JP2004024392A - 蛍光診断補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織からの蛍光における緑色帯域の赤色帯域に対する強度比の算出に利用される各成分用の信号のS/N比をそれぞれ向上させ得る蛍光診断補助装置を提供する。
【解決手段】プローブPの第2分岐バンドルP2の基端面から射出される検出光と、受光した光を電気信号に変換する検出器との間に、緑色帯域の成分及び赤色帯域の成分を抽出する第1及び第2の光学フィルタ32a,32bを交互に挿入するホイール32を、備えるように、蛍光診断補助装置を構成する。また、強度比を算出する演算器38が一方の成分の電気信号を入力される毎に、その成分の強度値を更新して保持するように、蛍光診断補助装置を構成する。さらに、緑色帯域の成分を抽出するときのみ、励起光の強度を所定倍に増加させ、且つ、増幅器34の増幅率を所定倍に増加させるように、蛍光診断補助装置を構成する。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体から発せられる自家蛍光に基づいて診断用の情報を取得する蛍光診断補助装置に、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生体組織に特定の波長の光を照射すると生体組織が励起して蛍光(これは通常「自家蛍光」と称される)を発することが、知られている。また、自家蛍光の強度は、それを発させるために生体組織に照射された励起光の強度に比べると非常に微弱ではあるものの、その励起光の強度に比例することも、良く知られている。さらに、腫瘍や癌などの病変が生じた生体組織が発する自家蛍光は正常な生体組織のそれとは異なる性質を有することも、良く知られている。
【0003】
この性質を具体的に説明すると、以下の通りである。すなわち、病変が生じた異常組織からの自家蛍光における緑色帯域の強度は、病変が生じていない正常組織からのものよりも小さいが、異常組織からの自家蛍光における赤色帯域の強度は、正常組織からのものと同程度である。このため、異常組織からの自家蛍光における緑色帯域の赤色帯域に対する強度比は、正常組織のものよりも小さい。
【0004】
近年では、このような知識に基づいて、食道や胃腸などの体腔の体腔壁において異常組織の有無を診断したり異常組織の位置を特定するための蛍光診断補助装置が、開発されつつある。そして、この蛍光診断補助装置のうちの一つに、従来の内視鏡を利用するものがある。
【0005】
この種の蛍光診断補助装置は、励起光を導く多数の照射光用光ファイバと蛍光を導く多数の検出光用光ファイバとが基端側では別々のバンドルとして先端側では1本のバンドルとして束ねられたプローブ,照射光用光ファイババンドルの基端面に励起光を供給する励起光光源部,及び、検出光用光ファイバによって導かれてそのバンドルの基端面から射出される蛍光を検出する検出部を、備えている。
【0006】
この蛍光診断補助装置によれば、術者は、プローブの先端を、従来の内視鏡の鉗子チャネルへ引き通し、内視鏡の先端から突出させることにより、プローブの先端面を体腔壁に密着させることができる。従って、術者は、励起光光源部から発せられて照射光用光ファイバに導かれた励起光を体腔壁へ照射することができ、同時に、その励起光を受けて体腔壁内の生体組織が発する微弱な蛍光を検出光用光ファイバによって検出部に導いてその蛍光を検出部に検出させることができる。
【0007】
なお、検出部では、図6に示されるように、検出光用光ファイババンドル41の基端面から射出された蛍光は、ハーフミラー51で別々の光路に分離され、分離された蛍光は、緑色帯域の成分を抽出するフィルタ52及び赤色帯域の成分を抽出するフィルタ53を、それぞれ透過する。そして、緑色帯域の成分の光と赤色帯域の成分の光は、それぞれの検出器54,55に入射し、それら光が、各検出器54,55において電気信号に変換される。その後、両電気信号は、それぞれの増幅器56a,57a,フィルタ回路56b,57b,A/D変換器56c,57cを経て、一台の演算器58に送られる。演算器58では、両信号に基づいて、緑色帯域の赤色帯域に対する強度比が算出され、その強度比は、表示部59に表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6に示したような蛍光診断補助装置では、検出光用光ファイバによって体腔壁から導かれた蛍光の強度は、ハーフミラー51により半減されているために、ただでさえ蛍光の強度が微弱であるにも拘わらず、検出器54,55で検出される際にはより一層微弱になる。このため、検出器54,55に入射する蛍光が微弱すぎて、検出器54,55から出力される信号の信号対雑音比(S/N比)が小さくなりすぎるという問題があった。その結果、表示部59に示された強度比が正常組織の強度比を示しているのか異常組織の強度比を示しているのかを、術者が判断できなくなっていた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、生体組織から発せられる蛍光における緑色帯域の赤色帯域に対する強度比の算出に利用される各成分用の信号のS/N比をそれぞれ向上させ得る蛍光診断補助装置を、提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による蛍光診断補助装置は、以下のような構成を採用した。
