JP2004022168A - パターン形成装置およびパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パターン形成材料を基板に吐出して適切なパターンを形成することができるパターン形成装置を提供する。
【解決手段】パターン形成材料を吐出部52から基板9に向けて吐出するパターン形成装置1において、スクレイパ41および洗浄機構42を設ける。所定数の基板9にパターンが形成されるごとに、スクレイパ41がステージ3と共に移動して吐出部52の先端に当接して吐出口の周囲に付着した付着物を除去する。その後、スクレイパ41は洗浄機構42へと移動して洗浄される。これにより、パターン形成装置1の吐出部52の付着物を自動的に除去することができ、適切なパターンを基板9に形成することが実現される。
【選択図】 図1
【解決手段】パターン形成材料を吐出部52から基板9に向けて吐出するパターン形成装置1において、スクレイパ41および洗浄機構42を設ける。所定数の基板9にパターンが形成されるごとに、スクレイパ41がステージ3と共に移動して吐出部52の先端に当接して吐出口の周囲に付着した付着物を除去する。その後、スクレイパ41は洗浄機構42へと移動して洗浄される。これにより、パターン形成装置1の吐出部52の付着物を自動的に除去することができ、適切なパターンを基板9に形成することが実現される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にパターンを形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラズマ表示装置や有機EL表示装置に用いられるパネルに隔壁や電極のパターンを形成する方法として、フォトリソグラフィ法(サンドブラスト法とも呼ばれる。)、スクリーン印刷法、リフトオフ法等が知られている。しかしながら、これらの方法は煩雑であり、生産コストを増加させる要因となっている。そこで、近年、微細な吐出口を有する吐出部からペースト状のパターン形成材料を吐出して基板上にパターンを形成する手法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パターン形成材料を吐出する場合、吐出口近傍に誤ってパターン形成材料や異物等が付着すると、吐出状態が不安定になって適切なパターンが形成されない恐れが生じる。特に、多数の互いに近接した吐出口から吐出を行う場合、吐出口の汚れの影響により隣接する吐出口から吐出されたパターン形成材料が互いに付着し合う可能性がある。
【0004】
また、パターン形成装置にて様々な種類の基板の生産が行われる場合、パターン形成材料の種類を変更する必要があり、吐出部内のパターン形成材料を除去するために煩雑なメンテナンス作業を行う必要が生じる。さらに、吐出部を長時間そのまま使用したり、長時間使用しない状態で放置すると、パターン形成材料に含まれるフィラーが吐出部内で部分的に凝集し、吐出口が詰まってしまうことも想定される。
【0005】
本発明は、上記様々な課題に鑑みなされたものであり、吐出口や吐出部内の洗浄、あるいは、他の手法によりパターン形成材料の吐出を適切に維持することを主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部の吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去手段とを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記除去手段が、前記吐出口が形成された面に当接する当接部材を有し、前記当接部材と前記面との間の当接領域が前記面を横切るように前記当接部材が相対移動する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパターン形成装置であって、前記吐出部に複数の吐出口が所定方向に配列形成されており、前記所定方向に対して垂直な方向に前記当接部材が相対移動する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のパターン形成装置であって、前記除去手段が、拭取部材を保持する保持部を有し、前記吐出部を前記拭取部材に対して相対移動させることにより、前記吐出口の周囲の付着物が除去される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン形成装置であって、前記吐出口に防汚剤を付与する防汚剤付与部をさらに備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す第2供給部とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のパターン形成装置であって、前記吐出部に他の流体を供給して前記吐出部から吐出させる第3供給部をさらに備える。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のパターン形成装置であって、前記第3供給部により供給される前記他の流体が溶剤である。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体が気体である。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部による供給と前記第3供給部による供給との間において前記吐出部に水を供給する第4供給部をさらに備える。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体が水である。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体がパターン形成材料に含まれるバインダである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する第2供給部とを備える。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、光開始剤を含有しない。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、フィラーを含有しない。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項13ないし15に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、パターン形成材料のバインダである。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載のパターン形成装置であって、平面表示装置に使用される基板にパターン形成材料が吐出される。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のパターン形成装置であって、パターン形成材料によりプラズマ表示装置用の隔壁が形成される。
【0024】
請求項19に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出工程を繰り返す繰返工程と、一の吐出工程と次の吐出工程との間において前記吐出部に除去部材を当接させつつ前記除去部材を吐出口が形成された面に沿って相対的に移動させることにより、前記吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去工程とを有する。
【0025】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載のパターン形成方法であって、前記除去工程の後に、前記吐出口に防汚剤を付与する工程をさらに有する。
【0026】
請求項21に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す押出工程とを有する。
【0027】
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載のパターン形成方法であって、前記押出工程の後に、前記吐出部に溶剤を供給する工程をさらに有する。
【0028】
請求項23に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する置換工程とを有する。
【0029】
請求項24に記載の発明は、請求項23に記載のパターン形成方法であって、前記他の材料がパターン形成材料のバインダである。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン形成装置1の概略構成を示す図である。パターン形成装置1は、プラズマ表示装置用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上にX方向に伸びる複数の隔壁のパターンを形成する装置であり、隔壁が形成された基板9は他の工程を介してプラズマ表示装置の組立部品であるパネル(通常、リアパネル)となる。
