JP4131006B2 - 蛍光診断用システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体から発せられる自家蛍光に基づき、術者による診断用の情報を取得する蛍光診断用システムに、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生体組織に対して紫外光(励起光)が照射されると、この生体組織は励起されて蛍光(自家蛍光)を発することが、知られている。さらに、腫瘍等の病変が生じた生体組織が発する自家蛍光は、正常な生体組織が発する蛍光とは異なる性質を有することが、知られている。特に、病変が生じた組織からの自家蛍光における緑色帯域の成分の強度は、正常な組織からのものよりも小さくなっている。但し、病変が生じた組織からの自家蛍光における赤色帯域の成分の強度は、正常な組織からのものと、同程度である。従って、病変が生じた組織からの自家蛍光の緑色帯域の強度と赤色帯域の強度との比は、正常な組織からのものよりも小さくなっている。
【0003】
そこで、診断のために有用な情報(診断用情報)として、自家蛍光の緑色帯域の強度と赤色帯域の強度との比を測定し、術者に提供する蛍光診断用システムが、開発されてきている。図6は、励起光及び測定対象の光の特性を示すグラフである。この図6のグラフの横軸は光の波長を示し、縦軸はその強度を示している。励起光は、波長λeに強度のピークを有する紫外光である。この波長λeは、例えば、λe=365nmに設定されている。但し、可視帯域における短波長側の光が、励起光として利用されることもある。そして、自家蛍光における波長λ1を中心とする第1の波長帯域,及び,波長λ2を中心とする第2の波長帯域が、夫々測定の対象となる。これら波長λ1及び波長λ2は、例えば、緑色帯域及び赤色帯域中に夫々設定されている。なお、λ1<λ2である。
【0004】
上記の蛍光診断用システムは、励起光を生体へ照射するとともに生体からの光を導くプローブを備えている。このプローブは、励起光を導く多数の照射用光ファイバと、蛍光を導く多数の検出用光ファイバとが、束ねられて構成されている。具体的には、両光ファイバは、その先端側では複合バンドルとして束ねられており、基端側では、照射用光ファイバのみの照射用バンドルと、検出用光ファイバのみの検出用バンドルとして、個別に束ねられている。さらに、この蛍光診断用システムは、照射用バンドルにその基端面から励起光を入射させる励起光源部と、検出用バンドルの基端側に接続されるとともに生体からの光を検出する検出部とを、備えている。
【0005】
通常、このプローブは、その先端側が内視鏡の鉗子チャネル内へ引き通されて、使用される。即ち、術者は、内視鏡の先端からプローブを突出させた状態で、この内視鏡の先端を被検体に対向させる。そして、術者は、プローブの先端を、被検体に当接させる。
【0006】
この状態において、照射用バンドルに導かれた励起光は、複合バンドルを経て、プローブの先端から被検体へ射出される。すると、被検体は、励起光に照射されて、自家蛍光を発する。このため、この自家蛍光が、被検体表面で反射された励起光とともに、プローブにその先端から入射する。このプローブの複合バンドルにおける各検出用光ファイバに入射した光(検出光)は、検出用バンドルの基端面から射出されて、検出部によって検出される。この検出部は、自家蛍光における第1の波長帯域の強度に対応した信号を出力する第1の回路系,及び第2の波長帯域の強度に対応した信号を出力する第2の回路系を、備えている。
【0007】
そして、検出部は、第1の回路系が取得した値,及び第2の回路系が取得した値に基づき、検出光における第1の波長帯域の強度と第2の波長帯域の強度との比(強度比)を算出する。算出された強度比は、キャラクタやグラフとしてモニタに表示される。なお、この強度比は、内視鏡により取得された被検体のカラー画像とともに、モニタに表示される。術者は、強度比が大きければ、当該被検体が正常であると判断し、強度比が小さければ、当該被検体に病変が生じていると判断する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自家蛍光の特性は、観察対象となる組織の位置や状態に応じて変化する。従って、この自家蛍光の強度が、検出部における両回路系のダイナミックレンジに適合しないことがある。このため、両回路系から夫々S/N比の高い信号を得ることは、難しい。
