JP2004023848A - モータのロータコア構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップすることなく安価な方法で、コアの軸ずれが嵌合孔の内径に与える影響を小さくすると共に、コアの圧入時にシャフトが傷付くことを抑制可能なモータのロータコア構造を提供すること。
【解決手段】中央部にシャフト3を圧入する嵌合孔を備えたコア2は、打ち抜き加工により形成した複数のコアシート4がその外形を基準として回転積層されて形成される。各コアシート4には、直線部を有する多角形状に形成した貫通孔6が形成されている。各コアシート4が回転積層され貫通孔6が連通されることで、シャフト3と係合する複数の係合部8を有するコア2の嵌合孔5が形成される。シャフト3がコア2の嵌合孔5に圧入されることでロータ1が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】中央部にシャフト3を圧入する嵌合孔を備えたコア2は、打ち抜き加工により形成した複数のコアシート4がその外形を基準として回転積層されて形成される。各コアシート4には、直線部を有する多角形状に形成した貫通孔6が形成されている。各コアシート4が回転積層され貫通孔6が連通されることで、シャフト3と係合する複数の係合部8を有するコア2の嵌合孔5が形成される。シャフト3がコア2の嵌合孔5に圧入されることでロータ1が形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータのロータコア構造に係り、詳しくはシャフトが圧入固定される嵌合孔に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、技術の向上に伴い、モータなどの回転電機装置の低騒音・低振動化の要求が高まってきている。例えば、モータのロータコア(積層コア)にシャフトを圧入したロータにおいては、シャフトの傷付きによる軸受部の摺動音、含油メタルの油膜断絶によるロータの暴れ音、又、軸ずれによる騒音等が問題視されている。
【0003】
このようなロータの騒音の防止対策の一つとして、例えば、シャフト圧入後のコアとシャフトとの軸ずれ及び傷付きの防止があげられる。図8(a)及び(b)に示すように、モータなどの回転電機装置のロータコアとして、円形状に形成された貫通孔51を有するコアシート52を回転積層させてなる回転積層コア53(以下、単にコアという)がある。コアシート52は、鉄心単板からその外形が打ち抜かれ、その打ち抜き角度のまま略中央部に円形状の貫通孔52が形成される。コア53は、コアシート52を、その外形を基準として一定の回転角度で回転積層されて形成されている。その結果、形成されたコア53の嵌合孔54は、シャフト55の軸方向に対して整列状態で形成されている。こうして形成されたコア53の嵌合孔54に、シャフト55が圧入されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コア53の嵌合孔54にシャフト55を圧入する工程において、シャフト55の傷付き防止、廻りトルクの確保等により、嵌合孔54の孔系は非常に厳しい精度が要求される。そして、コア53を構成する複数のコアシート52は、それぞれ個別加工により貫通孔51が形成されている。このため、上記のように外形を基準として複数のコアシート52を積層した場合、各コアシート52の貫通孔51のバラツキ(孔形状及び孔位置)が発生する。このバラツキは、シャフト55の嵌合に影響を与え、コア53の嵌合孔54の孔径を制御することは困難になる。このため、その嵌合孔54にシャフト55を圧入する際にそのシャフト55の表面に傷付きが発生する虞があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストアップすることなく安価な方法で、コアの嵌合孔の内径寸法の変動を抑制すると共に、シャフトの圧入時にシャフトが傷付くことを抑制可能なモータのロータコア構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造において、前記嵌合孔は、前記コアシートを回転積層させることにより形成され、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、少なくとも1つの直線部を有し、該直線部により前記係合部を形成することをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、前記貫通孔を非整列状態に積層されて、前記複数の係合部が前記嵌合孔を形成することをその要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、前記複数の直線部からなる多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、前記各直線部の長さが等しい正多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、1枚ずつ回転させて積層されることをその要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、所定の角度だけ回転させて積層されることをその要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、1スロット又は数スロット分の角度で回転させて積層されることをその要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔の角数は、前記コアのスロット数と異なるように設定したことをその要旨とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、周方向外側に向かって延びる切欠きが形成されていることをその要旨とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、前記コアシートに前記貫通孔を形成する工程と、複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有することをその要旨とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、前記コアシートに、該コアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きを有する前記貫通孔を形成する工程と、複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有することをその要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、コアシートを回転積層させてなるコアの嵌合孔は、複数の係合部によってシャフトの圧入方向から見て多角形状に形成されている。従って、各コアシートの貫通孔の位置ずれが発生してもシャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなり、シャフト圧入時の抵抗が少なくなる為、シャフトの傷付きを抑制できる。又、それと共に、軸ずれが積層後の嵌合孔の内径に与える影響が小さくできる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、貫通孔は係合部を形成する少なくとも1つの直線部を有している。