JP2004021743A - 車両判別機能を備えた路側無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡略なシステムでコストを削減でき、車両管理と情報提供を行える車両判別機能を備えた路側無線装置を提供することである。
【解決手段】DSRC無線送信部12からパワーアンプ14、サーキュレータ16、アンテナ18を介し、特定無線信号が外部に送信される。アンテナ18が捉えた対象物からの信号は、低ノイズアンプ20、分配器22を介し、DSRC無線受信部24、受信レベル検出部26に入力される。DSRC無線受信部24におけるDSRC応答の有無からDSRC車両・非DSRC車両判別がされる。一方、受信レベル検出部26では、非DSRC車両であっても、その車両の大きさに従って反射信号が検出される。反射信号の有無から在車/非在車の判別がされる。また、反射信号の強度から大型車と小型車に判別される。
【選択図】 図1
【解決手段】DSRC無線送信部12からパワーアンプ14、サーキュレータ16、アンテナ18を介し、特定無線信号が外部に送信される。アンテナ18が捉えた対象物からの信号は、低ノイズアンプ20、分配器22を介し、DSRC無線受信部24、受信レベル検出部26に入力される。DSRC無線受信部24におけるDSRC応答の有無からDSRC車両・非DSRC車両判別がされる。一方、受信レベル検出部26では、非DSRC車両であっても、その車両の大きさに従って反射信号が検出される。反射信号の有無から在車/非在車の判別がされる。また、反射信号の強度から大型車と小型車に判別される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両判別機能を備えた路側無線装置に係り、特に、車両側に設置された車両側無線装置との間で特定短距離通信を行うことができ、かつ車両判別機能を備える路側無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車場等における車両の検出には、ループコイル式車両感知器、超音波式車両感知器、マイクロ波型(R型)車両検知器、画像方式車両検知器、光学式車両感知器等の装置が用いられている。
【0003】
例えば、ループコイル式車両感知器では、路面下にループコイルを埋設し、鉄製の車両による電磁誘導の変化を検出する。また、超音波式車両感知器では、例えば天井に超音波用送信器と受信器を設置し、超音波の反射時間から車両からの距離および路面からの距離を計算する。マイクロ波型(R型)車両検知器では、マイクロ波用送信器と受信器を設置し、マイクロ波のドプラシフト等を用いて車速等を検出する。画像方式車両検知器では、撮影装置により検知領域を撮影し、背景との差分等から車両の検出を行う。光学式車両感知器は、赤外線投光器からの反射の位相差等から車両を検出する。
【0004】
このように、車両検出のためには、センシングのための特別の専用設備が必要で、さらにその専用設備の設置のために特別な工事や配線等が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
また、駐車場における車両管理、精算業務を非接触・キャッシュレスで行い、情報提供や管理効率向上のために、車両側に設置された無線装置との間で特定無線信号により送受信を行う特定短距離通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)用の路側無線装置を備えることが好ましい。このように、車両の管理には、一方で在車/非在車の検出、大型車・小型車等の区別の車種の判別のための設備が必要で、また他方では情報提供手段としての設備を備えることが望まれる。従来は、これらの兼用あるいは一本化をすることがなく、全体としてシステムが複雑となり、コスト高となっていた。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、簡略なシステムでコストを削減でき、車両管理と情報提供を行える、車両判別機能を備えた路側無線装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定無線信号の送信に対する反射信号の有無に基づいて車両の有無を検出する車両検出手段を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、特定短距離通信を行う特定無線信号を送信し、その特定無線信号を通信に用いるのみならず、反射信号の有無を検出することで、車両側無線装置を備えていない車両も含めて、車両の有無、例えば、特定無線信号の届く範囲内の在車・不在車の判別を行うことができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0009】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定無線信号の送信に対する反射信号の強度を測定する車両反射強度測定手段と、前記測定された車両反射強度に基づいて車両の大きさを判別する車両大きさ判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成により、特定短距離無線通信を行う特定無線信号を送信し、その特定無線信号を通信に用いるのみならず、反射信号強度の測定を行うことで、車両側無線装置を備えていない車両も含めて、大型車・小型車の判別も行うことができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0011】
また、前記車両反射強度測定手段は、前記特定無線信号の届く範囲内に車両がいないときの前記送信に対する反射強度に基づいてバックグランドノイズを記憶し、ノイズ除去を行うことが好ましい。この構成により、周囲の施設等からの他の電波の反射信号等による反射信号強度への影響を除去し、車両からの反射信号強度を信頼度を高めて測定できる。
【0012】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、スペクトル拡散無線方式のSS無線信号を送信するSS無線送信手段と、前記SS無線信号の反射信号に基づいて車両の高さを判別する車両高さ判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
