JP2004023211A - 干渉回避処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術の問題点である干渉レベルしきい値が固定で、周囲の基地局の動作状況を考慮していないために電波干渉が発生する点を解決し、基地局の動作状況を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての信頼性を向上できる干渉回避処理方法を提供する。
【解決手段】制御装置3で管理下の任意の基地局2を立ち上げる際に、管理下の他の基地局2の立ち上がり状況から電波状態を推定し、推定結果に基づいて立ち上げ対象基地局2における干渉レベルしきい値を算出して当該基地局2に送信し、当該基地局2では、受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局2と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定する干渉回避処理方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】制御装置3で管理下の任意の基地局2を立ち上げる際に、管理下の他の基地局2の立ち上がり状況から電波状態を推定し、推定結果に基づいて立ち上げ対象基地局2における干渉レベルしきい値を算出して当該基地局2に送信し、当該基地局2では、受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局2と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定する干渉回避処理方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PHS構内無線システムの基地局における干渉回避処理方法に係り、特に周辺基地局の動作状況に即して、立ち上げ時の干渉回避処理を行うことができる干渉回避処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PHS(ARlB標準28に定めるパーソナルハンディフォンシステム)方式の構内無線通信システムは、工場等を持つ事業所(石油化学、鉄鋼等)が、役所に特別な認可を受けることなく、割り当てられた周波数内で、PHSの電話を使用することができるシステムのことである。
また、事業所内で使用する分においては、既存の公衆事業者に使用料を支払う必要がないことから、免許が不要な無線電話システムとして、多くのオフィス内や工場内で採用されている。
尚、公衆で使用されるPHSシステムとその仕組みは変わらない。
【0003】
一般的なPHS構内無線システムの概略構成について、図4を使って説明する。図4は、一般的なPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、一般的なPHS構内無線システムは、PHS方式の携帯端末である端末(PS:Personal Station)1と、構内の各所に配置されて無線で端末1と接続するための基地局(BS:Base Station)2′と、構内及び構外との通信交換制御を行う制御装置3′(図4では点線で囲んだ部分)とから構成されている。尚、図には示していないが、制御装置3′には一般的な固定電話機やFAX等の通信装置も接続されている場合が多い。
【0004】
端末(PS)1は、構内にいる各使用者が携帯しているPHS方式の電話などの無線端末機であり、PHS構内無線システムの端末として使用するために必要な端末パラメータ(例えば、通信を行うために必要なシステム符号、内線番号など)を内部に記憶し、当該端末パラメータに従って動作するようになっている。
【0005】
基地局2′は、構内の各所に配置されていて、端末1との無線通信を行うものであるが、後述する制御装置3′から給電されることによって動作を開始し、まず本件の技術に関連する干渉回避処理を含む各種イニシャル処理を行ってから、基地局としての運用動作を行うようになっている。
【0006】
干渉回避処理とは、複数の基地局2′が制御チャネルとして共通の周波数を使用することから、各基地局間で制御チャネルの干渉を回避するための処理である。
尚、各基地局2′には、干渉回避処理に用いる干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値をEEPROMなどに予め保持している。
干渉回避処理及び干渉レベルしきい値の詳細は、後述する。
【0007】
制御装置3′は、構内各所に配置された固定電話機や端末1を内線番号で接続できるよう各所に配置された基地局2′を管理し、固定電話機や端末1の接続制御を行うと共に、外部の公衆回線や専用線と接続して、外部の電話やFAXとの通信及び別の構内通信システム(支店など)との通信を行うものである。
尚、前述したように、配下の基地局2′に対して電源を供給して動作させるようになっている。
【0008】
制御装置3′の内部は、構内無線システムを運用するための構成として、複数の基地局2と接続されて当該基地局2と固定電話機などとの通信プロトコルの変換を行う複数の通信プロトコル制御装置4′と、全ての通信プロトコル制御装置4′と接続されて回線交換を制御する回線交換装置5′とから構成されている。
【0009】
通常、PHS構内無線システムにおいて、基地局2′は無線ゾーンの重複等をさほど考慮することなく任意の場所に設置され、各基地局2′から端末1に対する無線インタフェース上の制御チャネルの送信タイミングについては規定が無く、また複数の基地局2′で制御チャネルの周波数を共通に使用しているため、近隣の基地局2′同士で制御チャネルの送受信のタイミングが衝突(無線干渉)して、呼損(発着信の失敗)が発生することがある。
【0010】
そこで、基地局2′同士の干渉回避策の一つとして、基地局2′間同士で自律的にタイミングをずらして制御信号を送受信する使用スロットを配置していく自立分散制御方式がある。
自立分散制御方式では、端末1が通信のためのチャネル確保に用いる制御情報を伝達するために利用可能なスロットの情報を基地局2′から間欠送信する周期を複数のスロットに分け、新たに設置された、又は電源オンされた基地局2′が、他の基地局2′が使用しているスロットが無い箇所に自分が使用するスロットを配置するようになっている。
【0011】
具体的には、基地局2′の立ち上がり時のイニシャル処理の中で、干渉回避処理として、各スロットの干渉レベル測定を行い、予め基地局2′に設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して使用可能なスロットを検出し、その中で最も干渉の少ない適切なスロット(電波送出タイミング)を検出する干渉回避処理方法がある。
【0012】
