JP2004020021A - 給湯機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水道水あるいは貯湯タンク10内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンク10からの給湯量を検出する給湯流量センサ16と、給湯温度を検出するための給湯温度検出サーミスタ15と、該給湯温度検出サーミスタ15が検出した給湯温度に応じて前記熱源の加熱量を制御する制御装置とを備え、前記給湯流量センサ16により所定量(1分間当り2リットル)以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出サーミスタ15が所定温度(55℃)以下を所定時間(10秒間)継続して検出した場合、該給湯温度検出サーミスタ15が異常であると判断するマイコン25を設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気ヒータや冷媒の凝縮熱を利用したヒートポンプ式の貯湯式給湯機およびガスや石油を燃焼させて給湯用の温水を生成する瞬間式給湯機に関する。詳述すれば、給湯温度を検出する給湯温度検出センサの故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種給湯機は、電気ヒータや冷媒の凝縮熱を利用したヒートポンプ式の熱源により貯湯タンク内の水を加熱して高温の湯を貯溜している貯湯式では、この貯湯タンク内の高温の湯と低温の水道水を混合する混合弁を設けて、混合した湯温を給湯温度検出センサにより検出して前記高温の湯と低温の水道水との混合比率を調節することで使用者の設定した湯温を給湯するように構成している。
【0003】
また、ガスや石油を燃焼させて給湯する瞬間式の給湯機においては、熱源により加熱された給湯温度を給湯温度検出センサにより検出して熱源の燃焼量を増減することで、使用者の設定した湯温を給湯するように構成している。
【0004】
前記給湯温度検出センサは、給湯温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを使用しており、所定の電源に給湯温度検出センサと所定抵抗値を直列接続して、その分割電圧に応じて温度換算して湯温を検出するように構成している。
【0005】
そして、この給湯温度検出センサのオープン、ショート故障を想定して、実使用範囲であるマイナス30℃〜プラス120℃相当の抵抗値範囲外を検出した際には、故障と判定するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の故障判定においては、給湯温度検出センサが前記実使用範囲内の抵抗値で故障した場合に故障判定ができなかった。また、給湯温度検出センサが実使用範囲の低温側の抵抗値で故障した場合には、高温の給湯を行うことで使用者が火傷をしてしまう事故が発生していた。即ち、例えば、使用者が40℃の給湯温度を設定している時に給湯温度検出センサが20℃相当の抵抗値で故障した場合、熱源機は給湯温度を設定温度に到達させるべく最高出力で加熱する。この状況で100℃前後の給湯を行うことにより使用者が火傷する事故が発生するものである。
【0007】
そこで本発明は、給湯温度検出センサが故障しても、その故障を検出することで使用者が火傷することの無い安全な給湯機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、水道水あるいは貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンクからの給湯量を検出する流量センサと、給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記熱源の加熱量を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、水道水あるいは貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンクからの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁と、該混合弁の給湯量を検出する流量センサと、前記混合弁の給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該貯湯タンク内の湯温を検出する湯温