SS無線方式は、送信信号と受信信号との信号パターンの差の検出等を行え、低コストで測距を行うことができる。この構成により、特定短距離通信を行う路側無線装置のアンテナや増幅回路等を兼用してSS無線信号の送受信を行い、送受信アンテナから車両までの距離から車高による車両の判別ができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0014】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定短距離通信の応答の有無の検出に基づいて、前記特定無線信号の届く範囲内の車両を前記車両側無線装置の搭載車両と非搭載車両に区分して判別する無線装置搭載車両判別手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、在車車両を特定短距離無線通信による情報提供ができる車両とそうでない車両に区分でき、例えば駐車場の管理において、前者に対しては車両管理、精算業務を非接触・キャッシュレスで行い、後者に対しては車両管理、精算業務を対面で行う等の事務処理区分が迅速に行われ、管理効率がより向上する。
【0016】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定短距離通信に用いるアンテナを介して送信された信号と受信された信号との比較に基づいて車両を判別する車両判別手段を備えることを特徴とする。
【0017】
この構成により、特定短距離通信を行う路側無線装置のアンテナや増幅回路等を兼用して車両判別用の信号を送信、受信でき、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、車両判別機能を備えた路側無線装置10のブロック図である。路側無線装置とは、道路側に設けられ、特定無線信号を用いて車両との間で特定短距離通信を行う機能を有する装置であるが、実施の形態に係る車両判別機能を備えた路側無線装置10は、特定短距離通信を行う機能とともに、車両の判別を行う機能を有するところに特徴がある。ここで特定短距離通信とは、特定の周波数帯、例えば5.8GHz帯のマイクロ波を用いて、およそ5−6mの距離の範囲で情報を交信できる通信方式である。したがって、路側無線装置10は、その特定無線信号を送受信できる車両側無線装置を備える車両との間で特定短距離通信を行うことができる。
【0019】
なお、道路側または路側における道路とは、一般に国道、市道等と呼ばれる公道のほかに私道も含み、駐車場内の車両走行路、車両駐車区域等のように、施設の構内に設けられた車両用のスペースも含む。車両には乗用車、貨物車等の自動車のほか、例えば道路を牽引車等により牽引されて走行中の航空機等も含まれる。
【0020】
図1において、DSRC無線送信部12は、車両側無線装置に対し送信する情報に対応した送信信号を特定の周波数で生成する送信回路である。パワーアンプ(PA)14は、生成された特定無線信号を増幅する増幅回路で、増幅後の送信信号はサーキュレータ16を介しアンテナ18に出力される。サーキュレータ16は、信号の逆流を阻止する機能を有し、具体的にはDSRC無線送信部12からアンテナ18へ向かう方向を順方向にして設けられた第1ダイオードと、アンテナ18から後述するDSRC無線受信部24に向かう方向を順方向にして設けられた第2ダイオードから構成することができる。
【0021】
アンテナ18は、サーキュレータ16から送られた特定無線信号を外部に向けて送信するとともに、外部からの無線電波を捉え、受信信号としてサーキュレータ16に送り込む機能を有する。
【0022】
捉えられる外部電波は3つの成分に分けて説明できる。1つはDSRC車両側無線装置を搭載した車両からのDSRC応答信号で、これは車両側無線装置から特定周波数帯の特定無線信号で送信されたものである。なお、混信を避けるため、車両側無線装置から送信される特定無線信号の周波数は、特定周波数帯の中で、路側無線装置が送信する特定無線信号の周波数と異なる周波数が用いられる。
【0023】
第2の外部電波は、アンテナ18から送信された特定無線信号が、電波として物体表面に入射して衝突し、物体から反射電波として返ってくる反射信号である。この反射信号の強度は、物体の反射面の広さに依存し、例えば大型車からは強い反射強度で電波が反射され、小型車からは弱い反射強度で電波が反射される。
【0024】
第3の外部電波は、特定無線信号と関係のない他の電波、すなわちノイズ信号である。DSRC路側無線装置は、車両の走行する道路に向かって設けられるので、道路に面した各設備、各店舗等からの電波、例えば自動ドアの開閉のための赤外電波等がアンテナ18により捉えられることがある。
【0025】
このように、DSRC応答信号、反射信号、ノイズ信号の3つの成分が重畳して受信信号としてサーキュレータ16に送り込まれ、低ノイズアンプ20に入力される。
【0026】
低ノイズアンプ(LNA)20は、サーキュレータ16を介してアンテナ18からの受信信号を増幅する低ノイズ増幅回路で、その出力は分配器22に入力される。分配器22は、増幅後の受信信号の減衰を少なくしてDSRC無線受信部24と受信レベル検出部26とに出力するための低出力インピーダンス回路である。
【0027】
DSRC無線受信部24は、分配器22の出力信号についてDSRC応答信号の検波等を行い復調する受信回路である。復調後の出力は、図示されていないDSRC情報管理システムに入力され、DSRC通信の情報提供、例えばDSRC車からのID情報等として、キャッシュレス精算業務等に利用される。そのような本来のDSRC通信の情報提供等の利用とともに、本発明の実施の形態においては、DSRC無線受信部24の出力がDSRC車両判別部32に出力され、後述のように車両判別にも用いられる。
【0028】
受信レベル検出部26は、後述するフィルタ部36の作用により分配器22の出力からノイズ信号を除去し、ノイズ信号除去後の信号のレベル、すなわち信号強度を測定する回路である。ここで、信号の強度とは、信号の周波数や、信号に含まれるデータ等の内容に関係なく、信号そのものの強度である。したがって、受信レベル検出部26が測定するのは、DSRC応答信号と反射信号とが重畳した強度であり、DSRC応答信号がないときは、反射信号の強度である。測定された結果は、在車/非在車判別部28と、車両大きさ判別部30に出力される。
【0029】