【0011】
すなわち、本発明による蛍光診断補助装置は、励起光が照射された生体から発せられる蛍光に基づいた診断を可能にする蛍光診断補助装置であって、その先端から入射した前記蛍光を基端へ導くための複数の光ファイバが束ねられてなるプローブと、入射される光から所定の第1の波長帯域の成分を抽出する第1の光学素子と、入射される光から所定の第2の波長帯域の成分を抽出する第2の光学素子と、前記プローブの基端面から射出された前記蛍光の光束全体を、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子に対して、交互に繰り返し入射させる切替機構と、前記第1及び第2の光学素子により交互に抽出された第1及び第2の波長帯域の成分を電気信号に変換する検出部と、前記第1の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値を前記第1の波長帯域の成分の強度値として記憶し、前記第2の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値を前記第2の波長帯域の成分の強度値として記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された両強度値に基づいて、両成分の強度比を算出して出力する演算部とを備えることを、特徴としている。
【0012】
このように構成されると、プローブの基端面から射出される蛍光は、その強度が半減されることなく、第1の光学素子又は第2の光学素子へ入射され、検出部において電気信号に変換される。このため、従来の蛍光診断補助装置に比べると、各成分の強度を電気信号に変換した際のS/N比が向上される。
【0013】
なお、第1及び第2の光学素子は、光学フィルタであっても良いし、ダイクロイックミラーであっても良いし、ダイクロイックプリズムであっても良いし、その他、所定の波長帯域の成分のみを抽出できるものならば何でも良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の内視鏡システムの外観図である。また、図2は、この内視鏡システムの模式図である。この内視鏡システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,モニタM,プローブP及び蛍光診断補助装置3を、備えている。
【0016】
<電子内視鏡>
まず、電子内視鏡1について、説明する。電子内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部1aと、その挿入部1aの先端に組み込まれた湾曲部(図示略)を湾曲操作するためのアングルノブ等が設けられている操作部1bとを、備えている。
【0017】
挿入部1aの先端面には、少なくとも3つの貫通孔(図示略)が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12がそれぞれ嵌め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子口1cとして利用される。挿入部1a内には、この鉗子口1cと操作部に穿たれた鉗子口1dとを結ぶ細管13が、引き通されており、この細管13が、電気メス等の処置具を挿通するための鉗子チャネルとして、機能する。
【0018】
さらに、挿入部1a内には、先端面が配光レンズ11に対向しているライトガイド14と、対物レンズ12の像面に撮像面が配置された撮像素子15に対して接続されている電線16とが、引き通されている。これらライトガイド14及び電線16は、さらに、操作部の側面から延びた可撓管1e内に、引き通されており、それらの基端は、可撓管1eの先端に設けられたコネクタCの先端に固定されている。
【0019】
<光源プロセッサ装置>
次に、光源プロセッサ装置2について、説明する。光源プロセッサ装置2は、通常光源ユニット21と、モニタMに繋がれたビデオプロセッサ22とを、備えている。なお、光源プロセッサ装置2には、上記コネクタCを嵌め込み可能なコネクタ受け(図示略)が、備えられている。このコネクタ受けにコネクタCが嵌め込まれると、ライトガイド14の基端が通常光源ユニット21に入り込み、電線16がビデオプロセッサ22に接続される。
【0020】
