JP2011216416A - 燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法 - Google Patents

燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の膜湿潤状態をリアルタイムに判定する。
【解決手段】大気圧と、エアポンプ2の吸気温度と、加湿器4の入口空気温度に基づいて加湿器入口空気湿度を求めるとともに、燃料電池スタック1のカソード出口空気温度と燃料電池スタック1の冷媒出口における冷媒温度に基づいてカソード出口空気湿度を求め、加湿器入口空気湿度とカソード出口空気湿度に基づいてマップを参照して燃料電池スタック1のカソードの仮の湿度を求め、水素センサ40により希釈ボックス出口の水素濃度を検出し、検出された水素濃度と基準水素濃度との比較値に基づいて補正係数を求め、前記カソードの仮の湿度に前記補正係数を乗じることでカソードの湿度を求める。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池システム、および燃料電池システムにおける燃料電池の膜湿潤状態判定方法に関するものである。
固体高分子電解質膜型の燃料電池を備えた燃料電池システムでは、燃料電池内部の加湿状態が燃料電池の発電性能に大きく影響を与えるため、燃料電池内部の湿度管理が大変に重要である。
従来の前記湿度の判定方法としては、例えば、燃料電池のセル電圧が低下した時に、酸化剤ガスの流量を増大させた後、平均セル電圧と最低セル電圧の電圧差を検出し、該電圧差が判定値以下の場合は加湿不足であると判定し、前記判定値よりも大きい場合は過加湿であると判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の湿度判定方法として、セル電圧が正常範囲を下回るセルを検出し、その異常セルの燃料電池スタックにおける積層位置に基づいて燃料電池スタックの加湿状態を判定する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−194177号公報 特開2002−184438号公報
従来の湿度判定方法はいずれも、燃料電池内部の湿度状態が標準か湿度不足か過加湿かといった定性的な判定しかできない。
しかしながら、燃料電池システムを常に最適な作動状態に保つためには、燃料電池内部の湿度を定量的且つリアルタイムに把握することが求められており、従来の湿度判定方法ではこの要求に応えることができなかった。
そこで、この発明は、燃料電池の膜湿潤状態を定量的且つリアルタイムに把握することができる燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法を提供するものである。
この発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、
前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段(例えば、後述する実施例における大気圧センサ30、吸気温度センサ31)と、
前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段(例えば、後述する実施例における加湿器入口温度センサ32、カソード出口温度センサ33、冷媒出口温度センサ34)と、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値と前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて前記カソードの湿度を演算するカソード湿度演算手段(例えば、後述する実施例における電子制御装置50)と、
を備え、
前記カソード湿度演算手段は、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を演算する判定値演算部(例えば、後述する実施例におけるステップS01,S02)と、
前記2つの判定値から前記カソードの仮の湿度を求める仮カソード湿度演算部(例えば、後述する実施例におけるステップS03)と、
前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器(例えば、後述する実施例における希釈ボックス6)の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器(例えば、後述する実施例における加湿器4)の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算部と、
前記仮カソード湿度演算部により求められた仮カソード湿度に前記補正係数演算部により求められた補正係数を乗じることで前記カソードの湿度を求めるカソード湿度補正部(例えば、後述する実施例におけるステップS06,S07,S08)と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
請求項2に係る発明は、固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、
前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段(例えば、後述する実施例における大気圧センサ30、吸気温度センサ31)と、
前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段(例えば、後述する実施例における加湿器入口温度センサ32、カソード出口温度センサ33、冷媒出口温度センサ34)と、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値と前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて前記アノードの湿度を演算するアノード湿度演算手段(例えば、後述する実施例における電子制御装置50)と、
を備え、
前記アノード湿度演算手段は、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を演算する判定値演算部(例えば、後述する実施例におけるステップS101,S102)と、
前記2つの判定値から前記アノードの仮の湿度を求める仮アノード湿度演算部(例えば、後述する実施例におけるステップS103)と、
前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器(例えば、後述する実施例における希釈ボックス6)の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器(例えば、後述する実施例における加湿器4)の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算部と、
前記仮アノード湿度演算部により求められた仮アノード湿度に前記補正係数演算部により求められた補正係数を乗じることで前記アノードの湿度を求めるアノード湿度補正部(例えば、後述する実施例におけるステップS106,S107,S108)と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
請求項3に係る発明は、固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段(例えば、後述する実施例における大気圧センサ30、吸気温度センサ31)と、前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段(例えば、後述する実施例における加湿器入口温度センサ32、カソード出口温度センサ33、冷媒出口温度センサ34)と、を備える燃料電池システムにおける前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定する方法において、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を求める判定値演算工程(例えば、後述する実施例におけるステップS101,S102)と、
予め作成されたマップを用いて前記2つの判定値に基づいて前記カソードの仮の湿度を求める仮カソード湿度演算工程(例えば、後述する実施例におけるステップS103)と、
前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器(例えば、後述する実施例における希釈ボックス6)の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器(例えば、後述する実施例における加湿器4)の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算工程と、
前記カソードの仮の湿度に前記補正係数を乗じることで前記カソードの湿度を求めるカソード湿度補正工程(例えば、後述する実施例におけるステップS06,S07,S08)と、
を順に用いて前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定することを特徴とする燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法である。
請求項4に係る発明は、固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段(例えば、後述する実施例における大気圧センサ30、吸気温度センサ31)と、前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段(例えば、後述する実施例における加湿器入口温度センサ32、カソード出口温度センサ33、冷媒出口温度センサ34)と、を備える燃料電池システムにおける前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定する方法において、
前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を求める判定値演算工程(例えば、後述する実施例におけるステップS101,S102)と、
