JP2004024883A - 電気調理盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】清掃しやすい凹凸間隔にて凸部および凹部での加熱機能を高め、油煙少なくさらに美味しく焼けるうえ、調理物の保温にも適したものとする。
【解決手段】調理面3に凹凸面4が設けられた凹凸プレート35が底部の窓36に着脱できるように嵌め合わされた調理盤2を、ヒータ1により下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸プレート35の凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを設けると共に、凹凸プレート35と調理盤2の保温ゾーン18とに温度差を与えることにより、上記の目的を達成する。
【選択図】 図2
【解決手段】調理面3に凹凸面4が設けられた凹凸プレート35が底部の窓36に着脱できるように嵌め合わされた調理盤2を、ヒータ1により下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸プレート35の凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを設けると共に、凹凸プレート35と調理盤2の保温ゾーン18とに温度差を与えることにより、上記の目的を達成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータで調理盤を加熱してその凹凸面にて焼き物調理を行う電気調理盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような電気調理盤は条件設定が簡単でバラツキなく調理できるし、網焼きなどに比べて器具が取り扱いやすく、後始末も簡単なため広く普及している。特に、本出願人は、凹凸面の凸部の高さを従来よりも高くすることにより、焼肉をしているときに凹部に溜まった肉の脂が凸部に載っている肉に及ぶのを防止し、肉が十分に脂切りされた状態で調理盤の凸部から十分な熱を受けて焦げ目がつき美味しく焼き上げられるし、途中向きを変えることによって焦げ目が網目のようにもなる電気調理盤を先に提供している。これによって、平面で調理をする電気調理盤、平面で油落とし孔を持っているが脂切れの悪い電気調理盤などに対しては、もとより、低い凸部を持った電気調理盤よりも肉が美味しく焼き上がるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、網焼きは焼き網の格子部が蓄熱して肉に網通りの焦げ目を付けながら、網目が脂を落とす役目をするのに加え、網目を通じて上がってくる熱気によって焦げ目のない部分を加熱することによって表面の余分な脂を落としながら表面を適度に焼いて旨味を封じ込めるので、美味しく焼き上がる。しかし、網目を通した加熱は余り強いと、肉の表面の大半を過剰に加熱してしまうのでよくなく、炭火のような遠赤外熱源による十分離れたところからの加熱が好適となる。
【0004】
そこで、本発明者等は網焼きの美味しさに近づくべく種々に実験し検討を重ねた。それによると、凹凸面を持った調理面で肉を焼き上げる際、凸部が網焼きの格子同様に肉に焦げ目を付けて焼き上げる。しかし、凸部以外の凹部などはヒータの熱を蓄熱するものの、ヒータと肉との間を徒に遮り、肉との間は空気層を介した輻射加熱構造をなす。つまり、ヒータから肉までは凹部と空気との二重の間接加熱になるし、凹部は脂が溜まって熱が上がりにくく、これを加えると三重の間接加熱になる。しかも、肉を焼くことに余り寄与しない凹部が蓄熱する分だけヒータの熱量は生かされず、凸部の昇温を妨げる。これらの結果、ヒータ容量に限界がある中、高くした凸部によってできる深い凹部は、肉から出る脂を貯留して肉に影響させない面で網目の役目をしているが、肉を加熱する、つまり焼く上では網目の役目を余りせず、凸部を含め全体が熱量不足な上、凹部に対応する肉の部分は特に加熱不足のために肉内の脂や水分が出やすく、網焼きの美味しさはまだ得られない。
【0005】
これに対応するのに、凸部の間隔を狭くし、肉を焼く凸部の占める割合を多くすることが考えられる。しかし、これでは凹部が勢い狭くなって清掃することが困難になるし、狭い凹部では脂の流れが悪く部分的に溢れて肉をべたつかせてしまう。さらに、狭い凹部の脂は両側の凸部によって加熱されやすく油煙の発生が多くなる。
【0006】
本発明の目的は、清掃しやすい凹凸間隔にて凸部および凹部での加熱機能を高め、油煙少なくさらに美味しく焼けるうえ、調理物の保温にも適した電気調理盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の電気調理盤は、調理面に凹凸面が設けられた凹凸プレートが底部の窓に着脱できるように嵌め合わされた調理盤を、ヒータにより下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸プレートの凹凸面の凹部にこの凹部を切除した切除孔を設けると共に、凹凸プレートと調理盤の保温ゾーンとに温度差を与えるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このような構成では、調理盤の調理面をなす凹凸プレートは切除孔がある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータから伝導される熱は凸部に集中しやすくなる。これによって、凸部はより速くより高温になり、その熱を凸部のボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔によってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータの熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。