JP2004022727A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法並びに平面表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成できるサイドチャネルTFTおよびその製造方法並びに平面表示装置を提供する。
【解決手段】絶縁性基板1上に設けたソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5と、ゲート電極3の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜6と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に設けた半導体層であるp−Si層7と、ゲート電極3の右側の側面上のp−Si層7中の一部に設けたチャネル部8とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁性基板1上に設けたソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5と、ゲート電極3の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜6と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に設けた半導体層であるp−Si層7と、ゲート電極3の右側の側面上のp−Si層7中の一部に設けたチャネル部8とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに該薄膜トランジスタを用いて構成した平面表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード、液晶等を用いた平面表示装置は、表示部の薄型化が可能であり、事務機器やコンピュータ等の表示装置、あるいは特殊な表示装置への用途として要求が高まっている。
【0003】
特に、非晶質であるアモルファスシリコン(以下、a−Siと記す)または多結晶であるポリシリコン(以下、p−Siと記す)を用いた薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す(:Thin Film Transistor))を、画素のスイッチング素子として、画素と共にマトリクス状に配置し、表示素子と接続して表示を行う平面表示装置は、表示品位が高く、低消費電力であるため、その開発が盛んに行われている。
【0004】
その中でも、p−Siを用いたTFTは、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高く、その利点を活かして画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することを可能とし、これにより低コストで高性能な平面表示装置を実現することができる。
【0005】
近年、より廉価に平面表示装置を作製することへの要求が高まっている。
【0006】
さらに高品質、高性能な平面表示装置の要求が高まっているが、これはすなわち、周辺駆動回路を構成するTFTを高性能化することを意味する。より具体的に言えば、低いドレイン電圧で大電流が得られるTFTを作製することである。このような高性能TFTは、通常チャネル長を短くすることにより実現することが可能である。
【0007】
一般に、絶縁性基板として例えばガラス基板平面上にTFTを作製する場合、フォトリソグラフィ工程において複数のマスクを使用するが、このようにしてTFTを作製した場合、露光条件やマスクずれ等の諸問題からTFTのチャネル長を短くするのには自ずと限界がある。そのため、例えばゲート電極のサイド(側面の横)にゲート絶縁膜とチャネル部を作製した構造のTFT、いわゆるサイドチャネル構造のTFT(以下、サイドチャネルTFTと記す)が短チャネルTFTとして提案されている(例えば、特開平5−47788号公報参照)。
【0008】
以下、従来提案されているサイドチャネルTFTの構造について述べる。
【0009】
図5は、従来のサイドチャネルTFTの構造を示す図である。
【0010】
51は絶縁性基板、52は下部絶縁膜、53はゲート電極、56はゲート絶縁膜(上部絶縁膜)、57はp−Si層、54はソース電極、55はドレイン電極、59は絶縁膜である。
【0011】
図5に示すように、ゲート電極53はp−Si層57の下、ソース電極54およびドレイン電極55はp−Si層57の上に形成され、ゲート電極53と、ソース電極54およびドレイン電極55との間には、ゲート絶縁膜56とp−Si層57が形成されている。すなわち、ゲート電極53の形成工程と、ソース電極54およびドレイン電極55の形成工程との間には、ゲート絶縁膜56の形成工程とp−Si層57の形成工程が入っている。つまり、ゲート電極53、ソース電54、ドレイン電極55の3つの電極は、同時には形成されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
なお、従来技術において、不純物ドープを基板面に対して垂直に行い、ゲート電極53の例えば右側面上のp−Si層57の一部に不純物濃度が相対的に低い低濃度領域を意図的に作り出し、そこをチャネルとしてTFT動作させようと考える場合、そのような基板に垂直な不純物ドープを行うと、ゲート電極53の左側面上のp−Si層57にも同時に低濃度領域が形成されるため、ソース電極54は、ゲート電極53の左側に形成することは原理的に不可能であり、図5に示すように、必然的にゲート電極53の上部に形成しなくてはならなくなる。これは、ゲート電極53はたとえドレイン電極55と同時に形成することはできたとしても、ソース電極54はゲート電極53と同時に形成することができないということを意味する。つまり、サイドチャネルTFTを作製する場合、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を形成する工程は、最低2回に分けて行う必要があるから、3つの電極を一括して形成可能なトップゲート構造のTFTを作製する場合と比較して製造単価は高くなってしまう。廉価な平面表示装置の提供が求められている昨今、製造単価が高くなってしまうということは由々しい問題となっていた。
【0013】
以上述べてきたように、大電流を得るために短チャネル化したサイドチャネルTFTを作製する場合、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に形成することは不可能なため、廉価な平面表示装置を提供することは困難であった。
【0014】