尚、各基地局2′に設定されている干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値は、制御チャネルにおいて未使用スロットと判断できるか、又は例え使用されていても互いに干渉を起こさないと判断できる干渉レベルのしきい値であり、従来の基地局2′では、基地局2′の立ち上げ順に関係無く同一の固定の値が予め設定されている。
【0013】
次に、図4に示したPHS構内無線システムにおける従来の干渉回避処理方法について説明する。
図4に示したPHS構内無線システムにおいて、基地局2′の立ち上げは、通常制御装置3′からの給電で開始され、イニシャル処理の中で、各種初期設定が行われる。
【0014】
ここで、従来の基地局2′におけるイニシャル処理の中の干渉回避処理の具体例について、図5を使って説明する。図5は、従来の基地局2′における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
従来の基地局2′における干渉回避処理は、制御装置3′からの電源供給で起動され、制御装置3′に対して立ち上げ要求を送信し(100)、制御装置3′から立ち上げ応答を受信する(102)。
【0015】
そして、EEPROMエリアから予め設定されている干渉レベルしきい値を読み出し(110)、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルを測定し(112)、測定した干渉レベルが干渉レベルしきい値より小さいか判断し(114)、小さくない場合(No)には、そのまま処理118に進み、小さい場合(Yes)には、そのスロットの識別子(例えば番号)と干渉レベルデータを保存して(116)、処理118に進む。
【0016】
そして、全てのスロットについて干渉レベルの測定が終了したか判断し(118)、終了していない場合(No)には、処理112に戻って次のスロットについて処理を繰り返し、終了した場合(Yes)には、処理116で保存したスロットの中で干渉レベルが最小のスロットを運用時に使用するスロットとして選択し(120)、干渉回避処理を終了する。
【0017】
従来のPHS構内無線システムにおける基地局2′立ち上げ時の干渉回避動作について、図4を使って説明する。
従来のPHS構内無線システムにおける基地局2′立ち上げ時の干渉回避動作としては、通常制御装置3′が、配下の複数の基地局2′に対して、同時ではなく時系列に電源を供給していき、電源が供給された基地局2′で干渉回避処理を含むイニシャル処理が実行される。
尚、この時、各基地局2′では、干渉レベルしきい値が基地局2′の立ち上げ順に関係無く同一の固定の値で予め設定されている。
【0018】
そして、最初に電源が供給される基地局2′では、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、干渉は発生しないので自由に使用するスロットを選択して運用状態に入ることができる。
【0019】
そして、以降順に別の基地局2′に電源が供給され、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、周囲の基地局2′が既に動作していると、使用されているスロットは干渉レベルが高く、干渉レベルの測定結果のしきい値判断によって、未使用スロット、又は例え使用されていても互いに干渉を起こさないと判断できるスロットの中から、最も干渉レベルが小さかったスロットを選択して運用状態に入ることになる。
【0020】
上記説明した基地局2′の立ち上がり時の干渉回避処理動作によって、基地局2′間での干渉が回避できる適切なスロット(電波送出タイミング)を検出して、端末1との通信を行うことができるようになっていた。
【0021】
尚、制御信号の干渉回避に関する従来技術としては、平成9年12月12日公開の特開平9−322243号「PHSの接続装置」(出願人:日本電気移動通信株式会社、発明者:甲斐 敏治)に提案されている。
この従来技術は、自接続装置が送信するSCCH送信タイミングで受信電界測定を行い、メモリに記憶されている干渉判定条件と照合し、この照合結果に基づいて他の接続装置との干渉を検出すると、制御チャネルの送信タイミングを変更させるPHSの接続装置であり、これにより、他の接続装置との干渉を回避して、携帯端末との接続性を改善できるものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基地局における干渉回避処理方法では、干渉レベルしきい値が予め固定的に設定されているため、1台も基地局が立ち上がっていない状況であっても、既に複数台立ち上がっている状況であっても同じ値のパラメータを用いることになり、リアルタイムで変化する電波の状態に対応できず、あるエリアでは端末1から見て電波干渉が発生する可能性があり、端末1との通信品質が低下するという問題点があった。
【0023】
具体例で説明すると、図4に示すように、基地局2′−1、2′−3、2′−4が立ち上がっている状態で、基地局2′−2に電源が供給された場合を考えると、基地局2′−3、2′−4は基地局2′−2から近距離にあるため、基地局2′−2における干渉回避処理の干渉レベルしきい値判断で、基地局2′−3、2′−4が使用しているスロットは使用中と認識されて候補から外され、使用中のスロット以外のスロットが選択されることになる。
【0024】
しかし、基地局2′−1は基地局2′−2から距離が遠く、互いに干渉しないか又は干渉しても干渉レベルが小さいと考えられるため、基地局2′−2における干渉回避処理の干渉レベルしきい値判断で、基地局2′−1が使用しているスロットは使用中と認識されず候補として採用され、当該基地局2′−1使用中のスロットが選択される可能性がある。
【0025】
その結果、例えば、基地局2′−1と基地局2′−2の間でほぼ等距離に位置する端末1では、基地局2′−1と基地局2′−2の送出する電波が互いに干渉した状態で検出され、通信障害を起こす事態が発生することになる。
【0026】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、従来技術の問題点である干渉レベルしきい値が固定で、周囲の基地局の動作状況を考慮していないために電波干渉が発生する点を解決し、基地局の動作状況を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての信頼性を向上できる干渉回避処理方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、干渉回避処理方法において、PHS構内無線システムにおける制御装置が、管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、前記推定に基づいて前記立ち上げ対象の基地局における干渉レベルしきい値を取得して前記立ち上げ対象の基地局に送信し、前記立ち上げ対象の基地局では、前記制御装置から受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定することを特徴としており干渉回避精度を向上できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0029】
