JP2004022225A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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松井 伸樹
Eisaku Okubo
大久保 英作
Masanori Kawazoe
川添 政宣
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Abstract

【課題】燃料電池発電システムにおいて、電池排ガスによって燃料ガスまたは酸素含有ガスを加湿する加湿器(43,24) の小型化やシステム効率の向上を図る。
【解決手段】燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側や被加湿側通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)を配置し、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)を配置することで、これらの加湿器(43,24) で水蒸気を渡す側よりも受ける側を相対的に負圧にして、水蒸気の移動速度を速める。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電システムに関し、特に、燃料電池に供給される燃料ガスや酸素含有ガスを効率的に加湿するためのシステム構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固体高分子電解質型の燃料電池が広く知られている。この種の燃料電池では、フッ素系の高分子フィルムからなる電解質膜の両面に触媒粒子を分散させて電極を形成することで、単電池が構成されている。電解質膜表面の電極は、一方が水素極(アノード)となり、他方が酸素極(カソード)となる。そして、上記燃料電池では、水素極側のガス通路へ水素あるいは水素を含む燃料ガスが供給され、酸素極側のガス通路へ酸素あるいは酸素を含む空気が供給される。これらガス通路へ導入されたガスは、電解質表面の電極と接触する。
【0003】
上記固体高分子電解質型の燃料電池では、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。これは、電解質膜の含水量が低下すると、電解質膜のプロトン伝導抵抗が増大し、発電効率の低下を招くからである。このため、燃料電池へ供給するガスを予め加湿して電解質膜の乾燥を防ぐという対策が、従来より講じられている。
【0004】
例えば、特開平6−132038号公報には、燃料電池への供給ガスを、燃料電池からの電池排ガスによって加湿する加湿器が開示されている。燃料電池では電池反応によってHO が生成されるため、燃料電池から排出される電池排ガス(オフガス)には、多量の水蒸気が含まれている。そこで、上記加湿器は、水蒸気透過膜を利用することで電池排ガス中の水蒸気を供給ガス(燃料ガスや空気)へ供給している。つまり、上記加湿器では、電池排ガスに含まれる水蒸気が、水蒸気透過膜を透過して供給ガスに付与される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の加湿器を用いると、水蒸気透過膜の水蒸気透過速度が遅い場合、システム効率を向上させるためには大きな透過面積が必要となり、結果的に加湿器が大型化することになってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、燃料電池発電システムの加湿器の小型化やシステム効率の向上を可能にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加湿器において水蒸気を受ける側を与える側に対して相対的に負圧にすることにより、水蒸気の移動速度を速めるようにしたものである。
【0008】
具体的に、請求項1〜3に記載の発明は、水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される燃料ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガス(例えば水素極排ガス)によって加湿する燃料ガス加湿器(43)とを備えた燃料電池発電システムを前提としている。
【0009】
そして、請求項1に記載の発明は、燃料ガス側の送風機(33)が、燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) を加湿側通路(43c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側に燃料ガス側送風機(33)が配置されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1の燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)が配置されていることを特徴としている。
【0012】
これら請求項1,2,3に記載の発明では、燃料ガス加湿器(43)において、加湿側通路(43c) の電池排ガスから被加湿側通路(43b) の燃料ガスに水分が与えられ、燃料ガスが加湿される。そして、従来のシステムでは被加湿側通路(43b) と加湿側通路(43c) に差圧は生じていないのに対して、燃料ガス側送風機(33)を燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側や被加湿側通路(43b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける側である燃料ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である電池排ガス側を相対的に加圧側にすることができる。したがって、電池排ガスから燃料ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができる。
【0013】