そこで、本発明では上記技術的な問題に鑑み、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成できるサイドチャネルTFTおよびその製造方法を提供し、並びにそのTFTを周辺駆動回路の一部としても使用する平面表示装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するような構成をとる。
【0016】
すなわち、請求項1記載の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に設けたソース電極、ゲート電極、ドレイン電極と、前記ゲート電極の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜と、前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に設けた半導体層と、前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に設けたチャネル部とを有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項2記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記ソース電極の幅が、前記ゲート電極の幅より狭いことを特徴とする。
【0018】
また、請求項3記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記ソース電極の平面形状の前記ゲート電極側に凹凸を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項4記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記半導体層がポリシリコン層であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を同時に形成する第1の工程と、前記ゲート電極の上面および側面上に、ゲート絶縁膜を形成する第2の工程と、前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に、半導体層を形成する第3の工程と、前記半導体層に対し、前記基板面に対して斜め方向に不純物を打ち込み、前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に、前記不純物が導入されないチャネル部を形成する第4の工程とを有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記不純物の打ち込みの方向が、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向成分を有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向を含む垂直断面において、前記不純物の打ち込みの傾斜角が、前記ゲート電極のテーパ角より小さいことを特徴とする。
【0023】
また、請求項8記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第1の工程において、前記ソース電極の幅を、前記ゲート電極の幅より狭く形成することを特徴とする。
【0024】
また、請求項9記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第3の工程が、アモルファスシリコン層を形成する工程と、エキシマレーザアニールにより前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層にする工程を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項10記載の平面表示装置は、前記絶縁性基板上にマトリクス状に配置した画素および該画素のスイッチング素子と、前記絶縁性基板上に一体的に設けた周辺駆動回路とを有する平面表示装置において、前記スイッチング素子および前記周辺駆動回路を、請求項1乃至4のいずれか記載の薄膜トランジスタを用いて構成したことを特徴とする。
【0026】
本発明では、上記の構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に形成できるサイドチャネルTFTおよびその製造方法を提供し、並びにそのTFTを周辺駆動回路の一部として使用する平面表示装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
実施の形態1
図1(a)は、本発明の実施の形態1のTFTの概略平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A′切断線における断面図である。
【0029】
本実施の形態1では、
1は絶縁性基板、2は下部絶縁膜、3はゲート電極、4はソース電極、5はドレイン電極、6はゲート絶縁膜(上部絶縁膜)、7はp−Si層、8はチャネル部、9は不純物がドープされない領域である。
【0030】
まず、図1(a)、(b)を参照して、本実施の形態1のTFTの製造方法の一例について説明する。
【0031】
まず、絶縁性基板1の上に例えばSiO2からなる下部絶縁膜2を形成する。ここでは、絶縁性基板1として、通常の液晶表示装置に用いられるガラス基板を用いることにするが、耐熱性に優れたより高価な石英基板を用いてもかまわない。
【0032】
次に、下部絶縁膜2(必要に応じて一部をフォトリソグラフィ技術を用いて選択的に除去してもよい。)の上に、マスクを用いたフォトリソグラフィ技術を用いて、後にソース電極3、ゲート電極4、ドレイン電極5となる電極部を同時に形成する。電極を構成する材料としては、例えば、W(タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、MoW(モリブデンとタングステンとの合金)、Al(アルミニウム)等が挙げられるが、ここではAlで電極部を形成した。なお、ここで、図1(a)に示したように、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭く形成しておく(この理由については後述)。
【0033】
次に、ゲート電極3を覆うように、フォトリソグラフィ技術を用いてゲート絶縁膜6を形成する。
【0034】
次に、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5を覆うように、a−Si(アモルファスシリコン)層を形成し、その後、該a−Si層へのエキシマレーザアニール(以下、ELAと記す)照射により、a−Si層をp−Si(ポリシリコン)層7に変える。