本発明に係る干渉回避処理方法は、制御装置で管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、推定結果に基づいて立ち上げ対象基地局における干渉レベルしきい値を取得して当該基地局に送信し、当該基地局では、受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定するものなので、周囲の基地局の動作状況を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての信頼性を向上できるものである。
【0030】
まず、本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システム(本システム)の概略構成について、図1を使って説明する。図1は、本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。尚、図4と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
本システムは、図1に示すように、一般的なPHS構内無線システムとして図4で説明したPHS構内無線システムとほぼ同一で、PHS方式の携帯端末である端末(PS:Personal Station)1と、構内の各所に配置されて無線で端末1と接続するための基地局(BS:Base Station)2と、構内及び構外との通信交換制御を行う制御装置3(図1では点線で囲んだ部分)とから構成されている。尚、図には示していないが、制御装置3には一般的な固定電話機やFAX等の通信装置も接続されている場合が多い。
【0031】
但し、本発明の干渉回避処理方法を実現するために、制御装置3及び基地局2における動作が従来のそれとは異なっており、端末1は、従来のものと全く同様である。
【0032】
まず、制御装置3について説明する。
本発明の制御装置3は、従来と同様に、構内各所に配置された固定電話機や端末1を内線番号で接続できるよう各所に配置された基地局2′を管理し、固定電話機や端末1の接続制御を行うと共に、外部の公衆回線や専用線と接続して、外部の電話やFAXとの通信及び別の構内通信システム(支店など)との通信を行うものである。
【0033】
但し、本発明の制御装置3の特徴部分として、管理下の任意の基地局2に対して電源を供給して動作させる際に、管理下の全ての基地局2に関する運用状況(立ち上がり状況)から、それらが送信する電波状態エリアマップを作成し、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値を取得し、立ち上げ応答電文で取得した干渉レベルしきい値を当該基地局に送信するようになっている。
【0034】
尚、電波状態エリアマップを作成するに当たり、制御装置3では予め基地局2の据え付け場所に基地局2を設置した場合に電波が送出されるエリア(電波の届くエリア)が調査済であり、更に各基地局2からの数段階の電波送出レベル(電波レベル)全てについて調査済である。
また、全てのエリアの基地局2について全ての電波送出レベルを考慮した干渉レベルしきい値のパラメータが予め制御装置3のシステムパラメータとして登録されている。
【0035】
ここで、取得される干渉レベルしきい値の傾向としては、従来固定的に設定されていた干渉レベルしきい値よりも低い値になることが予想され、距離が遠く、互いに干渉しないか又は干渉しても干渉レベルが小さいと考えられる基地局2が使用しているスロットについても、候補から外すことができるようにするものである。
【0036】
尚、電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値を含めて送信するようになっている。
【0037】
ここで、本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理の具体例について、図2を使って説明する。図2は、本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理の流れを示すフローチャート図である。
本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理は、基地局2に給電をONし(200)、基地局2から送信したい電波レベルの情報(電波レベル通知)を含む立ち上げ要求を受信し(202)、受信した電波レベルの電波が届くエリアについて、管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況(電波レベル)から電波状態エリアマップを作成し(203)、作成した電波状態エリアマップに基づきシステムパラメータから基地局2における干渉レベルしきい値を取得し(204)、取得した干渉レベルしきい値を立ち上げ応答に含めて送信し(206)、当該基地局2を運用状態に入ったと認識して管理用のデータを更新し(210)、基地局立ち上げ処理を終了する。
【0038】
次に、本発明の基地局2について説明する。
本発明の基地局2は、従来と同様に、構内の各所に配置されていて、端末1との無線通信を行うものであるが、制御装置3から給電されることによって動作を開始し、まず本件の技術野と特徴部分である干渉回避処理を含む各種イニシャル処理を行ってから、基地局としての運用動作を行うようになっている。
【0039】
本発明の基地局2では、従来と同様に、複数の基地局2が制御チャネルとして共通の周波数を使用することから、各基地局間で制御チャネルの干渉を回避する干渉回避処理を行うが、その処理内容が従来とは異なっている。
また、本発明の基地局においても、従来と同様に、干渉回避処理に用いる干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値をEEPROMなどに予め保持しているが、この保持している干渉レベルしきい値は、制御装置3から送信される干渉レベルしきい値が無効値であった場合に使用されるものである。
【0040】
本発明の基地局2の特徴部分である干渉回避処理内容は、制御装置3からの立ち上げ応答に含まれる干渉レベルしきい値を受信し、各スロットの干渉レベル測定を行い、受信した干渉レベルしきい値を使用して使用可能なスロットを検出し、その中で最も干渉の少ない適切なスロット(電波送出タイミング)を検出する処理である。
