JP2004022464A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムにおけるアイドルストップ制御を最適化する。
【解決手段】補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムのアイドルストップ制御をするに際して、駆動力要求が無く(ステップS1)、燃料電池スタックがアイドルストップ状態でないときには(ステップS3)、燃料電池温度を記憶した後に(ステップS5)、アイドルストップ状態にする(ステップS7)。そして、アイドルストップ状態にした後に、再度燃料電池温度を読み込み(ステップS6)、アイドルストップ状態にしたことによる燃料電池温度の低下幅を演算し(ステップS8)、温度低下幅が所定値以上となった場合には燃料電池スタック1を再起動させる(ステップS9,ステップS4)。これにより、燃料電池スタック内の凝縮水の増加を停止する。
【選択図】 図3
【解決手段】補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムのアイドルストップ制御をするに際して、駆動力要求が無く(ステップS1)、燃料電池スタックがアイドルストップ状態でないときには(ステップS3)、燃料電池温度を記憶した後に(ステップS5)、アイドルストップ状態にする(ステップS7)。そして、アイドルストップ状態にした後に、再度燃料電池温度を読み込み(ステップS6)、アイドルストップ状態にしたことによる燃料電池温度の低下幅を演算し(ステップS8)、温度低下幅が所定値以上となった場合には燃料電池スタック1を再起動させる(ステップS9,ステップS4)。これにより、燃料電池スタック内の凝縮水の増加を停止する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、燃料電池スタックにて発電した電力により駆動モータを駆動させて走行する燃料電池車両等に搭載される燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、燃料電池システムを電源とし、モータを駆動源とする燃料電池システムとしては、特開2001−307758号公報に開示された技術が知られている。
【0003】
この燃料電池車両では、モータや補機に要求される負荷が低い時であって二次電池に蓄積した電力にて車両駆動できるときには、燃料電池スタックの運転作動及びこの燃料電池スタックを発電させるための補機類の動作を停止させ、要求される負荷が再度高くなったら自動的に運転を再開するアイドルストップ制御を行って燃費向上を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の燃料電池車両では、低負荷時に燃料電池システムの運転を停止した場合、燃料電池スタックの温度が低下するため、燃料電池スタック内部に存在するガス温度も低下し、燃料電池スタック内の水蒸気が凝縮することになる。このように燃料電池スタック内にて水蒸気が凝縮して凝縮水が蓄積し、凝縮水量が多くなりすぎると燃料電池スタックの電極が過度に濡れ、水素や酸素の拡散が阻害されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池システムにおけるアイドルストップ制御を最適化する燃料電池システムの制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムの制御装置であって、補機の動作を停止させて燃料電池スタックの発電を停止させ、燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に、燃料電池スタック内の凝縮水量が第1所定値を超えたと判定した場合に、燃料電池スタックを再起動させることにより、燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に燃料電池スタック内の凝縮水量の更なる増加を停止することで、上述の課題を解決する。ここで、第1所定値とは、燃料電池スタックの起動などに影響を及ぼすような凝縮水量であって、予め設定されている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、アイドルストップ状態としたことにより、燃料電池スタック内部の凝縮水量が第1所定量を超える場合には、要求負荷が低負荷のままでも自動的に再起動させる構成としたので、再起動時の凝縮水の影響を最小限に抑制したアイドスルトップ制御が可能となり、アイドルストップ制御を最適化することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0010】
[第1実施形態]
[第1実施形態に係る燃料電池システムの構成]
第1実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように構成され、例えば、燃料電池スタック1を駆動源とした燃料電池車両に搭載される。燃料電池スタック1は、水素ガス等の燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電力を直接取り出すものである。
【0011】
燃料電池システムは、圧縮水素ボンベ、液体水素タンク、水素吸蔵合金などからなる水素貯蔵装置を備え、そこから供給される水素と酸素を含む大気を燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池スタック1から電力を取り出して駆動輪につながるモータを駆動する。
【0012】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、燃料電池システム制御装置2により、車両運転者の運転操作に応じてモータに要求される駆動力を決定し、この駆動力に応じて燃料電池スタック1の発電量を決定する。燃料電池システム制御装置2では、アクセル操作や車速等によってモータに要求される駆動力を時々刻々演算するので、燃料電池スタック1の発電量もそれに応じて変化させる。このとき、燃料電池システム制御装置2は、燃料ガスと酸化ガスとを反応させて電力を取り出すときに、燃料電池スタック1へのガス供給量を発電量にしたがって変化させる。
【0013】
このような燃料電池システムでは、燃料電池システム制御装置2により後述の補機を制御することにより、空気極1a及び水素極1bからなる燃料電池スタック1に空気及び水素を供給することで発電させる。
【0014】
空気は、大気からコンプレッサ3にて加圧され、空気加湿器4にて純水で加湿された後、燃料電池スタック1の空気極1aに供給される。そして、燃料電池スタック1で使用されずに通過した空気は、空気調整弁5を介して大気へ排出される。
【0015】
このとき、燃料電池システム制御装置2では、コンプレッサ3に接続されたコンプレッサモータ6を駆動すると共に、図示しない水ポンプを駆動して、空気加湿器4に純水を供給する制御をする。また、燃料電池システム制御装置2は、空気調整弁5の開度を調整するように図示しないアクチュエータの動作を制御すると共に、コンプレッサモータ6の回転数を制御することで、空気極1aに供給する空気流量及び空気圧力を制御する。
【0016】
更に、燃料電池システム制御装置2は、コンプレッサモータ6の回転数を検出する回転センサ7からのセンサ信号を入力し、コンプレッサモータ6が目標の回転数となるように制御する。また、燃料電池システム制御装置2は、空気加湿器4と燃料電池スタック1とを接続する空気挿通管に設けられた空気圧力センサ8からのセンサ信号を入力し、燃料電池スタック1の空気極1aでの空気圧力を目標圧力とするように空気調整弁5の開度を制御する。
【0017】
水素は、高圧水素ボンベ9から水素調圧弁10、エゼクタポンプ11を経由して、水素加湿器12にて純水で加湿された後、燃料電池スタック1の水素極1bに供給される。そして、燃料電池スタック1で使用されずに通過した水素は、エゼクタポンプ11によって燃料電池スタック1の水素極1bに循環される。
【0018】
また、燃料電池スタック1の水素排出側には、水素パージ弁13が設けられている。この水素パージ弁13は、燃料電池スタック1の状態に応じて燃料電池システム制御装置2により開閉制御され、燃料電池スタック1内部の水つまりや、空気極1aから水素極1bへの空気のリークによる出力低下及び効率低下を防止するために使用される。
【0019】
燃料電池システム制御装置2では、水素加湿器12と燃料電池スタック1とを接続する水素挿通管に設けられた水素圧力センサ14からのセンサ信号を入力し、水素極1bでの水素圧力を目標圧力とするように、水素調圧弁10の開度を制御する。
【0020】
また、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の温度を測定する燃料電池温度センサ15を備える。なお、本例では、図示しない冷却水系の温度を測定することで実質的に燃料電池スタック1温度を測定しているが、直接燃料電池スタック1に温度計を設けて測定しても良い。
【0021】
更に、この燃料電池システムでは、外気温センサ16にて外気温を測定し、ガス温度センサ17にて燃料電池スタック1に供給する空気温度を測定する。なお、本例では、空気極1aの温度を測定しているが、水素極1bにも同様に設定してもよい。
【0022】
「燃料電池システムによるアイドルストップ制御処理」
上述の燃料電池システムでは、燃料電池システム制御装置2に入力される外部からの要求負荷に応じて、燃料電池スタック1の動作を一旦停止させるために補機動作を停止させるアイドルストップ制御を実行する。
【0023】
図2に、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときの燃料電池温度の低下幅[℃]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。ここで、燃料電池温度の低下幅は、燃料電池スタック1の動作停止からの経過時間に比例する。
【0024】
燃料電池スタック1は、アイドルストップ時間(停止してからの時間)の増加に伴い、燃料電池スタック1の温度低下幅が大きくなり、その低下幅が大きくなるほど、内部の凝縮水量が増加する。そこで、予め計算或いは実験などで、アイドルストップ状態から再起動をさせる際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量Wと、この量が凝縮する燃料電池温度低下幅ΔTを求めておく。このように決定した凝縮水量W及び燃料電池温度低下幅ΔT1を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図3に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0025】
燃料電池システム制御装置2は、燃料電池システムが起動するとステップS1に処理を進めて、外部から駆動モータの駆動力要求(要求負荷)を入力したか否かの判定をし、駆動力要求を入力したときにはステップS2に処理を進め、入力していないときにはステップS3に処理を進める。
【0026】