通常光源ユニット21は、ライトガイド14の基端面に、青色光,緑色光及び赤色光を順に繰り返し入射させる。入射した青色光,緑色光及び赤色光は、ライトガイド14に導かれ、配光レンズ11によって拡散されて、挿入部1aの先端に対向した被検体を照射する。すると、撮像素子15の撮像面には、被検体の青色光による像,緑色光による像,赤色光による像が、順次形成される。そして、撮像素子15は、被検体の青色光による像,緑色光による像,赤色光による像を、青色画像信号,緑色画像信号,赤色画像信号にそれぞれ変換し、電線16を介してビデオプロセッサ22へ送信する。
【0021】
ビデオプロセッサ22は、青色画像信号,緑色画像信号,赤色画像信号を取得して、被検体のカラー画像を合成する。すなわち、いわゆる面順次方式により、カラー画像が取得される。そして、ビデオプロセッサ22は、得られたカラー画像を、モニタMに出力する。術者は、モニタMに表示された被検体のカラー画像を観察する。
【0022】
<プローブ>
次に、プローブPについて、説明する。プローブPは、生体組織を励起して自家蛍光を放出させるための励起光を導く第1の光ファイバF1,及び、生体組織からの光を導くための第2の光ファイバF2を、何れも多数備えている。なお、両光ファイバF1,F2は、プラスチック製であっても良いし、クオーツ製であっても良い。
【0023】
両光ファイバF1,F2は、その先端から過半の領域においては、一本の複合バンドルP0として束ねられており、この複合バンドルP0は、可撓な軟性の管(図示略)によって被覆されている。その管内では、その中心軸周辺の領域に第2の光ファイバF2が充填され、その外側に第1の光ファイバF1が充填されている。
【0024】
一方、基端側の領域においては、プローブPは、第1の光ファイバF1を束ねた第1分岐バンドルP1と、第2の光ファイバF2を束ねた第2分岐バンドルP2とに、分岐されている。各分岐バンドルP1,P2とも、軟性の管(図示略)にて被覆されている。
【0025】
そして、第1分岐バンドルP1及び第2分岐バンドルP2の基端は、それぞれ蛍光診断補助装置3内に引き通されている。また、複合バンドルP0の先端は、術者が蛍光診断補助装置3を用いて被検体の蛍光診断をする際に、電子内視鏡1の鉗子口1dから鉗子チャネルとしての細管13内へ挿入され、挿入部1aの先端の鉗子口1cから突出した状態となるまで、押し込まれる。
【0026】
<蛍光診断補助装置>
次に、蛍光診断補助装置3について、説明する。図3は、蛍光診断補助装置3の概略的な構成図である。この蛍光診断補助装置3は、光源電源31S,励起光光源31及び励起光用の集光レンズL1を、備えている。光源電源31Sは、所定量の電力を励起光光源31へ供給する。励起光光源31は、生体を励起して自家蛍光を放出させるための所定帯域の紫外光(励起光)を、平行光として射出する。なお、励起光光源31から射出される励起光の強度は、光源電源31Sから供給される電力量に比例している。集光レンズL1は、励起光光源31から射出された励起光の光路上に配置されており、この励起光を、第1分岐バンドルP1の基端面上で収束させる。収束した励起光は、第1分岐バンドルP1における各光ファイバF1内に入射する。入射した励起光は、これら各光ファイバF1に導かれて、複合バンドルP0の先端面から射出される。
【0027】
この複合バンドルP0の先端面が、生体組織等の被検体に対向した状態において、この被検体は、複合バンドルP0の先端面から射出された励起光を照射される。すると、被検体は励起して、自家蛍光を発する。なお、励起光の一部は被検体表面で反射される。このため、反射された励起光及び発せられた自家蛍光の一部が、複合バンドルP0の先端面へ向かう。そして、これら励起光及び自家蛍光のうち、第2の光ファイバF2に入射したものは、これら第2の光ファイバF2に導かれて、第2分岐バンドルP2の基端面から射出される。
【0028】
さらに、蛍光診断補助装置3は、コリメートレンズL2,励起光カットフィルタFL,ホイール32及びオプティカルセンサOSを、備えている。コリメートレンズL2は、第2分岐バンドルP2の基端面から射出された光(検出光)の光路上に配置されており、この検出光を平行光に変換する。このコリメートレンズL2から射出された平行光の光路上には、励起光カットフィルタFLが、配置されている。励起光カットフィルタFLは、入射した検出光のうちの励起光の成分を遮断するとともに、蛍光の成分を透過させる。従って、励起光カットフィルタFLからは、蛍光のみが射出される。
【0029】
励起光カットフィルタFLから射出された蛍光の光路には、円板状の外形を有するホイール32が、垂直に挿入されている。励起光カットフィルタFLからの蛍光は、ホイール32の偏心位置に入射している。このホイール32の中心は、モータ32Mの出力軸に対して固定されている。このモータ32Mは、モータドライバ32Dに繋がれており、モータドライバ32Dによって駆動される。