【0031】
パターン形成装置1では、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2により基板9を保持するステージ3が図1中に示すX方向に移動可能とされる。基台11にはステージ3を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッド部5が取り付けられる。
【0032】
ステージ移動機構2は、モータ21にボールねじ22が接続され、さらに、ステージ3に固定されたナット23がボールねじ22に取り付けられた構造となっている。ボールねじ22の上方にはガイドレール24が固定され、モータ21が回転すると、ナット23とともにステージ3がガイドレール24に沿ってX方向に滑らかに移動する。
【0033】
ヘッド部5では、モータ512によりY方向にスライド移動可能なホルダ511がベース51の下面に取り付けられ、基板9上にペースト状のパターン形成材料(例えば、樹脂を主成分とするバインダにガラスのフィラーを混合したもの)を吐出するノズル状の吐出部52、および、基板9に向けて紫外線を照射する光照射部53がホルダ511に着脱自在に取り付けられる。
【0034】
図2は吐出部52の先端側からの様子を示す図である。吐出部52の先端には基板9に向けてパターン形成材料を吐出する微細な複数の吐出口520がY方向に配列して形成されている。各吐出口520の形状および面積は、基板9上に形成される隔壁の形状に合わせて決定され、図2では矩形の吐出口520の例を示している。図1に示すように吐出部52には逆止弁521を有する供給管522が取り付けられ、供給管522は分岐しており、一方がポンプ523に接続され、他方が制御弁524を介してパターン形成材料を貯留するタンク525に接続される。
【0035】
吐出部52に隣接する光照射部53は光ファイバ531を介して紫外線を発生する光源ユニット532に接続され、各吐出口の(−X)側にて基板9に向かって光のスポットを照射する。
【0036】
ステージ3の(−X)側には、吐出部52の吐出口の周囲に付着した不要なパターン形成材料や異物等の付着物の除去(以下、「ノズルクリーニング」という。)を行うためのスクレイパ41が取り付けられ、基台11にはスクレイパ41を洗浄するための洗浄機構42が設けられる。スクレイパ41の形状および洗浄機構42の構造については後述する。
【0037】
モータ21、モータ512、ポンプ523、制御弁524および光源ユニット532は制御部6に接続され、これらの構成が制御部6により制御されることにより、パターン形成装置1による基板9上へのパターン形成が行われる。
【0038】
図3はパターン形成装置1の動作の流れを示す図である。パターン形成装置1に基板9が搬入されると(ステップS11)、吐出部52から基板9に向かってパターン形成材料の吐出が行われる(ステップS12)。
【0039】
吐出部52からのパターン形成材料の吐出は、図1に示す逆止弁521、ポンプ523および制御弁524により行われ、まず、制御部6の制御により制御弁524が開放された状態でポンプ523が吸引動作を行う。このとき、逆止弁521によりパターン形成材料の逆流が阻止されるため、タンク525からポンプ523へとパターン形成材料が引き込まれる。次に、制御弁524が閉じられ、ポンプ523が押出動作を行い、吐出部52から連続的にパターン形成材料が吐出される。
【0040】
パターン形成材料の吐出が行われる際には、制御部6がステージ移動機構2のモータ21を駆動制御し、ステージ3を図1中に2点鎖線にて示す位置から実線にて示す位置へと矢印31にて示す方向に連続的に移動させる。これにより、吐出部52が基板9の主面に沿って相対的に(基板9に対して(+X)方向に向かって)移動する。その結果、図4に示すように吐出部52の複数の吐出口520から吐出されたパターン形成材料91が基板9上に順次付着する。
【0041】
一方、吐出部52の進行方向(基板9に対する相対的な進行方向)の後方に配置されている光照射部53が吐出部52とともに基板9に対して相対的に移動しつつ紫外線を出射する。これにより、吐出直後の基板9上のパターン形成材料91に順次紫外線が照射される。パターン形成材料には紫外線により硬化(架橋反応)が開始する光開始剤が添加されており、光照射部53の通過によりパターン形成材料の硬化が順次行われ、吐出後のパターン形成材料の形状が時間とともにくずれてしまうことが防止される。
【0042】
吐出部52の吐出口の配列の長さはY方向に関して基板9上の一部を覆う長さとなっており、基板9が吐出部52に対して1回移動すると基板9上の一部のみにパターン形成材料によるパターンが形成される。その後、図1に示すヘッド部5のモータ512が吐出部52および光照射部53をY方向に移動し、パターン形成材料の吐出動作が繰り返される(ステップS13)。やがて、基板9の主面全体にX方向に伸びる多数の隔壁パターンが形成されると、パターン形成装置1から基板9が搬出される(ステップS14)。
【0043】
基板9の搬出と並行して、パターン形成装置1では吐出部52に対する前回のノズルクリーニングから所定枚数の基板9の処理が行われたか否かが確認され(ステップS15)、所定枚数の基板9の処理が行われた場合には、次の基板9の搬入までにノズルクリーニングが実行される(ステップS16)。
【0044】
図5はノズルクリーニングとして吐出口の周囲に付着した付着物の除去が行われる際のパターン形成装置1の動作の流れを示す図であり、図6ないし図10はノズルクリーニング時のパターン形成装置1の様子を示す図である。
【0045】
ノズルクリーニングでは、まず、ステージ3がヘッド部5よりも(+X)側に位置するように移動する。吐出部52はステージ3に向かって(−X)側に傾斜しており、ステージ3の移動により図6に示すようにステージ3の(−X)側に設けられたスクレイパ41の先端が吐出部52の先端面の上部に当接する。なお、スクレイパ41の高さは予め昇降機構411により調整されている。また、スクレイパ41近傍には後述する防汚剤付与機構43が配置される。
【0046】
スクレイパ41は吐出部52の吐出口の配列に沿って、Y方向に長い弾性体となっており、ステージ3がさらに(+X)方向(すなわち、吐出口の配列方向に垂直な方向)に移動すると、図7に示すようにスクレイパ41の先端が下方に撓みつつ吐出部52の先端面に沿って移動する。これにより、スクレイパ41と吐出部52の先端面との間の当接している領域が先端面を横切るように(すなわち、各吐出口を横切るように)相対的に移動し、各吐出口からはみ出ていたり、吐出口の周囲に付着している不要な付着物が一括してスクレイパ41により剥ぎ取られる(ステップS161)。
【0047】
その後、図8に示すようにスクレイパ41は昇降機構411により下降し、ステージ3が若干(−X)側へと移動して防汚剤付与機構43が吐出部52の真下に位置し、図9に示すように防汚剤付与機構43の昇降部431が容器432を上昇させる。容器432内には吐出部52の先端の汚れを抑制するためのフッ素系樹脂等の成分を含む防汚剤94が貯留されており、容器432の上昇により、吐出部52の先端が防汚剤94に浸される(ステップS162)。なお、図9では容器432内の様子が分かるように図示している。
【0048】
吐出部52の先端に防汚剤94が付与されると、容器432が下降し、別途設けられた送風機構により吐出部52の乾燥が行われる(ステップS163)。防汚剤94の付与により、以後の吐出動作における吐出口近傍の汚れを抑制することができ、ノズルクリーニングを行う頻度を削減することができる。
【0049】
次に、ステージ3が最も(−X)側へと移動して図10(図1参照)に示すようにスクレイパ41が洗浄機構42内へと導かれる。洗浄機構42にはモータにより回転する回転ブラシ421が設けられており、スクレイパ41は適宜洗浄液が付与されつつ回転ブラシ421により洗浄される(ステップS164)。回転ブラシ421の回転は制御部6により、または、ステージ3の移動に応じたスイッチングにより制御される。
【0050】
以上のように、パターン形成装置1では吐出部52の先端に付着した不要な付着物がスクレイパ41により除去されるため、基板9上に適切なパターンを形成することができる。また、繰り返し実行される吐出工程の間で(基板9の入替時以外であってもよい。)スクレイパ41による付着物の除去およびスクレイパ41の洗浄が自動的に行われるため、基板9(すなわち、パネル)の生産ラインを停止することなく、いわゆる、インラインにてノズルクリーニングを実施することができる。その結果、生産性を低下させることなく品質のよいパターン形成が実現され、歩留まりが向上される。