ステップS2においては、燃料電池システム制御装置2により、現在、燃料電池スタック1がアイドルストップ状態か否かを判定し、アイドルストップ状態であると判定したときにはステップS4に処理を進め、アイドルステップ状態でないときには処理をステップS1に戻して、入力した駆動力要求に応じて補機を制御して燃料電池スタック1を発電させる。
【0027】
ステップS4においては、燃料電池システム制御装置2により、補機を駆動して燃料電池スタック1を再起動させることにより、ステップS1にて入力した駆動力要求に応じた電力を燃料電池スタック1に発電させてステップS1に処理を戻す。
【0028】
ステップS1で駆動力要求を入力していない場合のステップS3においては、燃料電池スタック1がアイドルストップ状態か否かを判定し、アイドルストップ状態でないときにはステップS5に処理を進め、アイドルストップ状態であるときにはステップS6に処理を進める。
【0029】
ステップS5においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からセンサ信号を読み込んで記憶しておき、ステップS7に処理を進め、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態、すなわち燃料電池システムの停止を行ってステップS1に処理を戻す。このステップS7において、燃料電池システム制御装置2は、単に燃料電池スタック1の発電を停止させるだけでなく、コンプレッサモータ6等の可能な限りの補機を含めて停止させる。
【0030】
ステップS6においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からのセンサ信号を読み込んで記憶しておき、ステップS8に処理を進め、記憶した燃料電池温度と、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にしたときの燃料電池温度とから、燃料電池温度低下幅ΔTを演算する。すなわち、燃料電池システム制御装置2では、アイドルストップ状態にする直前にステップS5にて記憶した燃料電池温度と、ステップS6にて記憶した燃料電池温度との燃料電池温度低下幅ΔTを演算する。
【0031】
次のステップS9においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS8にて演算した燃料電池温度低下幅ΔTと、燃料電池スタック1の起動時間に大きな影響を及ぼす凝縮水量Wとなる燃料電池温度低下幅ΔT1(図2参照)とを比較し、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上でないと判定したときにはステップS1に処理を戻す。
【0032】
一方、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上であるときには、ステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。すなわち、燃料電池システム制御装置2は、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上となった場合には、駆動力要求を入力していないときであっても燃料電池スタック1を再起動させる。ここで、燃料電池システム制御装置2は、予め燃料電池温度低下幅ΔT1を所定値として保持しており、例えば20℃程度に設定する。
【0033】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、図2に示したように凝縮水量Wに対する燃料電池温度低下幅ΔTを推定しておき、燃料電池スタック1内部の凝縮水の推定量が所定量を超えたときには、アイドルストップ状態を中止して再起動させる構成としたので、凝縮水の増加により起動時間等に大きな影響を及ぼす状態となる前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことができる。
【0034】
すなわち、燃料電池スタック1の再起動時に燃料電池スタック1内部に凝縮水が蓄積された状態では、燃料電池スタック1の発電効率が低下し、燃料電池スタック1の劣化につながることもあるが、この燃料電池システムによれば、凝縮水量が多くなる前に再起動するので発電効率の低下、劣化を抑制できる。
【0035】
また、再起動時に燃料電池スタック1内に凝縮水が多量にある状態では、燃料電池スタック1へのガス供給量を増加させて燃料電池スタック1内部の凝縮水を外部に排出することも必要になり再起動に必要な時間が長くなる問題や、コンプレッサ3の作動音やガス排出音等の問題が発生することになるが、この燃料電池システムによれば、凝縮水量が多くなる前に再起動するので、燃料電池スタック1へのガス供給量を増加させる必要性も低下し、再起動のための時間短くすることができ、更に、コンプレッサ3の作動音やガス排出音を抑制できる。すなわち、燃料電池システムによれば、再起動時の凝縮水の影響を最小限に抑制したアイドルストップ制御が可能となる。
【0036】
更に、燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の停止直前からの燃料電池温度の低下により燃料電池スタック1内部の凝縮水量を推定するので、精度の良い推定ができ、アイドルストップ状態の中止(再起動)を必要最小限にすることができる。
【0037】
なお、この燃料電池システムでは、再起動後に駆動力要求を入力するまでアイドルストップを禁止するようにしても良い。
【0038】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、第1実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0039】
図4に、外気温に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0040】
燃料電池システムでは、アイドルストップ時間の増加に伴い燃料電池スタック1の温度が低下するため、燃料電池スタック1内の凝縮水量が増加する。また、外気温が低いほど燃料電池スタック1の温度低下の速度が速いため、凝縮水量も多くなる。
【0041】
したがって、アイドルストップからの再起動の際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW0とすると、凝縮水量W0となるアイドルストップ時間は、外気温の違いによってそれぞれT1、T2、T3となる。すなわち、図4に示すように、外気温が低い程、アイドル停止時間に対する凝縮水量の増加が急峻となり、外気温が低いほど凝縮水量W0に達するまでの時間が短くなる。第2実施形態に係る燃料電池システムでは、図4の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W0及びアイドルストップ停止時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図5に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0042】
第2実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS11に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS12に処理を進める。
【0043】
ステップS11においては、燃料電池システム制御装置2により、外気温センサ16からセンサ信号を読み込んでステップS13に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図4に示した外気温に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0044】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS13にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0045】
ステップS12においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS13にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0046】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、図4に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W0となるまでの時間が外気温に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、外気温が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0047】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第3実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0048】
図6に、燃料電池スタック1の温度に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0049】
燃料電池システムでは、アイドルストップ時間の増加に伴い燃料電池スタック1の温度が低下し、燃料電池スタック1内の凝縮水量が増加する。また、アイドルストップ開始時の温度が高いと燃料電池温度の低下の速度が速く、更に、アイドルストップ開始時の燃料電池スタック1の温度が高いと燃料電池スタック1内の飽和水蒸気量が多いため、凝縮水量も多くなる。
【0050】
図6において、アイドルストップ状態を停止して再起動する際に起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW1とすると、この量が凝縮するアイドルストップ時間は、アイドルストップ開始時の燃料電池温度の違いによってそれぞれT4、T5、T6となる。つまり、燃料電池温度が高いほど凝縮水量W1となるまでの時間が短くなる。
【0051】
第3実施形態に係る燃料電池システムでは、図6の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W1及びアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図7に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0052】
第3実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS21に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS22に処理を進める。
【0053】