【0035】
次に、図2(a)に示すように、p−Si層7に対し、絶縁性基板1面に対して斜め方向に所定の導電型の不純物10を打ち込み、ゲート電極3の片側(ここでは、図の紙面に向かって右側)の側面上のp−Si層7中の一部に、不純物が導入されないチャネル部8を形成する。ここでは、不純物10の打ち込みの方向が、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向成分を有する。また、図2(b)に示すように、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向を含む垂直断面において、不純物10の打ち込みの傾斜角θ(傾斜角θ=直角−入射角θi)を、ゲート電極3のテーパ角θtより小さく設定している。これにより、図2(a)に示すように、ゲート電極3自体に遮られ、不純物がドープされない領域9が、ゲート電極3を覆うようにして存在するp−Si層7の一部に残される。ここが、実際の動作時にチャネル部8となる。もしも、不純物10の打ち込みの傾斜角θが、電極3のテーパ角θtより大きく、つまり図2(c)に示すように、垂直に近く打ち込まれた場合、先に書いたようなゲート電極3に邪魔されて不純物がドープされない領域がp−Si層7中に形成されない。そのため、p−Si層7にほぼ一様に高濃度の不純物10がドープされるため、導電性が高くなってしまい、チャネルが形成されず、TFTとして動作することが不可能となってしまう。
【0036】
なお、原理的にはこの不純物10の打ち込みの傾斜角θは、ゲート電極3のテーパ角θtより小さければ、問題なく不純物がドープされない領域9が形成されるが、実際にTFTを作製する上では、不純物10の打ち込みの傾斜角θが0度に近い角度、すなわち、絶縁性基板1の平面に平行な方向に近い角度では、不純物がドープされない領域9の長さが長くなってしまい、現実の動作には適さないTFT構造になってしまう。そこで、実際には、不純物10の打ち込みの傾斜角θは、15度〜65度(入射角θi=25度〜75度)の間が好ましい。さらに言えば、不純物がドープされない領域9の長さは、不純物10の打ち込みの傾斜角θ以外に、ゲート電極3のテーパ角θtとゲート電極3の高さに依存している量なので、それらの値の変化により不純物10の打ち込みの傾斜角θの最適値が決定されるが、それでも傾斜角θは、ゲート電極3の平均テーパ角±15度の範囲でほぼ最適となる。
【0037】
一方、ドレイン電極5とのコンタクトに関しては、図2(a)に示すように不純物を打ち込むと、ドレイン電極5の左側面上のp−Si層7にはドープされるため、全く問題なくドレイン電極5とのコンタクトは取ることができる。
【0038】
しかるに、図1(a)、(b)に示すように、ソース電極4の右側面上のp−Si層7には、ゲート電極3の右側面上のp−Si層7と同様に、不純物がドープされない領域9が残ってしまう。ここではコンタクトが取れないが、前述のごとく、図1(a)に示すように、予めソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭く形成しておけば、図3の上面図に示すように、ソース電極4の上下(この上下は、図3における上下)側面上や、ソース電極4の上面上のp−Si層7には不純物は十分ドープされているので、結局コンタクトは取れ、図3の矢印(矢印は、キャリアもしくは電流の流れを示す。)に示すように、キャリアは流れ、TFTとしては全く問題なく動作する。
【0039】
なお、公知の技術なので、図示と詳細な説明は省略するが、p−Si層7上に、窒化シリコン膜等からなるパッシベーション膜を形成し、該パッシベーション膜にコンタクトホールをあけ、該パッシベーション膜の上に各電極の配線を形成する。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態1のTFTは、絶縁性基板1上に設けたソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5と、ゲート電極3の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜6と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に設けた半導体層であるp−Si層7と、ゲート電極3の片側(ここでは、右側)の側面上のp−Si層7中の一部に設けたチャネル部8とを有する。
【0041】
このような構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成することができるため、3つの電極形成を2工程に分けるプロセスで作製されたものより工程数が少なくなり、廉価にサイドチャネルTFTを作製することができる。さらに、TFTの製造工程が減る分、製品のスループットも上がるため、単価あたりの製造コストも相対的に低くなる効果が期待される。
【0042】
また、ソース電極4の幅SWが、ゲート電極3の幅GWより狭くなっている。この構成により、前述のごとくソース電極4のコンタクトが取れ、全く問題なく動作するTFTが実現できる。
【0043】
また、半導体層はp−Si層7である。これにより、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高いp−SiTFTを提供できる。その結果、液晶表示装置のような平面表示装置において、該TFTを画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することが可能であり、低コストで高性能な平面表示装置を実現することができる。
【0044】
また、本実施の形態1のTFTの製造方法は、絶縁性基板1上に、ソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5を同時に形成する第1の工程と、ゲート電極3の上面および側面上に、ゲート絶縁膜6を形成する第2の工程と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に、半導体層であるp−Si層7を形成する第3の工程と、p−Si層7に対し、絶縁性基板1面に対して斜め方向に不純物を打ち込み、ゲート電極3の片側(例えば右側)の側面上のp−Si層7中の一部に、不純物が導入されないチャネル部8を形成する第4の工程とを有する。
【0045】
このような構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成することができるため、従来より工程数が少なくなり、廉価にサイドチャネルTFTを作製することができる。さらに、TFTの製造工程が減る分、製品のスループットも上がるため、単価あたりの製造コストも相対的に低くなる効果が期待される。