在車/非在車判別部28、車両大きさ判別部30、DSRC車両判別部32は、アンテナ18を介して送信された信号と受信された信号との比較に基づいて車両を判別する車両判別手段に対応する。
【0030】
在車/非在車判別部28は、受信レベル検出部26の出力の有無に基づき、車両の有無を判別する機能を有する車両検出手段である。すなわち、アンテナ18から送信される特定無線信号の届く範囲に車両があるときは、少なくとも反射信号があるのに対し、車両がいないときは反射信号がない。車両がDSRC車両であるときは、DSRC応答信号の分だけ受信レベル検出部26の出力が大きくなる。したがって、非DSRC車両の場合を含んで、受信レベル検出部26の出力の有無に基づき、車両の有無を判別できる。判別結果は、在車/非在車判別結果として出力され車両管理等に利用される。
【0031】
車両大きさ判別部30は、受信レベル検出部26の出力、すなわち反射信号の強度から車両の大きさを判別する機能を有する。上述のように、反射信号の強度は、物体の反射面の広さに依存し、例えば大型車からは強い反射強度で電波が反射され、小型車からは弱い反射強度で電波が反射される。したがって、例えばしきい値を用いて、反射強度の大きい第1のしきい値を超えるときは大型車、反射強度が低い第2のしきい値を超え、第1のしきい値を超えないときは小型車等のように、反射強度に基づいて車両の大きさを判別できる。これ以外のしきい値の設定、区分、例えば大型車、中型車、小型車の3区分等にすることもできる。判別結果は、車両大きさ判別結果として出力され車両管理等に利用される。
【0032】
DSRC車両判別部32は、DSRC無線受信部24の出力に基づき、DSRC応答信号の有無の検出を行い、車両がDSRC車両か非DSRC車両かの区分を判別する機能を有する回路である。ここで、DSRC車両とはDSRC対応の車両側無線装置を搭載した車両のことを指し、非DSRC車両とは非搭載車両を指すものとする。受信信号の中にDSRC応答信号が含まれているときは、DSRC無線受信部24により検波、復調されて上述のように本来のDSRC通信の情報提供等に利用されるが、それとともに、その出力がDSRC車両判別部32に入力される。このとき、DSRC車両判別部32では、DSRC応答信号有りと検出されるので、車両がDSRC車両であると判別することができる。このように、DSRC無線受信部24の出力に基づき、車両がDSRC車両か非DSRC車両かの区分を判別することができる。判別結果は、DSRC車両判別結果として出力され、車両管理等に利用される。
【0033】
雑音レベル計測部34は、バックグランドノイズの強度を計測する回路である。すなわち、アンテナ18から送信される特定無線信号の届く範囲に車両がないときのアンテナ18が捉える受信信号の強度を計測する機能を有する。このときの受信信号は上述のノイズ信号のみ、すなわちバックグランドノイズであるから、バックグランドノイズの強度を計測できる。計測結果は、フィルタ部36に出力される。
【0034】
フィルタ部36は、雑音レベル計測部34により計測されたバックグランドノイズの強度を記憶し、記憶されたバックグランドノイズの強度を例えば符号を変えて受信レベル検出部26に出力し、分配器22の出力からノイズ信号を除去する機能を有する。
【0035】
かかる実施の形態の作用について説明する。路側無線装置10のシステムを始動し、DSRC無線送信部12において例えばID要求信号を生成し、パワーアンプ14で増幅し、サーキュレータ16を介してアンテナ18から特定無線信号として外部に送信する。例えば5.8GHz帯の特定短距離通信方式では、アンテナ18からおよそ5−6mの領域に送信信号が届く。この範囲に車両がいないことを確認して、雑音レベル計測部34がアンテナ18の捉える受信信号の強度を測定し、その大きさをバックグランドノイズ強度としてフィルタ部36に出力し、フィルタ部36はその値を記憶する。一度バックグランドノイズ強度を計測し記憶すれば、その値の更新は、システムの立ち上げごとに行わなくても、所定期間ごとに行う定期的更新でもよい。
【0036】
アンテナ18から特定無線信号が届く範囲における車両の検出は、所定のサンプリングタイム間隔で行うことができる。すなわち、所定のサンプリング間隔ごとに、DSRC無線送信部12から特定無線信号をアンテナ18に向けて送り出し、それに同期してDSRC無線受信部24、受信レベル検出部26、DSRC車両判別部32、在車/非在車判別部28、車両大きさ判別部30、DSRC車両判別部32を作動させる。もちろん、これらの回路等を常時作動させておくことも可能である。
【0037】
図2は、アンテナ18から特定無線信号が届く範囲における車両の判別が、受信信号のレベル等に基づいてどのように行われるかを説明する図である。特定無線信号が届く範囲に、非DSRC車両がいる場合は、DSRC無線受信部24では、DSRC応答が検出されない。一方、受信レベル検出部26では、非DSRC車両であっても、その車両の大きさに従って反射信号が検出される。その結果は在車/非在車判別部28に出力され、在車の検出がなされる。
【0038】
また、受信レベル検出部26では反射信号の強度が測定され、その結果は車両大きさ判別部30に出力される。図2(a)の場合のように反射波の強度が大と測定されると、車両大きさ判別部30において大型車と判別される。(b)のように反射波の強度は小と測定されると、車両大きさ判別部30において小型車と判別される。
【0039】
次に図2(c)のように、車両がDSRC車両のときは、DSRC無線受信部24でDSRC応答が検出される。すなわち、車両がアンテナ18からのID要求信号を受信し、これに応答してID信号を返信する(いわゆるアップリンク)。DSRC応答ありの結果はDSRC車両判別部32に出力され、そこで車両がDSRC車両であると判別される。
【0040】
図2(d)は、特定無線信号が届く範囲に車両がいない場合である。このときは、受信レベル検出部26で反射強度が無いと測定され、その結果は在車/非在車判別部28に出力され、非在車と判別される。
【0041】
図3(a)から(d)に、バックグランドノイズ除去前の受信レベル検出部で測定される受信信号の強度を示した。図3(a)から(d)はそれぞれ図2(a)から(d)に対応させてある。このように大型車の反射強度は大きく、小型車の反射強度は小さい。車両がいないときの反射強度はバックグランドノイズのみである。DSRC車両の場合は、DSRC応答信号と反射信号が重畳した強度が測定される。