これに併せ、切除孔はヒータの調理盤と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が調理盤下に熱気として篭るのを調理盤の上に上昇させて肉などの凸部に接している部分の間に及ぶようにし、前記凸部による加熱が及ぶことと相まって、凸部間でも肉などをより高温で加熱することができる。従って、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近付けることができるし、凸部の間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。また、凹部の切除孔は肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿で受けて処理でき、逆に、凹部に溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部を低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔があることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。
【0009】
特に、凹凸プレートの温度を高くして、前記調理の特徴を発揮させながら、調理盤の保温ゾーンは低温とするので、保温に適したゾーンとすることができる。
【0010】
前記温度差は、保温ゾーンよりも凹凸プレートを低く支持してヒータに接触させ、保温ゾーンはヒータから若干離して、与えられるし、保温ゾーンと凹凸プレートとを別な材料としても与えられる。
【0011】
本発明のそれ以上の目的は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して用いることができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の電気調理盤につき図を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
【0013】
本実施例は図1に示すように1本のシーズヒータである線条のヒータ1を用いて金属製の調理盤2をその下面に接して加熱するようにした場合の一例である。しかし、本発明はこれに限られることはなく、ヒータ1の本数、線条以外の面ヒータなどヒータの種類、調理盤から離れて加熱するなどの加熱方式、のいずれも特に問わない。
【0014】
本実施例の電気調理盤は図1に示すように、調理盤2は調理面3に凹凸面4が設けられて、上記のようにヒータ1により下方から加熱されるのに併せ、着脱できるように外装ケース5などに備えられる。外装ケース5は合成樹脂製であって、給電用の接続部6を持ったヒータ1とその上に配置する調理盤2とを個別に着脱できるように上方から受け入れる。外装ケース5はヒータ1および調理盤2をまわりの載置面や使用者に対する熱的なガードの役目をするように、ヒータ1を格納し、その上の調理盤2の口縁近くまで断熱空間7を残して覆う大きさおよび深さを持ち、自身の口縁から側方に延びて下方に向かうサブガード部8を持ち、平面より見た矩形形状における短辺部のサブガード部8の側方への張り出し量を図3に示す長辺部よりも図2に示すように大きく設定することにより、手を掛けて全体を持ち運びする取っ手9としてある。
【0015】
また、外装ケース5の内側には金属製の遮熱板10を外装ケース5の内面から浮かせて支持し、この遮熱板10によって外装ケース5に対してヒータ1からの一重の熱的ガードを行い、外装ケース5の回りに対しては二重の熱的ガードを行うようにしている。遮熱板10は底部に放熱孔付きのスペーサ11を介して合成樹脂製の断熱脚12をねじ13により取付け、この断熱脚12を外装ケース5の底部に一体成形された凹部14に嵌め合わせることにより、外装ケース5の内面に対して全体が浮くように位置決め支持している。従って、遮熱板10は外装ケース5から着脱でき、載置位置ではヒータ1を格納し、その上の調理盤2を外装ケース5よりもさらに上まで覆う大きさおよび深さを有している。外装ケース5の底部には脚15が一体成形され載置面に凹凸があっても安定に載置できるようにするとともに、載置面との間にできる空間16によっても載置面に対する熱的なガードを行う。これによって、外装ケース5の底部に図2、図3に示すような抜き孔17を設けても載置面に対するヒータ1の熱的安全が図られ、材料の削減と軽量化を達成する。
【0016】
ヒータ1は図1に示すように調理盤2の調理面3における凹凸面4の範囲には調理面3の短辺方向の4箇所を長辺方向に縦断し、凹凸面4を挟むように長辺方向の両側に設けられた保温ゾーン18では前記4箇所のヒータ1が1本に繋がる折れ曲がり部として、保温ゾーン18を縦断することなく、言い換えれば行き渡り率が凹凸面4よりも低くなるようにしてある。これにより、ヒータ1の全長で均一な発熱容量を持った1本の単純なヒータ1を用いても、保温ゾーン18では凹凸面4におけるような高温加熱とならないようにすることができる。ヒータ1は図1、図2に示すように、遮熱板10の底部を切り起こすか、溶接などして設けた二股支持部21によって下方から受けられ、位置決めされるのに併せ、接続部6が外装ケース5の取っ手9の長手方向の中央部に設けられた凹部22に位置決め係合部23を持って上方から嵌め合わされて位置決め支持されている。これによってヒータ1は接続部6と一体になって着脱できるし、取付け時は所定の位置に位置決めされ安定する。
【0017】
調理盤2は以上のようにして載置して支持されたヒータ1の上に載せられてヒータ1の上に接して安定し、着脱できるように支持される。調理盤2の短辺部の中央部に側方へ張り出す合成樹脂製の取っ手24が設けられ、この取っ手24が外装ケース5の取っ手9の中央部に前記凹部22よりも幅広く設けられた凹部25内に嵌り合い、外装ケース5の取っ手9と面一になるように位置合わせすることで調理盤2は外装ケース5およびヒータ1に対し所定の位置となる。
【0018】