従って、回転積層によって形成される嵌合孔は、複数の直線部からなる係合部によって確実に多角形状に形成され、シャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなる。その結果、シャフトの傷付きを確実に抑制できる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、嵌合孔は、コアシートが回転積層される際に、貫通孔を非整列状態とするように積層されて形成される。従って、コアシートの貫通孔の直線部が重ならずたわみ易くなるため、より一層、シャフトの圧入時の傷付きを抑制できる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、貫通孔は、複数の直線部からなる多角形状に形成される。従って、回転積層時に、嵌合孔は複数の直線部によって形成された係合部によって確実に多角形状に形成され、シャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなる。その結果、シャフトの傷付きを確実に抑制できる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、貫通孔は、各直線部の長さが等しい正多角形状に形成されている。従って、貫通孔を無駄なく利用できる。
請求項6に記載の発明によれば、コアシートは1枚ずつ回転されて積層されている。従って、積層されるコアシートの軸方向に対して隣接する貫通孔の直線部が重なることがないため、より一層、シャフトの圧入時の傷付きを抑制できる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、コアシートは所定の角度だけ回転させて積層されている。従って、コアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、コアシートは1スロット又は数スロット分の角度だけ回転させて積層されている。従って、このように形成されたコアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、嵌合孔の角数とスロット数とが異なるように形成されている。従って、コアシートがスロット数だけ回転積層されても貫通孔が重なることはない。よって、確実に非整列状態に嵌合孔が形成される。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、貫通孔は、周方向外側に向かって延びる切欠きが形成されている。従って、コアシートの回転積層後、コアの嵌合孔にシャフトを圧入する際に係合部がたわみ易くなり、より一層シャフトを傷つけにくくすることができる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、薄板素材からコアシートが打ち抜かれ、該コアシートの中央部に貫通孔が形成され、コアシートを回転積層させ、嵌合孔をシャフトの圧入方向から見て複数の係合部によって多角形状となるように形成されたコアが製造される。
【0028】
請求項12に記載の発明によれば、薄板素材からコアシートが打ち抜かれ、該コアシートの中央部にコアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きを有する貫通孔が形成され、該貫通孔にコアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きが形成される。そして、コアシートを回転積層させ、嵌合孔をシャフトの圧入方向から見て複数の係合部によって多角形状となるように形成されたコアが製造される。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をモータのロータに具体化した第1実施形態を図1〜5に従って説明する。
【0030】
図1は、本実施形態のモータの回転子に用いるロータ1の分解斜視図である。ロータ1は円筒形状のコア2と、コア2に圧入される円柱状のシャフト3とからなる。
【0031】
前記コア2は、略円盤形状に形成された複数枚のコアシート4を積層して形成されている。コア2の中央部には前記シャフト3を圧入するための嵌合孔5が形成されている。この嵌合孔5は、複数枚のコアシート4の中央部にそれぞれ形成された貫通孔6が連通することによって形成されている。
【0032】
前記コアシート4は、図示しない公知の手段により、薄板素材からその外形を1枚ずつ打ち抜かれる。図2に示すように、打ち抜かれたコアシート4の中央部には、前記貫通孔6が形成されている。該貫通孔6は、直線部7を有する略多角形状(本実施形態では正多角形状、詳しくは正方形)に形成されている。
【0033】
各前記コアシート4は、その周方向に等角度θだけ回転させて積層される。等角度θとは、前記貫通孔6が整列しない(重なり合わない)ように設定され、本実施形態では正方形に形成された貫通孔6に対してθ=120°に設定されている。
【0034】
図3(a)は、前記貫通孔6の回転角度が120°時の貫通孔6の拡大平面図である。尚、実線は軸方向に対し上から1枚目、4枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示し、同様に1点鎖線は上から2枚目、5枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示し、2点鎖線は上から3枚目、6枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示す。このように、前記コアシート4は貫通孔6の角数(N)に対して(本実施形態ではN=4となる)、(360°/N)×自然数≠θ(本実施形態ではθ≠90°,180°,270°,360°,・・・)となるような非整列状態において積層される。
【0035】
前記コアシート4が積層されるために前記貫通孔6は連通し、前記嵌合孔5は複数の前記直線部7によって形成された複数の係合部8(軸方向に隣接する他のコアシート4と重ならない直線部7の部分)によって形成される。該係合部8とは、前記シャフト3の外周面と、コアシート4の貫通孔6の直線部7とが係合する(内周面に食い込む、又は、係合して拘束状態とする)部分をいう。こうして、前記コア2には、軸方向から見て複数の係合部8を備えた嵌合孔5が形成され、該嵌合孔5に前記シャフトが圧入される。
【0036】
即ち、図3(b)及び(c)に示すように、前記嵌合孔5の前記係合部8は軸方向の全箇所において非整列状態に回転積層されている。そのため、隣接する前記コアシート4の前記貫通孔6が重なり合わないので容易にたわむことができる構造となっている。さらに、軸方向から見て複数の係合部8を備えた前記コア2の嵌合孔5が形成されているので、前記シャフト3圧入時にこれを良好に支持できる。
【0037】
又、前記嵌合孔5が多角形状に形成され、前記コアシート4が回転積層されることにより、嵌合孔5の軸ずれの影響が緩和される構造となっている。
詳述すると、実際に前記シャフト3を前記嵌合孔5に圧入する際には、前記コアシート4の前記貫通孔6の内接円と、シャフト3の外径との寸法関係が問題となる。この問題及び本実施形態の作用を図4及び図5に従って説明する。尚、図4及び図5において、図面横方向をX軸方向とする。
【0038】
例えば、円形に形成されている貫通孔と、正多角形状(正方形)に形成されている貫通孔とを比較してみる。
まず、円形に形成された貫通孔の場合を説明する。
【0039】