【0042】
このように、車両の有無、車両の大きさ、DSRC車両と非DSRC車両の区別がなされ、それぞれ、在車・不在車判別結果、車両大きさ判別結果、DSRC車両判別結果として出力される。これらの判別結果の出力をそのまま車両管理等に利用してもよく、例えば大型車・小型車の区別とDSRC車両と非DSRC車両の区別を組合せて、4種の車種に分類して利用する等、判別結果を組合せて車両管理等に利用してもよい。さらに、DSRC車両と非DSRC車両の区別にしたがって、例えば精算業務をキャッシュレス処理と対面処理とに区分する等、事務管理等に利用することもできる。また、DSRC車両については、DSRC通信による情報提供サービスを提供する処理を行なうことに利用することもできる。
【0043】
図4は、他の実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置40のブロック図である。この実施の形態の路側無線装置40は、前述の実施の形態における路側無線装置10の機能に加えて、さらにスペクトル拡散無線方式のSS無線信号を用いるところに特徴がある。スペクトル拡散無線方式は、秘話性、対混信性の向上という特徴のほかに、測距機能がある。例えば、PN符号発生器により擬似乱数(pseud noise:PN)符号を生成し、これを信号パターンとして送信し、物体に反射して戻ってきた信号を受信し、受信信号のPN符号を送信信号のPN符号と比較し、その符号間距離を計測し、その符号速度、無線電波速度(光速)とから無線電波の往復時間が求められ、アンテナと物体との間の距離を求めることができる。
【0044】
図4において、図1と同様の要素については同一の符号を付し説明を省略する。PN符号発生部42はPN符号を生成し、SS無線送信部44に出力する回路である。SS無線送信部44は、PN符号をSS無線方式の周波数帯の無線信号として混合器46に出力する送信回路である。用いられる周波数帯としては、DSRC無線送信に用いられる5.8GHz帯を用いることもでき、あるいは他の周波数帯を用いてもよい。他の周波数帯を用いるときは、パワーアンプ14、アンテナ18、低ノイズアンプ20の特性に合う周波数帯を選択する。このことで、パワーアンプ14、アンテナ18、低ノイズアンプ20等が兼用でき、SS無線方式を付加するのに最小限の要素を別に用意するだけですむ。
【0045】
混合器46は、DSRC無線送信部12からの信号と、SS無線送信部44からの信号をそのまま混合する信号ミキサである。混合器46からアンテナ18に至る各要素は、前述の路側無線装置10におけるものと同じ要素である。すなわち、混合器46の出力はパワーアンプ14で増幅され、サーキュレータ16を介してアンテナ18から外部に送信される。
【0046】
アンテナ18から分配器22に至る各要素も、前述の路側無線装置10におけるものと同じ要素である。すなわち、アンテナ18で捉えられた電波は受信信号としてサーキュレータ16に送られ、低ノイズアンプ20で増幅され、分配器22に入力される。ここで、アンテナ18が捉える電波には、前述の路側無線装置10におけるDSRC応答信号、反射信号、ノイズ信号の他に、第4の成分としてSS反射信号が加わる。
【0047】
分配器22の出力は、DSRC無線受信部24の他、SS無線受信部52にも入力される。SS無線受信部52は、分配器22の出力に含まれるSS反射信号を検波等の手段で取り出し、PN符号を復調する回路である。
【0048】
車両高さ判別部54は、受信されたPN符号と送信されたPN符号との比較から、車両の高さ、すなわち車高を判別する機能を有する。すなわち、送受信間のPN符号の比較からPN符号間距離を計測し、アンテナと物体との間の距離を求めることができる。アンテナ18が路面より高い位置に設けられているときは、アンテナ18と路面の距離はわかっているので、SS反射信号に基づいて車高が判別できる。判別の結果は車両高さ判別結果として出力され利用される。
【0049】
出力された車両高さ判別結果をそのまま車量管理等に利用してもよく、他の判別結果、例えば在車・不在車判別結果、車両大きさ判別結果、DSRC車両判別結果と組合せて車両管理、精算管理、情報提供等に利用することもできる。
【0050】
このように、情報提供等の機能を有するDSRC無線装置のアンテナ、アンプ等の高周波信号処理部分を共用し、車両判別用の信号の送受信を行うことができ、DSRC無線による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置によれば、車両管理と情報提供が、簡略なシステムで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置のブロック図である。
【図2】車両の判別が、受信信号のレベル等に基づいてどのように行われるかを説明する図である。
【図3】車両の状況による受信信号の強度を示す図である。
【図4】本発明に係る他の実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置のブロック図である。
【符号の説明】
10,40 路側無線装置、12 DSRC無線送信部、18 アンテナ、24 DSRC無線受信部、26 受信レベル検出部、28 在車/非在車判別部、32 DSRC車両判別部、34 雑音レベル計測部、36 フィルタ部、44 SS無線送信部、52 SS無線受信部、54 車両高さ判別部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両判別機能を備えた路側無線装置に係り、特に、車両側に設置された車両側無線装置との間で特定短距離通信を行うことができ、かつ車両判別機能を備える路側無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車場等における車両の検出には、ループコイル式車両感知器、超音波式車両感知器、マイクロ波型(R型)車両検知器、画像方式車両検知器、光学式車両感知器等の装置が用いられている。
【0003】
例えば、ループコイル式車両感知器では、路面下にループコイルを埋設し、鉄製の車両による電磁誘導の変化を検出する。また、超音波式車両感知器では、例えば天井に超音波用送信器と受信器を設置し、超音波の反射時間から車両からの距離および路面からの距離を計算する。マイクロ波型(R型)車両検知器では、マイクロ波用送信器と受信器を設置し、マイクロ波のドプラシフト等を用いて車速等を検出する。画像方式車両検知器では、撮影装置により検知領域を撮影し、背景との差分等から車両の検出を行う。光学式車両感知器は、赤外線投光器からの反射の位相差等から車両を検出する。