次に、請求項4,5に記載の発明は、水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される酸素含有ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガス(例えば酸素極排ガス)によって加湿する酸素含有ガス加湿器(24)とを備えた燃料電池発電システムを前提としている。
【0014】
そして、請求項4に記載の発明は、酸素ガス側の送風機(25)が、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) を加湿側通路(24c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4の燃料電池発電システムにおいて、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴としている。
【0016】
これらの請求項4,5に記載の発明では、酸素含有ガス加湿器(24)において、加湿側通路(24c) の電池排ガスから被加湿側通路(24b) の酸素含有ガスに水分が与えられ、酸素含有ガスが加湿される。そして、従来のシステムでは酸素ガス側送風機(25)が酸素(空気)系統の回路において最も上流側に配置されていて、被加湿側通路(24b) と加湿側通路(24c) に差圧が生じていないのに対して、酸素ガス側送風機(25)を酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける側である酸素含有ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である電池排ガス側を相対的に加圧側にすることができる。したがって、電池排ガスから酸素含有ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができる。
【0017】
次に、請求項6〜8に記載の発明は、水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される燃料ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガス(例えば水素極排ガス)によって加湿する燃料ガス加湿器(43)と、該燃料電池(10)へ供給される酸素含有ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガス(例えば酸素極排ガス)によって加湿する酸素含有ガス加湿器(24)とを備えた燃料電池発電システムを前提としている。
【0018】
そして、請求項6に記載の発明は、燃料ガス側の送風機(33)が燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) を加湿側通路(43c) に対して相対的に負圧にするように配置され、酸素ガス側の送風機(25)が酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) を加湿側通路(24c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴としている。つまり、この発明は、請求項1と請求項4の特徴を兼ね備えたものである。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6の燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側に燃料ガス側送風機(33)が配置され、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6の燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)が配置され、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴としている。
【0021】
これら請求項6,7,8に記載の発明では、燃料ガス加湿器(43)において、加湿側通路(43c) の電池排ガスから被加湿側通路(43b) の燃料ガスに水分が与えられ、燃料ガスが加湿される。そして、従来のシステムでは被加湿側通路(43b) と加湿側通路(43c) に差圧は生じていないのに対して、燃料ガス側送風機(33)を燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側や被加湿側通路(43b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける側である燃料ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である電池排ガス側を相対的に加圧側にすることができる。したがって、電池排ガスから燃料ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができる。
【0022】
また、酸素含有ガス加湿器(24)においては、加湿側通路(24c) の電池排ガスから被加湿側通路(24b) の酸素含有ガスに水分が与えられ、酸素含有ガスが加湿される。そして、従来のシステムでは酸素ガス側送風機(25)が酸素(空気)系統の回路において最も上流側に配置されていて、被加湿側通路(24b) と加湿側通路(24c) に差圧が生じていないのに対して、酸素ガス側送風機(25)を酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける側である酸素含有ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である電池排ガス側を相対的に加圧側にすることができる。したがって、電池排ガスから酸素含有ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができる。
【0023】