接続部6は電源コード26を持った給電・温度調節具27の雌型の給電端子27aに嵌り合うヒータ端子28を持ち、接続部6の孔29に給電・温度調節具27を受け入れてそれらの接続が行われるのと同時に、給電・温度調節具27から突出している感熱棒31が調理盤2の被検知部に下方から対向ないしは接触するようになっている。従って、感熱棒31は調理盤2が単独で着脱されるのを損なわない。なお、ヒータ1の適正な装着がないとピン32がばねにて孔29内に突出して給電・温度調節具27の装着を阻止し、調理盤2の装着がないとシャッタ33がばねによって感熱棒31の進入路を塞ぐので、ヒータ1および調理盤2の双方が装着されていないと給電できない。遮熱板10が装着されないとヒータ1を支持できないので、そのような安全対策は要らないが必要に応じて行ってもよい。
【0019】
調理面3における凹凸面4の部分は単独に成形した凹凸プレート35としてあり、調理盤2の底部の切り欠き窓36に上方から着脱できるように嵌め合わせ、切り欠き窓36の段差部37によって位置決めされるようにしている。また、段差部37は凹凸プレート35が調理盤2の保温ゾーン18を形成する底部と同じ肉厚を持ったものを保温ゾーン18よりもやや低く支持してヒータ1に接し、保温ゾーン18はヒータ1から若干離れることにより、ヒータ1からの加熱が弱まって前記ヒータ1の配置形状および位置と相まって、保温に適した温度を保つようにしてある。このような調理盤2の部分的な着脱できる凹凸プレート35は汚れやすい凹凸面4の丸洗いを容易にするし、調理盤2の他の部分と別な材料にして保温ゾーン18との温度差を与えることもできる。凹凸プレート35には着脱のための小さな取っ手38を一体成形するなどして設けてある。
【0020】
本出願人が先に提供した電気調理盤よりも肉などをさらに美味しく焼き上げられるようにするため、本実施例では、特に、図4、図5に示すように凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを設けると共に、調理盤2の下に切除孔4cからの落ち物を受ける受け皿41を設けてある。受け皿41はヒータ1に近いので金属製のものが好適であるが、セラミックなどとすることもできる。もっとも、受け皿41を遮熱板10を共用することもできる。
【0021】
調理盤2の特に凹凸面4を持った焼き物調理部分である凹凸プレート35は、前記切除孔4cがある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータ1から伝導される熱は凸部4aに集中しやすくなる。これによって、凸部4aはより速くより高温になり、その熱を凸部4aのボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔4cによってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータ1の熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。
【0022】
これに併せ、切除孔4cはヒータ1の凹凸プレート35と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が凹凸プレート35を含む調理盤2の下に熱気として篭るのを調理盤2の特に凹凸面4の上に上昇させて肉などの凸部4aに接している部分の間、つまり接していない部分に及ぶようにし、前記凸部4aによる加熱が及ぶことと相まって、凸部4a間でも肉などをより高温で加熱することができる。
【0023】
これらによって、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近づけることができるし、凸部4aの間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。具体的には図4にカッコ付きの数字で示す従来の寸法14mmよりも2mm広い16mmに設定した。また、凹部4bの切除孔4cは肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿41で受けて処理でき、逆に、凹部4bに溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部4aを低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔4cがあることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。具体的には高さは図4にカッコ付きの数字で示す5mmであったのを1mm低い4mmに設定した。
【0024】
以上から、切除孔4cは凸部4aとほぼ同等な分布で設けるのが好適である。従って、凹凸面4が凸条4aと凹条4bが交互に並んで作るものであるとき、切除孔4cは凸条4aにほぼ対応する長さで設けるのが好適である。図1、図5はこのような場合の配列例を示している。凸部4aおよび凹部4bは条をなさない形態でもよいし、条をなしていても円形や角形の環状であったり、中央において角部が調理盤2の長辺および短辺の中央部に対向する角形や菱形をなした凸部4aまたは凹部4bから始まって外方に向けて相似形をなして凹凸面4が連続するようにもでき、その配列パターンは種々に設定できる。
【0025】
さらに、図1、図3、図5に示すように、凹条4bに設ける切除孔4cはその長手方向に複数に区分して設け、図1、図3に示すようにこの区分した不連続部分4dに対応する調理盤2の特に凹凸プレート35の下にヒータ1が位置するようにしてある。これにより、切除孔4cから落ちた脂がヒータ1に掛かって焼け煙や炎が発生するのを防止することができる。本実施例では、凸条4aおよび凹条4bは調理盤2の短辺に並行になる向きに形成して、途中前記ヒータ1が通る4ヶ所にて区分する不連続部分4dを設けてある。もっとも、ヒータ1が通らないところにも不連続部分を設けることはできる。また、凸条4aも凹条4bと同じように区分して形成してあり、ヒータ1が位置する部分での加熱を行わないので、凸条4aの下にヒータ1があって、ヒータ1がない部分との加熱条件に大きな差が出ないようにすることができる。しかし、凸条4aは特に区分して設けなくてもよい。
【0026】
また、図4、図5に示すように、切除孔4cと凸部ないしは凸条4aの立ち上がり基部との間に平坦部42を設けてある。このような平坦部42は、凸条4aまわりのボリュームを凸条4aの適正な大きさを変えないで調整し、放熱と蓄熱のバランスを調整することができる。