【0046】
また、不純物10の打ち込みの方向が、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向成分を有する。これにより、不純物がドープされない領域9を形成することができ、ゲート電極3の片側の側面上のp−Si層7中の一部に、チャネル部8を形成することができる。
【0047】
また、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向を含む垂直断面において、不純物10の打ち込みの傾斜角θが、ゲート電極3のテーパ角θtより小さい。これにより、不純物がドープされない領域9を形成することができ、ゲート電極3の片側の側面上のp−Si層7中の一部に、チャネル部8を形成することができる。
【0048】
また、第1の工程において、ソース電極4の幅SWを、ゲート電極3の幅GWより狭く形成する。これにより、ソース電極4のコンタクトが取れ、全く問題なく動作するTFTが作製できる。
【0049】
また、第3の工程が、a−Si層を形成する工程と、ELAによりa−Si層をp−Si層7にする工程を含む。これにより、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高いp−SiTFTを作製できる。
【0050】
また、絶縁性基板1上にマトリクス状に配置した画素および該画素のスイッチング素子と、絶縁性基板1上に一体的に設けた周辺駆動回路とを有する平面表示装置において、スイッチング素子および周辺駆動回路を、本実施の形態1のp−SiTFTを用いて構成すれば、該TFTを画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することが可能であり、低コストで高性能な平面表示装置を提供することができる。
【0051】
実施の形態2
図4(a)は、本発明の実施の形態2のTFTの概略平面図である。
【0052】
前記実施の形態1では、前述のように、ソース電極4の右側面上のp−Si層7には、不純物がドープされない領域9が残ってしまうので、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭くすることにより、図3の矢印に示すように、不純物が十分ドープされたソース電極4の上下側面上や上面上のp−Si層7を経由してキャリアが流れ、ソース電極4のコンタクトが取れ、TFTとして全く問題なく動作することを述べた。
【0053】
本実施の形態2は、この変形で、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭くする代わりに、図4(a)に示すように、ソース電極4の平面形状のゲート電極3側に凹凸を設けたことにより、不純物が十分ドープされた図4(a)のPを付した部分を経由してキャリアが矢印に示すごとく流れ、ソース電極4のコンタクトが取れ、TFTとしては全く問題なく動作する。その他の構成、作用、効果については前記実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
なお、図4(a)に示したソース電極4の平面形状のゲート電極3側に凹凸の形状は、一例であり、種々の形状のものが考えられ、ほぼゲート長方向に沿うソース電極4の側壁部分がゲート幅程度にあればよい。図4(b)にそのバリエーションの数例を示す。それぞれ図の右側がゲート電極3側である。
【0055】
以上本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低コストで高性能なTFTおよびその製造方法並びに平面表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1のTFTを上からみた構造概略図、(b)は(a)のA−A′切断断面構造概略図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態1において、p−Si層に対し、基板面に対して斜め方向に不純物を打ち込むことにより、p−Si層の一部に不純物ドープされない領域が残されることを説明する図、(b)は不純物の打ち込みの傾斜角θとゲート電極のテーパ角θtとの関係を示す図、(c)は基板面に垂直に近い角度で打ち込むと、p−Si層の一部に不純物がドープされない領域が残らないことを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1中における、TFTを上から見たソース電極からの電流のパスの様子を示す図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態2のTFTを上からみた構造概略図、(b)は凹凸のバリエーションを示す図である。
【図5】従来構造のTFTの概略断面図である。
【符号の説明】
1…絶縁性基板、2…下部絶縁膜、3…ゲート電極、4…ソース電極、5…ドレイン電極、6…ゲート絶縁膜、7…p−Si層、8…チャネル部、9…不純物がドープされない領域、10…不純物、θ…不純物の打ち込みの傾斜角、θi…不純物の打ち込みの入射角、θt…ゲート電極のテーパ角、
51…絶縁性基板、52…下部絶縁膜、53…ゲート電極、54…ソース電極、55…ドレイン電極、56…ゲート絶縁膜、57…p−Si層、59…絶縁膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに該薄膜トランジスタを用いて構成した平面表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード、液晶等を用いた平面表示装置は、表示部の薄型化が可能であり、事務機器やコンピュータ等の表示装置、あるいは特殊な表示装置への用途として要求が高まっている。
【0003】
特に、非晶質であるアモルファスシリコン(以下、a−Siと記す)または多結晶であるポリシリコン(以下、p−Siと記す)を用いた薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す(:Thin Film Transistor))を、画素のスイッチング素子として、画素と共にマトリクス状に配置し、表示素子と接続して表示を行う平面表示装置は、表示品位が高く、低消費電力であるため、その開発が盛んに行われている。
【0004】
その中でも、p−Siを用いたTFTは、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高く、その利点を活かして画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することを可能とし、これにより低コストで高性能な平面表示装置を実現することができる。