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項1,2,3,6,7または8に記載の燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス加湿器(43)が、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて燃料ガスへ供給する水蒸気透過膜(43a) を備えていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項4,5,6,7または8に記載の燃料電池発電システムにおいて、酸素含有ガス加湿器(24)が、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて酸素含有ガスへ供給する水蒸気透過膜(24a) を備えていることを特徴としている。
【0025】
これらの請求項9,10に記載の発明においては、上記各請求項の発明における送風機(33,25) の配置により、燃料ガス加湿器(43)の水蒸気を受ける側が相対的に負圧になり、水蒸気を与える側が加圧側になるために、電池排ガスから燃料ガスまたは酸素含有ガスへの水蒸気透過速度を速めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は、この燃料電池発電システムの回路系統図である。この燃料電池発電システムは、燃料電池(10)と、空気(酸素含有ガス)が流れる酸素系統回路(20)と、燃料ガスが流れる水素系統回路(30)とを備えている。水素系統回路(30)には、原料ガスとしての都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスを生成するように、複数の反応器により構成された改質装置(40)が設けられている。そして、燃料ガスと酸素含有ガスとが燃料電池(10)に供給され、該燃料電池(10)において燃料ガス中の水素と酸素含有ガス(酸化剤ガス)中の酸素とが反応して発電が行われる。
【0028】
また、この燃料電池発電システムは、温水を生成する貯湯回路(50)を備えており、いわゆるコジェネレーションシステムを構成している。
【0029】
上記燃料電池(10)は、固体高分子電解質型に構成されている。この燃料電池(10)では、例えばフッ素系の高分子フィルムからなる電解質膜の両面に触媒粒子を分散させて電極を形成することで、単電池が構成されている。電解質膜表面の電極は、一方が水素極(アノード)となり、他方が酸素極(カソード)となる。上記燃料電池(10)は、バイポーラ板を介して単電池が積層されたスタック(集合電池)を構成している。なお、上述した燃料電池(10)の構造については、図1において図示を省略している。
【0030】
上記燃料電池(10)では、バイポーラ板と電解質膜の酸素極とによって酸素極側ガス通路(11)が形成され、バイポーラ板と電解質膜の水素極とによって水素極側ガス通路(12)が形成されている。酸素極側ガス通路(11)には、その入口側に空気供給管(21)が接続され、その出口側に酸素極排気管(22)が接続されている。一方、水素極側ガス通路(12)には、その入口側に改質装置(40)及び水素供給管(31)が配管接続され、その出口側に水素極排気管(32)が接続されている。
【0031】
燃料電池(10)には、冷却水回路(60)が接続されている。この冷却水回路(60)は、冷却水が充填された閉回路であって、冷却水タンク(62)と冷却水ポンプ(61)と水熱交換器(63)と水/燃料熱交換器(64,65) とが接続されている。冷却水回路(60)は、冷却水が循環することによって、燃料電池(10)を所定の作動温度に保つ作用をするものである。
【0032】
上記空気供給管(21)は、その始端が屋外に開口し、その終端が燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)に接続されている。空気供給管(21)には、その始端から終端に向かって順に、熱交換器である酸素含有ガス加熱器(23)と、酸素含有ガス加湿器(24)と、酸素ガス側送風機(25)とが設けられている。従来、酸素ガス側送風機(25)は酸素系統回路(20)の最も上流側に設けられていたが、本実施形態では酸素ガス側送風機(25)は酸素含有ガス加湿器(24)の下流側に位置している。
【0033】
また、空気供給管(21)には、第1分岐管(26)が設けられている。この第1分岐管(26)は、空気供給管(21)に対し、その始端が酸素含有ガス加熱器(23)の上流側に接続されている。また、空気供給管(21)には第2分岐管(27)が設けられている。第2分岐管(27)は、空気供給管(21)に対し、その始端が酸素含有ガス加湿器(24)と酸素ガス側送風機(25)との間に接続されている。
【0034】
上記酸素含有ガス加湿器(24)は、水蒸気透過膜(24a) を備えている。水蒸気透過膜(24a) は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。上記酸素含有ガス加湿器(24)には、水蒸気透過膜(24a) を介して、酸素含有ガス通路(被加湿側通路)(24b) と酸素極排ガス通路(加湿側通路)(24c) とが区画形成されている。酸素含有ガス通路(24b) には、空気供給管(21)が接続されており、酸素含有ガスとしての空気が導入される。酸素極排ガス通路(24c) には、酸素極排気管(22)が接続されており、燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)から電池排ガスとして排出された酸素極排ガスが導入される。この酸素極排気管(22)は、水素極排気管(32)と合流した後、後述する燃料ガス加熱器(42)及び上記酸素含有ガス加熱器(23)を通り、室外に開口している。
【0035】
この実施形態では、上記空気供給管(21)には酸素含有ガス加湿器(24)と燃料電池(10)との間に酸素ガス側送風機(25)が接続されているため、酸素含有ガス加湿器(24)内は、酸素極排ガス通路(24c) が相対的に加圧側になり、酸素含有ガス通路(24b) が相対的に負圧側となる。
【0036】
上記改質装置(40)は、原料ガスとしての都市ガスから水素主体の燃料ガスを生成するように構成されている。この改質装置(40)には、ガスの流れに沿って順に、脱硫器(41)と、熱交換器である燃料ガス加熱器(42)と、燃料ガス加湿器(43)と、改質器(44)と、変成器(45)と、CO(一酸化炭素)除去器(46)とが設けられている。上記改質装置(40)における脱硫器(41)と燃料ガス加熱器(42)の間には、空気供給管(21)の第1分岐管(26)が接続されている。この第1分岐管(26)には、電磁弁などの開閉弁(SV1) が設けられている。