図4(a)は、軸ずれのない2枚のコアシート20a,20bが回転角度180°で回転積層された状態を示す。点a1は貫通孔21a,21bの周縁の1点(貫通孔21a,21bの内接円とX軸との交点)を示し、点L1は貫通孔21a,21bの中心点を示す。コアシート20a,20bにはそれぞれ円形の貫通孔21a,21bが形成されている。尚、貫通孔21a,21bは軸ずれが発生していないので重なって表現されている。
【0040】
図4(b)は、軸ずれが発生したコアシート20c,20dを回転角度180°で回転積層させた状態を示す。尚、軸方向から見て実際に見える貫通孔を実線、見えない貫通孔を破線で示している。点L2,L3は回転積層した時の貫通孔21c,21dの中心点を示し、ロータコアの中心点はL2,L3の中点である。点a2は、貫通孔21c及び貫通孔21dの内接円N1と、貫通孔21dとの接点(内接円N1とX軸との交点)である。
【0041】
図4(b)において、回転積層したコアシート20c,20dを比較すると、貫通孔21c,21dの中心点がそれぞれ点L2,点L3であり、内接円N1とX軸との交点a2が交点a3にずれている。この時、中心点L2,L3の相対的なずれ量をZ1、交点a2と交点a3とのずれ量をX1とする。
【0042】
次に、正方形に形成された貫通孔の場合を説明する。
図5(a)は、軸ずれのない2枚のコアシート22a,22bが回転角度180°で回転積層された状態を示す。点b1は貫通孔23a,23bの内接円とX軸との交点を示し、点M1は貫通孔23a,23bの中心点を示す。尚、貫通孔23a,23bは軸ずれが発生していないので、図4(a)と同様に重なって表現されている。
【0043】
図5(b)は、軸ずれが発生した2枚のコアシート22c,22dを回転角度180°で回転積層された状態を示す。尚、軸ずれは、図4(b)と同方向及び同量で発生したものとする。又、軸方向から見て実際に見える貫通孔を実線、見えない貫通孔を破線で示している。点M2,M3回転積層した時の貫通孔23c,23dの中心点を示し、ロータコアの中心はM2,M3の中点である。点b2は貫通孔23cの内接円とX軸との交点を示し、点b3は貫通孔23c及び貫通孔23dの内接円N2とX軸との交点を示す。
【0044】
図5(b)において、回転積層したコアシート22c,22dを比較すると、貫通孔23c,23dの中心点が点M2,点M3であり、内接円とX軸との交点b2は交点b3にずれている。この時、中心点M2,M3の相対的なずれ量をZ2、交点b2と交点b3とのずれ量をX2とする。
【0045】
尚、図4及び図5は、中心点のずれ量と貫通孔の内接円の関係をわかりやすくするために、ずれの方向をX軸方向としずれ量を大きくして示しているが、実用としてこの様な回転(重なり)は想定していない。
【0046】
ここで、図4(b)と図5(b)を比較すると、円形に形成された前記貫通孔21c,21dの場合、ずれ量Z1の影響がそのまま内接円N1の内径寸法に現れている。つまり、Z1=X1の関係となっている。一方、正方形に形成された貫通孔23c,23dの場合、中心点M2,M3の相対的なずれ量Z2と、角部c1,c2の相対的なずれ量X3は等しい。しかし、軸ずれがある場合の貫通孔23c,23dの内接円N2の半径r2は、軸ずれがない場合の貫通孔23a,23bの内接円の半径r1に比べて小さく(r2<r1)、軸ずれがある場合の内接円N2は、軸ずれがない場合の内接円に比べて角部c2に近くなる。従って、軸ずれがないときの内接円とX軸との交点b1と軸ずれがあるときの内接円N2とX軸との交点b2の距離は、角部c1,c2のずれ量X3、即ち各貫通孔23c,23dの中心点M2,M3のずれ量Z2よりも小さい(X2<Z2=X3)。よって、正方形の貫通孔23c,23dにおける内接円のずれ量X2は、円形の貫通孔21c,21dにおける内接円のずれ量X1よりも小さく(X2<X1)なる。これより、正方形の貫通孔23c,23dは、円形の貫通孔21c,21dよりも軸ずれの影響を緩和することができる。
【0047】
従って、貫通孔が多角形で形成されれば、各コアシートにおいて貫通孔の軸ずれが発生しても、該貫通孔の内接円の寸法に与える影響が小さいため、前記コア2の前記嵌合孔5の内径寸法精度が安定する。
【0048】
ここで、本実施形態の製造方法について説明する。
まず、図示しない公知の手段により、薄板素材から前記コアシート4の外形を1枚ずつ打ち抜く。
【0049】
次に、前記コアシート4を薄板素材から打ち抜くのと同時に、コアシート4の中央部に、回転積層時に前記コア2の前記嵌合孔5が、前記シャフト3の圧入方向から見て前記複数の係合部8によって多角形状となるような前記貫通孔6を形成する。
【0050】
そして、1枚ずつ打ち抜かれた前記コアシート4を、打ち抜き角度のままで、打ち抜かれたコアシート4の外形を基準として1枚ずつ図示しないダイスで支持する。該ダイスは、1枚のコアシート4を支持した後、次のコアシート4を支持する前に、ダイスをコアシート4の点対称軸について所定の角度(本実施形態では120°)だけ回転させる。そして、先にダイスに支持されたコアシート4と図示しない嵌合位置合せ用凹部によって、薄板素材から打ち抜きと同時にかしめる。このように1枚ずつ所定の角度で回転させて積層し、前記コア2及びその嵌合孔5が形成されている。
【0051】
最後に、前記嵌合孔5に前記シャフト3を圧入させることによって、前記ロータ1が形成される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0052】
(1)前記嵌合孔5の前記係合部8は全箇所において非整列状態に回転積層されるため、前記コアシート4が軸ずれのずれ量に関わらずたわむことができる構造となっている。従って、前記シャフト3の圧入時に、シャフト3が傷付きにくくすることができる。
【0053】
(2)前記貫通孔6が多角形状に形成されているため、前記コアシート4が回転積層されることにより、積層時の軸ずれの影響が分散される構造となっている。従って、コアシート4の積層時に軸ずれが発生しても、前記コア2の前記嵌合孔5の内径寸法精度が安定する。
【0054】
(3)前記コアシート4は、その周方向に1枚ずつ、等角度θ(本実施形態では120°)だけ回転させて積層される。従って、前記コア2の固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0055】
(4)前記コア2の前記嵌合孔5は、前記コアシート4を回転積層させて形成されていることにより、軸方向から見て、嵌合孔5は複数の前記係合部8を備えている。従って、前記シャフト3圧入時にこれを良好に支持できる。
【0056】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、前記コアシート4の前記貫通孔6は多角形状に形成されていたが、該貫通孔6に切欠き部25を設けてもよい。
【0057】
図7は、コアシート26を示す。コアシート26の貫通孔27は、前記直線部7により多角形状(本実施形態では四角形、詳しくは正方形)に形成され、多角形状の貫通孔27の各頂点には切欠き部25が設けられている。該切欠き部25は、貫通孔27の周方向外側に向かって延び、例えば貫通孔27の各頂点を中心に円弧状に貫通形成されている。このような貫通孔27を有するコアシート26の場合、各頂点に切欠き部25を有する多角形状の型を用いコアシート26を打ち抜くことにより、切欠き部25を有する貫通孔27が形成される。尚、切欠き部25と貫通孔27とは、同時に打ち抜いて形成することに限らず、貫通孔27を形成した後に切欠き部25を形成するようにしても良い。