【0009】
そこで、励起光の強度を調整することにより、常に、検出に適した強度の自家蛍光を得ることができる蛍光診断用システムを提供することを、本発明の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による蛍光診断用システムは、上記課題を解決するために、以下のような構成を採用した。
【0011】
即ち、この蛍光診断用システムは、生体を励起して自家蛍光を放出させるための励起光を所望の強度で被検体に照射する照射部と、前記励起光により励起された前記被検体から発せられた自家蛍光を検出するとともに、検出した自家蛍光における所定の第1の波長帯域の成分の強度に対応したアナログ信号である第1の検出信号,及び前記第1の波長より長波長となる所定の第2の波長帯域の成分の強度に対応したアナログ信号である第2の検出信号を、夫々出力する検出部と、前記検出部が出力した第1の検出信号と第2の検出信号とを、夫々、所定のダイナミックレンジ内においてアナログデジタル変換するA/D変換器と、前記A/D変換器によってデジタル信号に変換された前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との比に基づく診断用情報を取得する分析部と、前記検出部が出力した前記第2の検出信号を取得し、取得した検出信号の値が前記ダイナミックレンジの上限値よりも小さい場合には、前記照射部を制御して励起光の強度を増大させ、取得した検出信号の値が所定の基準値よりも大きい場合には、前記照射部を制御して励起光の強度を減少させる制御部とを、備えたことを特徴とする。
【0012】
このように構成されると、長波長側の波長帯域の強度に対応した第2の検出信号の値が基準値と一致するように、励起光の強度が調節される。このように調節されると、検出部は、常に、検出に適した強度の自家蛍光を取得することができる
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の蛍光観察用システムを模式的に示す概略構成図である。この蛍光観察用システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,プローブP,診断用補助装置3,及びモニタ4を、備えている。
【0014】
<電子内視鏡>
まず、電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)1について、説明する。この内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部を、有している。但し、図1には、この内視鏡1の詳細な形状は、図示されていない。この挿入部の先端には湾曲部が組み込まれており、この湾曲部の先端には、硬質部材製の先端部が固定されている。また、挿入部の基端には操作部が連結されている。この操作部には、湾曲部を湾曲操作するためのダイヤル及び各種操作スイッチが、設けられている。
【0015】
この内視鏡1の先端部には、少なくとも3つの貫通孔が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12が夫々填め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子孔13として利用される。具体的には、この鉗子孔13と操作部に開けられた開口(基端側の鉗子孔14)とを結ぶチューブが、内視鏡1内を引き通されており、このチューブを通じて両鉗子孔13,14の間に形成される管が、鉗子チャネルとして利用される。
【0016】
さらに、内視鏡1は、ライトガイド15を、有している。このライトガイド15は、光ファイバが多数束ねられてなるファイババンドルである。そして、このライトガイド15は、その先端面が配光レンズ11に対向した状態で、内視鏡1内を引き通され、その基端が、光源プロセッサ装置2内に引き通されている。
【0017】