ステップS21においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からセンサ信号を読み込んでステップS23に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図6に示した燃料電池温度に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0054】
ここで、ステップS21では、燃料電池スタック1の冷却水系の温度を測定する温度センサにより検出した温度を燃料電池スタック1の温度としても良い。また、ステップS21では、アイドルストップ状態にする直前の燃料電池温度或いは燃料電池冷却水温度を測定することになる。これは、アイドルストップ中は、水ポンプの動作を停止するために燃料電池冷却水の循環も停止するので、冷却水温度が燃料電池温度を正確に反映できなくなることによる。
【0055】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS23にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0056】
ステップS22においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS23にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0057】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3実施形態に係る燃料電池システムによれば、図6に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W1に達するまでの時間が燃料電池温度に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、燃料電池温度が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0058】
また、この燃料電池システムによれば、アイドルストップ状態とする直前に燃料電池温度を検出してアイドルストップ解除時間を演算するので、燃料電池温度を検出するのに冷却水温度を検出する構成とした場合であっても、アイドルストップ状態にするときに水ポンプを停止したことによる燃料電池温度の精度低下を防止し、正確にアイドルストップ解除時間を演算することができる。したがって、この燃料電池システムでは、アイドルストップ状態となる直前の燃料電池温度を冷却水温度から求めることができ、直接燃料電池温度を測定する温度センサを使用する必要なく、低コストとすることができる。
【0059】
[第4実施形態]
つぎに、第4実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第4実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0060】
図8に、燃料電池スタック1に供給するガス温度に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0061】
図8では、アイドルストップ時の燃料電池スタック1への供給ガス温度が高いほど燃料電池スタック1内のガス温度低下の速度が速く、更に、供給ガス温度が高いと燃料電池スタック1内の飽和水蒸気量が多いために凝縮水量も多くなる。例えば、アイドルストップ状態から再起動する際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW2とすると、この量が凝縮するアイドルストップ時間は、供給ガス温度の違いによってそれぞれT7、T8、T9となる。つまり、供給ガス温度が高いほど凝縮水量W2となるまでの時間が短くなる。
【0062】
第4実施形態に係る燃料電池システムでは、図8の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W2及びアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図9に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0063】
第4実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS31に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS32に処理を進める。
【0064】
ステップS31においては、燃料電池システム制御装置2により、ガス温度センサ17からセンサ信号を読み込んでステップS33に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図8に示した供給ガス温度に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0065】
また、ステップS31では、アイドルストップ直前の供給ガス温度を測定することになる。これは、アイドルストップ中は、コンプレッサ3の動作を停止するために供給ガスの供給も停止するので、アイドルストップ開始時の供給ガス温度を正確に反映できなくなることによる。
【0066】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS33にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0067】
ステップS32においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS33にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0068】
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第4実施形態に係る燃料電池システムによれば、図8に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W2に達するまでの時間が供給ガス温度に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、供給ガス温度が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0069】
[第5実施形態]
つぎに、第5実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第5実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0070】
図10に、燃料電池温度及び外気温に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示している。図10によれば、燃料電池温度が高くなるほどアイドルストップ解除時間が短くなると共に、外気温が低くなるほどアイドルストップ解除時間が長くなる。これは、燃料電池スタック1の起動時間等に影響を及ぼす凝縮水量に達する時間が燃料電池温度及び外気温に相関を有することによる。
【0071】
第5実施形態に係る燃料電池システムでは、図10の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定したアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図11に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0072】
第5実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS11及びステップS12において、アイドルストップ状態にする直前での外気温及び燃料電池温度を取得して、ステップS41に処理を進める。
【0073】
ステップS41においては、燃料電池システム制御装置2により、外気温及び燃料電池温度に応じたアイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図10に示した特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0074】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS41にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0075】
ステップS42においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS41にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0076】
[第5実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第5実施形態に係る燃料電池システムによれば、図10に示したようにアイドルストップ解除時間が燃料電池温度及び外気温に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0077】
[第6実施形態]
つぎに、第6実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第6実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0078】
図12に、燃料電池スタック1の発電量[kW]に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示している。図12によれば、燃料電池スタック1の発電量が高くなるほどアイドルストップ解除時間が短くなる。これは、燃料電池スタック1の発電により燃料電池スタック1内で純水が生成され、燃料電池スタック1の発電量が多いほど純水生成量(凝縮水量W)も多くなり、再起動時での水詰まりの可能性が高くなることによる。
【0079】
第6実施形態に係る燃料電池システムでは、図12の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定したアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図13に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0080】
第6実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS4にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS51において、アイドルストップ状態にする直前での燃料電池スタック1の発電量を取得して、ステップS53に処理を進める。
【0081】
ここで、燃料電池システム制御装置2では、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前における燃料電池スタック1の発電量を、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値として取得する。
