JP2004206015A - 光電気混載配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気回路と面型発光素子または面型受光素子が同一基板に設けられた光電気混載配線板において、プリント配線板7に面型発光素子2aと面型受光素子2bをそれぞれ向かい合うようにかつ配線板に対して垂直に配置する。光導波路1を受発光素子に直接結合する。この時、面型発光素子2aまたは面型受光素子2bの光軸がプリント配線板7に平行になるように設けられている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子光導波路を用いた、特に光集積回路や光インターコネクション用光学部品を含む光電気混載配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
光部品、あるいは光ファイバの基材としては、光伝搬損失が小さく、伝送帯域が広いという特徴を有する石英ガラスや多成分ガラス等の無機系の材料が広く使用されているが、最近では高分子系の材料も開発され、無機系材料に比べて加工性や価格の点で優れていることから、光導波路用材料として注目されている。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、あるいは、ポリスチレンのような透明性に優れた高分子をコアとし、そのコア材料よりも屈折率の低い高分子をクラッド材料としたコア−クラッド構造からなる平板型光導波路が作製されている(特開平3−188402号)。これに対して耐熱性の高い透明性高分子であるポリイミドを用い低損失の平板型光導波路が実現されている(特開平2−110500号)。コストなどの要求から光インターコネクション分野において、面発光型レーザ(VCSEL)が搭載されようとしているが、基板に対して垂直に出射するレーザ光を基板に対して水平な光導波路に入射するとき、約90°の光路変換が必要となる。
【0003】
このため高分子光導波路では、ダイシングソーによって、約45°に切削し、90°光路変換を可能にしている(特許文献1:特開平10−300961)。しかしながら、ダイシングソーで切削する場合、必要な場所以外も45°に切削してしまうこと、切削時に汚染の恐れがあること、更には、受発光素子との間隔を50μm以下にすることは難しく、切削だけでは集光機能が無いため光が発散してしまい損失の原因になるなどの問題がある。
【0004】
受発光素子と光導波路との光結合にマイクロレンズを用いることも考えられるが、そのような場合、レンズ用樹脂の粘度、導波路表面の濡れ性管理などコスト高になってしまう。また、空気中を伝搬するため、反射が起こり入出力強度も小さくかつ不安定になるなどの問題があった。
【0005】
また可とう性を有するプラスチック光導波路を曲げて受発光素子に結合する方法が提案されている(特許文献2:特開平5−281428)。しかしながら、基板を精度良く穴加工や曲面加工しなければならなく、コスト高になってしまう。また、そのような加工をすることにより電気配線の場所も制限されてしまう。更に、基板に通さずに上面を曲げて空中配線する方法もあるが、高さに制限がある場合実現困難である。
【0006】
【特許文献1】特開平10−300961号
【0007】
【特許文献2】特開平5−281428号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を回避すべく、基板などを加工することなく薄型で結合効率の高い低コストな光電気混載配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、面受発光素子と光導波路の結合は光導波路で光路を90°変換するのではなく、面発光素子あるいは面受光素子を垂直に立てることにより、前記課題を解決することを見出し本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明は、電気回路と面型発光素子または面型受光素子が同一基板に設けられた光電気混載配線板において、光導波路が面型発光素子または面型受光素子に直接結合しており、面型発光素子または面型受光素子の光軸が配線板に平行になるように設けられていることを特徴とする光電気混載配線板である。
【0011】
本発明によれば、面型発光素子または面型受光素子と光導波路の結合部で、配線板に平行な光路が得られるので、光導波路自体を配線板に平行に設置できる。そのため基板を加工することなく、光導波路の出っ張りのない薄型で結合効率の高い低コストな光電気混載配線板を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。ここでは、ポリイミド光導波路、面発光型あるいは面受光型光素子を例に挙げて説明するが、光導波路の材料としてポリイミド以外の光学用材料の樹脂、各種光素子、および光素子の代わりに光ファイバなどを用いて光結合することももちろん可能である。
【0013】