さらに、内視鏡1は、CCDエリアセンサからなる撮像素子16を、有している。この撮像素子16の撮像面は、内視鏡1の先端部が被検体に対向配置されたときに対物レンズ12が当該被検体像を結ぶ位置の近傍に、配置されている。そして、撮像素子16は、被検体像に基づく画像データを取得して、信号線17へ出力する。
【0018】
<光源プロセッサ装置>
次に、光源プロセッサ装置2について説明する。この光源プロセッサ装置2は、互いに接続されたシステムコントローラ21及びタイミングジェネレータ22を、備えている。システムコントローラ21は、光源プロセッサ装置2全体を制御するコントローラである。タイミングジェネレータ22は、各種基準信号を生成する回路であり、光源プロセッサ装置2における各種処理は、この基準信号に従って進行する。
【0019】
さらに、光源プロセッサ装置2は、白色光源23,及び集光レンズ24を、備えている。白色光源23は、白色光を平行光として射出する。集光レンズ24は、白色光源23により射出された白色光の光路上に配置されており、この白色光をライトガイド15の基端面上に収束させる。
【0020】
これら集光レンズ24及びライトガイド15間の光路上には、ホイール25が、挿入されている。このホイール25は、円板状の外形を有し、その外周に沿ったリング状の領域に3つの開口が設けられている。これら各開口には、入射した光のうちの赤色帯域のみを透過させるRフィルタ,緑色帯域のみを透過させるGフィルタ,及び青色帯域のみを透過させるBフィルタが、夫々嵌め込まれている。
【0021】
このホイール25の中心は、モータ25Mの出力軸に対して固定されている。このモータ25Mは、タイミングジェネレータ22に接続されている。そして、モータ25Mは、タイミングジェネレータ22からの基準信号に従って、ホイール25のRフィルタ,Gフィルタ,及びBフィルタを、集光レンズ24及びライトガイド15間の光路中に、順次、繰り返して挿入させるように、当該ホイール25を回転させる。
【0022】
すると、ライトガイド15の基端面には、赤色光(R光),緑色光(G光),及び青色光(B光)が、順次繰り返して入射する。入射したR光,G光,及びB光は、ライトガイド15に導かれ、配光レンズ11により拡散されて、内視鏡1の先端に対向した被検体を照明する。すると、撮像素子16の撮像面には、被検体のR光による像,G光による像,及びB光による像が、順次形成される。そして、この撮像素子16は、被検体のR光による像,G光による像,及びB光による像を、R画像信号,G画像信号,及びB画像信号に夫々変換し、信号線17へ順次出力する。
【0023】
さらに、光源プロセッサ装置2は、タイミングジェネレータ22に夫々接続された1つの前段処理部26,3つのメモリ27R,27G,27B,及び3つの後段処理部28R,28G,28Bを、備えている。前段処理部26は、信号線17に接続され、撮像素子16から出力されたR画像信号,G画像信号,及びB画像信号を順次取得して保持し、信号処理及びA/D変換することにより、R画像データ,G画像データ,及びB画像データを、順次出力する。この前段処理部26には、各メモリ27R,27G,27Bが、夫々接続されている。そして、前段処理部26から出力されたR画像データ,G画像データ,及びB画像データは、各メモリ27R,27G,27Bに、夫々格納される。
【0024】
これら各メモリ27R,27G,27Bには、各後段処理部28R,28G,28Bが、夫々接続されている。そして、各後段処理部28R,28G,28Bは、夫々、各メモリ27R,27G,27Bに格納されたR画像データ,G画像データ,及びB画像データを読み出して、信号処理及びD/A変換することにより、R画像信号,G画像信号,及びB画像信号を、出力する。出力されたR画像信号,G画像信号,及びB画像信号は、タイミングジェネレータ22から出力された同期信号(Sync)とともに、一組の映像信号として、図示せぬ映像出力端子へ出力される。
【0025】
モニタ4は、この映像出力端子に接続されており、出力された映像信号を取得して、画面表示する。即ち、モニタ4には、被検体のカラー映像が動画表示される。なお、システムコントローラ21は、各後段処理部28R,28G,28Bに夫々接続されており、後述の如く診断用補助装置3から出力された診断用情報を、映像信号に含ませる。このため、モニタ4には、診断用情報がスーパーインポーズされた状態の映像が、表示される。この診断用情報については、後述する。