予め作成されたマップを用いて前記2つの判定値に基づいて前記アノードの仮の湿度を求める仮アノード湿度演算工程(例えば、後述する実施例におけるステップS103)と、
前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器(例えば、後述する実施例における希釈ボックス6)の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器(例えば、後述する実施例における加湿器4)の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算工程と、
前記アノードの仮の湿度に前記補正係数を乗じることで前記アノードの湿度を求めるアノード湿度補正工程(例えば、後述する実施例におけるステップS106,S107,S108)と、
を順に用いて前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定することを特徴とする燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法である。
請求項1に係る発明によれば、燃料電池のカソードの湿度を真値に極めて近い値でリアルタイムに推定することができる。
請求項2に係る発明によれば、燃料電池のアノードの湿度を真値に極めて近い値でリアルタイムに推定することができる。
請求項3に係る発明によれば、燃料電池の固体高分子電解質膜の湿潤状態を、カソードの湿度の推定値に基づいて極めて正確に把握することができる。
請求項4に係る発明によれば、燃料電池の固体高分子電解質膜の湿潤状態を、アノードの湿度の推定値に基づいて極めて正確に把握することができる。
この発明に係る燃料電池システムの実施例1における概略構成図である。 実施例1におけるカソードの湿度判定処理を示すフローチャートである。 実施例1において用いられる加湿器入口空気湿度マップである。 実施例1において用いられるカソード出口空気湿度マップである。 実施例1において用いられるカソード湿度マップである。 パージ弁開弁後の希釈器出口水素濃度の時間的変化を示す図である。 実施例1において用いられる希釈器出口水素濃度積算値差をパラメータとする補正係数マップである。 この発明に係る燃料電池システムの実施例2におけるアノードの湿度判定処理を示すフローチャートである。 実施例2において用いられるアノード湿度マップである。 この発明に係る燃料電池システムの実施例3において用いられる加湿器前後の供給空気圧力差をパラメータとする補正係数マップである。 この発明に係る燃料電池システムの実施例5における要部構成図である。 この発明に係る燃料電池システムの実施例7における要部構成図である。 実施例7において用いられる加湿器前後の供給空気温度差をパラメータとする補正係数マップである。 実施例3から実施例10の変形例における要部構成図である。 この発明に係る燃料電池システムの実施例11において用いられる希釈器前後の温度差をパラメータとする補正係数マップである。
以下、この発明に係る燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法の実施例を図1から図15の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例は、燃料電池自動車に搭載される燃料電池システムに適用した態様である。
図1は燃料電池システムの概略構成図である。燃料電池スタック(燃料電池)1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで構成された単位燃料電池(以下、単セルという)を複数積層して構成されており、燃料ガスとして水素ガスが供給される水素極と、酸化剤ガスとして酸素を含む空気が供給される空気極と、冷却液が供給される冷却通路とを備えている。そして、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。また、この発電に伴う発熱により燃料電池スタック1が上限温度を越えないように、前記冷却通路を流れる冷却液で熱を奪い冷却するようになっている。
外気はエアポンプ(コンプレッサ)2によって加圧され、供給空気通路3、加湿器4を通って燃料電池スタック1の空気極に供給され、この空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、燃料電池スタック1から空気オフガスとして排出され、空気オフガス通路5、前記加湿器4を通って希釈ボックス(希釈器)6に排出される。なお、以下の説明では、燃料電池スタック1から排出される空気オフガスと区別するため、燃料電池スタック1に供給される空気を供給空気と称す。
加湿器4は、例えば中空糸膜等の水透過膜を備えて構成されており、燃料電池スタック1から排出された空気オフガスを、反応ガスとして燃料電池スタック1に供給される供給空気に対する加湿ガスとして利用している。加湿器4において、水透過膜を介して供給空気と空気オフガスが接触し、空気オフガスに含まれる水分が水透過膜の膜孔を透過して供給空気に移動することにより、供給空気が加湿される。このように加湿された空気が燃料電池スタック1に供給されることにより、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜のイオン導電性が所定の状態に確保される。
エアポンプ2は、燃料電池スタック1に要求されている出力に応じた質量の空気が空気極に供給されるように回転数制御される。
一方、水素タンク7から放出された水素ガスは、水素供給通路8,水素遮断弁9、圧力制御弁10、エゼクタ11を通って燃料電池スタック1の水素極に供給される。この水素ガスは発電に供された後、未反応の水素ガスは燃料電池スタック1から水素オフガスとして排出され、水素オフガス回収路12を通ってエゼクタ11に吸引され、水素タンク7から供給される水素ガスと合流し再び燃料電池スタック1に供給されるようになっている。なお、水素オフガス回収路12には、水素オフガスに含まれる水分を除去するキャッチタンク13が設けられており、エゼクタ11には水分を除去された水素オフガスが供給される。
圧力制御弁10は、例えば空気式の比例圧力制御弁からなり、エアポンプ2から供給される供給空気の圧力を信号圧として空気信号導入路19を介して入力され、圧力制御弁10の出口側の水素ガス圧力が前記信号圧に応じた所定圧力範囲となるように水素ガスの圧力を減圧制御する。このように供給空気の圧力を基準圧として、圧力制御弁10で燃料電池スタック1に供給される水素ガスの圧力を制御することによって、エゼクタ11を通過する水素ガスの流量が制御されるとともに、燃料電池スタック1内の固体高分子電解質膜を介した空気圧と水素ガス圧との差圧が所定の範囲に収まるように制御される。
水素オフガス回収路12はキャッチタンク13の下流において、パージ弁14を備えた水素オフガスパージ通路15が分岐し、希釈ボックス6に接続されている。パージ弁14は通常は閉じていて、燃料電池スタック1の運転状態に応じて設定される所定時間毎に所定時間だけ開弁するように制御され、水素オフガス回収路12を流れる水素オフガスを希釈ボックス6へ排出する。
また、キャッチタンク13もドレンバルブ16を備えたドレン通路17を介して希釈ボックス6に接続されており、ドレンバルブ16は燃料電池スタック1の運転状態に応じて設定される所定時間毎に開弁制御され、キャッチタンク13に溜まった水を希釈ボックス6に排水する。
希釈ボックス6に排出された水素オフガスは、希釈ボックス6に排出された空気オフガスによって希釈され、キャッチタンク13から排出された水とともに、排気通路18を介して外気に放出される。希釈ボックス6の出口には、外気に放出されるガスの水素濃度を検出するための水素センサ40が設けられている。
また、燃料電池スタック1を冷却するための冷却液は、ウォーターポンプ20によって昇圧されて燃料電池スタック1に供給され、燃料電池スタック1内の冷却通路を通る際に燃料電池スタック1から熱を奪って燃料電池スタック1を冷却し、これにより熱せられた冷却液はラジエタ(放熱器)21に送られ、ラジエタ21において外部に放熱することにより冷却液は冷却され、再びウォーターポンプ20に戻るようになっている。この冷却液の循環回路22に、ラジエタ21を迂回するバイパス通路23が接続されており、循環回路22とバイパス通路23との連結部に設けられたサーモスタットバルブ24によって、冷却液をバイパス通路23を通さずラジエタ21を経由して循環させるか、ラジエタ21を通さずバイパス通路23を経由して循環させるかが決定される。つまり、冷却液が所定温度よりも低いときには、冷却液を冷却する必要がないので、ラジエタ21を通さずバイパス通路23を経由し燃料電池スタック1との間で冷却液を循環させ、冷却液が所定温度よりも高いときには、冷却液を冷却する必要があるので、バイパス通路23を通さずラジエタ21を経由し燃料電池スタック1との間で冷却液を循環させる。なお、図中、符号25はリザーブタンクであり、ラジエタ21およびウォータポンプ20に接続されている。
また、この燃料電池システムには、燃料電池スタック1内のカソードまたはアノードの湿度を推定するために必要な物理量を検出するための各種センサが設置されている。すなわち、燃料電池システムは、大気圧Pを検出する大気圧センサ30と、エアポンプ2に吸引される空気の温度(以下、エアポンプ吸気温度という)T1を検出する吸気温度センサ31と、加湿器4に供給される空気の温度(以下、加湿器入口空気温度という)T2を検出する加湿器入口温度センサ32と、燃料電池スタック1から排出され加湿器4に供給される前の空気オフガスの温度(以下、カソード出口空気温度という)T3を検出するカソード出口温度センサ33と、燃料電池スタック1から排出された直後の冷却液の温度(以下、冷媒出口温度という)T4を検出する冷媒出口温度センサ34と、を備え、これらセンサ30〜34の出力信号が電子制御装置(ECU)50に入力される。
なお、この実施例において、大気圧センサ30と吸気温度センサ31は環境条件測定手段を構成し、加湿器入口温度センサ32とカソード出口温度センサ33と冷媒出口温度センサ34は燃料電池スタック温度条件測定手段を構成し、電子制御装置50はカソード湿度演算手段およびアノード湿度演算手段を構成する。
次に、この燃料電池システムにおいて燃料電池スタック1内のカソードの湿度を推定する方法を説明する。