【0005】
近年、より廉価に平面表示装置を作製することへの要求が高まっている。
【0006】
さらに高品質、高性能な平面表示装置の要求が高まっているが、これはすなわち、周辺駆動回路を構成するTFTを高性能化することを意味する。より具体的に言えば、低いドレイン電圧で大電流が得られるTFTを作製することである。このような高性能TFTは、通常チャネル長を短くすることにより実現することが可能である。
【0007】
一般に、絶縁性基板として例えばガラス基板平面上にTFTを作製する場合、フォトリソグラフィ工程において複数のマスクを使用するが、このようにしてTFTを作製した場合、露光条件やマスクずれ等の諸問題からTFTのチャネル長を短くするのには自ずと限界がある。そのため、例えばゲート電極のサイド(側面の横)にゲート絶縁膜とチャネル部を作製した構造のTFT、いわゆるサイドチャネル構造のTFT(以下、サイドチャネルTFTと記す)が短チャネルTFTとして提案されている(例えば、特開平5−47788号公報参照)。
【0008】
以下、従来提案されているサイドチャネルTFTの構造について述べる。
【0009】
図5は、従来のサイドチャネルTFTの構造を示す図である。
【0010】
51は絶縁性基板、52は下部絶縁膜、53はゲート電極、56はゲート絶縁膜(上部絶縁膜)、57はp−Si層、54はソース電極、55はドレイン電極、59は絶縁膜である。
【0011】
図5に示すように、ゲート電極53はp−Si層57の下、ソース電極54およびドレイン電極55はp−Si層57の上に形成され、ゲート電極53と、ソース電極54およびドレイン電極55との間には、ゲート絶縁膜56とp−Si層57が形成されている。すなわち、ゲート電極53の形成工程と、ソース電極54およびドレイン電極55の形成工程との間には、ゲート絶縁膜56の形成工程とp−Si層57の形成工程が入っている。つまり、ゲート電極53、ソース電54、ドレイン電極55の3つの電極は、同時には形成されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
なお、従来技術において、不純物ドープを基板面に対して垂直に行い、ゲート電極53の例えば右側面上のp−Si層57の一部に不純物濃度が相対的に低い低濃度領域を意図的に作り出し、そこをチャネルとしてTFT動作させようと考える場合、そのような基板に垂直な不純物ドープを行うと、ゲート電極53の左側面上のp−Si層57にも同時に低濃度領域が形成されるため、ソース電極54は、ゲート電極53の左側に形成することは原理的に不可能であり、図5に示すように、必然的にゲート電極53の上部に形成しなくてはならなくなる。これは、ゲート電極53はたとえドレイン電極55と同時に形成することはできたとしても、ソース電極54はゲート電極53と同時に形成することができないということを意味する。つまり、サイドチャネルTFTを作製する場合、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を形成する工程は、最低2回に分けて行う必要があるから、3つの電極を一括して形成可能なトップゲート構造のTFTを作製する場合と比較して製造単価は高くなってしまう。廉価な平面表示装置の提供が求められている昨今、製造単価が高くなってしまうということは由々しい問題となっていた。
【0013】
以上述べてきたように、大電流を得るために短チャネル化したサイドチャネルTFTを作製する場合、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に形成することは不可能なため、廉価な平面表示装置を提供することは困難であった。
【0014】
そこで、本発明では上記技術的な問題に鑑み、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成できるサイドチャネルTFTおよびその製造方法を提供し、並びにそのTFTを周辺駆動回路の一部としても使用する平面表示装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するような構成をとる。
【0016】
すなわち、請求項1記載の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に設けたソース電極、ゲート電極、ドレイン電極と、前記ゲート電極の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜と、前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に設けた半導体層と、前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に設けたチャネル部とを有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項2記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記ソース電極の幅が、前記ゲート電極の幅より狭いことを特徴とする。
【0018】
また、請求項3記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記ソース電極の平面形状の前記ゲート電極側に凹凸を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項4記載の薄膜トランジスタは、請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、前記半導体層がポリシリコン層であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を同時に形成する第1の工程と、前記ゲート電極の上面および側面上に、ゲート絶縁膜を形成する第2の工程と、前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に、半導体層を形成する第3の工程と、前記半導体層に対し、前記基板面に対して斜め方向に不純物を打ち込み、前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に、前記不純物が導入されないチャネル部を形成する第4の工程とを有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記不純物の打ち込みの方向が、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向成分を有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向を含む垂直断面において、前記不純物の打ち込みの傾斜角が、前記ゲート電極のテーパ角より小さいことを特徴とする。