【0027】
また、図4に示すように凸部ないしは凸条4aの調理盤2の中央に向く正面4fが背面4g側に傾斜する角度よりも、背面4gが調理盤2の中央に向く正面4f側に傾斜する角度の方を大きくしてある。具体的には、図4に示してあるように正面4fの傾斜が4°であるのに対し、背面4gの傾斜が25°に設定してある。これにより、凸部ないしは凸条4a間に落ちる脂が水分と混ざって飛び散るようなときに、凸部ないしは凸条4a間が調理盤2の中央側に脂を飛散させるように案内するので、脂が調理盤2外に飛散するのを防止することができる。これは上記したどのような配列においても同様に適用される。背面4gの傾斜が大きいとその分だけ凸条4aの基部幅が増大して熱容量が増大し凸条4aでの放熱を抑えやすくなる。
【0028】
なお、凹凸面4の凹凸の繰り返し方向に見て、凸部ないし凸条4aの配列ピッチ>凹部ないし凹条4bの幅>切除孔4cの大きさ、および凸部ないし凸条4aの上端幅>凸部ないし凸条4aの高さ>調理盤2の肉厚、の寸法関係に設定して、調理盤2の前記蓄熱と放熱のバランスを肉などの加熱調理に好適なように設定することができる。1つの具体例を図4に示してあり、凸部ないし凸条4aの配列ピッチ16mm>凹部ないし凹条4bの幅7mm>切除孔4cの大きさ、および凸部ないし凸条4aの上端幅5mm>凸部ないし凸条4aの高さ4mm>調理盤2の肉厚3mmとなっている。
【0029】
図6〜図9に示す実施例は、調理面3に凹凸面4が設けられた調理盤2をヒータ1により下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを凸部4aよりも少ない分布で設けると共に、調理盤2の下に切除孔4cからの落ち物を受ける受け皿41を設けた場合の一例を示している。このようにすると、切除孔4cの分布が凸部4aと同等な場合よりも凸部4aの放熱を抑えて、凸部4aによる調理物の直接加熱効果を高められる。
【0030】
凹部4bを凸部4aの分布よりも少なくするのに本実施例では、切除孔4cを持たない凹部ないしは凹条4bを切除孔4cを持った凹条4bの間に一定の間隔で設けてあり、切除孔4cを持たない凹条4bは、例えば、切除孔4cを持った凹条4bよりも少ない態様、および凸部または凸条4aの連続に対し、凹部または凹条4bが不連続な態様を採用している。また、ヒータ1は調理盤2の切除孔4cを持たない凹部または凹条4bの下に位置していることにより、上記の実施例の場合同様に切除孔4cから落ちる脂がヒータに掛かって焼けるようなことを防止することができる。
【0031】
さらに、図8に示すように、凸部4aの側面である背面4gを切除孔4cの口縁の下端まで下方外向きに傾斜させてあることにより、凸部4aの背面4gと切除孔4cとの間に正面4f側のような段差面が形成されないため、凹部4bに落ちる脂が凸部4aの正面を途中で溜まることなく伝い落ちて切除孔4cの口縁下端まで達し、スムーズに受け皿41に落ちるので、その分だけ脂が調理盤2によって加熱されて油煙を発生させることを防止することができる。
【0032】
また、このような凸部4aの形態はその熱容量を大きくする作用も営み、その分だけ高さを低くしても熱容量が低下しない。このため、本実施例では調理盤2の板厚を3mm、凸部4aの高さを3mmとしてある。他の寸法関係は図に示すとおりである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の電気調理盤によれば、調理盤の調理面をなす凹凸プレートは切除孔がある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータから伝導される熱は凸部に集中しやすくなる。これによって、凸部はより速くより高温になり、その熱を凸部のボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔によってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータの熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。これに併せ、切除孔はヒータの調理盤と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が調理盤下に熱気として篭るのを調理盤の上に上昇させて肉などの凸部に接している部分の間に及ぶようにし、前記凸部による加熱が及ぶことと相まって、凸部間でも肉などをより高温で加熱することができる。従って、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近付けることができるし、凸部の間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。また、凹部の切除孔は肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿で受けて処理でき、逆に、凹部に溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部を低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔があることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。
【0034】
特に、凹凸プレートの温度を高くして、前記調理の特徴を発揮させながら、調理盤の保温ゾーンは低温とするので、保温に適したゾーンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気調理盤を示す平面図である。
【図2】図1の電気調理盤の長辺方向の断面図である。
【図3】図1の調理盤の短辺方向の半部を示す断面図である。
【図4】図1の調理盤における凹凸プレートの一端側の断面図である。
【図5】図4の凹凸プレート部分の半部を示す平面図である。
