JP2004020044A - 太陽熱利用床暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽熱をファンなど用いることなく経済的に蓄熱でき、しかも、快適で経済的な暖房を実現できる太陽熱を利用した暖房システムを提供する。
【解決手段】太陽熱集熱器5は、下位空気入口5aと上位空気出口5bとこれら口を連通する空気通路5cとを備え、太陽熱による空気の温度差上昇作用によって下位空気入口5aから空気が流入し上位空気出口5bから暖められた空気が流出するようになされている。暖房用蓄熱盤は、水平に設置され、内部に空気通路3aを備え、この空気通路3aと太陽熱集熱器の上位空気出口5bとが連通接続され、太陽熱集熱器5からの空気が前記温度差上昇作用により蓄熱盤3内の空気通路3a内に送り込まれて蓄熱盤3に蓄熱され、その輻射熱で室内8が床面9側から暖められるようになされている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽熱利用暖房システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
建物の壁面や屋根面に太陽熱集熱器を設置し、太陽熱で暖められた空気を蓄熱材に通して蓄熱し、その熱で室内を暖房するようにした太陽熱利用暖房システムは従来より知られている。しかし、従来のシステムでは、太陽熱で暖められた空気を蓄熱材に通して蓄熱しその熱を暖房に用いるのにファンが必要であり、電気代が高くつくという問題があった。
【0003】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、太陽熱をファンなどの送風手段を用いることなく経済的に蓄熱することができ、しかも、快適で経済的な暖房を実現することができる太陽熱を利用した暖房システムを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、太陽熱集熱器と暖房用蓄熱盤とが備えられ、
太陽熱集熱器は、下位の空気入口と、上位の空気出口と、これら両口を連通する空気通路とを備え、太陽熱で暖められた空気通路内の空気の温度差上昇作用によって、下位空気入口から空気が流入すると共に、上位空気出口から暖められた空気が流出するようになされており、
暖房用蓄熱盤は、水平に設置されて、内部に伝熱用の空気通路を備え、この空気通路と前記太陽熱集熱器の上位空気出口とが連通状態に接続され、太陽熱集熱器の空気通路内で暖められた空気が前記温度差上昇作用により暖房用蓄熱盤内の空気通路内に送り込まれて蓄熱盤に蓄熱され、その輻射熱で室内が床面側から暖められるようになされていることを特徴とする太陽熱を利用した暖房システムによって解決される。
【0005】
このシステムでは、太陽熱集熱器の空気通路内で暖められた空気が温度差上昇作用によって暖房用蓄熱盤内の空気通路内に送り込まれて蓄熱盤に蓄熱されるようになされているから、ファンなどの送風手段を用いる必要がなく、太陽熱を経済的に蓄熱することができる。
【0006】
しかも、蓄熱盤に蓄熱された熱の輻射で室内が床面側から暖められるようになされているので、足元から暖められ、快適な暖房を実現することができると共に、ファンなどの送風手段が不要で経済的な暖房を実現することができる。
【0007】
前記暖房用蓄熱盤が、傾斜地に水平に設けられたコンクリート製の人工地盤からなり、前記太陽熱集熱器が、傾斜地盤と前記人工地盤との間の高さ方向におけるスペースを利用して設置されているとよい。この場合は、傾斜地盤と前記人工地盤との間の高さ方向におけるデッドスペースを有効利用することで受光面積の大きい太陽熱集熱器を設置でき、もって太陽からの集熱量を大きなものにすることができ、しかも、蓄熱盤を人工地盤で構成することにより、蓄熱容量を大きなものにすることができて、効果的な暖房を実現することができる。
【0008】