【0051】
図11は洗浄機構42aにより吐出部52の洗浄を直接行う例を示す図である。図11に示す洗浄機構42aは2つのローラ422,423を有し、ローラ422に巻きつきられるようにして保持されるテープ状の拭取シート95がローラ423へと巻き取られる。拭取シート95はパターン形成材料用の溶剤を染みこませた緻密な繊維にて形成されており(繊維を織り込んだ布であっても不織布であってもよい。)、幅が吐出部52の先端面のY方向の幅よりも大きなものとなっている。
【0052】
図11に示すようにステージ3が(+X)側へと移動すると吐出部52の先端がローラ422の拭取シート95に当接し、ローラ423による拭取シート95の巻き取りが行われることにより拭取シート95が吐出部52の先端面に対して相対的に移動し、付着物の除去が行われる。このような洗浄が定期的に行われることにより、吐出部52からのパターン形成材料の吐出が常に適正となるように維持される。
【0053】
図12は第2の実施の形態に係るパターン形成装置1のヘッド部5に接続された各種構成を示す図である。パターン形成装置1の他の構成は第1の実施の形態と同様である(以下の実施の形態においても同様。)。第2の実施の形態に係るパターン形成装置1では、吐出部52に浄化されたエアを供給するポンプ711、並びに、タンク722に貯留されている溶剤を供給するポンプ721がさらに接続される。ポンプ711,721はパターン形成装置1にてパターンが形成される基板9の種類が変更される際に、すなわち、パターン形成装置1を含む生産ラインにて生産されるパネルの品種が切り替えられる際に用いられる。
【0054】
図13は品種切替の流れの概略を示す図である。先行して処理される複数の基板(以下、「第1基板」という。)9へのパターン形成が全て終了すると(ステップS21)、パターン形成装置1では、吐出部52内のパターン形成材料を他のものへ切り替えるための洗浄等の品種切替作業が行われる(ステップS3)。その後、後続して処理される複数の基板(以下、「第2基板」という。)9用のパターン形成材料が吐出部52に供給され(ステップS22)、第2基板9の搬入、パターン形成および搬出が繰り返される(ステップS23)。
【0055】
図14は品種切替におけるパターン形成装置1の動作の流れを示す図である。なお、ステージ3の下方には吐出部52と対向する容器(図示省略)が配置され、品種切替の作業が行われる際にはステージ3が吐出部52から待避し、以下に説明するように吐出口からパターン形成材料や溶剤が容器に向けて吐出される。
【0056】
品種切替では、まず、ポンプ711により吐出部52に圧縮エアが供給され(ステップS311)、吐出部52内の大部分のパターン形成材料がエアにより押し出されるようにして吐出口から吐出される。次に、ポンプ721が作動し、タンク722から有機溶剤が吐出部52に供給される(ステップS312)。これにより、吐出部52内に残留するパターン形成材料が取り除かれる。その後、吐出部52にエアが供給されることにより(放置されるのみでもよい。)、吐出部52内の乾燥が行われる(ステップS313)。
【0057】
吐出部52内の洗浄が完了すると、吐出部52に接続されるパターン形成材料用の供給管が付け替えられ(あるいは、予め吐出部52に取り付けられている供給管の弁が開かれる。)、後続の第2基板9用のパターン形成材料が吐出部52に供給されてパターンの形成が行われる(図13:ステップS22,S23)。
【0058】
以上の処理により、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料が供給されても、前の処理に用いたパターン形成材料と混ざってしまうことが防止され、適切なパターン形成が可能となる。
【0059】
図15は第3の実施の形態に係るパターン形成装置1において、ヘッド部5に接続された各種構成を示す図である。第3の実施の形態に係るパターン形成装置1では、第2の実施の形態に係るパターン形成装置1の吐出部52にタンク732に貯留されている水を供給するポンプ731がさらに接続される。そして、品種切替の際にポンプ711,721,731が制御される。
【0060】
図16は第3の実施の形態におけるパターン形成装置1の品種切替動作の流れを示す図である。まず、ポンプ731により吐出部52に水が供給され(ステップS321)、吐出部52内の大部分のパターン形成材料が水に押し出されるようにして吐出口から吐出される。なお、水に代えてパターン形成材料に含まれるバインダが吐出部52に供給されてもよく、バインダの粘度が比較的高い場合には、パターン形成材料用のポンプ523およびタンク525による供給機構と同様の機構がポンプ731およびタンク732に採用されてもよい。
【0061】
次に、ポンプ721が作動し、タンク722から有機溶剤が吐出部52に供給され(ステップS322)、吐出部52内に残留するパターン形成材料が取り除かれる。その後、ポンプ711により吐出部52にエアが供給され(放置されるのみでもよい。)、吐出部52内の乾燥が行われる(ステップS323)。
【0062】
以上のように、第3の実施の形態では水またはバインダを用いて吐出部52内のパターン形成材料が除去される。これにより、パターン形成材料の粘度が高い場合であってもパターン形成材料の除去を適切に行うことができる。
【0063】
図17は図15に示すパターン形成装置1の品種切替の他の動作の流れを示す図である。図17に示す動作では、まず、ポンプ711によりエアが吐出部52に供給されて吐出部52内のパターン形成材料の除去が行われ(ステップS331)、次に、ポンプ721により水またはバインダが吐出部52に供給されて吐出部52内のパターン形成材料の除去がさらに行われる(ステップS332)。その後、ポンプ731による溶剤の供給および乾燥が行われることにより吐出部52内のパターン形成材料が完全に除去される(ステップS333,S334)。
【0064】
以上のように第2および第3の実施の形態に係るパターン形成装置1では、品種切替の際の吐出部52内の洗浄を自動的に行うことができ、多品種の基板9に対するパターン形成を効率よく行うことが実現される。
【0065】
図18は第4の実施の形態に係るパターン形成装置1の品種切替を含む動作の流れの概要を示す図である。第4の実施の形態に係るパターン形成装置1のヘッド部5は図15と同様となっており、タンク732にはパターン形成材料のバインダ(すなわち、フィラーを含まない樹脂ペースト)が貯留される。なお、ポンプ731とタンク732との接続は、ポンプ523とタンク525と同様の構造とされてもよい。
【0066】
第4の実施の形態に係るパターン形成装置1では、複数の第1基板9に対するパターン形成が終了すると(ステップS21)、ポンプ731により吐出部52にバインダが供給され(ステップS3a)、吐出部52内のパターン形成材料がバインダに置換される。その後、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料が供給され、パターンの形成が行われる(ステップS22,S23)。すなわち、第2および第3の実施の形態に例示した吐出部52内の洗浄を行うことなくパターン形成材料とバインダとを置換することにより、吐出部52内のパターン形成材料の除去が行われる。なお、後続の基板9に付与されるパターン形成材料に影響を与えない材料であれば他の材料が用いられてもよく、他の材料としてはフィラーを含有しないものが好ましい。
【0067】
このような動作は、主として第2基板9用のパターン形成材料に多少のバインダが混入しても問題が生じない場合の品種切替時に行われる。また、パターン形成材料を長時間使用しない場合にも、吐出部52にバインダが入ったままの状態で放置することにより、吐出部52内に塵埃が進入することを防止することができる。
【0068】
図18に示す動作により、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料を導入するための作業が簡素化され、基板9(パネル)の生産コストの低減を図ることができる。なお、品種切替時に図18に示す動作のみが行われる場合は、図15に示す構成からポンプ711,721やタンク722等が省略されてよい。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0070】
第1の実施の形態ではスクレイパ41は単独で移動可能とされてもよい。なお、吐出口に対してスクレイパ41の移動開始側よりも移動終了側の方がパターン形成材料が僅かに残る可能性がある点を考慮すると、万一、移動終了側にて吐出異常が生じたとしても形成されるパターンの下側(基板9側)が移動終了側に対応していることが好ましい。
【0071】