本出願の発明者は、このように構成された燃料電池システムに対して行った多くの実験を通して、大気圧Pと、エアポンプ吸気温度T1と、加湿器入口空気温度T2と、加湿器4に供給される空気の湿度(以下、加湿器入口空気湿度という)Aとの間には相関があること、カソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度T4と、燃料電池スタック1のカソードから排出された空気の湿度(以下、カソード出口空気湿度という)Bとの間には相関があること、さらに、加湿器入口空気湿度Aと、カソード出口空気湿度Bと、燃料電池スタック1内のカソードにおける湿度(以下、カソード湿度という)Hcおよびアノードにおける湿度(以下、アノード湿度という)Haとの間には相関があることを、経験的な知見として得た。
なお、加湿器入口空気湿度Aと、カソード出口空気湿度Bと、燃料電池スタック1内のアノード湿度Haとの間に相関があるのは、この燃料電池システムでは、前述したように、カソード側の供給空気の圧力を基準圧として圧力制御弁10を制御することによって、燃料電池スタック1に供給される水素ガスの圧力を制御し、エゼクタ11を通過する水素ガスの流量を制御していることによる。
そこで、この発明では、実際に燃料電池車両用に組み立てられた標準モデルとしての前記燃料電池システムに対して、予め、燃料電池スタック1の周りの環境条件や燃料電池スタック1の運転条件を種々変化させて、前記相関関係のある各物理量のデータを多数採取し、これに基づいて図3〜図5、および図9に示すようなマップを予め作成し、電子制御装置50の記憶手段に記憶しておく。なお、この事前のデータ採取のときには、前記標準モデルの燃料電池システムに、加湿器入口空気湿度A、カソード出口空気湿度B、カソード湿度Hc、アノード湿度Haを検出するためのセンサを設置して行う。
図3に示される加湿器入口空気湿度マップは、大気圧Pと、エアポンプ吸気温度T1と、加湿器入口空気温度T2と、加湿器入口空気湿度Aのデータに基づいて作成されたマップであり、大気圧Pの大きさ(大気圧値)毎に、エアポンプ吸気温度T1と加湿器入口空気温度T2から加湿器入口空気湿度Aを検索することができるように構成されている。つまり、図3に示すマップは、大気圧がある値のときの加湿器入口空気湿度マップであり、このようなマップが大気圧値毎に多数作成されているのである。
図4に示されるカソード出口空気湿度マップは、カソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度T4と、カソード出口空気湿度Bのデータに基づいて作成されたマップであり、カソード出口空気温度T3と冷媒出口温度T4からカソード出口空気湿度Bを検索することができるように構成されている。
図5に示されるカソード湿度マップは、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bとカソード湿度Hcのデータに基づいて作成されたマップであり、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bからカソード湿度Hcを検索することができるように構成されている。
図9に示されるアノード湿度マップは、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bとアノード湿度Haのデータに基づいて作成されたマップであり、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bからアノード湿度Haを検索することができるように構成されている。
図3の加湿器入口空気湿度マップと図4のカソード出口空気湿度マップと図5のカソード湿度マップを用いることにより、大気圧Pと、エアポンプ吸気温度T1と、加湿器入口空気温度T2と、カソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度T4とに基づいて、燃料電池スタック1内のカソード湿度Hcを予測することができる。
また、図3の加湿器入口空気湿度マップと図4のカソード出口空気湿度マップと図9のアノード湿度マップを用いることにより、大気圧Pと、エアポンプ吸気温度T1と、加湿器入口空気温度T2と、カソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度T4とに基づいて、燃料電池スタック1内のアノード湿度Haを予測することができる。
ただし、このようにして予測されるカソード湿度Hcあるいはアノード湿度Haは、標準モデルの燃料電池システムに当てはめた場合の予測値であり、実際に現在運転している燃料電池システムにおける燃料電池スタック1内部の水分状況が反映されているとは言い難い。
そこで、この発明では、前記マップに基づいて予測されるカソード湿度Hcあるいはアノード湿度Haを仮のカソード湿度あるいは仮のアノード湿度として、この仮のカソード湿度あるいは仮のアノード湿度に対して、現在運転中の燃料電池システムにおける燃料電池スタック1内部の水分状況に応じた補正を行うことで、より真値に近いカソード湿度Hcあるいはアノード湿度Haをリアルタイムに推定することができるようにした。
次に、仮のカソード湿度あるいは仮のアノード湿度に対する補正方法を実施例毎に説明する。
実施例1および実施例2では、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度に基づいて、仮のカソード湿度あるいは仮のアノード湿度に対する補正を行う。これについて詳述する。
前述したように、燃料電池スタック1の運転状態に応じてエアポンプ2の回転数が制御され、燃料電池スタック1のカソードに供給される供給空気の供給量が制御されるので、燃料電池スタック1の運転状態に応じてカソードから排出されて希釈ボックス6に導入される空気オフガスの流量も決まる。一方、水素オフガス回収路12から水素オフガスをパージするパージ弁14も、燃料電池スタック1の運転状態に応じて開弁周期および開弁時間が制御される。
したがって、燃料電池スタック1が基準となる運転条件(以下、基準運転条件という)において定常運転を行っている場合には、希釈ボックス6に流入する水素オフガスの流量および空気オフガスの流量は常にある一定の流量であり、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度の時間的変化もある決まったパターンとなる。図6は、パージ弁14の開閉タイミングと希釈ボックス出口の水素濃度の時間的変化を示したもので、実線は基準となる運転条件で定常運転を行っている場合を示し、このとき燃料電池スタック1のカソード湿度およびアノード湿度は標準加湿状態となっているものとする。
ところが、燃料電池スタック1のカソードおよびアノードが標準加湿状態よりも増大して過加湿状態となっている場合に、燃料電池スタック1を基準運転条件で定常運転していたときと同じ条件でパージ弁14を開弁制御したときには、図6において破線で示すように、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度が全体的に低下し、一方、カソードおよびアノードが標準加湿状態よりも低減して乾燥状態になっている場合に、燃料電池スタック1を基準運転条件で定常運転していたときと同じ条件でパージ弁14を開弁制御したときには、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度が全体的に上昇することを、本出願の発明者は多数の実験結果から知見した。
この理由は次のように推察される。例えば、燃料電池スタック1のカソードおよびアノードが標準湿度状態よりも増大して過加湿状態となった場合を考える。この場合には、アノードにおいて水蒸気分圧が上昇し、その逆に水素分圧が低下する。その結果、燃料電池スタック1を基準運転条件で定常運転していたときと同じ条件でパージ弁14を開弁制御した場合に、パージ弁14を開弁したときに排出されるパージガス中の水素濃度が低くなるため、希釈ボックス6に流入する水素濃度も低くなる。また、アノードの水素分圧が低下すると、アノード側から固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動する水素の量も低下するため、空気オフガス中の水素濃度も若干ではあるが低下する。すなわち、カソードおよびアノードが標準湿度状態よりも増大して過加湿状態になると、希釈ボックス6に流入する水素オフガスおよび空気オフガスの水素濃度が低下する。その結果、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度が、図6において破線で示すように全体的に低下すると考えられる。
同様の考え方で、カソードおよびアノードが標準加湿状態よりも低減して乾燥状態になると、希釈ボックス6に流入する水素オフガスおよび空気オフガスの水素濃度が上昇するので、希釈ボックス6から排出されるガスの水素濃度も全体的に上昇すると考えられる。
そこで、実施例1では、希釈ボックス出口の水素濃度を基準水素濃度と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例2では、希釈ボックス出口の水素濃度を基準水素濃度と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
<実施例1>
以下、実施例1を具体的に説明する。
実施例1において使用する補正係数マップの作成方法を説明する。まず、燃料電池スタック1を基準運転条件で定常運転していたときのパージ条件でパージ弁14を開弁制御し、図6に示すように、パージ弁14の開弁を開始した時を基点にして、一定時間t(例えば10msec)毎の水素濃度積算値(以下、基準水素濃度積算値という)を算出する。また、カソード湿度を標準加湿状態からずらして行った実験結果から前記同一タイミングで前記一定時間t毎の水素濃度積算値を算出する。そして、同じ経過時間毎に基準水素濃度積算値との水素濃度積算値差を求め、これから補正係数Y1を決定し、図7に示すような補正係数マップを作成する。