【0004】
このように、車両検出のためには、センシングのための特別の専用設備が必要で、さらにその専用設備の設置のために特別な工事や配線等が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
また、駐車場における車両管理、精算業務を非接触・キャッシュレスで行い、情報提供や管理効率向上のために、車両側に設置された無線装置との間で特定無線信号により送受信を行う特定短距離通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)用の路側無線装置を備えることが好ましい。このように、車両の管理には、一方で在車/非在車の検出、大型車・小型車等の区別の車種の判別のための設備が必要で、また他方では情報提供手段としての設備を備えることが望まれる。従来は、これらの兼用あるいは一本化をすることがなく、全体としてシステムが複雑となり、コスト高となっていた。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、簡略なシステムでコストを削減でき、車両管理と情報提供を行える、車両判別機能を備えた路側無線装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定無線信号の送信に対する反射信号の有無に基づいて車両の有無を検出する車両検出手段を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、特定短距離通信を行う特定無線信号を送信し、その特定無線信号を通信に用いるのみならず、反射信号の有無を検出することで、車両側無線装置を備えていない車両も含めて、車両の有無、例えば、特定無線信号の届く範囲内の在車・不在車の判別を行うことができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0009】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定無線信号の送信に対する反射信号の強度を測定する車両反射強度測定手段と、前記測定された車両反射強度に基づいて車両の大きさを判別する車両大きさ判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成により、特定短距離無線通信を行う特定無線信号を送信し、その特定無線信号を通信に用いるのみならず、反射信号強度の測定を行うことで、車両側無線装置を備えていない車両も含めて、大型車・小型車の判別も行うことができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0011】
また、前記車両反射強度測定手段は、前記特定無線信号の届く範囲内に車両がいないときの前記送信に対する反射強度に基づいてバックグランドノイズを記憶し、ノイズ除去を行うことが好ましい。この構成により、周囲の施設等からの他の電波の反射信号等による反射信号強度への影響を除去し、車両からの反射信号強度を信頼度を高めて測定できる。
【0012】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、スペクトル拡散無線方式のSS無線信号を送信するSS無線送信手段と、前記SS無線信号の反射信号に基づいて車両の高さを判別する車両高さ判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
SS無線方式は、送信信号と受信信号との信号パターンの差の検出等を行え、低コストで測距を行うことができる。この構成により、特定短距離通信を行う路側無線装置のアンテナや増幅回路等を兼用してSS無線信号の送受信を行い、送受信アンテナから車両までの距離から車高による車両の判別ができる。したがって、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0014】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定短距離通信の応答の有無の検出に基づいて、前記特定無線信号の届く範囲内の車両を前記車両側無線装置の搭載車両と非搭載車両に区分して判別する無線装置搭載車両判別手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、在車車両を特定短距離無線通信による情報提供ができる車両とそうでない車両に区分でき、例えば駐車場の管理において、前者に対しては車両管理、精算業務を非接触・キャッシュレスで行い、後者に対しては車両管理、精算業務を対面で行う等の事務処理区分が迅速に行われ、管理効率がより向上する。
【0016】
また、本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置は、車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、前記特定短距離通信に用いるアンテナを介して送信された信号と受信された信号との比較に基づいて車両を判別する車両判別手段を備えることを特徴とする。
【0017】
この構成により、特定短距離通信を行う路側無線装置のアンテナや増幅回路等を兼用して車両判別用の信号を送信、受信でき、特定短距離無線通信による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、車両判別機能を備えた路側無線装置10のブロック図である。路側無線装置とは、道路側に設けられ、特定無線信号を用いて車両との間で特定短距離通信を行う機能を有する装置であるが、実施の形態に係る車両判別機能を備えた路側無線装置10は、特定短距離通信を行う機能とともに、車両の判別を行う機能を有するところに特徴がある。ここで特定短距離通信とは、特定の周波数帯、例えば5.8GHz帯のマイクロ波を用いて、およそ5−6mの距離の範囲で情報を交信できる通信方式である。したがって、路側無線装置10は、その特定無線信号を送受信できる車両側無線装置を備える車両との間で特定短距離通信を行うことができる。
【0019】