検出センサと、前記貯湯タンクからの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁と、該混合弁の給湯量を検出する流量センサと、前記混合弁の給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記湯温検出センサおよび給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記給湯温度検出センサが異常であると制御手段が判断したときに、その旨を報知する報知手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は本発明が適用される貯湯式給湯機であるヒートポンプ給湯機の回路説明図で、このヒートポンプ給湯機は圧縮機にて圧縮された冷媒と水とを加熱用熱交換器により熱交換させる冷媒回路から成る熱源としてのヒートポンプユニットAと、循環ポンプにより水を貯湯タンクと前記加熱用熱交換器との間を循環させると共に前記貯湯タンクから出湯可能とするタンクユニットBとを主要構成としている。
【0013】
前記ヒートポンプユニットAは、冷媒を吸入圧縮し高温高圧にする圧縮機1、冷媒と水とを熱交換させる加熱用の冷媒対水熱交換器2、電動式の膨張弁3、外気と冷媒との熱交換を行う室外側熱交換器としての蒸発器4、アキュムレータ5等を有している。
【0014】
前記タンクユニットBは、お湯を貯溜する貯湯タンク10、この貯湯タンク10に水道水を供給する逆止弁付き水道減圧弁11、貯湯タンク10からお湯を取出す出湯管12、水道減圧弁11の出口側から出湯管12に接続された混合弁13に至るバイパス管14、混合弁13の混合水出口側に設けた給湯温度を検出する給湯温度検出センサとしての給湯温度検出サーミスタ15と給湯流量センサ16を介して給湯用の配管へ至る給湯管17、給湯温度検出サーミスタ15から風呂流量センサ18及び電磁弁21を介して浴槽19ヘ至るお湯張り管20、混合弁13より上流側の出湯管12に接続される圧力逃がし弁22、貯湯タンク10の下端部に接続されて該貯湯タンク10から前記冷媒対水熱交換器2に水を供給するための循環ポンプ23、流量調整手段としての流量調整弁24を有している。
【0015】
なお、9は制御基板で、本ヒートポンプ給湯機を制御する制御手段および判断手段としてマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)25等が搭載される。7は台所で操作される台所リモコン(リモートコントローラ)、8は風呂場で操作されるふろリモコン(リモートコントローラ)である。尚、これら台所リモコン7、ふろリモコン8には時刻表示装置や各種設定スイッチ等が設けられている。
【0016】
次に、図2の制御ブロック図に基づいて説明する。前記マイコン25は、本ヒートポンプ給湯機の給湯に係る動作を統括制御するCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)26、各種データを記憶する記憶装置としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)27、給湯動作に係るプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)28から構成されている。RAM27には図3に示したテーブルのような、沸き上げ(沸き増し)制御のモード毎に、貯湯タンク10内の例えば深夜電力を使用して深夜に沸き上げるときの最大貯湯量である最大沸上量、沸き増しを開始する最低貯湯量及び沸き増しを停止する貯湯量である沸き増し終了の貯湯量がモード1からモード7まで格納され、また、これらのモードを貯湯量の変化に基づいて変更するプログラムがROM28に格納されている。そして、CPU26は前記RAM27に記憶されたデータに基づき、前記ROM28に格納されたプログラムに従い、本ヒートポンプ給湯機の給湯に係る動作を統括制御する。そして、通常は貯湯タンク10内の容量全てを所定の温度に沸き上げるように、マイコン25は給湯機を制御する。
【0017】
なお、使用者は電力会社と時間帯別電灯契約を結んで、前述したように、料金の安い深夜時間帯で最大沸上量まで沸き上げ、昼間の時間帯は基本的に深夜に貯湯した湯を使用して、最低貯湯量を切ったときに所定の量を沸き増しするものである。
【0018】