【0023】
また、請求項8記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第1の工程において、前記ソース電極の幅を、前記ゲート電極の幅より狭く形成することを特徴とする。
【0024】
また、請求項9記載の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第3の工程が、アモルファスシリコン層を形成する工程と、エキシマレーザアニールにより前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層にする工程を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項10記載の平面表示装置は、前記絶縁性基板上にマトリクス状に配置した画素および該画素のスイッチング素子と、前記絶縁性基板上に一体的に設けた周辺駆動回路とを有する平面表示装置において、前記スイッチング素子および前記周辺駆動回路を、請求項1乃至4のいずれか記載の薄膜トランジスタを用いて構成したことを特徴とする。
【0026】
本発明では、上記の構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に形成できるサイドチャネルTFTおよびその製造方法を提供し、並びにそのTFTを周辺駆動回路の一部として使用する平面表示装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
実施の形態1
図1(a)は、本発明の実施の形態1のTFTの概略平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A′切断線における断面図である。
【0029】
本実施の形態1では、
1は絶縁性基板、2は下部絶縁膜、3はゲート電極、4はソース電極、5はドレイン電極、6はゲート絶縁膜(上部絶縁膜)、7はp−Si層、8はチャネル部、9は不純物がドープされない領域である。
【0030】
まず、図1(a)、(b)を参照して、本実施の形態1のTFTの製造方法の一例について説明する。
【0031】
まず、絶縁性基板1の上に例えばSiO2からなる下部絶縁膜2を形成する。ここでは、絶縁性基板1として、通常の液晶表示装置に用いられるガラス基板を用いることにするが、耐熱性に優れたより高価な石英基板を用いてもかまわない。
【0032】
次に、下部絶縁膜2(必要に応じて一部をフォトリソグラフィ技術を用いて選択的に除去してもよい。)の上に、マスクを用いたフォトリソグラフィ技術を用いて、後にソース電極3、ゲート電極4、ドレイン電極5となる電極部を同時に形成する。電極を構成する材料としては、例えば、W(タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、MoW(モリブデンとタングステンとの合金)、Al(アルミニウム)等が挙げられるが、ここではAlで電極部を形成した。なお、ここで、図1(a)に示したように、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭く形成しておく(この理由については後述)。
【0033】
次に、ゲート電極3を覆うように、フォトリソグラフィ技術を用いてゲート絶縁膜6を形成する。
【0034】
次に、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5を覆うように、a−Si(アモルファスシリコン)層を形成し、その後、該a−Si層へのエキシマレーザアニール(以下、ELAと記す)照射により、a−Si層をp−Si(ポリシリコン)層7に変える。
【0035】
次に、図2(a)に示すように、p−Si層7に対し、絶縁性基板1面に対して斜め方向に所定の導電型の不純物10を打ち込み、ゲート電極3の片側(ここでは、図の紙面に向かって右側)の側面上のp−Si層7中の一部に、不純物が導入されないチャネル部8を形成する。ここでは、不純物10の打ち込みの方向が、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向成分を有する。また、図2(b)に示すように、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向を含む垂直断面において、不純物10の打ち込みの傾斜角θ(傾斜角θ=直角−入射角θi)を、ゲート電極3のテーパ角θtより小さく設定している。これにより、図2(a)に示すように、ゲート電極3自体に遮られ、不純物がドープされない領域9が、ゲート電極3を覆うようにして存在するp−Si層7の一部に残される。ここが、実際の動作時にチャネル部8となる。もしも、不純物10の打ち込みの傾斜角θが、電極3のテーパ角θtより大きく、つまり図2(c)に示すように、垂直に近く打ち込まれた場合、先に書いたようなゲート電極3に邪魔されて不純物がドープされない領域がp−Si層7中に形成されない。そのため、p−Si層7にほぼ一様に高濃度の不純物10がドープされるため、導電性が高くなってしまい、チャネルが形成されず、TFTとして動作することが不可能となってしまう。
【0036】
なお、原理的にはこの不純物10の打ち込みの傾斜角θは、ゲート電極3のテーパ角θtより小さければ、問題なく不純物がドープされない領域9が形成されるが、実際にTFTを作製する上では、不純物10の打ち込みの傾斜角θが0度に近い角度、すなわち、絶縁性基板1の平面に平行な方向に近い角度では、不純物がドープされない領域9の長さが長くなってしまい、現実の動作には適さないTFT構造になってしまう。そこで、実際には、不純物10の打ち込みの傾斜角θは、15度〜65度(入射角θi=25度〜75度)の間が好ましい。さらに言えば、不純物がドープされない領域9の長さは、不純物10の打ち込みの傾斜角θ以外に、ゲート電極3のテーパ角θtとゲート電極3の高さに依存している量なので、それらの値の変化により不純物10の打ち込みの傾斜角θの最適値が決定されるが、それでも傾斜角θは、ゲート電極3の平均テーパ角±15度の範囲でほぼ最適となる。
【0037】
一方、ドレイン電極5とのコンタクトに関しては、図2(a)に示すように不純物を打ち込むと、ドレイン電極5の左側面上のp−Si層7にはドープされるため、全く問題なくドレイン電極5とのコンタクトは取ることができる。
【0038】