【0082】
ステップS53においては、燃料電池システム制御装置2により、発電量に応じたアイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図12に示した特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0083】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS53にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0084】
ステップS52においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS53にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0085】
[第6実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第6実施形態に係る燃料電池システムによれば、図12に示したようにアイドルストップ解除時間が発電量に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0086】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の発電量を、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値として取得するので、燃料電池スタック1の発電量に対するアイドルストップ解除時間を正確に推定することができ、燃料電池スタック1内の起動時間等に影響を及ぼす凝縮水量に達する前に確実に燃料電池スタック1を再起動させることができる。
【0087】
[第7実施形態]
つぎに、第7実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第7実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0088】
第7実施形態において、燃料電池システム制御装置2は、上述の第1実施形態〜第6実施形態にて推定される凝縮水量(第1所定値)に達するアイドルストップ解除時間が最も短い時間を予め実験等で求めておき、その時間を第1所定時間としてアイドルストップ時間がこれを超える場合に燃料電池スタック1を再起動させる。
【0089】
また、燃料電池システム制御装置2は、燃料電池スタック1を再起動した後、凝縮水量が燃料電池スタック1の再起動に問題とならない凝縮水量以下に低下したと判定し、且つ要求負荷が低負荷の状態の場合に再度アイドルストップ状態にする。
【0090】
ここで、凝縮水増加の場合と同様に凝縮水低下の要因も様々であるが、燃料電池スタック1の再起動からの経過時間の増加に伴い凝縮水量が低下する。そこで、燃料電池システム制御装置2は、想定される燃料電池スタック1の再起動後に、凝縮水量が問題となる量(第2所定値)以下に低下するまでの最長時間を予め実験等で求めておき、その時間を第2所定時間とし、再起動からの経過時間が第2所定時間を超えた際には再度アイドスルトップ状態とする。
【0091】
このような処理を行う燃料電池システム制御装置2によるアイドルストップ制御処理の処理手順を図14を参照して説明する。
【0092】
第7実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS61に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS62に処理を進める。
【0093】
ステップS61では、アイドルストップ解除時間経過に伴う再起動であることを示すフラグFが1であるか否かを判定し、フラグFが1でない場合にはアイドルストップ解除時間経過による再起動ではないと判定してステップS7に処理を進め、フラグFが1である場合にはアイドルストップ解除時間経過による再起動であると判定してステップS63に処理を進める。
【0094】
ステップS63においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池スタック1の再起動に際して計測開始した時間が第2所定時間(再停止許可時間)を超えているか否かを判定することで、燃料電池スタック1内の凝縮水量が第2所定値以下となったか否かを判定する。燃料電池システム制御装置2により第2所定時間を経過していると判定した場合にはステップS64に処理を進め、フラグFを0に設定変更してステップS7に処理を進めて燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にし、ステップS14にてアイドルストップ状態とした時間の計測を開始してステップS1に処理を戻す。一方、燃料電池システム制御装置2により第2所定時間を経過していないと判定した場合には再度ステップS1に処理を戻して燃料電池スタック1の起動を継続する。
【0095】
ステップS3においてアイドルストップ状態であると判定した後のステップS62においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS12と同様に、ステップS14にて計測開始した時間が第1所定時間(アイドルストップ解除時間)を経過しているか否かを判定することで、燃料電池スタック1内の凝縮水量が第1所定値に達したか否かを判定する。燃料電池システム制御装置2により、第1所定時間を経過していると判定した場合には、ステップS65に処理を進め、フラグFを1に設定してステップS66に処理を進める。
【0096】
ステップS66においては、燃料電池システム制御装置2により、上述のステップS63にて再度燃料電池スタック1を再起動後に再度アイドルストップ状態にするための時間の計測を開始して、ステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動させる。これにより、ステップS63では、ステップS66にて計測開始した時間と第2所定時間とを比較して、再起動後に再度燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする。
【0097】
[第7実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第7実施形態に係る燃料電池システムによれば、第1実施形態〜第6実施形態での処理を行ってアイドルストップ状態を解除して再起動させたときでも、再起動後に燃料電池スタック1内の凝縮水量が低下したことに応じて再度アイドルストップ状態にすることができ、第1実施形態〜第6実施形態の効果に加えて、燃費の向上を図ることができる。
【0098】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態において、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときの燃料電池温度の低下幅[℃]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態において、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態において、燃料電池スタックの温度に応じた、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図7】本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】燃料電池スタックに供給するガス温度に応じた、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図9】本発明を適用した第4実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第5実施形態において、燃料電池温度及び外気温に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示す図である。
【図11】本発明を適用した第5実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第6実施形態において、燃料電池スタックの発電量[kW]に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示す図である。
【図13】本発明を適用した第6実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明を適用した第7実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料電池システム制御装置
3 コンプレッサ
4 空気加湿器
5 空気調整弁
6 コンプレッサモータ
7 回転センサ
8 空気圧力センサ
9 高圧水素ボンベ
10 水素調圧弁
11 エゼクタポンプ
12 水素加湿器
13 水素パージ弁
14 水素圧力センサ
15 燃料電池温度センサ
16 外気温センサ
17 ガス温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、燃料電池スタックにて発電した電力により駆動モータを駆動させて走行する燃料電池車両等に搭載される燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、燃料電池システムを電源とし、モータを駆動源とする燃料電池システムとしては、特開2001−307758号公報に開示された技術が知られている。
【0003】
この燃料電池車両では、モータや補機に要求される負荷が低い時であって二次電池に蓄積した電力にて車両駆動できるときには、燃料電池スタックの運転作動及びこの燃料電池スタックを発電させるための補機類の動作を停止させ、要求される負荷が再度高くなったら自動的に運転を再開するアイドルストップ制御を行って燃費向上を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の燃料電池車両では、低負荷時に燃料電池システムの運転を停止した場合、燃料電池スタックの温度が低下するため、燃料電池スタック内部に存在するガス温度も低下し、燃料電池スタック内の水蒸気が凝縮することになる。このように燃料電池スタック内にて水蒸気が凝縮して凝縮水が蓄積し、凝縮水量が多くなりすぎると燃料電池スタックの電極が過度に濡れ、水素や酸素の拡散が阻害されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池システムにおけるアイドルストップ制御を最適化する燃料電池システムの制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムの制御装置であって、補機の動作を停止させて燃料電池スタックの発電を停止させ、燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に、燃料電池スタック内の凝縮水量が第1所定値を超えたと判定した場合に、燃料電池スタックを再起動させることにより、燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に燃料電池スタック内の凝縮水量の更なる増加を停止することで、上述の課題を解決する。ここで、第1所定値とは、燃料電池スタックの起動などに影響を及ぼすような凝縮水量であって、予め設定されている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、アイドルストップ状態としたことにより、燃料電池スタック内部の凝縮水量が第1所定量を超える場合には、要求負荷が低負荷のままでも自動的に再起動させる構成としたので、再起動時の凝縮水の影響を最小限に抑制したアイドスルトップ制御が可能となり、アイドルストップ制御を最適化することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0010】