なお、道路側または路側における道路とは、一般に国道、市道等と呼ばれる公道のほかに私道も含み、駐車場内の車両走行路、車両駐車区域等のように、施設の構内に設けられた車両用のスペースも含む。車両には乗用車、貨物車等の自動車のほか、例えば道路を牽引車等により牽引されて走行中の航空機等も含まれる。
【0020】
図1において、DSRC無線送信部12は、車両側無線装置に対し送信する情報に対応した送信信号を特定の周波数で生成する送信回路である。パワーアンプ(PA)14は、生成された特定無線信号を増幅する増幅回路で、増幅後の送信信号はサーキュレータ16を介しアンテナ18に出力される。サーキュレータ16は、信号の逆流を阻止する機能を有し、具体的にはDSRC無線送信部12からアンテナ18へ向かう方向を順方向にして設けられた第1ダイオードと、アンテナ18から後述するDSRC無線受信部24に向かう方向を順方向にして設けられた第2ダイオードから構成することができる。
【0021】
アンテナ18は、サーキュレータ16から送られた特定無線信号を外部に向けて送信するとともに、外部からの無線電波を捉え、受信信号としてサーキュレータ16に送り込む機能を有する。
【0022】
捉えられる外部電波は3つの成分に分けて説明できる。1つはDSRC車両側無線装置を搭載した車両からのDSRC応答信号で、これは車両側無線装置から特定周波数帯の特定無線信号で送信されたものである。なお、混信を避けるため、車両側無線装置から送信される特定無線信号の周波数は、特定周波数帯の中で、路側無線装置が送信する特定無線信号の周波数と異なる周波数が用いられる。
【0023】
第2の外部電波は、アンテナ18から送信された特定無線信号が、電波として物体表面に入射して衝突し、物体から反射電波として返ってくる反射信号である。この反射信号の強度は、物体の反射面の広さに依存し、例えば大型車からは強い反射強度で電波が反射され、小型車からは弱い反射強度で電波が反射される。
【0024】
第3の外部電波は、特定無線信号と関係のない他の電波、すなわちノイズ信号である。DSRC路側無線装置は、車両の走行する道路に向かって設けられるので、道路に面した各設備、各店舗等からの電波、例えば自動ドアの開閉のための赤外電波等がアンテナ18により捉えられることがある。
【0025】
このように、DSRC応答信号、反射信号、ノイズ信号の3つの成分が重畳して受信信号としてサーキュレータ16に送り込まれ、低ノイズアンプ20に入力される。
【0026】
低ノイズアンプ(LNA)20は、サーキュレータ16を介してアンテナ18からの受信信号を増幅する低ノイズ増幅回路で、その出力は分配器22に入力される。分配器22は、増幅後の受信信号の減衰を少なくしてDSRC無線受信部24と受信レベル検出部26とに出力するための低出力インピーダンス回路である。
【0027】
DSRC無線受信部24は、分配器22の出力信号についてDSRC応答信号の検波等を行い復調する受信回路である。復調後の出力は、図示されていないDSRC情報管理システムに入力され、DSRC通信の情報提供、例えばDSRC車からのID情報等として、キャッシュレス精算業務等に利用される。そのような本来のDSRC通信の情報提供等の利用とともに、本発明の実施の形態においては、DSRC無線受信部24の出力がDSRC車両判別部32に出力され、後述のように車両判別にも用いられる。
【0028】
受信レベル検出部26は、後述するフィルタ部36の作用により分配器22の出力からノイズ信号を除去し、ノイズ信号除去後の信号のレベル、すなわち信号強度を測定する回路である。ここで、信号の強度とは、信号の周波数や、信号に含まれるデータ等の内容に関係なく、信号そのものの強度である。したがって、受信レベル検出部26が測定するのは、DSRC応答信号と反射信号とが重畳した強度であり、DSRC応答信号がないときは、反射信号の強度である。測定された結果は、在車/非在車判別部28と、車両大きさ判別部30に出力される。
【0029】
在車/非在車判別部28、車両大きさ判別部30、DSRC車両判別部32は、アンテナ18を介して送信された信号と受信された信号との比較に基づいて車両を判別する車両判別手段に対応する。
【0030】
在車/非在車判別部28は、受信レベル検出部26の出力の有無に基づき、車両の有無を判別する機能を有する車両検出手段である。すなわち、アンテナ18から送信される特定無線信号の届く範囲に車両があるときは、少なくとも反射信号があるのに対し、車両がいないときは反射信号がない。車両がDSRC車両であるときは、DSRC応答信号の分だけ受信レベル検出部26の出力が大きくなる。したがって、非DSRC車両の場合を含んで、受信レベル検出部26の出力の有無に基づき、車両の有無を判別できる。判別結果は、在車/非在車判別結果として出力され車両管理等に利用される。
【0031】
車両大きさ判別部30は、受信レベル検出部26の出力、すなわち反射信号の強度から車両の大きさを判別する機能を有する。上述のように、反射信号の強度は、物体の反射面の広さに依存し、例えば大型車からは強い反射強度で電波が反射され、小型車からは弱い反射強度で電波が反射される。したがって、例えばしきい値を用いて、反射強度の大きい第1のしきい値を超えるときは大型車、反射強度が低い第2のしきい値を超え、第1のしきい値を超えないときは小型車等のように、反射強度に基づいて車両の大きさを判別できる。これ以外のしきい値の設定、区分、例えば大型車、中型車、小型車の3区分等にすることもできる。判別結果は、車両大きさ判別結果として出力され車両管理等に利用される。
【0032】
DSRC車両判別部32は、DSRC無線受信部24の出力に基づき、DSRC応答信号の有無の検出を行い、車両がDSRC車両か非DSRC車両かの区分を判別する機能を有する回路である。ここで、DSRC車両とはDSRC対応の車両側無線装置を搭載した車両のことを指し、非DSRC車両とは非搭載車両を指すものとする。受信信号の中にDSRC応答信号が含まれているときは、DSRC無線受信部24により検波、復調されて上述のように本来のDSRC通信の情報提供等に利用されるが、それとともに、その出力がDSRC車両判別部32に入力される。このとき、DSRC車両判別部32では、DSRC応答信号有りと検出されるので、車両がDSRC車両であると判別することができる。このように、DSRC無線受信部24の出力に基づき、車両がDSRC車両か非DSRC車両かの区分を判別することができる。判別結果は、DSRC車両判別結果として出力され、車両管理等に利用される。