図7に示す補正係数マップでは、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値にほぼ等しいときには補正係数Y1=1に設定され、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値よりも大きいほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低いことが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y1に設定されており、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値よりも小さいほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高いことが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y1に設定されている。
そして、この補正係数マップを電子制御装置50に記憶しておく。
次に、希釈ボックス出口水素濃度に基づいて補正を行う場合のカソードの湿度判定処理を図2のフローチャートに従って説明する。このカソード湿度判定処理は電子制御装置50によって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS01において、吸気温度センサ31により検出された現在のエアポンプ吸気温度T1と、大気圧センサ30により検出された現在の大気圧Pと、加湿器入口温度センサ32により検出された現在の加湿器入口空気温度T2に基づき、図3の加湿器入口空気湿度マップを参照して、加湿器入口空気湿度Aを検索する。
次に、ステップS02に進み、カソード出口温度センサ33により検出された現在のカソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度センサ34により検出された現在の冷媒出口温度T4に基づき、図4のカソード出口空気湿度マップを参照して、カソード出口空気湿度Bを検索する。
次に、ステップS03に進み、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bに基づき、図5のカソード湿度マップを参照して、カソード湿度Hc(仮のカソード湿度)を検索する。
次に、ステップS04に進み、ステップS03の処理により得られたカソード湿度Hcが60%未満か否かを判定する。
ステップS04における判定結果が「NO」(60%以上)である場合には、ステップS05に進み、ステップS03の処理により得られたカソード湿度Hcが80%を越えているか否かを判定する。
ステップS05における判定結果が「NO」(80%以下)である場合には、ステップS06に進み、カソード湿度Hcが60%〜80%であるので、カソードは乾燥状態でもなく湿潤状態でもない標準状態であると判定し、ステップS03で得られたカソード湿度Hcに補正係数Y1を乗じて、補正後のカソード湿度Hcを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS04における判定結果が「YES」(60%未満)である場合には、ステップS07に進み、カソードは乾燥状態であると判定し、ステップS03で得られたカソード湿度Hcに補正係数Y1を乗じて、補正後のカソード湿度Hcを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS05における判定結果が「YES」(80%を越えている)である場合には、ステップS08に進み、カソードは湿潤状態であると判定し、ステップS03で得られたカソード湿度Hcに補正係数Y1を乗じて、補正後のカソード湿度Hcを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
なお、ステップS06,S07,S08において補正係数Y1は、パージ弁14の開弁開始から所定時間後に水素センサ40で検出された現在の希釈ボックス出口水素濃度から算出した一定時間tの水素濃度積算値と、前記所定時間後に対応する基準水素濃度積算値との差に基づいて、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値差をパラメータとする補正係数マップを参照して検索し、決定する。
ここで、希釈ボックス出口水素濃度をパラメータとする補正係数マップは、標準状態、乾燥状態、湿潤状態とも同じマップとしてもよいし、標準状態、乾燥状態、湿潤状態で互いに異なる専用のマップとしてもよい。
このように、図5のカソード湿度マップを検索することによって求めた仮のカソード湿度Hcに対して、補正係数Y1を乗じて補正を行うと、真値に近いカソード湿度Hcをリアルタイムに推定することができる。また、このカソード湿度Hcの推定値に基づいて、燃料電池スタックの固体高分子電解質膜の湿潤状態を、極めて正確に把握することができる。
その結果、このカソード湿度Hcに基づき燃料電池スタック1の運転を制御することで、カソードの湿度管理を適正に実行することが可能となる。例えば、カソード湿度が乾燥状態の領域にあるときには、燃料電池スタック1からの取り出し電流を抑制することで、単セル面内での湿度不足に伴う電力集中を未然に防いだり、カソード湿度を上げる方向に進ませることができ、カソード湿度の適正化を図ることができる。
また、燃料電池システムを長時間停止していた場合にも、起動した瞬間からカソード湿度を把握することができるので、そのときのカソード湿度に応じた燃料電池スタックの起動制御が可能となり、発電し易い環境へ移行することができる。
<実施例2>
次に、実施例2を具体的に説明する。前述したように、実施例2では、希釈ボックス出口の水素濃度を基準水素濃度と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
実施例2において使用する補正係数マップの作成方法を説明する。まず、燃料電池スタック1を基準運転条件で定常運転していたときのパージ条件でパージ弁14を開弁制御し、パージ弁14の開弁を開始した時を基点にして、一定時間t(例えば10msec)毎の水素濃度積算値(以下、基準水素濃度積算値という)を算出する。また、アノード湿度を標準加湿状態からずらして行った実験結果から前記同一タイミングで前記一定時間t毎の水素濃度積算値を算出する。そして、同じ経過時間毎に基準水素濃度積算値との水素濃度積算値差を求め、これから補正係数Yを決定し、補正係数マップを作成する。なお、実施例2の補正係数マップも、前述した図7に示す補正係数マップと同様であるので、図示を省略し、以下の説明では、実施例2における補正係数マップとして図7を援用する。
この補正係数マップでは、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値にほぼ等しいときには補正係数Y1=1に設定され、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値よりも大きいほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低いことが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y1に設定されており、実際の水素濃度積算値が基準水素濃度積算値よりも小さいほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高いことが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y1に設定されている。
そして、この補正係数マップを電子制御装置50に記憶しておく。
次に、アノードの湿度判定処理を図8のフローチャートに従って説明する。このアノード湿度判定処理は電子制御装置50によって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、吸気温度センサ31により検出された現在のエアポンプ吸気温度T1と、大気圧センサ30により検出された現在の大気圧Pと、加湿器入口温度センサ32により検出された現在の加湿器入口空気温度T2に基づき、図3の加湿器入口空気湿度マップを参照して、加湿器入口空気湿度Aを検索する。
次に、ステップS102に進み、カソード出口温度センサ33により検出された現在のカソード出口空気温度T3と、冷媒出口温度センサ34により検出された現在の冷媒出口温度T4に基づき、図4のカソード出口空気湿度マップを参照して、カソード出口空気湿度Bを検索する。
次に、ステップS103に進み、加湿器入口空気湿度Aとカソード出口空気湿度Bに基づき、図9のアノード湿度マップを参照して、アノード湿度Ha(仮のアノード湿度)を検索する。
次に、ステップS104に進み、ステップS103の処理により得られたアノード湿度Haが40%未満か否かを判定する。
ステップS104における判定結果が「NO」(40%以上)である場合には、ステップS105に進み、ステップS103の処理により得られたアノード湿度Haが60%を越えているか否かを判定する。
ステップS105における判定結果が「NO」(60%以下)である場合には、ステップS106に進み、アノード湿度Haが40%〜60%であるので、アノードは乾燥状態でもなく湿潤状態でもない標準状態であると判定し、ステップS103で得られたアノード湿度Haに補正係数Y1を乗じて、補正後のアノード湿度Haを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS104における判定結果が「YES」(40%未満)である場合には、ステップS107に進み、アノードは乾燥状態であると判定し、ステップS103で得られたアノード湿度Haに補正係数Y1を乗じて、補正後のアノード湿度Haを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS105における判定結果が「YES」(60%を越えている)である場合には、ステップS108に進み、アノードは湿潤状態であると判定し、ステップS103で得られたアノード湿度Haに補正係数Y1を乗じて、補正後のアノード湿度Haを算出し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