【0030】
図4は、ホイール32の正面図である。このホイール32は、モータ32Mによって回転された際に励起光カットフィルタFLからの蛍光が横切る環状領域に、2つの開口を備えている。それら2つの開口は、上記環状領域の約半周ずつを占めるように、穿たれている。そして、これら2つの開口には、光学フィルタ32a,32bが、嵌め込まれている。第1の光学フィルタ32aは、入射した光のうちの緑色帯域(第1の波長帯域)の成分のみを透過させるとともに他の成分を遮断する。また、第2の光学フィルタ32bは、入射した光のうちの赤色帯域(第2の波長帯域)の成分のみを透過させるとともに他の成分を遮断する。
【0031】
さらに、このホイール32の後面には、光学フィルタ32a,32bが嵌め込まれた環状領域の外側に、後述するオプティカルセンサOSが発する光を反射するコーティングとその光を反射しないコーティングとが半周ずつ施されている第2の環状領域が、形成されている。なお、図4に示されるように、光を反射するコーティングが施された領域32Hは、第1の光学フィルタ32aの外側に位置し、光を反射しないコーティングが施された領域32Lは、第2の光学フィルタ32bの外側に位置している。以下、光を反射するコーティングが施された領域32Hを、「H信号検出領域」と称し、光を反射しないコーティングが施された領域32Lを、「L信号検出領域」と称する。
【0032】
オプティカルセンサOSは、光を発する発光部と光を受光した場合に検出信号を出力する受光部とを互いに並べてなる反射型フォトインタラプタである。発光部は、ホイール32の第2の環状領域の一部に向けて、光を射出する。発光部から射出された光は、その光路上をH信号検出領域32Hが横切っている間は、そのH信号検出領域32Hによって反射されて受光部で検出される。逆に、発光部から射出された光は、その光路上をL信号検出領域32Lが横切っている間は、そのL信号検出領域32Lによって反射されないので、受光部において検出されない。従って、オプティカルセンサOSからは、ホイール32の回転に伴って、高/低(H/L)が周期的に変化するパルス状の信号が、出力される。
【0033】
なお、オプティカルセンサOSの位置は、励起光カットフィルタFLから射出された蛍光の光路上に第1の光学フィルタ32aが挿入されている間のみ受光部で光を検出するように、調整されている。従って、オプティカルセンサOSから出力されるH/L信号は、ホイール32の回転に伴って緑色帯域の成分と赤色帯域の成分とが交互に抽出されるタイミングに、同期している。
【0034】
さらに、蛍光診断補助装置3は、強度制御回路31c及び増幅度制御回路34cを、備えている。強度制御回路31cは、オプティカルセンサOSに繋がれており、オプティカルセンサOSから受信するH/L信号に従って、光源電源31Sが励起光光源31へ供給する電力量を、制御する。具体的には、強度制御回路31cは、H信号を受信している間のみ、光源電源31Sに対し、励起光光源31へ供給する電力量を、L信号のときの所定倍(以下、2倍として説明する)の電力量に、引き上げさせる。このため、プローブPの先端からは、蛍光診断補助装置3内のホイール32の回転に伴って、或る所定の強度を有する励起光と、その強度の2倍の強度を有する励起光とが、繰り返し射出される。従って、生体からも、或る強度を有する自家蛍光と、その強度の2倍の強度を有する自家蛍光とが、交互に放出される。
【0035】
増幅度制御回路34cも、オプティカルセンサOSに繋がれており、オプティカルセンサOSから受信するH/L信号に従って、後述する増幅器34の増幅率を制御する。具体的には、増幅度制御回路34cは、H信号を受信している間のみ、増幅器34に対し、増幅率を、L信号のときの所定倍(以下、2倍として説明する)の増幅率に、引き上げさせる。
【0036】
さらに、蛍光診断補助装置3は、検出器33,増幅器34,ハイパスフィルタ(HPF)回路35,加算器36,A/D変換器37,演算器38及び表示部3Mを、備えている。検出器33は、受光した光の強度を検出してその強度を示すアナログ電気信号に変換する。この検出器33には、ホイール32の回転に伴って、蛍光の緑色帯域の成分と赤色帯域の成分とが、交互に入力される。従って、この検出器33は、緑色帯域の成分の強度を示す電気信号(以下、緑色信号という)と、赤色帯域の成分の強度を示す電気信号(以下、赤色信号という)とを、交互に出力する。
【0037】
増幅器34は、検出器33及び増幅度制御回路34cに繋がれており、検出器33から入力された信号を、増幅度制御回路34cによって制御される増幅率で増幅して出力する。このため、増幅器34は、オプティカルセンサOSがL信号を出力しているときは、赤色信号を或る増幅率にて増幅し、オプティカルセンサOSがH信号を出力しているときは、その増幅率を2倍した増幅率にて緑色信号を増幅する。なお、上述したように、緑色信号は、赤色信号を得るために生体に射出された励起光の強度の2倍の強度の励起光によって、得られたものである。従って、増幅器34で増幅されたあとの緑色信号は、赤色信号と比べると、4倍に増幅されているのと等価である。
