JP2004021042A - 光電気混載配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光導波路フィルムを、所望の形状にダイシングソー等で切り出し、光導波路1の端部を曲げることによって、面発光型あるいは面受発光型の受発光素子3に直接結合する。そのとき、必要であれば光導波路を固定するために樹脂や金属などで出来たブロック4を設置させ、これに接着剤あるいはハンダなどの接着部材5により固定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子光導波路に関し、特に光集積回路、光インターコネクション用光学部品、光電気混載配線板等を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光部品、あるいは光ファイバの基材としては、光伝搬損失が小さく、伝送帯域が広いという特徴を有する石英ガラスや多成分ガラス等の無機系の材料が広く使用されているが、最近では高分子系の材料も開発され、無機系材料に比べて加工性や価格の点で優れていることから、光導波路用材料として注目されている。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、あるいは、ポリスチレンのような透明性に優れた高分子をコアとし、そのコア材料よりも屈折率の低い高分子をクラッド材料としたコア−クラッド構造からなる平板型光導波路が作製されている(特開平3−188402号)。これに対して耐熱性の高い透明性高分子であるポリイミドを用い低損失の平板型光導波路が実現されている(特開平2−110500号)。
【0003】
コストなどの要求から光インターコネクション分野において、面発光型レーザ(VCSEL)が搭載されようとしているが、基板に対して垂直に出射するレーザ光を基板に対して水平な光導波路に入射するとき、約90°の光路変換が必要となる。高分子光導波路では、ダイシングソーによって、約45°に切削し、90°光路変換を可能にしている(特開平10−300961)。
【0004】
しかしながら、ダイシングソーで切削する場合、必要な場所以外も45°に切削してしまうこと、切削時に汚染の恐れがあること、更には、受発光素子との間隔を50μm以下にすることは難しく、切削だけでは集光機能が無いため光が発散してしまい損失の原因になるなどの問題がある。マイクロレンズを用いることも考えられるが、そのような場合、レンズ用樹脂の粘度、導波路表面の濡れ性管理などコスト高になってしまう。また、空気中を伝搬するため、反射が起こり入出力強度も小さくかつ不安定になるなどの問題があった。可とう性を有するプラスチック光導波路を曲げて受発光素子に結合する方法が提案されている(特開平5−281428)。しかしながら、基板を精度良く穴加工や曲面加工しなければならなく、コスト高になってしまう。また、そのような加工をすることにより電気配線の場所も制限されてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を回避すべく集光機能を用いず、基板などを加工することなく低コストで光結合を行える構造を有する光電気混載配線板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、基板上部で光導波路を曲げて直接受発光素子に突き当てることにより、前記課題を解決することを見出し本発明を完成させた。すなわち本発明は、面型発光素子または面型受光素子と、それと端部で光結合する光導波路を含み、両者の結合部に向かって湾曲した光導波路の端部近傍をガイドで固定したことを特徴とする光電気混載配線板である。
【0007】
また光導波路を受発光素子の受発光面に対して89°以下あるいは91°以上の角度に傾けて光結合することにより、戻り光の影響を排除することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。光電気混載配線板は、例えば汎用のガラスエポキシのプリント配線板上に面発光素子または面受光素子、それを繋ぐ光導波路が搭載されており、素子を駆動するための回路パターンが形成されている。また、必要であれば、面発光素子や面受光素子を駆動するための素子も搭載する。以下に本発明の光電気混載配線板における光結合方式について説明する。ここでは、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を用いたポリイミド光導波路を例に挙げて説明するが、光導波路の材料としてポリアミド酸溶液以外の光学用材料の樹脂溶液などを用いて作製することももちろん可能である。
【0009】
図1に本発明の光結合方法の一例を示す。
まず、シリコンウェハ上に下部クラッド層を形成する。その上にコア層を形成する。次に、所望のコアパターンの描いてあるマスクパターンを用いて、レジストパターン形成を行う。このレジストをマスクとして酸素プラズマでドライエッチングする。次に、残ったレジストを剥離液で除去する。次に上から上部クラッド層を形成する。次に、フッ酸水溶液に浸せきさせシリコンウェハから、光導波路を剥離する。このようにして得られた光導波路フィルムを、所望の形状にダイシングソー等で切り出す。必要に応じて光導波路の一部およそ20mmを基板2上に接着剤あるいはハンダを用いて貼り付ける。貼り付けていない端の光導波路を曲げることによって、面発光型あるいは面受発光型の受発光素子3に直接結合する(図1(a))。そのとき、必要であれば光導波路を固定するために樹脂や金属などで出来たブロック4を設置させ(図1(b))、これに接着剤あるいはハンダなどの接着部材5により固定する(図1(c))この光導波路は受発光素子の面に対して端部がほぼ直角になるように結合させる。
