して供給される薬液を噴射するノズル(16)を具備する動力噴霧機(10)において、内燃エンジン(22)を停止するためのエンジン停止ユニット(70)と、噴霧機本体(12)から分離可能となっており、付属機器(32)及びエンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信する送信機(38)と、噴霧機本体(12)に設けられ、送信機(38)からの信号を受けて付属機器(32)及びエンジン停止ユニット(70)の制御を行う受信機(40)とを備え、送信機(38)が電源スイッチ(42)を有しており、電源スイッチ(42)が、エンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信して内燃エンジン(22)を停止するためのスイッチとして機能するようになっていることを特徴としている。
【0008】
このような構成においては、送信機(38)の電源スイッチ(42)に、内燃エンジン(22)の停止のための信号を発するための機能を持たせたので、送信機(38)からのエンジン停止の遠隔操作が可能であることはもとより、送信機(38)におけるスイッチ類の増加、誤操作を防止することができる。
【0009】
また、エンジン停止信号は電源スイッチ(42)の押し方により適宜送信させることができるが、例えば、電源スイッチ(42)を所定時間以上、継続的に押した場合に、当該送信機(38)の電源を切ると共に、エンジン停止信号を発するようにすることが簡便である。
【0010】
更に、送信機(38)は、電源スイッチ(42)が前記所定時間よりも短い時間押された場合には、付属機器(32)の動作を停止するための信号を送信すると共に、当該送信機(38)の電源を切るようになっていることが好ましい。これにより、送信機(38)の電源を切る場合には、付属機器(32)を確実に停止させることになり、誤操作の防止に繋がる。
【0011】
付属機器としては、内燃エンジン(22)からの動力を受けてホースを巻き取るホースリール(32)が代表的なものである。かかる場合、内燃エンジン(22)からホースリール(32)への動力伝達経路中にクラッチ(36)を設け、受信機(40)はこのクラッチ(36)を制御してホースリール(32)の駆動を制御するようにすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
HYPERLINK ”http://www8.ipdl.jpo.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=235&N0500=9E#N/;?6?:8>9;///&N0001=14&N0552=9&N0553=000003” ¥t ”tjitemdrw”図1は本発明の一実施形態に係る動力噴霧機を示す斜視図である。この動力噴霧機10は、噴霧機本体12と、この噴霧機本体12から延びるホース14と、ホース14の先端に接続され作業者により操作される噴霧ノズル16とから構成されている。
【0014】
噴霧機本体12は、薬液タンク(図示しない)からの薬液を吸引してホース14に圧送するポンプ装置(好ましくは複数の往復ポンプからなるポンプ装置)18とを備えている。ポンプ装置18の吐出口には調圧装置20が設けられており、作業者は手動で吐出圧力を調整できるようになっている。また、噴霧機本体12は、ポンプ装置18の駆動源である内燃エンジン22を備えている。図2に概略的に示すように、内燃エンジン22の出力軸24からの回転駆動力は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構26を介してポンプ装置18のクランク軸28に伝達される。なお、ポンプ装置18、内燃エンジン22及びベルト伝動機構26は、車輪付きの機台フレーム30に設置されている。
【0015】
動力噴霧機10の噴霧機本体12は更に、機台フレーム30に回転可能に取り付けられたホースリール32を備えている。このホースリール32は伝動機構、図示実施形態ではベルト伝動機構34を介して内燃エンジン22からの駆動力が伝えられ、その駆動力によってホース14をホースリール32に巻き取ることが可能となっている。
【0016】
内燃エンジン22とホースリール32との間の動力伝達経路には、クラッチ、好ましくは電磁クラッチ36が介設されている。この電磁クラッチ36は周知のものを使用することができ、電磁クラッチ36内のソレノイド(図示しない)への通電を制御することで、動力の伝達・遮断を制御することが可能となっている。本実施形態における電磁クラッチ36は常断型であり、ソレノイドに通電することで、動力を内燃エンジン22からホースリール32に伝えることができ、ホースリール32をホース巻取り方向に回転駆動することができる。