【0037】
上記脱硫器(41)は、原料ガスとして供給された都市ガスから、硫黄分を吸着除去するように構成されている。
【0038】
上記燃料ガス加湿器(43)は、水蒸気透過膜(43a) を備えている。水蒸気透過膜(43a) は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。上記燃料ガス加湿器(43)には、水蒸気透過膜(43a) を介して、燃料ガス通路(被加湿側通路)(43b) と水素極排ガス通路(加湿側通路)(43c) とが区画形成されている。燃料ガス通路(43b) は、改質装置(40)における燃料ガス加熱器(42)と改質器(44)の間に設けられ、原料ガスが導入される。水素極排ガス通路(43c) には、水素極排気管(32)が接続されており、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)から電池排ガスとして排出された水素極排ガスが導入される。
【0039】
上記改質器(44)は、部分酸化反応に対して活性を呈する触媒と、水蒸気改質反応に対して活性を呈する触媒とを備えている。改質器(44)では、部分酸化反応及び水蒸気改質反応によって、原料ガスから水素が生成される。その際、改質器(44)は、発熱反応である部分酸化反応の反応熱を、吸熱反応である水蒸気改質反応の反応熱として利用する。改質器(44)を構成している改質触媒は、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアの少なくとも1つ以上を含む担体に、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金の少なくとも1つ以上の貴金属元素を担持したものである。
【0040】
上記変成器(45)は、シフト反応(一酸化炭素変成反応)に活性を呈する触媒を備えている。変成器(45)では、シフト反応によって、ガス中の一酸化炭素が削減されると同時に水素が増加する。変成器(45)を構成している変成触媒は、例えば、セリア、ジルコニア、チタニアの少なくとも1つ以上を含む担体に白金を担持したものである。
【0041】
上記CO除去器(46)は、CO選択酸化反応に活性を呈する触媒を備えている。CO除去器(46)では、CO選択酸化反応によって、ガス中のCOが更に削減される。そして、CO除去器(46)から出た水素主体のガスが、燃料ガスとして燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)へ供給されるように、水素供給管(31)が燃料電池(10)に接続されている。CO除去器(46)を構成しているCO除去触媒は、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアの少なくとも1つ以上を含む担体に、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金の少なくとも1つ以上の貴金属元素を担持したものである。
【0042】
上記水素供給管(31)には、CO除去器(46)の前後に、上記水/燃料熱交換器(65,64) が接続されている。水/燃料熱交換器(65,64) では、水素供給管(31)を流れる燃料ガスと冷却水回路(60)を流れる冷却水とが熱交換を行う。
【0043】
また、水素供給管(31)には、CO除去器(46)と燃料電池(10)との間に、燃料ガス側送風機(33)が設けられている。この燃料ガス側送風機(33)は、燃料ガスを燃料電池(10)から燃料ガス加湿器(43)の水素極排ガス通路(43c) に押し込み、燃料ガス加湿器(43)内で水素極排ガス通路(43c) を相対的に加圧側に、燃料ガス通路(43b) を相対的に負圧側にする作用を行う。
【0044】
上記水素極排気管(32)は、燃料ガス加湿器(43)の水素極排ガス通路(43c) を介し、燃焼器(オフガスバーナ)(70)に接続されている。水素極排気管(32)には、燃料ガス加湿器(43)と燃焼器(70)との間に、上記空気供給管(21)の第2分岐管(27)が接続されている。この第2分岐管(27)には、電磁弁などの開閉弁(SV2) が設けられている。
【0045】
上記燃焼器(70)は、水素極排気管(32)の終端に接続され、水素極排ガス中に残存する水素(H) などの可燃成分を、第2分岐管(27)から供給される空気を利用して燃焼させるように構成されている。燃焼器(70)を構成している燃焼触媒は、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアの少なくとも1つ以上を含む担体に、パラジウム、白金の少なくとも1つ以上の貴金属元素を担持したものである。
【0046】
また、燃焼器(70)には、燃焼ガス管(71)の始端が接続されている。燃焼ガス管(71)は、その終端が屋外に開口すると共に、その途中に、後述する温水/排ガス熱交換器(52)と、上記燃料ガス加熱器(42)及び酸素含有ガス加熱器(23)が順に設けられている。上記酸素含有ガス加湿器(24)の酸素極排ガス通路(24c) は、この燃焼ガス管(71)に対して、温水/排ガス熱交換器(52)と燃料ガス加熱器(42)との間で接続されている。水素極排ガスの燃焼によって生成される高温の燃焼排ガスは、酸素極排ガスとともに燃焼ガス管(71)を流れて屋外へ排出される。
【0047】
上記貯湯回路(50)は、熱媒水が充填された閉回路である。この貯湯回路(50)には、熱媒水の循環方向において、循環ポンプ(51)と、上記水熱交換器(63)と、温水/排ガス熱交換器(52)と、貯湯タンク(53)とが順に設けられている。貯湯回路(50)を循環する熱媒水は、水熱交換器(63)及び温水/排ガス熱交換器(52)で加熱され、温水となって貯湯タンク(53)に蓄えられる。そして、貯湯タンク(53)の温水は、必要に応じて給湯に供される。
【0048】