【図6】本発明の今1つの実施例に係る電気調理盤の調理盤を示す平面図である。
【図7】図6の調理盤の長手方向で見た断面図である。
【図8】図6の調理盤の長手方向に直角な向きで見た断面図である。
【図9】図6の調理盤の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 ヒータ
2 調理盤
3 調理面
4 凹凸面
4a 凸部ないしは凸条
4b 凹部ないしは凹条
4c 切除孔
18 保温ゾーン
35 凹凸プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータで調理盤を加熱してその凹凸面にて焼き物調理を行う電気調理盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような電気調理盤は条件設定が簡単でバラツキなく調理できるし、網焼きなどに比べて器具が取り扱いやすく、後始末も簡単なため広く普及している。特に、本出願人は、凹凸面の凸部の高さを従来よりも高くすることにより、焼肉をしているときに凹部に溜まった肉の脂が凸部に載っている肉に及ぶのを防止し、肉が十分に脂切りされた状態で調理盤の凸部から十分な熱を受けて焦げ目がつき美味しく焼き上げられるし、途中向きを変えることによって焦げ目が網目のようにもなる電気調理盤を先に提供している。これによって、平面で調理をする電気調理盤、平面で油落とし孔を持っているが脂切れの悪い電気調理盤などに対しては、もとより、低い凸部を持った電気調理盤よりも肉が美味しく焼き上がるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、網焼きは焼き網の格子部が蓄熱して肉に網通りの焦げ目を付けながら、網目が脂を落とす役目をするのに加え、網目を通じて上がってくる熱気によって焦げ目のない部分を加熱することによって表面の余分な脂を落としながら表面を適度に焼いて旨味を封じ込めるので、美味しく焼き上がる。しかし、網目を通した加熱は余り強いと、肉の表面の大半を過剰に加熱してしまうのでよくなく、炭火のような遠赤外熱源による十分離れたところからの加熱が好適となる。
【0004】
そこで、本発明者等は網焼きの美味しさに近づくべく種々に実験し検討を重ねた。それによると、凹凸面を持った調理面で肉を焼き上げる際、凸部が網焼きの格子同様に肉に焦げ目を付けて焼き上げる。しかし、凸部以外の凹部などはヒータの熱を蓄熱するものの、ヒータと肉との間を徒に遮り、肉との間は空気層を介した輻射加熱構造をなす。つまり、ヒータから肉までは凹部と空気との二重の間接加熱になるし、凹部は脂が溜まって熱が上がりにくく、これを加えると三重の間接加熱になる。しかも、肉を焼くことに余り寄与しない凹部が蓄熱する分だけヒータの熱量は生かされず、凸部の昇温を妨げる。これらの結果、ヒータ容量に限界がある中、高くした凸部によってできる深い凹部は、肉から出る脂を貯留して肉に影響させない面で網目の役目をしているが、肉を加熱する、つまり焼く上では網目の役目を余りせず、凸部を含め全体が熱量不足な上、凹部に対応する肉の部分は特に加熱不足のために肉内の脂や水分が出やすく、網焼きの美味しさはまだ得られない。
【0005】
これに対応するのに、凸部の間隔を狭くし、肉を焼く凸部の占める割合を多くすることが考えられる。しかし、これでは凹部が勢い狭くなって清掃することが困難になるし、狭い凹部では脂の流れが悪く部分的に溢れて肉をべたつかせてしまう。さらに、狭い凹部の脂は両側の凸部によって加熱されやすく油煙の発生が多くなる。
【0006】
本発明の目的は、清掃しやすい凹凸間隔にて凸部および凹部での加熱機能を高め、油煙少なくさらに美味しく焼けるうえ、調理物の保温にも適した電気調理盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の電気調理盤は、調理面に凹凸面が設けられた凹凸プレートが底部の窓に着脱できるように嵌め合わされた調理盤を、ヒータにより下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸プレートの凹凸面の凹部にこの凹部を切除した切除孔を設けると共に、凹凸プレートと調理盤の保温ゾーンとに温度差を与えるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このような構成では、調理盤の調理面をなす凹凸プレートは切除孔がある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータから伝導される熱は凸部に集中しやすくなる。これによって、凸部はより速くより高温になり、その熱を凸部のボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔によってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータの熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。これに併せ、切除孔はヒータの調理盤と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が調理盤下に熱気として篭るのを調理盤の上に上昇させて肉などの凸部に接している部分の間に及ぶようにし、前記凸部による加熱が及ぶことと相まって、凸部間でも肉などをより高温で加熱することができる。従って、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近付けることができるし、凸部の間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。また、凹部の切除孔は肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿で受けて処理でき、逆に、凹部に溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部を低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔があることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。