【0026】
<プローブ>
次に、プローブPについて説明する。図2は、プローブPの構成を示す模式図である。このプローブPは、生体組織を励起して自家蛍光を放出させるための励起光を導く第1の光ファイバF1,及び,生体組織からの光を導くための第2の光ファイバF2を、いずれも多数備えている。そして、両光ファイバF1,F2はその先端から過半の領域において、複合バンドルとして束ねられている。この複合バンドル及びそれを被覆するチューブが、複合部P0を構成している。
【0027】
図3は、複合部P0の横断面図である。チューブTは、可撓性を有する細管状の部材であり、内視鏡1の鉗子チャネルに挿通可能な外径を、有している。そして、このチューブT内に、両光ファイバF1,F2が充填されている。具体的には、チューブTの中心軸周辺の領域に、第2の光ファイバF2が充填され、その外側に第1の光ファイバF1が充填されている。
【0028】
図2に示されるように、第1の光ファイバF1は、その基端側において、第1の分岐バンドルとして束ねられている。この第1の分岐バンドルは、可撓性を有する管状部材である第1の分岐チューブ(図示せず)に被覆されている。これら第1の分岐バンドル及び第1の分岐チューブが、第1の分岐部P1を構成している。
【0029】
同様に、第2の光ファイバF2は、その基端側において、第2の分岐バンドルとして束ねられている。この第2の分岐バンドルは、可撓性を有する管状部材である第2の分岐チューブ(図示せず)に被覆されている。これら第2の分岐バンドル及び第2の分岐チューブが、第2の分岐部P2を構成している。
【0030】
そして、このプローブPは、その複合部P0が鉗子チャネルに挿通されるとともに、その先端が鉗子孔13から突出した状態で、使用される。なお、このプローブPにおける両分岐部P1,P2の基端側は、夫々、診断用補助装置3内に引き通されている。
【0031】
<診断用補助装置>
次に、図4を参照して、診断用補助装置3について説明する。この診断用補助装置3は、所定帯域の紫外光(励起光)を射出する励起光源30,調光ユニット30C,及び励起光用の集光レンズL1を、備えている。調光ユニット30Cは、励起光源30に対して駆動電圧を供給する。この励起光源30は、供給された駆動電圧に応じた強度の励起光を、平行光として射出する。そして、調光ユニット30Cは、駆動電圧を変化させることにより、励起光源30から射出される励起光の強度を、調整することができる。
【0032】
集光レンズL1は、励起光源30から射出された励起光の光路上に配置されており、この励起光を、第1の分岐部P1における分岐バンドルの基端面上に収束させる。収束した励起光は、第1の分岐部P1における各光ファイバF1内に入射する。入射した励起光は、これら各光ファイバF1に導かれて、複合部P0の先端面から射出される。
【0033】
この複合部P0の先端面が、生体組織等の被検体に対向した状態において、この被検体は、複合部P0の先端面から射出された励起光を照射される。すると、被検体は励起されて、自家蛍光を発する。なお、励起光の一部は、被検体表面で反射される。このため、反射された励起光及び発せられた自家蛍光の一部が、複合部P0の先端面へ向かう。そして、これら励起光及び自家蛍光のうち、第2の光ファイバF2に入射したものは、これら第2の光ファイバF2に導かれて、第2の分岐バンドルの基端面から射出される。
【0034】
さらに、診断用補助装置3は、コリメータレンズL2,励起光カットフィルタ31,ビームスプリッタBS,ミラーM,バンドパス・フィルタ32a,32b,及び検出器Da,Dbを、備えている。
【0035】
コリメータレンズL2は、第2の分岐部P2における分岐バンドルの基端面から射出された光(検出光)の光路上に配置されており、この検出光を平行光に変換する。このコリメータレンズL2から射出された平行光の光路上には、励起光カットフィルタ31及びビームスプリッタBSが、順に配置されている。励起光カットフィルタ31は、入射した検出光のうちの励起光の成分を遮断するとともに自家蛍光の成分を透過させる。従って、励起光カットフィルタ31からは、自家蛍光のみが射出される。そして、ビームスプリッタBSは、この自家蛍光の一部を透過させるとともに一部を反射させる。