[第1実施形態]
[第1実施形態に係る燃料電池システムの構成]
第1実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように構成され、例えば、燃料電池スタック1を駆動源とした燃料電池車両に搭載される。燃料電池スタック1は、水素ガス等の燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電力を直接取り出すものである。
【0011】
燃料電池システムは、圧縮水素ボンベ、液体水素タンク、水素吸蔵合金などからなる水素貯蔵装置を備え、そこから供給される水素と酸素を含む大気を燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池スタック1から電力を取り出して駆動輪につながるモータを駆動する。
【0012】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、燃料電池システム制御装置2により、車両運転者の運転操作に応じてモータに要求される駆動力を決定し、この駆動力に応じて燃料電池スタック1の発電量を決定する。燃料電池システム制御装置2では、アクセル操作や車速等によってモータに要求される駆動力を時々刻々演算するので、燃料電池スタック1の発電量もそれに応じて変化させる。このとき、燃料電池システム制御装置2は、燃料ガスと酸化ガスとを反応させて電力を取り出すときに、燃料電池スタック1へのガス供給量を発電量にしたがって変化させる。
【0013】
このような燃料電池システムでは、燃料電池システム制御装置2により後述の補機を制御することにより、空気極1a及び水素極1bからなる燃料電池スタック1に空気及び水素を供給することで発電させる。
【0014】
空気は、大気からコンプレッサ3にて加圧され、空気加湿器4にて純水で加湿された後、燃料電池スタック1の空気極1aに供給される。そして、燃料電池スタック1で使用されずに通過した空気は、空気調整弁5を介して大気へ排出される。
【0015】
このとき、燃料電池システム制御装置2では、コンプレッサ3に接続されたコンプレッサモータ6を駆動すると共に、図示しない水ポンプを駆動して、空気加湿器4に純水を供給する制御をする。また、燃料電池システム制御装置2は、空気調整弁5の開度を調整するように図示しないアクチュエータの動作を制御すると共に、コンプレッサモータ6の回転数を制御することで、空気極1aに供給する空気流量及び空気圧力を制御する。
【0016】
更に、燃料電池システム制御装置2は、コンプレッサモータ6の回転数を検出する回転センサ7からのセンサ信号を入力し、コンプレッサモータ6が目標の回転数となるように制御する。また、燃料電池システム制御装置2は、空気加湿器4と燃料電池スタック1とを接続する空気挿通管に設けられた空気圧力センサ8からのセンサ信号を入力し、燃料電池スタック1の空気極1aでの空気圧力を目標圧力とするように空気調整弁5の開度を制御する。
【0017】
水素は、高圧水素ボンベ9から水素調圧弁10、エゼクタポンプ11を経由して、水素加湿器12にて純水で加湿された後、燃料電池スタック1の水素極1bに供給される。そして、燃料電池スタック1で使用されずに通過した水素は、エゼクタポンプ11によって燃料電池スタック1の水素極1bに循環される。
【0018】
また、燃料電池スタック1の水素排出側には、水素パージ弁13が設けられている。この水素パージ弁13は、燃料電池スタック1の状態に応じて燃料電池システム制御装置2により開閉制御され、燃料電池スタック1内部の水つまりや、空気極1aから水素極1bへの空気のリークによる出力低下及び効率低下を防止するために使用される。
【0019】
燃料電池システム制御装置2では、水素加湿器12と燃料電池スタック1とを接続する水素挿通管に設けられた水素圧力センサ14からのセンサ信号を入力し、水素極1bでの水素圧力を目標圧力とするように、水素調圧弁10の開度を制御する。
【0020】
また、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の温度を測定する燃料電池温度センサ15を備える。なお、本例では、図示しない冷却水系の温度を測定することで実質的に燃料電池スタック1温度を測定しているが、直接燃料電池スタック1に温度計を設けて測定しても良い。
【0021】
更に、この燃料電池システムでは、外気温センサ16にて外気温を測定し、ガス温度センサ17にて燃料電池スタック1に供給する空気温度を測定する。なお、本例では、空気極1aの温度を測定しているが、水素極1bにも同様に設定してもよい。
【0022】
「燃料電池システムによるアイドルストップ制御処理」
上述の燃料電池システムでは、燃料電池システム制御装置2に入力される外部からの要求負荷に応じて、燃料電池スタック1の動作を一旦停止させるために補機動作を停止させるアイドルストップ制御を実行する。
【0023】
図2に、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときの燃料電池温度の低下幅[℃]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。ここで、燃料電池温度の低下幅は、燃料電池スタック1の動作停止からの経過時間に比例する。
【0024】
燃料電池スタック1は、アイドルストップ時間(停止してからの時間)の増加に伴い、燃料電池スタック1の温度低下幅が大きくなり、その低下幅が大きくなるほど、内部の凝縮水量が増加する。そこで、予め計算或いは実験などで、アイドルストップ状態から再起動をさせる際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量Wと、この量が凝縮する燃料電池温度低下幅ΔTを求めておく。このように決定した凝縮水量W及び燃料電池温度低下幅ΔT1を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図3に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0025】
燃料電池システム制御装置2は、燃料電池システムが起動するとステップS1に処理を進めて、外部から駆動モータの駆動力要求(要求負荷)を入力したか否かの判定をし、駆動力要求を入力したときにはステップS2に処理を進め、入力していないときにはステップS3に処理を進める。
【0026】
ステップS2においては、燃料電池システム制御装置2により、現在、燃料電池スタック1がアイドルストップ状態か否かを判定し、アイドルストップ状態であると判定したときにはステップS4に処理を進め、アイドルステップ状態でないときには処理をステップS1に戻して、入力した駆動力要求に応じて補機を制御して燃料電池スタック1を発電させる。
【0027】
ステップS4においては、燃料電池システム制御装置2により、補機を駆動して燃料電池スタック1を再起動させることにより、ステップS1にて入力した駆動力要求に応じた電力を燃料電池スタック1に発電させてステップS1に処理を戻す。
【0028】
ステップS1で駆動力要求を入力していない場合のステップS3においては、燃料電池スタック1がアイドルストップ状態か否かを判定し、アイドルストップ状態でないときにはステップS5に処理を進め、アイドルストップ状態であるときにはステップS6に処理を進める。
【0029】
ステップS5においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からセンサ信号を読み込んで記憶しておき、ステップS7に処理を進め、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態、すなわち燃料電池システムの停止を行ってステップS1に処理を戻す。このステップS7において、燃料電池システム制御装置2は、単に燃料電池スタック1の発電を停止させるだけでなく、コンプレッサモータ6等の可能な限りの補機を含めて停止させる。
【0030】
ステップS6においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からのセンサ信号を読み込んで記憶しておき、ステップS8に処理を進め、記憶した燃料電池温度と、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にしたときの燃料電池温度とから、燃料電池温度低下幅ΔTを演算する。すなわち、燃料電池システム制御装置2では、アイドルストップ状態にする直前にステップS5にて記憶した燃料電池温度と、ステップS6にて記憶した燃料電池温度との燃料電池温度低下幅ΔTを演算する。
【0031】
次のステップS9においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS8にて演算した燃料電池温度低下幅ΔTと、燃料電池スタック1の起動時間に大きな影響を及ぼす凝縮水量Wとなる燃料電池温度低下幅ΔT1(図2参照)とを比較し、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上でないと判定したときにはステップS1に処理を戻す。
【0032】
一方、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上であるときには、ステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。すなわち、燃料電池システム制御装置2は、燃料電池温度低下幅ΔTが燃料電池温度低下幅ΔT1以上となった場合には、駆動力要求を入力していないときであっても燃料電池スタック1を再起動させる。ここで、燃料電池システム制御装置2は、予め燃料電池温度低下幅ΔT1を所定値として保持しており、例えば20℃程度に設定する。
【0033】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、図2に示したように凝縮水量Wに対する燃料電池温度低下幅ΔTを推定しておき、燃料電池スタック1内部の凝縮水の推定量が所定量を超えたときには、アイドルストップ状態を中止して再起動させる構成としたので、凝縮水の増加により起動時間等に大きな影響を及ぼす状態となる前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことができる。
