JP2004024642A - 椅子及び椅子のカバー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】背もたれ3に取り付けて張り地を形成する背カバーCを、カバー本体6とこのカバー本体6の内側に取り付けられる板状体7とから構成し、この板状体7を背もたれ3に固定するための固定手段Fを設けて、前記板状体7をこの固定手段Fで背もたれ3に固定することで背カバーCを背もたれ3に取り付けるようにした。
【選択図】図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子本体にカバーを張り設けている椅子及び椅子のカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子の座や背もたれには、着座時の接触感を向上させるとともに椅子本体を被覆して外観を整えるために、張り地を形成するカバーを装着する場合が少なくない。
【0003】
そして、このカバーを取り付ける手法としては、従来よりカバーを直接椅子本体に対してタッカ止めしたり、カバーに孔等を設けてこの孔に通したピンを椅子本体に形成した孔に対して止めるようなものがよく知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなものであると、タッカやピンがカバーの表面に表出してしまう上に、カバーにだぶつきや撓み、皺が生じる場合があり外観上好ましくない。また、カバーに切り込みや孔が形成されることによって、それらの箇所から生地がほつれたり破れてしまう可能性があり、強度及び耐久性についても課題を残していた。
【0005】
そこで上記の課題を解消すべく、椅子の美観を確保することが可能であり、なお且つ従来のものより強度及び耐久性にも優れたカバーの取付構造を有する椅子及びこのような椅子に適用されるカバーを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、椅子本体にカバーを張り設けている椅子であって、このカバーを、カバー本体とこのカバー本体の内側に取り付けられる板状体とから構成し、この板状体を前記椅子本体に固定するための固定手段を設けて、前記板状体をこの固定手段で椅子本体に固定することでカバーを椅子本体に取り付けるようにしていることを特徴とする椅子である。
【0007】
このように板状体を介在させてカバーを固定するようにすれば、外側に表出するカバー本体には椅子本体に固定するための孔や切り込み等を形成せずともよく、またピンなどを露出させないため、外観を良好なものとすることができるようになる。また、これら孔や切り込みに基づく破れや生地のほつれが生じることがなく、この点においても椅子の美観を保つことが可能となる。加えて、張り地の強度及び耐久性を確保することも可能である。さらに、カバー本体が内側に配置させた板状体によってバックアップされることになるため皺が生じることを好適に防ぎ、特に椅子本体が凹凸形状をなすようなものであっても、その凹凸形状を板状体が吸収することになり、カバー本体にだぶつきや撓み、皺を生じさせることなく外観を良好なものとすることができる。なお、椅子本体に張り設けるカバーとは、主に布地等柔軟な素材によって構成されカバー椅子本体に取り付けられた状態で張り地面を形成するようなものであり、それ自体のみで張り地面を形成するようなものは含まない、
このようなものにおいて、カバーが、所定位置に開口を形成してその開口を通じて椅子本体の少なくとも一部を収容し得る袋状の収容部を設けているようなものである場合は、前記板状体をこの収容部の内側に取り付けるようにすると望ましい。このように椅子本体の少なくとも一部を収容した状態ですなわち椅子本体に被せるように取り付けられるものは、皺が生じやすいため特に有効なものとなるからである。
【0008】
そして、このような開口を有するカバーにおいて開口付近で撓みやだぶつきが生じるのを防ぐためには、固定手段を、板状体と椅子本体とを前記開口近傍で固定するように構成すると望ましい。
【0009】
さらに、このようなカバーの収容部を形成している部分のだぶつきや皺を防止するためには、前記板状体を収容部の略全域に亘る大きさに設定して、収容部を構成するカバー部分を内面側から略全面的にバックアップさせるようにすればよい。
【0010】
また、カバーに取り付けられる板状体としては、可撓性を有するものが望ましい。このようなものであれば、椅子本体が湾曲又は屈曲した形状をなす場合、または椅子本体が、湾曲又は屈曲するように変形する場合であっても好適に対応することができる。
【0011】
また、板状体を接着剤やピンで取り付けるようにしてもよいが、できるだけ撓みを生じさせないように板状体を取り付けるためには、ミシン縫いや手縫い等の縫製によって取り付けることが望ましい。
【0012】