【0036】
ビームスプリッタBSを透過した自家蛍光は、ミラーMにより反射される。反射された自家蛍光の光路上には、第1のフィルタ32a,及び第1の検出器Daが、順に配置されている。第1のフィルタ32aは、入射した光のうちの緑色帯域(第1の波長帯域)の成分のみを透過させるとともに他の成分を遮断する。従って、入射した自家蛍光のうち、緑色帯域の成分のみが抽出される。そして、第1の検出器Daは、抽出された緑色帯域の成分の強度に対応した電気信号を出力する。
【0037】
一方、ビームスプリッタBSにより反射された自家蛍光の光路上には、第2のフィルタ32b,及び第2の検出器Dbが、順に配置されている。第2のフィルタ32bは、入射した光のうちの赤色帯域(第2の波長帯域)の成分のみを透過させるとともに他の成分を遮断する。従って、入射した自家蛍光のうち、赤色帯域の成分のみが抽出される。そして、第2の検出器Dbは、抽出された赤色帯域の成分の強度に対応した電気信号を出力する。
【0038】
さらに、診断用補助装置3は、増幅器33a,33b,フィルタ回路34a,34b,A/D変換器35a,35b,及び演算器36を、備えている。第1の増幅器33aは、第1の検出器Daに接続されており、該検出器Daから出力された信号(第1の検出信号)を、所定の増幅率で増幅して出力する。第1のフィルタ回路34aは、第1の増幅器33aに接続されており、該増幅器33aから出力された信号を取得し、ノイズの成分を除去して出力する。第1のA/D変換器35aは、第1のフィルタ回路34aに接続されており、該フィルタ回路34aから出力されたアナログ信号を、デジタル信号に変換して、第1の強度データとして出力する。この第1の強度データは、自家蛍光における緑色帯域の強度を示すデータである。
【0039】
一方、第2の増幅器33bは、第2の検出器Dbに接続されており、該検出器Dbから出力された信号(第2の検出信号)を、所定の増幅率で増幅して出力する。第2のフィルタ回路34bは、第2の増幅器33bに接続されており、該増幅器33bから出力された信号を取得し、ノイズの成分を除去して出力する。第2のA/D変換器35bは、第2のフィルタ回路34bに接続されており、該フィルタ回路34bから出力されたアナログ信号を、デジタル信号に変換して、第2の強度データとして出力する。この第2の強度データは、自家蛍光における赤色帯域の強度を示すデータである。
【0040】
演算器36は、両A/D変換器35a,35bに夫々接続されており、これら変換器35a,35bから夫々出力された第1の強度データ及び第2の強度データの比を算出して、強度比データとして出力する。なお、この演算器36は、光源プロセッサ装置2のシステムコントローラ21に接続されている。そして、システムコントローラ21は、演算器36から出力された強度比データを、取得する。
【0041】
さらに、診断用補助装置3は、図4に模式的に示された加算器37を備えている。加算器37は、第2のフィルタ回路34bに接続されており、該フィルタ回路34bから出力された信号を、取得する。なお、第2のA/D変換器35bは、所定の基準電圧の信号を出力する基準電圧端子を、有している。この基準電圧は、アッパー側のレファレンス電圧、即ち、当該A/D変換器35bのダイナミックレンジの上限に相当する電圧である。そして、このA/D変換器35bの基準電圧端子は、加算器37に接続されている。この加算器37は、第2のA/D変換器35bから出力された基準電圧の信号と、第2のフィルタ回路34bから出力された信号との差分信号を、出力する。なお、基準電圧は、A/D変換器35bから独立した他の回路により供給されてもよい。
【0042】