吐出部52の先端面の付着物の除去は、第1の実施の形態に示した手法に限定されず、例えば、往復移動するブラシ、溶剤の吹き付け等により行われてもよい。また、洗浄機構42,42aには適宜、除去物を吹き飛ばしたり吸引したりする構成が追加されてよい。
【0072】
防汚剤の吐出部52への付与は、薄めたものを噴霧したり、布を用いて塗布する等の他の手法により、例えば、数千オングストローム程度の厚みで付与されてもよい。
【0073】
第2および第3の実施の形態では、吐出部52内のパターン形成材料を除去するために、エア、水もしくはバインダ、または、溶剤が適宜用いられ、エアや水の使用はコスト上有利であり、バインダは後で供給されるパターン形成材料に混ざっても影響が少ないという利点を有し、溶剤は吐出部52内を適切に洗浄できるという特徴を有している。もちろん、これらの流体に代えて他の流体を用いることも可能であり、例えば、エアに代えて窒素ガス等の他の気体が用いられてもよく、水やバインダに代えて他の流体が用いられてもよい。
【0074】
パターン形成材料の置換やエア等による押し出しに問題が生じないのであるならば、バインダに代えてフィラーおよびバインダを有するペーストが吐出部52に供給されてもよい。この場合もペーストの経時変化を防ぐために光開始剤を含有しないものが使用されることが好ましい。経時変化しにくく後続の基板9に付与されるパターン形成材料と混ざっても影響が少ないペーストであればどのようなものでも利用することができる。
【0075】
第2および第3の実施の形態における作業は、品種切替以外に吐出部52の先端のノズルの交換、吐出部52のメンテナンス等の際に実施されてもよい。
【0076】
パターン形成装置1は、有機EL表示装置や液晶表示装置等の他の種類の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)における隔壁や配線等のパターンの形成に利用されてもよい。さらには、他の種類の配線基板における配線形成に利用されてもよい。形成されるパターンの種類によっては吐出部52の吐出口の数が1つとされてもよい。吐出部52の基板9に対する移動も相対的なものであればよく、例えば、基板9または吐出部52がXおよびY方向に移動可能とされてもよい。
【0077】
【発明の効果】
請求項1ないし5、並びに、請求項19および20の発明では、吐出口の周囲に付着した付着物を除去することにより、基板上にパターンを適切に形成することができる。また、請求項5および20の発明では、付着物の除去の頻度を削減することができる。
【0078】
請求項6ないし16、並びに、請求項21ないし24の発明では、吐出部から吐出されるパターン形成材料の種類を適切に切り替えることができる。特に、請求項13ないし16、並びに、請求項23および24の発明では、基板の生産コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】吐出部の先端側からの様子を示す図である。
【図3】パターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図4】吐出口からパターン形成材料が吐出される様子を示す図である。
【図5】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図6】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図7】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図8】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図9】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図10】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図11】吐出部の洗浄を直接行う例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係るパターン形成装置のヘッド部に接続された各種構成を示す図である。
【図13】品種切替の流れの概略を示す図である。
【図14】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図15】第3の実施の形態に係るパターン形成装置のヘッド部に接続された各種構成を示す図である。
【図16】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図17】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れの他の例を示す図である。
【図18】第4の実施の形態におけるパターン形成装置の品種切替を含む動作の流れの概要を示す図である。
【符号の説明】
1 パターン形成装置
2 ステージ移動機構
9 基板
41 スクレイパ
42a 洗浄機構
43 防汚剤付与機構
52 吐出部
94 防汚剤
95 拭取シート
422 ローラ
520 吐出口
523 ポンプ
525 タンク
711,721,731 ポンプ
722,732 タンク
S3a,S12,S13,S21,S161,S164,S311,S321,S331 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にパターンを形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラズマ表示装置や有機EL表示装置に用いられるパネルに隔壁や電極のパターンを形成する方法として、フォトリソグラフィ法(サンドブラスト法とも呼ばれる。)、スクリーン印刷法、リフトオフ法等が知られている。しかしながら、これらの方法は煩雑であり、生産コストを増加させる要因となっている。そこで、近年、微細な吐出口を有する吐出部からペースト状のパターン形成材料を吐出して基板上にパターンを形成する手法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パターン形成材料を吐出する場合、吐出口近傍に誤ってパターン形成材料や異物等が付着すると、吐出状態が不安定になって適切なパターンが形成されない恐れが生じる。特に、多数の互いに近接した吐出口から吐出を行う場合、吐出口の汚れの影響により隣接する吐出口から吐出されたパターン形成材料が互いに付着し合う可能性がある。
【0004】
また、パターン形成装置にて様々な種類の基板の生産が行われる場合、パターン形成材料の種類を変更する必要があり、吐出部内のパターン形成材料を除去するために煩雑なメンテナンス作業を行う必要が生じる。さらに、吐出部を長時間そのまま使用したり、長時間使用しない状態で放置すると、パターン形成材料に含まれるフィラーが吐出部内で部分的に凝集し、吐出口が詰まってしまうことも想定される。
【0005】
本発明は、上記様々な課題に鑑みなされたものであり、吐出口や吐出部内の洗浄、あるいは、他の手法によりパターン形成材料の吐出を適切に維持することを主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部の吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去手段とを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記除去手段が、前記吐出口が形成された面に当接する当接部材を有し、前記当接部材と前記面との間の当接領域が前記面を横切るように前記当接部材が相対移動する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパターン形成装置であって、前記吐出部に複数の吐出口が所定方向に配列形成されており、前記所定方向に対して垂直な方向に前記当接部材が相対移動する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のパターン形成装置であって、前記除去手段が、拭取部材を保持する保持部を有し、前記吐出部を前記拭取部材に対して相対移動させることにより、前記吐出口の周囲の付着物が除去される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン形成装置であって、前記吐出口に防汚剤を付与する防汚剤付与部をさらに備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す第2供給部とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のパターン形成装置であって、前記吐出部に他の流体を供給して前記吐出部から吐出させる第3供給部をさらに備える。