尚、電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値が送信されるので、従来と同様に予めEEPROMなどに設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して適切な電波送出タイミングを検出する処理である。
【0041】
ここで、本発明の基地局2におけるイニシャル処理の中の干渉回避処理について、図3を使って説明する。図3は、本発明の基地局2における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
本発明の基地局2における干渉回避処理は、制御装置3からの電源供給で起動され、制御装置3に対して送信したい電波レベルの情報(電波レベル通知)を含む立ち上げ要求を送信し(300)、制御装置3から干渉レベルしきい値を含む立ち上げ応答を受信する(302)。
【0042】
そして、受信した干渉レベルしきい値が有効なデータであるか判断し(304)、有効なデータであれば(Yes)、そのまま処理312に進み、有効なデータでない、即ち無効値であれば(No)、EEPROMエリアから予め設定されている干渉レベルしきい値を読み出し(306)、処理312に進む。
【0043】
そして、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルを測定し(312)、測定した干渉レベルが干渉レベルしきい値より小さいか判断し(314)、小さくない場合(No)には、そのまま処理318に進み、小さい場合(Yes)には、そのスロットの識別子(例えば番号)と干渉レベルデータを保存して(316)、処理318に進む。
【0044】
そして、全てのスロットについて干渉レベルの測定が終了したか判断し(318)、終了していない場合(No)には、処理312に戻って次のスロットについて処理を繰り返し、終了した場合(Yes)には、処理316で保存したスロットの中で干渉レベルが最小のスロットを運用時に使用するスロットと選択し(320)、干渉回避処理を終了する。
【0045】
本発明のPHS構内無線システムにおける基地局2立ち上げ時の干渉回避動作について、図1を使って説明する。
本発明のPHS構内無線システムにおける基地局2立ち上げ時の干渉回避動作としては、制御装置3から管理下の任意の基地局2に対して電源が供給され、当該基地局2から送信したい電波レベルの情報を含む立ち上げ要求が制御装置3に送信され、制御装置3で受信した電波レベルの電波が届くエリアについて、その時点での管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況(電波レベル)からそれらが送信する電波状態エリアマップが作成され、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値がシステムパラメータから取得されて、立ち上げ応答電文で当該基地局に送信される。
【0046】
そして、電源が供給された基地局2で制御装置3からの干渉レベルしきい値を含む立ち上げ応答電文が受信され、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、周囲の他の基地局2が既に動作していると、その状況が受信した干渉レベルしきい値に反映されているので、干渉レベルの測定結果のしきい値判断によって、未使用スロットの中から、最も干渉レベルが小さかったスロットを選択して運用状態に入ることになる。
【0047】
上記説明した制御装置3と基地局2による立ち上がり時の干渉回避処理動作によって、動作状態にある基地局2と立ち上げようとしている基地局2との間での干渉が回避できる適切なスロット(電波送出タイミング)を検出して、端末1との通信を行うことができるようになっていた。
【0048】
尚、制御装置3において電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値を含めて送信し、基地局2では、従来と同様に予めEEPROMなどに設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して電波送出タイミングを検出するようになっている。
【0049】
本発明の実施の形態の干渉回避処理方法によれば、制御装置3から管理下の任意の基地局2に対して電源を供給する際に、当該基地局における電波レベルとその時点での管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況から電波状態エリアマップを作成し、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値を取得して立ち上げ応答電文で送信し、基地局2では、受信した干渉レベルしきい値を用いて制御チャネルの使用スロットを決定するので、基地局の動作状況、即ち当該基地局周辺の電波環境を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての安定した運用を実現して信頼性を向上できる効果がある。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、PHS構内無線システムにおける制御装置が、管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、前記推定に基づいて前記立ち上げ対象の基地局における干渉レベルしきい値を取得して前記立ち上げ対象の基地局に送信し、前記立ち上げ対象の基地局では、前記制御装置から受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定する干渉回避処理方法としているので、干渉回避精度を向上し、システムとしての安定した運用を実現して信頼性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の制御装置における基地局立ち上げ処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】本発明の基地局における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】一般的なPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】従来の基地局における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…端末、 2,2′…基地局、 3,3′…制御装置、 4,4′…通信プロトコル制御装置、 5,5′…回線交換装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、PHS構内無線システムの基地局における干渉回避処理方法に係り、特に周辺基地局の動作状況に即して、立ち上げ時の干渉回避処理を行うことができる干渉回避処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PHS(ARlB標準28に定めるパーソナルハンディフォンシステム)方式の構内無線通信システムは、工場等を持つ事業所(石油化学、鉄鋼等)が、役所に特別な認可を受けることなく、割り当てられた周波数内で、PHSの電話を使用することができるシステムのことである。