なお、ステップS106,S107,S108において補正係数Y1は、パージ弁14の開弁開始から所定時間後に水素センサ40で検出された現在の希釈ボックス出口水素濃度から算出した一定時間tの水素濃度積算値と、前記所定時間後に対応する基準水素濃度積算値との差に基づいて、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値差をパラメータとする補正係数マップを参照して検索し、決定する。
ここで、希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップは、標準状態、乾燥状態、湿潤状態とも同じマップとしてもよいし、標準状態、乾燥状態、湿潤状態で互いに異なる専用のマップとしてもよい。
このように、図9のアノード湿度マップを検索することによって求めた仮のアノード湿度Haに対して、補正係数Y1を乗じて補正を行うと、真値に近いアノード湿度Haをリアルタイムに推定することができる。また、このアノード湿度Haの推定値に基づいて、燃料電池スタックの固体高分子電解質膜の湿潤状態を、極めて正確に把握することができる。
その結果、このアノード湿度Haに基づき燃料電池スタック1の運転を制御することで、アノードの湿度管理を適正に実行することが可能となる。例えば、アノード湿度が乾燥状態の領域にあるときには、燃料電池スタック1からの取り出し電流を抑制することで、単セル面内での湿度不足に伴う電力集中を未然に防いだり、アノード湿度を上げる方向に進ませることができ、アノード湿度の適正化を図ることができる。
また、燃料電池システムを長時間停止していた場合にも、起動した瞬間からアノード湿度を把握することができるので、そのときのアノード湿度に応じた燃料電池スタックの起動制御が可能となり、発電し易い環境へ移行することができる。
次に、別のパラメータを用いたカソード湿度およびアノード湿度の補正方法を説明する。
燃料電池スタック1が基準運転条件において定常運転を行っている場合には、燃料電池スタック1のカソード湿度およびアノード湿度はある一定の湿度(標準加湿状態)となり、このとき、供給空気通路3において加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差は一定値となり、空気オフガス通路5において加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差は一定値となるが、カソード湿度あるいはアノード湿度が増加すると前記圧力差が増加し、カソード湿度あるいはアノード湿度が減少すると前記圧力差が減少することを、本出願の発明者は多数の実験結果から知見した。
この理由は、次のように推測される。例えば、燃料電池スタック1のカソードが標準加湿状態よりも増大して過加湿状態となった場合を考える。この場合には、燃料電池スタック1のカソードから排出され加湿器4に流入する空気オフガスの水分量が増大する。そのため、加湿器4内において空気オフガスから供給空気へ移動する水分量が標準加湿状態のときよりも多くなり、この水分移動のために加湿器4を通過する供給空気のエネルギーが標準加湿状態のときより多く消費され、これが加湿器4を通過する間の供給空気の圧力損失の増大となって現れ、同時に前記水分移動のために加湿器4を通過する空気オフガスのエネルギーも標準加湿状態のときより多く消費され、これが加湿器4を通過する間の空気オフガスの圧力損失の増大となって現れると考えられる。
その逆に、カソードおよびアノードが標準加湿状態よりも低減して乾燥状態になると、燃料電池スタック1のカソードから排出され加湿器4に流入する空気オフガスの水分量が減少するため、加湿器4内において空気オフガスから供給空気へ移動する水分量が標準加湿状態のときよりも少なくなり、この水分移動のために消費される供給空気のエネルギーが標準加湿状態のときより少なくなり、これが加湿器4を通過する間の供給空気の圧力損失の減少となって現れ、同時に前記水分移動のために消費される空気オフガスのエネルギーが標準加湿状態のときより少なくなり、これが加湿器4を通過する間の空気オフガスの圧力損失の減少となって現れると考えられる。
そこで、実施例3では、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例4では、前記比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
また、実施例5では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例6では、前記比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
<実施例3>
以下、実施例3を具体的に説明する。前述したように、実施例3では、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正する
すなわち、実施例3では、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差と、基準圧力差との差圧をパラメータとする補正係数Y2を設定し、この補正係数Y2を用いて仮のカソード湿度を補正する。そして、これを実現するために、図1に示すように、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を検出する差圧センサ51を設置し、差圧センサ51の出力信号を電子制御装置50に出力するようにした。
図10は、カソード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する供給空気通路3における加湿器4の上流と下流の圧力差を基準圧力差として、差圧センサ51により検出される実圧力差から前記基準圧力差を減算して得られる差圧をパラメータとする補正係数マップである。この補正係数マップでは、差圧がほぼ0のときは補正係数Y2=1に設定されており、差圧が正値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y2に設定され、差圧が負値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y2に設定されている。
そして、この補正係数マップを電子制御装置50に記憶しておく。
この差圧に基づいて仮のカソード湿度を補正する場合のカソードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてカソード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図2のフローチャートにおけるステップS06,S07,S08において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、図10に示される差圧をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y2を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例4>
次に、実施例4を具体的に説明する。前述したように、実施例4では、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
すなわち、実施例4では、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差と、基準圧力差との差圧をパラメータとする補正係数Y2を設定し、この補正係数Y2を用いて仮のアノード湿度を補正する。
実施例4では、実施例3と同様に、アノード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する供給空気通路3における加湿器4の上流と下流の圧力差を基準圧力差として、差圧センサ51により検出される実圧力差から前記基準圧力差を減算して得られる差圧をパラメータとする補正係数マップを作成し、これを電子制御装置50に記憶しておく。なお、実施例4の補正係数マップは、傾向としては図10に示す実施例3の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、差圧がほぼ0のときは補正係数Y2=1に設定されており、差圧が正値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y2に設定され、差圧が負値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y2に設定されている。以下の説明では、実施例4における補正係数マップとして図10を援用する。
この差圧に基づいて仮のアノード湿度を補正する場合のアノードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてアノード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図8のフローチャートにおけるステップS106,S107,S108において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図10に示される差圧をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y2を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例5>
次に、実施例5を具体的に説明する。前述したように、実施例5では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正する。
すなわち、実施例5では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差と、基準圧力差との差圧をパラメータとする補正係数Y2を設定し、この補正係数Y2を用いて仮のカソード湿度を補正する。そして、これを実現するために、図11に示すように、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を検出する差圧センサ52を設置し、差圧センサ52の出力信号を電子制御装置50に出力するようにした。