【0009】
特に、凹凸プレートの温度を高くして、前記調理の特徴を発揮させながら、調理盤の保温ゾーンは低温とするので、保温に適したゾーンとすることができる。
【0010】
前記温度差は、保温ゾーンよりも凹凸プレートを低く支持してヒータに接触させ、保温ゾーンはヒータから若干離して、与えられるし、保温ゾーンと凹凸プレートとを別な材料としても与えられる。
【0011】
本発明のそれ以上の目的は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して用いることができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の電気調理盤につき図を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
【0013】
本実施例は図1に示すように1本のシーズヒータである線条のヒータ1を用いて金属製の調理盤2をその下面に接して加熱するようにした場合の一例である。しかし、本発明はこれに限られることはなく、ヒータ1の本数、線条以外の面ヒータなどヒータの種類、調理盤から離れて加熱するなどの加熱方式、のいずれも特に問わない。
【0014】
本実施例の電気調理盤は図1に示すように、調理盤2は調理面3に凹凸面4が設けられて、上記のようにヒータ1により下方から加熱されるのに併せ、着脱できるように外装ケース5などに備えられる。外装ケース5は合成樹脂製であって、給電用の接続部6を持ったヒータ1とその上に配置する調理盤2とを個別に着脱できるように上方から受け入れる。外装ケース5はヒータ1および調理盤2をまわりの載置面や使用者に対する熱的なガードの役目をするように、ヒータ1を格納し、その上の調理盤2の口縁近くまで断熱空間7を残して覆う大きさおよび深さを持ち、自身の口縁から側方に延びて下方に向かうサブガード部8を持ち、平面より見た矩形形状における短辺部のサブガード部8の側方への張り出し量を図3に示す長辺部よりも図2に示すように大きく設定することにより、手を掛けて全体を持ち運びする取っ手9としてある。
【0015】
また、外装ケース5の内側には金属製の遮熱板10を外装ケース5の内面から浮かせて支持し、この遮熱板10によって外装ケース5に対してヒータ1からの一重の熱的ガードを行い、外装ケース5の回りに対しては二重の熱的ガードを行うようにしている。遮熱板10は底部に放熱孔付きのスペーサ11を介して合成樹脂製の断熱脚12をねじ13により取付け、この断熱脚12を外装ケース5の底部に一体成形された凹部14に嵌め合わせることにより、外装ケース5の内面に対して全体が浮くように位置決め支持している。従って、遮熱板10は外装ケース5から着脱でき、載置位置ではヒータ1を格納し、その上の調理盤2を外装ケース5よりもさらに上まで覆う大きさおよび深さを有している。外装ケース5の底部には脚15が一体成形され載置面に凹凸があっても安定に載置できるようにするとともに、載置面との間にできる空間16によっても載置面に対する熱的なガードを行う。これによって、外装ケース5の底部に図2、図3に示すような抜き孔17を設けても載置面に対するヒータ1の熱的安全が図られ、材料の削減と軽量化を達成する。
【0016】
ヒータ1は図1に示すように調理盤2の調理面3における凹凸面4の範囲には調理面3の短辺方向の4箇所を長辺方向に縦断し、凹凸面4を挟むように長辺方向の両側に設けられた保温ゾーン18では前記4箇所のヒータ1が1本に繋がる折れ曲がり部として、保温ゾーン18を縦断することなく、言い換えれば行き渡り率が凹凸面4よりも低くなるようにしてある。これにより、ヒータ1の全長で均一な発熱容量を持った1本の単純なヒータ1を用いても、保温ゾーン18では凹凸面4におけるような高温加熱とならないようにすることができる。ヒータ1は図1、図2に示すように、遮熱板10の底部を切り起こすか、溶接などして設けた二股支持部21によって下方から受けられ、位置決めされるのに併せ、接続部6が外装ケース5の取っ手9の長手方向の中央部に設けられた凹部22に位置決め係合部23を持って上方から嵌め合わされて位置決め支持されている。これによってヒータ1は接続部6と一体になって着脱できるし、取付け時は所定の位置に位置決めされ安定する。
【0017】
調理盤2は以上のようにして載置して支持されたヒータ1の上に載せられてヒータ1の上に接して安定し、着脱できるように支持される。調理盤2の短辺部の中央部に側方へ張り出す合成樹脂製の取っ手24が設けられ、この取っ手24が外装ケース5の取っ手9の中央部に前記凹部22よりも幅広く設けられた凹部25内に嵌り合い、外装ケース5の取っ手9と面一になるように位置合わせすることで調理盤2は外装ケース5およびヒータ1に対し所定の位置となる。
【0018】
接続部6は電源コード26を持った給電・温度調節具27の雌型の給電端子27aに嵌り合うヒータ端子28を持ち、接続部6の孔29に給電・温度調節具27を受け入れてそれらの接続が行われるのと同時に、給電・温度調節具27から突出している感熱棒31が調理盤2の被検知部に下方から対向ないしは接触するようになっている。従って、感熱棒31は調理盤2が単独で着脱されるのを損なわない。なお、ヒータ1の適正な装着がないとピン32がばねにて孔29内に突出して給電・温度調節具27の装着を阻止し、調理盤2の装着がないとシャッタ33がばねによって感熱棒31の進入路を塞ぐので、ヒータ1および調理盤2の双方が装着されていないと給電できない。遮熱板10が装着されないとヒータ1を支持できないので、そのような安全対策は要らないが必要に応じて行ってもよい。
【0019】