また、台所リモコン7の台所リモコンCPU7aがマイコン25に信号線にて接続され、台所リモコンCPU7aには図4にも示すように、給湯運転を選択する給湯運転スイッチ7b、給湯温度を36℃〜48℃(1℃刻み)と60℃に設定する給湯温度設定用昇温スイッチ7c、降温スイッチ7dおよび現在時刻を設定する現在時刻設定用歩進スイッチ7e、後退スイッチ7fと、これらの運転状態、設定温度、給湯温度、現在時刻等の情報を表示する報知手段としての表示装置7gおよびブザー7hが接続されている。
【0019】
そして、前記貯湯タンク10の容量が例えば370リットルであり、貯湯タンク10には、湯温検出センサTS1、TS2、TS3、TS4、TS5、TS6及びTS7が貯湯タンク10の下部から上部まで上下間隔を存して設けられ、本給湯機がその沸き上げ前の温度が55℃までのため、前記各センサの検出湯温が55℃以上の場合には貯湯タンク10内の上端からその位置までは貯湯されており残湯ありと判断する。このとき、検出センサTS1の配置箇所は残湯量が350リットル、TS2が同じく300リットル、TS3が250リットル、TS4が200リットル、TS5が150リットル、TS6が100リットル、TS7が50リットルの位置である。
【0020】
ここで、外気温度検出センサ29による外気温度(例えば25℃)、ヒートポンプの能力(例えば5.0kW)、沸き上げ温度(例えば75℃)、給水温度検出センサ30による逆止弁付き水道減圧弁11を介して貯湯タンク10に供給する水道水の給水温度(例えば20℃)、湯温検出センサTS3の検出温度(例えば63℃)、湯温検出センサTS1及びTS2の検出温度(例えば50℃)等のデータは、前記マイコン25のRAM27に格納され、これらのデータに基づいてマイコン25が貯湯タンク10内の貯湯量を判断する。
【0021】
即ち、初めに7個の湯温検出センサの中から沸き上げ湯温55℃を2個の検出センサ間に含む検出センサの組み合わせをマイコン25が探索し、55℃より高い温度を検出している検出センサの検出温度をThi、その残湯量をLhiとし、低い温度を検出している検出センサの検出温度をTlo、その残湯量をLloとして、55℃に到達している前記貯湯タンク10内の貯湯量(残湯量)Lzを、Lz=(Thi−55)/(Thi−Tlo)×(Llo−Lhi)+Lhiからマイコン25が算出する。
【0022】
従って、前述の場合であれば、55℃に到達している残湯量Lzは(63−55)/(63−50)×(300−250)+250から約286リットルであると、マイコン25は判断する。
【0023】
次に循環流量(1分間当りの沸き上げ量)を、ヒートポンプによる1分間当りの加熱量を沸き上げ温度から水温を引いた温度で割り算して算出するが、具体的には循環流量=(ヒートポンプ能力P×860(Kcal)/60(分間)/(沸き上げ温度Tp−(外気温度Tt×0.8+3))からマイコン25が算出する。即ち、所定能力が一定に出る給水温度(冷媒対水熱交換器2に入る水温)は、外気温度値を用いて、各種性能試験で得られた換算式より算出している。
【0024】
従って、循環流量は、(5×860/60/(75−(25×0.8+3)から約1.38リットル/分と、マイコン25は判断する。即ち、ヒートポンプの特性上(特に冷媒がCO2の場合)、沸き上げ温度を固定で、給水温度(冷媒対水熱交換器2に入る水温)が上昇すると圧縮機1の周波数を一定に保っていても徐々に加熱能力が低下し、また水温の上昇と能力の低下のカーブは完全にはリニアにはならないため、本給湯機で圧縮機1の保護も含め、入口水温に合わせて圧縮機1の周波数を段階的に下げる動作を行い、結果的に入口水温が変動しても同じ外気温度条件なら略一定の循環流量を維持する運転を行うように制御することとなる。
【0025】
以上のようにマイコン25により、貯湯タンク10内の貯湯量が判断されると共に、沸き上げ時(沸き増し時)の循環量が算出される。
【0026】
次に、ヒートポンプ給湯機の給湯制御について説明する。先ず、図5の(a)に示したような貯湯タンク10内の貯湯状態(ハッチングされた部分が全体容量内での適正温度の貯湯量を表し、本来、適正温度は上層となるが便宜上下層で表して説明する。)から給湯され、湯が使用された時には、貯湯タンク10に水が一杯になるように逆止弁付き水道減圧弁11から水が給水される。湯が使用され適正温度の貯湯量が次第に少なくなり、(b)に示した貯湯状態になる。さらに、給湯され適正温度の貯湯量が少なくなり、(c)に示したように沸き増しを開始する最低貯湯量(例えば、図3に示すように、モード4の場合においては150リットル)より少なくなり、検出センサTS5の検出温度が貯湯状態と判断する温度である55℃より低下すると、マイコン25は貯湯量が検出センサTS5の位置より少なくなったと判断し、ヒートポンプ給湯機に沸き増し運転を開始させる。