【0033】
雑音レベル計測部34は、バックグランドノイズの強度を計測する回路である。すなわち、アンテナ18から送信される特定無線信号の届く範囲に車両がないときのアンテナ18が捉える受信信号の強度を計測する機能を有する。このときの受信信号は上述のノイズ信号のみ、すなわちバックグランドノイズであるから、バックグランドノイズの強度を計測できる。計測結果は、フィルタ部36に出力される。
【0034】
フィルタ部36は、雑音レベル計測部34により計測されたバックグランドノイズの強度を記憶し、記憶されたバックグランドノイズの強度を例えば符号を変えて受信レベル検出部26に出力し、分配器22の出力からノイズ信号を除去する機能を有する。
【0035】
かかる実施の形態の作用について説明する。路側無線装置10のシステムを始動し、DSRC無線送信部12において例えばID要求信号を生成し、パワーアンプ14で増幅し、サーキュレータ16を介してアンテナ18から特定無線信号として外部に送信する。例えば5.8GHz帯の特定短距離通信方式では、アンテナ18からおよそ5−6mの領域に送信信号が届く。この範囲に車両がいないことを確認して、雑音レベル計測部34がアンテナ18の捉える受信信号の強度を測定し、その大きさをバックグランドノイズ強度としてフィルタ部36に出力し、フィルタ部36はその値を記憶する。一度バックグランドノイズ強度を計測し記憶すれば、その値の更新は、システムの立ち上げごとに行わなくても、所定期間ごとに行う定期的更新でもよい。
【0036】
アンテナ18から特定無線信号が届く範囲における車両の検出は、所定のサンプリングタイム間隔で行うことができる。すなわち、所定のサンプリング間隔ごとに、DSRC無線送信部12から特定無線信号をアンテナ18に向けて送り出し、それに同期してDSRC無線受信部24、受信レベル検出部26、DSRC車両判別部32、在車/非在車判別部28、車両大きさ判別部30、DSRC車両判別部32を作動させる。もちろん、これらの回路等を常時作動させておくことも可能である。
【0037】
図2は、アンテナ18から特定無線信号が届く範囲における車両の判別が、受信信号のレベル等に基づいてどのように行われるかを説明する図である。特定無線信号が届く範囲に、非DSRC車両がいる場合は、DSRC無線受信部24では、DSRC応答が検出されない。一方、受信レベル検出部26では、非DSRC車両であっても、その車両の大きさに従って反射信号が検出される。その結果は在車/非在車判別部28に出力され、在車の検出がなされる。
【0038】
また、受信レベル検出部26では反射信号の強度が測定され、その結果は車両大きさ判別部30に出力される。図2(a)の場合のように反射波の強度が大と測定されると、車両大きさ判別部30において大型車と判別される。(b)のように反射波の強度は小と測定されると、車両大きさ判別部30において小型車と判別される。
【0039】
次に図2(c)のように、車両がDSRC車両のときは、DSRC無線受信部24でDSRC応答が検出される。すなわち、車両がアンテナ18からのID要求信号を受信し、これに応答してID信号を返信する(いわゆるアップリンク)。DSRC応答ありの結果はDSRC車両判別部32に出力され、そこで車両がDSRC車両であると判別される。
【0040】
図2(d)は、特定無線信号が届く範囲に車両がいない場合である。このときは、受信レベル検出部26で反射強度が無いと測定され、その結果は在車/非在車判別部28に出力され、非在車と判別される。
【0041】
図3(a)から(d)に、バックグランドノイズ除去前の受信レベル検出部で測定される受信信号の強度を示した。図3(a)から(d)はそれぞれ図2(a)から(d)に対応させてある。このように大型車の反射強度は大きく、小型車の反射強度は小さい。車両がいないときの反射強度はバックグランドノイズのみである。DSRC車両の場合は、DSRC応答信号と反射信号が重畳した強度が測定される。
【0042】
このように、車両の有無、車両の大きさ、DSRC車両と非DSRC車両の区別がなされ、それぞれ、在車・不在車判別結果、車両大きさ判別結果、DSRC車両判別結果として出力される。これらの判別結果の出力をそのまま車両管理等に利用してもよく、例えば大型車・小型車の区別とDSRC車両と非DSRC車両の区別を組合せて、4種の車種に分類して利用する等、判別結果を組合せて車両管理等に利用してもよい。さらに、DSRC車両と非DSRC車両の区別にしたがって、例えば精算業務をキャッシュレス処理と対面処理とに区分する等、事務管理等に利用することもできる。また、DSRC車両については、DSRC通信による情報提供サービスを提供する処理を行なうことに利用することもできる。
【0043】
図4は、他の実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置40のブロック図である。この実施の形態の路側無線装置40は、前述の実施の形態における路側無線装置10の機能に加えて、さらにスペクトル拡散無線方式のSS無線信号を用いるところに特徴がある。スペクトル拡散無線方式は、秘話性、対混信性の向上という特徴のほかに、測距機能がある。例えば、PN符号発生器により擬似乱数(pseud noise:PN)符号を生成し、これを信号パターンとして送信し、物体に反射して戻ってきた信号を受信し、受信信号のPN符号を送信信号のPN符号と比較し、その符号間距離を計測し、その符号速度、無線電波速度(光速)とから無線電波の往復時間が求められ、アンテナと物体との間の距離を求めることができる。
【0044】
図4において、図1と同様の要素については同一の符号を付し説明を省略する。PN符号発生部42はPN符号を生成し、SS無線送信部44に出力する回路である。SS無線送信部44は、PN符号をSS無線方式の周波数帯の無線信号として混合器46に出力する送信回路である。用いられる周波数帯としては、DSRC無線送信に用いられる5.8GHz帯を用いることもでき、あるいは他の周波数帯を用いてもよい。他の周波数帯を用いるときは、パワーアンプ14、アンテナ18、低ノイズアンプ20の特性に合う周波数帯を選択する。このことで、パワーアンプ14、アンテナ18、低ノイズアンプ20等が兼用でき、SS無線方式を付加するのに最小限の要素を別に用意するだけですむ。
【0045】