調理面3における凹凸面4の部分は単独に成形した凹凸プレート35としてあり、調理盤2の底部の切り欠き窓36に上方から着脱できるように嵌め合わせ、切り欠き窓36の段差部37によって位置決めされるようにしている。また、段差部37は凹凸プレート35が調理盤2の保温ゾーン18を形成する底部と同じ肉厚を持ったものを保温ゾーン18よりもやや低く支持してヒータ1に接し、保温ゾーン18はヒータ1から若干離れることにより、ヒータ1からの加熱が弱まって前記ヒータ1の配置形状および位置と相まって、保温に適した温度を保つようにしてある。このような調理盤2の部分的な着脱できる凹凸プレート35は汚れやすい凹凸面4の丸洗いを容易にするし、調理盤2の他の部分と別な材料にして保温ゾーン18との温度差を与えることもできる。凹凸プレート35には着脱のための小さな取っ手38を一体成形するなどして設けてある。
【0020】
本出願人が先に提供した電気調理盤よりも肉などをさらに美味しく焼き上げられるようにするため、本実施例では、特に、図4、図5に示すように凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを設けると共に、調理盤2の下に切除孔4cからの落ち物を受ける受け皿41を設けてある。受け皿41はヒータ1に近いので金属製のものが好適であるが、セラミックなどとすることもできる。もっとも、受け皿41を遮熱板10を共用することもできる。
【0021】
調理盤2の特に凹凸面4を持った焼き物調理部分である凹凸プレート35は、前記切除孔4cがある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータ1から伝導される熱は凸部4aに集中しやすくなる。これによって、凸部4aはより速くより高温になり、その熱を凸部4aのボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔4cによってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータ1の熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。
【0022】
これに併せ、切除孔4cはヒータ1の凹凸プレート35と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が凹凸プレート35を含む調理盤2の下に熱気として篭るのを調理盤2の特に凹凸面4の上に上昇させて肉などの凸部4aに接している部分の間、つまり接していない部分に及ぶようにし、前記凸部4aによる加熱が及ぶことと相まって、凸部4a間でも肉などをより高温で加熱することができる。
【0023】
これらによって、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近づけることができるし、凸部4aの間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。具体的には図4にカッコ付きの数字で示す従来の寸法14mmよりも2mm広い16mmに設定した。また、凹部4bの切除孔4cは肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿41で受けて処理でき、逆に、凹部4bに溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部4aを低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔4cがあることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。具体的には高さは図4にカッコ付きの数字で示す5mmであったのを1mm低い4mmに設定した。
【0024】
以上から、切除孔4cは凸部4aとほぼ同等な分布で設けるのが好適である。従って、凹凸面4が凸条4aと凹条4bが交互に並んで作るものであるとき、切除孔4cは凸条4aにほぼ対応する長さで設けるのが好適である。図1、図5はこのような場合の配列例を示している。凸部4aおよび凹部4bは条をなさない形態でもよいし、条をなしていても円形や角形の環状であったり、中央において角部が調理盤2の長辺および短辺の中央部に対向する角形や菱形をなした凸部4aまたは凹部4bから始まって外方に向けて相似形をなして凹凸面4が連続するようにもでき、その配列パターンは種々に設定できる。
【0025】
さらに、図1、図3、図5に示すように、凹条4bに設ける切除孔4cはその長手方向に複数に区分して設け、図1、図3に示すようにこの区分した不連続部分4dに対応する調理盤2の特に凹凸プレート35の下にヒータ1が位置するようにしてある。これにより、切除孔4cから落ちた脂がヒータ1に掛かって焼け煙や炎が発生するのを防止することができる。本実施例では、凸条4aおよび凹条4bは調理盤2の短辺に並行になる向きに形成して、途中前記ヒータ1が通る4ヶ所にて区分する不連続部分4dを設けてある。もっとも、ヒータ1が通らないところにも不連続部分を設けることはできる。また、凸条4aも凹条4bと同じように区分して形成してあり、ヒータ1が位置する部分での加熱を行わないので、凸条4aの下にヒータ1があって、ヒータ1がない部分との加熱条件に大きな差が出ないようにすることができる。しかし、凸条4aは特に区分して設けなくてもよい。
【0026】
また、図4、図5に示すように、切除孔4cと凸部ないしは凸条4aの立ち上がり基部との間に平坦部42を設けてある。このような平坦部42は、凸条4aまわりのボリュームを凸条4aの適正な大きさを変えないで調整し、放熱と蓄熱のバランスを調整することができる。
【0027】
また、図4に示すように凸部ないしは凸条4aの調理盤2の中央に向く正面4fが背面4g側に傾斜する角度よりも、背面4gが調理盤2の中央に向く正面4f側に傾斜する角度の方を大きくしてある。具体的には、図4に示してあるように正面4fの傾斜が4°であるのに対し、背面4gの傾斜が25°に設定してある。これにより、凸部ないしは凸条4a間に落ちる脂が水分と混ざって飛び散るようなときに、凸部ないしは凸条4a間が調理盤2の中央側に脂を飛散させるように案内するので、脂が調理盤2外に飛散するのを防止することができる。これは上記したどのような配列においても同様に適用される。背面4gの傾斜が大きいとその分だけ凸条4aの基部幅が増大して熱容量が増大し凸条4aでの放熱を抑えやすくなる。
【0028】