しかるに、図1(a)、(b)に示すように、ソース電極4の右側面上のp−Si層7には、ゲート電極3の右側面上のp−Si層7と同様に、不純物がドープされない領域9が残ってしまう。ここではコンタクトが取れないが、前述のごとく、図1(a)に示すように、予めソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭く形成しておけば、図3の上面図に示すように、ソース電極4の上下(この上下は、図3における上下)側面上や、ソース電極4の上面上のp−Si層7には不純物は十分ドープされているので、結局コンタクトは取れ、図3の矢印(矢印は、キャリアもしくは電流の流れを示す。)に示すように、キャリアは流れ、TFTとしては全く問題なく動作する。
【0039】
なお、公知の技術なので、図示と詳細な説明は省略するが、p−Si層7上に、窒化シリコン膜等からなるパッシベーション膜を形成し、該パッシベーション膜にコンタクトホールをあけ、該パッシベーション膜の上に各電極の配線を形成する。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態1のTFTは、絶縁性基板1上に設けたソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5と、ゲート電極3の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜6と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に設けた半導体層であるp−Si層7と、ゲート電極3の片側(ここでは、右側)の側面上のp−Si層7中の一部に設けたチャネル部8とを有する。
【0041】
このような構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成することができるため、3つの電極形成を2工程に分けるプロセスで作製されたものより工程数が少なくなり、廉価にサイドチャネルTFTを作製することができる。さらに、TFTの製造工程が減る分、製品のスループットも上がるため、単価あたりの製造コストも相対的に低くなる効果が期待される。
【0042】
また、ソース電極4の幅SWが、ゲート電極3の幅GWより狭くなっている。この構成により、前述のごとくソース電極4のコンタクトが取れ、全く問題なく動作するTFTが実現できる。
【0043】
また、半導体層はp−Si層7である。これにより、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高いp−SiTFTを提供できる。その結果、液晶表示装置のような平面表示装置において、該TFTを画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することが可能であり、低コストで高性能な平面表示装置を実現することができる。
【0044】
また、本実施の形態1のTFTの製造方法は、絶縁性基板1上に、ソース電極4、ゲート電極3、ドレイン電極5を同時に形成する第1の工程と、ゲート電極3の上面および側面上に、ゲート絶縁膜6を形成する第2の工程と、ソース電極4、ゲート絶縁膜6、ドレイン電極5上に、半導体層であるp−Si層7を形成する第3の工程と、p−Si層7に対し、絶縁性基板1面に対して斜め方向に不純物を打ち込み、ゲート電極3の片側(例えば右側)の側面上のp−Si層7中の一部に、不純物が導入されないチャネル部8を形成する第4の工程とを有する。
【0045】
このような構成により、ソース、ドレイン、ゲートの3つの電極を同時に一括形成することができるため、従来より工程数が少なくなり、廉価にサイドチャネルTFTを作製することができる。さらに、TFTの製造工程が減る分、製品のスループットも上がるため、単価あたりの製造コストも相対的に低くなる効果が期待される。
【0046】
また、不純物10の打ち込みの方向が、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向成分を有する。これにより、不純物がドープされない領域9を形成することができ、ゲート電極3の片側の側面上のp−Si層7中の一部に、チャネル部8を形成することができる。
【0047】
また、ソース電極4からドレイン電極5へ向かう方向を含む垂直断面において、不純物10の打ち込みの傾斜角θが、ゲート電極3のテーパ角θtより小さい。これにより、不純物がドープされない領域9を形成することができ、ゲート電極3の片側の側面上のp−Si層7中の一部に、チャネル部8を形成することができる。
【0048】
また、第1の工程において、ソース電極4の幅SWを、ゲート電極3の幅GWより狭く形成する。これにより、ソース電極4のコンタクトが取れ、全く問題なく動作するTFTが作製できる。
【0049】
また、第3の工程が、a−Si層を形成する工程と、ELAによりa−Si層をp−Si層7にする工程を含む。これにより、a−Siを用いたTFTに比べ移動度が10〜100倍程度高いp−SiTFTを作製できる。
【0050】
また、絶縁性基板1上にマトリクス状に配置した画素および該画素のスイッチング素子と、絶縁性基板1上に一体的に設けた周辺駆動回路とを有する平面表示装置において、スイッチング素子および周辺駆動回路を、本実施の形態1のp−SiTFTを用いて構成すれば、該TFTを画素スイッチング素子として用いるだけでなく、周辺駆動回路を画素スイッチング素子と同一基板上に一体的に形成することが可能であり、低コストで高性能な平面表示装置を提供することができる。
【0051】
実施の形態2
図4(a)は、本発明の実施の形態2のTFTの概略平面図である。
【0052】
前記実施の形態1では、前述のように、ソース電極4の右側面上のp−Si層7には、不純物がドープされない領域9が残ってしまうので、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭くすることにより、図3の矢印に示すように、不純物が十分ドープされたソース電極4の上下側面上や上面上のp−Si層7を経由してキャリアが流れ、ソース電極4のコンタクトが取れ、TFTとして全く問題なく動作することを述べた。
【0053】
本実施の形態2は、この変形で、ソース電極4の幅SWをゲート電極3の幅GWより狭くする代わりに、図4(a)に示すように、ソース電極4の平面形状のゲート電極3側に凹凸を設けたことにより、不純物が十分ドープされた図4(a)のPを付した部分を経由してキャリアが矢印に示すごとく流れ、ソース電極4のコンタクトが取れ、TFTとしては全く問題なく動作する。その他の構成、作用、効果については前記実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