【0034】
すなわち、燃料電池スタック1の再起動時に燃料電池スタック1内部に凝縮水が蓄積された状態では、燃料電池スタック1の発電効率が低下し、燃料電池スタック1の劣化につながることもあるが、この燃料電池システムによれば、凝縮水量が多くなる前に再起動するので発電効率の低下、劣化を抑制できる。
【0035】
また、再起動時に燃料電池スタック1内に凝縮水が多量にある状態では、燃料電池スタック1へのガス供給量を増加させて燃料電池スタック1内部の凝縮水を外部に排出することも必要になり再起動に必要な時間が長くなる問題や、コンプレッサ3の作動音やガス排出音等の問題が発生することになるが、この燃料電池システムによれば、凝縮水量が多くなる前に再起動するので、燃料電池スタック1へのガス供給量を増加させる必要性も低下し、再起動のための時間短くすることができ、更に、コンプレッサ3の作動音やガス排出音を抑制できる。すなわち、燃料電池システムによれば、再起動時の凝縮水の影響を最小限に抑制したアイドルストップ制御が可能となる。
【0036】
更に、燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の停止直前からの燃料電池温度の低下により燃料電池スタック1内部の凝縮水量を推定するので、精度の良い推定ができ、アイドルストップ状態の中止(再起動)を必要最小限にすることができる。
【0037】
なお、この燃料電池システムでは、再起動後に駆動力要求を入力するまでアイドルストップを禁止するようにしても良い。
【0038】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、第1実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0039】
図4に、外気温に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0040】
燃料電池システムでは、アイドルストップ時間の増加に伴い燃料電池スタック1の温度が低下するため、燃料電池スタック1内の凝縮水量が増加する。また、外気温が低いほど燃料電池スタック1の温度低下の速度が速いため、凝縮水量も多くなる。
【0041】
したがって、アイドルストップからの再起動の際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW0とすると、凝縮水量W0となるアイドルストップ時間は、外気温の違いによってそれぞれT1、T2、T3となる。すなわち、図4に示すように、外気温が低い程、アイドル停止時間に対する凝縮水量の増加が急峻となり、外気温が低いほど凝縮水量W0に達するまでの時間が短くなる。第2実施形態に係る燃料電池システムでは、図4の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W0及びアイドルストップ停止時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図5に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0042】
第2実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS11に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS12に処理を進める。
【0043】
ステップS11においては、燃料電池システム制御装置2により、外気温センサ16からセンサ信号を読み込んでステップS13に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図4に示した外気温に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0044】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS13にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0045】
ステップS12においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS13にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0046】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、図4に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W0となるまでの時間が外気温に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、外気温が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0047】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第3実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0048】
図6に、燃料電池スタック1の温度に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0049】
燃料電池システムでは、アイドルストップ時間の増加に伴い燃料電池スタック1の温度が低下し、燃料電池スタック1内の凝縮水量が増加する。また、アイドルストップ開始時の温度が高いと燃料電池温度の低下の速度が速く、更に、アイドルストップ開始時の燃料電池スタック1の温度が高いと燃料電池スタック1内の飽和水蒸気量が多いため、凝縮水量も多くなる。
【0050】
図6において、アイドルストップ状態を停止して再起動する際に起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW1とすると、この量が凝縮するアイドルストップ時間は、アイドルストップ開始時の燃料電池温度の違いによってそれぞれT4、T5、T6となる。つまり、燃料電池温度が高いほど凝縮水量W1となるまでの時間が短くなる。
【0051】
第3実施形態に係る燃料電池システムでは、図6の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W1及びアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図7に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0052】
第3実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS21に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS22に処理を進める。
【0053】
ステップS21においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池温度センサ15からセンサ信号を読み込んでステップS23に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図6に示した燃料電池温度に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0054】
ここで、ステップS21では、燃料電池スタック1の冷却水系の温度を測定する温度センサにより検出した温度を燃料電池スタック1の温度としても良い。また、ステップS21では、アイドルストップ状態にする直前の燃料電池温度或いは燃料電池冷却水温度を測定することになる。これは、アイドルストップ中は、水ポンプの動作を停止するために燃料電池冷却水の循環も停止するので、冷却水温度が燃料電池温度を正確に反映できなくなることによる。
【0055】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS23にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0056】
ステップS22においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS23にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0057】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3実施形態に係る燃料電池システムによれば、図6に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W1に達するまでの時間が燃料電池温度に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、燃料電池温度が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0058】
また、この燃料電池システムによれば、アイドルストップ状態とする直前に燃料電池温度を検出してアイドルストップ解除時間を演算するので、燃料電池温度を検出するのに冷却水温度を検出する構成とした場合であっても、アイドルストップ状態にするときに水ポンプを停止したことによる燃料電池温度の精度低下を防止し、正確にアイドルストップ解除時間を演算することができる。したがって、この燃料電池システムでは、アイドルストップ状態となる直前の燃料電池温度を冷却水温度から求めることができ、直接燃料電池温度を測定する温度センサを使用する必要なく、低コストとすることができる。
【0059】
[第4実施形態]
つぎに、第4実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第4実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0060】
図8に、燃料電池スタック1に供給するガス温度に応じた、燃料電池スタック1の動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す。
【0061】
図8では、アイドルストップ時の燃料電池スタック1への供給ガス温度が高いほど燃料電池スタック1内のガス温度低下の速度が速く、更に、供給ガス温度が高いと燃料電池スタック1内の飽和水蒸気量が多いために凝縮水量も多くなる。例えば、アイドルストップ状態から再起動する際に、起動時間などに大きな影響を及ぼす凝縮水量をW2とすると、この量が凝縮するアイドルストップ時間は、供給ガス温度の違いによってそれぞれT7、T8、T9となる。つまり、供給ガス温度が高いほど凝縮水量W2となるまでの時間が短くなる。
【0062】