【0058】
このように、前記貫通孔27に切欠き部25が設けられれば、前記シャフト3の圧入時に、複数の前記直線部7のうちの少なくとも1つが係合部8として作用し、該係合部8はシャフト3圧入方向にたわみ易くなる。従って、シャフト3圧入時にシャフト3をさらに傷付きにくくすることができる。
【0059】
○上記実施形態では、前記コアシート4は、等角度θ(本実施形態では120°)で回転積層されるが、コアシート4が多角形状の前記貫通孔6を備え、軸方向から見て非整列状態に回転積層されれば、各コアシート4をそれぞれ任意の角度で回転積層させても良い。
【0060】
○上記実施形態では、前記貫通孔6は、前記複数(4つ)の直線部7を有しているが、少なくとも1つの直線部7さえ有していれば良い。このようにしても、コアシート4の回転積層時に、直線状の係合部8を形成するので本実施形態と同様の効果を有する。
【0061】
(第2実施形態)
以下、本発明をモータのロータに具体化した第2実施形態を図6に従って説明する。
【0062】
尚、第2実施形態は、上記第1実施形態の前記コア2において、前記コアシート4にティースを備えたものであり、その他は第1実施形態と同様の構成である。従って、第1実施形態と同様の構成をとる箇所については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
本実施形態のロータは、略円筒形状に形成されたコア31と、該コア31に圧入される円柱状のシャフト3(図1参照)とからなる。コア31は、ティース32を有するコアシート33を回転積層させることによって成形される。
【0064】
前記コア31の中心には前記シャフト3を圧入するための前記嵌合孔5が形成されている。嵌合孔5は、複数の前記直線部7によって形成されシャフト3と係合する複数の前記係合部8によって形成される。
【0065】
前記コアシート33には、多角形状の前記直線部7を有する前記貫通孔6が形成されている。尚、各ティース32間には巻線が巻回されるスロット34が形成されている。各コアシート33は、1スロット分の角度だけ回転されて(本実施形態ではスロット数が3であるので、1スロット分の回転角度は120°となる)積層されている。
【0066】
詳述すると、前記コアシート33の前記スロット34の数(S)は前記貫通孔6の角数(N)に対して(本実施形態ではN=4となる)、N≠S(本実施形態ではS≠4)となるような非整列状態において積層される。従って、軸方向から見て多数の前記係合部8を備えた前記コア31の前記嵌合孔5が形成されている。
【0067】
すなわち、前記貫通孔6の前記直線部7は軸方向から見て全箇所において非整列状態に回転積層されるため、隣接する前記コアシート33の貫通孔6が重なり合わないので容易にたわむことができる構造となっている(図3参照)。又、軸方向から見て複数の係合部8を備えた前記コア31の前記嵌合孔5が形成されている。
【0068】
上記したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に記載の効果に加え以下の効果を奏する。
(1)コアシートは1スロット分の角度だけ回転させて積層されている。従って、このように形成されたコアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0069】
(2)コアシートの嵌合孔の角数とスロット数とが異なるように形成されている。従って、コアシートがスロット数だけ回転積層されても貫通孔が重なることはない。よって、確実に非整列状態で嵌合孔が形成される。
【0070】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、各コアシートは1スロット分の回転角度で回転積層されていたが、コアの嵌合孔が非整列状態に形成されれば、数スロット分の回転角度でもよい。
【0071】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項3に記載のモータのロータコア構造において、
各前記コアシートはそれぞれ任意の角度だけ回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造。
【0072】
このように構成しても、非整列状態にコアの嵌合孔が形成される。従って、シャフト圧入時に傷付きにくくなる。
(ロ)請求項11又は12に記載のモータのロータコア構造の製造方法において、
前記コアシートを等角度で回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造の製造方法。
【0073】
このように構成すれば、コアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
(ハ)請求項11又は12に記載のモータのロータコア構造の製造方法において、
前記コアシートを1枚ずつ回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造の製造方法。
【0074】
このように構成すれば、コアシートを1枚ずつ確実に回転積層させるので、よりたわみ易い構成となる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、コストアップすることなく安価な方法で、コアの嵌合孔の内径寸法の変動を抑制すると共に、シャフトの圧入時にシャフトが傷付くことを抑制可能なモータのロータコア構造及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のロータの分解斜視図である。
【図2】コアシートの平面形状図である。
【図3】(a)は本実施形態の貫通孔の拡大平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図4】(a)は軸ずれがない時、(b)は軸ずれが発生した時の説明図である。
【図5】(a)は軸ずれがない時、(b)は軸ずれが発生した時の説明図である。
【図6】第2実施形態のロータコアの斜視図である。
【図7】別例のコアシートの平面図である。
【図8】(a)は従来のロータの分解斜視図、(b)は従来のコアシートの貫通孔の平面図である。
【符号の説明】
1…ロータ、2…コア、3…シャフト、4,26…コアシート、5…嵌合孔、6,27…貫通孔、7…直線部、8…係合部、25…切欠き部。
【発明の属する技術分野】
本発明はモータのロータコア構造に係り、詳しくはシャフトが圧入固定される嵌合孔に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、技術の向上に伴い、モータなどの回転電機装置の低騒音・低振動化の要求が高まってきている。例えば、モータのロータコア(積層コア)にシャフトを圧入したロータにおいては、シャフトの傷付きによる軸受部の摺動音、含油メタルの油膜断絶によるロータの暴れ音、又、軸ずれによる騒音等が問題視されている。
【0003】