【0027】
従って、圧縮機1が運転を開始し、圧縮機1で圧縮されて高温になった冷媒が冷媒対水熱交換器2に供給される。そして、循環ポンプ23が起動されて貯湯タンク10の底部の水が冷媒対水熱交換器2に給水されて、冷媒と水との熱交換が開始される。これにより、冷媒は熱を失って凝縮し、また水は冷媒の凝縮熱により温度が上昇して、流量調整弁24を介して湯となって貯湯タンク10に戻る。
【0028】
このとき、冷媒対水熱交換器2内の湯が、貯湯タンク10の上部の入口に流量調整弁24を介して流入するように循環ポンプ23で貯湯タンク10の底部の水が供給される。これにより貯湯タンク10内の上層は湯で下層は水となり、時間の経過と共にお湯の層と水の層とが混じることなく、湯の層が増え水の層が少なくなる。そして、例えば、沸き上げ制御のモードがモード7の運転状態では、最終的に貯湯タンク10全体が適正温度の湯で満たされるが、例えばモード4の場合には、図5の(c)に示したように貯湯量が設定された沸き増し終了の量である200リットルまで上昇し、検出センサTS5の検出温度が55℃以上になると、CPU26が動作しマイコン25が圧縮機1及び循環ポンプ14へ停止信号を出力し、沸き増し運転が終了する。
【0029】
上記のように、沸き増し運転時には図3に示すように沸き上げ制御のモードに従い、沸き増し運転が制御されるが、以下沸き上げ制御のモードを変更するときの制御について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0030】
まず、沸き上げ制御のモード(運転モード)が手動で行うか自動で行うかが判断され、手動の場合には、前記沸き上げ量設定スイッチ7bの操作に基づいて、沸き上げ制御のモードがモード1乃至3までの間にて設定される。即ち、沸き上げ量を、例えば「多い」、「中間」、「少ない」場合の3段階に分け、多い場合にはモード3、中間の場合にはモード2、少ない場合にはモード1が設定され、その後沸き上げ運転時には設定されたモードに従ってヒートポンプ給湯機の運転が制御される。
【0031】
沸き上げ制御のモードが自動の場合には、例えばヒートポンプ給湯機への電源投入時に標準モードである沸き上げ制御のモード3が自動的に設定される。このため、貯湯タンク10からの給湯により適正温度の貯湯量が減少し、検出センサTS6の検出温度が55℃より低くなり、適正温度の貯湯量が100リットルより少なくなったとマイコン25が判断する(判断A)。この判断に伴い、マイコン25に設けられた図示しないタイマーが動作を開始する。そして、その後、適正温度の貯湯量が50リットル以下にならず、即ち検出センサTS7が55℃以上の温度を検出し続けた場合には、沸き上げ制御のモード3がタイマーに予め設定されている所定時間(例えば3日間)維持される。
【0032】
尚、前記所定時間(例えば3日間)が経過する前に適正温度の貯湯量が減少し、検出センサTS7の検出温度が55℃より低くなった場合には、適正温度の貯湯量が50リットルより少なくなったとマイコン25が判断し(判断B)、沸き上げ制御のモードを1ランク上のモード、即ち、モード番号の大きいモードであるモード4へ移行する。このため、沸き増し開始の最低貯湯量が100リットルから150リットルへ増加し、かつ沸き増し運転の終了貯湯量が150リットルから200リットルに増加する。
【0033】
また、前記モード3の状態において、検出センサTS6の検出温度に基づいて貯湯タンク10に100リットル以上の適正温度の貯湯量があるとマイコン25が判断した(判断C)場合には、マイコン25内のタイマーが動作する。そして、100リットル以上の貯湯量が予め設定されていた所定期間(例えば3日間)維持された場合には、タイマーがカウントアップしてその所定期間経過後に、マイコン25が動作し、1ランク下のモード、即ち、モード番号が小さいモードであるモード2へ移行する。この結果、最大沸上量が370リットルから300リットルへ減少する。
【0034】