また、事業所内で使用する分においては、既存の公衆事業者に使用料を支払う必要がないことから、免許が不要な無線電話システムとして、多くのオフィス内や工場内で採用されている。
尚、公衆で使用されるPHSシステムとその仕組みは変わらない。
【0003】
一般的なPHS構内無線システムの概略構成について、図4を使って説明する。図4は、一般的なPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、一般的なPHS構内無線システムは、PHS方式の携帯端末である端末(PS:Personal Station)1と、構内の各所に配置されて無線で端末1と接続するための基地局(BS:Base Station)2′と、構内及び構外との通信交換制御を行う制御装置3′(図4では点線で囲んだ部分)とから構成されている。尚、図には示していないが、制御装置3′には一般的な固定電話機やFAX等の通信装置も接続されている場合が多い。
【0004】
端末(PS)1は、構内にいる各使用者が携帯しているPHS方式の電話などの無線端末機であり、PHS構内無線システムの端末として使用するために必要な端末パラメータ(例えば、通信を行うために必要なシステム符号、内線番号など)を内部に記憶し、当該端末パラメータに従って動作するようになっている。
【0005】
基地局2′は、構内の各所に配置されていて、端末1との無線通信を行うものであるが、後述する制御装置3′から給電されることによって動作を開始し、まず本件の技術に関連する干渉回避処理を含む各種イニシャル処理を行ってから、基地局としての運用動作を行うようになっている。
【0006】
干渉回避処理とは、複数の基地局2′が制御チャネルとして共通の周波数を使用することから、各基地局間で制御チャネルの干渉を回避するための処理である。
尚、各基地局2′には、干渉回避処理に用いる干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値をEEPROMなどに予め保持している。
干渉回避処理及び干渉レベルしきい値の詳細は、後述する。
【0007】
制御装置3′は、構内各所に配置された固定電話機や端末1を内線番号で接続できるよう各所に配置された基地局2′を管理し、固定電話機や端末1の接続制御を行うと共に、外部の公衆回線や専用線と接続して、外部の電話やFAXとの通信及び別の構内通信システム(支店など)との通信を行うものである。
尚、前述したように、配下の基地局2′に対して電源を供給して動作させるようになっている。
【0008】
制御装置3′の内部は、構内無線システムを運用するための構成として、複数の基地局2と接続されて当該基地局2と固定電話機などとの通信プロトコルの変換を行う複数の通信プロトコル制御装置4′と、全ての通信プロトコル制御装置4′と接続されて回線交換を制御する回線交換装置5′とから構成されている。
【0009】
通常、PHS構内無線システムにおいて、基地局2′は無線ゾーンの重複等をさほど考慮することなく任意の場所に設置され、各基地局2′から端末1に対する無線インタフェース上の制御チャネルの送信タイミングについては規定が無く、また複数の基地局2′で制御チャネルの周波数を共通に使用しているため、近隣の基地局2′同士で制御チャネルの送受信のタイミングが衝突(無線干渉)して、呼損(発着信の失敗)が発生することがある。
【0010】
そこで、基地局2′同士の干渉回避策の一つとして、基地局2′間同士で自律的にタイミングをずらして制御信号を送受信する使用スロットを配置していく自立分散制御方式がある。
自立分散制御方式では、端末1が通信のためのチャネル確保に用いる制御情報を伝達するために利用可能なスロットの情報を基地局2′から間欠送信する周期を複数のスロットに分け、新たに設置された、又は電源オンされた基地局2′が、他の基地局2′が使用しているスロットが無い箇所に自分が使用するスロットを配置するようになっている。
【0011】
具体的には、基地局2′の立ち上がり時のイニシャル処理の中で、干渉回避処理として、各スロットの干渉レベル測定を行い、予め基地局2′に設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して使用可能なスロットを検出し、その中で最も干渉の少ない適切なスロット(電波送出タイミング)を検出する干渉回避処理方法がある。
【0012】
尚、各基地局2′に設定されている干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値は、制御チャネルにおいて未使用スロットと判断できるか、又は例え使用されていても互いに干渉を起こさないと判断できる干渉レベルのしきい値であり、従来の基地局2′では、基地局2′の立ち上げ順に関係無く同一の固定の値が予め設定されている。
【0013】
次に、図4に示したPHS構内無線システムにおける従来の干渉回避処理方法について説明する。
図4に示したPHS構内無線システムにおいて、基地局2′の立ち上げは、通常制御装置3′からの給電で開始され、イニシャル処理の中で、各種初期設定が行われる。
【0014】
ここで、従来の基地局2′におけるイニシャル処理の中の干渉回避処理の具体例について、図5を使って説明する。図5は、従来の基地局2′における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
従来の基地局2′における干渉回避処理は、制御装置3′からの電源供給で起動され、制御装置3′に対して立ち上げ要求を送信し(100)、制御装置3′から立ち上げ応答を受信する(102)。
【0015】
そして、EEPROMエリアから予め設定されている干渉レベルしきい値を読み出し(110)、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルを測定し(112)、測定した干渉レベルが干渉レベルしきい値より小さいか判断し(114)、小さくない場合(No)には、そのまま処理118に進み、小さい場合(Yes)には、そのスロットの識別子(例えば番号)と干渉レベルデータを保存して(116)、処理118に進む。
【0016】
そして、全てのスロットについて干渉レベルの測定が終了したか判断し(118)、終了していない場合(No)には、処理112に戻って次のスロットについて処理を繰り返し、終了した場合(Yes)には、処理116で保存したスロットの中で干渉レベルが最小のスロットを運用時に使用するスロットとして選択し(120)、干渉回避処理を終了する。