なお、凹凸面4の凹凸の繰り返し方向に見て、凸部ないし凸条4aの配列ピッチ>凹部ないし凹条4bの幅>切除孔4cの大きさ、および凸部ないし凸条4aの上端幅>凸部ないし凸条4aの高さ>調理盤2の肉厚、の寸法関係に設定して、調理盤2の前記蓄熱と放熱のバランスを肉などの加熱調理に好適なように設定することができる。1つの具体例を図4に示してあり、凸部ないし凸条4aの配列ピッチ16mm>凹部ないし凹条4bの幅7mm>切除孔4cの大きさ、および凸部ないし凸条4aの上端幅5mm>凸部ないし凸条4aの高さ4mm>調理盤2の肉厚3mmとなっている。
【0029】
図6〜図9に示す実施例は、調理面3に凹凸面4が設けられた調理盤2をヒータ1により下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸面4の凹部4bにこの凹部4bを切除した切除孔4cを凸部4aよりも少ない分布で設けると共に、調理盤2の下に切除孔4cからの落ち物を受ける受け皿41を設けた場合の一例を示している。このようにすると、切除孔4cの分布が凸部4aと同等な場合よりも凸部4aの放熱を抑えて、凸部4aによる調理物の直接加熱効果を高められる。
【0030】
凹部4bを凸部4aの分布よりも少なくするのに本実施例では、切除孔4cを持たない凹部ないしは凹条4bを切除孔4cを持った凹条4bの間に一定の間隔で設けてあり、切除孔4cを持たない凹条4bは、例えば、切除孔4cを持った凹条4bよりも少ない態様、および凸部または凸条4aの連続に対し、凹部または凹条4bが不連続な態様を採用している。また、ヒータ1は調理盤2の切除孔4cを持たない凹部または凹条4bの下に位置していることにより、上記の実施例の場合同様に切除孔4cから落ちる脂がヒータに掛かって焼けるようなことを防止することができる。
【0031】
さらに、図8に示すように、凸部4aの側面である背面4gを切除孔4cの口縁の下端まで下方外向きに傾斜させてあることにより、凸部4aの背面4gと切除孔4cとの間に正面4f側のような段差面が形成されないため、凹部4bに落ちる脂が凸部4aの正面を途中で溜まることなく伝い落ちて切除孔4cの口縁下端まで達し、スムーズに受け皿41に落ちるので、その分だけ脂が調理盤2によって加熱されて油煙を発生させることを防止することができる。
【0032】
また、このような凸部4aの形態はその熱容量を大きくする作用も営み、その分だけ高さを低くしても熱容量が低下しない。このため、本実施例では調理盤2の板厚を3mm、凸部4aの高さを3mmとしてある。他の寸法関係は図に示すとおりである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の電気調理盤によれば、調理盤の調理面をなす凹凸プレートは切除孔がある分だけ全体の熱容量が低減し、その分だけヒータから伝導される熱は凸部に集中しやすくなる。これによって、凸部はより速くより高温になり、その熱を凸部のボリュームによって蓄熱しながらも、切除孔によってまわりから切り離されてスリムになっている分だけ接しているもの、つまり肉などの調理物に熱を奪われやすいので、ヒータの熱を調理物に効率よく移行させて肉などの接している部分を十分に加熱し、また、その加熱が隣接部分にも及びやすくなる。これに併せ、切除孔はヒータの調理盤と接触していない部分からまわりに発散している輻射熱が調理盤下に熱気として篭るのを調理盤の上に上昇させて肉などの凸部に接している部分の間に及ぶようにし、前記凸部による加熱が及ぶことと相まって、凸部間でも肉などをより高温で加熱することができる。従って、肉などの焼き上がりを網焼きの場合に近付けることができるし、凸部の間隔は従来よりも広くとれるのでさらに清掃しやすいものとなる。また、凹部の切除孔は肉からの脂を下に落とすがこれを下の受け皿で受けて処理でき、逆に、凹部に溜まった脂が焼けて油煙を発生させるのを抑えられる上、凸部を低くかつピッチを大きくしてもよいことと、切除孔があることとによって全体に材料を削減し軽量化することができる。
【0034】
特に、凹凸プレートの温度を高くして、前記調理の特徴を発揮させながら、調理盤の保温ゾーンは低温とするので、保温に適したゾーンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気調理盤を示す平面図である。
【図2】図1の電気調理盤の長辺方向の断面図である。
【図3】図1の調理盤の短辺方向の半部を示す断面図である。
【図4】図1の調理盤における凹凸プレートの一端側の断面図である。
【図5】図4の凹凸プレート部分の半部を示す平面図である。
【図6】本発明の今1つの実施例に係る電気調理盤の調理盤を示す平面図である。
【図7】図6の調理盤の長手方向で見た断面図である。
【図8】図6の調理盤の長手方向に直角な向きで見た断面図である。
【図9】図6の調理盤の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 ヒータ
2 調理盤
3 調理面
4 凹凸面
4a 凸部ないしは凸条
4b 凹部ないしは凹条
4c 切除孔
18 保温ゾーン
35 凹凸プレート
Claims (3)
- 調理面に凹凸面が設けられた凹凸プレートが底部の窓に着脱できるように嵌め合わされた調理盤を、ヒータにより下方から加熱し、また着脱できるように備え、凹凸プレートの凹凸面の凹部にこの凹部を切除した切除孔を設けると共に、凹凸プレートと調理盤の保温ゾーンとに温度差を与えるようにしたことを特徴とする電気調理盤。
- 保温ゾーンよりも凹凸プレートを低く支持してヒータに接触させ、保温ゾーンはヒータから若干離して、前記温度差を与える請求項1に記載の電気調理盤。
- 保温ゾーンと凹凸プレートとを別な材料として、前記温度差を与える請求項1に記載の電気調理盤。
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003191853A patent/JP2004024883A/ja active Pending
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