第4実施形態に係る燃料電池システムでは、図8の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定した凝縮水量W2及びアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図9に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0063】
第4実施形態では、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS31に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS32に処理を進める。
【0064】
ステップS31においては、燃料電池システム制御装置2により、ガス温度センサ17からセンサ信号を読み込んでステップS33に処理を進め、アイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図8に示した供給ガス温度に応じた凝縮水量特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0065】
また、ステップS31では、アイドルストップ直前の供給ガス温度を測定することになる。これは、アイドルストップ中は、コンプレッサ3の動作を停止するために供給ガスの供給も停止するので、アイドルストップ開始時の供給ガス温度を正確に反映できなくなることによる。
【0066】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS33にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0067】
ステップS32においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS33にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0068】
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第4実施形態に係る燃料電池システムによれば、図8に示したように燃料電池スタック1の発電効率や劣化等に影響を及ぼす凝縮水量W2に達するまでの時間が供給ガス温度に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、供給ガス温度が異なる場合であっても凝縮水により起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0069】
[第5実施形態]
つぎに、第5実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第5実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0070】
図10に、燃料電池温度及び外気温に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示している。図10によれば、燃料電池温度が高くなるほどアイドルストップ解除時間が短くなると共に、外気温が低くなるほどアイドルストップ解除時間が長くなる。これは、燃料電池スタック1の起動時間等に影響を及ぼす凝縮水量に達する時間が燃料電池温度及び外気温に相関を有することによる。
【0071】
第5実施形態に係る燃料電池システムでは、図10の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定したアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図11に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0072】
第5実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS11及びステップS12において、アイドルストップ状態にする直前での外気温及び燃料電池温度を取得して、ステップS41に処理を進める。
【0073】
ステップS41においては、燃料電池システム制御装置2により、外気温及び燃料電池温度に応じたアイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図10に示した特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0074】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS41にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0075】
ステップS42においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS41にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0076】
[第5実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第5実施形態に係る燃料電池システムによれば、図10に示したようにアイドルストップ解除時間が燃料電池温度及び外気温に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0077】
[第6実施形態]
つぎに、第6実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第6実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0078】
図12に、燃料電池スタック1の発電量[kW]に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示している。図12によれば、燃料電池スタック1の発電量が高くなるほどアイドルストップ解除時間が短くなる。これは、燃料電池スタック1の発電により燃料電池スタック1内で純水が生成され、燃料電池スタック1の発電量が多いほど純水生成量(凝縮水量W)も多くなり、再起動時での水詰まりの可能性が高くなることによる。
【0079】
第6実施形態に係る燃料電池システムでは、図12の凝縮特性を予め実験などで求めておく。このように決定したアイドルストップ解除時間を燃料電池システム制御装置2にて保持しておいて、図13に示すアイドルストップ制御処理をする。
【0080】
第6実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS4にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS51において、アイドルストップ状態にする直前での燃料電池スタック1の発電量を取得して、ステップS53に処理を進める。
【0081】
ここで、燃料電池システム制御装置2では、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前における燃料電池スタック1の発電量を、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値として取得する。
【0082】
ステップS53においては、燃料電池システム制御装置2により、発電量に応じたアイドルストップ解除時間の演算を行ってステップS7に処理を進める。このとき、燃料電池システム制御装置2では、図12に示した特性からアイドルストップ解除時間を求める。
【0083】
次のステップS7においては、燃料電池システム制御装置2により燃料電池スタック1を停止させ、ステップS14においてステップS53にて演算したアイドルストップ解除時間を計測するために、時間計測を開始してステップS1に処理を進める。
【0084】
ステップS52においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS14にて計測開始した経過時間と、ステップS53にて演算したアイドルストップ解除時間とを比較し、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過していないときには再度ステップS1に処理を戻す。一方、経過時間がアイドルストップ解除時間を経過したと判定したときには、アイドルストップ状態を中止するためにステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動する。
【0085】
[第6実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第6実施形態に係る燃料電池システムによれば、図12に示したようにアイドルストップ解除時間が発電量に応じて異なることに着目して、アイドルストップ解除時間を変更するので、起動時間等に大きな影響を及ぼす前にアイドルストップ状態を解除し、再起動を行うことが可能となる。
【0086】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の発電量を、燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値として取得するので、燃料電池スタック1の発電量に対するアイドルストップ解除時間を正確に推定することができ、燃料電池スタック1内の起動時間等に影響を及ぼす凝縮水量に達する前に確実に燃料電池スタック1を再起動させることができる。
【0087】
[第7実施形態]
つぎに、第7実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第7実施形態に係る燃料電池システムでは、その構成が第1実施形態と同様であるので説明を省略し、同様の部分については、上述の実施形態にて使用した符号及びステップ番号を使用した説明をする。
【0088】
第7実施形態において、燃料電池システム制御装置2は、上述の第1実施形態〜第6実施形態にて推定される凝縮水量(第1所定値)に達するアイドルストップ解除時間が最も短い時間を予め実験等で求めておき、その時間を第1所定時間としてアイドルストップ時間がこれを超える場合に燃料電池スタック1を再起動させる。
【0089】
また、燃料電池システム制御装置2は、燃料電池スタック1を再起動した後、凝縮水量が燃料電池スタック1の再起動に問題とならない凝縮水量以下に低下したと判定し、且つ要求負荷が低負荷の状態の場合に再度アイドルストップ状態にする。
【0090】
ここで、凝縮水増加の場合と同様に凝縮水低下の要因も様々であるが、燃料電池スタック1の再起動からの経過時間の増加に伴い凝縮水量が低下する。そこで、燃料電池システム制御装置2は、想定される燃料電池スタック1の再起動後に、凝縮水量が問題となる量(第2所定値)以下に低下するまでの最長時間を予め実験等で求めておき、その時間を第2所定時間とし、再起動からの経過時間が第2所定時間を超えた際には再度アイドスルトップ状態とする。
【0091】
このような処理を行う燃料電池システム制御装置2によるアイドルストップ制御処理の処理手順を図14を参照して説明する。
【0092】