さらに、この加算器37は、調光ユニット30Cに接続されている。そして、調光ユニット30Cは、加算器37から出力された差分信号を取得して、この差分信号に対応させた駆動電圧を励起光源30に供給する。すると、励起光源30は、供給された駆動電圧に対応した強度の励起光を、射出する。具体的には、調光ユニット30Cは、取得した差分信号の電圧が正の場合には、駆動電圧を高くしてゆく。この場合には、励起光の強度は増大してゆく。一方、調光ユニット30Cは、取得した差分信号の電圧が負の場合には、駆動電圧を低くしてゆく。この場合には、励起光の強度は減少してゆく。なお、差分信号の電圧が0である場合には、駆動電圧は定常に維持される。従って、この場合には、励起光の強度は維持される。
【0043】
但し、調光ユニット30Cは、駆動電圧が所定の上限電圧に達している場合には、差分信号の電圧が正であったとしても、この駆動電圧を上げることがない。従って、どのような場合にも駆動電圧は上限電圧以下になるため、励起光源30に過大な電圧が印加されることがない。このため、励起光源30から発せられる励起光の強度は、所定の上限値を越えない範囲で、所望の値に調節される。
【0044】
なお、プローブPの第1の光ファイバF1,並びに,診断用補助装置3の励起光源30及び集光レンズL1は、照射部に相当する。また、プローブPの第2の光ファイバF2,並びに,診断用補助装置3のコリメータレンズL2,励起光カットフィルタ31,ビームスプリッタBS,ミラーM,両フィルタ32a,32b,及び両検出器Da,Dbは、検出部に相当する。さらに、両増幅器33a,33b,両フィルタ回路34a,34b,両A/D変換器35a,35b,及び演算器36は、分析部に相当する。また、加算器37及び調光ユニット30Cは、制御部に相当する。
【0045】
そして、加算器37から出力された差分信号の電圧が正であることが、検出信号の値が基準値よりも小さいことに相当し、差分信号の値が0であることが検出信号の値が基準値に一致することに相当し、差分信号の電圧が負であることが、検出信号の値が基準値よりも大きいことに相当する。
【0046】
<実施形態の動作>
上記構成の蛍光診断用システムにおいて、診断用補助装置3の調光ユニット30Cは、加算器37から出力された差分信号に従って、励起光源30への駆動電圧を調節する。そして、励起光源30から射出される励起光の強度は、加算器37から出力される差分信号の電圧が0となるように、調節される。この差分信号の電圧が0になった場合に、第2のフィルタ回路34bから出力された信号の電圧は、第2のA/D変換器35bの入力のダイナミックレンジの上限と、一致している。なお、一般に、第1のフィルタ回路34aから出力された信号の電圧は、第2のフィルタ回路34bから出力された信号の電圧よりも低い。このため、第2フィルタ回路34bから出力された信号の電圧が、第2のA/D変換器35bの入力のダイナミックレンジを越えていなければ、第1のフィルタ回路34aから出力された信号の電圧は、第1のA/D変換器35aの入力のダイナミックレンジの上限未満になっている。
【0047】
従って、第2のA/D変換器35bへの入力電圧がそのダイナミックレンジを越えることなく、しかも、第1のA/D変換器35aに対して充分な強度の信号が入力される故に、これら両A/D変換器35a,35bのダイナミックレンジが有効に活かされたS/N比の高いデジタル信号が、夫々出力される。
【0048】
そして、演算器36は、これら両デジタル信号を夫々取得して、強度比データを算出して出力する。すると、光源プロセッサ装置2のシステムコントローラ21は、この強度比データを取得して、該強度比データが示す値を百分率で示したキャラクタデータを作成するとともに、この強度比データを表すグラフ(イメージデータ)を作成する。これらキャラクタデータ及びグラフは、診断用情報と総称される。そして、システムコントローラ21は、図1に示された各後段信号処理部28R,28G,28Bを制御して、各メモリ27R,27G,27Bから読み出された画像データに診断用情報をスーパーインポーズさせた画像データを、出力させる。
【0049】
すると、図5に示されるように、モニタ4には、被検体のカラー画像40とともに自家蛍光の第1の波長帯域と第2の波長帯域との強度比を示すキャラクタデータ41及びグラフ42が、表示される。この図5に示された例では、自家蛍光の第1の波長帯域と第2の波長帯域との強度比は、百分率で「50%」と表示されている。これらキャラクタデータ41及びグラフ42は、リアルタイムで更新されてゆく。そして、術者は、S/N比の高い信号に基づいて作成されたこれらキャラクタデータ41及びグラフ42を、診断に役立てることができる。