各沸き上げ制御のモードにおいて、上記モード3と同様の判断が行われ、例えばモード5においては、100リットル以上の貯湯量が所定期間維持された場合には、タイマーがカウントアップし、マイコン25が動作し、1ランク下のモード、即ち、モード番号が小さいモードであるモード4へ移行する。この結果、沸き増し開始の最低貯湯量が200リットルから150リットルへ減少し、かつ沸き増し運転の終了貯湯量が250リットルから200リットルに減少する。同様に、モード4からモード7においては、100リットル以上の貯湯量が所定期間維持された場合には、タイマーがカウントアップし、マイコン25が動作し、1ランク下のモード、即ち、モード番号が小さいモードであるモードへ移行する。この結果、沸き増し開始の最低貯湯量と沸き増し運転の終了貯湯量との双方が50リットルずつ減少する。
【0035】
この結果、給湯量が多いとき、即ち使用負荷が多いときにはモード番号を大きい方へ移行させ、負荷に適切に対応することができることは勿論、給湯量が少なく使用負荷が少ないときには、モード番号を小さい方へ移行させ、深夜の最大沸上量を減少させ、また、沸き増し開始の最低貯湯量と沸き増し運転の終了貯湯量との双方を減少させることにより、1つの貯湯タンク10の容量で使用負荷に対応した幅広い運転、即ち、貯湯量或いは沸き増し量の制御ができ、放熱よる熱ロスを極力少なくし、ヒートポンプ給湯機の運転効率、即ち湯の供給効率を向上することができる。
【0036】
次に、台所リモコン7の給湯温度設定用昇温スイッチ7c及び降温スイッチ7dを操作して設定温度を38℃に設定し、給湯温度検出サーミスタ15が低い温度(10℃)相当の抵抗値で故障した場合について、図7のフローチャートに基づき説明する。
【0037】
先ず、マイコン25は、台所リモコン7の台所リモコンCPU7aから給湯運転スイッチ7b操作による給湯運転ONが指示されているか否かを判断して、給湯運転がONであれば、次のステップを実行する。
【0038】
給湯運転がONの場合、使用者が流しや台所等で湯の使用を開始すると貯湯タンク10内の湯は出湯管12から混合弁13、給湯温度検出サーミスタ15、給湯流量センサ16を介して給湯管17から給湯される。この給湯流量を給湯流量センサ16により検出して、その流量が所定量以上(例えば、1分間当り2リットル以上)であればマイコン25は給湯開始と判断して、次の処理を実行する。
【0039】
マイコン25は、給湯開始を検出すると内部の10秒タイマをセットすると共に給湯温度検出サーミスタ15により給湯温度を検出して、設定温度(38℃)になるように混合弁13を制御して貯湯タンク10の湯とバイパス管14の水道水との混合比率を調節する。混合弁13は、今まで給湯を停止していたことから給湯温度検出サーミスタ15の検出温度が低いので、最初の給湯開始時は湯側全開位置から制御を開始する。
【0040】
次のステップでは、マイコン25は台所リモコン7での給湯温度設定が60℃未満であれば次のステップを実行し、60℃であれば使用者の意図により高温の給湯を行うことから火傷の可能性が低いと判断して給湯温度検出サーミスタ15の異常検出を行わず通常運転処理を実行する。また、この通常運転処理に移行した場合には、給湯流量センサ16の停止(1分間当り1リットル以下)を検出したら最初の処理に戻ることで、再給湯時にはこの処理をまた実行するように構成している。
【0041】
次に、マイコン25は給湯温度設定が60℃未満の場合、貯湯タンク10内の湯温検出センサ(TS7)の検出温度が所定温度としての60℃以上であるか否かを判定し、検出温度が60℃未満であれば火傷の可能性が低いと判断して通常運転処理に移行し、60℃以上であれば次のステップを実行する。
【0042】
次に、マイコン25は、湯温検出センサ(TS7)の検出温度が60℃以上である場合、混合弁13が貯湯タンク10から供給される湯のみを給湯している状態(湯側全開位置)であるか否かを判定する。この判定は、混合弁13に内蔵している湯側全開位置(水側全閉位置)と水側全開位置(湯側全閉位置)を検出して出力するセンサにより行う。また、この時、混合弁13が湯側全開状態でなければ、水道減圧弁11からの水道水と湯を混合して給湯温度が低下しているので火傷の可能性が低いと判断して通常運転処理に移行し、混合弁13が湯側全開状態であれば次のステップを実行する。
【0043】
次に、マイコン25は、混合弁13が湯側全開状態であれば、給湯温度検出サーミスタ15の検出する給湯温度が所定温度としての55℃以下か否かを判定し、55℃以下であれば次のステップに移行し、55℃超であれば通常処理を行う。
【0044】