【0010】
光導波路を固定するためのガイドとしては樹脂や金属などからできたブロックを直接設置させる方法だけでなく、図2に示したように受発光素子3にフォトリソグラフィとエッチングにより窪みを形成し、形成された壁を用いる方法、あるいは図3に示すように受発光素子3上に金属薄膜6を形成し、これをフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターンニングして得られた凹部をガイドとして用いる方法、あるいは受発光素子上にUV硬化樹脂を形成し、これをUV露光、現像でパターンニングする方法など様々な方法が考えられる。
【0011】
いずれにしても、ガイドの高さは10μm以上が好ましい。発光素子の場合で、戻り光による出力変動が問題となる場合は、光導波路1あるいはブロック4を面発光素子に対して89°〜80°あるいは91°〜100°の角度θで結合することにより戻り光を排除できる。これにより、45°カットした光導波路を用いる場合と比較して結合損失が大幅に低減でき、かつ、低コストで形成出来る。
【0012】
【実施例】
引き続いて、いくつかの実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。なお、分子構造の異なる種々の高分子の溶液を用いることにより数限りない本発明の高分子光導波路および光電気混載配線板が得られることは明らかである。したがって、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0013】
(実施例)
4インチシリコンウェハ上に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4, 4’ −ジアミノビフェニル(TFDB)のポリアミド酸の15wt%DMAc溶液を加熱後膜厚が15μmmになるようスピンコートした。これを380℃で1時間加熱イミド化して下部クラッド層とした。
【0014】
この上にコア層となる6FDAと4, 4’ −オキシジアニリン(ODA)のポリアミド酸約15wt%DMAc溶液を加熱イミド化後膜厚が50μmになるようにスピンコートし、加熱イミド化した。コアとクラッドの比屈折率差を1%とした。その上からSi含有のレジストを膜厚3μmになるようにスピンコートし90℃で仮乾燥した。50μm幅、長さ6cmのパターンが描かれているガラスマスクパターンを用いて、露光、現像を行い、レジストパターンニングを行った。
【0015】
次に反応性イオンエッチングによりコア層を50μm分エッチングした。その後、残ったレジストを剥離液で剥離した。最後に上部クラッド層となる6FDAとTFDBのポリアミド酸の15wt%DMAc溶液をスピンコート等の方法により塗布し、これを加熱イミド化して上部クラッド層を得た。このようにして埋め込み型光導波路が形成される。その後、このシリコンウェハ上の光導波路を5wt%のフッ酸水溶液中に浸漬させ、シリコンウェハから光導波路を剥し、フィルム光導波路を作製した。長さ7cm、幅5mmになるように光導波路をダイシングソーにより切り出した。また、面発光素子には、UV硬化エポキシ製のブロック(ガイド)を露光現像により精密に20μm厚で形成した。
【0016】
このガイドを用い光導波路を接着固定するとき受発光素子に対して89°の角度とした。角度89°はダイシングソーでカットするとき、冶具を用いてサンプルを1°傾けることによって簡単に形成出来る。次に、光導波路の両端を曲率半径1cmで折り曲げ面発光素子にブロックに合せて直付けさせた。面発光素子との接着には、UV硬化型のエポキシ接着材を用い、接着材の滴下後、UV照射し約5分で硬化させた。更に、同じUV硬化型のエポキシ接着材で光導波路接着固定およびポッティング封止した。このようにして形成された光導波路と受発光素子との損失は、あらゆる波長で合計0.5dB以下であった。
【0017】
(比較例1)
実施例1と同様に作製したフィルム導波路を幅5mm、長さ5cmにダイシングソー等でフィルム光導波路を切り出した。次に、光導波路の端面をダイシングソーによって45°カットを行った。45°カットした光導波路を基板に対して平行に面発光レーザ上に設置させた。面発光レーザと光導波路の間は約100μm離れている。このとき、結合損失を測定したところ3dB以上であった。
【0018】
【本発明の効果】
本発明による光導波路と光受発光素子との結合構造を用いることにより、結合効率が良好でかつ量産性の優れた光電気混載配線板、光部品などが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光導波路と面受発光素子の結合方法の一例を示す図
【図2】本発明によるガイドの構成の一例を示す図
【図3】本発明によるガイドの構成の一例を示す図
【符号の説明】
1:光導波路、2:基板、3:受発光素子、
4:ブロック、5:接着部材、6:金属薄膜
Claims (2)
- 面型発光素子または面型受光素子と、それと端部で光結合する光導波路を含み、両者の結合部に向かって湾曲した光導波路の端部近傍をガイドで固定したことを特徴とする光電気混載配線板。
- 光導波路を前記受発光素子の受発光面に対して89°以下あるいは91°以上の角度に傾けて光結合することを特徴とする請求項1に記載の光電気混載配線板。
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