【0017】
従来のPHS構内無線システムにおける基地局2′立ち上げ時の干渉回避動作について、図4を使って説明する。
従来のPHS構内無線システムにおける基地局2′立ち上げ時の干渉回避動作としては、通常制御装置3′が、配下の複数の基地局2′に対して、同時ではなく時系列に電源を供給していき、電源が供給された基地局2′で干渉回避処理を含むイニシャル処理が実行される。
尚、この時、各基地局2′では、干渉レベルしきい値が基地局2′の立ち上げ順に関係無く同一の固定の値で予め設定されている。
【0018】
そして、最初に電源が供給される基地局2′では、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、干渉は発生しないので自由に使用するスロットを選択して運用状態に入ることができる。
【0019】
そして、以降順に別の基地局2′に電源が供給され、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、周囲の基地局2′が既に動作していると、使用されているスロットは干渉レベルが高く、干渉レベルの測定結果のしきい値判断によって、未使用スロット、又は例え使用されていても互いに干渉を起こさないと判断できるスロットの中から、最も干渉レベルが小さかったスロットを選択して運用状態に入ることになる。
【0020】
上記説明した基地局2′の立ち上がり時の干渉回避処理動作によって、基地局2′間での干渉が回避できる適切なスロット(電波送出タイミング)を検出して、端末1との通信を行うことができるようになっていた。
【0021】
尚、制御信号の干渉回避に関する従来技術としては、平成9年12月12日公開の特開平9−322243号「PHSの接続装置」(出願人:日本電気移動通信株式会社、発明者:甲斐 敏治)に提案されている。
この従来技術は、自接続装置が送信するSCCH送信タイミングで受信電界測定を行い、メモリに記憶されている干渉判定条件と照合し、この照合結果に基づいて他の接続装置との干渉を検出すると、制御チャネルの送信タイミングを変更させるPHSの接続装置であり、これにより、他の接続装置との干渉を回避して、携帯端末との接続性を改善できるものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基地局における干渉回避処理方法では、干渉レベルしきい値が予め固定的に設定されているため、1台も基地局が立ち上がっていない状況であっても、既に複数台立ち上がっている状況であっても同じ値のパラメータを用いることになり、リアルタイムで変化する電波の状態に対応できず、あるエリアでは端末1から見て電波干渉が発生する可能性があり、端末1との通信品質が低下するという問題点があった。
【0023】
具体例で説明すると、図4に示すように、基地局2′−1、2′−3、2′−4が立ち上がっている状態で、基地局2′−2に電源が供給された場合を考えると、基地局2′−3、2′−4は基地局2′−2から近距離にあるため、基地局2′−2における干渉回避処理の干渉レベルしきい値判断で、基地局2′−3、2′−4が使用しているスロットは使用中と認識されて候補から外され、使用中のスロット以外のスロットが選択されることになる。
【0024】
しかし、基地局2′−1は基地局2′−2から距離が遠く、互いに干渉しないか又は干渉しても干渉レベルが小さいと考えられるため、基地局2′−2における干渉回避処理の干渉レベルしきい値判断で、基地局2′−1が使用しているスロットは使用中と認識されず候補として採用され、当該基地局2′−1使用中のスロットが選択される可能性がある。
【0025】
その結果、例えば、基地局2′−1と基地局2′−2の間でほぼ等距離に位置する端末1では、基地局2′−1と基地局2′−2の送出する電波が互いに干渉した状態で検出され、通信障害を起こす事態が発生することになる。
【0026】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、従来技術の問題点である干渉レベルしきい値が固定で、周囲の基地局の動作状況を考慮していないために電波干渉が発生する点を解決し、基地局の動作状況を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての信頼性を向上できる干渉回避処理方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、干渉回避処理方法において、PHS構内無線システムにおける制御装置が、管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、前記推定に基づいて前記立ち上げ対象の基地局における干渉レベルしきい値を取得して前記立ち上げ対象の基地局に送信し、前記立ち上げ対象の基地局では、前記制御装置から受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定することを特徴としており干渉回避精度を向上できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0029】
本発明に係る干渉回避処理方法は、制御装置で管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、推定結果に基づいて立ち上げ対象基地局における干渉レベルしきい値を取得して当該基地局に送信し、当該基地局では、受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定するものなので、周囲の基地局の動作状況を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての信頼性を向上できるものである。
【0030】
まず、本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システム(本システム)の概略構成について、図1を使って説明する。図1は、本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。尚、図4と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
本システムは、図1に示すように、一般的なPHS構内無線システムとして図4で説明したPHS構内無線システムとほぼ同一で、PHS方式の携帯端末である端末(PS:Personal Station)1と、構内の各所に配置されて無線で端末1と接続するための基地局(BS:Base Station)2と、構内及び構外との通信交換制御を行う制御装置3(図1では点線で囲んだ部分)とから構成されている。尚、図には示していないが、制御装置3には一般的な固定電話機やFAX等の通信装置も接続されている場合が多い。