前記暖房用蓄熱盤が階上の室の床側に備えられ、前記太陽熱集熱器が階下に備えられているのもよい。この場合も、ファンなどの送風手段を用いる必要がなく、太陽熱を経済的に蓄熱することができ、しかも、階上の室では足元から暖められ、快適な暖房を実現することができると共に、この暖房にファン等の送風手段も不要で経済的な暖房を実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1(イ)(ロ)に示す第1実施形態のシステムは、傾斜地に建てられる建物に適用した場合のもので、傾斜地盤1に杭2,2が打たれ、杭2,2の上に、蓄熱盤を構成するコンクリート製の人工地盤3が水平に設置され、人工地盤3内には空気通路3aが形成され、人工地盤3上に上屋4が設けられている。そして、人工地盤3と傾斜地盤1の間の高さ方向におけるスペースを利用して太陽熱集熱器5が設置されている。
【0011】
太陽熱集熱器5は、パネル状のもので、縦向きに設置され、下端に空気入口5aが備えられると共に、上端に空気出口5bが備えられ、内部に両口5a,5bを連通する空気通路5cが形成されており、太陽熱で空気通路5c内の空気が暖められると、温度差上昇作用によって、下端の空気入口5aから外気が流入すると共に、上端の空気出口5bから太陽熱で暖められた空気が流出するようになされている。
【0012】
そして、この太陽熱集熱器5の上端の空気出口5bが人工地盤3内の空気通路3aと連通状態に接続され、太陽熱集熱器5の空気通路3a内で暖められた空気が上記の温度差上昇作用によって人工地盤3内の空気通路に送り込まれるようになされていて、その熱が人工地盤3に蓄熱されるようになされている。6は断熱材で、人工地盤3から下方への放熱が阻止されるようにするものである。図1(ハ−1)(ハ−2)において、7はダンパーであり、太陽熱集熱器5の下端空気入口5aを開閉することで人工地盤3への空気の送り込みを許容したり阻止したりするものである。ダンパー7の設置位置に制限はなく、太陽熱集熱器5から人工地盤3への空気の送り込みを切換えにより許容したり阻止したりすることができる位置に備えられていればよい。
【0013】
上記の暖房システムでは、冬期の晴れた日中に、ダンパー7を開いておくと、太陽熱集熱器5の空気通路5c内の空気が太陽熱で暖められ、その暖められた空気が、上記の温度差上昇作用によって、上端空気出口5bを通じて人工地盤3内の空気通路3aに送り込まれ、暖められた空気の熱が人工地盤3に蓄積されていく。そして、蓄熱が進むとその輻射熱で上屋4の室内8が床面9側から暖められ、日没後も人工地盤3は放熱を続け、室内8の暖房が継続される。夜間はダンパー7を閉じておくようにすれば、冷気が人工地盤3の空気通路3aに送り込まれるのを防ぐことができる。
【0014】
夏期は、ダンパー7を閉じておけば、太陽熱集熱器5で暖められた空気が人工地盤3の空気通路3aに送り込まれることはなく、室内8は涼しく保たれる。ダンパー7は気温検知信号や操作信号などに基づいて自動で開閉作動するものであってもよいし、手動で開閉するものであってもよい。なお、太陽熱集熱器5の上端側に外に開口する開口部を設け、そこにダンパーを設けることで開口部を開閉できるようにし、冬期はこの開口部を閉じて太陽熱集熱器5で暖められた空気を蓄熱盤3の空気通路3aに送り込むようにし、夏期はこの開口部を開いて太陽熱集熱器5で暖められた空気が外に排出されるようにするのもよい。
【0015】
このように、上記の暖房システムによれば、太陽熱集熱器5の空気通路5c内で暖められた空気が温度差上昇作用によって人工地盤3内の空気通路3aに送り込まれて人工地盤3に蓄熱されるようになされているから、ファンなどの送風手段を用いる必要がなく、太陽熱を経済的に人工地盤3に蓄熱していくことができる。しかも、人工地盤3に蓄熱された熱の輻射で室内8が床面9側から暖められるようになされているので、足元から暖められ、快適な暖房が実現されると共に、暖房にファン等の送風手段も不要であり経済的な暖房を実現することができる。更に、傾斜地盤1と人工地盤3との間の高さ方向におけるデッドスペースを有効利用して受光面積の大きい太陽熱集熱器5を設置できるので太陽からの集熱量を大きなものにすることができ、しかも、人工地盤3が蓄熱するから蓄熱容量を大きなものにできて、効果的な暖房を実現することができる。