混合器46は、DSRC無線送信部12からの信号と、SS無線送信部44からの信号をそのまま混合する信号ミキサである。混合器46からアンテナ18に至る各要素は、前述の路側無線装置10におけるものと同じ要素である。すなわち、混合器46の出力はパワーアンプ14で増幅され、サーキュレータ16を介してアンテナ18から外部に送信される。
【0046】
アンテナ18から分配器22に至る各要素も、前述の路側無線装置10におけるものと同じ要素である。すなわち、アンテナ18で捉えられた電波は受信信号としてサーキュレータ16に送られ、低ノイズアンプ20で増幅され、分配器22に入力される。ここで、アンテナ18が捉える電波には、前述の路側無線装置10におけるDSRC応答信号、反射信号、ノイズ信号の他に、第4の成分としてSS反射信号が加わる。
【0047】
分配器22の出力は、DSRC無線受信部24の他、SS無線受信部52にも入力される。SS無線受信部52は、分配器22の出力に含まれるSS反射信号を検波等の手段で取り出し、PN符号を復調する回路である。
【0048】
車両高さ判別部54は、受信されたPN符号と送信されたPN符号との比較から、車両の高さ、すなわち車高を判別する機能を有する。すなわち、送受信間のPN符号の比較からPN符号間距離を計測し、アンテナと物体との間の距離を求めることができる。アンテナ18が路面より高い位置に設けられているときは、アンテナ18と路面の距離はわかっているので、SS反射信号に基づいて車高が判別できる。判別の結果は車両高さ判別結果として出力され利用される。
【0049】
出力された車両高さ判別結果をそのまま車量管理等に利用してもよく、他の判別結果、例えば在車・不在車判別結果、車両大きさ判別結果、DSRC車両判別結果と組合せて車両管理、精算管理、情報提供等に利用することもできる。
【0050】
このように、情報提供等の機能を有するDSRC無線装置のアンテナ、アンプ等の高周波信号処理部分を共用し、車両判別用の信号の送受信を行うことができ、DSRC無線による情報提供と車両判別の車両管理とが、簡略なシステムで行うことができコストを削減できる。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る車両判別機能を備えた路側無線装置によれば、車両管理と情報提供が、簡略なシステムで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置のブロック図である。
【図2】車両の判別が、受信信号のレベル等に基づいてどのように行われるかを説明する図である。
【図3】車両の状況による受信信号の強度を示す図である。
【図4】本発明に係る他の実施の形態の車両判別機能を備えた路側無線装置のブロック図である。
【符号の説明】
10,40 路側無線装置、12 DSRC無線送信部、18 アンテナ、24 DSRC無線受信部、26 受信レベル検出部、28 在車/非在車判別部、32 DSRC車両判別部、34 雑音レベル計測部、36 フィルタ部、44 SS無線送信部、52 SS無線受信部、54 車両高さ判別部。
Claims (6)
- 車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、
前記特定無線信号の送信に対する反射信号の有無に基づいて車両の有無を検出する車両検出手段を備えることを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。 - 車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、
前記特定無線信号の送信に対する反射信号の強度を測定する車両反射強度測定手段と、
前記測定された車両反射強度に基づいて車両の大きさを判別する車両大きさ判別手段と、
を備えることを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。 - 請求項2に記載の路側無線装置において、前記車両反射強度測定手段は、前記特定無線信号の届く範囲内に車両がいないときの前記送信に対する反射強度に基づいてバックグランドノイズを記憶し、ノイズ除去を行うことを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。
- 車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、
スペクトル拡散無線方式のSS無線信号を送信するSS無線送信手段と、
前記SS無線信号の反射信号に基づいて車両の高さを判別する車両高さ判別手段と、
を備えることを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。 - 車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、
前記特定短距離通信の応答の有無の検出に基づいて、前記特定無線信号の届く範囲内の車両を前記車両側無線装置の搭載車両と非搭載車両に区分して判別する無線装置搭載車両判別手段を備えることを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。 - 車両側に設置された車両側無線装置との間で、特定無線信号による特定短距離通信を行うことができる路側無線装置において、
前記特定短距離通信に用いるアンテナを介して送信された信号と受信された信号との比較に基づいて車両を判別する車両判別手段を備えることを特徴とする車両判別機能を備えた路側無線装置。
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CN104794933A (zh) * | 2015-05-04 | 2015-07-22 | 江苏省交通规划设计院股份有限公司 | 一种提高地磁车位检测器准确性的方法 |
-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002177654A patent/JP2004021743A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN104794933B (zh) * | 2015-05-04 | 2017-05-31 | 中设设计集团股份有限公司 | 一种提高地磁车位检测器准确性的方法 |
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