【0031】
但し、本発明の干渉回避処理方法を実現するために、制御装置3及び基地局2における動作が従来のそれとは異なっており、端末1は、従来のものと全く同様である。
【0032】
まず、制御装置3について説明する。
本発明の制御装置3は、従来と同様に、構内各所に配置された固定電話機や端末1を内線番号で接続できるよう各所に配置された基地局2′を管理し、固定電話機や端末1の接続制御を行うと共に、外部の公衆回線や専用線と接続して、外部の電話やFAXとの通信及び別の構内通信システム(支店など)との通信を行うものである。
【0033】
但し、本発明の制御装置3の特徴部分として、管理下の任意の基地局2に対して電源を供給して動作させる際に、管理下の全ての基地局2に関する運用状況(立ち上がり状況)から、それらが送信する電波状態エリアマップを作成し、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値を取得し、立ち上げ応答電文で取得した干渉レベルしきい値を当該基地局に送信するようになっている。
【0034】
尚、電波状態エリアマップを作成するに当たり、制御装置3では予め基地局2の据え付け場所に基地局2を設置した場合に電波が送出されるエリア(電波の届くエリア)が調査済であり、更に各基地局2からの数段階の電波送出レベル(電波レベル)全てについて調査済である。
また、全てのエリアの基地局2について全ての電波送出レベルを考慮した干渉レベルしきい値のパラメータが予め制御装置3のシステムパラメータとして登録されている。
【0035】
ここで、取得される干渉レベルしきい値の傾向としては、従来固定的に設定されていた干渉レベルしきい値よりも低い値になることが予想され、距離が遠く、互いに干渉しないか又は干渉しても干渉レベルが小さいと考えられる基地局2が使用しているスロットについても、候補から外すことができるようにするものである。
【0036】
尚、電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値を含めて送信するようになっている。
【0037】
ここで、本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理の具体例について、図2を使って説明する。図2は、本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理の流れを示すフローチャート図である。
本発明の制御装置3における基地局立ち上げ処理は、基地局2に給電をONし(200)、基地局2から送信したい電波レベルの情報(電波レベル通知)を含む立ち上げ要求を受信し(202)、受信した電波レベルの電波が届くエリアについて、管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況(電波レベル)から電波状態エリアマップを作成し(203)、作成した電波状態エリアマップに基づきシステムパラメータから基地局2における干渉レベルしきい値を取得し(204)、取得した干渉レベルしきい値を立ち上げ応答に含めて送信し(206)、当該基地局2を運用状態に入ったと認識して管理用のデータを更新し(210)、基地局立ち上げ処理を終了する。
【0038】
次に、本発明の基地局2について説明する。
本発明の基地局2は、従来と同様に、構内の各所に配置されていて、端末1との無線通信を行うものであるが、制御装置3から給電されることによって動作を開始し、まず本件の技術野と特徴部分である干渉回避処理を含む各種イニシャル処理を行ってから、基地局としての運用動作を行うようになっている。
【0039】
本発明の基地局2では、従来と同様に、複数の基地局2が制御チャネルとして共通の周波数を使用することから、各基地局間で制御チャネルの干渉を回避する干渉回避処理を行うが、その処理内容が従来とは異なっている。
また、本発明の基地局においても、従来と同様に、干渉回避処理に用いる干渉レベル測定用パラメータの1つである干渉レベルしきい値をEEPROMなどに予め保持しているが、この保持している干渉レベルしきい値は、制御装置3から送信される干渉レベルしきい値が無効値であった場合に使用されるものである。
【0040】
本発明の基地局2の特徴部分である干渉回避処理内容は、制御装置3からの立ち上げ応答に含まれる干渉レベルしきい値を受信し、各スロットの干渉レベル測定を行い、受信した干渉レベルしきい値を使用して使用可能なスロットを検出し、その中で最も干渉の少ない適切なスロット(電波送出タイミング)を検出する処理である。
尚、電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値が送信されるので、従来と同様に予めEEPROMなどに設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して適切な電波送出タイミングを検出する処理である。
【0041】
ここで、本発明の基地局2におけるイニシャル処理の中の干渉回避処理について、図3を使って説明する。図3は、本発明の基地局2における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
本発明の基地局2における干渉回避処理は、制御装置3からの電源供給で起動され、制御装置3に対して送信したい電波レベルの情報(電波レベル通知)を含む立ち上げ要求を送信し(300)、制御装置3から干渉レベルしきい値を含む立ち上げ応答を受信する(302)。
【0042】
そして、受信した干渉レベルしきい値が有効なデータであるか判断し(304)、有効なデータであれば(Yes)、そのまま処理312に進み、有効なデータでない、即ち無効値であれば(No)、EEPROMエリアから予め設定されている干渉レベルしきい値を読み出し(306)、処理312に進む。
【0043】
そして、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルを測定し(312)、測定した干渉レベルが干渉レベルしきい値より小さいか判断し(314)、小さくない場合(No)には、そのまま処理318に進み、小さい場合(Yes)には、そのスロットの識別子(例えば番号)と干渉レベルデータを保存して(316)、処理318に進む。
【0044】
そして、全てのスロットについて干渉レベルの測定が終了したか判断し(318)、終了していない場合(No)には、処理312に戻って次のスロットについて処理を繰り返し、終了した場合(Yes)には、処理316で保存したスロットの中で干渉レベルが最小のスロットを運用時に使用するスロットと選択し(320)、干渉回避処理を終了する。
【0045】
本発明のPHS構内無線システムにおける基地局2立ち上げ時の干渉回避動作について、図1を使って説明する。