【0038】
HPF回路35は、増幅器34に繋がれており、増幅器34から出力された信号を取得し、低周波成分を除去して出力する。従って、このHPF回路35からは、増幅器34から出力された信号に含まれる高周波成分、すなわち、ノイズ成分のみが出力される。加算器36は、増幅器34及びHPF回路35に繋がれており、増幅器34から直接入力される信号から、HPF回路35を経由して入力される信号を、減じる。従って、この加算器36では、増幅器34から出力された信号から、主に高周波成分を持つノイズが除去される。A/D変換器37は、加算器36に繋がれており、加算器36から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0039】
演算器38は、オプティカルセンサOSに繋がれた第1レジスタ38a,A/D変換器37に繋がれた第2レジスタ38b,ROM38c,CPU38d,RAM38e,及び、表示部制御回路38fが相互に接続されることによって、構成されている。
【0040】
第1レジスタ38aは、オプティカルセンサOSからH/L信号を受信すると、それまで保持していた数値を1又は0の数値に更新して保持する置数器である。第2レジスタ38bは、A/D変換器37からデジタル信号を受信すると、それまで保持していた数値を、デジタル信号が示す新たな数値に更新して保持する置数器である。ROM38cは、後述するプログラムが格納されている記憶装置である。CPU38dは、ROM38cから読み出したプログラムに従って処理を実行する中央処理装置である。RAM38eは、CPU38dの作業領域が展開される記憶装置である。表示部制御回路38fは、CPU38dの指示に従ってデータを表示部3Mに表示させる回路である。
【0041】
なお、演算器38のCPU38dは、主電源が投入されるとROM38cからプログラムを読み出して処理の実行を開始する。この処理の内容を、図5に示す。
【0042】
図5に示されるように、処理開始後、CPU38dは、第1レジスタ38a内の数値(変数Ps)が更新されるのを監視し(S101)、更新されると、第1レジスタ38a内の数値(変数Ps)が0であるか1であるかを判別する(S102)。
【0043】
そして、CPU38dは、第1レジスタ38a内の数値(変数Ps)が1であった場合(S102;YES)には、第2レジスタ38bから数値を読み出し、変数Vrsに代入されている数値を、読み出した数値へ更新し(S103)、変数Vr1に代入されている数値を、Vrsを1/4倍した数値へ更新する(S104)。
【0044】
一方、CPU38dは、第1レジスタ38a内の数値(変数Ps)が0であった場合(S102;NO)には、第2レジスタ38bから数値を読み出し、変数Vr2に代入されている数値を、読み出した数値へ更新する(S105)。
【0045】
そして、CPU38dは、変数Vr1に代入されている数値を、変数Vr2に代入されている数値で除算し、変数Ratioに代入されている数値を、除算の結果得られた数値へ更新する(S106)。その後、CPU38dは、表示部制御回路38fに対し、変数Ratioに代入されている数値を表示部3Mに表示させる処理を、行わせる(S107)。なお、CPU38dは、以上に示したS101〜S107の処理を、繰り返し実行する。
【0046】
以上の処理が演算器38内で実行されることにより、オプティカルセンサOSからH信号が出力されると、緑色信号の示す数値を1/4倍して得られた数値が、蛍光の緑色帯域の成分の強度値として演算器38内に保持される。そして、緑色帯域の成分の強度値とそれより半周期(ホイール32の一回転を一周期とする)前に取得された赤色帯域の成分の強度値とに基づいて、緑色帯域の赤色帯域に対する強度比が、表示部3Mに表示される。
【0047】
また、オプティカルセンサOSからL信号が出力されると、赤色信号の示す数値が、蛍光の赤色帯域の成分の強度値として演算器38内に保持される。そして、赤色帯域の成分の強度値とそれより半周期前に取得された緑色帯域の成分の強度値とに基づいて、緑色帯域の赤色帯域に対する強度比が、表示部3Mに表示される。
【0048】
従って、オプティカルセンサOSからH信号及びL信号が交互に出力される毎に、表示部3Mには、新たな強度比が表示されることとなる。
【0049】
<本実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作について、説明する。術者は、鉗子チャネルとしての細管13にプローブPを挿入しないで、内視鏡1の挿入部を体腔内に挿入し、その先端部を、観察対象となる部位に対向させる。なお、モニタには、内視鏡1の先端部が対向した領域が、カラー画像として表示される。術者は、このカラー画像を見て、生体内の状態を観察することができる。