次に、マイコン25は給湯温度が55℃以下である場合、この検出温度がノイズ等の一時的なものでは無く連続的な検出温度であるか否かを判定するために、所定時間としての内部の前記10秒タイマが10秒間経過したか否かを判定する。経過してなければ前記給湯温度設定の判定処理に戻って、前述の判定動作を繰り返し行う。そして、10秒間が経過した時点でマイコン25は給湯温度検出サーミスタ15が異常であると判断して、台所リモコンの表示装置7gの時刻表示部に「F25」と表示すると共にブザー7hを鳴らして、使用者に給湯温度検出サーミスタ15が異常である旨を報知する。
【0045】
また、マイコン25は給湯温度検出サーミスタ15の異常判断時には安全性を考慮して、混合弁13を水側全開位置に制御することで低温の水道水を吐出させて未然に使用者の火傷を防止する。
【0046】
また、熱源の燃焼量(ガスや石油による)に応じて給湯温度を制御する瞬間式の給湯機にあっては、この給湯温度検出サーミスタ15異常を判断した時点で燃焼を停止させるようにすることにより未然に使用者の火傷を防止することができる。
【0047】
さらに、今まで給湯運転による動作を説明したが、ふろを沸かす時にふろの浴槽19へ給湯する動作時において、給湯流量センサ16の代わりに風呂流量センサ18を使用することで上述するように給湯温度検出サーミスタ15の異常検出を行うようにしても良いのは勿論である。
【0048】
以上述べた実施形態によれば、水道水あるいは貯湯タンク10内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンク10からの給湯量を検出する給湯流量センサ16と、給湯温度を検出するための給湯温度検出サーミスタ15と、該給湯温度検出サーミスタ15が検出した給湯温度に応じて前記熱源の加熱量を制御する制御装置とを備え、前記給湯流量センサ16により所定量(1分間当り2リットル)以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出サーミスタ15が所定温度(55℃)以下を所定時間(10秒間)継続して検出した場合に、給湯温度検出サーミスタ15が異常であると判断するマイコン25を設けたので、給湯温度検出サーミスタ15が実使用範囲内での所定温度の抵抗値で故障した時には、特に瞬間式の給湯機にあっては熱源の燃焼を停止することで高温給湯による使用者の火傷を防止した安全性の高い給湯機を提供することができる。
【0049】
また、水道水あるいは貯湯タンク内10の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンク10からの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁13と、該混合弁13の給湯量を検出する給湯流量センサ16と、前記混合弁13の給湯温度を検出するための給湯温度検出サーミスタ15と、該給湯温度検出サーミスタ15が検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁13を制御する制御装置とを備え、前記給湯流量センサ16により所定量(1分間当り2リットル)以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出サーミスタ15が所定温度(55℃)以下を所定時間(10秒間)継続して検出した場合に、給湯温度検出サーミスタ15が異常であると判断するマイコン25を設けたので、給湯温度検出サーミスタ15が実使用範囲内での所定温度の抵抗値で故障した時には、混合弁13を水側全開位置に制御して低温の水道水を吐出することで高温給湯による使用者の火傷を未然に防止した安全性の高い給湯機を提供することができる。
【0050】
さらに、貯湯タンク10内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該貯湯タンク10内の湯温を検出する湯温検出センサTS7と、前記貯湯タンク10からの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁13と、該混合弁13の給湯量を検出する給湯流量センサ16と、前記混合弁13の給湯温度を検出するための給湯温度検出サーミスタ15と、該給湯温度検出サーミスタ15が検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁13を制御する制御装置とを備え、前記給湯流量センサ16