上記水熱交換器(63)には、図示していないが冷却水流路と熱媒水流路とが区画形成されている。水熱交換器(63)は、その冷却水流路が上記冷却水回路(60)に接続され、その熱媒水流路が上記貯湯回路(50)に接続されている。この水熱交換器(63)は、冷却水流路の冷却水と熱媒水流路の熱媒水とを熱交換させるように構成されている。また、上記温水/排ガス熱交換器(52)は、燃焼排ガスと熱媒水とを熱交換させるように構成されている。
【0049】
−運転動作−
次に、上記燃料電池発電システムの運転動作を説明する。通常の運転時は、上記開閉弁(SV1,SV2) は開かれた状態にセットされている。
【0050】
まず、システムを起動して空気供給管(21)の酸素ガス側送風機(25)を運転すると、該空気供給管(21)に空気が取り込まれる。この空気は、水素供給管(31)における燃料ガスの流れに伴って、一部が第1分岐管(26)を通じて改質装置(40)へ送られ、残りが酸素含有ガス(酸化剤ガス)として酸素含有ガス加熱器(23)へ導入される。この酸素含有ガスは、酸素含有ガス加熱器(23)を流れる間に、空気極排ガスと燃焼ガスとから吸熱して加熱される。
【0051】
酸素含有ガス加熱器(23)において加熱された酸素含有ガスは、続いて酸素含有ガス加湿器(24)の酸素含有ガス通路(24b) へ流入する。このとき、酸素含有ガス加湿器(24)の酸素極排ガス通路(24c) には、酸素極排ガスが導入されている。そして、酸素含有ガス通路(24b) の酸素含有ガス(空気)には、酸素含有ガス加湿器(24)の水蒸気透過膜(24a) を透過した酸素極排ガス中の水蒸気が供給される。つまり、この酸素含有ガス加湿器(24)では、燃料電池(10)から排出された水蒸気が酸素含有ガス(空気)に回収される。上述したように、酸素極排ガス通路(24c) が加圧側に、酸素含有ガス通路(24b) が負圧側になっているため、水蒸気は酸素極排ガスから酸素含有ガスに効率よく移動する。
【0052】
酸素含有ガス加湿器(24)において加湿された酸素含有ガスは、酸素ガス側送風機(25)を通り、燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)へ導入される。このように、酸素極側ガス通路(11)へ導入される酸素含有ガスを酸素含有ガス加湿器(24)で加湿しておくことで、燃料電池(10)における電解質膜の乾燥を防止している。
【0053】
改質装置(40)へは、原料ガスとして都市ガスが供給される。この原料ガスは、先ず脱硫器(41)へ導入される。脱硫器(41)では、原料ガスに含まれる硫黄分が除去される。脱硫器(41)から出た原料ガスは、第1分岐管(26)からの空気が混入された後に、燃料ガス加熱器(42)へ導入される。この原料ガスは、燃料ガス加熱器(42)を流れる間に燃焼ガスから吸熱して加熱される。
【0054】
燃料ガス加熱器(42)において加熱された原料ガスは、続いて燃料ガス加湿器(43)の燃料ガス通路(43b) へ流入する。一方、燃料ガス加湿器(43)の水素極排ガス通路(43c) には、水素極排ガスが導入されている。そして、燃料ガス通路(43b) の原料ガスには、水蒸気透過膜(43a) を透過した水素極排ガス中の水蒸気が供給される。この燃料ガス加湿器(43)では、改質器(44)における水蒸気改質反応と変成器(45)におけるシフト反応とに必要な量の水蒸気が、原料ガスに対して付与される。この燃料ガス加湿器(43)においても、水素極排ガス通路(43c) が加圧側に、燃料ガス通路(43b) が負圧側になっているため、水蒸気は水素極排ガスから原料ガスに効率よく移動する。
【0055】
燃料ガス加湿器(43)で加湿された原料ガスは、改質器(44)へ導入される。つまり、改質器(44)に対しては、都市ガス、空気、及び水蒸気の混合物である原料ガスが供給される。改質器(44)では、メタン(CH)の部分酸化反応と水蒸気改質反応とが行われ、水素(H)と一酸化炭素(CO)が生成される。改質器(44)における部分酸化反応及び水蒸気改質反応の反応式は、
CH+1/2O → CO+2H … 部分酸化反応
CH+HO → CO+3H   … 水蒸気改質反応
に示す通りである。
【0056】
改質器(44)から流出した反応後のガスは、変成器(45)へ送られる。変成器(45)へ導入されるガスには、改質器(44)で生成した水素と一酸化炭素が含まれている。また、このガスには、燃料ガス加湿器(43)において供給されたものの水蒸気改質反応に用いられなかった水蒸気が残存している。変成器(45)では、シフト反応が行われ、一酸化炭素が減少すると同時に水素が増加する。シフト反応の反応式は、
CO+HO → CO+H    … シフト反応
に示す通りである。
【0057】
変成器(45)から出たガスは、CO除去器(46)へ導入される。ここで、変成器(45)からCO除去器(46)へ送られるガスは、水素が主成分となっているものの、未だに一酸化炭素を含んでいる。この一酸化炭素は、残ったままでは水素極の触媒毒となる。そこで、CO除去器(46)は、CO選択酸化反応によってガス中の一酸化炭素を更に削減する。CO選択酸化反応の反応式は、次の通りである。
CO+1/2O → CO     … CO選択酸化反応
そして、CO除去器(46)で一酸化炭素を削減されたガスは、燃料ガスとして燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)へ供給される。
【0058】
上述のように、燃料電池(10)には、水素極側ガス通路(12)へ燃料ガスが供給され、酸素極側ガス通路(11)へ酸素含有ガス(酸化剤ガス)が供給される。燃料電池(10)は、燃料ガス中の水素を燃料とし、酸素含有ガス中の酸素を酸化剤として発電を行う。具体的に、燃料電池(10)では、水素極及び酸素極の電極表面において下記の電池反応が行われる。
水素極:2H → 4H+4e
酸素極:O+4H+4e → 2H
この電池反応により、燃料ガスに含まれる水素の燃焼反応の化学エネルギが電気エネルギに変換される。
【0059】
燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)からは、電池排ガスとして酸素極排ガスが排出される。この酸素極排ガスには、電池反応に使われなかった余剰酸素が含まれている。また、酸素極排ガス中には、電池反応によって生じたHO が水蒸気の状態で存在している。この酸素極排ガスは、酸素極排気管(22)を通じて酸素含有ガス加湿器(24)の酸素極排ガス通路(24c) へ導入される。上述のように、酸素極排ガス通路(24c) を加圧側に、酸素含有ガス通路(24b) を負圧側にしているので、酸素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(24a) を透過して酸素含有ガス通路(24b) の酸素含有ガス(空気)へ効率よく供給される。酸素含有ガス加湿器(24)において水蒸気を奪われた酸素極排ガスは、燃料ガス加熱器(42)及び酸素含有ガス加熱器(23)を通過した後、排気される。
【0060】
一方、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)からは、電池排ガスとして水素極排ガスが排出される。この水素極排ガスには、電池反応に使われなかった水素が残存している。また、水素極排ガス中には、電池反応によって生じたHO が水蒸気の状態で存在している。この水素極排ガスは、水素極排気管(32)を通じて燃料ガス加湿器(43)の水素極排ガス通路(43c) へ導入される。上述のように、水素極排ガス通路(43c) を加圧側に、燃料ガス通路(43b) を負圧側にしているので、水素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(43a) を透過して燃料ガス通路(43b) の原料ガスへ効率よく供給される。燃料ガス加湿器(43)において水蒸気を奪われた水素極排ガスは、燃焼器(70)へ送り込まれる。
【0061】
燃焼器(70)は、第2分岐管(27)から供給される酸素含有ガスを利用して、水素極排ガス中の水素を燃焼させる。この水素極排ガスの燃焼によって、高温の燃焼ガスが生成する。この燃焼ガスは、温水/排ガス熱交換器(52)において、貯湯回路(50)を流れる熱媒水に対して放熱する。
【0062】
燃焼器(70)から流出した燃焼ガスは、続いて燃料ガス加熱器(42)へ導入される。燃料ガス加熱器(42)では、燃焼ガスが原料ガスに対して放熱する。また、この燃焼ガスは、さらに酸素含有ガス加熱器(23)を通過し、その際に酸素含有ガス(空気)に対して更に放熱する。その後、燃焼ガスは、燃焼ガスの流路から出て屋外へ排気される。
【0063】
一方、冷却水ポンプ(61)の運転により、冷却水回路(60)において冷却水が循環する。具体的には、冷却水は、まず冷却水タンク(62)から冷却水ポンプ(61)を経て水熱交換器(63)へ流れ、貯湯回路(50)の熱媒水に対して放熱した後、燃料電池(10)へ送られて吸熱作用を行う。この冷却水の吸熱作用により、燃料電池(10)が所定の作動温度(例えば85℃程度)に維持される。燃料電池(10)で吸熱した冷却水は、水/燃料熱交換器(64,65) において加熱された後、冷却水タンク(62)へ戻る。冷却水は、以上の循環を繰り返し、燃料電池(10)とCO除去器(46)の前後とから回収した熱を、水熱交換器(63)を介して貯湯回路(50)の熱媒水に与える。
【0064】
また、貯湯回路(50)においては、循環ポンプ(51)の運転により熱媒水が循環する。具体的には、貯湯タンク(53)から流出した熱媒水は循環ポンプ(51)によって水熱交換器(63)へ送り込まれる。水熱交換器(63)において、熱媒水は、熱媒水流路を流れる間に冷却水流路の冷却水から吸熱する。これにより、上述したように燃料電池(10)とCO除去器(46)の前後からの排熱が熱媒水に回収される。
【0065】
その後、熱媒水は、温水/排ガス熱交換器(52)へ導入される。温水/排ガス熱交換器(52)において、熱媒水は、燃焼器(70)の燃焼ガスから吸熱する。つまり、水素極排ガス中に残存する水素の燃焼熱が、熱媒水に回収される。そして、温水/排ガス熱交換器(52)から出た熱媒水は、貯湯タンク(53)へ送り返され、温水として貯留される。貯湯タンク(53)に温水として蓄えられた熱媒水は、給湯に利用される。
【0066】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、燃料ガス加湿器(43)については水素極排ガス通路(43c) の上流側に燃料ガス側送風機(33)を接続し、酸素含有ガス加湿器(24)については酸素含有ガス通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)を接続しているので、両加湿器(43,24) とも水蒸気を受ける側である被加湿側通路(43b,24b) (燃料ガス通路(43b) 及び酸素含有ガス通路(24b) )が相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である加湿側通路(43c,24c) (水素極排ガス通路(43c) 及び酸素極排ガス通路(24c) )が相対的に加圧側になる。したがって、電池排ガス中の水蒸気が水蒸気透過膜(43a,24a) を従来よりも速い速度で透過する。
【0067】
ここで、図2には、加圧側と負圧側との圧力比(圧縮比)と、加湿器のサイズとの関係を示すグラフを示している。このグラフでは、圧力比を1としたときの加湿器のサイズに対して、圧力比が大きくなったときの加湿器のサイズを2種類の湿度交換効率について示している。図示するように、圧力比が大きくなると加湿器(43,24) のサイズを小さくすることができ、特に湿度交換効率が高いほどその効果が大きい。
【0068】
したがって、本実施形態では、各加湿器(43,24) について加湿側と被加湿側とに圧力差を付けているので、従来と同じシステム効率を得るための水蒸気透過面積を小さくでき、その結果、両加湿器(43,24) の小型化が可能となる。また、例えば水蒸気透過面積を従来と同じにした場合は、システム効率を高めることも可能となる。
【0069】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、図3に示すように、燃料ガス側送風機(33)の配置を実施形態1とは異なるようにしたものである。
【0070】
具体的には、この実施形態2において、燃料ガス側送風機(33)は燃料ガス加湿器(43)における水素極排ガス通路(43c) の上流側でなく、燃料ガス通路(43b) の下流側に接続されている。このシステムのその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0071】