本発明のPHS構内無線システムにおける基地局2立ち上げ時の干渉回避動作としては、制御装置3から管理下の任意の基地局2に対して電源が供給され、当該基地局2から送信したい電波レベルの情報を含む立ち上げ要求が制御装置3に送信され、制御装置3で受信した電波レベルの電波が届くエリアについて、その時点での管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況(電波レベル)からそれらが送信する電波状態エリアマップが作成され、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値がシステムパラメータから取得されて、立ち上げ応答電文で当該基地局に送信される。
【0046】
そして、電源が供給された基地局2で制御装置3からの干渉レベルしきい値を含む立ち上げ応答電文が受信され、制御チャネルにおける各スロットの干渉レベルが測定されるが、周囲の他の基地局2が既に動作していると、その状況が受信した干渉レベルしきい値に反映されているので、干渉レベルの測定結果のしきい値判断によって、未使用スロットの中から、最も干渉レベルが小さかったスロットを選択して運用状態に入ることになる。
【0047】
上記説明した制御装置3と基地局2による立ち上がり時の干渉回避処理動作によって、動作状態にある基地局2と立ち上げようとしている基地局2との間での干渉が回避できる適切なスロット(電波送出タイミング)を検出して、端末1との通信を行うことができるようになっていた。
【0048】
尚、制御装置3において電波状態エリアマップから干渉レベルしきい値を取得する機能を使用しない場合には、立ち上げ応答に無効値を含めて送信し、基地局2では、従来と同様に予めEEPROMなどに設定されている干渉レベル測定用パラメータ(干渉レベルしきい値)を使用して電波送出タイミングを検出するようになっている。
【0049】
本発明の実施の形態の干渉回避処理方法によれば、制御装置3から管理下の任意の基地局2に対して電源を供給する際に、当該基地局における電波レベルとその時点での管理下の他の基地局2の運用(電源ON)状況から電波状態エリアマップを作成し、それを考慮にいれた状態での当該基地局2における立ち上がり時の干渉レベルしきい値を取得して立ち上げ応答電文で送信し、基地局2では、受信した干渉レベルしきい値を用いて制御チャネルの使用スロットを決定するので、基地局の動作状況、即ち当該基地局周辺の電波環境を反映した干渉レベルしきい値で干渉回避処理を行うことによって、干渉回避精度を向上し、システムとしての安定した運用を実現して信頼性を向上できる効果がある。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、PHS構内無線システムにおける制御装置が、管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、前記推定に基づいて前記立ち上げ対象の基地局における干渉レベルしきい値を取得して前記立ち上げ対象の基地局に送信し、前記立ち上げ対象の基地局では、前記制御装置から受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定する干渉回避処理方法としているので、干渉回避精度を向上し、システムとしての安定した運用を実現して信頼性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉回避処理方法を実現するPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の制御装置における基地局立ち上げ処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】本発明の基地局における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】一般的なPHS構内無線システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】従来の基地局における干渉回避処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…端末、 2,2′…基地局、 3,3′…制御装置、 4,4′…通信プロトコル制御装置、 5,5′…回線交換装置
Claims (1)
- PHS構内無線システムにおける制御装置が、管理下の任意の基地局を立ち上げる際に、管理下の他の基地局の立ち上がり状況から電波状態を推定し、前記推定に基づいて前記立ち上げ対象の基地局における干渉レベルしきい値を取得して前記立ち上げ対象の基地局に送信し、前記立ち上げ対象の基地局では、前記制御装置から受信した干渉レベルしきい値を用いて他の基地局と干渉しない制御チャネルの使用スロットを決定することを特徴とする干渉回避処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172266A JP2004023211A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 干渉回避処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002172266A JP2004023211A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 干渉回避処理方法 |
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JP (1) | JP2004023211A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010074248A1 (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-01 | 京セラ株式会社 | 無線通信システム、無線基地局および閾値設定方法 |
JP2010177823A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Kyocera Corp | 無線通信システム、無線基地局、無線端末および無線通信方法 |
JP2011066919A (ja) * | 2004-07-27 | 2011-03-31 | Nec Corp | 上り回線無線リソース制御の方法、基地局装置、及び無線ネットワーク制御装置 |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172266A patent/JP2004023211A/ja active Pending
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