により所定量以上(1分間当り2リットル)の給湯量を検出した時から、前記湯温検出センサTS7が60℃以上および給湯温度検出サーミスタ15が55℃以下を所定時間(10秒間)継続して検出した場合に、給湯温度検出サーミスタ15が異常であると判断するマイコン25を設けたので、混合弁13が湯側全開位置にある状態では同じ温水が流れているにもかかわらず湯温検出センサTS7が高温(60℃)以上を検出し、給湯温度検出サーミスタ15がそれより低い温度(55℃)以下を検出することで給湯温度検出サーミスタ15の異常を確実かつ容易に検出することで、高温給湯による使用者の火傷を未然に防止した安全性の高い給湯機を提供することができる。
【0051】
また、前記マイコン25が給湯温度検出サーミスタ15の異常を判断したときに、異常である旨を報知する報知手段を設けたので、表示装置7gに給湯温度検出サーミスタ15の異常コードである「F25」を表示すると共にブザー7hを鳴らすことで使用者に異常を報知することで高温給湯による火傷を未然に防止することができる。さらに、機器の故障修理によるサービス時にはこの異常コード「F25」表示を見ることで、迅速かつ確実に故障箇所を特定し修理することができる。
【0052】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明は、給湯温度検出センサが故障しても、速やかにその故障を検出して給湯温度を下げることで、使用者が火傷することの無い安全な給湯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプ給湯機の説明図である。
【図2】制御ブロック図である。
【図3】各モード毎の最大沸上量、沸き増し開始時の最低貯湯量及び沸き増し終了時の貯湯量のテーブルを示す図である。
【図4】台所リモコンの説明図である。
【図5】沸き増し運転時の貯湯量の変化を説明する図である。
【図6】沸き上げ制御のフローチャートを示す図である。
【図7】給湯温度検出サーミスタの故障判定を行うフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
7g 表示装置
7h ブザー
9 制御基板
10 貯湯タンク
13 混合弁
15 給湯温度検出サーミスタ
16 給湯流量センサ
25 マイコン
A ヒートポンプユニット
TS7 湯温検出センサ
Claims (4)
- 水道水あるいは貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンクからの給湯量を検出する流量センサと、給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記熱源の加熱量を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする給湯機。
- 水道水あるいは貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該熱源あるいは貯湯タンクからの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁と、該混合弁の給湯量を検出する流量センサと、前記混合弁の給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする給湯機。
- 貯湯タンク内の貯溜水を設定温度に加熱する熱源と、該貯湯タンク内の湯温を検出する湯温検出センサと、前記貯湯タンクからの温水と水道水との混合比率を可変することで給湯温度を調節する混合弁と、該混合弁の給湯量を検出する流量センサと、前記混合弁の給湯温度を検出するための給湯温度検出センサと、該給湯温度検出センサが検出した給湯温度に応じて前記混合比率を変えるように前記混合弁を制御する制御装置とを備えた給湯機において、前記流量センサにより所定量以上の給湯量を検出した時から、前記湯温検出センサおよび給湯温度検出センサが所定温度以下を所定時間継続して検出した場合に、該給湯温度検出センサが異常であると判断する制御手段を設けたことを特徴とする給湯機。
- 前記給湯温度検出センサが異常であると制御手段が判断したときに、その旨を報知する報知手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給湯機。
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