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のパターン形成装置であって、前記第3供給部により供給される前記他の流体が溶剤である。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体が気体である。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部による供給と前記第3供給部による供給との間において前記吐出部に水を供給する第4供給部をさらに備える。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体が水である。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される流体がパターン形成材料に含まれるバインダである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する第2供給部とを備える。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、光開始剤を含有しない。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、フィラーを含有しない。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項13ないし15に記載のパターン形成装置であって、前記第2供給部により供給される他の材料が、パターン形成材料のバインダである。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載のパターン形成装置であって、平面表示装置に使用される基板にパターン形成材料が吐出される。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のパターン形成装置であって、パターン形成材料によりプラズマ表示装置用の隔壁が形成される。
【0024】
請求項19に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出工程を繰り返す繰返工程と、一の吐出工程と次の吐出工程との間において前記吐出部に除去部材を当接させつつ前記除去部材を吐出口が形成された面に沿って相対的に移動させることにより、前記吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去工程とを有する。
【0025】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載のパターン形成方法であって、前記除去工程の後に、前記吐出口に防汚剤を付与する工程をさらに有する。
【0026】
請求項21に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す押出工程とを有する。
【0027】
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載のパターン形成方法であって、前記押出工程の後に、前記吐出部に溶剤を供給する工程をさらに有する。
【0028】
請求項23に記載の発明は、基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する置換工程とを有する。
【0029】
請求項24に記載の発明は、請求項23に記載のパターン形成方法であって、前記他の材料がパターン形成材料のバインダである。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン形成装置1の概略構成を示す図である。パターン形成装置1は、プラズマ表示装置用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上にX方向に伸びる複数の隔壁のパターンを形成する装置であり、隔壁が形成された基板9は他の工程を介してプラズマ表示装置の組立部品であるパネル(通常、リアパネル)となる。
【0031】
パターン形成装置1では、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2により基板9を保持するステージ3が図1中に示すX方向に移動可能とされる。基台11にはステージ3を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッド部5が取り付けられる。
【0032】
ステージ移動機構2は、モータ21にボールねじ22が接続され、さらに、ステージ3に固定されたナット23がボールねじ22に取り付けられた構造となっている。ボールねじ22の上方にはガイドレール24が固定され、モータ21が回転すると、ナット23とともにステージ3がガイドレール24に沿ってX方向に滑らかに移動する。
【0033】
ヘッド部5では、モータ512によりY方向にスライド移動可能なホルダ511がベース51の下面に取り付けられ、基板9上にペースト状のパターン形成材料(例えば、樹脂を主成分とするバインダにガラスのフィラーを混合したもの)を吐出するノズル状の吐出部52、および、基板9に向けて紫外線を照射する光照射部53がホルダ511に着脱自在に取り付けられる。
【0034】
図2は吐出部52の先端側からの様子を示す図である。吐出部52の先端には基板9に向けてパターン形成材料を吐出する微細な複数の吐出口520がY方向に配列して形成されている。各吐出口520の形状および面積は、基板9上に形成される隔壁の形状に合わせて決定され、図2では矩形の吐出口520の例を示している。図1に示すように吐出部52には逆止弁521を有する供給管522が取り付けられ、供給管522は分岐しており、一方がポンプ523に接続され、他方が制御弁524を介してパターン形成材料を貯留するタンク525に接続される。
【0035】
吐出部52に隣接する光照射部53は光ファイバ531を介して紫外線を発生する光源ユニット532に接続され、各吐出口の(−X)側にて基板9に向かって光のスポットを照射する。
【0036】
ステージ3の(−X)側には、吐出部52の吐出口の周囲に付着した不要なパターン形成材料や異物等の付着物の除去(以下、「ノズルクリーニング」という。)を行うためのスクレイパ41が取り付けられ、基台11にはスクレイパ41を洗浄するための洗浄機構42が設けられる。スクレイパ41の形状および洗浄機構42の構造については後述する。
【0037】
モータ21、モータ512、ポンプ523、制御弁524および光源ユニット532は制御部6に接続され、これらの構成が制御部6により制御されることにより、パターン形成装置1による基板9上へのパターン形成が行われる。
【0038】
図3はパターン形成装置1の動作の流れを示す図である。パターン形成装置1に基板9が搬入されると(ステップS11)、吐出部52から基板9に向かってパターン形成材料の吐出が行われる(ステップS12)。
【0039】
吐出部52からのパターン形成材料の吐出は、図1に示す逆止弁521、ポンプ523および制御弁524により行われ、まず、制御部6の制御により制御弁524が開放された状態でポンプ523が吸引動作を行う。このとき、逆止弁521によりパターン形成材料の逆流が阻止されるため、タンク525からポンプ523へとパターン形成材料が引き込まれる。次に、制御弁524が閉じられ、ポンプ523が押出動作を行い、吐出部52から連続的にパターン形成材料が吐出される。
【0040】
パターン形成材料の吐出が行われる際には、制御部6がステージ移動機構2のモータ21を駆動制御し、ステージ3を図1中に2点鎖線にて示す位置から実線にて示す位置へと矢印31にて示す方向に連続的に移動させる。これにより、吐出部52が基板9の主面に沿って相対的に(基板9に対して(+X)方向に向かって)移動する。その結果、図4に示すように吐出部52の複数の吐出口520から吐出されたパターン形成材料91が基板9上に順次付着する。
【0041】
一方、吐出部52の進行方向(基板9に対する相対的な進行方向)の後方に配置されている光照射部53が吐出部52とともに基板9に対して相対的に移動しつつ紫外線を出射する。これにより、吐出直後の基板9上のパターン形成材料91に順次紫外線が照射される。パターン形成材料には紫外線により硬化(架橋反応)が開始する光開始剤が添加されており、光照射部53の通過によりパターン形成材料の硬化が順次行われ、吐出後のパターン形成材料の形状が時間とともにくずれてしまうことが防止される。
【0042】