一方、固定手段の簡素で好適な具体的態様としては、椅子本体に形成された凹部と、この凹部に係合する軸部とこの軸部より大径に設定された頭部とを備えてなるピンと、板状体に形成されたこのピンの前記軸部のみを貫通させる孔からなる取付部とによって構成し、前記孔に通した前記ピンを前記凹部に係合させることで板状体を前記椅子本体に固定するようにしているものが挙げられる。なお、椅子本体に形成する凹部としては、貫通しない穴状のもののほか貫通した孔も含むものとする。
【0013】
また、このようなピンを使用して取り付けるようにしたのにおいては、ピンの頭部を、軸部を前記凹部に係合させた係合状態において前記板状体と略面一をなすようにすることが望ましい。このようなものであれば、頭部によってカバーの表面を盛り上げて外観を損ねてしまうことを防止できるようになるからである。なお、具体的態様としては、ピンの頭部を薄く成形したものの他、板状体に係合状態においてピンの頭部の少なくとも一部を収容する凹部を孔と連続的に形成したようなものであってもよい。
【0014】
また、板状体の椅子本体に対する取り付けを簡単に行うためには、凹部若しくは孔の少なくとも一方を一方向に長い形状をなすように形成するのが好ましい。このようなものであれば、椅子本体が湾曲又は屈曲した形状をなしているものであっても、ピンの軸部を若干の遊動させることが可能となり、凹部と容易に係合させることができるようになる。
【0015】
一方、製作の利便性を向上させるためには、固定手段として椅子本体に所定の用途のために形成した孔を利用するようにすれば望ましい。そして、請求項7又は8におけるピンによって椅子本体に固定するようようにしたものにおいては、この孔を凹部として利用すると望ましい。
【0016】
また、椅子が上着を掛けられるようにハンガ部を備えたものである場合には、前記カバーを、前記椅子本体においてこのハンガ部を取り付ける部位を避けた領域に取り付けるようにすることが望ましい。このようなものであれば、カバーにハンガ部を取り付けるための加工を施さずともよく、製作の利便性を向上させる上に、カバーの耐久性の確保及び椅子の美観の確保にもなる。
【0017】
また、このようなカバーが背もたれに取り付けられるものであれば、以上のような効果は特に有効なものとなる。
【0018】
また、このような椅子に取り付けられるカバーとしては、椅子本体に取り付けられて張り地を形成するものであって、カバー本体と、このカバー本体の内面に取り付けられた板状体とを備えてなり、この板状体に、当該板状体を椅子本体に対して固定するための固定手段を構成する取付部を形成しているものが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
図示した本実施形態の椅子Aの椅子本体A1は、キャスタ付きの脚羽根11及び脚支柱12からなる脚1と、この脚に支持させた座2と、この座2の後方から起立する背もたれ3と、前記座2の側方から起立させた肘4とを備えてなり、さらに、本実施形態においては、前記背もたれ3に背広等の上着を掛けるためのハンガ部5を取り付けて構成している。
【0021】
背もたれ3は、図3、4に示すように、後方に湾曲した形状をなし、通気や背もたれ3の弾性変形を助勢するため、またはデザイン性向上等の用途で前面3aと背面3bとの間を厚み方向に貫通する孔31を複数設けている。この孔31は、少なくとも上下方向には同間隔で形成されている。
【0022】
ハンガ部5は、パイプ材を折り曲げ成形して図5に示したような上着Wを掛けた掛着状態において上着Wの肩部分に当たる肩当たり部511及び垂下した袖部分512に当たる袖当たり部からなる肩支持部51と、脇部分の上方に位置する脇当たり部52と、この脇当たり部52の下端に連続して前記肩支持部51と脇当たり部52から構成されるハンガ本体部を支持する脚部53とを形成して構成したものである。そして、前記脇当たり部52をその上端部から下端部に掛けて内側へ狭まるように形成して、当該椅子Aの着座者Pが、起立した状態で上着Wを上方からスムーズに引き抜き易くしてある。また、このハンガ部5は、その脚部53下端部近傍に取付具54を一体的に取り付けて、この取付具54を背もたれ3の背面3bに対して固定することで、ハンガ部5を背もたれ3に取り付けられるようにしてある。具体的には、図8に示すように、取付具54に背もたれ3に形成されている前記孔31の上下間隔に対応させて上下1対のネジ孔541を左右に計4つ形成するとともに、背もたれ3の孔31の表面側から頭部付きのナットNを取り付けて、このナットNに対して前記孔541を挿通させたねじVを締結するようにしている。
【0023】
しかして、本実施形態においては、椅子本体A1のうち少なくとも前記背もたれ3に本実施形態のカバーたる背カバーCを取り付けて使用することができるようにしており、その背カバーCを取付構造Tを利用して背もたれ3に取り付けている。具体的には、この取付構造Tは、背カバーCを、カバー本体6とこのカバー本体6の内面に取り付けられる板状体7とから構成し、この板状体7を背もたれ3に固定するため固定手段Fとを設けて、前記板状体7を前記固定手段Fで背もたれ3に固定することで背カバーCを背もたれ3に取り付けるようにしたものである。