この例のように、酸素含有ガス加湿器である酸素含有ガス加湿器(24)について酸素含有ガス通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)を接続し、燃料ガス加湿器である燃料ガス加湿器(43)について燃料ガス通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)を接続した場合でも、両加湿器(43,24) とも水蒸気を受ける側である被加湿側通路(43b,24b) (燃料ガス通路(43b) 及び酸素含有ガス通路(24b) )が相対的に負圧側に、水蒸気を与える側である加湿側通路(43c,24c) (水素極排ガス通路(43c) 及び酸素極排ガス通路(24c) )が相対的に加圧側になる。したがって、電池排ガス中の水蒸気が水蒸気透過膜(43a,24a) を従来よりも速い速度で透過するので、従来と同じシステム効率を得るための透過面積を小さくでき、加湿器(43,24) の小型化が可能となる。また、水蒸気透過面積を同じにした場合は、システム効率を高めることも可能となる。
【0072】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、図4に示すように、酸素ガス側送風機(25)を実施形態1,2と同様に配置する一方、燃料ガス側送風機(33)を設けない構成にしたものである。この実施形態3は、燃料ガス側で都市ガスの供給源からの供給圧を利用して水素系統回路(30)に燃料ガスを流せる場合に対応したもので、燃料ガス側送風機(33)の配置を特定することによる燃料ガス加湿器(43)の小型化よりも燃料ガス側送風機(33)が不要になることを優先したものである。この場合、燃料ガス加湿器(43)は従来通りの大きさ、性能になる。
【0073】
この実施形態3では、燃料側は従来と同じ性能であるものの、酸素ガス側送風機(25)を実施形態1,2と同様に配置しているので、酸素含有ガス加湿器(24)の小型化や、空気側でのシステム効率の向上を図ることが可能である。
【0074】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0075】
例えば、上記送風機(33,25) の配置は各実施形態で説明した位置に限定されるものではなく、燃料ガス側及び/または酸素含有ガス側の加湿器(43,24) において、水蒸気を受ける側が負圧側になり、与える側が加圧側になる限りは、各実施形態で説明した配置とは違った配置にしてもよい。例えば、燃料ガス側送風機(33)を燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)と燃料ガス加湿器(43)の水素極排ガス通路(加湿側通路)(43c) の間に配置したり、酸素ガス側送風機(25)を燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)と酸素含有ガス加湿器(24)の酸素極排ガス通路(加湿側通路)(24c) の間に配置したりしてもよい。
【0076】
また、上記各実施形態では、加湿器には水蒸気透過膜(43a,24a) を用いたものについて説明したが、水蒸気を受ける側を与える側よりも負圧にすることで水蒸気の移動速度が速くなるような水蒸気透過膜(43a,24a) 以外の水蒸気移動媒体を用いたものを用いてもよい。例えば、酸素極排ガスや水素極排ガスから水分を吸着し、その水分を酸素含有ガスや燃料ガスに放出可能な吸着剤を用いるとともに、水分吸着側を水分放出側よりも相対的に負圧にする構成にしてもよい。
【0077】
【発明の効果】
請求項1〜3に記載の発明によれば、燃料ガス側送風機(33)を燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側や被加湿側通路(43b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける被加湿側通路(43b) の燃料ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える加湿側通路(43c) の電池排ガス側を相対的に加圧側にして、電池排ガスから燃料ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができるため、水蒸気の移動する面積を小さくしても従来と同等のシステム効率を得ることができる。また、水蒸気の移動する面積を従来と同じにするのであれば、システム効率を高めることが可能となる。したがって、燃料ガス加湿器(43)の小型化やシステム効率の向上を図ることができる。
【0078】
また、請求項4,5に記載の発明によれば、酸素ガス側送風機(25)を酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側などに配置することにより、水蒸気を受ける被加湿側通路(24b) の燃酸素含有ガス側を相対的に負圧側に、水蒸気を与える加湿側通路(24c) の電池排ガス側を相対的に加圧側にして、電池排ガスから酸素含有ガスへの水蒸気の移動速度を速めることができるため、水蒸気の移動する面積を小さくしても従来と同等のシステム効率を得ることができる。また、水蒸気の移動する面積を従来と同じにするのであれば、システム効率を高めることが可能となる。したがって、酸素含有ガス加湿器(24)の小型化やシステム効率の向上を図ることができる。
【0079】
また、請求項6〜8に記載の発明によれば、燃料ガス側送風機(33)を燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側や被加湿側通路(43b) の下流側などに配置することに加えて、酸素ガス側送風機(25)を酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側などに配置したことにより、燃料ガス側と酸素含有ガス側の両方で、加湿側通路(43c,24c) から被加湿側通路(43b,24b) への水蒸気の移動速度を速めることが可能となり、両加湿器(43,24) の小型化やシステム効率の向上を図ることができる。