【0017】
本実施形態においては、内燃エンジン22とホースリール32との間の電磁クラッチ36の断接、すなわちホースリール32の駆動と停止を遠隔操作により行うこととしている。このために、動力噴霧機10は、噴霧機本体12から分離可能であり且つ作業者が携帯可能である送信機38と、噴霧機本体12に取り付けられ、送信機38からの電波信号を受ける受信機40とを備えている。
【0018】
図3は送信機38の概略的な構成を示している。この送信機38は、電源スイッチ42と、電磁クラッチ36の断接の指示を入力してホースリール32を操作するためのホース巻取り用の操作スイッチ44とを有している。これらのスイッチ42,44は、押している間だけ接点間が閉じる(オン状態となる)タイプのものである。また、これらのスイッチ42,44のオン・オフ信号は、中央演算処理部、記憶部及び入出力部を有するマイクロコンピュータから主として構成されている制御部46に入力される。そして、制御部46は、スイッチ42,44からの入力信号に応じて送信部48を制御するようになっている。送信部48は、制御部46から制御信号を受けると、その信号で任意の周波数の搬送波を変調した電波信号として内蔵アンテナ50から発信させる。更に、送信機38は、押されたスイッチ42,44によって発光色が変化するインジケータランプ52を有している。このインジケータランプ52も制御部46によって制御される。制御部46及び送信部48には、乾電池やコイン電池が収容される電源部54から電力が供給される。
【0019】
受信機40は噴霧機本体12の機台フレーム30の適所に取り付けられ、特に、送信機38からの電波信号を受信するアンテナ56は受信感度が良好となる位置に取り付けられる。図2に概略的に示すように、受信機40は、アンテナ56で受信された電波信号のうち送信機38から発せられた電波信号を選別し出力する受信部58を備えている。また、受信機40は、マイクロコンピュータから主として構成される制御部60を有している。受信機40は更に、電磁クラッチ36のソレノイドへの電力の供給・停止を行うリレー62を有している。これらのリレー62のソレノイドは、制御部60により通電制御される。
【0020】
受信部58、制御部60及びリレー62のソレノイドは、内燃エンジン22に設けられている発電機64からの電力が供給されるようになっている。電源部66,68は電圧を調整する回路である。また、リレー62の一端は内燃エンジン22の発電機64の出力端子(プラス端子)に接続され、他端は電磁クラッチ36のソレノイドに接続されている。
【0021】
更に、本実施形態においては、内燃エンジン22を遠隔的に停止させるための手段も備えている。すなわち、内燃エンジン22にはエンジン停止ユニット70が設けられており、これを送信機38及び受信機40にて遠隔的に操作することができるようになっている。
【0022】
エンジン停止ユニット70としては種々の型式が考えられるが、例えば内燃エンジン22における点火装置(図示しない)の一次コイルの一端を一定時間グランドに落とすことで、点火プラグ(図示しない)を強制的に点火できなくするものを用いることができる。このエンジン停止ユニット70は、受信機40に設けられたリレー72がスイッチとなっている。リレー72は、電磁クラッチ36用のリレー62と同様、そのソレノイドが制御部60により通電制御され、リレー72をオンとすると、エンジン停止ユニット70が起動して内燃エンジン22を停止することができる。受信機40の制御部60は送信機38からの電波信号を受けてリレー72を制御するが、送信機38はエンジン停止用の操作スイッチは有しておらず、電源スイッチ42にその機能を持たせている。これについては後述する。なお、図2において、符号74はエンジン停止スイッチであり、手動により内燃エンジン22を停止するために従来から備えられているものである。
【0023】
次に、以上のような構成の動力噴霧機10の作用について、図4及び図5のフローチャートも参照して説明する。これらのフローチャートはそれぞれ送信機38の制御部46及び受信機40の制御部60での制御フローの一例である。
【0024】
まず、作業を開始する場合、作業者は内燃エンジン22の始動装置の始動ロープ(図示しない)を引き、内燃エンジン22を始動する。そして、ポンプ装置18に接続されている調圧装置20を調整して所望の吐出圧力に設定する。