吐出部52の吐出口の配列の長さはY方向に関して基板9上の一部を覆う長さとなっており、基板9が吐出部52に対して1回移動すると基板9上の一部のみにパターン形成材料によるパターンが形成される。その後、図1に示すヘッド部5のモータ512が吐出部52および光照射部53をY方向に移動し、パターン形成材料の吐出動作が繰り返される(ステップS13)。やがて、基板9の主面全体にX方向に伸びる多数の隔壁パターンが形成されると、パターン形成装置1から基板9が搬出される(ステップS14)。
【0043】
基板9の搬出と並行して、パターン形成装置1では吐出部52に対する前回のノズルクリーニングから所定枚数の基板9の処理が行われたか否かが確認され(ステップS15)、所定枚数の基板9の処理が行われた場合には、次の基板9の搬入までにノズルクリーニングが実行される(ステップS16)。
【0044】
図5はノズルクリーニングとして吐出口の周囲に付着した付着物の除去が行われる際のパターン形成装置1の動作の流れを示す図であり、図6ないし図10はノズルクリーニング時のパターン形成装置1の様子を示す図である。
【0045】
ノズルクリーニングでは、まず、ステージ3がヘッド部5よりも(+X)側に位置するように移動する。吐出部52はステージ3に向かって(−X)側に傾斜しており、ステージ3の移動により図6に示すようにステージ3の(−X)側に設けられたスクレイパ41の先端が吐出部52の先端面の上部に当接する。なお、スクレイパ41の高さは予め昇降機構411により調整されている。また、スクレイパ41近傍には後述する防汚剤付与機構43が配置される。
【0046】
スクレイパ41は吐出部52の吐出口の配列に沿って、Y方向に長い弾性体となっており、ステージ3がさらに(+X)方向(すなわち、吐出口の配列方向に垂直な方向)に移動すると、図7に示すようにスクレイパ41の先端が下方に撓みつつ吐出部52の先端面に沿って移動する。これにより、スクレイパ41と吐出部52の先端面との間の当接している領域が先端面を横切るように(すなわち、各吐出口を横切るように)相対的に移動し、各吐出口からはみ出ていたり、吐出口の周囲に付着している不要な付着物が一括してスクレイパ41により剥ぎ取られる(ステップS161)。
【0047】
その後、図8に示すようにスクレイパ41は昇降機構411により下降し、ステージ3が若干(−X)側へと移動して防汚剤付与機構43が吐出部52の真下に位置し、図9に示すように防汚剤付与機構43の昇降部431が容器432を上昇させる。容器432内には吐出部52の先端の汚れを抑制するためのフッ素系樹脂等の成分を含む防汚剤94が貯留されており、容器432の上昇により、吐出部52の先端が防汚剤94に浸される(ステップS162)。なお、図9では容器432内の様子が分かるように図示している。
【0048】
吐出部52の先端に防汚剤94が付与されると、容器432が下降し、別途設けられた送風機構により吐出部52の乾燥が行われる(ステップS163)。防汚剤94の付与により、以後の吐出動作における吐出口近傍の汚れを抑制することができ、ノズルクリーニングを行う頻度を削減することができる。
【0049】
次に、ステージ3が最も(−X)側へと移動して図10(図1参照)に示すようにスクレイパ41が洗浄機構42内へと導かれる。洗浄機構42にはモータにより回転する回転ブラシ421が設けられており、スクレイパ41は適宜洗浄液が付与されつつ回転ブラシ421により洗浄される(ステップS164)。回転ブラシ421の回転は制御部6により、または、ステージ3の移動に応じたスイッチングにより制御される。
【0050】
以上のように、パターン形成装置1では吐出部52の先端に付着した不要な付着物がスクレイパ41により除去されるため、基板9上に適切なパターンを形成することができる。また、繰り返し実行される吐出工程の間で(基板9の入替時以外であってもよい。)スクレイパ41による付着物の除去およびスクレイパ41の洗浄が自動的に行われるため、基板9(すなわち、パネル)の生産ラインを停止することなく、いわゆる、インラインにてノズルクリーニングを実施することができる。その結果、生産性を低下させることなく品質のよいパターン形成が実現され、歩留まりが向上される。
【0051】
図11は洗浄機構42aにより吐出部52の洗浄を直接行う例を示す図である。図11に示す洗浄機構42aは2つのローラ422,423を有し、ローラ422に巻きつきられるようにして保持されるテープ状の拭取シート95がローラ423へと巻き取られる。拭取シート95はパターン形成材料用の溶剤を染みこませた緻密な繊維にて形成されており(繊維を織り込んだ布であっても不織布であってもよい。)、幅が吐出部52の先端面のY方向の幅よりも大きなものとなっている。
【0052】
図11に示すようにステージ3が(+X)側へと移動すると吐出部52の先端がローラ422の拭取シート95に当接し、ローラ423による拭取シート95の巻き取りが行われることにより拭取シート95が吐出部52の先端面に対して相対的に移動し、付着物の除去が行われる。このような洗浄が定期的に行われることにより、吐出部52からのパターン形成材料の吐出が常に適正となるように維持される。
【0053】
図12は第2の実施の形態に係るパターン形成装置1のヘッド部5に接続された各種構成を示す図である。パターン形成装置1の他の構成は第1の実施の形態と同様である(以下の実施の形態においても同様。)。第2の実施の形態に係るパターン形成装置1では、吐出部52に浄化されたエアを供給するポンプ711、並びに、タンク722に貯留されている溶剤を供給するポンプ721がさらに接続される。ポンプ711,721はパターン形成装置1にてパターンが形成される基板9の種類が変更される際に、すなわち、パターン形成装置1を含む生産ラインにて生産されるパネルの品種が切り替えられる際に用いられる。
【0054】
図13は品種切替の流れの概略を示す図である。先行して処理される複数の基板(以下、「第1基板」という。)9へのパターン形成が全て終了すると(ステップS21)、パターン形成装置1では、吐出部52内のパターン形成材料を他のものへ切り替えるための洗浄等の品種切替作業が行われる(ステップS3)。その後、後続して処理される複数の基板(以下、「第2基板」という。)9用のパターン形成材料が吐出部52に供給され(ステップS22)、第2基板9の搬入、パターン形成および搬出が繰り返される(ステップS23)。
【0055】
図14は品種切替におけるパターン形成装置1の動作の流れを示す図である。なお、ステージ3の下方には吐出部52と対向する容器(図示省略)が配置され、品種切替の作業が行われる際にはステージ3が吐出部52から待避し、以下に説明するように吐出口からパターン形成材料や溶剤が容器に向けて吐出される。
【0056】
品種切替では、まず、ポンプ711により吐出部52に圧縮エアが供給され(ステップS311)、吐出部52内の大部分のパターン形成材料がエアにより押し出されるようにして吐出口から吐出される。次に、ポンプ721が作動し、タンク722から有機溶剤が吐出部52に供給される(ステップS312)。これにより、吐出部52内に残留するパターン形成材料が取り除かれる。その後、吐出部52にエアが供給されることにより(放置されるのみでもよい。)、吐出部52内の乾燥が行われる(ステップS313)。
【0057】
吐出部52内の洗浄が完了すると、吐出部52に接続されるパターン形成材料用の供給管が付け替えられ(あるいは、予め吐出部52に取り付けられている供給管の弁が開かれる。)、後続の第2基板9用のパターン形成材料が吐出部52に供給されてパターンの形成が行われる(図13:ステップS22,S23)。
【0058】
以上の処理により、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料が供給されても、前の処理に用いたパターン形成材料と混ざってしまうことが防止され、適切なパターン形成が可能となる。
【0059】
図15は第3の実施の形態に係るパターン形成装置1において、ヘッド部5に接続された各種構成を示す図である。第3の実施の形態に係るパターン形成装置1では、第2の実施の形態に係るパターン形成装置1の吐出部52にタンク732に貯留されている水を供給するポンプ731がさらに接続される。そして、品種切替の際にポンプ711,721,731が制御される。
【0060】
図16は第3の実施の形態におけるパターン形成装置1の品種切替動作の流れを示す図である。まず、ポンプ731により吐出部52に水が供給され(ステップS321)、吐出部52内の大部分のパターン形成材料が水に押し出されるようにして吐出口から吐出される。なお、水に代えてパターン形成材料に含まれるバインダが吐出部52に供給されてもよく、バインダの粘度が比較的高い場合には、パターン形成材料用のポンプ523およびタンク525による供給機構と同様の機構がポンプ731およびタンク732に採用されてもよい。
【0061】