実施例5では、カソード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する空気オフガス通路5における加湿器4の上流と下流の圧力差を基準圧力差として、差圧センサ52により検出される実圧力差から前記基準圧力差を減算して得られる差圧をパラメータとする補正係数マップを作成し、これを電子制御装置50に記憶しておく。なお、実施例5の補正係数マップは、傾向としては図10に示す実施例3の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、差圧がほぼ0のときを補正係数Y2=1に設定され、差圧が正値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y2に設定され、差圧が負値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y2に設定されている。なお、以下の説明では、実施例5における補正係数マップとして図10を援用する。
この差圧に基づいて仮のカソード湿度を補正する場合のカソードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてカソード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図2のフローチャートにおけるステップS06,S07,S08において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図10に示される差圧をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y2を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例6>
次に、実施例6を具体的に説明する。前述したように、実施例6では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差を基準圧力差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
すなわち、実施例6では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差と、基準圧力差との差圧をパラメータとする補正係数Y2を設定し、この補正係数Y2を用いて仮のアノード湿度を補正する。なお、実施例6の補正係数マップは、傾向としては図10に示す実施例3の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、差圧がほぼ0のときは補正係数Y2=1に設定されており、差圧が正値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y2に設定され、差圧が負値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y2に設定されている。以下の説明では、実施例6における補正係数マップとして図10を援用する。
この差圧に基づいて仮のアノード湿度を補正する場合のアノードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてアノード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図8のフローチャートにおけるステップS106,S107,S108において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図10に示される差圧をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y2を用いることだけであるので、説明は省略する。
なお、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側圧力との圧力差は、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差と、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側圧力と下流側圧力との圧力差、との和である。
したがって、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側圧力との圧力差と、これに対応する基準圧力差との差圧をパラメータとして補正係数Y2を設定し、この補正係数Y2を用いて仮のカソード湿度や仮のアノード湿度を補正することも可能である。この場合には、図14に示すように、供給空気通路3における加湿器4の上流側圧力と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側圧力との圧力差を検出する差圧センサ53を設置する。
次に、別のパラメータを用いたカソード湿度およびアノード湿度の補正方法を説明する。
燃料電池スタック1が基準運転条件において定常運転を行っている場合には、燃料電池スタック1のカソード湿度およびアノード湿度はある一定の湿度(標準加湿状態)となり、このとき、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差は一定値となり、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度との温度差は一定値となるが、カソード湿度あるいはアノード湿度が増加すると前記温度差が増加し、カソード湿度あるいはアノード湿度が減少すると前記温度差が減少することを、本出願の発明者は多数の実験結果から知見した。
この理由は、次のように推測される。例えば、燃料電池スタック1のカソードが標準加湿状態よりも増大して過加湿状態となった場合を考える。この場合には、燃料電池スタック1のカソードから排出され加湿器4に流入する空気オフガスの水分量が増大する。そのため、加湿器4内において空気オフガスから供給空気へ移動する水分量が標準加湿状態のときよりも多くなり、この水分移動量の増加に伴い、加湿器4を通過する間に供給空気の温度が標準加湿状態のときよりも上昇し、これにより供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差が大きくなり、同時に、加湿器4を通過する間に空気オフガスの温度が標準加湿状態のときよりも低下し、これにより空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度との温度差が大きくなると考えられる。
その逆に、カソードおよびアノードが標準加湿状態よりも減少して乾燥状態になると、燃料電池スタック1のカソードから排出され加湿器4に流入する空気オフガスの水分量が減少するため、この水分移動量の減少に伴い、加湿器4を通過する間に供給空気の温度が標準加湿状態のときほど上昇せず、これにより供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差が小さくなり、同時に、加湿器4を通過する間に空気オフガスの温度が標準加湿状態のときほど低下せず、これにより空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度との温度差が小さくなると考えられる。
そこで、実施例7では、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例8では、前記比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
また、実施例9では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例10では、前記比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
<実施例7>
以下、実施例7を具体的に説明する。前述したように、実施例7では、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正する。
すなわち、実施例7では、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y3を設定し、この補正係数Y3を用いて仮のカソード湿度を補正する。そして、これを実現するために、図12に示すように、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を検出する温度差センサ54を設置し、温度差センサ54の出力信号を電子制御装置50に出力するようにした。
図13は、カソード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差として、温度差センサ54により検出される実温度差から前記基準温度差を減算して得られる温度差をパラメータとする補正係数マップである。この補正係数マップでは、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときは補正係数Y3=1に設定されており、温度差が正値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y3に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y3に設定されている。
そして、この補正係数マップを電子制御装置50に記憶しておく。
この温度差に基づいて仮のカソード湿度を補正する場合のカソードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてカソード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図2のフローチャートにおけるステップS06,S07,S08において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、図13に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y3を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例8>
次に、実施例8を具体的に説明する。前述したように、実施例8では、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