【0025】
内燃エンジン22が始動すると、発電機64が発電を開始し、電力を受信機40に供給して受信機40が初期化等して動作可能な状態となり(ステップ200,202)、送信機38からの電波信号の待ち受け状態となる(ステップ206)。なお、内燃エンジン22の始動の直後に送信機38からの信号によりホースリール32が巻取り動作することを避けるために、信号待ち受け状態となるのは、受信機46への給電開始から一定の待機時間の経過後とすることが好ましい(ステップ204)。
【0026】
内燃エンジン22が始動したならば、作業者はホース14をホースリール32から引き出して、噴霧ノズル16を所望の噴霧地点に配置する。この際、常断型の電磁クラッチ32は切断されているので、ホースリール32は内燃エンジン22から独立した状態にあり、軽い力でホース14を引き出すことができる。
【0027】
作業者は、噴霧ノズル16を所望の地点に配置したならば、噴霧ノズル16のコックを開けて、ポンプ装置18から送られてくる薬液を噴霧する。この噴霧作業中必要に応じて、或いは、噴霧が終了したならば、作業者は携帯している送信機38を操作してホース14をホースリール32に巻き取らせる。かかる場合、まず、送信機38の電源スイッチ42を押す。送信機38の制御部46では、電源スイッチ42が適正に押されると(スイッチオンとなると)、送信機44を初期化や電圧上昇等して動作可能な状態とし(ステップ100,102)、インジケータランプ52を赤色で点灯する(ステップ104)。インジケータランプ52が点灯しなかった場合、電源スイッチ42が適正に押されなかったとし、作業者は再度、電源スイッチ42を押す。
【0028】
続いて、操作スイッチ44を押すと、送信機38の制御部46は当該スイッチ44がオンとなったことを検知し、インジケータランプ52の発光色を赤色から緑色に切り換える(ステップ106,108,110)。この時、インジケータランプ52が赤色のままの場合には、作業者は操作スイッチ44が適正に押されなかったことを認知でき、再度、操作スイッチ44を押すことになる。
【0029】
操作スイッチ44が押されている間、送信機38の制御部46は送信部48に制御信号を送り、送信部48のアンテナ50から、内燃エンジン22とホースリール32との間の電磁クラッチ36を接続するための電波信号(ホースリール駆動信号)を送信させる。
【0030】
受信機40のアンテナ56が送信機38からのホースリール駆動信号を受信すると、受信部58で他の電波から選別した後、当該ホースリール駆動信号に相当する受信信号を受信機40の制御部60に入力する。制御部60は、この受信信号が入力されると、リレー62のソレノイドに電源部66から電力を供給する(ステップ206)。その結果、リレー62の接点が閉じてオン状態となり、内燃エンジン22の発電機64で発生された電力がリレー62を介して電磁クラッチ36のソレノイドに供給される。これにより、電磁クラッチ36が接続し、内燃エンジン22の回転駆動力がベルト伝動機構34からホースリール32に伝えられる。ホースリール32はホース巻取り方向に回転するため、ホース14はホースリール32上に巻き取られていく。
【0031】
ホース14がホースリール32上に所望量、巻き取られたならば、作業者は送信機38の操作スイッチ44から指を放す。これにより、送信機38の制御部46には操作スイッチ44からオフ信号が入力される(ステップ116)。制御部46は、スイッチ44のオフ信号を受けると、送信部48からホースリール停止信号を送信させる(ステップ116,118)。そして、インジケータランプ52を赤色に戻し、次の操作の待ち受け状態となる(ステップ120,106,108)。
【0032】
送信機38からホースリール停止信号が送信されると、受信機40の制御部60は受信部58からの信号によりその状態を認識し、リレー62への通電を停止する(ステップ210,212)。これにより、電磁クラッチ36が切断状態となり、内燃エンジン22からホースリール32への動力伝達が遮断され、ホースリール32の回転が停止しホース巻取りが終了する。
【0033】
次に、送信機38の電源を切る場合について説明する。なお、本実施形態では、電源を切った場合も、電源部54から制御部46及び送信部48への通電が完全に停止するのではなく、電源スイッチ42の操作を可能とするために、制御部46には微小電流が流されている。
【0034】
送信機38の電源を切る場合には、電源スイッチ42を押す(ステップ106)。この場合、電源スイッチ42を押している時間が所定時間よりも短いと(本実施形態では2秒未満)、電源オフとはならない(ステップ122)。