【0050】
<変形例>
上記診断用補助装置3の両検出器Da,Dbは、例えば、フォトダイオードから構成されている。なお、フォトダイオードは、短波長側の感度が低くなる特性を有している。このため、両検出器Da,Dbに夫々入射した光の強度が互いに等しくとも、自家蛍光における長波長側(第2の波長帯域)の成分を測定対象とする第2の検出器Dbからの出力信号は、短波長側(第1の波長帯域)の成分を測定対象とする第1の検出器Daからのものよりも、その強度が大きくなる。
【0051】
このような検出器Da,Dbの特性を補償するために、図4に示されたビームスプリッタBS及び第2のフィルタ32b間の光路中に、図示せぬ減衰フィルタが挿入されてもよい。この場合には、演算器36は、当該減衰フィルタによる光強度の減衰を考慮して、強度比データを算出してもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の蛍光診断用システムによると、常に、検出に適した強度の自家蛍光が得られる。従って、この自家蛍光に基づいて、S/N比の高い高精度の信号が得られる。この高精度の信号に基づいて診断用情報が作成される場合には、この診断用情報の精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の蛍光診断用システムを模式的に示す概略構成図
【図2】 プローブの構成を示す模式図
【図3】 プローブにおける複合部の横断面図
【図4】 診断用補助装置を模式的に示す構成図
【図5】 被検体像及び診断用情報を含んだ表示例を示す模式図
【図6】 励起光及び測定対象の光の特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 電子内視鏡
2 光源プロセッサ装置
3 診断用補助装置
30 励起光源
30C 調光ユニット
31 励起光カットフィルタ
32a,32b バンドパス・フィルタ
33a,33b 増幅器
34a,34b フィルタ回路
35a,35b A/D変換器
36 演算器
37 加算器
Da,Db 検出器
L1 集光レンズ
L2 コリメータレンズ
P プローブ
F1 第1の光ファイバ
F2 第2の光ファイバ

Claims (2)

  1. 生体を励起して自家蛍光を放出させるための励起光を所望の強度で被検体に照射する照射部と、
    前記励起光により励起された前記被検体から発せられた自家蛍光を検出するとともに、検出した自家蛍光における所定の第1の波長帯域の成分の強度に対応したアナログ信号である第1の検出信号,及び前記第1の波長より長波長となる所定の第2の波長帯域の成分の強度に対応したアナログ信号である第2の検出信号を、夫々出力する検出部と、
    前記検出部が出力した第1の検出信号と第2の検出信号とを、夫々、所定のダイナミックレンジ内においてアナログデジタル変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器によってデジタル信号に変換された前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との比に基づく診断用情報を取得する分析部と、
    前記検出部が出力した前記第2の検出信号を取得し、取得した検出信号の値が前記ダイナミックレンジの上限値よりも小さい場合には、前記照射部を制御して励起光の強度を増大させ、取得した検出信号の値が所定の基準値よりも大きい場合には、前記照射部を制御して励起光の強度を減少させる制御部と
    を備えたことを特徴とする蛍光診断用システム。
  2. 前記制御部は、取得した検出信号の値が前記ダイナミックレンジの上限値よりも小さい場合には、前記照射部から発せられた励起光の強度が所定の上限値に達していないときにのみ、前記照射部を制御して励起光の強度を増大させ、励起光の強度が所定の上限値に達しているときには、当該励起光の強度を維持させることを特徴とする請求項1記載の蛍光診断システム。
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