このようなロータの騒音の防止対策の一つとして、例えば、シャフト圧入後のコアとシャフトとの軸ずれ及び傷付きの防止があげられる。図8(a)及び(b)に示すように、モータなどの回転電機装置のロータコアとして、円形状に形成された貫通孔51を有するコアシート52を回転積層させてなる回転積層コア53(以下、単にコアという)がある。コアシート52は、鉄心単板からその外形が打ち抜かれ、その打ち抜き角度のまま略中央部に円形状の貫通孔52が形成される。コア53は、コアシート52を、その外形を基準として一定の回転角度で回転積層されて形成されている。その結果、形成されたコア53の嵌合孔54は、シャフト55の軸方向に対して整列状態で形成されている。こうして形成されたコア53の嵌合孔54に、シャフト55が圧入されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コア53の嵌合孔54にシャフト55を圧入する工程において、シャフト55の傷付き防止、廻りトルクの確保等により、嵌合孔54の孔系は非常に厳しい精度が要求される。そして、コア53を構成する複数のコアシート52は、それぞれ個別加工により貫通孔51が形成されている。このため、上記のように外形を基準として複数のコアシート52を積層した場合、各コアシート52の貫通孔51のバラツキ(孔形状及び孔位置)が発生する。このバラツキは、シャフト55の嵌合に影響を与え、コア53の嵌合孔54の孔径を制御することは困難になる。このため、その嵌合孔54にシャフト55を圧入する際にそのシャフト55の表面に傷付きが発生する虞があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストアップすることなく安価な方法で、コアの嵌合孔の内径寸法の変動を抑制すると共に、シャフトの圧入時にシャフトが傷付くことを抑制可能なモータのロータコア構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造において、前記嵌合孔は、前記コアシートを回転積層させることにより形成され、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、少なくとも1つの直線部を有し、該直線部により前記係合部を形成することをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、前記貫通孔を非整列状態に積層されて、前記複数の係合部が前記嵌合孔を形成することをその要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、前記複数の直線部からなる多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、前記各直線部の長さが等しい正多角形状に形成されていることをその要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、1枚ずつ回転させて積層されることをその要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、所定の角度だけ回転させて積層されることをその要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、1スロット又は数スロット分の角度で回転させて積層されることをその要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔の角数は、前記コアのスロット数と異なるように設定したことをその要旨とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、前記貫通孔は、周方向外側に向かって延びる切欠きが形成されていることをその要旨とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、前記コアシートに前記貫通孔を形成する工程と、複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有することをその要旨とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、前記コアシートに、該コアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きを有する前記貫通孔を形成する工程と、複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有することをその要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、コアシートを回転積層させてなるコアの嵌合孔は、複数の係合部によってシャフトの圧入方向から見て多角形状に形成されている。従って、各コアシートの貫通孔の位置ずれが発生してもシャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなり、シャフト圧入時の抵抗が少なくなる為、シャフトの傷付きを抑制できる。又、それと共に、軸ずれが積層後の嵌合孔の内径に与える影響が小さくできる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、貫通孔は係合部を形成する少なくとも1つの直線部を有している。従って、回転積層によって形成される嵌合孔は、複数の直線部からなる係合部によって確実に多角形状に形成され、シャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなる。その結果、シャフトの傷付きを確実に抑制できる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、嵌合孔は、コアシートが回転積層される際に、貫通孔を非整列状態とするように積層されて形成される。従って、コアシートの貫通孔の直線部が重ならずたわみ易くなるため、より一層、シャフトの圧入時の傷付きを抑制できる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、貫通孔は、複数の直線部からなる多角形状に形成される。従って、回転積層時に、嵌合孔は複数の直線部によって形成された係合部によって確実に多角形状に形成され、シャフトと嵌合孔との接触面積が少なくなる。その結果、シャフトの傷付きを確実に抑制できる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、貫通孔は、各直線部の長さが等しい正多角形状に形成されている。従って、貫通孔を無駄なく利用できる。
請求項6に記載の発明によれば、コアシートは1枚ずつ回転されて積層されている。従って、積層されるコアシートの軸方向に対して隣接する貫通孔の直線部が重なることがないため、より一層、シャフトの圧入時の傷付きを抑制できる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、コアシートは所定の角度だけ回転させて積層されている。従って、コアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、コアシートは1スロット又は数スロット分の角度だけ回転させて積層されている。従って、このように形成されたコアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、嵌合孔の角数とスロット数とが異なるように形成されている。従って、コアシートがスロット数だけ回転積層されても貫通孔が重なることはない。よって、確実に非整列状態に嵌合孔が形成される。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、貫通孔は、周方向外側に向かって延びる切欠きが形成されている。従って、コアシートの回転積層後、コアの嵌合孔にシャフトを圧入する際に係合部がたわみ易くなり、より一層シャフトを傷つけにくくすることができる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、薄板素材からコアシートが打ち抜かれ、該コアシートの中央部に貫通孔が形成され、コアシートを回転積層させ、嵌合孔をシャフトの圧入方向から見て複数の係合部によって多角形状となるように形成されたコアが製造される。