【0035】
電源スイッチ42を2秒以上継続的に押した場合には、送信機38の制御部46はインジケータランプ52を消灯させると共に、送信部48を制御して、電磁クラッチ36を切断してホースリール32の駆動を停止するためのホースリール停止信号を所定時間、例えば1.5秒、送信させる(ステップ124,126)。受信機40は送信機38からのホースリール停止信号を受信すると、その制御部60はリレー62への通電を停止し、電磁クラッチ36を切断する。このような工程を入れるのは、送信機38の電源を切る場合には、ホース14の巻取りが必ず終了していることを確保するためである。
【0036】
作業者は、インジケータランプ52が消灯したことを視認したならば、電源スイッチ42から指を放す。これにより、送信機38の電源が切られる(ステップ132)。
【0037】
ここで、インジケータランプ52の消灯時から比較的短い所定時間(本実施形態では1.6秒であり、電源スイッチ42を押し初めてから約3.6秒)が経過する前に電源スイッチ42をオフ状態とすると、そのまま電源のみが切られる(ステップ128,132)。
【0038】
一方、電源スイッチ42を、押し初めてから継続的に3.6秒以上、押し続けると、送信機38の制御部46は、エンジン停止ユニット70を起動するための電波信号(エンジン停止信号)を発するよう送信部48を制御する(ステップ128,130)。受信機40の制御部60は、エンジン停止信号を受けると、リレー72をオン状態とする(ステップ214,216)。これにより、エンジン停止ユニット70が起動され、内燃エンジン22における点火装置の一次コイルの一端が一定時間だけグランドに落とされる。その結果、点火プラグは点火することができなくなり、内燃エンジン22は停止する。内燃エンジン22が停止すると、受信機40への給電も停止するので、リレー72はオフとなり、受信機40自体が初期状態に戻る。送信機38では、エンジン停止信号を送信した後、電源が切られる(ステップ130,132)。
【0039】
このように、送信機38の電源スイッチ42にエンジン停止用の操作スイッチの機能を持たせたので、送信機38を小型、軽量、安価に維持することができる。また、ホース巻取りの作業を終了した後に、送信機38の電源スイッチ42を押すという行為で、内燃エンジン22も連続して停止させることができるので、無駄な運転が少なくなり、使用燃料の軽減や大気汚染防止にも寄与する。
【0040】
なお、上記のエンジン停止ルーチン(ステップ106,122〜132)と同様なルーチンを、ステップ112とステップ116との間に置いてもよい。これは、例えば送信機38の操作スイッチ44が万が一故障して制御フローがストップした場合等に、電磁クラッチ36を強制的に切断して内燃エンジン22を停止することができるので有効である。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0042】
例えば、上記実施形態において、送信機38はホースリール32を遠隔操作するためのものであるが、その他の付属機器を遠隔操作するための送信機38にも本発明は適用可能である。その他の付属機器としては、ポンプ装置18と内燃エンジン22との間の動力伝達経路中に配置される電磁クラッチ80が考えられるが、これを遠隔操作する操作スイッチを有している送信機(ホース巻取り用操作スイッチを含むものでもよい)であっても、電源スイッチ42に上記のエンジン停止機能を持たせることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、動力噴霧機におけるホースリール等の付属機器を遠隔操作するための送信機を用いて、所望の場合に噴霧機本体から離れた地点から、内燃エンジンを遠隔的に停止させることができるので、作業性や経済性に優れる。
【0044】
また、送信機の電源スイッチにエンジン停止のスイッチ機能を持たせているので、送信機にスイッチ類が増えることはなく、送信機を小型、軽量、安価に作ることが可能となる。スイッチ類が少なくなることで、誤操作を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動力噴霧機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の動力噴霧機における噴霧機本体の構成と送信機とを概略的に示す説明図である。
【図3】図2の送信機の構成を概略的に示す説明図である。