【0016】
第2実施形態は、図2(イ)に示すように、建物の階下の外壁部分にパネル状の太陽熱集熱器5が設置されている。階下は居住部分であってもよいし、倉庫やガレージであってもよい。また、第3実施形態は、図2(ロ)に示すように、階下部分を柱12…だけにして駐車場などとして使用するスペースとし、階上部分を居住区とした建物であり、階下の柱12…間にパネル状の太陽熱集熱器5が設置されている。そして、いずれの実施形態においても、図2(ハ)に示すように、階上の床面9の下方部に蓄熱盤11が水平に設置され、太陽熱集熱器5内の空気通路5cが上端の空気出口5bを通じて蓄熱盤11の空気通路11aと連通されている。これら実施形態の場合であっても、ファンなどの送風手段を用いることなく、太陽熱を経済的に蓄熱盤11に蓄熱することができ、しかも、蓄熱盤11に蓄熱された熱の輻射で階上居室部分の室内8を床面9側から快適に暖めていくことができると共に、この暖房にもファン等の送風手段が不要で経済的な暖房を実現することができる。
【0017】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の各実施形態では、太陽熱集熱器として、パネル状のものを縦向きに備えさせた場合を示しているが、スペース的に許されるならばパネル状のものを斜め向きに備えさせるようにしてもよいし、パネル状のものでなくともよいし、要は、ファン等の送風手段を使用しなくとも、太陽熱で暖められた空気通路内の空気の温度差上昇作用によって、下位に位置する空気入口から空気が流入すると共に、上位に位置する空気出口から暖められた空気が流出し、それが蓄熱盤の空気通路に送り込まれて蓄熱が行われるような構成態様になっていればよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、太陽熱をファンなどの送風手段を用いることなく経済的に蓄熱することができ、しかも、快適で経済的な暖房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の暖房システムを示すもので、図(イ)は斜視図、図(ロ)は断面側面図、図(ハ−1)(ハ−2)はダンパーの開閉状態を示す断面側面図である。
【図2】図(イ)は第2実施形態の暖房システムを示す斜視図、図(ロ)は第3実施形態の暖房システムを示す斜視図、図(ハ)は第2、第3の実施形態に共通の断面側面図である。
【符号の説明】
1…傾斜地盤
3…人工地盤(蓄熱盤)
3a…空気通路
5…太陽熱集熱器
5a…空気入口
5b…空気出口
5c…空気通路
8…室内
9…床面
11…蓄熱盤

Claims (3)

  1. 太陽熱集熱器と暖房用蓄熱盤とが備えられ、
    太陽熱集熱器は、下位の空気入口と、上位の空気出口と、これら両口を連通する空気通路とを備え、太陽熱で暖められた空気通路内の空気の温度差上昇作用によって、下位空気入口から空気が流入すると共に、上位空気出口から暖められた空気が流出するようになされており、
    暖房用蓄熱盤は、水平に設置されて、内部に伝熱用の空気通路を備え、この空気通路と前記太陽熱集熱器の上位空気出口とが連通状態に接続され、太陽熱集熱器の空気通路内で暖められた空気が前記温度差上昇作用により暖房用蓄熱盤内の空気通路内に送り込まれて蓄熱盤に蓄熱され、その輻射熱で室内が床面側から暖められるようになされていることを特徴とする太陽熱を利用した暖房システム。
  2. 前記暖房用蓄熱盤が、傾斜地に水平に設けられたコンクリート製の人工地盤からなり、前記太陽熱集熱器が、傾斜地盤と前記人工地盤との間の高さ方向におけるスペースを利用して設置されている請求項1に記載の太陽熱を利用した暖房システム。
  3. 前記暖房用蓄熱盤が階上の室の床側に備えられ、前記太陽熱集熱器が階下に備えられている請求項1に記載の太陽熱を利用した暖房システム。
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