【0024】
背カバーCの主体をなすカバー本体6は、図6に示すように、例えば布地などを縫い合わせることなどによって前カバー61と後カバー62とを連続させ下端側で開口する中空の袋状に形成するとともにこの中空部分にクッション材63を詰めている。さらに、後カバー62の上方側に幅方向に沿って開口6Kを形成し、この開口6Kから背もたれ3の上端部側に被せて収容できる部分袋状の収容部6Sを形成している。なお、この開口6Kを形成している位置は、背もたれ3の背面3b側において、前記ハンガ部5を取り付けた部位を避けて上端部側のみに張り地が形成されるように後カバー62の上方側に設定されている。しかして、収容部6Sは、図8に示すように、この開口6Kより上方に位置する前カバー61と後カバー62との間に形成されている。そして、この背カバー6は、背もたれ3に対する装着状態において、前記開口6Kより上方側では、前カバー61とクッション材63とが背もたれ3の前面3a側に位置し、後カバー62が背面3b側に位置する。そして、開口6Kより下方側では、前カバー61と後カバー62とこれらの間に位置するクッション材63とが背もたれ3の前面3a側に位置することになる。そして、前カバー61が背もたれ3の前面3a側における張り地を形成するとともに、開口6Kより上方側の後カバー62が背もたれ3の背面3b側における張り地を形成することとなる。
【0025】
板状体7は、樹脂など可撓性を有する素材によって平板状に成形されたもので、前記収容部6Sと上下幅寸法及び左右幅寸法を略一致させ、収容部内の略全域に亘る大きさに設定されている。また、縫製が可能な素材及び厚さ寸法のものを採用して、前記開口6Kの近傍位置において、背カバー6に対して幅方向に沿って縫製することによって取り付けられている。そして、開口端部分から布地が解れるのを防ぐために、図8に示すようにこの板状体7の下端部を包むように背カバー6を折り返した状態で縫製(図中符号mで示している)している。なお、さらに左右両端部を上下方向に縫製するようにしてもよい。
【0026】
一方、固定手段Fは、前記背もたれ3に形成された凹部たる前記孔31を利用し、この孔31に係合する軸部81とこの軸部81より大径に設定された頭部82とを有するピンたるブッシュ8と、板状体7に形成したこのブッシュ8の軸部81のみを貫通させる複数の孔71とから構成している。この孔71が、背もたれ3に対する取付部として機能することとなり、すなわち、請求項13記載の取付部は、この孔71に相当する。このブッシュ8としては、その軸部81を孔71に通して孔31に係合させた状態で板状体7と略面一となるような薄い厚み幅寸法を有する頭部82を有するものを使用している。また、孔71は、板状体7において前記背もたれ3に形成された複数の孔31のうち開口6K近傍に設けられている孔31に対応する位置に形成されており、図示例のものでは、幅方向に4つ設けられている。また、図6,7に示すようにこの孔71は背もたれ3の湾曲方向に長くなる形状をなすように形成されている。
【0027】
次に、このような構成の取付構造Tによって、この背カバーCを背もたれ3に取り付ける場合について説明する。
【0028】
まず、カバー本体6の収容部6S内に背もたれ3を、その上端部が当該収容部6Sの上端部に当たる位置まで挿入していく。この状態で、前カバー61を、その下端部分に取り付けた図示しない取付線部材を、背もたれ3と座2との境界分部であって座2の上端面より低く正面視では視認されない位置に設けた図示しない複数の係合部に嵌め込むことで固定する。次に、カバー本体6の収容部6S内に手を差し込んで、取り付けてある板状体7の孔71それぞれにブッシュ8を挿入する。そして、ブッシュ8の頭部82を背もたれ3の背面3b側に位置させるようにし、軸部81を背もたれ3に形成されている孔31に嵌め込んで係合させる。この際、孔71が背もたれ3の湾曲方向に長い形状をなしているため、ブッシュ8の軸部81を孔71内で湾曲方向に若干遊動させることができ、すなわち軸部81の位置調整をしてスムーズに孔31に係合させることができる。
【0029】
以上詳述したように、本実施形態の椅子Aは、背カバーCを取付構造Tによって取り付けるようにしているので、外側に表出するカバー本体6に背もたれ3に従来のように固定するための孔や切り込み等を形成せずともよく、またピンなどを露出させないため、外観を良好なものとすることができる。また、それら孔や切り込みに基づく破れや生地のほつれを生じることもなく、この点においても椅子の美観を保つことになる。加えて、背もたれ3の張り地を形成するカバー本体6の強度及び耐久性を確保することも可能である。
【0030】