第7実施形態では、燃料電池システム制御装置2により、ステップS3にてアイドルストップ状態でないと判定した場合にはステップS61に処理を進め、アイドルストップ状態であると判定した場合にはステップS62に処理を進める。
【0093】
ステップS61では、アイドルストップ解除時間経過に伴う再起動であることを示すフラグFが1であるか否かを判定し、フラグFが1でない場合にはアイドルストップ解除時間経過による再起動ではないと判定してステップS7に処理を進め、フラグFが1である場合にはアイドルストップ解除時間経過による再起動であると判定してステップS63に処理を進める。
【0094】
ステップS63においては、燃料電池システム制御装置2により、燃料電池スタック1の再起動に際して計測開始した時間が第2所定時間(再停止許可時間)を超えているか否かを判定することで、燃料電池スタック1内の凝縮水量が第2所定値以下となったか否かを判定する。燃料電池システム制御装置2により第2所定時間を経過していると判定した場合にはステップS64に処理を進め、フラグFを0に設定変更してステップS7に処理を進めて燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にし、ステップS14にてアイドルストップ状態とした時間の計測を開始してステップS1に処理を戻す。一方、燃料電池システム制御装置2により第2所定時間を経過していないと判定した場合には再度ステップS1に処理を戻して燃料電池スタック1の起動を継続する。
【0095】
ステップS3においてアイドルストップ状態であると判定した後のステップS62においては、燃料電池システム制御装置2により、ステップS12と同様に、ステップS14にて計測開始した時間が第1所定時間(アイドルストップ解除時間)を経過しているか否かを判定することで、燃料電池スタック1内の凝縮水量が第1所定値に達したか否かを判定する。燃料電池システム制御装置2により、第1所定時間を経過していると判定した場合には、ステップS65に処理を進め、フラグFを1に設定してステップS66に処理を進める。
【0096】
ステップS66においては、燃料電池システム制御装置2により、上述のステップS63にて再度燃料電池スタック1を再起動後に再度アイドルストップ状態にするための時間の計測を開始して、ステップS4に処理を進めて燃料電池スタック1を再起動させる。これにより、ステップS63では、ステップS66にて計測開始した時間と第2所定時間とを比較して、再起動後に再度燃料電池スタック1をアイドルストップ状態にする。
【0097】
[第7実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第7実施形態に係る燃料電池システムによれば、第1実施形態〜第6実施形態での処理を行ってアイドルストップ状態を解除して再起動させたときでも、再起動後に燃料電池スタック1内の凝縮水量が低下したことに応じて再度アイドルストップ状態にすることができ、第1実施形態〜第6実施形態の効果に加えて、燃費の向上を図ることができる。
【0098】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態において、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときの燃料電池温度の低下幅[℃]と燃料電池スタック1に蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態において、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態において、燃料電池スタックの温度に応じた、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図7】本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】燃料電池スタックに供給するガス温度に応じた、燃料電池スタックの動作を一旦停止したときのアイドル停止時間[sec]と燃料電池スタックに蓄積する凝縮水量[g]との関係を示す図である。
【図9】本発明を適用した第4実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第5実施形態において、燃料電池温度及び外気温に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示す図である。
【図11】本発明を適用した第5実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第6実施形態において、燃料電池スタックの発電量[kW]に対するアイドルストップ解除時間[sec]の変化を示す図である。
【図13】本発明を適用した第6実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明を適用した第7実施形態に係る燃料電池システムのアイドルストップ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料電池システム制御装置
3 コンプレッサ
4 空気加湿器
5 空気調整弁
6 コンプレッサモータ
7 回転センサ
8 空気圧力センサ
9 高圧水素ボンベ
10 水素調圧弁
11 エゼクタポンプ
12 水素加湿器
13 水素パージ弁
14 水素圧力センサ
15 燃料電池温度センサ
16 外気温センサ
17 ガス温度センサ
Claims (19)
- 補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムの制御装置であって、
要求負荷が低下した場合に上記補機の動作を停止させて上記燃料電池スタックの発電を停止させ、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に、上記燃料電池スタック内の凝縮水量が第1所定値を超えたと判定した場合に、上記燃料電池スタックを再起動させるように上記補機を制御駆動する制御手段を備えること
を特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後の上記燃料電池スタックの温度低下に基づいて、上記燃料電池スタック内の凝縮水量を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後の停止時間が第1所定時間を超えた場合に凝縮水量が第1所定値を超えたと判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における外気温に応じて、外気温が低いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における燃料電池温度に応じて、燃料電池温度が高いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における上記燃料電池スタックに供給するガス温度に応じて、上記燃料電池スタックに供給するガス温度が高いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における外気温及び燃料電池温度に応じて、外気温が低く、燃料電池温度が高いほど、上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前における上記燃料電池スタックの発電量に応じて、上記燃料電池スタックの発電量が大きいほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前における上記燃料電池スタックの発電量を、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値とすることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記凝縮水量が第1所定値を超えた場合に上記燃料電池スタックを再起動させた後、上記燃料電池スタックの凝縮水量が第2所定値以下になり、且つ要求負荷が低負荷であると判定した場合に、上記燃料電池スタックを再度アイドルストップ状態にすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記凝縮水量が第1所定値を超えた場合に上記燃料電池スタックを再起動させた時からの経過時間が第2所定時間を超え、且つ要求負荷が低負荷である場合に、上記凝縮水量が第2所定値以下になったと判定することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 補機を駆動制御して燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムの制御装置であって、
要求負荷が低下した場合に上記補機の動作を停止させて上記燃料電池スタックの発電を停止させ、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後に、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした後の経過時間が第1所定時間を超えたと判定した場合に、上記燃料電池スタックを再起動させるように上記補機を制御駆動する制御手段を備えること
を特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における外気温に応じて、外気温が低いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における燃料電池温度に応じて、燃料電池温度が高いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における上記燃料電池スタックに供給しているガス温度に応じて、上記燃料電池スタックに供給しているガス温度が高いほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にした時における外気温及び燃料電池温度に応じて、外気温が低く、燃料電池温度が高いほど、上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前における上記燃料電池スタックの発電量に応じて、上記燃料電池スタックの発電量が大きいほど上記第1所定時間を短くすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前における上記燃料電池スタックの発電量を、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にする前の所定期間における発電量の平均値とすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃料電池スタックをアイドルストップ状態にしてからの時間が第1所定時間を超えた場合の再起動後、第2所定時間を経過した場合に、上記燃料電池スタックを再度アイドルストップ状態にすることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの制御装置。
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