次に、ポンプ721が作動し、タンク722から有機溶剤が吐出部52に供給され(ステップS322)、吐出部52内に残留するパターン形成材料が取り除かれる。その後、ポンプ711により吐出部52にエアが供給され(放置されるのみでもよい。)、吐出部52内の乾燥が行われる(ステップS323)。
【0062】
以上のように、第3の実施の形態では水またはバインダを用いて吐出部52内のパターン形成材料が除去される。これにより、パターン形成材料の粘度が高い場合であってもパターン形成材料の除去を適切に行うことができる。
【0063】
図17は図15に示すパターン形成装置1の品種切替の他の動作の流れを示す図である。図17に示す動作では、まず、ポンプ711によりエアが吐出部52に供給されて吐出部52内のパターン形成材料の除去が行われ(ステップS331)、次に、ポンプ721により水またはバインダが吐出部52に供給されて吐出部52内のパターン形成材料の除去がさらに行われる(ステップS332)。その後、ポンプ731による溶剤の供給および乾燥が行われることにより吐出部52内のパターン形成材料が完全に除去される(ステップS333,S334)。
【0064】
以上のように第2および第3の実施の形態に係るパターン形成装置1では、品種切替の際の吐出部52内の洗浄を自動的に行うことができ、多品種の基板9に対するパターン形成を効率よく行うことが実現される。
【0065】
図18は第4の実施の形態に係るパターン形成装置1の品種切替を含む動作の流れの概要を示す図である。第4の実施の形態に係るパターン形成装置1のヘッド部5は図15と同様となっており、タンク732にはパターン形成材料のバインダ(すなわち、フィラーを含まない樹脂ペースト)が貯留される。なお、ポンプ731とタンク732との接続は、ポンプ523とタンク525と同様の構造とされてもよい。
【0066】
第4の実施の形態に係るパターン形成装置1では、複数の第1基板9に対するパターン形成が終了すると(ステップS21)、ポンプ731により吐出部52にバインダが供給され(ステップS3a)、吐出部52内のパターン形成材料がバインダに置換される。その後、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料が供給され、パターンの形成が行われる(ステップS22,S23)。すなわち、第2および第3の実施の形態に例示した吐出部52内の洗浄を行うことなくパターン形成材料とバインダとを置換することにより、吐出部52内のパターン形成材料の除去が行われる。なお、後続の基板9に付与されるパターン形成材料に影響を与えない材料であれば他の材料が用いられてもよく、他の材料としてはフィラーを含有しないものが好ましい。
【0067】
このような動作は、主として第2基板9用のパターン形成材料に多少のバインダが混入しても問題が生じない場合の品種切替時に行われる。また、パターン形成材料を長時間使用しない場合にも、吐出部52にバインダが入ったままの状態で放置することにより、吐出部52内に塵埃が進入することを防止することができる。
【0068】
図18に示す動作により、吐出部52に第2基板9用のパターン形成材料を導入するための作業が簡素化され、基板9(パネル)の生産コストの低減を図ることができる。なお、品種切替時に図18に示す動作のみが行われる場合は、図15に示す構成からポンプ711,721やタンク722等が省略されてよい。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0070】
第1の実施の形態ではスクレイパ41は単独で移動可能とされてもよい。なお、吐出口に対してスクレイパ41の移動開始側よりも移動終了側の方がパターン形成材料が僅かに残る可能性がある点を考慮すると、万一、移動終了側にて吐出異常が生じたとしても形成されるパターンの下側(基板9側)が移動終了側に対応していることが好ましい。
【0071】
吐出部52の先端面の付着物の除去は、第1の実施の形態に示した手法に限定されず、例えば、往復移動するブラシ、溶剤の吹き付け等により行われてもよい。また、洗浄機構42,42aには適宜、除去物を吹き飛ばしたり吸引したりする構成が追加されてよい。
【0072】
防汚剤の吐出部52への付与は、薄めたものを噴霧したり、布を用いて塗布する等の他の手法により、例えば、数千オングストローム程度の厚みで付与されてもよい。
【0073】
第2および第3の実施の形態では、吐出部52内のパターン形成材料を除去するために、エア、水もしくはバインダ、または、溶剤が適宜用いられ、エアや水の使用はコスト上有利であり、バインダは後で供給されるパターン形成材料に混ざっても影響が少ないという利点を有し、溶剤は吐出部52内を適切に洗浄できるという特徴を有している。もちろん、これらの流体に代えて他の流体を用いることも可能であり、例えば、エアに代えて窒素ガス等の他の気体が用いられてもよく、水やバインダに代えて他の流体が用いられてもよい。
【0074】
パターン形成材料の置換やエア等による押し出しに問題が生じないのであるならば、バインダに代えてフィラーおよびバインダを有するペーストが吐出部52に供給されてもよい。この場合もペーストの経時変化を防ぐために光開始剤を含有しないものが使用されることが好ましい。経時変化しにくく後続の基板9に付与されるパターン形成材料と混ざっても影響が少ないペーストであればどのようなものでも利用することができる。
【0075】
第2および第3の実施の形態における作業は、品種切替以外に吐出部52の先端のノズルの交換、吐出部52のメンテナンス等の際に実施されてもよい。
【0076】
パターン形成装置1は、有機EL表示装置や液晶表示装置等の他の種類の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)における隔壁や配線等のパターンの形成に利用されてもよい。さらには、他の種類の配線基板における配線形成に利用されてもよい。形成されるパターンの種類によっては吐出部52の吐出口の数が1つとされてもよい。吐出部52の基板9に対する移動も相対的なものであればよく、例えば、基板9または吐出部52がXおよびY方向に移動可能とされてもよい。
【0077】
【発明の効果】
請求項1ないし5、並びに、請求項19および20の発明では、吐出口の周囲に付着した付着物を除去することにより、基板上にパターンを適切に形成することができる。また、請求項5および20の発明では、付着物の除去の頻度を削減することができる。
【0078】
請求項6ないし16、並びに、請求項21ないし24の発明では、吐出部から吐出されるパターン形成材料の種類を適切に切り替えることができる。特に、請求項13ないし16、並びに、請求項23および24の発明では、基板の生産コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】吐出部の先端側からの様子を示す図である。
【図3】パターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図4】吐出口からパターン形成材料が吐出される様子を示す図である。
【図5】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図6】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図7】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図8】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図9】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図10】ノズルクリーニング時のパターン形成装置の様子を示す図である。
【図11】吐出部の洗浄を直接行う例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係るパターン形成装置のヘッド部に接続された各種構成を示す図である。
【図13】品種切替の流れの概略を示す図である。
【図14】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図15】第3の実施の形態に係るパターン形成装置のヘッド部に接続された各種構成を示す図である。
【図16】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れを示す図である。
【図17】品種切替におけるパターン形成装置の動作の流れの他の例を示す図である。
【図18】第4の実施の形態におけるパターン形成装置の品種切替を含む動作の流れの概要を示す図である。
【符号の説明】
1 パターン形成装置
2 ステージ移動機構
9 基板
41 スクレイパ
42a 洗浄機構
43 防汚剤付与機構
52 吐出部
94 防汚剤