【図4】図2の送信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【図5】図2の受信機における制御部の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…動力噴霧機、12…噴霧機本体、14…ホース、16…噴霧ノズル、18…ポンプ装置、22…内燃エンジン、32…ホースリール、34…ベルト伝動機構、36…電磁クラッチ、38…送信機、40…受信機、42…電源スイッチ、44…操作スイッチ、46…制御部、48…送信部、50…アンテナ、52…インジケータランプ、56…アンテナ、58…受信部、60…制御部、62…リレー、64…発電機、70…エンジン停止ユニット、72…リレー。
Claims (4)
- 薬液タンクからの薬液を吸引して吐出するポンプ装置(18)と、前記ポンプ装置(18)を駆動する内燃エンジン(22)と、付属機器(32)とを有する噴霧機本体(12)、及び、前記ポンプ装置(18)からホース(14)を通して供給される薬液を噴射するノズル(16)を具備する動力噴霧機(10)において、
前記内燃エンジン(22)を停止するためのエンジン停止ユニット(70)と、
前記噴霧機本体(12)から分離可能となっており、前記付属機器(32)及び前記エンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信する送信機(38)と、
前記噴霧機本体(12)に設けられ、前記送信機(38)からの信号を受けて前記付属機器(32)及び前記エンジン停止ユニット(70)の制御を行う受信機(40)と
を備え、
前記送信機(38)が電源スイッチ(42)を有しており、前記電源スイッチ(42)が、前記エンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信して前記内燃エンジン(22)を停止するためのスイッチとして機能するようになっていることを特徴とする動力噴霧機。 - 前記送信機(38)は、前記電源スイッチ(42)が所定時間以上、継続的に押された場合に、当該送信機(38)の電源を切ると共に、前記エンジン停止ユニット(70)を遠隔的に制御するための信号を送信するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の動力噴霧機。
- 前記送信機(38)は、前記電源スイッチ(42)が前記所定時間よりも短い時間押された場合に、前記付属機器(32)の動作を停止するための信号を送信すると共に、当該送信機(38)の電源を切るようになっていることを特徴とする請求項2に記載の動力噴霧機。
- 前記付属機器は、前記内燃エンジン(22)からの動力を受けて前記ホースを巻き取るホースリール(32)であり、
前記受信機(40)は、前記内燃エンジン(22)から前記ホースリール(32)への動力伝達経路中に設けられたクラッチ(36)を制御して前記ホースリール(32)の駆動を制御するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力噴霧機。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007230696A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Tadano Ltd | 遠隔操作式作業機のエンジン停止制御装置 |
JP2013043754A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Tadano Ltd | 作業機 |
JP2014185528A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-10-02 | Toyota Motor Corp | エンジン不停止警告装置 |
CN108669034A (zh) * | 2018-03-21 | 2018-10-19 | 肇庆益晟商贸有限公司 | 一种通过互联网控制的种植喷药装置 |
KR102674193B1 (ko) * | 2023-08-09 | 2024-06-11 | (주)한국레인메이크 | 농약 살포기의 살포압력 리모콘 제어장치 및 제어방법 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168850A patent/JP2004008997A/ja active Pending
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