すなわち、実施例8では、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y3を設定し、この補正係数Y3を用いて仮のアノード湿度を補正する。
実施例8では、実施例7と同様に、アノード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差として、温度差センサ54により検出される実温度差から前記基準温度差を減算して得られる温度差をパラメータとする補正係数マップを作成し、これを電子制御装置50に記憶しておく。なお、実施例8の補正係数マップは、傾向としては図13に示す実施例7の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときを補正係数Y3=1に設定され、温度差が正値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y3に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y3に設定されている。以下の説明では、実施例8における補正係数マップとして図13を援用する。
この差圧に基づいて仮のアノード湿度を補正する場合のアノードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてアノード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図8のフローチャートにおけるステップS106,S107,S108において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図13に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y3を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例9>
次に、実施例9を具体的に説明する。前述したように、実施例9では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正する。
すなわち、実施例9では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y3を設定し、この補正係数Y3を用いて仮のカソード湿度を補正する。そして、これを実現するために、図11に示すように、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を検出する温度差センサ55を設置し、温度差センサ55の出力信号を電子制御装置50に出力するようにした。
実施例9では、カソード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差として、温度差センサ55により検出される実温度差から前記基準温度差を減算して得られる温度差をパラメータとする補正係数マップを作成し、これを電子制御装置50に記憶しておく。なお、実施例9の補正係数マップは、傾向としては図13に示す実施例7の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときは補正係数Y3=1に設定されており、温度差が正値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y3に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y3に設定されている。以下の説明では、実施例9における補正係数マップとして図13を援用する。
この温度差に基づいて仮のカソード湿度を補正する場合のカソードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてカソード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図2のフローチャートにおけるステップS06,S07,S08において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図13に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y3を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例10>
次に、実施例10を具体的に説明する。前述したように、実施例10では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
すなわち、実施例10では、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度の温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y3を設定し、この補正係数Y3を用いて仮のアノード湿度を補正する。なお、実施例10の補正係数マップは、傾向としては図13に示す実施例7の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときは補正係数Y3=1に設定されており、温度差が正値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y3に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y3に設定されている。以下の説明では、実施例10における補正係数マップとして図13を援用する。
この温度差に基づいて仮のアノード湿度を補正する場合のアノードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてアノード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図8のフローチャートにおけるステップS106,S107,S108において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、援用する図13に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y3を用いることだけであるので、説明は省略する。
なお、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側温度との温度差は、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と下流側温度との温度差と、空気オフガス通路5における加湿器4の上流側温度と下流側温度との温度差、との和である。
したがって、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側温度との温度差と、これに対応する基準温度差との温度差をパラメータとして補正係数Y3を設定し、この補正係数Y3を用いて仮のカソード湿度や仮のアノード湿度を補正することも可能である。この場合には、図14に示すように、供給空気通路3における加湿器4の上流側温度と空気オフガス通路5における加湿器4の下流側温度との温度差を検出する温度差センサ56を設置する。
次に、さらに別のパラメータを用いたカソード湿度およびアノード湿度の補正方法を説明する。
前述したように、燃料電池スタック1が基準運転条件において定常運転を行っている場合には、燃料電池スタック1のカソード湿度およびアノード湿度はある一定の湿度(標準加湿状態)となり、このとき、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差は一定値となるが、カソード湿度あるいはアノード湿度が増加すると前記温度差が増加し、カソード湿度あるいはアノード湿度が減少すると前記温度差が減少することを、本出願の発明者は多数の実験結果から知見した。
この理由は、次のように推測される。例えば、燃料電池スタック1のカソードが標準加湿状態よりも増大して過加湿状態となった場合を考える。この場合には、燃料電池スタック1のカソードから排出され希釈ボックス6に流入する空気オフガスの水分量が増大する。ところで、希釈ボックス6はアルミニウム等で形成されていて放熱性が高く、流入した空気オフガス等を冷却する機能がある。このように放熱性の高い希釈ボックス6に水分量の多い空気オフガスが流入すると、流量が同じであっても水分量の少ない空気オフガスのときよりも、希釈ボックス6を介して放熱される熱量が多くなり、これにより希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差が増加すると考えられる。
その逆に、カソードおよびアノードが標準加湿状態よりも減少して乾燥状態になると、燃料電池スタック1のカソードから排出され希釈ボックス6に流入する空気オフガスの水分量が減少するため、希釈ボックス6を介して放熱される熱量が少なくなり、これにより希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差が減少すると考えられる。
そこで、実施例11では、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正することとし、実施例12では、前記比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正することとする。
<実施例11>
以下、実施例11を具体的に説明する。前述したように、実施例11では、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のカソード湿度を補正する。
すなわち、実施例11では、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y4を設定し、この補正係数Y4を用いてカソード湿度Hcを補正する。そして、これを実現するために、図1に示すように、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を検出する温度差センサ57を設置し、温度差センサ57の出力信号を電子制御装置50に出力するようにした。