95 拭取シート
422 ローラ
520 吐出口
523 ポンプ
525 タンク
711,721,731 ポンプ
722,732 タンク
S3a,S12,S13,S21,S161,S164,S311,S321,S331 ステップ
Claims (24)
- 基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、
パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、
前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、
前記吐出部の吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記除去手段が、前記吐出口が形成された面に当接する当接部材を有し、
前記当接部材と前記面との間の当接領域が前記面を横切るように前記当接部材が相対移動することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項2に記載のパターン形成装置であって、
前記吐出部に複数の吐出口が所定方向に配列形成されており、前記所定方向に対して垂直な方向に前記当接部材が相対移動することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項2に記載のパターン形成装置であって、
前記除去手段が、拭取部材を保持する保持部を有し、
前記吐出部を前記拭取部材に対して相対移動させることにより、前記吐出口の周囲の付着物が除去されることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン形成装置であって、
前記吐出口に防汚剤を付与する防汚剤付与部をさらに備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、
パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、
前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、
前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、
前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す第2供給部と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項6に記載のパターン形成装置であって、
前記吐出部に他の流体を供給して前記吐出部から吐出させる第3供給部をさらに備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項7に記載のパターン形成装置であって、
前記第3供給部により供給される前記他の流体が溶剤であることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項8に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される流体が気体であることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項9に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部による供給と前記第3供給部による供給との間において前記吐出部に水を供給する第4供給部をさらに備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項8に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される流体が水であることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項8に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される流体がパターン形成材料に含まれるバインダであることを特徴とするパターン形成装置。 - 基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、
パターン形成材料を基板に向けて吐出する吐出部と、
前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる移動機構と、
前記吐出部にパターン形成材料を供給する第1供給部と、
前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する第2供給部と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項13に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される他の材料が、光開始剤を含有しないことを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項13または14に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される他の材料が、フィラーを含有しないことを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項13ないし15に記載のパターン形成装置であって、
前記第2供給部により供給される他の材料が、パターン形成材料のバインダであることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1ないし16のいずれかに記載のパターン形成装置であって、
平面表示装置に使用される基板にパターン形成材料が吐出されることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項17に記載のパターン形成装置であって、
パターン形成材料によりプラズマ表示装置用の隔壁が形成されることを特徴とするパターン形成装置。 - 基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、
前記吐出工程を繰り返す繰返工程と、
一の吐出工程と次の吐出工程との間において前記吐出部に除去部材を当接させつつ前記除去部材を吐出口が形成された面に沿って相対的に移動させることにより、前記吐出口の周囲に付着した付着物を除去する除去工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項19に記載のパターン形成方法であって、
前記除去工程の後に、前記吐出口に防汚剤を付与する工程をさらに有することを特徴とするパターン形成方法。 - 基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、
前記吐出部に流体を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を吐出口から押し出す押出工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項21に記載のパターン形成方法であって、
前記押出工程の後に、前記吐出部に溶剤を供給する工程をさらに有することを特徴とするパターン形成方法。 - 基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
吐出部からパターン形成材料を基板に向けて吐出しつつ前記吐出部を基板の主面に沿って相対的に移動させる吐出工程と、
前記吐出部に他の材料を供給して前記吐出部内のパターン形成材料を前記他の材料に置換する置換工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項23に記載のパターン形成方法であって、
前記他の材料がパターン形成材料のバインダであることを特徴とするパターン形成方法。
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JP2002170923A JP2004022168A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | パターン形成装置およびパターン形成方法 |
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JP2006216253A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 除去装置 |
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