【0080】
また、請求項9,10に記載の発明によれば、水蒸気透過膜(43a,24a) を備えた燃料ガス加湿器(43)や酸素含有ガス加湿器(24)において、水蒸気透過面積を小さくしても従来と同じシステム効率を得ることができ、水蒸気透過面積を同じにすれば従来よりもシステム効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る燃料電池発電システムの回路系統図である。
【図2】加湿器における圧力比と加湿器サイズとの関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態2に係る燃料電池発電システムの回路系統図である。
【図4】本発明の実施形態3に係る燃料電池発電システムの回路系統図である。
【符号の説明】
(10) 燃料電池
(20) 酸素系統回路
(24) 酸素含有ガス加湿器
(24a) 水蒸気透過膜
(24b) 酸素含有ガス通路
(24c) 酸素極排ガス通路
(25) 酸素ガス側送風機
(30) 水素系統回路
(33) 燃料ガス側送風機
(40) 改質装置
(41) 脱硫器
(43) 燃料ガス加湿器
(43a) 水蒸気透過膜
(43b) 燃料ガス通路
(43c) 水素極排ガス通路
(44) 改質器
(45) 変成器
(46) CO除去器
(50) 貯湯回路
(60) 冷却水回路
(70) 燃焼器

Claims (10)

  1. 水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される燃料ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガスによって加湿する燃料ガス加湿器(43)とを備えた燃料電池発電システムであって、
    燃料ガス側の送風機(33)が、燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) を加湿側通路(43c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側に燃料ガス側送風機(33)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
  3. 燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
  4. 水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される酸素含有ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガスによって加湿する酸素含有ガス加湿器(24)とを備えた燃料電池発電システムであって、
    酸素ガス側の送風機(25)が、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) を加湿側通路(24c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴とする燃料電池発電システム。
  5. 酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池発電システム。
  6. 水素を主体とする燃料ガスと酸素含有ガスとから発電を行う燃料電池(10)と、該燃料電池(10)へ供給される燃料ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガスによって加湿する燃料ガス加湿器(43)と、該燃料電池(10)へ供給される酸素含有ガスを該燃料電池(10)から排出された電池排ガスによって加湿する酸素含有ガス加湿器(24)とを備えた燃料電池発電システムであって、
    燃料ガス側の送風機(33)が、燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) を加湿側通路(43c) に対して相対的に負圧にするように配置され、
    酸素ガス側の送風機(25)が、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) を加湿側通路(24c) に対して相対的に負圧にするように配置されていることを特徴とする燃料電池発電システム。
  7. 燃料ガス加湿器(43)における加湿側通路(43c) の上流側に燃料ガス側送風機(33)が配置され、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴とする請求項6記載の燃料電池発電システム。
  8. 燃料ガス加湿器(43)における被加湿側通路(43b) の下流側に燃料ガス側送風機(33)が配置され、酸素含有ガス加湿器(24)における被加湿側通路(24b) の下流側に酸素ガス側送風機(25)が配置されていることを特徴とする請求項6記載の燃料電池発電システム。
  9. 燃料ガス加湿器(43)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて燃料ガスへ供給する水蒸気透過膜(43a) を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,6,7または8記載の燃料電池発電システム。
  10. 酸素含有ガス加湿器(24)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて酸素含有ガスへ供給する水蒸気透過膜(24a) を備えていることを特徴とする請求項4,5,6,7または8記載の燃料電池発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009037864A1 (ja) * 2007-09-21 2009-03-26 Panasonic Corporation 燃料電池システム
JP2011216416A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法

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