また、カバー本体6が、収容部6Sにおいてその内側に配置させた板状体7によってバックアップされることになるため、背もたれ3が後方に湾曲する形状をなしているにもかかわらず、皺やだぶつきを防いでピンと張った状態で取り付けることができる。特に本実施形態では、板状体7を、収容部6Sの略全域に亘る大きさに設定しているので、その効果が大きい。さらに、図9に示すように、一部分だけ凹んだ形状をなすような背もたれ3’に対して取り付ける場合であっても、その凹形状を覆うように板状体7が配置されることになるため、カバー本体6にだぶつきや撓み、皺を生じさせることなく外観を良好なものとすることができる。これは、連続的に凹凸をなすような形状の背もたれであっても同様の効果を奏する。なお、図9において、上述のものと同様の構成のものには、特に詳述することなく同じ符号を付し、また背もたれ3’に関する構成には「’」を付している。
【0031】
また、本実施形態の背カバーCは、収容部6S内に背もたれ3の上端部を収容するようにして取り付けるタイプであり、本来浮き上がりやだぶつき等が生じ易いものであるため、本実施形態の取付構造Tの効果は特に有効である。
【0032】
板状体7を、可撓性を有する素材から構成しているので、本実施の形態のように湾曲した形状をなす背もたれ3に対して対応させて固定することができる。
【0033】
板状体7を、カバー本体6に対して縫製で取り付けているので、ピンや接着剤等で取り付ける場合と比較すると、カバー本体6がピンと張った状態となり皺がより難く、さらに耐久性においても優れている。
【0034】
また、板状体7に固定手段Fを構成する孔71を開口6K近傍に形成して板状体7と背もたれ3とを開口6K近傍で固定するようにし、なお且つ板状体7と背カバーCとを開口6K近傍において縫製しているため、撓みやだぶつきが生じやすい箇所である開口6K付近において、その美観を保つことができる。
【0035】
固定手段Fを板状体7とは別体のブッシュ8によって背もたれ3に固定するように構成しているので、板状体7には孔71を形成するだけでよく、製作を簡単化できる。
【0036】
また、このブッシュ8として、係合状態においてその頭部82が板状体と略一体をなす程度に薄いものを採用しているため、背もたれ3の背面3b側おいてに、後カバーを通してブッシュの形状が表れず、美観を保つことができる。
【0037】
背カバーCを、背もたれ3に通気や弾性助勢のため、またはデザイン性向上の用途で形成された孔31を利用して固定するようにしている上に、本実施形態においてはハンガ部5もこの孔31を利用して取り付けるようにして、機能を兼用させることで製作の利便性を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態のようにハンガ部5を備えた椅子Aにおいて、背カバーCを、背もたれ3のこのハンガ部5を取り付ける部位を避けて、それよりも上部の領域に取り付けているので、背カバーCには、ハンガ部5を取り付けるための加工を施さずともよく、製作の利便性を向上させる上に、背カバーCの耐久性の確保及び椅子Aの美観の確保にもなる。さらに、椅子本体A1からハンガ部5を外さなくとも背カバーCを交換することができる。
【0039】
本発明は、上記実施形態に限られない。
【0040】
例えば、上記実施形態において板状体7が、収容部6Sの上端部までの高さ寸法に設定したものでなく、開口6Kから所定の高さ位置までの高さ寸法を有したものであってもよい。
【0041】
また、図10にその要部の分解斜視図を示した椅子Bのようなものであってもよい。この椅子Bは、背もたれB3が後方に傾動するように構成されたものであって、カバー本体B6の収容部B6Sの内側に取り付けている板状体B7の孔B71を縦長状に形成している。このようなものであれば、椅子Bの使用時に背もたれB3を傾動させた場合であっても、背もたれB3に形成した凹部たる孔B31に対して嵌め込んだ図示しないブッシュの軸部が前記板状体B7の孔B71内で上下方向の遊動を許容されるため、背もたれB3の傾動に伴う孔B31の角度変更に対応して係合状態を維持させることができる。さらに、固定時におけるブッシュの背もたれB3の孔B31に対する係合もスムーズに行えるのは勿論である。なお、図10におけるその他の構成について、上記実施実施形態のものと同様のものにおいては、特に断り無く同符号の先頭に’B’を付して示している。
【0042】
また、その他、板状体が、複数枚取り付けられるようなものであってもよい。
【0043】
カバーが、背もたれの略全体を収容する収容部を備えて、背もたれに対して被せるように取り付けられ前面及び背面に全面的に張り地を形成するようなものであってもよい。
【0044】
固定手段として、板状体の取付部を当該板状体と一体に形成した突起から構成し、この突起を、背もたれに形成された凹部に係合させるようにしたものであってもよい。
【0045】
また、カバーが、椅子本体の背もたれ以外の箇所、例えば座や肘に取り付けられるものであってもよい。
【0046】
また、特に椅子の形状は上記実施形態のものに限らず、特にハンガ部を備えていないものであってもよいのは、勿論である。