図15は、カソード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を基準温度差として、温度差センサ57により検出される実温度差から前記基準温度差を減算して得られる温度差をパラメータとする補正係数マップである。この補正係数マップでは、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときは補正係数Y4=1に設定されており、温度差が正値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y4に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどカソード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y4に設定されている。
そして、この補正係数マップを電子制御装置50に記憶しておく。
この温度差に基づいて仮のカソード湿度を補正する場合のカソードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてカソード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図2のフローチャートにおけるステップS06,S07,S08において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、図15に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y4を用いることだけであるので、説明は省略する。
<実施例12>
次に、実施例12を具体的に説明する。前述したように、実施例12では、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を基準温度差と比較し、その比較値から補正係数を求めて仮のアノード湿度を補正する。
すなわち、実施例12では、希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差と、基準温度差との温度差をパラメータとする補正係数Y4を設定し、この補正係数Y4を用いて仮のアノード湿度を補正する。
実施例12では、実施例11と同様に、アノード湿度が標準加湿状態の燃料電池スタック1を定常運転しているときに発生する希釈ボックス6の上流側の空気オフガスの温度と希釈ボックス6から排出されるガスの温度との温度差を基準温度差として、温度差センサ57により検出される実温度差から前記基準温度差を減算して得られる温度差をパラメータとする補正係数マップを作成し、これを電子制御装置50に記憶しておく。なお、実施例12の補正係数マップは、傾向としては図15に示す実施例11の補正係数マップと同様であるので図示を省略するが、実温度差と基準温度差との温度差がほぼ0のときは補正係数Y4=1に設定されており、温度差が正値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも高くなることが推定されるので、この場合には増大させるように1よりも大きい補正係数Y4に設定されており、実温度差と基準温度差との温度差が負値で大きくなるほどアノード湿度が標準加湿状態よりも低くなることが推定されるので、この場合には減少させるように1よりも小さい補正係数Y4に設定されている。以下の説明では、実施例12における補正係数マップとして図15を援用する。
この温度差に基づいて仮のアノード湿度を補正する場合のアノードの湿度判定処理は、前述した希釈ボックス出口水素濃度に基づいてアノード湿度を補正する場合と、基本的に同じであり、異なるところは、図8のフローチャートにおけるステップS106,S107,S108において、図7の希釈ボックス出口水素濃度積算値をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y1を用いる代わりに、図15に示される温度差をパラメータとする補正係数マップに基づいて決定された補正係数Y4を用いることだけであるので、説明は省略する。
なお、カソードの湿度判定処理とアノードの湿度判定処理のいずれか一方を実行することにより、燃料電池スタック1の膜湿潤状態を判定することができる。
1 燃料電池スタック(燃料電池)
4 加湿器
6 希釈ボックス(希釈器)
30 大気圧センサ(環境条件測定手段)
31 吸気温度センサ(環境条件測定手段)
32 加湿器入口温度センサ(燃料電池スタック温度条件測定手段)
33 カソード出口温度センサ(燃料電池スタック温度条件測定手段)
34 冷媒出口温度センサ(燃料電池スタック温度条件測定手段)
50 電子制御装置(カソード湿度演算手段、アノード湿度演算手段)

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段と、
    前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段と、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値と前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて前記カソードの湿度を演算するカソード湿度演算手段と、
    を備え、
    前記カソード湿度演算手段は、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を演算する判定値演算部と、
    前記2つの判定値から前記カソードの仮の湿度を求める仮カソード湿度演算部と、
    前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算部と、
    前記仮カソード湿度演算部により求められた仮カソード湿度に前記補正係数演算部により求められた補正係数を乗じることで前記カソードの湿度を求めるカソード湿度補正部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段と、
    前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段と、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値と前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて前記アノードの湿度を演算するアノード湿度演算手段と、
    を備え、
    前記アノード湿度演算手段は、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を演算する判定値演算部と、
    前記2つの判定値から前記アノードの仮の湿度を求める仮アノード湿度演算部と、
    前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算部と、
    前記仮アノード湿度演算部により求められた仮アノード湿度に前記補正係数演算部により求められた補正係数を乗じることで前記アノードの湿度を求めるアノード湿度補正部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段と、前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段と、を備える燃料電池システムにおける前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定する方法において、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を求める判定値演算工程と、
    予め作成されたマップを用いて前記2つの判定値に基づいて前記カソードの仮の湿度を求める仮カソード湿度演算工程と、
    前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算工程と、
    前記カソードの仮の湿度に前記補正係数を乗じることで前記カソードの湿度を求めるカソード湿度補正工程と、
    を順に用いて前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定することを特徴とする燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法。
  4. 固体高分子電解質膜を挟むアノードとカソードとを備え反応ガスを供給されることにより発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の環境条件を測定する環境条件測定手段と、前記燃料電池の温度条件を測定する燃料電池温度条件測定手段と、を備える燃料電池システムにおける前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定する方法において、
    前記環境条件測定手段により測定された環境条件値および前記燃料電池温度条件測定手段により測定された燃料電池の温度条件値に基づいて2つの判定値を求める判定値演算工程と、
    予め作成されたマップを用いて前記2つの判定値に基づいて前記アノードの仮の湿度を求める仮アノード湿度演算工程と、
    前記燃料電池の前記アノードから排出されるアノードオフガスを前記カソードから排出されるカソードオフガスによって希釈する希釈器の出口水素濃度と、前記希釈器の上流下流間の温度差と、前記燃料電池の前記カソードに供給されるカソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分を授受する加湿器の上流下流間の圧力差と、前記加湿器の上流下流間の温度差と、のうちのいずれか1つとその基準値との比較値に基づいて補正係数を求める補正係数演算工程と、
    前記アノードの仮の湿度に前記補正係数を乗じることで前記アノードの湿度を求めるアノード湿度補正工程と、
    を順に用いて前記固体高分子電解質膜の湿潤状態を判定することを特徴とする燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法。
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