なお、図4(a)に示したソース電極4の平面形状のゲート電極3側に凹凸の形状は、一例であり、種々の形状のものが考えられ、ほぼゲート長方向に沿うソース電極4の側壁部分がゲート幅程度にあればよい。図4(b)にそのバリエーションの数例を示す。それぞれ図の右側がゲート電極3側である。
【0055】
以上本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低コストで高性能なTFTおよびその製造方法並びに平面表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1のTFTを上からみた構造概略図、(b)は(a)のA−A′切断断面構造概略図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態1において、p−Si層に対し、基板面に対して斜め方向に不純物を打ち込むことにより、p−Si層の一部に不純物ドープされない領域が残されることを説明する図、(b)は不純物の打ち込みの傾斜角θとゲート電極のテーパ角θtとの関係を示す図、(c)は基板面に垂直に近い角度で打ち込むと、p−Si層の一部に不純物がドープされない領域が残らないことを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1中における、TFTを上から見たソース電極からの電流のパスの様子を示す図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態2のTFTを上からみた構造概略図、(b)は凹凸のバリエーションを示す図である。
【図5】従来構造のTFTの概略断面図である。
【符号の説明】
1…絶縁性基板、2…下部絶縁膜、3…ゲート電極、4…ソース電極、5…ドレイン電極、6…ゲート絶縁膜、7…p−Si層、8…チャネル部、9…不純物がドープされない領域、10…不純物、θ…不純物の打ち込みの傾斜角、θi…不純物の打ち込みの入射角、θt…ゲート電極のテーパ角、
51…絶縁性基板、52…下部絶縁膜、53…ゲート電極、54…ソース電極、55…ドレイン電極、56…ゲート絶縁膜、57…p−Si層、59…絶縁膜。
Claims (10)
- 絶縁性基板上に設けたソース電極、ゲート電極、ドレイン電極と、
前記ゲート電極の上面および側面上に設けたゲート絶縁膜と、
前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に設けた半導体層と、
前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に設けたチャネル部とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記ソース電極の幅が、前記ゲート電極の幅より狭いことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
- 前記ソース電極の平面形状の前記ゲート電極側に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
- 前記半導体層がポリシリコン層であることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
- 絶縁性基板上に、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を同時に形成する第1の工程と、
前記ゲート電極の上面および側面上に、ゲート絶縁膜を形成する第2の工程と、
前記ソース電極、前記ゲート絶縁膜、前記ドレイン電極上に、半導体層を形成する第3の工程と、
前記半導体層に対し、前記基板面に対して斜め方向に不純物を打ち込み、前記ゲート電極の片側の側面上の前記半導体層中の一部に、前記不純物が導入されないチャネル部を形成する第4の工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記不純物の打ち込みの方向が、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向成分を有することを特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向を含む垂直断面において、前記不純物の打ち込みの傾斜角が、前記ゲート電極のテーパ角より小さいことを特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記第1の工程において、前記ソース電極の幅を、前記ゲート電極の幅より狭く形成することを特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記第3の工程が、アモルファスシリコン層を形成する工程と、エキシマレーザアニールにより前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層にする工程を含むことを特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記絶縁性基板上にマトリクス状に配置した画素および該画素のスイッチング素子と、前記絶縁性基板上に一体的に設けた周辺駆動回路とを有する平面表示装置において、
前記スイッチング素子および前記周辺駆動回路を、請求項1乃至4のいずれか記載の薄膜トランジスタを用いて構成したことを特徴とする平面表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2002174232A JP2004022727A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法並びに平面表示装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8604469B2 (en) | 2008-06-05 | 2013-12-10 | Samsung Display Co., Ltd. | Thin film transistor array panel |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174232A patent/JP2004022727A/ja active Pending
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US8604469B2 (en) | 2008-06-05 | 2013-12-10 | Samsung Display Co., Ltd. | Thin film transistor array panel |
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