【0028】
請求項12に記載の発明によれば、薄板素材からコアシートが打ち抜かれ、該コアシートの中央部にコアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きを有する貫通孔が形成され、該貫通孔にコアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きが形成される。そして、コアシートを回転積層させ、嵌合孔をシャフトの圧入方向から見て複数の係合部によって多角形状となるように形成されたコアが製造される。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をモータのロータに具体化した第1実施形態を図1〜5に従って説明する。
【0030】
図1は、本実施形態のモータの回転子に用いるロータ1の分解斜視図である。ロータ1は円筒形状のコア2と、コア2に圧入される円柱状のシャフト3とからなる。
【0031】
前記コア2は、略円盤形状に形成された複数枚のコアシート4を積層して形成されている。コア2の中央部には前記シャフト3を圧入するための嵌合孔5が形成されている。この嵌合孔5は、複数枚のコアシート4の中央部にそれぞれ形成された貫通孔6が連通することによって形成されている。
【0032】
前記コアシート4は、図示しない公知の手段により、薄板素材からその外形を1枚ずつ打ち抜かれる。図2に示すように、打ち抜かれたコアシート4の中央部には、前記貫通孔6が形成されている。該貫通孔6は、直線部7を有する略多角形状(本実施形態では正多角形状、詳しくは正方形)に形成されている。
【0033】
各前記コアシート4は、その周方向に等角度θだけ回転させて積層される。等角度θとは、前記貫通孔6が整列しない(重なり合わない)ように設定され、本実施形態では正方形に形成された貫通孔6に対してθ=120°に設定されている。
【0034】
図3(a)は、前記貫通孔6の回転角度が120°時の貫通孔6の拡大平面図である。尚、実線は軸方向に対し上から1枚目、4枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示し、同様に1点鎖線は上から2枚目、5枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示し、2点鎖線は上から3枚目、6枚目…のコアシート4に形成された貫通孔6を示す。このように、前記コアシート4は貫通孔6の角数(N)に対して(本実施形態ではN=4となる)、(360°/N)×自然数≠θ(本実施形態ではθ≠90°,180°,270°,360°,・・・)となるような非整列状態において積層される。
【0035】
前記コアシート4が積層されるために前記貫通孔6は連通し、前記嵌合孔5は複数の前記直線部7によって形成された複数の係合部8(軸方向に隣接する他のコアシート4と重ならない直線部7の部分)によって形成される。該係合部8とは、前記シャフト3の外周面と、コアシート4の貫通孔6の直線部7とが係合する(内周面に食い込む、又は、係合して拘束状態とする)部分をいう。こうして、前記コア2には、軸方向から見て複数の係合部8を備えた嵌合孔5が形成され、該嵌合孔5に前記シャフトが圧入される。
【0036】
即ち、図3(b)及び(c)に示すように、前記嵌合孔5の前記係合部8は軸方向の全箇所において非整列状態に回転積層されている。そのため、隣接する前記コアシート4の前記貫通孔6が重なり合わないので容易にたわむことができる構造となっている。さらに、軸方向から見て複数の係合部8を備えた前記コア2の嵌合孔5が形成されているので、前記シャフト3圧入時にこれを良好に支持できる。
【0037】
又、前記嵌合孔5が多角形状に形成され、前記コアシート4が回転積層されることにより、嵌合孔5の軸ずれの影響が緩和される構造となっている。
詳述すると、実際に前記シャフト3を前記嵌合孔5に圧入する際には、前記コアシート4の前記貫通孔6の内接円と、シャフト3の外径との寸法関係が問題となる。この問題及び本実施形態の作用を図4及び図5に従って説明する。尚、図4及び図5において、図面横方向をX軸方向とする。
【0038】
例えば、円形に形成されている貫通孔と、正多角形状(正方形)に形成されている貫通孔とを比較してみる。
まず、円形に形成された貫通孔の場合を説明する。
【0039】
図4(a)は、軸ずれのない2枚のコアシート20a,20bが回転角度180°で回転積層された状態を示す。点a1は貫通孔21a,21bの周縁の1点(貫通孔21a,21bの内接円とX軸との交点)を示し、点L1は貫通孔21a,21bの中心点を示す。コアシート20a,20bにはそれぞれ円形の貫通孔21a,21bが形成されている。尚、貫通孔21a,21bは軸ずれが発生していないので重なって表現されている。
【0040】
図4(b)は、軸ずれが発生したコアシート20c,20dを回転角度180°で回転積層させた状態を示す。尚、軸方向から見て実際に見える貫通孔を実線、見えない貫通孔を破線で示している。点L2,L3は回転積層した時の貫通孔21c,21dの中心点を示し、ロータコアの中心点はL2,L3の中点である。点a2は、貫通孔21c及び貫通孔21dの内接円N1と、貫通孔21dとの接点(内接円N1とX軸との交点)である。
【0041】
図4(b)において、回転積層したコアシート20c,20dを比較すると、貫通孔21c,21dの中心点がそれぞれ点L2,点L3であり、内接円N1とX軸との交点a2が交点a3にずれている。この時、中心点L2,L3の相対的なずれ量をZ1、交点a2と交点a3とのずれ量をX1とする。
【0042】
次に、正方形に形成された貫通孔の場合を説明する。
図5(a)は、軸ずれのない2枚のコアシート22a,22bが回転角度180°で回転積層された状態を示す。点b1は貫通孔23a,23bの内接円とX軸との交点を示し、点M1は貫通孔23a,23bの中心点を示す。尚、貫通孔23a,23bは軸ずれが発生していないので、図4(a)と同様に重なって表現されている。
【0043】
図5(b)は、軸ずれが発生した2枚のコアシート22c,22dを回転角度180°で回転積層された状態を示す。尚、軸ずれは、図4(b)と同方向及び同量で発生したものとする。又、軸方向から見て実際に見える貫通孔を実線、見えない貫通孔を破線で示している。点M2,M3回転積層した時の貫通孔23c,23dの中心点を示し、ロータコアの中心はM2,M3の中点である。点b2は貫通孔23cの内接円とX軸との交点を示し、点b3は貫通孔23c及び貫通孔23dの内接円N2とX軸との交点を示す。
【0044】
図5(b)において、回転積層したコアシート22c,22dを比較すると、貫通孔23c,23dの中心点が点M2,点M3であり、内接円とX軸との交点b2は交点b3にずれている。この時、中心点M2,M3の相対的なずれ量をZ2、交点b2と交点b3とのずれ量をX2とする。
【0045】