【0050】
さらに、術者は、カラー画像の観察を通じて選択した部位に対して、蛍光診断補助装置3を利用した蛍光観察を行う。具体的には、術者は、蛍光診断補助装置3のプローブPの先端を、内視鏡1の鉗子口1dから鉗子チャネル13内へ挿入し、内視鏡1の先端側の鉗子口1cから突出させる。そして、術者は、プローブPの先端を体腔壁に密着させ、プローブPの先端から励起光を射出させる。この励起光は、体腔壁内の組織を励起して、自家蛍光を放出させる。このため、組織から発せられた自家蛍光及び体腔壁表面で反射された励起光が、検出光としてプローブPの先端から入射する。このプローブPにおける第2の光ファイバF2に入射した検出光は、第2分岐バンドルP2を経て、蛍光診断補助装置3へ導かれる。蛍光診断補助装置3へ導かれた検出光は、検出器33において電気信号に変換され、増幅器34で増幅された後、主に高周波成分を持つノイズをHPF回路35及び加算器36において除去され、A/D変換器37でデジタル信号に変換され、演算器38に取得される。そして、ホイール32の回転に伴ってオプティカルセンサOSからH信号及びL信号が出力される毎に、演算器38では、緑色帯域の成分及び赤色帯域の成分の強度値が交互に更新されるとともに、表示部3Mには、両成分の強度比が表示される。
【0051】
術者は、このようにして表示部3Mに表示された強度比に基づいて、内視鏡1の先端に対向している箇所が異常部位であるか正常部位であるかを診断することができる。
【0052】
<まとめ>
上述したように、本実施形態の蛍光診断補助装置3は、従来の蛍光診断補助装置のようにプローブPから取得される蛍光の強度をハーフミラーで半減させてから各成分を抽出するのではなく、プローブPから取得された蛍光をそのまま用いて各成分を抽出している。このため、従来の蛍光診断補助装置に比べると、緑色信号及び赤色信号のS/N比を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態の蛍光診断補助装置3では、緑色帯域の成分の強度値を得る場合には、赤色帯域の成分の強度値を得るときよりも、励起光の強度が所定倍(上記説明では2倍)に増加される。これにより、検出器33において検出される緑色帯域の成分の強度が高められるので、緑色信号のS/N比は、更に向上される。
【0054】
また、本実施形態の蛍光診断補助装置3では、緑色帯域の成分の強度値を得る場合には、赤色帯域の成分の強度値を得るときよりも、増幅器34における増幅率が所定倍(上記説明では2倍)に増加される。これにより、緑色信号の利得は、向上される。
【0055】
さらに、本実施形態の蛍光診断補助装置3では、HPF回路35及び加算器36により、主に高周波成分を持つノイズが緑色信号及び赤色信号から除去される。このため、緑色信号及び赤色信号のS/N比は、更に向上される。
【0056】
なお、本実施形態の蛍光診断補助装置3では、オプティカルセンサOSがH信号を出力する間、増幅器34での増幅率は、L信号が出力されているときの2倍に変化されるが、この増幅率は可変であっても良い。例えば、トランジスタ及び可変抵抗器などを用いた一般的な増幅回路を、増幅度制御回路34c及び演算器38に接続し、増幅率を増加させる率と、Vrsの代入値を除算する値とが、可変抵抗器の操作により“2”から或る値まで変動するように構成する。このように構成されると、術者は、増幅率を増加させる率を任意に調整することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、生体組織から発せられる蛍光における緑色帯域の赤色帯域に対する強度比の算出に利用される各成分用の信号のS/N比を、それぞれ向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の内視鏡システムの概略的な外観図
【図2】内視鏡システムを模式的に示す概略構成図
【図3】蛍光診断補助装置を模式的に示す概略構成図
【図4】ホイールの正面図
【図5】演算器において実行される処理の内容を示すフローチャート
【図6】従来の蛍光診断補助装置を模式的に示す概略構成図
【符号の説明】
1     内視鏡
1a    挿入部
1b    操作部
1c,1d 鉗子口
2     光源プロセッサ装置
3     蛍光診断補助装置
3M    表示部
31    励起光光源
31S   光源電源
31c   強度制御回路
32    ホイール
32a   第1の光学フィルタ
32b   第2の光学フィルタ
32H   H信号検出領域
32L   L信号検出領域
32M   モータ
33    検出器
34    増幅器