まず、シリコンウェハ上に下部クラッド層を形成する。その上にコア層を形成する。次に、所望のコアパターンの描いてあるマスクパターンを用いて、レジストパターン形成を行う。このレジストをマスクとして酸素プラズマでドライエッチングする。次に、残ったレジストを剥離液で除去する。次に上から上部クラッド層を形成する。次に、フッ酸水溶液に浸せきさせシリコンウェハから、光導波路を剥離する。このようにして得られたフィルム状の光導波路1を、所望の形状にダイシングソー等で切り出す。
【0014】
次に図1に示すようプリント配線板7に発光素子2aと受光素子2bをそれぞれ向かい合うようにかつ配線板に対して垂直に配置する。前述のようにして得られた光導波路1を受発光素子に直接結合する。このとき位置合わせのためのマーカを用いても良いし、発光させて位置合わせしても良い。光導波路のコア中心と受発光素子の受発光径の中心が重なる位置でエポキシ系の接着材3を用いて接着する。このようにして、光導波路の両端面に受発光素子が結合することが出来る。このとき、図1のようにCANパッケージ4に実装された面受発光素子の場合、穴の形成された90°変換用電気配線板5に差込み、例えばハンダボール6を用いて電気的にプリント配線板7に実装する。
【0015】
また、図2のように受発光素子がチップで90°変換用電気配線板に実装されている場合、90°変換用電気配線板の端を用いて電気的に実装する。もしくは、プリント配線板に溝を形成して、その場所に立てることや、ソルダーレジストパターンニングを利用してその場所に立てることも考えられる。このとき、光導波路の熱膨張係数が大きく、ハンダ工程で不良が起こる場合、あるいは作業性が悪い場合、図3のように熱膨張係数がプリント配線板とマッチした基板8を用いて90°変換用電気配線板5を固定する。電気的な実装をここでは、ハンダを用いて説明しているが、種々の電気実装方法を用いることが出来る。
【0016】
これにより、45°カットした光導波路を用いる場合と比較して結合損失が大幅に低減でき、かつ低コスト、高さ方向にはみ出しの小さい光電気混載配線板が形成出来る。
【0017】
また光導波路は光ファイバーでもよいが、コア部クラッド部とも高分子で形成されているフィルム状導波路が取り扱いやくす好ましい。
【0018】
【実施例】
引き続いて、いくつかの実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。なお、分子構造の異なる種々の高分子の溶液を用いることにより数限りない本発明の高分子光導波路および光電気混載配線板が得られることは明らかである。したがって、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
4インチシリコンウェハ上に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4, 4' −ジアミノビフェニル(TFDB)から形成されるポリイミドをクラッドとして、6FDAと4, 4' −オキシジアニリン(ODA)から形成されるポリイミドをコアとして、フォトリソグラフィとドライエッチング技術により光導波路フィルムを形成する。その後、このシリコンウェハ上の光導波路を5wt%のフッ酸水溶液中に浸漬させ、シリコンウェハから光導波路を剥し、フィルム光導波路を作製した。長さ7cm、幅5mmになるように光導波路をダイシングソーにより切り出した。
【0020】
この光導波路をCANパッケージされた面発光型レーザダイオードおよび面受光型フォトディテクタを直接結合する。このとき、面発光レーザを発光させて位置合わせを行った。光導波路のコア中心と受発光素子の受発光径の中心が重なる位置でUV硬化エポキシ接着材を用いて接着した。このようにして、光導波路の両端面に受発光素子が結合した。その後、面受発光素子のCANパッケージの足を、穴の形成された90°変換用電気配線板に差込み半田付けを行った。その後、90°変換用電気配線板とプリント配線板をハンダボールにより電気的にプリント配線板に実装した。このようにして、光電気混載配線板が製造できた。
【0021】
【本発明の効果】
本発明による光電気混載配線板構造を用いることにより、結合効率が良好でかつ量産性の優れた低コスト光電気混載配線板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光電気混載配線板の構造の一例を示す図
【図2】本発明による光電気混載配線板の構造の一例を示す図
【図3】本発明による光電気混載配線板の構造の一例を示す図
【符号の説明】
1:光導波路、 2a:発光素子、2b:受光素子、 3:接着剤、
4:CANパッケージ、 5:90°変換用電気配線板、6:ハンダボール、7:プリント配線板、8:基板
Claims (1)
- 電気回路と面型発光素子または面型受光素子が同一基板に設けられた光電気混載配線板において、光導波路が面型発光素子または面型受光素子に直接結合しており、面型発光素子または面型受光素子の光軸が配線板に平行になるように設けられていることを特徴とする光電気混載配線板。
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2002
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