尚、図4及び図5は、中心点のずれ量と貫通孔の内接円の関係をわかりやすくするために、ずれの方向をX軸方向としずれ量を大きくして示しているが、実用としてこの様な回転(重なり)は想定していない。
【0046】
ここで、図4(b)と図5(b)を比較すると、円形に形成された前記貫通孔21c,21dの場合、ずれ量Z1の影響がそのまま内接円N1の内径寸法に現れている。つまり、Z1=X1の関係となっている。一方、正方形に形成された貫通孔23c,23dの場合、中心点M2,M3の相対的なずれ量Z2と、角部c1,c2の相対的なずれ量X3は等しい。しかし、軸ずれがある場合の貫通孔23c,23dの内接円N2の半径r2は、軸ずれがない場合の貫通孔23a,23bの内接円の半径r1に比べて小さく(r2<r1)、軸ずれがある場合の内接円N2は、軸ずれがない場合の内接円に比べて角部c2に近くなる。従って、軸ずれがないときの内接円とX軸との交点b1と軸ずれがあるときの内接円N2とX軸との交点b2の距離は、角部c1,c2のずれ量X3、即ち各貫通孔23c,23dの中心点M2,M3のずれ量Z2よりも小さい(X2<Z2=X3)。よって、正方形の貫通孔23c,23dにおける内接円のずれ量X2は、円形の貫通孔21c,21dにおける内接円のずれ量X1よりも小さく(X2<X1)なる。これより、正方形の貫通孔23c,23dは、円形の貫通孔21c,21dよりも軸ずれの影響を緩和することができる。
【0047】
従って、貫通孔が多角形で形成されれば、各コアシートにおいて貫通孔の軸ずれが発生しても、該貫通孔の内接円の寸法に与える影響が小さいため、前記コア2の前記嵌合孔5の内径寸法精度が安定する。
【0048】
ここで、本実施形態の製造方法について説明する。
まず、図示しない公知の手段により、薄板素材から前記コアシート4の外形を1枚ずつ打ち抜く。
【0049】
次に、前記コアシート4を薄板素材から打ち抜くのと同時に、コアシート4の中央部に、回転積層時に前記コア2の前記嵌合孔5が、前記シャフト3の圧入方向から見て前記複数の係合部8によって多角形状となるような前記貫通孔6を形成する。
【0050】
そして、1枚ずつ打ち抜かれた前記コアシート4を、打ち抜き角度のままで、打ち抜かれたコアシート4の外形を基準として1枚ずつ図示しないダイスで支持する。該ダイスは、1枚のコアシート4を支持した後、次のコアシート4を支持する前に、ダイスをコアシート4の点対称軸について所定の角度(本実施形態では120°)だけ回転させる。そして、先にダイスに支持されたコアシート4と図示しない嵌合位置合せ用凹部によって、薄板素材から打ち抜きと同時にかしめる。このように1枚ずつ所定の角度で回転させて積層し、前記コア2及びその嵌合孔5が形成されている。
【0051】
最後に、前記嵌合孔5に前記シャフト3を圧入させることによって、前記ロータ1が形成される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0052】
(1)前記嵌合孔5の前記係合部8は全箇所において非整列状態に回転積層されるため、前記コアシート4が軸ずれのずれ量に関わらずたわむことができる構造となっている。従って、前記シャフト3の圧入時に、シャフト3が傷付きにくくすることができる。
【0053】
(2)前記貫通孔6が多角形状に形成されているため、前記コアシート4が回転積層されることにより、積層時の軸ずれの影響が分散される構造となっている。従って、コアシート4の積層時に軸ずれが発生しても、前記コア2の前記嵌合孔5の内径寸法精度が安定する。
【0054】
(3)前記コアシート4は、その周方向に1枚ずつ、等角度θ(本実施形態では120°)だけ回転させて積層される。従って、前記コア2の固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0055】
(4)前記コア2の前記嵌合孔5は、前記コアシート4を回転積層させて形成されていることにより、軸方向から見て、嵌合孔5は複数の前記係合部8を備えている。従って、前記シャフト3圧入時にこれを良好に支持できる。
【0056】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、前記コアシート4の前記貫通孔6は多角形状に形成されていたが、該貫通孔6に切欠き部25を設けてもよい。
【0057】
図7は、コアシート26を示す。コアシート26の貫通孔27は、前記直線部7により多角形状(本実施形態では四角形、詳しくは正方形)に形成され、多角形状の貫通孔27の各頂点には切欠き部25が設けられている。該切欠き部25は、貫通孔27の周方向外側に向かって延び、例えば貫通孔27の各頂点を中心に円弧状に貫通形成されている。このような貫通孔27を有するコアシート26の場合、各頂点に切欠き部25を有する多角形状の型を用いコアシート26を打ち抜くことにより、切欠き部25を有する貫通孔27が形成される。尚、切欠き部25と貫通孔27とは、同時に打ち抜いて形成することに限らず、貫通孔27を形成した後に切欠き部25を形成するようにしても良い。
【0058】
このように、前記貫通孔27に切欠き部25が設けられれば、前記シャフト3の圧入時に、複数の前記直線部7のうちの少なくとも1つが係合部8として作用し、該係合部8はシャフト3圧入方向にたわみ易くなる。従って、シャフト3圧入時にシャフト3をさらに傷付きにくくすることができる。
【0059】
○上記実施形態では、前記コアシート4は、等角度θ(本実施形態では120°)で回転積層されるが、コアシート4が多角形状の前記貫通孔6を備え、軸方向から見て非整列状態に回転積層されれば、各コアシート4をそれぞれ任意の角度で回転積層させても良い。
【0060】
○上記実施形態では、前記貫通孔6は、前記複数(4つ)の直線部7を有しているが、少なくとも1つの直線部7さえ有していれば良い。このようにしても、コアシート4の回転積層時に、直線状の係合部8を形成するので本実施形態と同様の効果を有する。
【0061】
(第2実施形態)
以下、本発明をモータのロータに具体化した第2実施形態を図6に従って説明する。
【0062】
尚、第2実施形態は、上記第1実施形態の前記コア2において、前記コアシート4にティースを備えたものであり、その他は第1実施形態と同様の構成である。従って、第1実施形態と同様の構成をとる箇所については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
本実施形態のロータは、略円筒形状に形成されたコア31と、該コア31に圧入される円柱状のシャフト3(図1参照)とからなる。コア31は、ティース32を有するコアシート33を回転積層させることによって成形される。
【0064】
前記コア31の中心には前記シャフト3を圧入するための前記嵌合孔5が形成されている。嵌合孔5は、複数の前記直線部7によって形成されシャフト3と係合する複数の前記係合部8によって形成される。
【0065】
前記コアシート33には、多角形状の前記直線部7を有する前記貫通孔6が形成されている。尚、各ティース32間には巻線が巻回されるスロット34が形成されている。各コアシート33は、1スロット分の角度だけ回転されて(本実施形態ではスロット数が3であるので、1スロット分の回転角度は120°となる)積層されている。
【0066】
詳述すると、前記コアシート33の前記スロット34の数(S)は前記貫通孔6の角数(N)に対して(本実施形態ではN=4となる)、N≠S(本実施形態ではS≠4)となるような非整列状態において積層される。従って、軸方向から見て多数の前記係合部8を備えた前記コア31の前記嵌合孔5が形成されている。