34c   増幅度制御回路
35    ハイパスフィルタ(HPF)回路
36    加算器
37    A/D変換器
38    演算器
M     モニタ
P     プローブ
P0    複合バンドル
P1    第1分岐バンドル
P2    第2分岐バンドル

Claims (6)

  1. 励起光が照射された生体から発せられる蛍光に基づいた診断を可能にする蛍光診断補助装置であって、
    その先端から入射した前記蛍光を基端へ導くための複数の光ファイバが束ねられてなるプローブと、
    入射される光から所定の第1の波長帯域の成分を抽出する第1の光学素子と、入射される光から所定の第2の波長帯域の成分を抽出する第2の光学素子と、前記プローブの基端面から射出された前記蛍光の光束全体を、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子に対して、交互に繰り返し入射させる切替機構と、前記第1及び第2の光学素子により交互に抽出された第1及び第2の波長帯域の成分を電気信号に変換する検出部と、
    前記第1の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値を前記第1の波長帯域の成分の強度値として記憶し、前記第2の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値を前記第2の波長帯域の成分の強度値として記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された両強度値に基づいて、両成分の強度比を算出して出力する演算部と
    を備えることを特徴とする蛍光診断補助装置。
  2. 前記検出部は、電気信号を所定の増幅率にて増幅しているとともに、前記第1の波長帯域の成分を電気信号に変換する間だけ、その増幅率を、所定の第1の数値を乗じた増幅率に、増加させ、
    前記記憶部は、前記第1の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値に前記第1の数値を除算した値を、前記第1の波長帯域の成分の強度値として記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光診断補助装置。
  3. 前記検出部は、前記電気信号から低周波成分を取り除いた信号を元の電気信号から減算することにより、主に高周波成分を持つノイズを電気信号から除去している
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光診断補助装置。
  4. 生体組織を励起させるための励起光を出力する励起光光源部を、更に備えるとともに、
    前記プローブは、前記励起光光源部から出力される励起光を先端に導く複数の第1の光ファイバと、励起された生体組織から発せられて先端面から入射した自家蛍光を基端側へ導く複数の第2の光ファイバとからなる
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の蛍光診断補助装置。
  5. 前記励起光光源部は、前記第1の光学素子により前記第1の波長帯域の成分が抽出されている間だけ、前記励起光の強度を、所定の第2の数値を乗じた強度に切り替え、
    前記記憶部は、前記第1の波長帯域の成分に基づく電気信号が前記検出部から出力されると、その電気信号が示す値に前記第2の数値を除算した値を、前記第1の波長帯域の成分の強度値として記憶する
    ことを特徴とする請求項4記載の蛍光診断補助装置。
  6. 前記第1及び第2の光学素子は、光学フィルタである
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の蛍光診断補助装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009125411A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Fujinon Corp 内視鏡画像処理方法および装置ならびにこれを用いた内視鏡システム
US8295917B2 (en) 2006-12-25 2012-10-23 Olympus Corporation Fluorescence endoscope and fluorometry method
US8300093B2 (en) 2009-01-12 2012-10-30 Fujifilm Corporation Endoscope image processing method and apparatus, and endoscope system using the same

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