【0047】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】
すなわち、本発明は、椅子本体に張り設けられるカバーに板状体を取り付けておき、この板状体と椅子本体とを所定の固定手段で取り付けるようにしたので、外側に表出するカバー本体には椅子本体に固定するための孔や切り込み等を形成せずともよく、またピンなどを露出させることがないため、外観を良好なものとすることができる。また、これら孔や切り込みに基づく破れや生地のほつれが生じることがなく、この点においても椅子の美観を保つことが可能である。加えて、張り地の強度及び耐久性を確保することもできる。さらに、カバー本体が内側に配置させた板状体によってバックアップされることになるため皺が生じることを好適に防ぎ、特に椅子本体が凹凸形状をなすようなものであっても、その凹凸形状を板状体が吸収することになり、カバー本体にだぶつきや撓み、皺を生じさせることなく外観を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した椅子を示す正面図。
【図2】同背面図。
【図3】同側面図
【図4】同平面図。
【図5】同椅子の使用方法を示す図。
【図6】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図7】図2におけるX−X線断面図。
【図8】図2におけるY−Y線断面図。
【図9】同実施形態の変形例を示す断面図。
【図10】本発明の別の実施形態を示す分解斜視図。
【符号の説明】
3、3’、B3・・・背もたれ
31、B31・・・凹部(孔)
5・・・ハンガ部
6、B6・・・カバー本体
6K、B6K・・・開口
6S、B6S・・・収容部
7、B7・・・板状体
71、B71・・・取付部(孔)
8・・・ピン(ブッシュ)
81・・軸部
82・・・頭部
A、B・・・椅子
A1・・・椅子本体
F・・・固定手段
C、BC・・・カバー(背カバー)
W・・・上着
Claims (13)
- 椅子本体にカバーを張り設けるようにした椅子であって、
このカバーを、カバー本体とこのカバー本体の内側に取り付けられる板状体とから構成するとともに、この板状体を前記椅子本体に固定するための固定手段を設けて、前記板状体をこの固定手段で椅子本体に固定することでカバーを椅子本体に取り付けるようにしていることを特徴とする椅子。 - 前記カバーが、その所定位置に開口を有しその開口を通じて前記椅子本体の少なくとも一部を収容し得る袋状の収容部を備えたものであり、前記板状体をこの収容部の内側に取り付けている請求項1記載の椅子。
- 前記固定手段が、板状体と椅子本体とを前記開口近傍で固定するものである請求項2記載の椅子。
- 前記板状体が、前記収容部の略全域に亘る大きさに設定されている請求項2又は3記載の椅子。
- 前記板状体が、可撓性を有するものである請求項1、2、3又は4記載の椅子。
- 前記板状体を、縫製によって前記カバーに取り付けている請求項1、2、3、4又は5記載の椅子。
- 前記固定手段を、前記椅子本体に形成された凹部と、この凹部に係合する軸部とこの軸部より大径に設定された頭部とを備えてなるピンと、板状体に形成され前記ピンの軸部のみを貫通させる孔とによって構成し、この孔に通した前記ピンを前記凹部に係合させて前記板状体を前記椅子本体に固定するようにしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子。
- 前記ピンの頭部が、軸部を前記凹部に係合させた係合状態において前記板状体と略面一をなすようにしている請求項7記載の椅子。
- 前記凹部若しくは前記孔の少なくとも一方を、一方向に長い形状をなすように形成している請求項7又は8記載の椅子。
- 前記固定手段を、椅子本体に所定用途のために形成した孔を利用して構成している請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の椅子。
- 背広等の上着を掛けるためのハンガ部をさらに備え、前記カバーを、前記椅子本体においてこのハンガ部を取り付ける部位を避けた領域に取り付けるようにしている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の椅子。
- 前記カバーを、椅子本体を構成する背もたれに取り付けるようにしている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の椅子。
- 椅子本体に取り付けられて張り地を形成するカバーであって、カバー本体と、このカバー本体の内面に取り付けられた板状体とを備えてなり、この板状体に椅子本体に対して固定するための固定手段を構成する取付部を設けていることを特徴とする椅子のカバー。
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