【0067】
すなわち、前記貫通孔6の前記直線部7は軸方向から見て全箇所において非整列状態に回転積層されるため、隣接する前記コアシート33の貫通孔6が重なり合わないので容易にたわむことができる構造となっている(図3参照)。又、軸方向から見て複数の係合部8を備えた前記コア31の前記嵌合孔5が形成されている。
【0068】
上記したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に記載の効果に加え以下の効果を奏する。
(1)コアシートは1スロット分の角度だけ回転させて積層されている。従って、このように形成されたコアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
【0069】
(2)コアシートの嵌合孔の角数とスロット数とが異なるように形成されている。従って、コアシートがスロット数だけ回転積層されても貫通孔が重なることはない。よって、確実に非整列状態で嵌合孔が形成される。
【0070】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、各コアシートは1スロット分の回転角度で回転積層されていたが、コアの嵌合孔が非整列状態に形成されれば、数スロット分の回転角度でもよい。
【0071】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項3に記載のモータのロータコア構造において、
各前記コアシートはそれぞれ任意の角度だけ回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造。
【0072】
このように構成しても、非整列状態にコアの嵌合孔が形成される。従って、シャフト圧入時に傷付きにくくなる。
(ロ)請求項11又は12に記載のモータのロータコア構造の製造方法において、
前記コアシートを等角度で回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造の製造方法。
【0073】
このように構成すれば、コアの固着強度がより均一で、かつ、よりバランスが良好になる。
(ハ)請求項11又は12に記載のモータのロータコア構造の製造方法において、
前記コアシートを1枚ずつ回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造の製造方法。
【0074】
このように構成すれば、コアシートを1枚ずつ確実に回転積層させるので、よりたわみ易い構成となる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、コストアップすることなく安価な方法で、コアの嵌合孔の内径寸法の変動を抑制すると共に、シャフトの圧入時にシャフトが傷付くことを抑制可能なモータのロータコア構造及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のロータの分解斜視図である。
【図2】コアシートの平面形状図である。
【図3】(a)は本実施形態の貫通孔の拡大平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図4】(a)は軸ずれがない時、(b)は軸ずれが発生した時の説明図である。
【図5】(a)は軸ずれがない時、(b)は軸ずれが発生した時の説明図である。
【図6】第2実施形態のロータコアの斜視図である。
【図7】別例のコアシートの平面図である。
【図8】(a)は従来のロータの分解斜視図、(b)は従来のコアシートの貫通孔の平面図である。
【符号の説明】
1…ロータ、2…コア、3…シャフト、4,26…コアシート、5…嵌合孔、6,27…貫通孔、7…直線部、8…係合部、25…切欠き部。
Claims (12)
- 中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造において、
前記嵌合孔は、前記コアシートを回転積層させることにより形成され、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に形成されていることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1に記載のモータのロータコア構造において、
前記貫通孔は、少なくとも1つの直線部を有し、該直線部により前記係合部を形成することを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1又は2に記載のモータのロータコア構造において、前記コアシートは、前記貫通孔を非整列状態とするように積層され、前記複数の係合部が前記嵌合孔を形成することを特徴とするモータのロータコア構造。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記貫通孔は、前記複数の直線部からなる多角形状に形成されていることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記貫通孔は、前記各直線部の長さが等しい正多角形状に形成されていることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記コアシートは、1枚ずつ回転させて積層されることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記コアシートは、等角度で回転させて積層されることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記コアは、巻線が巻回されるスロットを有し、前記コアシートは1スロット又は数スロット分の角度で回転させて積層することを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記貫通孔の角数は、前記コアのスロット数と異なるように設定したことを特徴とするモータのロータコア構造。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータのロータコア構造において、
前記貫通孔は、周方向外側に向かって延びる切欠きが形成されていることを特徴とするモータのロータコア構造。 - 中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、
薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、
前記コアシートに前記貫通孔を形成する工程と、
複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有するモータのロータコア構造の製造方法。 - 中央部に貫通孔を有する複数のコアシートが積層されたコアの嵌合孔にシャフトが圧入されるモータのロータコア構造の製造方法において、
薄板素材から前記コアシートを打ち抜く工程と、
前記コアシートに、該コアシートの周方向外側に向かって延びる切り欠きを有する前記貫通孔を形成する工程と、
複数の前記コアシートを回転積層させ、前記シャフトと係合する複数の係合部によって該シャフトの圧入方向から見て多角形状に前記嵌合孔を形成する工程とを有するモータのロータコア構造の製造方法。
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